行橋市 老人保健福祉計画 介護保険事業計画 【第6期】 計画素案 平成27年3月 行橋市 はじめに 市長写真 平成27年3月 行橋市長 田 中 純 も 【第Ⅰ部 総 第1章 く じ 論】 計画策定の前提 ................................................. 2 第1節 計画の背景 ............................................................... 2 第2節 計画の性格 ............................................................... 5 第3節 計画の期間 ............................................................... 6 第4節 計画の策定体制 ........................................................... 7 第2章 高齢者等の現状と将来推計 ....................................... 8 第1節 人口や高齢者等の状況 ..................................................... 8 第2節 要介護認定者の状況 ..................................................... 10 第3節 介護保険サービスの状況 ................................................. 11 第4節 介護保険給付費の状況 ................................................... 16 第5節 アンケート調査等からみた状況 ........................................... 18 第6節 人口・要介護認定者の将来推計 ........................................... 31 第3章 計画の基本的な考え方 ......................................... 33 第1節 本市の介護保険事業の変遷 ............................................... 33 第2節 第5期計画の総括 ....................................................... 34 第3節 計画の基本理念 ......................................................... 38 第4節 計画の基本目標 ......................................................... 40 第5節 計画の重点施策 ......................................................... 42 第6節 計画の体系 ............................................................. 43 第7節 日常生活圏域の設定 ..................................................... 44 【第Ⅱ部 各 第1章 論】 住み慣れた地域で暮らせる体制整備 .............................. 46 第1節 地域密着型サービスの基盤整備 ........................................... 46 第2節 住まい(生活)の場の確保 ............................................... 48 第3節 介護サービスの質の確保 ................................................. 48 第2章 生活支援の整備と社会資源の活用................................ 50 第1節 新しい総合事業の展開 ................................................... 50 第2節 生活支援サービスの体制整備 ............................................. 54 第3章 認知症施策の充実 ............................................. 58 第1節 早期発見・早期対応の推進 ............................................... 58 第2節 認知症予防・認知症ケアの充実 ........................................... 60 第3節 認知症高齢者や家族を支えるしくみづくり ................................. 61 第4章 利用者保護の推進 ............................................. 62 第1節 権利擁護体制の充実 ..................................................... 62 第2節 情報提供・相談・苦情対応体制の充実 ..................................... 65 第5章 地域の見守り・支援活動の促進 ................................. 66 第1節 高齢者見守り活動の促進 ................................................. 66 第2節 福祉意識の啓発と交流の促進 ............................................. 68 第6章 相談体制の充実 ............................................... 69 第1節 高齢者相談支援センターの機能強化 ....................................... 69 第7章 医療・介護の連携 ............................................. 71 第1節 在宅での医療ケアの充実 ................................................. 71 第2節 地域における多職種間の連携強化 ......................................... 72 第8章 地域ケア会議の推進とマネジメント力の強化 ...................... 74 第1節 地域ケア会議の推進 ..................................................... 74 第2節 関係者のマネジメント力の強化 ........................................... 75 第9章 健康づくりと介護予防の強化 ................................... 78 第1節 新しい介護予防事業の展開 ............................................... 78 第2節 地域と連携した健康づくり・介護予防の推進 ............................... 79 第10章 生きがいづくりと社会参加の促進 .............................. 81 第1節 生きがいづくりの促進 ................................................... 81 第2節 社会参加の促進 ......................................................... 82 第11章 介護保険事業量・給付費の見込みと第1号保険料設定 ............ 84 第1節 施設・居住系サービスの事業量見込み ..................................... 84 第2節 地域密着型サービスの事業量見込み ....................................... 85 第3節 居宅サービスの事業量見込み ............................................. 86 第4節 介護サービスの事業量見込み一覧 ......................................... 88 第5節 介護サービスの供給量確保の方策 ......................................... 91 第6節 介護保険給付費・第1号保険料の算定 ..................................... 92 【第Ⅲ部 計画の推進】 第1章 計画の推進と進行管理 ......................................... 96 第1節 計画の推進体制 ......................................................... 96 第2節 計画の進行管理 ......................................................... 96 第2章 地域と連携した圏域単位での計画推進 ............................ 97 【資料編】 介護保険サービスの概要 ......................................................... 99 高齢者の居住施設(介護保険施設・有料老人ホーム等)の種類と市内の整備状況 ..... 101 ◆◆◆ 第Ⅰ部 総 1 論 ◆◆◆ ◆第Ⅰ部 総論◆ 第1章 計画策定の前提 第1章 計画策定の前提 第1節 計画の背景 1.2025年問題を見据えた計画策定 我が国の高齢化率(総人口に占める65歳以上の高齢者人口の割合)は、昭和25(1950) 年では5%未満でしたが、昭和45(1970)年に7%を超えて「高齢化社会」となり、さらに 平成6(1994)年にはその倍の水準である14%を超えて「高齢社会」となりました。そして、 平成26(2014)年現在の推計では26%を超え、4人に1人が高齢者という、本格的な高齢 社会に突入しています。 さらに、将来推計によると、我が国の総人口は平成38(2026)年に1億2,000万人を下回 り、その後も減少傾向が続くと予測されています。一方で高齢者人口は、いわゆる「団塊 の世代」(昭和22~24年頃に生まれた人)1が65歳以上となることもあり、平成24(2012) 年には3,000万人を超えたものと推計されています。平成37(2025)年には「団塊の世代」 が75歳以上となることに伴い、一人暮らし高齢者や高齢夫婦世帯、認知症高齢者といった 支援を要する高齢者も大幅に増加し、医療・介護の需要が一層増加することが見込まれて います。 一方、本市の高齢化の状況をみると、高齢化率はほぼ全国平均並みの水準ですが、平成 26年度で25%を超え既に市民の4人に1人以上が高齢者という状況です。また、高齢者の約 17%が寝たきりや認知症等のために介護や支援を要する要介護認定者であり、一人暮らし や夫婦のみ等の高齢者世帯も増加傾向にあります。 このように全国的に高齢化が進行するなか、国は、高齢者が可能な限り住み慣れた地域 で自立して日常生活を営むことができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援が包 括的に確保される「地域包括ケアシステム」の構築に向けて、平成27年度から平成29年度 を計画期間とする第6期介護保険事業計画を「地域包括ケア計画」と位置づけ、「団塊の世 代」が75歳以上となる平成37(2025)年を見据えて、第5期計画で開始した地域包括ケアへ の取組をより一層充実・強化することを求めています。 本市は、このような国の制度改正の主旨や本市における高齢者福祉及び介護保険事業に 関する現状や課題を踏まえ、平成37(2025)年までの中長期的な視点に立って地域包括ケ アシステムの確立を図り、本市の高齢者福祉及び介護保険事業の充実強化を図るため、本 計画を策定するものです 1 「団塊の世代」 :昭和 22(1947)~24(1949)年頃に生まれた世代。他の世代に比べて人口が多い(約 800 万人) 2 ◆第Ⅰ部 第1章 総論◆ 計画策定の前提 【我が国の人口推移】 実績値 平成24年推計値 (国勢調査) (日本の将来人口推計) 総人口のピーク 12,806万人(2010年) 人口(万人) (%) 14,000 30.0 75歳以上人口の割合 12,806 75歳以上人口 12,066 高齢者数のピーク 3,878万人(2042年) 1,419 12,000 65~74歳人口 26.9% 25.0 2,179 1,529 10,000 1,479 8,674 20.0 8,173 8,000 18.1% 2,336 15~64歳人口 15.0 13.0% 11.9% 6,000 12.3% 1,128 65~74歳人口の割合 10.0 11.1% 4,000 7,084 4,418 5.0 2,000 14歳以下人口 1,684 1,324 791 0 0.0 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060 (資料) 総務省統計局「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)出生中位(死亡中位)推計」 ただし、2010年の値は総務省統計局「平成22年国勢調査による基準人口」(国籍及び年齢不詳人口を按分補正した人口)による。 【支援を要する高齢者の状況(認知症高齢者、高齢者世帯) 】 (万人) 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ以上の高齢者数 の推計(括弧内は65歳以上人口対比) 280万人 (9.5%) 345万人 (10.2%) 410万人 (11.3%) 470万人 (12.8%) (千世帯) 15,000 10,000 世帯主が65歳以上の単独世帯及び夫婦のみ世帯数の推計 28.0 26.6 25.7 24.9 23.1 20.0 6,254 6,328 6,453 6,512 6,209 5,403 5,000 4,980 6,008 6,679 7,007 7,298 7,622 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 0 2010年 2015年 2020年 世帯主が65歳以上の単独世帯数 世帯主が65歳以上の単独世帯と夫婦のみ世帯の世帯数全体に占める割合 2.「地域包括ケアシステム」の実現に向けた介護保険制度の改正 国では、前述のような状況を見据え、 「団塊の世代」が75歳以上となる平成37(2025)年 を目途に、要介護状態となっても高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自立して日常生活 を営むことができるよう、医療、介護、介護予防、住まい、生活支援が包括的に確保され る「地域包括ケアシステム」を構築することを急務の課題と位置づけています。各市町村 (保険者)は高齢化の状況等を踏まえて、地域特性に応じた「地域包括ケアシステム」を 構築することが必要とされています。 今般の介護保険制度改正では、この「地域包括ケアシステムの構築」と、制度の持続可 能性を高めるための「費用負担の公平化」の観点から大幅な改正が行われています。 3 30.0 20.0 10.0 0.0 世帯主が65歳以上の夫婦のみの世帯数 2025年 (%) ◆第Ⅰ部 総論◆ 第1章 計画策定の前提 【地域包括ケアシステムの5つの構成要素】 「介護」、「医療」、「予防」という専門的なサービスと、 その前提としての「住まい」と「生活支援・福祉サービス」 が相互に関係し、連携しながら在宅の生活を支えている。 【すまいとすまい方】 生活の基盤として必要な住まいが整備され、本人の希望と経 済力にかなった住まい方が確保されていることが地域包括ケ アシステムの前提。高齢者のプライバシーと尊厳が十分に守 られた住環境が必要。 【生活支援・福祉サービス】 心身の能力の低下、経済的理由、家族関係の変化などでも尊 厳ある生活が継続できるよう生活支援を行う。生活支援には、 食事の準備など、サービス化できる支援から、近隣住民の声 かけや見守りなどのインフォーマルな支援まで幅 広く、担い手も多様。生活困窮者などには、福祉サービスと しての提供も。 【介護・医療・予防】 個々人の抱える課題にあわせて「介護・リハビリテーション」 「医療・看護」「保健・予防」が専門職によって提供される (有機的に連携し、一体的に提供)。ケアマネジメントに基 づき、必要に応じて生活支援と一体的に提供。 【本人・家族の選択と心構え】 単身・高齢者のみ世帯が主流になる中で、在宅生活を選択す ることの意味を、本人家族が理解し、そのための心構えを持 つとが重要。 【平成26年介護保険制度改正の概要】 4 ◆第Ⅰ部 第1章 総論◆ 計画策定の前提 第2節 計画の性格 本計画は、老人福祉法(第20条の8)で定められた「市町村老人福祉計画」と、介護保 険法(第117条)で定められた「市町村介護保険事業計画」を一体的に策定したもので す。「市町村老人福祉計画」は、すべての高齢者を対象とした高齢者福祉施策の総合的 な計画で、その性格上、「市町村介護保険事業計画」を包含するものであり、介護保険 事業とその他の高齢者福祉事業を総合的な視点にたって体系化するものです。これに対 して、「市町村介護保険事業計画」は、介護保険の対象となる要介護認定者等の人数、 介護サービスの種類ごとの量の見込みや見込み量の確保の方策等を定めた介護保険事 業を運営するための事業計画と位置づけられます。このように両計画は密接な関係を持 った計画であり、したがって、本市では両計画を一体化して策定しています。 本計画は、高齢者福祉に関する市の役割・目標を示す行政計画であり、本市の最上位計 画である「行橋市第5次総合計画」 、及び、高齢者・障がい者・児童福祉等の福祉分野全 般に共通する地域福祉の理念や地域福祉推進の基本方針等を定めた「行橋市地域福祉計 画」等の関連計画と整合性を図るものです。 また、福岡県の「福岡県高齢者福祉計画(介護保険事業支援計画)」や「福岡県地域ケ ア体制整備構想」 、 「福岡県保健医療計画」 、 「福岡県医療費適正化計画」、 「福岡県高齢者 居住安定確保計画」等の国・県の関連計画との整合性にも配慮し策定するものです。 【計画の位置づけ】 市の最上位計画 行橋市第5次総合計画 連動 (平成24~33年度) みんなで支え合う行橋市 福祉のまちづくり条例 整 合 性 福祉分野全般に共 通する地域福祉の 基本理念や基本方 針を定めた計画 介護保険事業、及 びその他の高齢者 福祉施策に関する 計画 行橋市地域福祉計画[第2期] (平成25~29年度) 行橋市 老人保健福祉計画・介護保険事業計画 [第6期] (平成27~29年度) 5 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第1章 計画策定の前提 第3節 計画の期間 本計画の期間は、介護保険法の規定に基づき、平成27年度から平成29年度までの3か年で す。 ただし、 「団塊の世代」が75歳以上となる平成37(2025)年までの中長期的な視点に立っ て、本計画における目標を定めることとします。 【計画の期間】 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 第5期計画 第6期計画 第7期計画 第8期計画 第9期計画 平成37(2025)年度までの中長期的見通し 「団塊の世代」が 65歳に 「団塊の世代」が 75歳に 6 ◆第Ⅰ部 第1章 総論◆ 計画策定の前提 第4節 計画の策定体制 1.行橋市長寿福祉委員会による審議 地域の保健・福祉・医療関係者等で構成する「行橋市長寿福祉委員会」において、計画 内容の審議を行い、計画に対する関係者の意見反映に努めました。 2.実態調査等の実施 今回の計画策定の基礎資料として、 「高齢者福祉に関するアンケート調査」 (平成25年度)、 「ケアマネジャーに対するアンケート調査」 (平成26年度)を実施し、計画立案時に活用し ました。 また、高齢者の心身状況や生活実態等を把握するために平成22年度から毎年実施してい る「日常生活圏域ニーズ調査」や、高齢者相談支援センターごとに開催している住民ワー クショップ等の結果も活用しました。 3.パブリックコメントの実施 平成27年2月に、計画原案に対するパブリックコメント2を実施し、原案に対する市民か らの意見聴取とその反映に努めました。 2 パブリックコメント 行政が基本的な計画等の策定や重要な条例の制定等を行うときに、事前に住民に案を公表し、意見を募集し、そ れらの意見を考慮して意思決定を行うとともに、提出された意見に対する実施機関の考え方を公表する制度。 7 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第2章 高齢者等の現状と将来推計 第2章 高齢者等の現状と将来推計 第1節 人口や高齢者等の状況 1.人口や高齢化率の推移 本市の総人口は、平成22年度以降、72,000人台でゆるやかに増加を続けています。 高齢者人口は総人口の傾向にまして増加の状況にあり、平成26年度に19,000人を超え、 高齢化率(総人口に占める65歳以上の高齢者人口の割合)も26.5%と市民の約4人に1人が 高齢者という状況です。 【人口・高齢化率の推移】 (単位:人) 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 総人口 71,535 72,034 72,026 71,882 71,971 71,959 71,892 72,234 72,364 72,769 72,805 72,876 高齢者人口 (65歳以上) 13,838 14,184 14,565 15,090 15,641 15,983 16,187 16,603 16,915 17,640 18,344 19,339 高齢化率 19.3% 19.7% 20.2% 21.0% 21.7% 22.2% 22.5% 23.0% 23.4% 24.2% 25.2% 26.5% (資料)住民基本台帳(10 月1日現在) 【高齢者人口・高齢化率の推移】 高齢者人口 高齢化率 20,000 30.0% 25.0% 15,000 20.0% 10,000 15.0% 10.0% 5,000 5.0% 0 (人) 0.0% H15 H16 H17 H18 H19 H20 8 H21 H22 H23 H24 H25 H26 ◆第Ⅰ部 第2章 総論◆ 高齢者等の現状と将来推計 2.高齢者のいる世帯の状況 国勢調査結果から本市の高齢者の世帯の状況をみると、平成22年10月現在、高齢者がい る世帯は11,071世帯であり、総世帯の40.2%を占めています。このうち、高齢者の一人暮 らし世帯(高齢者単独世帯)が2,968世帯(総世帯の10.8%)、高齢夫婦のみの世帯(高齢 夫婦世帯)が3,383世帯(同 12.3%)となっており、それぞれ総世帯の1割程度を占めて います。高齢者の一人暮らしや高齢夫婦のみの世帯は増加傾向にあり、平成17年と比較す ると、総世帯が1.07倍の増加であるのに対して、高齢者の一人暮らし世帯は1.23倍、高齢 夫婦のみの世帯は1.19倍と大幅に増加しています。 また、本市は、全国・福岡県と比較して、高齢者の一人暮らしや高齢夫婦のみの世帯の 占める割合が高くなっています。 【国勢調査における高齢者世帯の状況】 (単位:世帯) 平成17年 平成22年 総世帯数(一般世帯数) (世帯数) 一人暮らし (高齢者単独世帯) (総世帯に占める割合) (高齢者のいる世帯に占める割合) 高 齢 者 が い る 世 帯 (世帯数) 夫婦のみ (高齢夫婦世帯) その他の同居世帯 (高齢者以外との同 居等) 27,574 2,415 2,968 9.4% 10.8% 24.9% 26.8% 2,834 3,383 (総世帯に占める割合) 11.0% 12.3% (高齢者のいる世帯に占める割合) 29.2% 30.6% (世帯数) 4,466 4,720 (総世帯に占める割合) 17.4% 17.1% (高齢者のいる世帯に占める割合) 46.0% 42.6% (世帯数) 計 25,672 9,715 (総世帯に占める割合) (高齢者のいる世帯に占める割合) (資料)国勢調査(各年 10 月1日現在) 11,071 37.8% 40.2% 100.0% 100.0% ※高齢夫婦世帯:夫が 65 歳以上、妻が 60 歳以上の世帯 【国・県との一般世帯に占める高齢者世帯等の割合の比較】 高齢者単独世帯 行橋市 10.8 福岡県 10.0 7.9 9.2 8.4 全国 高齢夫婦世帯 12.3 その他の同居世帯 17.1 59.8 17.4 64.8 19.7 62.7 高齢者がいる世帯 (資料)国勢調査 9 その他の一般世帯 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第2章 高齢者等の現状と将来推計 第2節 要介護認定者の状況 介護保険制度導入以降の要介護認定者数の推移をみると、平成17~19年度の間はやや伸 びが鈍化したものの、平成20年度以降は再び増加傾向にあり、平成25年度以降は3,000人を 超えています。 【要介護認定者数の推移】 (単位:人) 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 要介護 認定者数 2,016 2,211 2,298 2,309 2,315 2,387 2,466 2,566 2,732 2,875 3,091 3,221 要介護 認定率 14.6% 15.6% 15.8% 15.3% 14.8% 14.9% 15.2% 15.5% 16.2% 16.3% 16.9% 16.7% (資料)介護保険課(10 月1日現在) ※要介護認定率=要介護認定者数[第2号被保険者(40~64 歳)含む]/高齢者人口 【要介護認定者数・認定率の推移】 要介護認定者数 要介護認定率 3,500 25.0% 3,000 20.0% 2,500 2,000 15.0% 1,500 10.0% 1,000 5.0% 500 0 (人) 0.0% H15 H16 H17 H18 H19 H20 10 H21 H22 H23 H24 H25 H26 ◆第Ⅰ部 第2章 総論◆ 高齢者等の現状と将来推計 第3節 介護保険サービスの状況 1.施設・居住系サービスの利用者数 第5期計画で設定した平成24~26年度の施設・居住系サービス利用者数の計画(見込み 値)と実績を比較すると、全般的に見込み値より実績が低く、対計画比80%程度となって います。また、介護療養型医療施設からほかの施設への移行は、見込み通りには進んでい ない状況があります。 【第5期計画期間における施設・居住系サービス利用者数の状況】 (単位:人) 平成 平成 平成 24年度 25年度 26年度 計 画 200 208 216 介護老人福祉施設 実 績 222 216 218 実績/計画 111.0% 103.8% 100.9% 計 画 234 250 271 介護老人保健施設 実 績 224 226 219 実績/計画 95.7% 90.4% 80.8% 計 画 33 26 6 介護療養型医療施設 実 績 33 31 30 実績/計画 100.0% 119.2% 500.0% 計 画 0 29 58 地域密着型介護老人福祉施設 実 績 0 0 0 実績/計画 0.0% 0.0% 計 画 467 513 551 介護保険施設 計 実 績 479 473 467 実績/計画 102.6% 92.2% 84.8% 計 画 72 89 103 認知症対応型共同生活介護 実 績 79 72 81 実績/計画 109.7% 80.9% 78.6% 計 画 4 8 10 予防給付 実 績 8 3 3 実績/計画 200.0% 37.5% 30.0% 計 画 68 81 93 介護給付 実 績 71 69 77 実績/計画 104.4% 85.2% 82.8% 計 画 278 335 387 特定施設入居者生活介護 実 績 237 250 242 実績/計画 85.3% 74.6% 62.5% 計 画 88 95 97 予防給付 実 績 82 83 80 実績/計画 93.2% 87.4% 82.5% 計画 190 240 290 介護給付 実績 155 167 168 実績/計画 81.6% 69.6% 57.9% 計画 0 0 29 地域密着型特定施設入居者 実績 0 0 0 実績/計画 0.0% 計画 350 424 519 居住系サービス 計 実績 316 322 323 実績/計画 90.3% 75.9% 62.2% 計 画 817 937 1,070 施設・居住系サービス利用者(総数) 実 績 795 795 790 実績/計画 97.3% 84.8% 73.8% (資料)介護保険課(平成 24・25 年度:10 月 1 日現在、平成 26 年度:6月1日現在) 11 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第2章 高齢者等の現状と将来推計 2.居宅サービス利用者数の状況 第5期計画で設定した平成24~26年度の居宅サービス利用者数の計画(見込み値)と実 績を比較すると、利用者数全体で見込み値より実績が多くなっています。 【第5期計画期間における居宅サービス利用者数の状況】 (単位:人) 平成24年度 平成25年度 平成26年度 計 画 440 453 480 実 績 491 523 547 実績/計画 111.6% 115.5% 114.0% 計 画 322 333 342 要支援2 実 績 373 390 405 実績/計画 115.8% 117.1% 118.4% 計 画 762 786 822 予防給付対象者 計 実 績 864 913 952 実績/計画 113.4% 116.2% 115.8% 計 画 317 340 355 要介護1 実 績 368 393 408 実績/計画 116.1% 115.6% 114.9% 計 画 195 204 210 要介護2 実 績 238 239 254 実績/計画 122.1% 117.2% 121.0% 計 画 165 178 182 要介護3 実 績 179 172 184 実績/計画 108.5% 96.6% 101.1% 計 画 57 48 59 要介護4 実 績 109 116 99 実績/計画 191.2% 241.7% 167.8% 計 画 64 54 31 要介護5 実 績 73 69 76 実績/計画 114.1% 127.8% 245.2% 計 画 798 824 837 介護給付対象者 計 実 績 967 989 1,021 実績/計画 121.2% 120.0% 122.0% 計 画 1,560 1,610 1,659 居宅サービス利用者 合計 実 績 1,831 1,902 1,973 実績/計画 117.4% 118.1% 118.9% (資料)介護保険課(平成 24・25 年度:10 月1日現在、平成 26 年度:6月1日現在) 要支援1 12 ◆第Ⅰ部 第2章 総論◆ 高齢者等の現状と将来推計 第5期計画で設定した平成24~26年度の居宅サービス別利用者数の計画(見込み値)と 実績を比較すると、介護予防サービスでは、利用者数全体では見込み値より実績がやや多 く、対計画比が100%をやや上回っています。 【第5期計画期間における居宅サービス別利用者数の状況(予防給付) 】 介護予防訪問介護 介護予防訪問入浴介護 介護予防訪問看護 介護予防訪問リハビリテーション ( 1 ) 介 護 予 防 サ ー ビ ス 介護予防居宅療養管理指導 介護予防通所介護 介護予防通所リハビリテーション 介護予防短期入所生活介護 介護予防短期入所療養介護 介護予防福祉用具貸与 特定介護予防福祉用具販売 型( 介 2 介護予防認知症対応型通所介護 護 ビ ) 予地 ス 防域 サ 密 介護予防小規模多機能型居宅介護 ー着 (3)住宅改修 (4)介護予防支援 計 画 実 績 実績/計画 計 画 実 績 実績/計画 計 画 実 績 実績/計画 計 画 実 績 実績/計画 計 画 実 績 実績/計画 計 画 実 績 実績/計画 計 画 実 績 実績/計画 計 画 実 績 実績/計画 計 画 実 績 実績/計画 計 画 実 績 実績/計画 計 画 実 績 実績/計画 計 画 実 績 実績/計画 計 画 実 績 実績/計画 計 画 実 績 実績/計画 計 画 実 績 実績/計画 平成 24年度 323 337 104.3% 0 0 20 32 160.0% 10 5 50.0% 82 69 84.1% 402 433 107.7% 72 66 91.7% 12 19 158.3% 2 4 200.0% 142 233 164.1% 13 8 61.5% 1 2 200.0% 5 10 200.0% 16 10 62.5% 690 760 110.1% 平成 25年度 332 360 108.4% 0 0 20 34 170.0% 11 1 9.1% 97 80 82.5% 406 457 112.6% 74 56 75.7% 13 24 184.6% 2 4 200.0% 150 275 183.3% 15 10 66.7% 1 1 100.0% 9 18 200.0% 17 14 82.4% 692 810 117.1% (単位:人) 平成 26年度 342 391 114.3% 0 0 20 34 170.0% 11 2 18.2% 100 55 55.0% 414 523 126.3% 75 52 69.3% 14 16 114.3% 2 2 100.0% 159 322 202.5% 16 10 62.5% 2 1 50.0% 12 11 91.7% 18 17 94.4% 698 871 124.8% (資料)介護保険課(平成 24・25 年度:10 月1日現在、平成 26 年度:6月1日現在) 13 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第2章 高齢者等の現状と将来推計 第5期計画で設定した平成24~26年度の居宅サービス利用者数の計画(見込み値)と実 績を比較すると、介護サービスでは、利用者数全体では見込み値より実績が多く、対計画 比が120%近くになっています。 【第5期計画期間における居宅サービス別利用者数の状況(介護給付) 】 (単位:人) 平成 平成 平成 24年度 25年度 26年度 計 画 355 360 384 訪問介護 実 績 385 429 439 実績/計画 108.5% 119.2% 114.3% 計 画 18 18 20 訪問入浴介護 実 績 17 14 14 実績/計画 94.4% 77.8% 70.0% 計 画 89 90 90 訪問看護 実 績 117 117 104 実績/計画 131.5% 130.0% 115.6% 計 画 23 23 24 訪問リハビリテーション 実 績 17 11 8 実績/計画 73.9% 47.8% 33.3% 計 画 184 190 197 ( 居宅療養管理指導 実 績 309 350 395 1 実績/計画 167.9% 184.2% 200.5% ) 計 画 446 446 475 居 宅 通所介護 実 績 465 515 555 サ 実績/計画 104.3% 115.5% 116.8% ー 計 画 105 109 114 ビ 通所リハビリテーション 実 績 134 130 121 ス 実績/計画 127.6% 119.3% 106.1% 計 画 94 94 94 短期入所生活介護 実 績 101 97 88 実績/計画 107.4% 103.2% 93.6% 計 画 12 12 12 短期入所療養介護 実 績 14 21 16 実績/計画 116.7% 175.0% 133.3% 計 画 370 375 380 福祉用具貸与 実 績 453 515 547 実績/計画 122.4% 137.3% 143.9% 計 画 12 13 13 特定福祉用具販売 実 績 14 20 10 実績/計画 116.7% 153.8% 76.9% (資料)介護保険課(平成 24・25 年度:10 月1日現在、平成 26 年度:6月1日現在) 14 ◆第Ⅰ部 第2章 総論◆ 高齢者等の現状と将来推計 【第5期計画期間における居宅サービス別利用者数の状況(介護給付) (つづき) 】 (単位:人) 平成 平成 平成 24年度 25年度 26年度 計 画 0 0 0 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 実 績 0 0 0 実績/計画 ( 2 計 画 0 0 0 夜間対応型訪問介護 実 績 0 0 0 ) 地 実績/計画 域 計 画 5 5 6 密 認知症対応型通所介護 実 績 8 9 5 着 実績/計画 160.0% 180.0% 83.3% 型 計 画 29 71 88 サ 小規模多機能型居宅介護 実 績 13 40 36 ー ビ 実績/計画 44.8% 56.3% 40.9% ス 計 画 0 0 0 複合型サービス 実 績 0 12 18 実績/計画 計 画 15 16 17 (3)住宅改修 実 績 8 11 10 実績/計画 53.3% 68.8% 58.8% 計 画 710 714 715 (4)居宅介護支援 実 績 741 810 827 実績/計画 104.4% 113.4% 115.7% (資料)介護保険課(平成 24・25 年度:10 月1日現在、平成 26 年度:6月1日現在) 15 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第2章 高齢者等の現状と将来推計 第4節 介護保険給付費の状況 第5期計画期間における介護保険給付にかかわる標準給付費見込額及び地域支援事業費 は以下のとおりであり、3カ年合計で、標準給付費見込額は約131億7,800万円、地域支援 事業費は約5億4,200万円に達する見込みです。 第5期計画における計画(見込み値)と実績を比較すると、3カ年合計で標準給付費見 込額は対計画比99.3%と計画を下回る見込みですが、地域支援事業費は対計画比136.1%と 計画を上回る見込みです。 【第5期計画期間における介護保険給付費の状況】 区 分 計 画 実 績 実績/計画 計 画 特定入所者介護サービス 実 績 費等給付額 実績/計画 計 画 高額介護サービス費等給 実 績 付額 実績/計画 計 画 高額医療合算介護サービ 実 績 ス費等給付額 実績/計画 計 画 審査支払手数料 実 績 実績/計画 計 画 標準給付費見込額 計 実 績 実績/計画 計 画 地域支援事業費 実 績 実績/計画 計 画 保険給付費見込額に対す 実 績 る割合 実績/計画 計 画 介護保険給付費 合計 実 績 実績/計画 介護(予防)給付費 平成24年度 平成25年度 3,820,075,085 3,890,975,488 101.9% 91,388,304 110,167,040 120.5% 54,332,601 60,737,844 111.8% 5,895,505 7,297,881 123.8% 3,690,000 3,325,700 90.1% 3,975,381,495 4,072,503,953 102.4% 119,261,444 174,582,385 146.4% 3.0% 4.3% 143.3% 4,094,642,939 4,247,086,338 103.7% 4,257,121,888 4,168,521,214 97.9% 94,557,811 115,614,230 122.3% 56,216,951 55,279,065 98.3% 6,100,533 11,198,837 183.6% 3,690,000 3,127,089 84.7% 4,417,687,183 4,353,740,435 98.6% 132,530,615 177,728,224 134.1% 3.0% 4.1% 136.7% 4,550,217,798 4,531,468,659 99.6% (資料)介護保険課 16 (単位:円) 平成26年度 平成24-26年度 (見込) 計 (見込) 4,713,576,955 12,790,773,928 4,545,331,000 12,604,827,702 96.4% 98.5% 97,283,361 283,229,476 124,543,000 350,324,270 128.0% 123.7% 57,837,358 168,386,910 68,249,000 184,265,909 118.0% 109.4% 6,276,376 18,272,414 10,675,000 29,171,718 170.1% 159.6% 3,690,000 11,070,000 3,356,000 9,808,789 90.9% 88.6% 4,878,664,050 13,271,732,728 4,752,154,000 13,178,398,388 97.4% 99.3% 146,359,921 398,151,980 189,569,000 541,879,609 129.5% 136.1% 3.0% 3.0% 4.0% 4.1% 133.3% 136.7% 5,025,023,971 13,669,884,708 4,941,723,000 13,720,277,997 98.3% 100.4% ◆第Ⅰ部 第2章 総論◆ 高齢者等の現状と将来推計 第5期計画期間における地域支援事業費の内訳は以下のとおりです。 【第5期計画期間における地域支援事業費の状況の内訳】 (単位:千円) 平成 平成 平成 区 分 24年度 25年度 26年度 計 画 2,300 2,300 2,300 二 二次予防対象者把握事業 実 績 1,305 2,303 4,061 次 実績/計画 56.7% 100.1% 176.6% 予要 計 画 42,320 52,100 64,750 防支 予防事業及び生活支援サービス事業 実 績 35,497 38,514 38,111 対援 実績/計画 83.9% 73.9% 58.9% 象者 計 画 0 0 0 者向 ケアマネジメント事業 実 績 0 1,096 1,560 向け 実績/計画 け ・ 計 画 事 評価事業 実 績 業 実績/計画 計 画 7,300 7,300 7,300 実 績 5,292 6,707 7,992 一 介護予防普及啓発事業 実績/計画 72.5% 91.9% 109.5% 次 計 画 380 380 380 予 地域介護予防活動支援事業 実 績 240 356 240 防 実績/計画 63.2% 93.7% 63.2% 事 計 画 業 一次予防事業評価事業 実 績 実績/計画 計 画 52,300 62,080 74,730 介護予防・日常生活支援総合事業 計 実 績 42,334 48,976 51,964 実績/計画 80.9% 78.9% 69.5% 計 画 58,961 61,951 62,630 包括的支援事業 計 実 績 71,103 78,795 87,907 実績/計画 120.6% 127.2% 140.4% 計 画 介護給付等適正化事業 実 績 実績/計画 計 画 1,200 1,300 1,400 家族介護支援事業 実 績 681 732 1,395 実績/計画 56.8% 56.3% 99.6% 計 画 6,800 7,200 7,600 その他の事業 実 績 5,036 3,922 5,173 実績/計画 74.1% 54.5% 68.1% 計 画 8,000 8,500 9,000 任意事業 計 実 績 5,717 4,654 6,568 実績/計画 71.5% 54.8% 73.0% 計 画 119,261 132,531 146,360 地域支援事業 合計 実 績 119,154 132,425 146,439 実績/計画 99.9% 99.9% 100.1% (資料)介護保険課 17 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第2章 高齢者等の現状と将来推計 第5節 アンケート調査等からみた状況 1.健康や生きがいづくりに対する高齢者の意向等の状況 平成25年度に実施した「高齢者福祉に関するアンケート調査」 (一般高齢者用調査:調査 対象者数2,060人、有効回収率63.0%)によると、要介護認定を受けていない高齢者が健康 づくりや介護予防のために取り組んでいることとしては、「歩く(散歩や買い物等)」が6 割強、「食事の栄養バランスに気を付ける」が5割弱となっています。 「特に取り組んでいない」との回答は5.5%で、ほとんどの高齢者が健康づくりや介護予 防のために何らかの取り組みを行っていることがわかります。 【健康づくりや介護予防のために取り組んでいること】(複数回答) 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 歩く(散歩や買い物等) 61.3 食事の栄養バランスに気をつける 49.6 十分な休養や睡眠をとる 43.0 規則正しい生活をする 42.9 なるべく人と話す 37.8 気持ちをなるべく明るく保つ 37.2 ストレスをためこまないようにする 35.0 歯や口の健康に気をつける 33.7 できるだけ外出する 31.5 定期的に体操や運動をする 28.2 適正な体重に向けた体重調整をする 23.7 日記を書く 18.4 酒やたばこを控える 15.2 介護予防や健康づくりに関する講座や教室へ参加する その他 5.9 3.5 特に取り組んでいない 無回答 5.5 0.5 (資料) 「行橋市高齢者福祉に関するアンケート調査」(平成 25 年度) 18 全 体 (N=1,298) (一般高齢者用調査) 80.0% ◆第Ⅰ部 第2章 総論◆ 高齢者等の現状と将来推計 また、健康づくりや介護予防で関心があることとして54.1%の人が「生活習慣病の予防」 と回答しており、次いで「膝痛や腰痛の改善・予防のための運動等」や「認知症予防」、 「体 力づくり・肥満の予防」等が続いており、多くの高齢者が生活習慣病予防や運動、認知症 予防等の介護予防に関心があることがわかります。 【健康づくりや介護予防で関心があること】 (複数回答) 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% がん・高血圧・糖尿病等の生活習慣病の予防について 54.1 膝痛や腰痛の改善・予防のための運動等について 43.6 認知症の予防について 38.9 運動等による体力づくりや肥満の予防について 34.9 望ましい食生活や食生活の改善について 29.0 26.7 転倒・骨折予防について 歯や口の健康づくりについて 19.9 寝たきりの予防について 18.8 閉じこもりやうつ病の予防、心の健康づくりについて その他 14.2 1.2 特にない 7.1 無回答 全 体 (N=1,298) 4.8 (資料) 「行橋市高齢者福祉に関するアンケート調査」(平成 25 年度) 19 (一般高齢者用調査) ◆第Ⅰ部 総論◆ 第2章 高齢者等の現状と将来推計 認知症に関する質問について、 「頭を使うことで予防できると思う」人は60.1%、「運動 することで予防できると思う」人は50.8%となっています。また、 「認知症は早期発見・早 期治療が必要だと思うか」という質問には82.0%が「そう思う」と回答しています。 また、認知症について関心があることとして、68.2%の人が「認知症の予防」について 関心があると答えています。 【認知症に関する知識】 予防できると思う 0% 10% 20% 予防できるとは思わない 30% (1) 認知症は頭を使うこと で予防できると思うか 40% 50% 60% わからない 70% 60.1 (2) 認知症は運動すること で予防できると思うか 無回答 80% 90% 18.9 19.5 21.6 50.8 100% 1.5 25.8 1.8 両項目とも(N=1,298) そう思う 0% 10% そうは思わない 20% 30% 40% (3) 認知症は早期発見・早 期治療が必要だと思うか わからない 50% 60% 無回答 70% 80% 90% 100% 4.9 11.6 82.0 1.5 (N=1,298) (資料) 「行橋市高齢者福祉に関するアンケート調査」(平成 25 年度) (一般高齢者用調査) 【認知症について関心があること】 (複数回答) 0.0% 20.0% 40.0% 認知症の予防 35.1 認知症の介護のしかた 32.8 認知症の人や家族を支えるボランティア活動 13.0 1.3 8.1 特にない 無回答 80.0% 68.2 認知症の医学的な情報 その他 60.0% 全 体 (N=1,298) 4.7 (資料) 「行橋市高齢者福祉に関するアンケート調査」(平成 25 年度) 20 (一般高齢者用調査) ◆第Ⅰ部 第2章 総論◆ 高齢者等の現状と将来推計 地域活動への参加状況を尋ねたところ、「趣味のサークル・団体」が19.0%、「町内会・ 自治会」が18.3%、 「老人クラブ」が16.8%などとなっていますが、「参加していない」が 41.8%と4割以上の高齢者が地域活動に参加していないと答えています。 【地域活動への参加状況】 (複数回答) 0.0% 10.0% 20.0% 趣味のサークル・団体 16.8 健康・スポーツのサークル・団体 13.9 いきいきサロン 12.1 5.4 市主催の教室や講座 ボランティア活動・NPO法人 5.1 その他のグループや団体 5.1 民間主催の趣味・スポーツクラブ 4.6 学習・教養のサークル・団体 4.2 全 体 (N=1,298) 1.3 0.6 参加していない 無回答 50.0% 18.3 老人クラブ 青少年育成団体 40.0% 19.0 町内会・自治会 シルバー人材センター 30.0% 41.8 2.3 (資料) 「行橋市高齢者福祉に関するアンケート調査」(平成 25 年度) 21 (一般高齢者用調査) ◆第Ⅰ部 総論◆ 第2章 高齢者等の現状と将来推計 要介護認定を受けていない高齢者に今後やりたいことを尋ねたところ、 「家に閉じこもら ないでできるだけ外にでること」が43.8%、「これまでの友人や知人と交流すること」が 40.0%と多くなっています。 【今後やりたいこと】 (複数回答) 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 家に閉じこもらないでできるだけ外にでること 43.8 これまでの友人や知人と交流すること 40.0 家族と一緒に過ごすこと 26.7 個人や家族でスポーツや趣味・娯楽を楽しむこと 25.0 サークル活動等で、スポーツや趣味・娯楽を楽しむこと 24.0 働くこと(仕事) 22.7 身近な地域で年齢が近い人とふれあえる活動に参加すること 20.3 教養を高めること 14.9 新しい友人や知人を増やすこと 13.3 自治会等の地域活動に参加すること 11.6 若い世代と交流すること 11.1 常に新しいことにチャレンジすること 9.9 ボランティア活動に参加すること その他 50.0% 8.8 1.2 特にない 7.1 無回答 全 体 (N=1,298) 5.7 (資料) 「行橋市高齢者福祉に関するアンケート調査」(平成 25 年度) 22 (一般高齢者用調査) ◆第Ⅰ部 第2章 総論◆ 高齢者等の現状と将来推計 また、現在は働いていないが今後働きたいと思っている人が働く場合に重視する条件は 「体力的に負担が軽い仕事であること」(44.5%)が4割を超えて最も多く、次いで「勤務 時間が希望と合うこと」 (29.4%) 、 「年金が減額されない範囲で働けること」 (26.5%)、 「経 験が活かせる仕事であること」 (24.2%)となっています。 【働いていない人が就労する場合に重視する条件】 (複数回答) 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 体力的に負担が軽い仕事であること 50.0% 44.5 勤務時間が希望と合うこと 29.4 年金が減額されない範囲で働けること 26.5 経験が活かせる仕事であること 24.2 やりがいがあること 19.0 通勤時間が希望と合うこと 13.3 賃金が希望と合うこと その他 40.0% 7.6 3.8 無回答 全 体 (N=211) 21.3 (資料) 「行橋市高齢者福祉に関するアンケート調査」(平成 25 年度) (一般高齢者用調査) 日常生活で支援が必要になった場合に身近な地域の人にしてほしい支援としては、要介 護認定を受けていない高齢者と在宅で生活をしている要介護認定者の両方で、 「急病などの 緊急時の手助け」と「災害時の手助け」が挙げられ、また「外出時の送迎」、「定期的な声 かけや見守り」も挙げられています。 【支援が必要になった場合にしてほしい支援】(複数回答・上位5項目) 一般(N=1,298) 在宅(N=974) 第1位 急病などの緊急時の手助け (36.2%) 災害時の手助け (27.5%) 第2位 災害時の手助け (29.0%) 急病などの緊急時の手助け (22.5%) 第3位 外出時の送迎 (27.7%) 定期的な声かけや見守り (17.9%) 第4位 買物 (25.7%) 外出時の送迎 (17.2%) 第5位 定期的な声かけや見守り (24.8%) 庭の手入れ (17.0%) (資料) 「行橋市高齢者福祉に関するアンケート調査」(平成 25 年度) 23 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第2章 高齢者等の現状と将来推計 要介護認定を受けていない高齢者に、支援が必要な家庭に対して自分ができる支援につ いてたずねたところ、 「定期的な声かけや見守り」が45.6%と多くなっており、日常生活で 支援が必要になった場合に身近な地域の人にしてほしい支援として上位に挙げられている ことから、実際に支援を必要としている人とのつながりの構築が重要です。 【支援が必要な家庭に対して自分ができる支援】 (複数回答) 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 定期的な声かけや見守り 45.6 ごみ出し 36.7 買物 32.8 急病などの緊急時の手助け 29.9 災害時の手助け 28.3 18.1 外出時の送迎 電球の取り換えや電化製品の取り扱いの手助け 14.3 庭の手入れ 13.7 通院などの付き添い 13.7 家事 8.5 家具等の移動 6.8 ペットの世話 4.6 衣類の出し入れ 4.3 財産やお金の管理 その他 50.0% 0.5 2.2 特にできることはない 15.9 無回答 全 体 (N=1,298) 9.6 (資料) 「行橋市高齢者福祉に関するアンケート調査」(平成 25 年度) 24 (一般高齢者用調査) ◆第Ⅰ部 第2章 総論◆ 高齢者等の現状と将来推計 今後(将来)の介護希望としては、要介護認定を受けていない高齢者と在宅で生活して いる要介護認定者では、 「自宅で家族だけで介護してほしい」、 「自宅で家族の介護の他に介 護保険の在宅サービスなどを利用したい」、「自宅で介護保険の在宅サービスなどだけで生 活したい」をあわせた「自宅で」が過半数(一般:58.0%、在宅56.9%)となっています。 一方、介護保険施設や居住系サービスを利用している要介護認定者では「グループホー ムや有料老人ホームなどの施設を利用したい」、「介護保険施設を利用したい」をあわせた 「施設で」が80.0%と高くなっています。これは、現在の生活状況を維持したいという意 向の表れと考えられます。 【今後(将来)の介護希望】 自宅で家族だけで介護してほしい 自宅で家族の介護の他に介護保険の在宅サービスなどを利用したい 自宅で介護保険の在宅サービスなどだけで生活したい グループホームや有料老人ホームなどの施設を利用したい 介護保険施設を利用したい その他 無回答 0% 一般 (N=1,298) 10% 9.4 20% 30% 35.9 40% 50% 60% 12.7 70% 80% 16.6 90% 100% 19.0 3.9 2.5 在宅 (N=974) 7.2 35.2 14.5 11.8 11.2 15.1 5.0 施設 4.0 (N=50) 2.0 0.0 42.0 38.0 10.0 4.0 (資料) 「行橋市高齢者福祉に関するアンケート調査」(平成 25 年度) 25 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第2章 高齢者等の現状と将来推計 高齢者施策・支援で特に大切だと思うものを尋ねたところ、 「一人暮らし高齢者に対する 見守りや安否確認などの支援」と「介護保険料・サービス利用料の軽減等の低所得者層に 対する対策」がいずれの調査対象でも多くなっています。 【高齢者施策・支援で特に大切だと思うもの】(複数回答・上位5項目) 一般(N=1,298) 在宅(N=974) 施設(N=50) 介護保険料・サービス 日中、施設に通うサー 利用料の軽減等の低所 ビスの充実(36.6%) 得者層に対する対策 (36.0%)/ 第1位 一人暮らし高齢者に対 する見守りや安否確認 などの支援(46.5%) 第2位 介護保険料・サービス 利用料の軽減等の低所 得者層に対する対策 (38.6%) 第3位 自宅を訪問するサービ スの充実(38.0%) 介護保険料・サービス 介護保険施設等の施設 利用料の軽減等の低所 サービスの充実 得者層に対する対策 (30.0%) (29.9%) 第4位 高齢者に配慮したまち づくり(32.4%) 一人暮らし高齢者に対 する見守りや安否確認 安全対策(24.0%) などの支援(29.0%) 第5位 認知症高齢者や認知症 高齢者を抱える家族に 対する支援(30.7%) 施設に短期間入所する 日中、施設に通うサー サービスの充実 ビスの充実(22.0%) (25.1%) 一人暮らし高齢者に対 自宅を訪問するサービ する見守りや安否確認 などの支援(36.0%) スの充実(30.5%) (資料) 「行橋市高齢者福祉に関するアンケート調査」(平成 25 年度) 26 ◆第Ⅰ部 第2章 総論◆ 高齢者等の現状と将来推計 2.ケアマネジャーの状況 行橋市内およびみやこ町・苅田町の居宅介護支援事業所等44か所に所属するケアマネジ ャー105人に対しアンケート調査を実施したところ、82人(78.1%)から回答がありました。 業務遂行上、特に困難と感じることとしては、「主治医との調整や連携」 (52.4%)、「処 遇困難ケースへの対応」 (50.0%)が多くなっています。 困難と感じる理由としては、 「自分の経験・知識・技量不足」が64.9%と最も多くなって います。 【業務遂行上、特に困難と感じること】(複数回答) 調 査 数 算介 てサ 連各 ー 携サ 定護 ー の保 ビ 仕険 ス ビ 方サ の ス にー 情 機 つビ 報 関 いス 収 と ての 集 の 理 に 調 解 つ 整 や い や 主 治 医 と の 調 整 や 連 携 明利 や用 連者 携 ・ の家 取族 り に 方対 し て の 説 処 遇 困 難 ケ ー ス へ の 対 応 サ低 ス第 導認 ー所 導 2 入知 ビ得 入号 症 ス者 被 高 導 ・ 保 齢 入生 険 者 活 者 へ 保 へ の 護 の サ ー 者 サ ー へ ビ の ビ ス 82人 23.2% 12.2% 20.7% 52.4% 22.0% 50.0% 22.0% 6.1% 23.2% そ の 他 特 に な い 無 回 答 8.5% 4.9% 4.9% (資料)行橋市第6期介護保険事業計画策定のためのケアマネジャーアンケート調査 【困難と感じる理由】 (複数回答) 調 査 数 で事 き業 な所 い内 で の 問 題 の 共 有 が 機事 能業 し所 て内 いで なの い相 談 の 体 制 が 74人 9.5% 5.4% い事 ワサ 足自 者利 い専 分 の用 門 (業 ーー 1所 クビ の 理者 機 人内 ス 経 解へ 関 体に 関 験 不の へ 制相 係 ・ 足周 の 等談 者 知 知 相 で相 の 識 不 談 手 チ ・ 足 が ) ー が 技 ・ し い ム 量 利 に な 不 用 く 4.1% 保 険 者 へ の 相 談 が し に く い 4.1% 64.9% 24.3% 24.3% 10.8% 相地 談域 が包 し括 に支 く 援 いセ ン タ ー へ の サ ー ビ ス の 不 足 そ の 他 8.1% 10.8% 14.9% 無 回 答 2.7% (資料)行橋市第6期介護保険事業計画策定のためのケアマネジャーアンケート調査 27 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第2章 高齢者等の現状と将来推計 対応が困難なケースが増えていると感じているケアマネジャーが47.6%と多くなってい ます。 具体的に増加しているケースとしては、「高齢者が高齢者を介護している世帯のケース」 が82.1%と最も多く、ついで「独居の認知症の方に対するケース」が71.8%、 「独居の方に 対するケース」が56.4%と多くなっています。 【対応困難ケースの増減】 調 査 数 増 加 変 化 な し 82人 47.6% 23.2% 減 少 1.2% 不 明 25.6% 無 回 答 2.4% (資料)行橋市第6期介護保険事業計画策定のためのケアマネジャーアンケート調査 【具体的に増加しているケース】(複数回答) 調 査 数 39人 ス独 居 の 方 に 対 す る ケ ー 56.4% す独 る居 ケの ー認 ス知 症 の 方 に 対 71.8% し高 て齢 い者 るが 世高 帯齢 の者 ケを ー介 ス護 82.1% の方認 ケ を知 ー介症 ス護の し方 てが い認 る知 世症 帯の 38.5% 必医 要療 な と ケの ー緊 ス密 な 連 携 が ケ虐 ー待 スが 疑 わ れ る 世 帯 の 30.8% 10.3% い終 る末 世期 帯の の方 ケを ー介 ス護 し て 10.3% そ の 他 5.1% 無 回 答 - (資料)行橋市第6期介護保険事業計画策定のためのケアマネジャーアンケート調査 28 ◆第Ⅰ部 第2章 総論◆ 高齢者等の現状と将来推計 虐待または虐待が疑われるケースを担当した経験については、29.3%のケアマネジャー が「ある」と答えています。 虐待の内容としては、 「介護・世話の放棄・放任」が50.0%、「身体虐待」が45.8%とな っています。 【虐待または虐待が疑われるケースの担当経験】 調 査 数 82人 あ る な い 29.3% 67.1% 無 回 答 3.7% (資料)行橋市第6期介護保険事業計画策定のためのケアマネジャーアンケート調査 【虐待の内容】 (複数回答) 調 査 数 24人 身 体 虐 待 心 理 的 虐 待 経 済 的 虐 待 45.8% 37.5% 29.2% 性 的 虐 待 棄介 ・ 護 放 ・ 任世 話 の 放 - そ の 他 50.0% 無 回 答 - - (資料)行橋市第6期介護保険事業計画策定のためのケアマネジャーアンケート調査 医療と連携する上でのケアマネジャー自身の課題としては、 「医療やリハビリに関する知 識に自信がない」が46.3%、 「日程調整が困難である」が45.1%となっています。 【医療と連携する上での自身の課題】 (複数回答) 調 査 数 82人 る医 知療 識や にリ 自ハ 信ビ がリ なに い関 す 46.3% 理医 る る病 解師 こ院 が側 とや 少の に診 な介 た療 い護 め所 に ら を 対 い訪 す が問 る あす 39.0% 40.2% 日 程 調 整 が 困 難 で あ る 45.1% 特 に 課 題 は な い そ の 他 3.7% 6.1% 無 回 答 4.9% (資料)行橋市第6期介護保険事業計画策定のためのケアマネジャーアンケート調査 29 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第2章 高齢者等の現状と将来推計 供給不足と感じている介護保険サービスとしては、予防給付では「訪問リハビリテーシ ョン」 (9.8%) 、介護給付では「介護老人福祉施設」 (13.4%) 、 「通所リハビリテーション」 (12.2%) 、 「短期入所生活介護」 (12.2%)、「短期入所療養介護」(12.2%)が多くなって います。 【供給不足と感じるサービス】 (複数回答) 種類 訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護 訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 通所介護 通所リハビリテーション 短期入所生活介護 短期入所療養介護 特定施設入居者生活介護 福祉用具の貸与 特定福祉用具販売 住宅改修 地域密着型 夜間対応型訪問介護 認知症対応型通所介護 小規模多機能型居宅介護 認知症対応型共同生活介護 地域密着型特定施設入居者生活介護 地域密着型介護老人福祉施設 複合型サービス 介護老人福祉施設 施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設 特にない 無回答 調査数 居宅 予防給付 介護給付 3.7% 4.9% 2.4% 3.7% 1.2% 2.4% 9.8% 9.8% 1.2% 1.2% 1.2% 7.3% 12.2% 6.1% 12.2% 1.2% 12.2% 2.4% 2.4% 1.2% 1.2% 1.2% 9.8% 2.4% 4.9% 3.7% 7.3% 3.7% 3.7% 1.2% 1.2% 13.4% 9.8% 6.1% 6.1% 2.4% 70.7% 50.0% 82人 82人 (資料)行橋市第6期介護保険事業計画策定のためのケアマネジャーアンケート調査 30 ◆第Ⅰ部 第2章 総論◆ 高齢者等の現状と将来推計 第6節 人口・要介護認定者の将来推計 1.高齢者人口等の推計 近年の人口動態等を勘案して推計した第6期計画期間(平成27~29年度)及び平成32、 37年度の高齢者人口等の将来推計は以下のとおりです。 高齢者人口は平成29年度に20,710人、高齢化率は28.3%に達する見込みです。また、第6 期計画期間以降も高齢者人口は増加し続け、平成37年度には21,750人(高齢化率29.9%) になるものと予測されます。 「団塊の世代」が75歳以上に近づいていくため、高齢者の中でも75歳以上の後期高齢者 が徐々に増加し、平成37年度には後期高齢者が前期高齢者を上回る見込みです。 【将来人口推計】 (単位:人) 実績 平成 26年度 推計 平成 27年度 平成 28年度 平成 29年度 平 平 平成 成 成 32年度 33 平 平 平 平 平成 成 成 成 成 37年度 3333 総人口 72,876 73,049 73,130 73,190 73,198 72,622 40-64歳人口 24,110 24,012 23,821 23,676 23,448 23,743 高齢者人口(65歳以上) 19,339 19,772 20,293 20,710 21,489 21,750 前期高齢者人口(65-74歳) 10,368 10,632 10,789 10,859 10,993 9,362 後期高齢者人口(75歳以上) 8,971 9,140 9,504 9,851 10,496 12,388 26.5% 27.1% 27.7% 28.3% 29.4% 29.9% 14.2% 14.6% 14.8% 14.8% 15.0% 12.9% 高齢化率 前期高齢化率 後期高齢化率 12.3% 12.5% 13.0% 13.5% 14.3% (資料)平成 26 年度:実績値(住民基本台帳 10 月1日現在) 、平成 27~37 年度:推計値 高齢者人口 高齢化率 前期高齢化率 後期高齢化率 40.0% 17.1% (人) 25,000 20,000 30.0% 15,000 20.0% 10,000 10.0% 5,000 0.0% 0 H26 H27 H28 H29 H30 H31 H32 31 H33 H34 H35 H36 H37 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第2章 高齢者等の現状と将来推計 2.要介護認定者数の推計 高齢化の進行とともに、要介護認定者数も増加し、平成29年度には3,500人を超える見込 みです。 さらに平成37年度まで推計すると、前述のとおり「団塊の世代」の高齢化が進み、75歳 以上の後期高齢者が増えるため、認定者数は4,400人を超えて認定率も20%に達し、高齢者 の約5人に1人が認定者となる見込みです。 【要介護認定者数の推計】 実績 (単位:人) 推計 平成 26年度 平成 27年度 平成 28年度 平成 29年度 平 平成 成 32年度 3 平 平成 成 37年度 3 要 支 援 1 778 790 831 855 962 1,087 要 支 援 2 493 506 520 540 588 629 要 介 護 1 622 426 659 427 709 448 761 473 865 525 968 555 要 介 護 4 391 258 417 217 451 194 483 167 563 167 640 191 要 介 護 5 253 259 276 290 330 372 3,221 3,275 3,429 3,569 4,000 4,442 [再掲]予防給付対 象者(要支援1・2) 1,271 1,296 1,351 1,395 1,550 1,716 [再掲]介護給付対 象者(要介護1~5) 1,950 1,979 2,078 2,174 2,450 2,726 18.6% 20.4% 要 介 護 2 要 介 護 3 計 認定率(認定者数計 16.7% 16.6% 16.9% 17.2% /高齢者人口) (資料)平成 26 年度:実績値(10 月1日現在) 、平成 27~37 年度:推計値 認定者数 認定率 (人) 30.0% 5,000 25.0% 4,000 20.0% 3,000 15.0% 2,000 10.0% 1,000 5.0% 0.0% 0 H26 H27 H28 H29 H32 32 H37 ◆第Ⅰ部 第3章 第3章 総論◆ 計画の基本的な考え方 計画の基本的な考え方 第1節 本市の介護保険事業の変遷 本市の介護保険給付費(標準給付費)は平成 26 年度見込みで 47 億 5,200 万円と予測され、 平成 12 年度の制度導入時の約 2 倍に増加しており、 制度として順調に定着しているといえます。 また、本市では、平成 12 年度の制度導入当初から「地域包括ケア」の視点にたち、6 中学校 区ごとに当時の在宅介護支援センターと連携しながら高齢者実態把握調査を実施したり、第 2 期計画期間(平成 15~17 年度)においては、介護予防の観点から要介護認定外の高齢者に対す るサービス提供のための「準支援制度」を導入するなど、介護保険制度の枠組みの中で、市の 特性に応じた独自の取り組みを進めてきました。 第 3 期計画期間(平成 18~20 年度)においては、平成 18 年度からの制度改正により国の方 針として「地域包括ケア」や「介護予防」の観点が重視され、地域包括支援センターや地域支 援事業等が国の制度として新設されたことから、従来、本市で独自に取り組んでいた準支援制 度や中学校区単位の地域包括ケア体制について、新制度に即した形態に見直しを行いました。 しかしながら、さらなる高齢化の進行を見据え、より地域に根付いた地域包括ケアシステム を構築するため、第 5 期計画期間(平成 24~26 年度)に、再度、地域包括支援センターのあり 方を見直し、センター名も市独自に「高齢者相談支援センター」に改称して中学校区単位(6 か所)の設置とするなど、高齢者施策全般の見直しを行い強化に取り組みました。 【介護保険給付費(標準給付費)の推移】 ( (百万円) 【介護保険給付費(標準給付費)の推移】 4,752 5,000 4,354 4,500 4,073 3,626 3,788 4,000 3,397 3,278 3,361 3,500 3,063 3,113 3,136 3,023 3,184 2,783 3,000 2,401 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 H H H H H H H H H H H H H H H 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 見 込 ) 33 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第3章 計画の基本的な考え方 第2節 第5期計画の総括 介護保険制度導入以降の状況は第 1 節に概況を整理したとおりですが、第 5 期計画(平成 24 ~26 年度)について、4 つの重点施策ごとの取り組みを総括すると以下のとおりとなります。 1.地域ケア体制の再構築 (1)地域ケア体制の再構築 地域包括支援センターについて、従来の 3 箇所体制を見直し、平成 24 年 4 月より中学校区 6 圏域ごとに 1 箇所ずつ委託配置し、名称も「高齢者相談支援センター」に改称しました。市介 護保険課(高齢者支援係)にセンター業務の統括部門を設置し、各センター及び全体の業務支 援を実施する体制としています。 各センターの業務を「包括的支援部門」 「介護予防支援部門」に分け、専門職種の業務内容も 明確化し、センター職員研修等により職員の育成及び各センター間の情報交換等を行うなど、 センター機能の強化を図っています。 各センターでの「地域ケア会議(地域ケア個別会議) 」の開催に向け事例検討会等の開催を予 定しているほか、各センターがより地域に密着した相談機関となるよう、各センターを主体と した住民ワークショップ開催を支援し、地域との連携強化を図っています。 今後は、国の介護保険制度改正を踏まえ、各センターのさらなる機能強化や職員の資質向上 等を早急に進めていく必要があります。 (2)相談・支援体制の強化 高齢者の実態把握として、 「日常生活圏域ニーズ調査」を毎年度実施しており、毎年度 70% 超と高い回収率を維持できています(各年度 3,000 人対象/郵送調査)。経年でデータを取得 することで認知症リスクをはじめとした高齢者の心身状態の状況把握が可能となっており、今 後も調査を継続し、データ解析を進め、データに基づいた効果的・効率的な介護予防事業等の 立案に活用していくことが重要となります。 相談・支援体制の強化については、高齢者相談支援センターの体制を「包括的支援部門」 「介 護予防支援部門」に分割したことで、3 職種(社会福祉士・保健師・主任ケアマネ)による総 合相談等の体制が強化でき、相談対応件数も増加しています。 相談件数の増加とともに処遇困難ケースも増加しているため、今後は、研修等による職員資 質の充実を図るとともに、地域の医療・介護関連機関・職種との連携推進等により、各センタ ーの相談・支援機能のさらなる強化を図る必要があります。 34 ◆第Ⅰ部 第3章 総論◆ 計画の基本的な考え方 2.地域密着型サービスの充実 (1)地域密着型サービスの拠点整備 地域密着型サービスは、第5期計画期間に充実を図り、認知症対応型共同生活介護 4 ユニッ ト、小規模多機能型居宅介護 5 か所、地域密着型介護老人福祉施設 2 か所、地域密着型特定施 設入居者生活介護 1 か所を整備しました(下表参照) 。 地域密着型サービス事業者の決定は市町村が審査決定を行い、許認可にあたってはプレゼン テーションの審査を経ることとなっていますが、実際の運営にあたっては質の確保に苦慮する 面があるため、今後は指導体制の強化が必要です。 今後は、昨今増加している住宅型の民間有料老人ホーム等の類似施設の動向等を踏まえると ともに、質の確保も考慮しつつ、地域包括ケアの推進の観点から必要なサービスの基盤整備に 取り組むことが重要です。 【地域密着型サービスの整備状況】 平成 24~26 年度の 新規整備 認知症対応型共同 計画 4ユニット 生活介護 実績 4ユニット 平成 26 年度 時点の合計 12ユニット 12ユニット 6か所 小規模多機能型居 計画 3か所 宅介護 実績 5か所(仲津・今元・中京・行橋・泉[H26 予定]] 5か所(長峡以外) 2か所 地域密着型介護老 計画 2か所 人福祉施設 2か所 実績 2か所(うち 1 箇所はH26 整備中) 地域密着型特定施 計画 1か所 設入居者生活介護 実績 1か所(H26 整備中) 1か所 1か所 (2)小規模多機能型居宅介護の充実 本市では、小規模多機能型居宅介護について、地域の高齢者の介護予防や交流の拠点及び認 知症に関する相談窓口としても機能するよう、市独自の事業展開を図っています。 第5期計画では、中学校区 6 圏域ごとに1か所の整備を目標とし、平成 26 年度現在で5か所 の整備が進んでいます。グループホームとあわせて認知症対策としても重要な社会資源ですが 利用者の認知度が低く、通所介護等の類似事業との競合も激しいため、施設定員(25 人)の確 保が難しい状況にあります。 今後は、ケアマネジャーや利用者に事業の周知を図るとともに、第 7 期計画以降等の中長期 的視点を持って小学校区 11 圏域での整備等も視野に入れながら、整備充実を計画的に進める必 要があります。 35 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第3章 計画の基本的な考え方 3.認知症対策の充実 (1)早期発見・早期対応の推進 認知症に関する相談機能の充実として、中学校区 6 圏域ごとに「高齢者相談支援センター」 「小規模多機能型居宅介護」の整備を推進しました(重点施策1・2参照) 。今後は、研修等に よりこれらの相談機関職員の資質向上を図るとともに、家族に向けた広報強化や、相談機関と 医療機関等との連携強化を図る必要があります。 早期発見のための情報や機会の提供として、認知症に関する啓発リーフレット等の作成や各 種講座開催等により広報に努めていますが、依然として市民の理解度が低く、重度化してから の相談が多いため、早期発見・早期治療のための体制や仕組みづくりが必要です。 (2)認知症予防・認知症ケアの充実 認知症予防の一環として、孤立化防止やうつ予防等を含めた居場所づくりを進める必要があ ることから、社会福祉協議会が推進する「いきいきサロン」の拡充に対する支援を実施してい ます。このほか、介護予防事業において認知症やうつ、閉じこもり予防に効果的なプログラム を検討・実施しています(重点施策4参照) 。 今後も先進事例等を研究しながら、医療・介護等の関係機関と連携して、本市の実情に応じ た効果的な認知症予防事業の充実を図る必要があります。 認知症ケアについては、症状の進行に応じたケアの流れとして、家庭⇒小規模多機能型居宅 介護⇒認知症対応型共同生活介護(グループホーム)というフローを想定し、このための地域 密着型サービス(小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護)の基盤整備に取り組 んでいます(重点施策2参照) 。 また、徘徊高齢者の保護対策として、平成 25 年度から「徘徊高齢者等SOSネットワーク」 を開始しています。平成 26 年度には、GPSによる位置情報検索システムの導入に取り組むほ か、本システムも活用しながら認知症も含めた要援護者支援のための地域資源マップの作成に も取り組む予定であり、今後もこのような新たな取組により認知症ケアの充実を図ることが重 要です。 (3)認知症高齢者や家族を支えるしくみづくり 認知症高齢者の家族支援として、 「認知症の家族の会」の活動支援に取り組んでいますが、広 報に関する支援等に留まっています。今後は先進事例等を参考にしながら、家族支援の在り方 を検討し、充実に向けて取り組む必要があります。 認知症高齢者や家族を支える地域づくり推進の一環として、高齢者に対する地域見守り活動 を行う団体に対し、活動費の一部助成等の支援を行っています。今後はこれらの団体に対して 認知症に関する情報提供や勉強会開催等により認知症に対する地域理解の促進を図る必要があ ります。 若年性認知症への支援については、具体的な対策が取れていません。本人の職業や家庭環境 等に応じた個別対応が必要となるため、相談窓口となる高齢者相談支援センターの資質向上や 医療機関等との連携強化に取り組む必要があります。 36 ◆第Ⅰ部 第3章 総論◆ 計画の基本的な考え方 4.介護予防事業の充実 (1)二次予防事業対象者把握事業の推進 日常生活圏域ニーズ調査(重点施策1参照)を活用し、二次予防事業対象者を早期に把握し、 事業へのつなぎを行うとともに、予防プランを作成する必要がある対象者を適切に選定し効果 的なプログラム提供に努めています。 今般の介護保険制度改正も踏まえつつ、今後も調査による対象者把握~事業実施までの円滑 実施に向けて高齢者相談支援センターの機能向上を図る必要があります。 (2)二次予防事業プログラムの充実 通所型介護予防事業は、市内 5 か所のデイサービスセンター等の通所型施設で実施していま す。利用者数(実人数)の伸びは鈍化しており、介護保険サービスへの移行も多いことから、 今後は介護保険制度改正も踏まえつつ、事業の在り方や実施メニュー等について検討していく 必要があります。 訪問型介護予防事業は、二次予防事業対象者のうち、閉じこもりや認知症、うつ等のおそれ がある人を対象に、高齢者相談支援センターの保健師等が訪問による相談・指導・支援等を行 っています。 本事業も通所型事業と同様、介護保険制度改正を踏まえた対応が必要となります。 (3)介護予防・日常生活支援総合事業の創設 「介護予防・日常生活支援総合事業」は第 5 期(平成 24 年制度改正)において新たに創設さ れた事業であり、本市では従来、地域支援事業等で独自に類似サービスを実施してきた経緯が あることから、平成 24 年度より当該事業を実施してきました。 今般の介護保険制度改正により「新しい総合事業」として、第 6 期計画期間中に全保険者で の実施が義務化されることとなりましたが、本市では第 5 期計画期間中の実績等も考慮しつつ、 制度改正の内容を踏まえた事業展開を図る必要があります。 37 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第3章 計画の基本的な考え方 第3節 計画の基本理念 みんなでつくろう! いつまでも安心して暮らせるまち・ゆくはし 本計画の基本理念については、第 4・5 期計画を踏襲し、 「みんなでつくろう! いつまでも 安心して暮らせるまち・ゆくはし」とします。 この基本理念は、高齢化等の状況が変わっても本市の高齢者福祉・地域福祉が目指すべき理 想像として普遍的なものであり、今後も地域の住民やさまざまな関係機関・団体等と連携しな がら、高齢者が住み慣れた自宅や地域でいつまでも安心して暮らせるまちづくりに取り組みま す。 この基本理念のもと、本市が目指す将来像は次頁のとおりであり、この将来像の実現を目指 して、第 6 期計画においては、 「団塊の世代」が 75 歳以上となる平成 37(2025)年度も視野に 入れながら、介護・医療・予防・住まい・生活支援サービスが切れ目なく提供される「地域包 括ケアシステム」の強化に向け、各種施策の推進を図ります。 38 ◆第Ⅰ部 第3章 行橋市の目指す将来図 みんなでつくろう!いつまでも安心して暮らせるまち・ゆくはし 高齢者が活躍できる環境づくり 家族・地域との元気なまちづくり 健康づくりや介護予防への積極的な取組み 1人ひとりの健康から 地域の健康へ ・きっかけづくりをサポートをします。 ・専門職が指導します。(個別指導、教室開催) ・魅力と効果のあるメニューで予防教室を開催します。 地域の仲間と自分にあった 健康づくりができる環境を 整備 たとえば・・・ ・自立性、自己達成感を高めるメニュー ・閉じこもり、孤立化を防止するメニュー ・新たな繋がりができるメニュー ・認知症予防、ロコモティブシンドローム、栄養・口腔ケア等 新しい活動づくり ・健康で元気なまちづくりに参加しています。 ・家族との絆、地域との絆を大切にしています。 ・行政区ごとに集まりの場やいきいきサロンが 出来ています。 ・ご近所福祉・支え合いマップ作成が進み、 地域で 見守り、安否確認等を行っています。 ・新しい社会資源を生み出し、活躍す る力を持っています。 ・新しいスタイルのボランティアや 住民活動が盛んに取組まれています。 たとえば・・・ 空き家や空き店舗の活用支援 たとえば・・・ 就労機会の支援、人材育成の支援 民生委員、区長、 いきいきサロンの 世話人、 認知症サポーター等 健幸つなぎ隊、健康づくり友の会 食生活推進員、健康体操の会 足腰おたっしゃ倶楽部 脳の楽らく倶楽部 元気な時から 本人・家族の心構えと選択 地域ケア会議の開催 自分にあった「住まい」の選択 ・高齢者本人にあった「住まい」を選びます。 ・住み慣れた生活の場としての住まいの整備。 ・高齢者本人とその家族が抱える状況にあわせた 住まい。 ・本人たちの希望にかなった住まい方の確保。 総論◆ 計画の基本的な考え方 ・元気な高齢者は、サービスの担 い手となって活躍をしています。 たとえば・・・ 新しい生活支援サービス 掃除・洗濯 調理 ゴミだし 配食 買い物 外出支援 ・自立して生活するのが少し不安 になった高齢者も、必要な支援を 受けながら生活できています。 社会福祉協議会、 シルバー人材センター、 いきいきサロン推進協議会、 老人クラブ、 ボランティア等 地域資源 ・発見する力 ・つなぐ力 ・生み出す力 ・ 課題発見、分析 資源開発、地域づくり 政策形成 (施設) 担い手づくり 新たな社会資源へ (在宅) ※「住まい」とは、高齢者のプライバシーと尊厳が 十分に守られた住環境。 ワークショップの 開催等定期的な 話し合い きめ細やかな情報発信と伝達、地域の現状 把握・地域診断、コーディネート機能 高齢者相談支援センターと地域のつながり 自分にあった「サービス」の選択 介護が必要になっても、医療を含めた様々なサービスを利用しな がら、安心して生活が送れる環境づくりが進んでいます。 自分にあった介護保険サービスを適切に利用できています。 ・在宅生活を支える医療体制、24時間訪問介護看護サービスが 開始されています。 ・重度化防止ライフスタイルが普及し、地域リハビリテーション活動 が充実しています。 ・緊急時に受け入れ可能な、入院・入所施設の充実が図られてい ます。 身近な相談窓口である高齢者相談支援センターの機能が強化され、 地域や関係機関とのつながりが充実します。 医療・介護の連携 ・退院支援 ・日常の療養支援 ・急変時の対応 ・看取り 医師・歯科医師・薬剤師 訪問看護師・介護職・栄養士 リハビリ職・ 介護支援専門員等 ・急性期病院 ・亜急性期、回復期 リハビリ病院 ・かかりつけ医 たとえば・・・ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護、地域リハビリテーション活 動事業の活用 地域の医療機関・専門 機関等との連携により、 在宅医療・介護を一体 的に提供 ・住民の相談を幅広く受けて、支援します。 ・高齢者のニーズと地域資源のマッチングにより、適切な介護予防・生活 支援サービスをコーディネートします。 ・成年後見制度の活用促進や高齢者虐待への対応を行います。 ・認知症になっても地域で暮らし続けることができる支援を行います。 ・ケアマネジャーからの相談、支援困難事例等への助言や指導を行いま す。 ・多職種協働による個別事例のケアマネジメントを行っています。さらに、 地域課題の発見や関係機関との連携を高め、地域づくりを支援します。 たとえば・・・ 認知症初期集中支援チーム、認知症医療センターとの連携 39 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第3章 計画の基本的な考え方 第4節 計画の基本目標 計画の基本理念の実現のために、高齢者に対する 3 つの『支援』を推進することを目指して、 以下のとおり基本目標を設定します。 基本目標Ⅰ 生活支援の推進 ~高齢者の『生活』を支える~ 高齢者が要介護状態等になっても、できる限り住み慣れた地域で自立して生活できるよう、 介護サービスの基盤整備や住まい(生活の場)の確保に取り組みます。また、介護サービスに ついては量的確保だけでなく、質の確保・向上に取り組みます。 また、介護予防・日常生活支援総合事業を、今般の介護保険制度改正に応じた事業体系に見 直して「新しい総合事業」として実施し、ボランティア等の地域の社会資源を活用しながら、 総合事業を核とした生活支援体制の整備・充実を図ります。 あわせて、今後、さらに増加が見込まれる認知症について、専門機関等と連携しながら、予 防やケア対策の充実に取り組み、認知症施策を推進していきます。 さらに、一人暮らしや認知症等をはじめ、虐待や消費者被害等の権利侵害にあう恐れが強い 高齢者を守る取り組みとして、高齢者の財産や権利を守る権利擁護対策の充実強化に努めます。 基本目標Ⅱ 地域支援の推進 ~地域との『協働』、高齢者を『地域』で支える体制づくり~ 高齢者が要介護状態等になっても、できる限り住み慣れた地域で自立して生活するためには、 公的サービスだけでなく、地域と協働して、高齢者を地域で支える体制をつくることが重要で す。このため、高齢者相談支援センターの機能強化も図りながら、地域と連携して高齢者の見 守りやその他の支援活動の促進を図ります。 また、慢性疾患等の医療と介護のニーズをあわせもつ高齢者等を地域で支えていくためには、 高齢者を支援する医療・介護のさまざまな関係機関やサービス従事者が連携を図ることが必要 です。現在はこの医療・介護連携が必ずしも円滑でない部分もあることから、地域における医 療・介護等の多職種間の連携体制の構築に取り組みます。 また、このような連携を図るためにも、その連携の中核として行政職員や高齢者相談支援セ ンター職員が機能できるよう、これらの職員のマネジメント力の強化を図るとともに、地域ケ ア会議を推進していきます。 40 ◆第Ⅰ部 第3章 総論◆ 計画の基本的な考え方 基本目標Ⅲ 活動支援の推進 ~高齢者の『元気』を支援~ 高齢者ができる限り健康で生きがいをもって活動的に生活できるよう、地域を主体とした健 康づくりや新しい介護予防活動の展開を図ります。 また、今後は、人口自体も多く、かつ、多様な価値観や知識・経験を持っている「団塊の世 代」が徐々に 65 歳に到達していきます。 この「団塊の世代」の高齢者が、地域のさまざまな活動の担い手としても活躍できるよう、 「生きがい就労」 等の視点を持って、 社会参加のしくみづくりや活動の活性化に取り組みます。 41 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第3章 計画の基本的な考え方 第5節 計画の重点施策 第 6 期計画においては、国の計画策定指針において、地域包括ケアシステムの実現のために 重点的に取り組むことが必要な事項(重点記載事項)を設定することが推奨されています。 本市では、これまでの計画においても重点施策を設定し、各計画期間内において重点的に取 り組みを進めてきました。 本計画においても、従来通り、本計画期間内に重点的に取り組む 4 つの「重点施策」を下記 のとおり設定します。 《重点施策》 ①生活支援の体制整備 ・総合事業の導入に向けての体制整備 ・高齢者の実態把握 ・生活支援サービスや様々な社会資源の活用 ②在宅医療・介護連携の推進 ・在宅での医療ケアの充実(早期発見・早期治療、入退院時、ターミナル等) ・医療・介護多職種の連携、相談機能の強化 ・地域ケア会議の推進 ③認知症施策の充実 ・早期発見・早期対応の推進(認知症初期集中支援チームと認知症支援推進員の配置) ・認知症予防・認知症ケアの充実 ・認知症高齢者や家族を支えるしくみづくり ④介護予防の強化 ・高齢者自身や地域での介護予防の取り組み強化 ・リハビリテーション関係職種の活用 ・介護保険利用者の重度化予防 42 ◆第Ⅰ部 第3章 総論◆ 計画の基本的な考え方 第6節 計画の体系 【計画の体系】 みんなでつくろう! いつまでも安心して暮らせるまち・ゆくはし 基 本 理 念 ~高齢者が地域で自立した生活を営めるよう、介護・医療・予防・住まい・ 生活支援サービスが切れ目なく提供される「地域包括ケアシステム」を実現する~ 基 本 目 標 施 策 の 方 向 Ⅰ 生活支援の推進 ・高齢者の『生活』を 支える Ⅱ 地域支援の推進 Ⅲ 活動支援の推進 ・地域との『協働』 ・高齢者を『地域』で 支える体制づくり 高齢者の『元気』を支援 1 住み慣れた地域で暮らせる 体制整備 5 地域の見守り・支援活 動の促進 9 健康づくりと介護予防の 強化 2 生活支援の整備と社会資源 の活用 6 相談体制の充実 10 生きがいづくりと社会 参加の促進 3 認知症施策の充実 7 医療・介護の連携 4 利用者保護の推進 8 地域ケア会議の推進と マネジメント力の強化 <重点施策> ① 生活支援の体制整備 ② 在宅医療・介護連携の推進 ③ 認知症施策の充実 ④ 介護予防の強化 43 ◆第Ⅰ部 総論◆ 第3章 計画の基本的な考え方 第7節 日常生活圏域の設定 日常生活圏域については、第 5 期計画と同様に、中学校区を基本とした 6 圏域とし、この単 位で地域包括ケアシステムの構築を図ります。 【日常生活圏域ごとの人口の状況】 総人口 高齢者人口 高齢化率 うち 75 歳以上 全 体 (単位:人) 要介護認定者数 うち 75 歳以上 要支援 1-2 要介護 1-5 72,858 19,170 8,923 26.3% 12.2% 3,057 1,208 1,849 行橋校区 15,428 3,892 1,838 25.2% 11.9% 713 286 427 今元校区 13,649 4,045 1,904 29.6% 13.9% 702 271 431 仲津校区 9,573 3,120 1,566 32.6% 16.4% 467 193 274 泉校区 14,020 2,918 1,230 20.8% 8.8% 379 152 227 中京校区 9,320 2,051 967 22.0% 10.4% 360 145 215 長峡校区 10,868 3,144 1,418 28.9% 13.0% 436 161 275 (資料)住民基本台帳(平成 26 年 10 月 1 日現在) 【日常生活圏域の設定】 行橋校区 長峡校区 今元校区 泉校区 仲津校区 中京校区 44 ◆◆◆ 第Ⅱ部 各 45 論 ◆◆◆ ◆第Ⅱ部 各論◆ 第1章 住み慣れた地域で暮らせる体制整備 第1章 住み慣れた地域で暮らせる体制整備 第1節 地域密着型サービスの基盤整備 介護サービスの地域密着型サービスは、要介護状態となっても可能な限り、住み慣れた自宅 や地域での生活を継続できるようにするためのサービスであり、市町村がサービス事業者の指 定・監督を行うことができるサービスです。 本市では、第 5 期計画期間中に重点的に基盤整備を進めてきました(第Ⅰ部総論-第 2 節-2 参照) 。 第 6 期計画期間においては、 「小規模多機能型居宅介護」について、未整備圏域(長峡地区) に 1 か所整備し、市内すべての日常生活圏域(6 圏域)への設置に取り組みます。 また、医療・介護の両方のニーズをあわせ持つ状態の方へのサービスの一体的な導入につい て、今後は、急性期から在宅医療・介護までの一連のサービス提供体制の一体的な確保が必要 とされます。 現在、本市では、 「複合型サービス」として、訪問(介護・看護) ・通い・泊まり機能が一体 となったサービス(1か所)が開始されていますが、新たに「定期巡回・随時対応型訪問介護 看護」について 1 事業所の整備に取り組みます。 【定期巡回・随時対応型訪問介護看護の概要】 <定期巡回・随時対応サービスのイメージ> 利用者からの通報により、 電話やICT機器等による応対・訪 問などの随時対応を行う 随時対応 訪問介護と訪問看護が一体 的又は密接に連携しながら、 定期巡回型訪問を行う 通報 定期巡回型訪 問 オペレーター 定期巡回型訪問 <サービス提供の例> 0時 月 火 水 木 金 土 日 2時 4時 水分補給 更衣介助 6時 8時 10時 12時 14時 16時 18時 20時 22時 通所介護 定期巡回 排せつ介助 食事介助 通所介護 排せつ介助 食事介助 体位交換 体位変換 水分補給 ・日中・夜間を通じてサービスを受けることが可能 ・訪問介護と訪問看護を一体的に受けることが可能 ・定期的な訪問だけでなく、必要なときに随時サービスを受けることが可能 46 随時訪問 訪問看護 ◆第Ⅱ部 第1章 各論◆ 住み慣れた地域で暮らせる体制整備 【小規模多機能型居宅介護・複合型サービスの概要】 小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護 複 合 型 サ ー ビ ス ○「通い」の利用者15名程度 ○1事業所の登録者は25名程度 ○「泊まり」は「通い」の利用者に限定 ○「泊まり」の利用は9名までを基本 ○どのサービスを利用しても、なじみの 職員によるサービスが受けられる。 「小規模多機能型居宅介護」と「訪問看護」を同一事業所から一体的に提供するサービス。 医療ニーズが高い要介護認定者への支援を充実することが可能。 小規模多機能型居宅介護 + 訪問看護 <行橋市独自の機能の追加> ○ 要介護認定を受けていない高齢者に対する支援サービスの委託 ○ 地域の介護予防・交流拠点、認知症に関する相談窓口として活用 【小規模多機能型居宅介護・複合型サービス 市内事業所一覧】 ■小規模多機能型居宅介護 事業所名 小規模多機能ホーム 生活リハビリホーム ケアホーム 来夢 小規模多機能ホーム 小規模多機能ホーム コスモス今元 井戸端わいわい おおはし苑 ほのぼの 開設 年月 H24.4 H24.4 H24.4 H26.4 H27.4(予定) 宿泊数 8人 5人 9人 5人 8人 所在地 行橋市大字今井 3138 番地 1 行橋市大字流末 1277 番地 1 行橋市大字道場寺 1250 番地 行橋市東大橋四丁目 2 番 5 号 行橋市南泉一丁目 231 番 1 号 ■複合型サービス 事業所名 複合型サービス ひと息の村 開設 年月 H25.4 47 宿泊数 9人 所在地 行橋市行事七丁目 25 番 3 号 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第1章 住み慣れた地域で暮らせる体制整備 第2節 住まい(生活)の場の確保 平成 25 年度に実施した「高齢者福祉に関するアンケート調査」結果によると、今後(将来) の介護希望として在宅での生活を希望する人が過半数を占めており、多くの高齢者が要介護状 態になっても在宅での生活を希望していることがわかります (第Ⅰ部総論-第 2 章-第 5 節参照) 。 在宅での生活を継続するためにはその基盤となる「住まい」が必要です。高齢者の住まい確 保のためには、高齢者自身の心身状況や家族状況等に応じて従来の自宅から他の住居等に住み 替えることも有効な対策の一つと考えられます。 本市では、第 5 期計画期間において、地域密着型サービスを中心に居住系サービスの基盤整 備を進めたほか、民間事業者による住宅型有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅等が近 年急増しており、高齢者の「住み替え」の選択肢は比較的多い状況にあるといえます。 このような状況を踏まえ、今後は「住み替え」も含めた高齢者の住まい確保に関する相談・ 支援の充実に取り組みます。なお、住まい確保の支援にあたっては、低所得者や医療ニーズが ある人など、住まいの確保に特に困難を抱える人に対する配慮に努めます。 第3節 介護サービスの質の確保 1.介護給付適正化の推進 介護給付の適正化を図ることは、不適切な給付を削減する一方で、利用者に対する適切な介 護サービスを確保することにより、介護保険の信頼性を高めるとともに、介護給付費や介護保 険料の急増を抑制することに通じます。 また、サービス事業者およびケアマネジャーの資質向上にもつながることから、今後も積極 的に介護給付の適正化に取り組んでいきます。 <主な内容> ① 要介護認定の適正化 ② ケアマネジメントの適正化(ケアプラン点検) ③ 住宅改修等の点検 ④ 介護報酬請求の適正化(給付内容の点検) 48 ◆第Ⅱ部 第1章 各論◆ 住み慣れた地域で暮らせる体制整備 2.介護サービス事業者への助言・指導と質の確保 サービス事業者に対しては、よりよいサービスを育成していくという視点とともに、保険者 として「指導」 「監督」という姿勢が必要です。 特に市が指定する地域密着型サービス事業者には、定期的な実地指導及び集団指導を実施し、 利用者の立場にたった適切なサービスの提供、事業所運営が行われるように、助言・指導を行 っていきます。 また、サービス事業者の不適切事例等は、サービスの質の向上にとって有効な資料となるこ とから県や他市町村と連携を行いながら、高齢者相談支援センター、ケアマネジャー連絡会、 各サービス事業者等へ幅広く情報提供を行い、サービスの質の向上へつなげていきます。 なお、介護サービスの質の確保に関しては、国の事業(介護の質の評価事業)も開始が予定 されていることから、その動向を踏まえながら、本市においても質の評価のための仕組みづく りに取り組みます。 3.介護人材の確保に向けた取り組み 介護人材不足については全国的な課題となっており、本市においても例外ではありません。 国の介護保険事業計画に関する基本指針では、都道府県計画(介護保険事業支援計画)にお いて地域包括ケアを支える人材の確保や資質向上についての施策を定めることとされています。 このため、周辺市町村や地域のサービス事業者等とも連携しながら、福岡県が行う広域的な人 材確保・育成策に基づく取り組みの推進に努めます。 49 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第2章 生活支援の整備と社会資源の活用 第2章 生活支援の整備と社会資源の活用 第1節 新しい総合事業の展開 1.新しい総合事業の制度概要 今般の介護保険制度改正により、従来の「介護予防・日常生活支援総合事業」 (以下「旧総合 事業」という。 )が見直され、新しい総合事業として全市町村での実施が義務化されました(平 成 29 年 4 月までに実施) 。 これは、 全国一律の予防給付として提供されていた介護予防訪問介護と介護予防通所介護を、 市町村が取組む地域支援事業の「総合事業」に段階的に移行し、多様な事業主体の参入を促進 し、効率的・効果的にサービスが提供できるようにするものです。 【新しい総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の概要】 介護予防給付(要支援1、2) 訪問看護 訪問リハビリテーション 訪問入浴介護 短期入所生活介護 福祉用具、住宅改修 地域密着型サービス など (訪問介護、通所介護を除く 介護予防給付サービス) 介護予防給付(要支援1、2) ※従来の介護予防給付を継続 訪問看護、訪問リハビリテーション 訪問入浴介護、短期入所生活介護 福祉用具、住宅改修 地域密着型サービス (グループホーム、小規模多機能型) など 現行 と同様 地域支援事業 訪問介護・通所介護 多 様 化 地域支援事業 ■介護予防事業 二次予防事業 訪問型、通所型 一次予防事業 介護予防普及啓発事業 地域介護予防活動支援事業 又は 介護予防・日常生活支援総合事業 の場合は上記に生活支援サービスを 含む要支援者向け事業等 ■包括的支援事業 地域包括支援センターの運営 (総合相談支援、権利擁護業務、 介護予防ケアマネジメント等) ■介護予防・日常生活支援総合事業 (要支援1~2、それ以外の者) ◇介護予防・生活支援サービス事業 移行 介護予防・ 従来の二次 予防対象者 ②通所型サービス(従来の通所介護や 新たなサービス) ③生活支援サービス(配食・見守り等) ④介護予防支援事業(ケアマネジメント) ■一般介護予防事業 ・介護予防普及啓発事業 ・地域介護予防活動支援事業 介護予防の推進 全ての高齢者 機能強化 ①訪問型サービス(従来の訪問介護や 新たなサービス) 充 実 ■包括的支援事業 ◇地域包括支援センターの運営 ◇在宅医療・介護の連携推進 ◇認知症施策の推進 (認知症初期集中支援チーム、認知症地域支援推進員等) ◇生活支援サービスの基盤整備 ■任意事業 現行と同様 ■任意事業 50 等 ◆第Ⅱ部 第2章 各論◆ 生活支援の整備と社会資源の活用 2.新しい総合事業の展開 新しい総合事業は、要支援認定者等に対して必要な支援を行う「介護予防・生活支援サービ ス事業」と、すべての高齢者に対して介護予防の啓発等を行う「一般介護予防事業」で構成さ れています。 本市では、平成 17 年度まで独自に実施していた要介護認定者以外に対する予防的なサービス 提供制度(準支援制度)での取組を踏まえ、平成 24 年 4 月から旧総合事業を実施し、要支援認 定者や二次予防事業対象者に介護予防や生活支援のためのサービスを提供してきており、すで に新しい総合事業で示された新たなサービス体系(前頁参照)での訪問型・通所型サービスの 一部を実施しています。 また、新しい総合事業における一般介護予防事業についても、介護予防把握事業として「日 常生活圏域ニーズ調査」を実施し、介護予防普及啓発事業、地域介護予防活動支援事業も新体 系に準じた内容で実施しています。 これらの本市が新制度に先行して取り組んでいた事業については第 6 期計画期間当初から新 制度下での円滑な実施が可能です。 ただし、要支援認定者(要支援 1・2)の介護予防訪問介護・介護予防通所介護の総合事業へ の移行については、近隣他市町村や事業所等とのサービス単価等の調整も必要なことから、平 成 27 年度を準備期間とし、平成 29 年度までに移行させることとします。 また、未実施のサービス(通所型サービスの短期集中型、訪問型サービス等)については、 新たなサービスとして内容や実施方法を検討し順次開始していく予定です。 51 ◆第Ⅱ部 第2章 各論◆ 生活支援の整備と社会資源の活用 【行橋市の新しい総合事業及び生活支援サービスの概要】 ◆行橋市における平成15年度~平成26年度までの介護給付以外の高齢者福祉サービスの流れと第6期(平成27年度~)の体系(地域支援事業・総合事業の体系) 平成15年度~平成17年度 (第2期計画) 平成18年度~平成23年度 (第3、4期計画) 廃止 生活支援ホームヘルプサービス 特定高齢者把握事業 廃止 保健福祉 住宅改修費支給 事業 移送サービス 訪問型介護予防事業(保健師等の訪問指導) 地 域 一般高 介護予防普及啓発事業(認知症予防) 支 齢者 介護予防普及啓発事業(運動器機能向上) 援 施策 介護予防普及啓発事業(口腔・失禁ケア) 事 業 包括的支 地域包括支援センター運営業務 援事業 任意 事業 家族介護支援事業(日用品費、慰労金支給) 高齢者配食サービス(特定高齢者以外) 老人福祉電話 緊急通報システム 緊急通報システム 生活支援 日常生活用具給付等 サービス 住宅改修費助成(福岡県住みよか事業) 地 域 支 援 事 業 訪問理美容サービス 日 常( 生新 活) 支介 援護 総予 合防 事・ 業 予防 サービス 訪問型介護予防事業 (二次予防 (緊急時におけるホームヘルプサービス) 対象者) 緊急時等における福祉用具貸与 徘徊高齢者家族支援サービス 緊急時におけるホームヘルプサービス その他の介護予防事業 配食サービス 生活支援 在宅高齢者ショートステイ サービス 生活支援事業(住宅改修) 介護予防普及啓発事業 (認知症・運動器疾患予防) 地域介護予防活動支援事業 包括的支援事業 地域包括支援センター運営業務 家族介護支援事業(日用品費等) 任意事業 一般高齢者 住宅改修費助成(福岡県住みよか事業) 施策 在宅寝たきり老人等介護手当 入退院時福祉移送サービス 要支援1、2(訪問介護)の移行事業 緩和された訪問型事業 ・緊急時におけるホームヘルプサービス ・生活支援ホームヘルプサービス(予定) 短期集中型訪問事業(保健師等) 配食サービス(食の自立支援事業) その他の 緊急時における福祉用具貸与 生活支援 サービス 在宅ショートステイ事業 生活支援事業(住宅改修) 介護予防把握事業 一般介護 予防事業 介護予防普及啓発事業 地域介護予防活動支援事業 一般介護予防事業評価事業 介護相談員派遣事業 等 地域リハビリテーション活動支援事業(新規) 緊急通報システム 一般高齢者施策 地 域 支 援 事 業 ・短期集中予防型通所事業(新規) 介護給付適正化事業 老人福祉電話 在宅高齢者ショートステイ ( 新 ) 総 訪問型 合 サービス 事 業 (緊急時等における福祉用具貸与) (保健師等の訪問指導) 一次予防 サービス 日常生活用具給付等 廃止 通所型 緩和された通所型事業 サービス ・行橋市通所型介護予防事業 (デイサービス) 介護相談員派遣事業 等 老人福祉電話 要支援1、2(通所介護)の移行事業 通所型介護予防支援事業 介護給付適正化事業 高齢者配食サービス 平成27年~平成29年 (第6期) 特定高齢者把握事業 特定高 通所型介護予防支援事業(デイサービス) 齢者 ショートステイ 施策 訪問型介護予防事業(配食サービス) 生活支援デイサービス 準支援 区分 支給対象 生活支援ショートステイ サービス 福祉用具貸与 平成24年度~平成26年度 (第5期計画) 包括的支援 地域包括支援センター運営業務 事業 在宅医療介護連携推進、認知症総合支援等 日常生活用具給付等 住宅改修費助成 家族介護支援事業 任意事業 認知症高齢者見守り事業(新規) 家族介護支援事業 介護給付適正化事業 等 入退院時福祉移送サービス 老人福祉電話 緊急通報システム 第2期の「準支援区分サービス」を基に 「介護予防・日常生活支援総合事業」の組み立て 一般高齢者施策 日常生活用具給付等 住宅改修費助成(福岡県住みよか事業) 家族介護支援事業 等 入退院時福祉移送サービス 概 要 ・要介護認定以外の虚弱高齢者に対する介護予防 について、介護保険制度の区分支給限度額の概念 を取り入れ、これらの虚弱高齢者を新たに「準支 援」と位置づけてサービスの提供を行った。「準 支援」の区分支給限度額は3万円とし、「ホーム ヘルプ」「デイサービス」「ショートステイ」 「福祉用具貸与」の4サービスとした。 ・なお、「準支援」は、国の「介護予防・生活支 援事業実施要綱」に基づき、当市独自の制度とし て導入した。 概 要 ・平成18年度の介護保険法改正により、「介護予防・ 生活支援事業」は廃止。新たに「地域支援事業」が制定 され、枠組みが変わったため「準支援」の内容を「緊急 時・3ヶ月程度」等に絞り実施。 ・平成21年度からは、いつまでも住み慣れた地域で日 常生活が送れるよう、介護予防に重点を置き、介護予防 普及啓発事業を展開していく。認知症予防としての脳の トレーニング教室や運動器機能向上である楽らくトレー ニング教室などを、公民館や集会所で実施していくこと で、地域での普及、継続を期待している。 概 要 介護予防・日常生活支援総合事業とは、市町村の 主体性を重視し、地域支援事業において、多様なマ ンパワーや社会資源の活用等を図りながら、要支 援・2次予防事業対象者に対して、介護予防や配 食・見守り等の生活支援サービス等を、市町村の判 断により、総合的に提供することができる事業であ る。 これは、本市において、平成17年度まで実施して いた「準支援制度」が幅を広げ、今後は要支援1・ 2を含め一体的に支援できるイメージである。 52 概 要 本市においては、介護予防・日常生活支援総合事業を、 第5期から取組み、すでに新体系での訪問型および通所型 サービスの一部を実施している。また、一般予防事業につ いても、介護予防把握事業は日常生活圏域ニーズ調査を実 施、介護予防普及啓発事業・地域介護予防活動支援事業も 新体系の内容で行っている。しかしながら、要支援1、2 の現行サービスの移行については、他市町村および事業所 等との単価等の調整も必要なことから平成27年度は準備期 間とし、平成29年度までに移行させる。 また、実施してない内容の通所型サービス(短期集中 型)や訪問型(緩和型)については、第2期の「準支援区 分」の体系を基に新たなサービスとして内容や実施方法を 検討し、順次開始する。 ◆第Ⅱ部 第2章 各論◆ 生活支援の整備と社会資源の活用 3.新しい総合事業の利用の流れ 新しい総合事業については、介護予防や生活支援の観点から利用者に最適なサービスが提供 されるよう、従来の旧総合事業と同様に「地域支援事業判定会議」において、利用申請者の状 況等から必要なサービスの判定(決定)を行うこととします。 【本市における新しい総合事業の利用の流れ(概要) 】 <介護認定審査会> 非該当・要支援1、2の 方の情報 介護予防把握事業(一般高齢者事業) <本人・家族> 地域(民生委員等)からの相談、申請 市内6箇所の高齢者相談支援センター ・訪問等による相談、調査 ⇒アセスメント、ニーズ把握、基本チェックリスト ニーズ調査結果表の活用 高齢者相談支援センターの保健師等が訪問 <日常生活圏域ニーズ調査> ・調査結果により、リスクが高い方の リストを作成して訪問による実態把握 ⇒事業等への参加案内 ・郵送による一次予防事業への参加案内 ・調査票未回収の方には、訪問を行い 実態を把握する。 地域支援事業判定会議(週1回実施) 対象者の選定 (リスク、年齢、 地域等を選定) 事業案内 ・事業の決定(内容・回数・期間等) ・判定会議は、高齢者相談支援センター及び介護保険課の 専門職等で実施 紹介 決定 いきいきサロン、 老人クラブ等 地域からの依頼 一般高齢者事業 介護予防・生活支援サービス事業 高齢者相談支援センターによる 予防ケアプラン・生活支援プランを作成(ケアマネジメント事業) 通所型・訪問型サービス事業 一般募集 (市報や回覧板等 で募集) その他の生活支援サービス事業 ●通所型介護予防事業 1)現行の通所型予防事業の移行 2)閉じこもり予防・認知症予防等 緩和された基準の通所事業 3)リハビリ重視型等短期集中通所事業 (3~6ヶ月間期間限定) ●行橋市食の自立支援事業(配食サービス) ●訪問型介護予防事業 1)現行の訪問型介護予防事業の移行 2)緊急時ホームヘルパー事業 3) 生活支援ホームヘルプサービス事業 4)短期集中予防型訪問事業 (保健師、リハ職等) ●生活支援住宅改修 ●その他のサービス ・緊急時福祉用具貸与事業 3ヶ月程度必要な福祉用具を貸与 ・行橋市在宅高齢者ショートステイ事業 【介護予防普及啓発事業】 【地域介護予防活動支援事業】 <リスク拾上げ方> ●運動器疾患対策プログラム ・24回コース(年2回実施) ・市内の介護施設等で実施 ●認知症予防 「脳の健康楽習室」 ・12回コース(年2回実施) <地域支援型> ●骨関節・転倒予防・認知症予防 「楽らくトレーニング教室」 ・12回コース(年2回実施) ●高齢者相談支援センター主催 介護予防教室:行政区単位 ・各支援センター 6箇所で 地域を選定して実施 ・介護予防サポーターの育成 ・高齢者相談支援センター、 介護保険課による老人クラブ、 いきいきサロン等地域での 介護予防活動の支援 ⇒運動等の指導や認知症 予防等の講義 ⇒「集まり場」のきっかけ作り 【地域リハビリテーション活動支援事業】 地域における介護予防の取組みを機能強化するために、通所、訪問、 地域ケア会議、サービス担当者会議、住民運営の通い場等へのリハビリテー ション専門職等の関与を促進する。 53 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第2章 生活支援の整備と社会資源の活用 第2節 生活支援サービスの体制整備 1.新たな介護予防・生活支援サービス事業の実施 新しい総合事業に位置づけられた「介護予防・生活支援サービス事業」の実施にあたっては、 高齢者の状態に合わせて支援の内容を柔軟に変化させるしくみづくりが重要となります。 このため、本市においては、現在実施している事業以外で日常生活の自立に不安のある高齢 者や要支援認定者(要支援1・2)を対象とした多様な訪問型・通所型サービスを導入し、でき る限り介護を要する状態にならないように支援を行っていきます。また、地域における様々な 支え合いづくりにおいても、社会福祉協議会等と連携し支援を行っていきます。 <総合事業において新たに取り組む介護予防・生活支援サービス> ◇自立支援型生活支援サービス 可能な限り本人の能力を生かし必要な家事等の支援を行います。 ◇生活訓練型通所サービス 在宅生活において必要な生活体力や生活能力、生活意欲の維持・向上、閉じこもり予防 等を目的とした支援を行います。 【介護予防・生活支援サービスの位置づけ】 介護保険サービスを利用しなくても 多様な支援により在宅での生活が維持できる仕組みへ 元気に活動 できる方 要支援1、2 の状態の方 要介護1~5の状態の方 <介護予防・生活支援サービス> <介護保険サービス> 自立に不安がある方 ゴミ出し、掃除、洗濯、 調理・買い物、見守り 身体介護や生活援助等 等 意欲とパワー ボランティア 行橋市に指定された通所介護 介護保険サービス事業所 や、ご近所の ・訪問介護事業所や新たな団体 ※要介護度が重度の方への 助け合い 等による生活支援サービスの 支援を中心にサービスを 提供 提供 54 ◆第Ⅱ部 第2章 各論◆ 生活支援の整備と社会資源の活用 <既存の介護予防・生活支援サービス> 本市では、平成24年度より、旧総合事業として以下のサービスを実施しています。 (1)通所型介護予防事業 要介護状態になるおそれのある方や要支援認定者(要支援1・2)で、運動器の機能向上や、 閉じこもり、認知症の予防が必要な高齢者に対し通所型事業を実施します。 (2)緊急時におけるホームヘルプサービス 要介護認定を受けていない人で、末期がん等で一時的に退院した人や身体状況の悪化で緊急 的に支援が必要と認められる人に対し、ホームヘルパーを派遣して支援を行います。 (3)配食サービス 要介護状態になるおそれのある方や要支援認定者(要支援1・2)のうち、一人暮らし世帯や 高齢者夫婦世帯、その他の高齢者のみの世帯等で、心身の障がいや疾病等の理由により食事の 調理が困難な人を対象とし、見守りも兼ねた配食サービスを実施します。 (4)緊急時における福祉用具貸与 要介護認定を受けていない人で、 末期がん等で一時的に退院し福祉用具が必要な人に対して、 特殊寝台等を貸与します。 (5)在宅高齢者ショートステイ 要介護認定を受けていない人で、日常生活を援助している人の疾病や冠婚葬祭、出張、旅行、 学校等の行事への参加その他やむを得ない理由等により一時的に日常生活の援助を受けること が困難となった人に対し、介護保険施設等で日常生活の援助を行います。 (6)生活支援事業(住宅改修費、福祉用具購入費助成) 要介護認定を受けておらず、転倒の危険性がある高齢者や虚弱高齢者がいる市県民税非課税 世帯を対象に、7万5千円を上限として、手すりの設置、段差解消等の住宅改修費、福祉用具購 入費を助成します(利用者負担額は1割) 。 55 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第2章 生活支援の整備と社会資源の活用 2.その他の高齢者支援サービス 介護予防・日常生活支援総合事業以外にも、高齢者施策として以下のサービスを継続して実 施します。 (1)緊急通報システム 一人暮らし高齢者等の緊急時の対応を目的として、ボタン1つでオペレーションセンターへ 通報できる装置を設置するサービスです(緊急通報システム設置事業) 。また、緊急通報装置を 設置した利用者に対し、月1回程度の電話による安否確認も行っています。 (2)老人福祉電話 電話を取り付けていない一人暮らし高齢者等の孤独感の解消及び安否確認等を目的として電 話を貸与するサービスです。 (3)日常生活用具給付等 要介護認定者も含めた虚弱高齢者等を対象に、電磁調理器等の介護保険給付対象品目以外の 日常生活用具の給付や貸与を行うサービスです。 (4)入退院時福祉移送サービス 車いす利用者等を対象とした介護保険サービスでは対応できない入退院時の介護タクシーに よる移送サービスです。 (5)家族介護支援事業(介護用品支給事業、慰労金支給事業) 介護による家族の経済的負担を軽減するための事業であり、介護用品(紙おむつ等)の支給、 及び高齢者を自宅で介護している家族に対する慰労金を支給します。 (6)徘徊高齢者家族支援サービス(徘徊高齢者等 SOS ネットワーク事業) 徘徊のおそれのある高齢者が、事前に本人情報等を登録することで、行方不明等緊急時に迅 速な捜索活動や早期発見につながるよう警察等関係機関と連携して見守り体制をつくります。 (登録は、本人・家族の同意を得て介護保険課に行います。 ) 56 ◆第Ⅱ部 第2章 各論◆ 生活支援の整備と社会資源の活用 3.多様な社会資源づくりに向けての体制整備 現在、本市では、高齢者を取り巻く社会情勢や高齢者自身の身体的な問題により、買い物に 困難を抱える高齢者が増加しています。 買い物支援の手段としては、地域に店を作る、宅配、交通手段の確保など、様々な方法があ りますが、どの方法が、どの地域に適しているのかを十分に把握する必要があります。また、 地域住民、ボランティア団体、民間団体など支援する側も様々であり、福祉分野の制度のみで は対応できないため、関係部署との連携により、高齢者のニーズ把握と地域ごとの課題に対応 しなければなりません。 また、今後は、買い物支援以外の生活支援ニーズも拡大していくことが予想されるため、サ ービスの体制については、元気な高齢者をはじめ、住民が担い手として参加する住民主体の活 動や、社会福祉協議会、シルバー人材センター、地縁組織、NPO、社会福祉法人、協同組合、 民間企業などの多様な主体による多様なサービスの提供体制を構築し、高齢者を支える地域の 支え合いの体制づくりが必要です。 このため、市町村には地域支援事業に新たに設けられた生活支援体制整備事業を活用しなが ら、地域において、多様な主体の活動を支援し、これを総合事業と一体的かつ総合的に企画し、 実施することが求められています。 具体的には、生活支援サービスの充実に向けて、ボランティア等の生活支援の担い手の養成・ 発掘等の地域資源の開発やそのネットワーク化等を行う「生活支援コーディネーター(地域支 え合い推進員) 」の配置等が可能となりました。 本市においても、関係機関や団体・住民に関与してもらうために「協議体」を設置し、 「生活 支援コーディネーター」の配置場所の検討や必要な支援やサービスの創出に向けて取り組んで いきます。 【生活支援・介護予防の体制整備におけるコーディネーター・協議体の役割(イメージ)】 (1)生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)の配置 ⇒多様な主体による多様な取組のコーディネート 機能を担い、一体的な活動を推進。コーディネート機能は、以下のA~Cの機能があるが、当面AとBの機能を 生 中心に充実。 活 支 (A)資 源 開 発 (B)ネットワーク構築 (C)ニーズと取組のマッチング 援 ○ 関係者間の情報共有 ○ 地域の支援ニーズとサービス提供主体の ・ ○ 地域に不足するサービスの創出 ○ サービス提供主体間の連携の体制づくり 活動をマッチング 介 ○ サービスの担い手の養成 ○ 元気な高齢者などが担い手として活動す など など 護 る場の確保 など 予 エリアとしては、第1層の市町村区域、第2層の中学校区域があり、平成26年度は第1層、平成29年度までの 防 間に第2層の充実を目指す。 の ① 第1層 市町村区域で、主に資源開発(不足するサービスや担い手の創出・養成、活動する場の確保)中心 基 ② 第2層 中学校区域で、第1層の機能の下で具体的な活動を展開 盤 ※ コーディネート機能には、第3層として、個々の生活支援サービスの事業主体で、利用者と提供者をマッチングする機能が あるが、これは本事業の対象外 整 備 に 向 け (2)協議体の設置 ⇒多様な関係主体間の定期的な情報共有及び連携・協働による取組を推進 た 取 組 生活支援・介護予防サービスの多様な関係主体の参画例 NPO 民間企業 協同組合 57 ボランティア 社会福祉法人 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第3章 認知症施策の充実 第3章 認知症施策の充実 第1節 早期発見・早期対応の推進 1.適切な支援につながるための相談体制の充実 認知症については、早期発見と初期の時期に集中して支援することが重要です。 このため、今般の介護保険制度改正により「認知症初期集中支援チーム」 「認知症地域支援推 進員」等が制度化されました。 本市では、介護保険課と市内 6 カ所の高齢者相談支援センターに「認知症地域支援推進員」 を配置し、地域の認知症医療センター等の専門機関と連携しながら、認知症に対する相談・支 援機能の充実を図ります。 【認知症に関する相談・支援体制】 支援体制を 高齢者相談支援センターを中心とした サポートする施策 認知症高齢者とその家族を支援する地域支援体制 認知症の普及(広報)啓発 行政機関 在宅療養支援者の連携 ・認知症予防講座の開催 ・認知症予防の継続的な普及 ・介護保険課(行橋市) ・居宅介護支援事業所 ・保健所 ・介護サービス事業者 等 ・認知症サポーター養成講座の開催 ・警察、消防 等 相談体制づくり 相談 支援 認知症高齢者と ・高齢者相談支援センター等 相談窓口の啓発 ・認知症初期集中支援の実施 ・小規模多機能型施設等の活用 介護者である家族 医療体制づくり 高齢者相談支援センター 地域の連携・見守り ・社会福祉協議会 ・民生委員、介護家族の会 ・自治会、老人クラブ、 いきいきサロン推進協議会 ・近隣住民、友人 等 医療の連携 ・かかりつけ医 ・認知症専門医 (認知症医療センター) ・医師会、歯科医師会、 薬剤師会、訪問看護 等 ・かかりつけ医との連携 ・認知症医療センター 等専門医との連携 ・早期受診に結びつける体制づくり 社会参加の仕組みづくり ・地域への継続的な情報発信 ・ご近所福祉活動の推進 ・認知症カフェ等集まりの場の 推進 支援体制の調整、情報共有、 課題を解決する施策 災害時・緊急時の仕組みづくり 地域ケア会議、研修会、定例相談会、認知症ケアパス作成等 58 ・災害時要援護者支援体制の 整備 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第3章 認知症施策の充実 認知症地域支援推進員 認知症の人ができる限り住み慣れた環境で暮らし続けることができるよう、地域の実情に応じて医療機関、 介護サービス事業者や地域の支援機関をつなぐ連携支援や認知症の人やその家族を支援する相談業務等を 行うコーディネーターとしての役割を担います。 認知症初期集中支援チーム(個別の訪問支援) 高齢者相談支援センター・認知症医療センター・介護保険課等が連携し、認知症高齢者の早期の診断や適 切なサービスにつながるように専門職のチームで支援をします。 認知症医療センター 福岡県が指定した認知症の専門医療機関で、認知症に関する専門医療相談や鑑別診断などを行い、地域の 保健医療・介護機関と連携を図り地域の認知症疾患対策の拠点となります。 認知症の初期診断(鑑別診断)の他に、専門医療相談(電話・面接)、合併症や周辺症状(幻覚、妄想、 徘徊等)の急性期の治療、認知症医療に関する情報提供や研修会の開催等が実施されます。 京築圏域では、平成26年12月に行橋記念病院が指定を受けました。 2.認知症に関わる医療・介護の連携 認知症の早期発見・早期対応を実現するためには、医療機関との連携が重要です。認知症に ついては、高齢者相談支援センターによる高齢者実態把握や相談支援を通じ発見できるケース もありますが、日ごろ高齢者が受診している「かかりつけ医」による発見がたいへん重要です。 このため、高齢者相談支援センターと地域のかかりつけ医、かかりつけ医と専門医療機関と の連携が図れるよう、統一したアセスメントシートの作成など、高齢者相談支援センターを中 心として、地域の医療・介護関係者に対する認知症に関する正しい知識の普及と理解の促進、 及び情報の共有化に取り組みます。 3.早期発見のための情報や機会の提供 高齢者本人や家族等が認知症を早期に発見するためには、本人・家族や地域住民が認知症に 対して正しい知識を身につけ、 このため、市民に対して、認知症に関する情報提供や勉強会の開催等により知識の普及啓発 を図るとともに、簡易な自己チェックシート等による自己チェックの機会の提供に努めます。 59 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第3章 認知症施策の充実 第2節 認知症予防・認知症ケアの充実 1.認知症予防の充実 新しい一般介護予防事業において、認知症予防教室や、いきいきサロンや老人クラブ等の地 域活動と連携した介護予防講座を実施し、認知症予防に関する普及啓発に取り組みます。 2.認知症の状態の応じた適切なケアの推進 「認知症」といっても、もの忘れや夜間徘徊など様々な症状があり、その進行状況にも差が あります。 家庭や関係機関等において、認知症の状態に応じた適切なケアが実施できるよう、認知症ケ アに関わる医療機関や介護サービス事業者等と連携して、認知症の症状や状態にあわせた適切 なケアのあり方等を検討し、関係者で情報共有しながら、一人ひとりの状態等に応じた適切な 認知症ケアの充実を図ります。あわせて、認知症に関わる介護サービスの基盤整備に取り組み ます。 (1)認知症地域資源マップ(認知症ケアパス)の作成 認知症の人やその家族が認知症と疑われる症状が発生した場合に、 「いつ」 「どこで」 「どのよ うな」支援を受ければよいのかがわかるよう情報提供するため「認知症地域資源マップ(認知 症ケアパス) 」を作成し、本人・家族が認知症についての悩みを抱え込まずに、すぐに相談でき、 適切なケアにつながることができるよう支援します。 マップには認知症の状態に応じた適切な医療や介護サービス等の提供の流れ(フロー)や、 支援が受けられる場所等を掲載し、市民や関係者に広く情報提供していきます。 (2)認知症ケアの基盤整備 本市においては、高齢化に伴う認知症患者の増加を見据えて、第5期計画期間中までに中学校 区圏域において、認知症対応が可能である地域密着型サービスの小規模多機能型居宅介護及び 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)等の整備を実施してきたところです(第Ⅰ部総 論-第3章-第2節参照)。 これらの小規模多機能型居宅介護等の地域密着型サービスの機能を生かし、身近な地域で認 知症ケアや相談が受けられる環境づくりや、今後は地域住民も一緒に交流できる機会や他の専 門職が参加して認知症の方を支える拠点となるよう機能の充実を図っていきます。 60 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第3章 認知症施策の充実 第3節 認知症高齢者や家族を支えるしくみづくり 1.認知症高齢者や家族支援の充実 前述のとおり「認知症地域資源マップ(認知症ケアパス) 」の作成や徘徊高齢者の保護といっ た認知症ケアの充実を図りながら、認知症高齢者や家族等が身近な地域で相談できる体制を強 化します(第1節参照)。 また、認知症の悩みや問題を抱えている家族等が、介護体験や想いを共有したり、さまざま な知識や情報の交換等をしたりすることで心のケアができるよう、家族会への紹介や、家族会 活動の支援を行うとともに、各地域において「認知症カフェ」など、認知症の方や家族等誰も が気軽に集える場ができるよう、働きかけや支援を行います。 2.認知症を支える地域づくりの推進 認知症を支える地域づくりには、まず、地域住民が認知症について正しく理解することが必 要です。このために、地域で認知症について学べる場づくりを進めます。 また、国の認知症施策で「 『認知症を知り地域をつくる』キャンペーン」における「認知症サ ポーター」の養成について、認知症疾患の多い地域や認知症リスクの高い地域からモデル的に 進めるなど段階的に取り組むとともに、社会福祉協議会が推進している「ご近所福祉ネットワ ーク活動」や地域の関係者と協働で認知症を支える地域づくりを進めます。 3.徘徊高齢者等の見守り推進 徘徊高齢者の保護対策として、平成25年度から「徘徊高齢者等SOSネットワーク事業」を 開始しており、平成26年度からはGPSによる位置情報検索システム(高齢者見守りかんたん 情報サービス)を試行しています。 第6期計画期間においては、これらの取り組みをさらに推進していくために、地域や警察・消 防との連携を強化し、徘徊高齢者等に対する見守りを充実します。 4.若年性認知症支援の充実 65歳未満に発症する若年性認知症は、働き盛りに発症することで高齢者の認知症とは違った さまざまな深刻な問題を抱えることになり、家族支援という観点からの対策の検討が必要とさ れます。 そのため、今後は新しく設置された認知症医療センターを中心に高齢者相談支援センター、 高齢者自立支援センター等が関わり、早期診断・早期対応といった医療支援から雇用支援、障 害福祉サービス、介護保険サービス等関係部署との連携を図っていきます。 また、雇用側に対しての若年性認知症の理解や普及啓発、若年性認知症に対応した支援(居 場所づくり等)の検討を行っていきます。 61 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第4章 利用者保護の推進 第4章 利用者保護の推進 第1節 権利擁護体制の充実 1.高齢者虐待の防止と高齢者保護 高齢者虐待への対応は、発見から対応までを一貫して継続的に対応することが望ましいとさ れています。特に、虐待が疑われる情報を適切に受け止めることが重要であり、地域の関係者 との関係を構築するためにも、虐待防止の普及啓発と相談機関の周知を行います。 今後は、日常生活圏域(中学校区)ごとに高齢者相談支援センターを中心として、民生委員・ 児童委員、介護サービス事業者、医療機関、警察等のさまざまな関係機関との連携をより一層 強化し、高齢者虐待への対応の充実を図ります。 各高齢者相談支援センターで解決困難な事例については、介護保険課から福岡県高齢者虐待 対応チームへ弁護士等の派遣要請を依頼し、迅速かつ適切な対応力の向上を図り解決に努めま す。また、介護保険課では、高齢者保護のための緊急一時保護施設を確保し、対応を行います。 【高齢者虐待に対する対応フロー】 行橋市における虐待対応の流れ 地域住民・民生委員・サービス事業所・医療機関等 虐待の発見・通報・相談 市窓口(介護保険課)・各地域包括支援センター等 <事実確認・情報収集> ・訪問による事実確認 ・関係機関等からの聞取り 虐待の確認、緊急性の判断 ・介護保険課(担当者部署) ・高齢者相談支援センター 緊急性が高い 緊急性が低い 立入調査 法第11条:市職員が実施 ※必要時警察への 依頼(法第12条) 高齢者の 身体の保護 病院受診・入院 行橋市主催会議 分離の必要性がない 個別支援会議 (高齢者相談支援センター主催) 今後も成年後見制 度等法律相談が 必要となる可能性 あり 早急に分離が必要 緊急一時保護施設 (法第10条) ケース会議(行橋市主催) 今後の対応についての協議 (高齢者の生活の場、権利擁護 等の必要性決定) (自立・要支援) ・短期入所事業 ・養護老人ホーム など (やむを得ない事由) 措置による施設入所 ※老人福祉法第10条4第1項及 び老人福祉法第11条第1項第 ※福岡県高齢者 虐待対応チームへ 専門相談の要請 福岡県高齢者・障害者 虐待対応チーム ・弁護士 ・社会福祉士 (要支援・要介護) 契約による施設入所 介護老人福祉施設 など 62 ・担当者の決定 ・インフォーマルサービスの活用 ・諸制度の活用 ・介護保険申請 ・介護保険サービス等の導入 ・ケアプランの作成、修正 ・再アセスメント時期の決定 ・関係機関の調整 居宅介護支援事業所、サービス事業者等 など 地域見守り体制 ※福岡県高齢者・障害者虐待対応チーム 高齢者および障がい者虐待について専門相談に応じる ために 福岡県弁護士会および福岡県社会福祉士会 が協同で対応チームを設立。 県内の市町村および各包括支援センターは委託 契約を行なうことで、支援を受けることができる。 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第4章 利用者保護の推進 2.権利擁護関連事業の活用促進 認知症高齢者や知的障がい者・精神障がい者など、 判断能力が十分でない人の権利が守られ、 必要な介護保険サービスや福祉サービスを利用してその人らしい生活を送ることができるよう、 権利擁護に関わる各種事業の活用促進を図ります。 (1)成年後見制度利用支援事業 成年後見制度とは、認知症や知的・精神障害などで判断能力が不十分な方を保護・支援する 制度で、後見の開始の審判申立てについては、本人、配偶者、四親等以内の親族などの当事者 が申し立てることが基本となっています。 成年後見制度利用支援事業では、成年後見制度の利用が必要な方で、本人に身寄りがなく申 立てを行うことが困難な場合や家族から虐待を受けている方に対し、市長が代わって申立てを 行います。 (2)日常生活自立支援事業 社会福祉協議会が実施する事業であり、高齢者等が、できる限り地域で自立した生活を継続 していくために、必要な福祉サービスの利用手続きや日常的な金銭管理など「日常生活上の事 務的行為」の手伝いを行うために、本人と利用契約を交わして行う事業です。 本事業について利用促進を図るため、事業の周知に努めるとともに、社会福祉協議会との連 携に努めます。 【本人の権利を守る制度と事業】 本人の判断能力の状況 利用できる制度 判断能力あり 日常生活を送るのに 不安がある 不十分 著しく不十分 重要な財産行為 は概ねできるが、 危ぐがあるので 誰かにかわって やってもらった方 がよい。 日常的な買物程 度はできるが、重 要な財産行為は できない。 欠ける 日常的な買物が できない。 財産を管理処分 できない。 植物状態にある。 日常生活自立支援事業 日常生活自立 支援事業 ● 認知症などで判断能力が多少衰えたけれど、日常的な生活を 支援してもらえば、まだまだ住み慣れた地域で自立した生活が 送れるという場合などはこの事業を利用します。 日常生活自立支援事業と成年後見制度の併用利用 ● 併用利用するケースとしては、遠方に住む親族等 が成年後見人等に選任されている場合で、生活 に必要なお金の出し入れなど、本人の利便性の ため日常生活自立支援事業による支援が必要不 可欠な場合などが考えられます。 法定後見 成 年 後 見 制 度 補助 補佐 成年後見制度 ● 判断能力が著しく低下していたり、不動産の売却や福祉施設 の入所契約など、日常的な生活援助の範囲を超えた事項を 支援する必要がある場合はこの制度を利用します。 後見 任意後見 任意後見開始(任意後見監督人選任) 任意後見契約 63 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第4章 利用者保護の推進 3.権利擁護体制の構築 虐待防止や成年後見等の権利擁護の問題は、高齢者だけでなく、障がい者等にも関わる問題 であるため、権利擁護体制の構築については、高齢者福祉分野に限らず、福祉分野全体で検討 していく必要があります。 本市では「行橋市地域福祉計画」において、 「権利擁護ネットワークの構築」を推進プロジェ クトの1つに掲げており、高齢者、障がい者、児童その他の権利擁護に総合的に対応するため の「権利擁護ネットワーク(仮称) 」の設置に向けて取り組むこととしています。 高齢者の権利擁護体制についても当該ネットワーク内において構築するとともに、当該ネッ トワークにおいて、市民後見人の必要性や望ましいあり方等について検討していきます。 【地域福祉計画における「権利擁護ネットワーク(仮称) 」の概要】 保健医療福祉 サービス介入ネットワーク 教育機関 早期発見・見守りネットワーク (自治会、民生委員等地域 での見守りネット) 高齢者虐待防止法 児童虐待防止法 ・・・・子どもを守る地域ネットワーク (要保護児童対策地域協議会: 法第25条2法定協議会) ケース検討会議 情報交換・支援内容の協議等 保育所等 警 察 保健所 児童相談所 地域福祉課 児童家庭係 ・・・高齢者虐待ネットワーク (法第16条 ネットワークの構築) ケース検討会議 情報交換・支援内容の協議等 介護保険課 福岡県高齢者 虐待対応チーム 子育て支援センター 児童生徒相談センター (教育委員会) 行橋市市民の権利擁護ネットワーク(仮称) 高齢者相談支援センター ※行政・専門機関・相談機関ネットワーク 婦人相談 保健センター 司法機関 ・弁護士 ・司法書士 社会福祉協議会 障害者相談支援センター 地域福祉課 医療機関(医師会) 障がい者支援係 障害者総合支援法 ・・・・障害者の権利擁護 (障がい者自立支援協議会) ケース検討会議 情報交換・支援内容の協議等 (資料)行橋市地域福祉計画 64 自立支援協議会 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第4章 利用者保護の推進 第2節 情報提供・相談・苦情対応体制の充実 1.情報提供の充実 介護保険課を中心に、各高齢者相談支援センターと連携しながら、利用者や家族への介護サ ービス、サービス提供事業所等の情報提供の充実を図ります。 高齢者相談支援センターの情報や生活支援サービスの情報については、国が導入を予定して いる公表システム等を活用しながら、広く周知に努めます。 2.相談窓口の充実 介護保険に関する苦情・相談は、各高齢者相談支援センター、介護保険課で受け付けていま す。苦情や相談には、関係部署と連携し、介護サービス事業者の協力を求めながら、迅速な解 決に努めます。 3.介護相談員を活用した相談対応 介護保険施設やサービス事業所等を訪問し、サービス利用者や家族が抱えている不満や不安 等を聞き、助言や提案を行ったり、サービス提供側と意見交換するなど、サービス利用者・サ ービス提供者・行政との橋渡し役を担う介護相談員の育成を行っていきます。 また、介護相談員の派遣事業所を増やしながら、利用者や家族の相談に対応し、サービスの 向上を図っていきます。 4.第三者評価委員会の導入検討 第三者評価委員会は、個々のサービス事業者の組織運営及びサービス提供内容について、そ の透明性を高めるとともに、サービスの質の向上・改善に寄与することを主な目的としていま す。 また、その評価の結果が公表されることで、結果として利用者の適切なサービス選択につな がるための情報となることも重要な目的です。 今後、利用者への安心と信頼を提供することにつなげるためにも、第三者評価委員会の導入 を検討していきます。 65 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第5章 地域の見守り・支援活動の促進 第5章 地域の見守り・支援活動の促進 第1節 高齢者見守り活動の促進 1.要援護高齢者の把握と緊急時対応 (1)「行橋市高齢者支援マップ」の整備 地域で生活している高齢者の生活状況・介護状況などを把握し「高齢者支援マップ」として 整備します。整備した支援マップの情報を、高齢者相談支援センターや民生委員・児童委員、 社会福祉協議会等の地域で高齢者の支援や見守り等を行っている機関・団体等に提供すること で、地域等でのより効果的な高齢者支援・見守り活動を促進していきます。なお、情報提供に あたっては個人情報の保護に十分留意し、各団体等への個人情報の提供については本人や家族 等からの承諾を得た上で実施していきます。 また、災害時においては、要援護者情報や支援者情報を地域等に提供することで、災害時の 救護活動を推進します。 (2)「あんしん情報セット」の配布 「あんしん情報セット」とは、高齢者が自分自身の情報を整理して万一の緊急事態に備える ための道具がセットになったものです。 これらの情報を整理しておくことにより、緊急時に連絡を受けてかけつけた人と関係機関と の間で救命等のための迅速な連携が期待されることから、65 歳以上の一人暮らし高齢者等に順 次配布していきます。 【あんしん情報セットの概要】 66 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第5章 地域の見守り・支援活動の促進 2.地域の見守り活動の促進 現在、地域での高齢者の見守り活動については、民生委員・児童委員をはじめ、各校区での独 自の取り組みや、いきいきサロンでの声かけや居場所づくり、老人クラブの「愛の一声運動」 などの自主活動が展開されています。 また、社会福祉協議会による「ご近所福祉ネットワーク活動事業」において、行政区単位で の「支え合いマップ」の作成も推進されています。 今後は、前述の「高齢者支援マップ」の情報と、これらのさまざまな主体により実施されて いる高齢者の見守り活動や関係団体同士による連携体制の整備を図るなど、活動のより一層の 推進に取り組んでいただけるよう支援していきます。 3.災害時に備えたしくみづくり 高齢者の災害時要援護者対策については、「行橋市地域防災計画」 「行橋市災害時要援護者避 難支援プラン」に基づき、要援護者に関わる個人情報を「高齢者支援マップ」と併せて整備し ていくことで、地域ぐるみで災害対策の充実を図っていきます。 【地域での防災・防犯対策(イメージ)】 民生委員の役割 中学校区 要援護者の日常的な把握 地域づくりの 最適単位 災害時・緊急時 災害時・緊急時 の行動計画 の行動計画 住民相互が助けあい・支え合う心 防犯体制の検討 防犯体制の検討 災害時の非難経路の確認 災害時の非難経路の確認 通学路の安全確認 通学路の安全確認 身近な声かけ 身近な声かけ 小学校区 連 携 自治会組織 の役割 区・行政区 住民の役割 身近な地域で の発見 日常的な人間 関係の構築 日頃からの訓練 高齢者・障害者・子ども・何らかの支障のある者 避難場所は十分か? 誰がイニシアチブを 持つのか? 危険箇所の把握 自主防災組織 (資料)行橋市地域福祉計画 67 地域にとって最 適な移動手段? ◆第Ⅱ部 各論◆ 第5章 地域の見守り・支援活動の促進 第2節 福祉意識の啓発と交流の促進 高齢者に対する地域での見守り・支援の基盤となるのは、住民同士がお互いを理解し、高齢 者等の支援を必要とする人を地域全体で支えていくという福祉の意識(心)です。 介護や高齢者福祉に関する問題は、すべての市民にとって自分や家族がいずれ直面する課題 でもあることから、高齢者福祉や地域福祉に関する啓発や、地域での交流促進、学校での福祉 教育等により、市民の福祉意識の醸成、地域の福祉力の向上に努めます。 1.広報等による啓発 広報紙やパンフレット、ホームページ等の各種媒体での情報提供をはじめ、講演会・学習会 の開催や各種行事の機会等を活用して、先進事例から見える地域での見守りの大切さや介護・ 高齢者福祉に関する啓発に努めます。 2.地域での交流活動の促進 「行橋市地域福祉計画」に基づき、地域の関係団体等と連携しながら、地域での交流活動を 促進し、地域の中で、住民同士が知り合い、相互に理解を深め、支え合う関係を築くための機 会づくりに努めます。また、保育所・幼稚園や小・中学校において、高齢者等との交流等を通 じた体験型の福祉教育の推進に努めます。 68 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第6章 相談体制の充実 第6章 相談体制の充実 第1節 高齢者相談支援センターの機能強化 本市では、第 5 期計画期間より、市内 6 か所に高齢者相談支援センター(地域包括支援セン ター)を委託配置しました。また、市介護保険課(高齢者支援係)にセンター業務の統括部門 を設置し、各センター及び全体の業務支援を実施する体制としています。 さらに、各センターの業務を「包括的支援部門」 「介護予防支援部門」に分け、専門職種の業 務内容も明確化し、センター職員研修等により職員の育成及び各センター間の情報交換等を行 うなど、センター機能の強化を図っているほか、地域とセンターとの連携強化を進めてきまし た。 今般の介護保険制度改正では「在宅医療・介護連携の推進」や「認知症施策の推進」、 「地域 ケア会議の推進」 、 「生活支援サービスの体制整備」に係る事業が地域支援事業として位置づけ られましたが、高齢者相談支援センターの業務は、これらの新たな事業全てと密接に関係 しています。 これらの新事業は高齢者相談支援センターで直接業務を行うことができるため、 本市では「認 知症地域支援推進員」の配置等をセンターで行います。また、センター以外の実施主体に事業 を委託することができる枠組みとなっていますが、委託をする場合であっても、センターがこ れらの事業実施主体と十分に連携できる体制を構築することが必要とされています。 本市では、このような制度改正への対応も含め、各圏域の地域包括ケアの中核拠点として、 高齢者相談支援センターのさらなる機能強化を進めていきます。 【高齢者相談支援センターの担当圏域詳細】 センターの名称 行橋高齢者相談支援センター 中学 校区 行橋 (行橋南 除く) 小学 校区 担当圏域の詳細 行橋、 行橋北 中央三丁目、西宮市(三丁目を除く) 、東大橋 大橋二・三丁目、宮市町、大字宮市、行事、 大字行事 蓑島、金屋、今井、真菰、津留、元永、沓尾、長 井、中央一・二丁目、西宮市三丁目、大橋一丁目、 大字大橋、南大橋、門樋町、神田町 今元高齢者相談支援センター (行橋南 含む) 蓑島 今元 行橋南 仲津高齢者相談支援センター 仲津 仲津 泉 泉 中京高齢者相談支援センター 中京 今川 稗田 大野井、宝山、寺畔、流末、矢留、天生田、 大字福原、上検地、下検地、津積、西谷、 大谷、上稗田、下稗田、前田、中川 長峡高齢者相談支援センター 長峡 延永 椿市 長木、二塚、吉国、延永、草野、長音寺、 上津熊、中津熊、下津熊、前田ヶ丘、徳永、福丸、 高来、入覚、下崎、長尾、常松、須磨園、矢山 泉高齢者相談支援センター 今元 69 馬場、辻垣、高瀬、道場寺、稲童、松原、 東徳永、袋迫 北泉、泉中央、西泉、南泉、東泉、 大字羽根木、大字草場 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第6章 相談体制の充実 【高齢者相談支援センターの機能強化(イメージ) 】 高齢者相談支援センター 医療機関 包括的支援部門 介護予防支援部門 ○ 保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーを配 置 ○ 以下の包括的支援事業を実施 ① 総合相談支援業務 ② 権利擁護業務 ③ 包括的・継続的ケアマネジ 社会福祉士 メント支援業務 ④ 介護予防ケアマネジメン ト業務(地域支援事業ケアマ 主任ケア 保健師等 マネジャー ネジメント) ⑤ 高齢者実態把握 ○ ケアマネジャ ーを配置 ○ 予防給付のケ アマネジメン トを実施(指定 介護予防支援 事業所) 地域の福祉・医療・介護関連機関や、 地域団体等との連携強化 介護サービ ス事業所 民生委員・ 児童委員 認 知 症 施 策 等 へ の 関 与 の 強 化 その他の関 係機関・団体 地域の自主 活動団体 在宅医療・介護連携 生活支援コーディネーター 地域医師会等との連携により、 在宅医療・介護の一体的な提供 体制を構築 高齢者のニーズとボランティア等の 地域資源とのマッチングにより、多様な主 体による生活支援を充実 認知症初期集中支援チーム 認知症地域支援推進員 地域ケア会議 早期診断・早期対応等により、認 知症になっても住み慣れた地域で 暮らし続けられる支援体制づくり など、認知症施策を推進 多職種協働による個別事例のケ アマネジメントの充実と地域課 題の解決による地域包括ケアシ ステムの構築 今後充実する業務については高 齢者相談支援センターまたは適 切な機関が実施 <例> ・高齢者相談支援センターに 位置づける方法 ・他の適切な機関に委託して 連携する方法 等 高齢者相談支援センター 包括的支援業務 介護予防ケアマネジメント 介護予防の推進 従来の業務を評価・改善す ることにより、地域包括ケ アの取組を充実 多様な参加の場づくりと リハビリ専門職の適切な関与によ り、高齢者が生きがいをもって生 活できるよう支援 市町村 運営方針の策定・新総合事業の実施・地域ケア会議の実施等 都道府県 市町村に対する情報提供、助言、支援、バックアップ等 70 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第7章 医療・介護の連携 第7章 医療・介護の連携 第1節 在宅での医療ケアの充実 今後の高齢化のさらなる進行により、医療ニーズや介護ニーズを併せ持つ慢性疾患、認知症 等の高齢者の増加が見込まれています。 このような高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、地域 の中で、退院支援や日常の療養支援、急変時の対応、看取り等の様々な局面において、適切な 医療ケアが提供される環境づくりが必要です。 本市では次項に示す多職種間の連携強化を図りながら、医師会等の関係機関と協働して地域 の在宅医療体制の充実に取り組みます。 【在宅医療の体制(イメージ) 】 日常の療養支援 退院支援 ○入院医療機関と在宅医療 に係る期間との協働による 退院支援の実施 ・病院・診療所 ・訪問看護事業所 ・薬局 ・居宅介護支援事業所 ・高齢者相談支援センター ・在宅医療において積極 的役割を担う医療機関 ・在宅医療必要な連携 を担う拠点 等 ○ 多職種協働による患者や家族の生活を支える観点から の医療の提供 ○ 緩和ケアの提供 ○ 家族への支援 病院・診療所、訪問看護事業所、薬局、居宅介護支援事業所、 高齢者相談支援センター、介護老人保健施設 短期入所サービス提供施設 在宅医療において積極的役割を担う医療機関 在宅医療に必要な連携を担う拠点 等 急 変 看取り ○住み慣れた自宅や介護 施設等、患者が望む場での 看取りの実施 ・病院・診療所 ・訪問看護事業所 ・薬局 ・居宅介護支援事業所 ・高齢者相談支援センター ・在宅医療において積極 的役割を担う医療機関 ・在宅医療必要な連携 を担う拠点 等 急変時の対応 ○ 在宅療養者の病状の急変時における緊急往診体制 及び入院病床の確保 ・病院・診療所 ・訪問看護事業所 ・薬局 ・居宅介護支援事業所 ・在宅医療において積極的役割を担う医療機関 ・在宅医療必要な連携を担う拠点 等 「在宅医療」とは・・・ ・住み慣れた地域で居心地の良い生活の場で看取りまでを支える医療。 ・最期まで自分らしく生きる、自己実現を支える医療。 ・様々な職種の専門性を活かし、家族と患者さんを支援し、疾病をもちながらもいつまでも一緒に生活することを目指す医療。 ・自宅でも痛みをコントロールしながら、生活を続ける「在宅緩和ケア」を可能とする医療 71 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第7章 医療・介護の連携 第2節 地域における多職種間の連携強化 医療と介護のニーズをあわせ持つ高齢者に適切な支援を行うためには、退院支援や日常の療 養支援、急変時の対応、看取り等の様々な局面において、在宅医療・介護の連携を推進するた めの体制整備を図ることが必要です。 そのためには、医療・介護に係る多様な地域の関係機関やサービス従事者の協働・連携が不 可欠です。 本市においては、平成 25 年度より県事業(在宅医療・介護連携拠点事業)として京都医師会 を中心に「京都地域在宅医療多職種連携会議」が開催されており、多職種間の連携強化に向け た取組が進められてきました。 平成 27 年度からは、 市町村が主体となってこのような連携を推進するために介護保険の地域 支援事業に「在宅医療・介護連携推進事業」が位置づけられました。 本市では、これまで医師会で進められてきた経緯も踏まえつつ、推進事業に基づき、地域全 体で包括的かつ継続的な在宅医療・介護を提供する体制をつくるための多職種の連携強化を図 ります。その際、圏域内で協働して取り組むなど、周辺市町村と協議・調整を図りつつ対応し ていきます。 【在宅医療・介護連携推進事業への対応】 (ア)地域の医療・介護サービス資源の把握 (イ)在宅医療・介護連携の課題と抽出の対応の協議 (ウ)在宅医療・介護連携に関する相談の受付等 在宅医療・ 介護連携 推進事業 (エ)在宅医療・介護サービス等の情報の共有支援 (オ)在宅医療・介護関係者の研修 (カ)24 時間 365 日の在宅医療・介護サービス提供体制の構築 (キ)地域住民への普及啓発 (ク)二次医療圏内・関係市町村の連携 平成25年度からの「京都地域在宅医療多 職種連携会議」での取組を踏まえて推進 行橋市(または京都圏域)在宅医療・介護連携推進事業 (1)土台づくり事業 連携拠点は、地域レベルでの協議の「場」を設定し、地域の在宅医療・介護に関わる多 職種の者、組織及び行政(市町村、保健所等)と一体的に取組み、多職種協働によるネ ットワークの改善・強化を図りつつ、在宅医療・介護を支える「土台づくり」を行う (2)仕組みづくり事業 連携拠点は、 「土台づくり」事業で抽出した地域課題について、地域資源を最大限に効率 的・効果的に活用することで、 「医療・介護従事者」, 「患者・家族」の両側からの解決に 向けた検証(モデル事業)を実施し、支援を必要とする者に対し安心感を与えられる「仕 組みづくり」を行う 72 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第7章 医療・介護の連携 【在宅医療の提供体制(イメージ) 】 【在宅医療に係る関係機関の例】 【4つの局面における多職種の協働・連携】 住み慣れた場所、患者の望む生活の場 病院(入院医療機関) かかりつけ医 サービス付き高齢者向け住宅等 介護施設 自 宅 在宅療養支援病院 在宅療養支援診療所 1.退院支援 ○入院医療機関と在宅医療に係る機関との協働による 退院支援と切れ目のない継続的な医療体制の確保 き 訪問看護事業所 協働 ・ 連携 歯科診療所 薬 局 3.急変時の対応 2.日常の療養支援 ○多職種協働による患者や家族の生 活を支える観点からの医療の提供 ○緩和ケアの提供 ○家族への支援 ○在宅療養者の病状の急変時における 救急往診体制及び入院病床の確保 医師 薬剤師 看護師 居宅介護支援事業所 歯科医師 4.看取り 介護サービス事業所 理学療法士 ケアマネジャー 【多職種の協働・連携】 作業療法士 高齢者相談支援センター 言語聴覚士 栄養士 介護職 24時間対応支援,多職種協働・連携促進,人材育成・普及啓発 積極的役割を担う医療機関 連携を担う拠点(市町村、医師会等職能団体等) 73 MSW ◆第Ⅱ部 各論◆ 第8章 地域ケア会議の推進とマネジメント力の強化 第8章 地域ケア会議の推進とマネジメント力の強化 第1節 地域ケア会議の推進 地域ケア会議は、地域包括ケアシステムを構築するための手段として介護保険法に位置づけ られていることから、本市においても地域ケア会議を推進し、平成 37(2025)年に向けた仕組 みづくりを図ることとしています。 地域ケア会議は、民生委員・児童委員等の地域の支援者や医療職等多職種による専門的視点 を交え、ケアマネジャーのケアマネジメント支援を通じて、適切な支援につながっていない高 齢者の支援を行うとともに、個別ケースの課題分析等を通じて地域課題を発見し、地域に必要 な資源開発や地域づくり、さらには本計画(介護保険事業計画)等への反映などの政策形成に つなげることを目指すものとなっています。 本市では、現在、各高齢者相談支援センターを中心に個別支援会議の開催に向けた事例検討 会の実施や、地域支援事業の判定会議の場での予防の個別支援、地域課題把握のための住民ワ ークショップ等を開催しながら、個別課題から地域づくり・しくみづくりへと繋がるよう3層 構造のボトムアップ形式で構築を推進しています。今後は、多様化・拡大するニーズと課題に 対応できる地域づくりの一環として、本市の地域特性に応じた地域ケア会議の重層的な仕組み を作りあげていくことを目指していきます(77 頁 イメージ図「地域ケア会議の推進とマネジ メント力の強化」参照) 。 ◆『地域ケア会議』= 地域(個別ケース含む)を考える場 ↓ ◆地域(社会)資源について話合うことで、多様な人材や組織の能力を活用していく ・発見する力 = 地域課題の発見 ・つなぐ力 = 様々なネットワークを構築 ・生み出す力 = 地域づくり・資源開発・政策形成 < 『地域ケア会議』の構造と目的 > (ⅰ) ア) 個別ケースの 高 齢 者 個 人 に 社対 会す 基る 盤支 の援 の 整充 備実 + 支援内容の 検討 介護支援専門員 による自立支援に 資するケアマネジ メントの支援 (ⅱ) 地域包括支援 ネットワークの構築 (ⅲ) 地域課題の把握 イ) 地域の実情に応じて必要と認められる事項 【社会資源開発、政策形成の提案 など】 地 域 で その の尊 人厳 らあ しる い 生 活 の 継 続 『地域ケア会議運営マニュアル』より 74 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第8章 地域ケア会議の推進とマネジメント力の強化 第2節 関係者のマネジメント力の強化 地域包括ケアシステムは、それぞれの地域に固有の資源を活用して、地域の特性にあった仕 組みを構築するものであることから、地域包括ケアシステムの構築は「地域づくり」であると されています。すなわち、地域包括ケアシステムは、元来、高齢者に限定されるものではなく、 障がい者や子どもを含め、地域のすべての住民にとっての仕組みとなるものです。 このため、地域包括システムを構築するにあたっては、自助・互助・共助・公助といった役割 において、それぞれに関わる関係者のマネジメント力が不可欠であり個々のマネジメント力を 高めることでより良いしくみにつながってくることから、下記の内容で関係者のマネジメント 力を強化していきます。 1.地域住民・関係機関 地域住民は、その持っている能力を生かして地域づくりに関与していくことが望まれます。 また、地域づくりに関しては、常に住民自身が中心であり、個人から地域で活動を行っている 団体や関係者の地域のマネジメント力に期待が持たれます。 こうした住民の力を生かすために、様々な状況に興味を持ち、自身の人生設計を含めた健康 づくりから介護に関わる知識を身につけてもらうための機会を設けることが必要です。 そのためには、今後は介護や医療等の関係機関も住民との交流機会を増やし、新たな発想で 住民が参画できる事業開催をすることが望まれており、そのための介護・医療に関係する事業 所への働きかけを行っていきます。 2.高齢者相談支援センター職員、居宅介護支援専門員 高齢者相談支援センターは、地域包括ケアシステムを構築していくための中心的な存在であ り、各センターに配置された保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャー、介護支援専門員は、 センター内の職種連携から医療・介護に関係する多職種との連携、地域住民や関係機関との連 携など、個別支援のケアマネジメントからコミュニティーソーシャルワーカー的な役割まで、 多岐にわたってのマネジメント力の発揮が期待されています。 特に、個別ケースのニーズ把握から課題解決までのプロセスが「地域ケア会議」への第1歩 であり、この個別ケースに対する視点や対応力こそが今後の地域包括ケアシステムの構築全体 のマネジメント力となります。また、個別ケースからの課題抽出においては、居宅介護支援専 門員の立場も同様であり、高齢者相談支援センターと連携し「地域ケア会議」を支える職種と してのマネジメント力を発揮しなければなりません。 本市では、高齢者相談支援センターおよび居宅介護支援専門員の人材育成に力を入れていき ます。 75 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第8章 地域ケア会議の推進とマネジメント力の強化 3.行政職員 行政機関・行政職員は、地域包括ケアシステムを高齢者介護の問題と限定する考え方から脱 却し、高齢者が地域で生活をしていくための支援やサービスの創出は、福祉分野だけでは支え るのではなく、市全体の幅広い層からのまちづくり関係に関わってもらう視点が必要となって きます。 そのため、地域包括ケアシステム構築に関わる職員は、事務職・専門職ともに、地域住民や 関係機関に対し、理解と協力を得ながら課題解決に向けて協働で実践していくためのマネジメ ント力を持たなければなりません。 そして、 今後の高齢者の抱える課題の分析と施策に対する業務推進等 PDCA サイクルにおける マネジメント力が必要であり、こうした人材の育成と職員配置について市全体で取組む必要が あります。 【地域包括ケアシステム構築の仕組みづくり概念図】 行政 地域の目指す 姿についての 合意形成 情報発信と双方向の コミュニケーション 不足する支援・サービ スの把握と解決のた めの場づくり インフォーマルな支援 地域住民 多様な担い手の 育成・サービス の創出 〔法律や制度に 基づかないもの〕 専門職による質の高 い支援・サービス実 践の基盤整備 フォーマルな支援 〔法律や制度に 基づくもの〕 (資料)厚生労働省 「地域包括ケアシステム」事例集 76 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第8章 地域ケア会議の推進とマネジメント力の強化 ≪地域ケア会議の推進とマネジメント力の強化≫ 地域ケア会議は、高齢者が住みなれた地域で尊厳を保持しその人らしい生活を送ることができるよう、質の高いケアマネジメントの実現による高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備を進めていく会 議体の総称であり、地域包括ケアシステムの実現を目指す有効な手法の一つである。 ( 「地域ケア運営マニュアルにおいて「地域包括支援センターまたは市町村が主催し、設置・運営する『行政職員をはじめ、地域の関係者から構成される会議体』」と規定されている。) その目的を、個別ケースの支援内容の検討を通じた「自立支援に資するケアマネジメントの支援」、 「地域包括支援ネットワークの構築」及び「地域課題の把握」にあるとしている。その上で、地域ケア会議を、 「高齢者個人に 対する支援の充実を図るとともに、それを支える社会基盤の充実を図るための一つの手法」と位置付け、 ①個別課題の解決、②地域包括支援ネットワークの構築、③地域課題の発見、④地域づくり・資源開発、⑤政策の形成の5つの機能を持つとしている。 また、1つの会議に5つの機能全てを盛り込むのではなく、複数の会議体を組み合わせることにより、全体として5つの機能を果たす。 行橋市における地域ケア会議のイメージ図 レ ベ ル 4 市町村を超えたレベル 広域地域ケア会議 京都圏域地域ケア会議 (仮称) 目的: 市町村を超えた地域課題の把握、対応など 機能: ②④⑤ 目的: 市全体での課題の把握、対応など 機能: ②③④⑤ 構成: 介護保険課(事務局) 関係機関代表者 目的: 日常生活圏域における課題の把握および対応など 機能: ②③④ 構成: 高齢者相談支援センター(運営) 地域住民、サービス事業所、関係機関等 目的: 個別課題の解決 介護支援専門員による自立支援に資するケアマネジメン ト支援 地域包括支援ネットワークの構築、地域課題の把握 機能: ①②③ 構成: 介護保険課(統括) 高齢者相談支援センター(運営) 介護支援専門員 ・医療介護多職種連携会議 レベル4 市全域レベル レベル3 レベル2 日常生活圏域レベル 個別レベル レ ベ ル 3 レ ベ ル 2 地域ケア推進会議 圏域地域ケア会議 行橋市地域ケア推進会議 (仮称) ○○校区(○○地区) 地域ケア支援会議 (仮称) レベル1 レ ベ ル 1 地域ケア個別会議 定例事例検討会・ 総合事業判定会議 (仮称) <地域ケア会議の5つの機能> ①個別課題の解決 ②地域包括支援ネットワークの構築 ③地域課題の発見 ④地域づくり・資源開発 ⑤政策の形成 ・テーマ別の地域ケア推進会議の実施や全体会の実施 例)生活支援サービス関係 見守りネットワーク関係 医療・介護連携関係 ボランティア育成 権利擁護関係 等 ※テーマ別で関わる関係者を選定 ・個別課題からの地域での支援策の会議 ・住民ワークショップの開催や地域での社会資源開発に 向けての連携会議 ・自立支援型ケアマネジメントを重視した事例検討 ・総合事業の判定 ・困難事例等の定期的な事例検討 ※事例検討の場への多職種の関与 (アドバイザーとして) まずは、ケアマネジャーの個別課題から、『あったらいいな』の発想で政策提案まで、ボトムアップ方式で会議を進めます。 77 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第9章 健康づくりと介護予防の強化 第9章 健康づくりと介護予防の強化 第1節 新しい介護予防事業の展開 一般介護予防事業は、市町村の独自財源で行う事業や地域の互助、民間サービスとの役割分 担を踏まえつつ、高齢者を年齢や心身の状況等によって分け隔てることなく、効果的・効率的 に介護予防を推進する観点から、総合事業に位置づけられた事業です。 具体的には、住民運営の通いの場を充実させ、人と人とのつながりを通じて、参加者や通い の場が継続的に拡大していくような地域づくりを推進するとともに、地域においてリハビリテ ーション専門職等を活かした自立支援に資する取組を推進し、要介護状態になっても、生きが い・役割を持って生活できる地域の実現を目指すことを目的としています。 本市では、これまで取組んできた日常生活圏域ニーズ調査(介護予防把握事業)や介護予防 普及啓発事業等に加え、新たに「地域リハビリテーション活動支援事業」を開始し、本市の理 学療法士・作業療法士を活用するとともに、リハビリテーション職能団体等と連携して、高齢 者が要介護状態等となることや要介護状態等の軽減・悪化の防止を目的とした「介護予防」を 強化していきます。 【一般介護予防事業における「地域リハビリテーション活動支援事業」の概要】 訪問 通所 高齢者の「心身機能」「活 動」「参加」のそれぞれの 要素に働きかけ、日常生活 の活動を高め、家庭や社会 への参加を促進します。 指導・助言 住民運営の集いの場 地域ケア会議等 リハビリテーション専門職 重度化予防、自立支援へ向け たケアマネジメントへ 連携 定期的な関与で、 要介護状態になっても 参加し続けることので きる通いの場へ 高齢者相談支援センター 【地域リハビリテーション活動支援事業】 地域における介護予防の取組みを機能強化するために、通所、訪問、地域ケア会議、担当者会 議、住民運営の通いの場等へのリハビリテーション専門職等の関与を促進します。 78 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第9章 健康づくりと介護予防の強化 第2節 地域と連携した健康づくり・介護予防の推進 健康づくりや介護予防については、第一にそのリスクやニーズを早期に発見することを目標と し、潜在化するニーズを顕在化させていくことが重要です。 本市では、特定健診等とは別に、平成 22 年度から継続して高齢者の健康や生活の実態把握(日 常生活圏域ニーズ調査)を行い、その結果から介護予防のニーズ発見とサービス提供(介護予防 の教室開催等)を、できるかぎり住民の生活に近いところで実施するよう目指してきました。 さらに今後の健康づくり・介護予防については、保健事業、介護予防、介護保険を統合化させ た新しいシステムが必要であり、本市では保健・医療・介護情報および日常生活圏域ニーズ調査 等の個々のデータを連携させて地域診断を行い、個別訪問や教室開催のメニューづくり等に生か して「元気な高齢者」 「元気な地域」づくりを目指していきます。 【医療・介護の情報活用から介護予防事業の実施】 ・特定健診情報 ・医療受診情報 ・介護保険情報 ・ニーズ調査結果 等 情報の集約 リスクの 把握・分析 個別指導、 訪問指導等の実施 ・予防事業等の 個別案内 ・教室開催の 地域選定 等 地域診断 地域への分析結果の 情報提供 医療・介護サービスの必要性の分析へ 【介護予防普及啓発事業と地域介護予防活動支援事業の実施】 住民自らが、自分の地域の実情を知 り、地域で取り組みを考えてもらえ る機会を作ります。 【介護予防普及啓発事業】 ・地域での開催協力のお願い <地域> 介護保険課・ 高齢者相談支援センター 介護予防普及啓発事業に 必要なボランティア、サ ポーターを養成して登録 意識の高い人に 活動しやすい場の提供 つながりをつくる 学び合いのしくみをつくる ・民生委員 ・区長 ・いきいきサロン ・老人クラブ ・女性学級 等 【地域介護予防活動支援事業】 ・介護予防や認知症の勉強会の講師派遣や 運動指導、体力測定等の実施 ・地域での取組みへ継続支援 79 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第9章 健康づくりと介護予防の強化 【本市の一般介護予防事業の内容】 介護予防把握事業 介護予防普及啓発事業 日常生活圏域ニーズ調査 リスク拾い上げ型 運動器疾患対策、認知症予防教室等 地域支援型 小地域での複合型介護予防教室 いきいきサロン・老人クラブ等からの依頼による講習会、 地域介護予防活動支援事業 介護予防教室開催に必要なボランティアやサポーターの養成 実施事業の評価を定期的に実施 一般介護予防評価事業 地域リハビリテーション 地域における介護予防の取り組みを強化するためリハビリテー 活動支援事業 ション専門職等が関与して事業を実施 80 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第10章 生きがいづくりと社会参加の促進 第10章 生きがいづくりと社会参加の促進 第1節 生きがいづくりの促進 高齢者が心身ともに健康に、 かつ充実した生活を送るためには、生きがいづくりが大切です。 高齢者福祉に関するアンケート調査の結果によると、今後やりたいこととして「家に閉じこ もらないでできるだけ外に出る」 「友人・知人と交流する」ことを望む人が多く、趣味のサーク ルや団体活動、自治会活動、老人クラブ等で活動している人も多く見受けられます(第Ⅰ部総 論-第 2 章-第 5 節参照) 。 今後は「団塊の世代」の高齢化がさらに進むことから、多様な価値観をもつこれらの世代を 対象とした生きがいづくり対策を推進することが必要です。 1.生きがいづくりに関する講座等の開催 主として「団塊の世代」を対象とした講座を開催し、高齢者の多様な生きがいニーズに対応 していくとともに、高齢者がいきいきとその活力を発揮する社会が実現するよう、地域での生 きがいづくりのけん引役となる人材の育成に取り組みます。 2.既存の地域活動や趣味活動等の促進 老人クラブを中心にスポーツ参加機会の充実を図り、生涯スポーツの振興を推進するととも に、高齢者に対する学習機会の拡充や情報提供等の施策を通じて市民主体の生涯学習を推進し ていきます。 さらに、 「老人クラブ」や「ふれあい・いきいきサロン」の活動に対して、地域を基盤とする 高齢者自身の自主的な活動組織として地域のニーズに応じたさまざまな活動展開を行うことに より高齢者同士の交流を通じた生きがいと健康づくりが推進できるよう支援していきます。 3.情報提供や参加支援の充実 「団塊の世代」が高齢期を迎える中、高齢者がこれから新たな趣味や地域活動などを始めた り、これまでの活動や交流の幅をより一層広げられるよう、情報の提供やきっかけづくり、活 動場所確保のための支援を充実します。 81 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第10章 生きがいづくりと社会参加の促進 第2節 社会参加の促進 ボランティアや就労等による高齢者の社会参加活動は、高齢者の生きがいのみならず、閉じ こもり防止、身体機能の向上、地域貢献につながるなど、多様な意義があります。 今後、 「団塊の世代」においては、高齢者のライフスタイルや価値観が更に多様化していくこ とが予想されるため、これらの世代のニーズや志向なども踏まえ、さまざまな社会参加・社会 貢献の機会を確保することが重要になります。 1.活力ある高齢者像の構築 高齢者自身も含めた社会全体が「高齢者」=「身体的・社会的弱者」といった従来の画一的 な高齢者像を打破し、 人口の大きな割合を占める高齢者が地域社会において「第2の現役時代」 として積極的な役割を果たしていくことが期待されています。 本市では、社会福祉協議会等の関係機関と連携して、高齢者の主体的な社会参加、ボランテ ィア活動等、高齢者自身の意欲とパワーを地域社会に行かせる社会的なしくみやきっかけづく りを図ります。 また、すでに小地域活動の中では、 「ご近所福祉ネットワークづくり」からニーズを抱えた高 齢者に対しての自主的なボランティア活動や支援が進んでいる地区もあり、こうした先進的な 地区の取組みを把握し普及していきます。 【支えあう地域づくりにおける関係者の役割(イメージ) 】 連携・連帯 民生委員の役割 地域福祉を支える民生委員の役割は重要 〇民生委員の定数の検討 〇民生委員の担う役割 ※民生委員数の適正・資質向上の研修 行政の役割 個人情報の取り扱いの検討 継続的な意識調査 相談機関の整備 情報の充実 地域(市全域) 自治会組織の役割 地域をまとめる自治会の役割は重要です 〇地域の関係機関との調整 〇地域の中心となるリーダーシップ 地域意識の醸成 要支援者の把握 中学校区 小学校区 地域行事の活性化 世代間交流の促進 日常的な交流・居場所づくり 区・行政区 人材の育成 いきいきサロン 役割分担 地域における老人クラブ といきいきサロンの役割 地域によって成立過程が異なる 老人クラブとの調整 区長との調整 住民の役割 地域の一員としてできること 地域の特性を生かしたまちづくり 先行的事例からの推進 老人クラブの役割 住民相互が助けあい・支え合う心 地域の核となる人材の育成(地域福祉コーディネーター) 福祉委員の検討 団塊の世代の人材活用の検討 新たな人材 育成の役割 子ども会の役割 PTAの役割 児童クラブの役割 社会福祉協議会の役割 地域福祉推進の中核的機関 社協の充実は地域福祉推進の原動力 ボランティアの活用 既存ボランティアの検証 今後のボランティアの検討 ボランティア育成の計画 今後のボランティア活動の内容検討 その他の団体の役割 82 (資料)「行橋市地域福祉計画」 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第10章 生きがいづくりと社会参加の促進 2.「生きがい就労」の推進 「生きがい就労」とは、現役時代の生計維持のための就労と区別するために用いている造語 です。 “働きたいときに無理なく楽しく働けること” 、 “現役時代に培ってきた能力・経験が活か せること” “ 、高齢者の就労が地域の課題解決の貢献につながること” をコンセプトとしながら、 より多くの人がより長く参加でき、地域社会全体にとっても効果的な就労(働き方)を「生き がい就労」と称することとしています。これはこれまでの高齢者就労支援や生きがい創造施策 の延長線に位置づけるものではなく、これからの高齢期の過ごし方の中心となるような新たな 場所・機会を創造するものとして考えることができます。 本市の「高齢者福祉に関するアンケート調査」においても現在働いていない高齢者の約 2 割 が就労意向を持っており、その際に重視する条件として「体力的に負担が軽い仕事」 「勤務時間 が希望とあう」 「経験が活かせる仕事」などが上位を占めており、 「生きがい就労」に対するニ ーズが高いことがわかります。 また、新しい総合事業における生活支援サービスは住民主体の多様なサービス等で充実して いく必要があり、その担い手としても元気な高齢者の「生きがい就労」としての参入が期待さ れます。 このため、高齢者の就労支援を行う「シルバー人材センター」の機能強化等にも取り組みな がら、高齢者の「生きがい就労」の推進を図ります。 【「生きがい就労」の概要】 65~70歳くらいまでの高齢者の現状は・・・ ◆老人クラブ、サークル・ボランティア活動、サロン等・・・利用は 一部の高齢者 ◆友人と集まり余暇を過ごす、あるいは家にと閉じこもる ・・・地域社会の貢献にはつながらない まだまだ元気!今度は 地域で活躍したい 支援の 方向性 サークルやサロンに飛び 込むには敷居が高い 自分に何ができる のかわからない! ◆高齢者・リタイヤ層にとって最も抵抗の少ない社会参加のかたち ○現役時代から慣れ親しんだ生活スタイル ○帰属意識、社会的役割が明確に与えられる ◆リタイヤ層のライフスタイルに応じた働き方が必要 ○無理なく、出来る範囲で働く・・・就労時間、場所、内容の調整 ○地域貢献、趣味を生かす、人との関わりを求める・・・生計労働から「生きがい労働」へ ◆生きがい就労の場として・・・ 保育・子育て・学童分野、高齢者・障害者等福祉、生活支援分野、地域貢献分野など 新たな活躍場面を作り出すために、関係機関と連携して「仕事創設」が必要 ◎ 働きたいときに無理なく楽しく働ける + 83 ◎ 地域の課題解決に貢献できる ◆第Ⅱ部 各論◆ 第11章 介護保険事業量・給付費の見込みと第1号保険料設定 第11章 介護保険事業量・給付費の見込みと第1号保 険料設定 第1節 施設・居住系サービスの事業量見込み 施設・居住系サービスについては、第 5 期計画期間において、 平成 24~26 年度の利用実績をもとに見込んだ数に、第 5 期計画期間中に基盤整備を進めた地 域密着型サービスの居住系サービス(地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老 人福祉施設)の利用増等を勘案して下記のとおり見込みました。 施設・居住系サービス利用者は平成 29 年度に 1,000 人を超える見込みです。 【介護保険施設及び居住系サービスの利用者数の見込み】 (単位:人/月) 推計 平成 平成 平成 27年度 28年度 29年度 居住系 特定施設入居者生活介護 サービス (居宅サー ビス) 261 278 295 予防給付 75 68 60 介護給付 186 210 235 95 107 118 予防給付 1 1 0 介護給付 94 106 118 24 28 28 55 58 58 174 193 204 227 228 239 235 239 240 27 27 27 489 494 506 924 965 1,005 認知症対応型共同生活介護 居住系 サービス (地域 密着型 地域密着型特定施設入居者生活介護 サービス) 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 合 計 介護老人福祉施設 施設 介護老人保健施設 サービス 介護療養型医療施設 合 計 施設・居住系サービス利用者(総計) ※推計値は小数点以下の端数があるため、内訳の合計数と総数等が一致しない場合がある。 84 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第11章 介護保険事業量・給付費の見込みと第1号保険料設定 第2節 地域密着型サービスの事業量見込み 地域密着型サービスについては、平成 24~26 年度の利用実績をもとに見込んだ数に、本計画 期間中の基盤整備計画(第Ⅱ部各論-第 1 章-第 1 節参照)に基づき「定期巡回・随時対応型訪 問介護看護」 (1 か所)と「小規模多機能型居宅介護」 (1 か所)の新設による利用増等を勘案し て下記のとおり見込みました。 また、今般の介護保険制度改正により新設された「地域密着型通所介護」 (定員 18 人以下の 小規模の通所介護)は、現在の通所介護事業所からの小規模事業所の移行等を勘案して見込み ました。 【地域密着型サービスの利用者数の見込み】 (単位:人/月) 推計 平成 平成 平成 27年度 28年度 29年度 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 0 0 19 夜間対応型訪問介護 0 0 0 認知症対応型通所介護 6 6 6 予防給付 1 1 1 介護給付 5 5 5 85 91 124 予防給付 20 21 22 介護給付 65 70 102 95 107 118 予防給付 1 1 0 介護給付 94 106 118 地域密着型特定施設入居者生活介護 24 28 28 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 55 58 58 複合型サービス 20 21 21 0 240 258 予防給付 0 0 介護給付 240 258 小規模多機能型居宅介護 認知症対応型共同生活介護 地域密着型通所介護 ※居住系サービス(認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地 域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護)は第1節再掲 ※推計値は小数点以下の端数があるため、内訳の合計数と総数等が一致しない場合がある。 85 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第11章 介護保険事業量・給付費の見込みと第1号保険料設定 第3節 居宅サービスの事業量見込み 1.居宅サービス対象者数 居宅サービス対象者とは、在宅で介護サービスを利用する人のことであり、要介護認定者数 から、施設・居住系サービス利用者数とサービス未利用者数(認定を受けても介護サービスを 利用しない人)を除いた人数です。 平成 24~26 年度の居宅サービス受給率等をもとに見込んだ利用者数は下記のとおりであり、 平成 29 年度には 2,500 人を超える見込みです。 【居宅サービス対象者数の見込み】 (単位:人/月) 推計 平成 27年度 平成 28年度 平成 29年度 要支援1 748 793 825 要支援2 472 489 510 要介護1 491 527 570 要介護2 285 300 328 要介護3 210 231 218 要介護4 55 26 45 要介護5 予防給付対象者 (要支援1・2) 計 介護給付対象者 (要介護1~5)計 90 98 68 1,219 1,282 1,336 1,131 1,184 1,230 2,351 2,466 2,566 合 計 ※推計値は小数点以下の端数があるため、内訳の合計数と総数等が 一致しない場合がある。 86 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第11章 介護保険事業量・給付費の見込みと第1号保険料設定 2.居宅サービス別利用者数 平成 24~26 年度のサービス別利用率等をもとに、居宅サービス別の利用者数を下記のとおり 見込みました。 介護予防訪問介護・介護予防通所介護については、平成 29 年 4 月までに介護予防・日常生活 支援総合事業に移行するものとして見込みました。 また、 通所介護については、 平成 28 年 4 月から地域密着型サービスに 「地域密着型通所介護」 が創設されることに伴い、当該サービスへの移行も勘案して見込みました。 【居宅サービス(地域密着型以外)のサービス別利用者数の見込み】 ≪予防給付( 介護予防サービス ) ≫ (単位:人/月) 推計 平成 27年度 介護予防サービス 介護予防訪問介護 介護予防訪問入浴介護 介護予防訪問看護 介護予防訪問リハビリテーション 介護予防居宅療養管理指導 介護予防通所介護 介護予防通所リハビリテーション 介護予防短期入所生活介護 介護予防短期入所療養介護(老健) 介護予防短期入所療養介護(病院等) 介護予防福祉用具貸与 特定介護予防福祉用具購入費 介護予防住宅改修 介護予防支援 418 0 39 2 45 624 41 20 0 0 354 11 20 982 平成 28年度 458 0 44 2 41 717 41 20 0 0 401 11 25 1,063 ≪介護給付( 介護サービス ) ≫ 平成 29年度 0 0 44 2 35 0 33 20 0 0 448 9 31 1,132 (単位:人/月) 推計 平成 27年度 居宅サービス 訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護 訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 通所介護 通所リハビリテーション 短期入所生活介護 短期入所療養介護(老健) 短期入所療養介護(病院等) 福祉用具貸与 特定福祉用具購入費 住宅改修費 居宅介護支援 397 17 109 10 262 559 116 85 29 0 549 17 12 826 87 平成 28年度 406 16 112 9 263 356 118 84 29 0 589 22 12 857 平成 29年度 439 16 111 8 249 382 124 85 29 0 649 24 12 918 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第11章 介護保険事業量・給付費の見込みと第1号保険料設定 第4節 介護サービスの事業量見込み一覧 各サービスの利用者数に、平成 24~26 年度の一人あたり利用回数(日数)等を勘案して、事 業量を下記のとおり見込みました。 【予防給付】(月間) 推計 平成 27年度 (1)介護予防サービス 介護予防訪問介護 介護予防訪問入浴介護 介護予防訪問看護 介護予防訪問リハビリテーション 介護予防居宅療養管理指導 介護予防通所介護 介護予防通所リハビリテーション 介護予防短期入所生活介護 介護予防短期入所療養介護(老健) 介護予防短期入所療養介護(病院等) 介護予防福祉用具貸与 特定介護予防福祉用具購入費 介護予防住宅改修 介護予防特定施設入居者生活介護 (2)地域密着型介護予防サービス 介護予防認知症対応型通所介護 介護予防小規模多機能型居宅介護 介護予防認知症対応型共同生活介護 介護予防地域密着型通所介護(仮称) (3)介護予防支援 平成 28年度 平成 29年度 人数(人) 418 458 0 回数(回) 人数(人) 回数(回) 人数(人) 回数(回) 人数(人) 0 0 224 39 14 2 0 0 242 44 11 2 0 0 234 44 13 2 人数(人) 45 41 35 人数(人) 624 717 0 人数(人) 41 41 33 日数(日) 人数(人) 日数(日) 人数(人) 日数(日) 人数(人) 140 20 0 0 0 0 152 20 0 0 0 0 164 20 0 0 0 0 人数(人) 354 401 448 人数(人) 11 11 9 人数(人) 20 25 31 人数(人) 75 68 60 回数(回) 人数(人) 0 1 0 1 0 1 人数(人) 20 21 22 人数(人) 1 1 0 0 0 1,063 1,132 人数(人) 人数(人) 88 982 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第11章 介護保険事業量・給付費の見込みと第1号保険料設定 【介護給付】(月間) 推計 平成 27年度 (1)居宅サービス 訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護 訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 通所介護 通所リハビリテーション 短期入所生活介護 短期入所療養介護(老健) 短期入所療養介護(病院等) 福祉用具貸与 特定福祉用具購入費 住宅改修費 特定施設入居者生活介護 (2)地域密着型サービス 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 夜間対応型訪問介護 認知症対応型通所介護 小規模多機能型居宅介護 認知症対応型共同生活介護 地域密着型特定施設入居者生活介護 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 複合型サービス 地域密着型通所介護 平成 28年度 平成 29年度 回数(回) 人数(人) 回数(回) 人数(人) 回数(回) 人数(人) 回数(回) 人数(人) 9,846 397 89 17 1,208 109 111 10 9,436 406 93 16 1,455 112 89 9 10,125 439 83 16 1,589 111 80 8 人数(人) 262 263 249 回数(回) 人数(人) 回数(回) 人数(人) 日数(日) 人数(人) 日数(日) 人数(人) 日数(日) 人数(人) 7,277 559 1,332 116 821 85 127 29 0 0 4,937 356 1,474 118 871 84 123 29 0 0 5,623 382 1,623 124 929 85 121 29 0 0 人数(人) 549 589 649 人数(人) 17 22 24 人数(人) 12 12 12 人数(人) 186 210 235 人数(人) 0 0 19 人数(人) 0 0 0 回数(回) 人数(人) 65 5 61 5 57 5 人数(人) 65 70 102 人数(人) 94 106 118 人数(人) 24 28 28 人数(人) 55 58 58 人数(人) 20 21 21 3,335 240 3,799 258 回数(回) 人数(人) 89 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第11章 介護保険事業量・給付費の見込みと第1号保険料設定 推計 平成 27年度 (3)施設サービス 介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設 (4)居宅介護支援 平成 28年度 平成 29年度 人数(人) 227 228 239 人数(人) 235 239 240 人数(人) 27 27 27 人数(人) 826 857 918 90 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第11章 介護保険事業量・給付費の見込みと第1号保険料設定 第5節 介護サービスの供給量確保の方策 本市の介護サービス事業者の状況は下記のとおりであり、現在のところ、需要に応じた供給 量は確保できている状況です。 本計画期間中は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護」 (1 か所) ・小規模多機能型居宅介護 (1 か所)の基盤整備を進めることから(第Ⅱ部各論-第 1 章-第 1 節参照) 、これらの関連サー ビス事業者の参入を促進し、供給量の確保を図ります。 【市内の施設・居住系サービス事業者等の状況】 区分 施設サービス 居住系サービス、 地域密着型サービ ス (宿泊対応分) その他の高齢者施 設等 サービス名 介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設 特定施設入居者生活介護 地域密着型特定施設入居者生活介護 地域密着型介護老人福祉施設 認知症対応型共同生活介護 小規模多機能型居宅介護 複合型サービス 軽費老人ホーム 住宅型有料老人ホーム サービス付高齢者向け住宅 資料/介護保険課(平成26年7月1日現在調べ) ※平成27年4月開設予定分含む 【市内の主な居宅サービス事業者の状況】 サービス名 居宅介護支援 訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護 訪問リハビリテーション 通所介護 通所リハビリテーション 短期入所生活介護 短期入所療養介護 認知症対応型通所介護 事業所数 3か所 1か所 1か所 5か所 1か所 2か所 11か所 5か所 1か所 2か所 21か所 1か所 事業所数 21か所 35か所 2か所 10か所 1か所 36か所 1か所 4か所 3か所 1か所 資料/介護保険課(平成26年7月1日現在調べ) 91 定員等 200人 100人 040人 342人 029人 058人 107人 035人[宿泊] 009人[宿泊] 078部屋 424部屋 098部屋 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第11章 介護保険事業量・給付費の見込みと第1号保険料設定 ※以下に示す介護保険給付費・保険料については、現時点の暫定案です。 ※今後、保険料算定にあたり国が提示する諸係数等により、変動する可能性があ ります。 第6節 介護保険給付費・第1号保険料の算定 1.介護保険給付費の算定 暫定 事業量見込みをもとに算出した平成 27~29 年度の標準給付費見込み額は 3 年間の合計で約 154 億 1,600 万円となる見込みです。 これに地域支援事業費の約 10 億 3,400 万円をあわせると、 介護保険給付費は 3 か年合計で約 164 億 5,000 万円となる見込みです。 【介護保険給付費】 (単位:円) 平成27年度 平成28年度 平成29年度 4,760,133,232 5,029,075,097 5,026,343,750 14,815,552,079 118,613,000 118,855,606 123,465,235 360,933,841 64,508,000 66,000,000 68,000,000 198,508,000 9,585,062 10,064,315 10,567,530 30,216,907 3,608,145 3,788,550 3,977,955 11,374,650 (80,181件) (84,190件) (88,399件) (252,770件) 4,956,447,439 5,227,783,568 介護予防・日常生活支援 総合事業費 53,654,890 56,337,634 373,464,756 483,457,280 地域支援 包括的支援事業費・任意 事業費 事業費 164,073,334 190,272,000 196,790,850 551,136,184 217,728,224 246,609,634 570,255,606 1,034,593,464 5,174,175,663 5,474,393,202 介護(予防)給付費 特定施設入所者介護サー ビス費等給付額 高額介護サービス費等給 標準給付 付額 費見込み 高額医療合算介護サービ 額 ス費等給付額 審査支払手数料支払額 審査支払手数料支払件数 合 計 合 計 介護保険給付費 合計 合計 5,232,354,471 15,416,585,478 5,802,610,077 16,451,178,942 ※特 定 入 所 者 介 護 サ ー ビ ス 費 等 給 付=施設サービスなどに関する食費・居住費の利用者負担の軽減を図るた めに、所得段階に応じて定められた食費・居住費の負担限度額を超え た場合に、差額分を支給する制度。 ※高 額 介 護 サ ー ビ ス 費 等 給 付=世帯で 1 か月に支払ったサービス利用の自己負担額の合計が、所得段 階に応じて定められた負担限度額を超えた場合に、差額分を支給する 制度。 ※高額医療合算介護サービス費等給付=世帯で 1 年間に支払った医療費の自己負担額と介護保険サービス利用 の自己負担額の合計が、負担限度額を超えた場合に、差額分を支給す る制度。 ※審 査 支 払 手 数 料=介護保険の給付に係る審査等を行う国民健康保険団体連合会に対して 支払う手数料。 92 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第11章 介護保険事業量・給付費の見込みと第1号保険料設定 2.第1号被保険者の介護保険料の算定 暫定 第1号被保険者の保険料収納必要額は、介護保険給付費(標準給付費見込み額及び地域支援 事業費)の第1号被保険者負担分に、準備基金取り崩し額等の必要経費を加減して算出されま す。 平成 27~29 年度 3 か年分の保険料収納必要額は約 36 億 2,500 万円であり、これをもとに算 出した第 1 号被保険者の介護保険料基準月額は 5,200 円となります。 【保険料算出の流れ】 + - 標準給付費見込額 + + 15,416,585,478円 地域支援事業費 1,034,593,464円 調整交付金相当額 調整交付金見込額 + 738,585,000円 円 789,502,512円 円 - 財政安定化基金取崩による交付額 + 0円 = 第1号被保険者 負担割合(22%) × - 準備基金取崩額 50,000,000円 市町村特別給付等 4,931,306円 保険料収納必要額(A)3,625,108,185円 保険料収納必要額(A) ÷ 予定保険料収納率 ÷ 3,625,108,185円 97.30% ≒ 月額保険料(基準額)5,200円(10円単位で切捨て) 93 所得段階別加入割合補正後 第1号被保険者数(3年間) ÷12 ヶ月 59,539人 ◆第Ⅱ部 各論◆ 第11章 介護保険事業量・給付費の見込みと第1号保険料設定 3.所得段階別保険料の算定 暫定 第 1 号被保険者の介護保険料については、所得に応じて以下のように設定します。 今般の介護保険制度改正により、 所得段階の標準段階が 6 段階から 9 段階に見直されたため、 本市においても 9 段階の区分により設定します。 【第1号被保険者の所得段階別保険料基準額(月額)】 保険料の 設定方法 所得段階 月額 第1段階 ○生活保護受給者または老齢年金受給者で世帯全員が住民 税非課税の人 基準額× ○本人及び世帯全員が住民税非課税で、課税年金収入金額 と合計所得金額の合計が 80 万円以下の人 0.50 2,600 円 第2段階 本人及び世帯全員が住民税非課税で、課税年金収入金額と 合計所得金額の合計が 80 万円を超え 120 万円以下の人 基準額× 0.65 3,380 円 第3段階 本人及び世帯全員が住民税非課税で、課税年金収入金額と 合計所得金額の合計が 120 万円を超える人 基準額× 0.75 3,900 円 第4段階 本人は住民税非課税であるが、世帯員の中に住民税課税者 がいる人で、課税年金収入金額と合計所得金額の合計が 80 万円以下の人 基準額× 0.90 4,680 円 第5段階 本人は住民税非課税であるが、世帯員の中に住民税課税者 がいる人で、課税年金収入金額と合計所得金額の合計が 80 万円を超える人 基準額× 1.00 5,200 円 第6段階 本人が住民税課税で、合計所得金額が 120 万円未満の人 基準額× 1.25 6,500 円 第7段階 本人が住民税課税で、合計所得金額が 120 万円以上 190 万 基準額× 円未満の人 1.30 6,760 円 第8段階 本人が住民税課税で、合計所得金額が 190 万円以上 290 万 基準額× 円未満の人 1.50 7,800 円 第9段階 本人が住民税課税で、合計所得金額が 290 万円以上の人 1.70 8,840 円 94 基準額× ◆◆◆ 第Ⅲ部 計画の推進 95 ◆◆◆ ◆第Ⅲ部 計画の推進◆ 第1章 計画の推進と進行管理 第1章 計画の推進と進行管理 第1節 計画の推進体制 1.庁内の推進体制 本計画は、保健・福祉・医療分野をはじめ、生涯学習やまちづくり等、多様な分野の施策が 関連するため、市介護保険課を中心に、関係各課との連携のもと、計画を推進していきます。 なお、保健サービスや障害者福祉を所管する地域福祉課とは特に連携を密にしていきます。 2.地域や関係団体との連携 市介護保険課及び高齢者相談支援センターを中心に、介護サービス事業者や医療機関、市社 会福祉協議会や民生委員、ボランティア、自治会等の地域の関係団体との連携強化を図り、行 政と住民・関係団体との協働により計画を推進していきます。 3.計画推進のためのマンパワー確保 本計画の推進にあたっては、関連事業に携わる職員の確保が必要であり、特に介護予防や保 健事業に携わる専門職員の確保が不可欠です。 このため、専門職員については確保目標を別途設定し、人材確保に努めます。 第2節 計画の進行管理 「行橋市長寿福祉委員会」を継続し、年度ごとに計画の進捗状況の確認及び評価を実施して いきます。また、地域密着型サービスについても、同委員会において運営状況等の点検・評価 を実施していきます。 高齢者支援センターについては、運営協議会を継続し、事業の実施状況等について点検・評 価を実施していきます。 96 ◆第Ⅲ部 第1章 第2章 計画の推進◆ 計画の推進と進行管理 地域と連携した圏域単位での計画推進 6圏域ごとの基礎データを掲載予定 97 ◆◆◆ 資 料 98 編 ◆◆◆ ◆資 料 編◆ 介護保険サービスの概要 サービス 訪問介護/ 介護予防訪問介護 (ホームヘルプ) 訪問入浴介護/ 介護予防訪問入浴介護 内容説明 訪問介護員(ホームヘルパー)等が居宅を訪問 し、入浴、排泄、食事等の介護、その他調理、 洗濯、掃除等の日常生活上の世話を行う。 居宅を訪問し、浴槽を提供して入浴の介護を行 う。 訪問看護/ 介護予防訪問看護 看護師等が居宅を訪問して療養上の世話また は必要な診療の補助を行う。 訪問リハビリテーション/ 介護予防訪問リハビリテーション 居 宅 サ ー ビ ス / 介 護 予 防 サ ー ビ ス 居宅療養管理指導/ 介護予防居宅療養管理指導 通所介護/ 介護予防通所介護 (デイサービス) 通所リハビリテーション/ 介護予防通所リハビリテーション (デイケア) 短期入所生活介護/ 介護予防短期入所生活介護 (ショートステイ) 短期入所療養介護/ 介護予防短期入所療養介護 (ショートステイ) 特定施設入居者生活介護/ 介護予防特定施設入居者生活介護 福祉用具貸与/ 介護予防福祉用具貸与 特定福祉用具販売/ 特定介護予防福祉用具販売 地 域 密 着 型 介 護 予 防 サ ー ビ ス 地 域 密 着 型 サ ー ビ ス / 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 夜間対応型訪問介護 理学療法士、作業療法士等が居宅を訪問し、理 学療法、作業療法その他必要なリハビリテーシ ョンを行う。 医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛 生士等が居宅を訪問し、療養上の管理や指導を 行う。 デイサービスセンター等で、通所により入浴、 食事の提供等日常生活上の世話、機能訓練を行 う。 介護老人保健施設、病院、診療所等で、通所に より理学療法、作業療法その他必要なリハビリ テーションを行う。 介護老人福祉施設等で短期間、要介護等認定者 を預かり、入浴、排泄、食事等の介護その他日 常生活上の世話、機能訓練を行う。 介護老人保健施設、介護療養型医療施設で短期 間、要介護等認定者を預かり、看護、医学的管 理の下に介護、機能訓練その他必要な医療、日 常生活上の世話を行う。 有料老人ホーム等の入居者に対して、入浴、排 泄、食事等の介護その他日常生活上の世話、機 能訓練及び療養上の世話を行う。 日常生活の便宜を図るための福祉用具や機能 訓練のための用具を貸与する。 入浴や排泄のために必要な福祉用具を購入し た場合に購入費を支給する。 平成 23 年の改正介護保険法に基づき新設され たサービスであり、日中、夜間を通じて、訪問 介護と訪問看護を一体的に、またはそれぞれが 密接に連携しながら、短時間の定期巡回と随時 対応を組み合わせた日常生活上の支援や看護 師等による療養上の世話等を行う。要介護1以 上が対象。 夜間に、定期的な巡回訪問または通報を受け、 利用者の居宅で、入浴、排泄、食事の提供等日 常生活上の世話を行う。要介護1以上が対象。 99 ◆資 料 編◆ サービス 内容説明 認知症高齢者に、デイサービスセンター等で、 通所により入浴、食事の提供等日常生活上の世 話、機能訓練を行う。 「訪問」、「通い」、「宿泊」のサービスを組み合 わせ、入浴や排泄、食事やその他の日常生活上 の世話や機能訓練等を行う。 認知症対応型通所介護/ 介護予防認知症対応型通所介護 小規模多機能型居宅介護/ 介護予防小規模多機能型居宅介護 そ の 他 の サ ー ビ ス 地 域 密 着 型 サ ー ビ ス / 地 域 密 着 型 介 護 予 防 サ ー ビ ス 認知症対応型共同生活介護/ 介護予防認知症対応型共同生活介護 (認知症高齢者グループホーム) 地域密着型特定施設入居者生活介護 地域密着型介護老人福祉施設入所者 生活介護 複合型サービス 地域密着型通所介護 住宅改修/ 介護予防住宅改修 居宅介護支援/ 介護予防支援 介 護 保 険 施 設 サ ー ビ ス 介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム) 介護老人保健施設 介護療養型医療施設 認知症高齢者に共同生活(5~9 人程度)の場を 提供し、入浴、排泄、食事等の日常生活上の世 話を行う。 入居定員 29 人以下の有料老人ホーム等の入居者 について、入浴、排泄、食事等の介護その他日 常生活上の世話、機能訓練及び療養上の世話を 行う。要介護1以上が対象。 特別養護老人ホームのうち、入居定員が 29 人以 下の施設の入居者について、入浴、排泄、食事 等の介護その他日常生活上の世話、機能訓練、 健康管理及び療養上の世話を行う。 要介護1以上が対象。 平成 23 年の改正介護保険法に基づき新設された サービスであり、小規模多機能型居宅介護と訪 問看護を組み合わせて提供する。 要介護1以上が対象。 平成 26 年の改正介護保険法に基づき新設された サービスであり、定員 18 人以下の小規模の事業 所で行う通所介護のこと。 要介護1以上が対象。 要介護等認定者の在宅生活の継続を目的とし て、手すり取付け、段差解消、滑り止め、洋式 便器取り替え等の住宅改修を行った場合に改修 費を支給する。 居宅サービス等を適切に利用できるよう、サー ビスの種類、内容等を定めたサービス計画(ケ アプラン)を作成するとともに、サービス事業 者等と連絡調整その他の便宜を行う。 入所者に対して介護等の日常生活上の世話、機 能訓練、健康管理及び療養上の世話を行う。 平成 27 年 4 月から、原則として要介護3以上が 対象。 入所者に対して、看護、医学的管理下における 介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常 生活上の世話を行う。 要介護1以上が対象。 入所者に対して、療養上の管理、看護、医学的 管理下における介護等の世話及び機能訓練、そ の他必要な医療を行う。 要介護1以上が対象。 100 ◆資 料 編◆ 高齢者の居住施設(介護保険施設・有料老人ホーム等)の種類と市内の整備状況 有料老人ホーム 地域密着型サービス 軽費老人ホーム (ケアハウス) 種類 介護付き 概要 指定、 根拠法等 住宅型 健康型 介護等のサービスが ①食事の提供 付いた高齢者向けの ②介護の提供 居住施設 ③洗濯、掃除などの 家事 介護付きと表示する ④健康管理 には、特定施設入居 上記のいずれかの 者生活介護の指定が サービスを提供してい 必要。 る 介護サービスは、 ホームの介護・看護 通常は、介護は外部 職員が提供するか、 から介護保険事業所 委託先のサービス事 (ヘルパー等)を提供 業所が提供する。 し、介護以外の食事 等の提供を施設が行 うことが多い 食事等のサービスが 付いた高齢者向けの 居住施設。 介護必要となった場 合は退去が必要。 養護老人ホーム 日常生活を行うことは できるが、身体機能 が低下しつつある人 のための福祉施設 常時介護の必要はな いが、心身および経 済的な理由などから 居宅での生活が困難 な高齢者のための福 介護が必要になった 祉施設 H26.10.1現在 時は、施設が介護 福岡県内には3施設 サービスを提供する 介護が必要になった 場合と外部から介護 時は、施設が介護 保険事業所がサービ サービスを提供する スを提供する場合が 場合と外部から介護 ある 保険事業所がサービ スを提供する場合が ある。 介護老人福祉施設 (特別養護 老人ホーム) 老人福祉法 対象者 老人福祉法 社会福祉法 老人福祉法 ※H27年4月以降、対 象者は原則、要介護 3以上が対象 老人福祉法 介護保険法 ファミリーホーム・ア バン1号館 21 さらい さらい2号館 シルバーメイト館行橋 ファミリーホーム・ア 椿寿の里 バン2号館 しみずの郷 新芭蕉の杜 グランドホームゆくは ひかりの里 行橋市内 し かがやきの家 の施設数 美咲の郷 さわやか行橋館 メディカルホームこころ (H27年1月 あんしんの家 現在) さわやか行橋弐番館 くつろぎの家 コスモス今川 なのはな 虹の家 なごみの家行橋 泉の里 大空 たゆみ おおはし苑 0 介護保険法 介護保険法 介護保険法 介護保険法 ケアハウスゆくは し 1 2 みやこの苑 みやこの苑 石並園 1 行橋園 ケアハウスゆくはし南 館 101 1 大原病院 1 河童苑 (H27.4予定) 2 おおはし苑 河童苑 (H27.4予定) サービス付高齢者向 け住宅 少なくとも状況把握 サービス(安否確 認)、生活相談を提供 する バリアフリー構造や 一定の面積、設備な どが定められている 高齢者向けの住まい 介護が必要となった 時は、外部から介護 保険事業者等がサー ビスを提供する 介護保険法 要支援2 要介護 要介護 2 認知症の高齢者が少 人数(9人以内を1グ ループとして)で、共 同生活をおくる 市町村による指定 ※行橋市の介護保険証をお持ちの方のみ利用可能 都道府県等による指定 老人福祉法 地域密着型特定入居 地域密着型老人福祉 認知症対応型居宅介 者生活介護 施設(小規模特養) 護(グループホーム) ※H27年4月以降、対 ※H27年4月以降、対 象者は原則、要介護 象者は原則、要介護 3以上が対象 3以上が対象 元気な方、要支援、要介護 5 介護療養型 医療施設 常時介護が必要な高 症状が慢性期(病院 長期にわたる療養を 定員29人以下の介 定員29人以下の特 齢者のための福祉施 で入院治療する必要 必要とする高齢者が 護付き有料老人ホー 別養護老人ホーム 設 がない)にある高齢者 一定基準を満たした ム が、リハビリを中心に 病院、病棟で、介護、 施設の職員が介護 看護、医学的管理の 医療、その他の世話 サービス等の提供を もとでの介護、医療、 を受ける。 直接行う。 日常生活上の世話を 受ける。 都道府県、政令市、中核市に届出 特定施設入居者生活介護は都道府県等による指定 老人福祉法 介護保険法 老人保健施設 都道府県に登録 国土交通省・厚生労 働省関係施行規則 元気な方、 要支援、要介護 10 みやこの苑 愛の家 つるとかめ コスモス今川 あおいうみ 真心 コスモス今元 来夢 楽生緑 ほのぼの (H27.4予定) 2 ファミリーホーム・ア バン3号館 ライフ・ラボ ◆資 料 編◆ その他 資料編として、 計画策定の経緯、計画策定委員会関連資料(行橋市長寿福祉委員会設置要綱、 委員名簿)などを掲載予定 102
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