金ナノ粒子とレーザーの相互作用による光熱効果 - 光応用工学科

レビュー
光化学 Vol. 45, No. 1, 2014
金ナノ粒子とレーザーの相互作用による光熱効果
Photothermal response of gold nanoparticles by interacting with lasers
徳島大学 工学部 光応用工学科 橋本 修一・瀬戸浦 健仁
Department of Optical Science and Technology, The University of Tokushima
Shuichi HASHIMOTO, Kenji SETOURA
This review deals with the recent progress that has been made and is still ongoing in the field of photosciences at nanoscale:
thermoplasmonics. Our attention is focused mainly on the fundamental aspects of the laser-gold nanoparticle (Au NP) interaction that
leads to the particle heating as well as energy deposition to the surrounding media. The former gives rise to the particle melting,
deformation, and ablation, which has discussion on the mechanism. The latter generates medium temperature gradients and bubbles
resulting from local heating through the heat transfer from the particle to the surroundings. The laser-Au NP interaction can be applied
to the material fabrication such as fine tuning of particle size and size distribution by applying high pressures and nanohole fabrication
on glass substrates. We also refer to the importance of temperature measurements in dimension smaller than the diffraction limit. We
show that this can be achieved by CW laser-Au NP interaction by using the single particle spectroscopy.
1.はじめに
金ナノ粒子には、6spバンドのバンド内遷移に相当し、
金ナノ粒子をはじめとする貴金属ナノ粒子関連の論文
520 nm 付近をピークとするプラズモン(局在表面プラズ
が1990年代以降、爆発的に増加している。とりわけ、プ
モン共鳴、LSPR)バンドが存在する1)。LSPRは粒子の形
ラズモン増強に基づく蛍光増強、表面増強ラマン
状、サイズ、媒質の屈折率に依存して、強度変化およびシ
(SERS)、光電変換およびプラズモン太陽電池は光化学
フトがおこる。また、約520 nm 付近から紫外側に緩やか
分野における新たな研究展開を予感させるトピックとな
に立ち上がる5d6spバンド間遷移も存在する。バンド内
りつつある。一例を挙げると、昨年の ICP 2013 Leuven
遷移もバンド間遷移も行きつく先は同じであり、電子励起
においても、プラズモニクス・フォトニクスは主要なテ
によって非平衡フェルミ分布をつくり出す。
金ナノ粒子の光励起緩和過程は超高速分光により、明ら
ーマとなったと同時に2日間のプレ・シンポジウムも盛大
かにされ、以下のよう記述される5)。すなわち、1)電子励
に行われた。
金ナノ粒子の伝導電子は可視光と強く相互作用し、共鳴
起による非熱平衡電子の生成、2)電子の熱平衡化(電子
波長で強い吸収および散乱を示すことは古くから知られ
-電子相互作用)による電子温度の出現、3)電子-格子
ている1)。粒子のごく近傍において光を集めるアンテナ効
間衝突(電子-格子相互作用)による格子加熱(格子温度
果は光エネルギーの高効率な利用の可能性を開くと期待
の上昇)、4)格子-格子間相互作用による粒子から媒質
されている。金ナノ粒子の発光量子収率は著しく低い( 
への熱伝導による媒質温度の上昇に至る。2)はフェムト
−6
10 ) 。このため、吸収した光エネルギーは効率よく熱に
秒、3)は数ピコ秒以内、4)はサブピコ秒からナノ秒の時
変換される(光熱変換)。金ナノ粒子の光熱効果はナノ治
間スケールで起こる。フェムト秒レーザー励起の速度式の
2)
療への応用が期待され、盛んに研究されている 。たとえ
記述には、電子温度と格子温度(粒子温度)の2温度モデ
ば、ロッドやシェル形状の金ナノ粒子を取り込ませた腫瘍
ル(Two-Temperature Model:TTM))が用いられた5)。ここ
細胞に近赤外レーザーを照射して細胞死をもたらす試み
で、単一金ナノ粒子が水のような均一媒質中に存在し、時
が進行している。
間・空間的にガウス分布を持つレーザーパルスが入射する
3)
我々は、材料技術・材料作製の観点から金ナノ粒子の光
モデルを考える(Scheme 1)。
熱変換およびその関連課題について研究している4)。特に、
金ナノ粒子とレーザーの相互作用に関するナノスケール
の光化学としての学理の追及と、新たな高速光熱化学反応
の開拓および材料創生をめざしている。本稿では、まず、
金ナノ粒子とレーザーの相互作用について簡便に解説し、
続いて、これに関わる現象および応用技術について現時点
でのいくつかの事例を紹介する。
2.プラズモン加熱
Scheme 1. Schematic illustration of a Au NP exposed to a
pulsed laser illumination in water.
2-1.フェムト秒レーザー励起
─ 1 ─

2010 The Japanese Photochemistry Association
光化学 Vol. 45, No. 1, 2014
媒質への熱伝導を考慮したTTMでは以下に示す3つの熱
伝導方程式が用いられる6)。
Ce (Te )
Cl (Tl )
質の温度上昇は、界面熱抵抗の寄与が大きいために、さら
Te
 ke (Te , Tl )Te  g (Te )  [Te  Tl ]  S (t )
t
Tl
 kl (Tl )Tl  g (Te )  [Te  Tl ]  F
t
Cm (Tm )
達する。金ナノ粒子から媒質への熱損失によって起こる媒
に遅れて起こる。格子温度と媒質温度が平衡に達するのは
(1)
サブナノ秒領域である。この例では、金ナノ粒子の温度は
バルクの融点1337 Kを超える。金ナノ粒子の直径が5 nmよ
(2)
4)
り大きい場合、融点はバルクとさほど変わらない 。従っ
て、金ナノ粒子は液体状態になり、媒体(水)は過熱状態
Tm
 km (Tm )Tm
t
(3)
から爆発的に沸騰して蒸気バブル発生をおこす。4)
C [J m−3 K−1]は熱容量、T [K]は温度、k [W m−1K−1]は熱伝導
2-2.ピコ秒およびナノ秒レーザー励起
率、g は電子-格子相互作用のカップリング定数、S [W
ピコ秒よりパルス幅の長いレーザーによる光励起では、
m−3]は粒子に吸収された単位体積当たりのレーザーエネル
励起パルス終了後の時点で電子温度と格子温度がすでに
ギー、ΔはScheme 1に示す球面座標系でのラプラス演算
熱平衡化している。この場合の粒子と周囲媒体の温度上昇
子、Fは粒子/媒質の界面熱伝達率[W m−2K−1]を考慮した粒
子から媒質への熱損失を表す項である。各項の下付き文字
e, l, m はそれぞれelectron, lattice, mediumに対応する。S [W
m−3]は、レーザーフルエンス [J m−2]と、金ナノ粒子の励起
2
波長での光吸収断面積 Cabs [m ]を用いて、ガウシアンパル
スの時間に対する強度分布により求めることができる。
(1)式は電子系、(2) 式は格子系、(3) 式は周囲媒質に対す
る式である。(1), (2) 式中のg が掛かる項は、電子―格子
間相互による高温の電子から格子へのエネルギー移動を
を記述する式は、境界条件とともに以下のように示される
7, 8)
。
T (r , t )
 k p  2 T (r , t )  p(r , t ) for r < R
t
T (r , t )
 m cm
 k m  2 T (r , t )
for r > R
t
 pcp
km
T ( R  , t )
T ( R  , t )
 kp
 GT (t )
r
r
(4)
(5)
(6)
示す。(1)  (3)式より解析的に温度を求めることは困難で
ここで、[kg m−3]は密度、c [J kg−1K−1]は比熱、k [W m−1K−1]
あるため、有限差分法およびルンゲクッタ法によって数値
は熱伝導率、G [W m−2K−1]は界面熱伝達率、R [nm]は粒子
解を求めるのが一般的である。
の半径を表す。各項の下付き文字であるpおよびmはそれぞ
フェムト秒励起の場合の電子、格子、媒質温度の過渡的
な挙動を理解するために、(1)  (3)式を用いて計算結果を
例示する6)。波長400 nm、パルス幅300 fsのフェムト秒レー
ザーを用いて、レーザーフルエンス10 mJ cm−2で水中にあ
れ、粒子と媒質に対応する。(4)式はナノ粒子内、(5)式は
周囲媒質に対する熱伝導方程式である。p(r,t)の項は時間・
空間的にガウス分布を持つレーザーパルスを表す。粒子と
媒質の境界条件を示す(6)式は、フォノンミスマッチによっ
る直径55 nmの金ナノ粒子を励起した際の各温度変化を
て粒子から媒質への熱移動が抑制され、界面において温度
Fig.1に示す。
差が生じることを示す9)。(4)  (6)を温度に関して解く場合
も、解析解を得ることは困難であり、数値解を求める。本
稿では、工学分野の多くで使用される有限要素法ソフトウ
ェアであるCOMSOL Multiphysics (www.comsol.com) を用
いて温度計算を行い、その結果を示す。
水中の直径100 nmの金ナノ粒子が、波長355 nmでパルス
幅15 psのレーザーによって励起されるとき、粒子および媒
質温度の時間に対する変化をFig. 2a に示す。ここで、粒子
内部の温度は約30 psで最高温度に達する。粒子内部の温度
は、金の熱伝導率(k = 314 [W m−1 K−1])が著しく大きい
ためにごく早い時間のうちに均一となる。媒質温度は粒子
温度に遅れて100 ps以降でやっと上昇が始まる。この挙動
Fig. 1. Temperature evolution of electrons, Te (dashed
line); lattice, Tl (solid line); and the maximum water
temperature, Tm (dashed-dotted line).
は、フェムト秒励起の場合と非常によく似ている。
比較のためにパルス幅5 nsのレーザーを照射した際の温
度変化をFig. 2b に示す。ナノ秒励起の場合では、粒子温
Fig. 1より、フェムト秒レーザー励起によって電子温度
度と媒質温度に差はあるものの、媒質温度は粒子温度に追
がまず一瞬で上昇し、最初の数ピコ秒の間は、格子温度は
随して上昇し、冷却も励起パルスと同じタイムスケールで
追従できないことが見て取れる。その後、40 psにかけて電
起こっている。
子温度と格子温度が平衡状態となり、粒子温度は最高値に
─ 2 ─
光化学 Vol. 45, No. 1, 2014
P0 [W]は投入エネルギー(レーザーのピークパワー密度と
ナノ粒子の吸収断面積の積)、km [W m-1K-1]は媒質の熱伝
導率、R[nm]はナノ粒子の半径、は粒子と媒質の熱伝導率
の比より決まる定数、k は界面熱伝達率を取り入れた無次
元量である。(7)式はナノ粒子内部、(8)式は周囲媒質の、
半径方向への温度分布を表す。(7)式右辺の[ ] 内は、主に
界面熱抵抗による粒子と媒質間の温度差を表すために必
要である7,9)。
(7)と(8)式を用いて、水中の直径100 nm金ナノ粒子が、
Fig. 2. Temperature evolution of d = 100 nm Au NP (solid
line) and adjacent water (dashed line) induced by a ps-laser
irradiation (a), and a ns-laser irradiation (b).
波長488 nmのCWレーザーで加熱される際の温度分布を求
め、Fig. 4 (a) に示す。定常状態では、金ナノ粒子内部の温
度は均一となり、周囲への温度分布は(8)式にある通り1/r
界面熱抵抗の効果を見やすくするために、Fig. 2aで行っ
の関数になる。パルスレーザー励起の場合と比較して、粒
た計算をある遅延時間に注目して、半径方向への温度分布
子と媒質の界面における温度差は最も小さくなっている。
として表したものをFig. 3aに示す。ここでは、励起パルス
このように、定常加熱の場合では界面熱抵抗の寄与が非常
が金ナノ粒子に入射してから500 psと5 ns 後の、金ナノ粒
に小さいため、これを無視して、金ナノ粒子内部の温度を
子中心から半径方向への温度分布を示す。500 psでは、ナ
(8)式でr = Rのところの温度とする近似が使われることも
ノ粒子と媒質の界面において、界面熱抵抗による100 K 以
ある10)。つまり、定常加熱でのナノ粒子の温度は、媒質へ
上の温度差が生じている。一方で、5 ns後では界面での温
の熱損失によってのみ決定されると理解できる。実際には
度差はほとんどなくなっている。このことから、界面熱抵
CW励起による金ナノ粒子加熱でも、定常状態に達するま
抗はピコ秒の時間領域で、粒子と媒質間で断熱材として働
でには1s程度の時間がかかる(Fig. 4 (b))。このダイナミ
くことが理解できる。Fig. 3bでは粒子サイズの冷却への影
クスを求めるためには、誤差関数を導入した定常熱伝導式
響を示す。サイズが小さくなると、半径方向の媒質温度は
を解く方法がある11)。
より急峻に下がると同時に、粒子の冷却も速い。
(a)
Fig. 3. Temperature profiles as a function of a distance
from the NP center at two time delays for d=100nm Au
NP (a) and d=20nm Au NP (b) immersed in water.
(b)
Fig. 4. Steady-state temperature profiles as a function
of a distance from the NP center (a) and the time
evolution (b) for a CW laser excitation.
2-3. CWレーザー励起による定常加熱
金ナノ粒子にCWレーザーを照射すると、レーザーによ
2-4. 熱対流について
る加熱と周囲への熱放出が平衡状態となるため、照射して
液中の金ナノ粒子がレーザー加熱される場合、温められ
いる間粒子は一定温度に保たれる。金ナノ粒子が定常加熱
た周囲媒質の自然対流を考慮する必要がある。Donnerら
される際の温度計算には、(4)(6)式の解析解が利用できる
は、ガラス基板上に作製された単一金ナノディスクがCW
7)
レーザー加熱される際の自然対流について、計算機シミュ
。粒子内部および媒質の距離r に依存した温度分布は、
P0 
1
T (r ) 
1 
4km R  2
T (r ) 
P0
4km r


r2 
1  2   k 
 R 

レーションを行った12)。彼らは、金ナノ粒子と周囲媒質の
for r < R (7)
加熱に関しては熱伝導方程式を、媒質の自然対流には流体
の運動を記述するNavier-Stokes方程式を用いて、COMSOL
Multiphysicsによる計算を行った。
for r > R
金ナノディスクのサイズを変数として計算した結果、十
(8)
─ 3 ─
光化学 Vol. 45, No. 1, 2014
分な自然対流が駆動されるためにはディスク半径が2 m
ほぼ空気に近い熱伝導率を持つ蒸気バブル内と比較し
以上必要であることがわかった。また、直径500 nmの金ナ
て、臨界圧以上の高圧下では臨界温度以上に加熱された金
ノディスクで十分な対流が起こるためには、106-109 Kの温
ナノ粒子近傍に超臨界水層が生じるはずである。この超臨
度が必要という結果も得られた。よって、単一金ナノ粒子
界水槽は通常の水の半分程度の熱伝導率を有することが
がレーザー加熱されるような状況では、周囲媒質の自然対
予想される。また、圧力の上昇に伴って、Clausius-Clapeyron
流は無視できるほど小さいと見なすことができると考え
の式から金粒子の沸点上昇が予測される。たとえば、常圧
12)
られた 。
における金の沸点は約3100 Kであるが、100 MPaでは7400
Kまで上昇することが計算により予測される。したがって、
3.レーザー誘起サイズ減少および増大
高圧印加による金の沸点および冷却速度の制御によって
3-1.レーザー誘起サイズ減少の圧力制御
って、ナノ粒子の蒸発量の制御も可能となり、光熱過程に
貴金属ナノ粒子コロイドの優れた光学的特性を利用す
るためには、ナノ粒子のサイズ・形状がより均一であるこ
よるアブレーションにおけるサイズ制御性を向上させる
ことが期待できる。
とが望ましい。近年、液中においてレーザー照射によりナ
高圧アブレーション実験では、水分散金ナノ粒子コロイ
ノ粒子を製作する、液中レーザーアブレーション法は簡便
ドを光路長10 mm、内容積2 mlの石英セルに入れ、サファ
かつ有害化学物質を用いない優れた技術として注目を集
イア窓付チタン合金製圧力チャンバー内に入れ、密閉し
めている13,14)。しかし、従来の液中レーザーアブレーショ
た。高圧ポンプからの静水圧によってチャンバー内を加圧
ン法の大きな欠点は、ナノ粒子のサイズ分布制御が困難な
状態にし、Nd:YAGレーザー(パルス幅:5 ns, 繰り返し周
ことであった。
波数:10 Hz)の波長532 nm および355 nm を照射した。
レーザーアブレーションのメカニズムは、励起光のパル
ス幅・フルエンスに依存してプラズマ形成、多光子励起、
(a)
Coulomb 爆発、光熱プロセスなど様々である 4,13,14)。しか
60.2 mJ cm -2
し、金ナノ粒子コロイドを対象として、ナノ秒パルスレー
ザーを照射した場合は、パワー密度によらず光熱過程によ
る融解・蒸発がおこることがレーザーによる粒子加熱と媒
100 nm
6)
質による冷却を考慮した計算により示唆された 。初期の
(b)
研究においてKodaら15)、およびInasawa16)らは、水分散金ナ
ノ粒子コロイドにナノ秒またはピコ秒レーザーを照射し、
100 nm
106.5 mJ cm-2
光学吸収スペクトルおよび透過型電子顕微鏡(TEM)観察に
より、生成する粒子のサイズ分布の変化を調べた。彼らは、
サイズ減少の機構は光熱過程による粒子からの沸騰・蒸発
により説明されるとしたが、周囲媒質による冷却効果を考
(c)
100 nm
慮しなかった。後に、レーザー照射後または照射中に蒸気
136.6 mJ cm
-2
バブル発生が起こることがわかり、その場合の冷却効果は
小さいことを我々は指摘した。
先に、レーザー照射の結果生じる粒子のサイズ分布は化
学合成法と比較して著しく多分散であることを述べたが、
この原因は、粒子の周囲媒質が沸騰して生じる蒸気バブル
Fig. 5. Particle images (TEM photographs) and
corresponding size distributions at 100MPa after irradiation
with 532nm nanosecond laser pulse (10Hz) at various laser
fluences.
に帰されると考える。金ナノ粒子にレーザーを照射する
と、粒子が光を吸収して温度上昇を起こし、同時に粒子か
ら媒質への熱移動が起こる。この場合、媒質が水のとき、
実際は100℃では沸騰が起こらず、250300℃まで過熱状態
レーザーフルエンスを変数として高圧レーザーアブレ
になった後爆発的に沸騰すると考えられている8)。バブル
ーションを行い、粒径の減少をTEMにより観測し、サイズ
を生成すると、水と比較して熱伝導率が極めて低いため、
分布のヒストグラムにまとめた例をFig. 5に示す18)。TEM
液中レーザーアブレーション法の利点である溶媒による
画像から、光熱過程特有の現象である融解によって球形に
冷却効果が発揮されず、光熱過程での金ナノ粒子の蒸発が
なったコア粒子と、沸騰により粒子表面から飛散した小さ
制御困難となると推定された。そこで我々は、水分散金ナ
なフラグメント粒子が確認された。サイズ分布に関するヒ
ノ粒子コロイドに、水の臨界圧である22.1 MPa以上の圧力
ストグラムが示す通り、レーザーフルエンスの増加に伴っ
を印加し、蒸気バブルの形成を抑制することを考えた17)。
て粒径分布の平均値は減少した。サイズ分布の標準偏差は
─ 4 ─
光化学 Vol. 45, No. 1, 2014
極めて狭く、粒径の揃ったコア粒子が得られている。この
他の応用も盛んに報告されるようになってきている。
結果は、高圧印加によってナノバブルの生成が妨げられ、
Feldmannらのグループは、単一金ナノ粒子の光熱効果を
粒子周囲の超臨界層が期待される冷却効果を発揮してい
利用して、ガラス基板上に作製したpolyvinyl alcohol (PVA)
ることを示唆する。
フィルムおよびpolydimethylsiloxane (PDMS) フィルムのナ
更に、印可圧力を変数として実験を行い、レーザーフル
ノ加工に取り組んだ21,22)。Fig. 7に示すように、ガラス基板
エンスに対するナノ粒子の平均粒径をプロットしたもの
上に金ナノ粒子を含むPVAフィルムを作製する。そして、
18)
をFig. 6 に示す 。圧力が増加するにつれて、レーザーフ
対物レンズを用いて金ナノ粒子のやや上部にCWレーザー
ルエンスに対する粒径減少が抑制された。これは、圧力上
を集光照射すると、金ナノ粒子が加熱されてPVAフィルム
昇による金の沸点上昇の効果が現れ、高圧であるほど沸騰
を融解または熱分解し、Fig. 7のr軸方向へ光圧によって移
によるサイズ減少が抑制されたものと考えられる。よって
動することを見出した21)。この方法では、光学的な操作の
高圧液中アブレーション法で金ナノ粒子を作製すれば、圧
みで回折限界以下のナノチャンネルが作製できる。彼らは
力とレーザーフルエンスの二つを変数として、サイズ分布
また、PVAフィルムの代わりにPDMSフィルムを用いて、
を自由に制御できるといえる。この高い制御性は、より精
ナノリソグラフィーの方法を開発した。円偏光レーザーを
密なプラズモニクスに適した材料を提供する。
照射し、熱硬化性ポリマーであるPDMSフィルムの中を加
熱される金ナノ粒子がレーザーの偏光方向に沿って円形
に移動することで、円形のポリマーナノワイヤが作製でき
ることを実証した22)。また、これらの方法を応用して、3
次元的な構造を作製できる可能性も示唆している。
(a)
(b)
Fig. 6. (a) Mean diameter of Au NPs as a function of laser
fluence at 30 MPa, 60 MPa, and 100 MPa based on the size
distributions obtained by TEM observation. (b) The effect of
excitation laser wavelength.
Fig. 7. Schematic illustration of the optical forces acting
on a nanoparticle inside a polymer layer during
patterning process.
3-2. レーザー誘起サイズ増大
Koshizakiらは酸化チタンナノ粒子のような凝集性のコ
我々のグループでは、金ナノ粒子で表面修飾したホウケ
ロイド溶液にナノ秒レーザーを照射することにより比較
イ酸ガラス基板に対して、金ナノ粒子の表面プラズモンバ
的サイズ分布の小さい球形サブミクロン粒子の作製を行
ンドを励起する波長532 nmのナノ秒レーザーを照射し、ナ
った19)。その機構として光熱効果により融解が起こり、こ
ノスケールの基板表面加工を試みた 23)。ガラスは光学材
れが集まってサブミクロン粒子となることを考えた。レー
料・透明材料として有用であり、耐熱性に優れ、化学的に
ザーフルエンスとしてはかなり大きく微少粒子の飛び出
安定である。上記の熱硬化・可塑性ポリマーよりも加工は
しも同時に起こっている。またバブルの生成も起こってい
困難であるが、加工が達成できれば高い耐久性が得られ
るものと考えられる。TsujiらはKoshizakiの方法を応用し
る。ガラス表面にナノパターンを形成すれば、精密な電子
て、サブミクロンサイズの球形金ナノ粒子の作製を行った
材料、光学材料としての高い有用性を開拓することができ
20)
る。
。クエン酸濃度をうまくコントロールして、金同志を凝
集させて光熱効果により単一粒子にした。
低フルエンスで単発照射した場合は、金粒子の融解 (バ
ルクの融点:1337 K) に伴う形態変化が見られた。更にレ
4.ナノスケール加熱および熱移動
ーザーフルエンスを上げると、粒子がアブレーションを起
4-1. ナノ加工への応用
こし微細化すると同時に、ガラス基板表面にナノホールが
金ナノ粒子へのレーザー照射による光熱変換の応用の
3)
代表例としては光熱治療 が挙げられるが、近年ではその
形成された23)。ナノホールの形成における特徴的な点は、
以下の2点である。第一に、ナノ粒子が存在した場所と
─ 5 ─
光化学 Vol. 45, No. 1, 2014
は計算のみで温度を予測できるが、ナノ粒子が基板上に存
在する場合などでは、温度を実測する必要性が出てくる。
従来は、温度依存性の発光挙動を示す蛍光分子が温度セン
サーとして用いられてきた。Carlsonらは、Er3+をドープし
たAlGaN薄膜上でレーザー加熱される金ナノ粒子の温度
を、発光スペクトルの強度比の変化より計測した 26) 。
Yamauchiらは、加熱されるナノ粒子の周囲にローダミン等
の蛍光分子を分散させ、その蛍光自己相関関数の中にある
拡散係数の項から温度情報を評価した27)。蛍光温度プロー
ブを用いる利点は、実験が容易であり、比較的低コストで
±1 K程度の十分な温度精度が得られることである。欠点
としては、温度情報を含む発光の空間分解能は光の回折限
界程度に限られるため、粒子自体と近傍の温度に関して平
Fig. 8. Femtosecond laser irradiation of Au nanostructures
(NSs) and the fabrication of patterned surface. Left; original
Au NSs, Right; nanoholes formed after the irradiation. Scale
bar 100 nm.
均化的な情報しか得られないことである。
そこで、我々のグループはより高空間分解能で、金ナノ
粒子の温度を直接測定できる方法の開発に取り組んだ28)。
ナノホールの形成箇所が一致せず、不特定となることであ
温度計測の指標として、金ナノ粒子のRayleigh散乱スペク
る。第二に、ナノホールの形成数にレーザーフルエンス依
トルのピーク波長シフトに注目した。レーザー照射下で加
存性があることである。形成しきい値付近では、ナノホー
熱されている粒子の吸収および散乱スペクトルは、金ナノ
ル数は金ナノ粒子の数よりも明らかに少なく、フルエンス
粒子自体の誘電率の温度変化や加熱による周囲媒質の屈
の上昇とともに増加し飽和した。これらの挙動は、ナノホ
折率変化のためシフトがおこる。散乱スペクトル変化は、
ールの形成が熱音響圧力によって起こることを示唆する。
単一粒子散乱分光法で測定可能である。この場合、蛍光分
一方、フェムト秒レーザーを用いるとSi 基板表面の金
子などの温度センサーは必要としない。したがって、レー
ナノ粒子の真下にナノホールを作製可能であり、いくつか
ザー照射中のスペクトルを測定し、照射前または後、すな
の研究グループによって、プラズモン増強アブレーション
わち、室温のスペクトルと比較することで、粒子の温度上
機構が提唱された4)。我々はフェムト秒レーザーをガラス
昇を評価できると考えた28)。
基板上の金ナノ粒子や金ナノ構造に対して、ガラスのアブ
レーションしきい値の50分の1程度のフルエンスで照射し
4-2-1. 金ナノ粒子の散乱スペクトルによる温度計
た。Fig. 8 は北海道大学の村越グループによりnanosphere
測
lithographyを用いてガラス基板上に作製された金ナノ構造
暗視野光学顕微鏡下で、対物レンズを通して金ナノ粒子
に、波長800 nm、300 fsのレーザーを照射した前後のAFM
(媒質:水, 基板:ガラス) にCWレーザーを照射し、レーザー
画像を示す。金ナノ構造は拭き飛んで、そこにナノホール
照射中、および照射前後の散乱スペクトルを測定した。レ
が生成された。ナノホールは元の金ナノ構造のパターンを
ーザー照射強度の増加に伴う、散乱スペクトル変化をFig.
ほぼ再現する。メカニズムの上では、Si に比べて屈折率
9a に示す。レーザー照射強度の増加に伴って散乱スペク
の小さいガラスではプラズモン増強の程度は十分とは言
トルのダンピングが起こると同時に短波長シフトが見ら
えない。そのため、金ナノ粒子による基板加熱が凹パター
れた。このスペクトル変化は、媒質である水の屈折率が温
ン形成に支配的と考えている。このように自己組織化に基
度上昇に伴って低下することに起因する。
づく微粒子の配置・配列と、それに基づいて作製した金ナ
実験で観測した波長シフトから粒子温度を見積もるた
ノ構造へのレーザー照射を組み合わせることにより、ガラ
め、温度に依存した散乱スペクトルを計算した。Mie理論
ス表面に機能的なパターン形成が可能となる。
によって、球形ナノ粒子の散乱断面積(Csca)スペクトルを
計算することができる。Mie理論によるスペクトル計算は
4-2. ナノスケール温度計測
通常室温のものを取り扱うが、温度に依存した誘電関数
電子素子の小型化に伴い、ナノスケールの温度計測技術
と媒質屈折率を用いることにより、温度に依存したスペ
開発の必要性が叫ばれている24)。また、細胞内の局所温度
クトルを計算した(Fig. 9b)。Fig. 9の計算と実験を、両者
25)
の計測も試みられるようになった 。ナノスケールの広範
の波長シフトについて比較することで、レーザー照射強
囲・高精度な温度計測は今後開発すべき優先度の高い分野
度に対する金ナノ粒子の温度上昇を見積もることが可能
であり、対象の温度を測定系が乱さない方法の開発には光
となる。この温度計測法の適用範囲は、室温から600 K
化学の活躍の余地が十分ある。Scheme 1のような均一系で
(~300℃)で、精度は±20 Kである。
─ 6 ─
光化学 Vol. 45, No. 1, 2014
の温度上昇プロットを示す 30)。媒質の熱伝導率が高いほ
ど、粒子の温度上昇が抑えられている。よって実験的に、
基板及び媒質の熱伝導率の違いに基づくナノ粒子の冷却
効果を計測できる。各媒質/基板の実験的な有効熱伝導率
は、Fig. 10 のレーザー強度に対する温度上昇プロット(直
線)の傾きから求めることができる。
実験結果の妥当性を検証するため、2次元熱伝導解析に
よるシミュレーションを行った30)。2次元解析では、金ナ
ノ粒子へのレーザー照射強度を変数として、金ナノ粒子・
Fig. 9. (a) Scattering spectral changes of a Au NP induced
by CW laser heating in water/glass system.
(b) Calculated temperature-dependent scattering spectra for a
Au NP in water/glass system.
媒質・基板の2次元的な温度分布を求める。ガラス基板、
4-2-2. ナノスケールの加熱と基板および媒質によ
なる。一方、媒質が水のとき、Fig. 11b に示す温度分布に
る冷却効果
なった。水とガラスは熱伝導率の値が近いため、温度分布
空気中で3.1 mW m-2 のピーク強度(488 nm)でレーザー
照射した際の計算結果をFig. 11a に示す。空気に対してガ
ラスの熱伝導率が大きいため、基板側の温度は著しく低く
金ナノ粒子をガラス基板 (熱伝導率: k = 1.0 [W m−1 K−1])
−1
−1
はほぼ等方的である。空気と比較すると、ナノ粒子の温度
上に置き、周囲媒質に水( k = 0.60 [W m K ]) または空気
上昇は約1/3に抑えられる。ガラス基板上において、レーザ
(k = 0.024 [W m−1 K−1]) などを用いる場合、粒子から周囲へ
ー照射強度に対する金ナノ粒子の温度上昇曲線は、Fig. 10
の熱伝導は非等方的に起こることに注意を要する。従来
に示すように、実験と2次元解析はよく一致しており、観
は、計算モデルを単純化するために、媒質と基板の熱伝導
測した有効熱伝導率の信頼性が示された30)。
率の単純平均が有効熱伝導率として用いられたり26)、基板
金ナノ粒子の加熱に対する基板および媒質によるナノ
の存在が無視された29)。我々は、開発した金ナノ粒子温度
スケールの冷却効果が測定可能であることが示されたこ
計測法を用いて有効熱伝導率を決定することを考えた。異
とで、今後はいろいろな熱伝導率の媒質と基板から成る系
なる熱伝導率の媒質と基板に対して正確な有効熱伝導率
での温度見積もりが1次元熱伝導方程式の解((8) 式)を用
を求める方法を提案できれば、レーザー加熱における金ナ
いて容易に行える。また、Fig. 7, 8で紹介したような、基
ノ粒子の温度見積もりは非常に容易となる。
板上で行う光熱効果によるナノ加工を行う上でも、有用な
種々の熱伝導率の媒質/基板系での有効熱伝導率の決定
知見を与える。
のために、基板にはガラスの他、フッ化カルシウム (k = 9.7
[W m−1 K−1])、サファイア(k = 42.0 [W m−1 K−1])を用い、
媒質には空気、水、グリセロール(k = 0.28 [W m−1 K−1])、
を使用した。直径 d=100 nm の金ナノ粒子を用い、9つの
媒質/基板系で有効熱伝導率を測定した。
Fig. 11. Calculated 2D temperature distribution for a Au NP
supported on a glass substrate and exposed to air (a), and
water (b).
5.おわりに
以上、金ナノ粒子をパルスおよびCWレーザーで加熱し
た場合の熱移動の時間依存性とナノスケールの空間挙動
を明らかにした。加えて、光熱効果を応用した金ナノ粒子
Fig. 10. Laser peak power density vs. Tp relationship for
a d=100 nm Au NP immersed in air, glycerol and water,
and supported on a glass substrate. Experimental data
points and simulated curves using COMSOL are shown.
のサイズ制御、ナノ加工にも言及した。プラズモン増強に
劣らずこの分野も研究者の関心は高い。グラフェンほどで
はないにせよ金ナノ粒子とレーザーに関する論文だけで
Fig. 10 に、ガラス基板を用い、媒質を空気、グリセロ
ール、および水として測定したレーザー強度に対する粒子
も毎日のようにWeb上に現れる。今後の新たな展開が楽し
みであり、最新の状況を把握するためにも日々チェックが
欠かせない。
─ 7 ─
光化学 Vol. 45, No. 1, 2014
参考文献
1)
2)
3)
23) S. Hashimoto, T. Uwada, M. Hagiri, and R. Shiraishi, J.
Phys. Chem. C, 115, 4986-4993, (2011).
U. Kreibig and M. Vollmer, Optical Properties of Metal
Clusters; Springer: Berlin, 1995.
24) Y. Yue and X. Wang, Nano Rev., 3, 11586, (2012).
A. Gaiduk, P. V. Ruijgrok, M. Yorulmaz, and M. Oritt,
25) G. Kucsko, P. C. Maurer, N. Y. Yao, M. Kubo, H. J. Noh,
Phys. Chem. Chem. Phys. 13, 149–153, (2009).
P. K. Lo, H. Park and M. D. Lukin, Nature, 500, 54-58,
E. C. Dreaden, A. M. Alkilany, X. Huang, C. J. Murphy,
(2013).
26) M. T. Carlson, A. Khan, and H. H. Richardson, Nano Lett.,
and M. A. El-Sayed, Chem. Soc. Rev., 41, 2740-2779,
11, 1061-1069, (2011).
(2012).
4)
27) H. Yamauchi, S. Ito, K. Yoshida, T. Itoh, Y. Tsuboi, N.
S. Hashimoto, D. Werner, and T. Uwada, J. Photochem.
Kitamura, and H. Miyasaka, J. Phys. Chem. C, 117,
Photobiol. C, 13, 28–54, (2012).
5)
G. V. Hartland, Chem. Rev, 111, 3858-3887 (2011).
6)
D. Werner and S. Hashimoto, J. Phys. Chem. C, 115,
8388-8396, (2013).
28) K. Setoura, D. Werner, and S. Hashimoto, J. Phys. Chem.
C, 116, 15458-15466, (2012).
5063-5072 (2011).
7)
8)
29) Z. Fangm Y. Zhen, O. Neumann, A. Polman, F. J. G.
G. Baffou and H. Rigneault, Phys. Rev. B, 84, 035415,
(2011).
Abajo, P. Nordlander, and, N. J. Halas, Nano Lett., 13,
A. Siems, S. A. L. Weber, J. Boneberg, and A. Plech, New.
1736-1742, (2013).
30) K. Setoura, Y. Okada, D. Werner, and S. Hashimoto, ACS
J. Phys., 13, 043018, (2011).
9)
Nano, 7, 7874-7885, (2013).
Z. Ge, D. G. Cahill, P. V. Braun, J. Phys. Chem. B, 108,
18870-18875, (2004).
はしもと しゅういち
10) P. Berto, E. B. Ureña, P. Bon, R. Quidant, H. Rigneault,
徳島大学工学部光応用工学科・教
and G. Baffou, Phys. Rev. B, 86, 165417, (2012).
授
11) P. Keblinski, D. G. Cahill, C. R. Sullivan, and T. A. Taton,
略歴:1982年東京都立大学大学院
J. Appl. Phys., 100, 054305, (2006).
理学研究科博士課程修了、1982年
12) J. S. Donner, G. Baffou, D. McCloskey, and R. Quidant,
~1985年ノートルダム大学化学科
ACS Nano, 5, 5457-5462, (2011).
博士研究員、1985年~1988年富士
13) V. Amendola and M. Meneghetti, Phys. Chem. Chem.
通研究所社員を経て 、1988年 ~
Phys. 11, 3805–3821, (2009).
2005年群馬工業高等専門学校助教
14) V. Amendola and M. Meneghetti, Phys. Chem. Chem.
授・教授、2005年徳島大学大学院
Phys. 15, 3027–3046, (2013).
15) A. Takami, H. Kurita and S. Koda, J. Phys. Chem. B, 103,
工学研究科エコシステム工学専攻教授、 2012年より現
職。この間、1993年~1994年文部省内地研究員として大阪
1226–1232, (1999).
大学工学部応用物理学科において研究。
16) S. Inasawa, M. Sugiyama, and Y. Yamaguchi J. Phys.
現在の研究分野/テーマ:金ナノ粒子とレーザーの相互作
Chem. B, 109, 9404–9410, (2005).
用、高圧液中レーザーアブレーション、ガラスのフェムト
17) D. Werner, T. Ueki, and S. Hashimoto, J. Phys. Chem. C,
秒レーザー加工。
116, 5482-5491, (2012).
18) D. Werner, and S. Hashimoto, Langmuir, 29, 1295-1302,
せとうら けんじ
(2013).
徳島大学大学院 先端技術科学教
19) H. Q. Wang, A. Piatenko, K. Kawagichi, X. Li, N.
育部 博士前期課程2年次
Koshizaki, Angew. Chem. Int. Ed, 49, 6361-6364, (2010).
略歴:2010年米子工業高等専門学
20) T. Tsuji,T. Yahata, M. Yasutomo, K. Igawa, M. Tsuji, Y.
Ishikawa, N. Koshizaki , Phys. Chem. Chem. Phys. 15,
校機械工学科卒業、2012年徳島大
3099–3107, (2013).
学工学部機械工学科卒業、同年よ
り現課程に在学中。2014年度より
21) M. Fedoruk, A. A. Lutich, and J. Feldmann, ACS Nano, 5,
大阪大学大学院 基礎工学研究科
7377-7382, (2011).
博士後期課程 物質創成専攻に進
22) M. Fedoruk, M. Meixner, S. Carretero-Palacios, T.
学予定。
Lohmüller and J. Feldmann, ACS Nano, 7, 7648-7653,
(2013).
現在の研究分野/テーマ: 光熱プラズモニクス、ナノスケ
ール温度計測。
─ 8 ─