小林都市計画区域マスタープラン (PDF:1427KB)

小林都市計画
都市計画区域の整備、開発及び保全の方針
(都市計画区域マスタープラン)
平成
宮
23
年
崎
4
月
県
目
第1章
次
基本的事項
第1節
本県の目指す都市づくり
・・・
1
第2節
圏域の設定と将来都市構造
・・・
3
・・・
5
1.圏域の設定
2.本県の将来都市構造
第3節
第2章
県及び市町村の役割と住民との相互連携
都市計画の目標
第1節
当該都市計画区域における都市づくりの基本方向
・・・
6
第2節
地域毎の市街地像
・・・
7
第3節
都市計画区域の範囲および規模
・・・
7
・・・
8
9
第3章
第1節
区域区分(線引き制度)の決定の有無及び定める際の方針
区域区分の有無
1.区域区分の決定の有無の判断
2.区域区分を行わない理由
第4章
主要な都市計画の決定方針
第1節
都市計画決定に際し特に配慮する事項
・・・
第2節
土地利用に関する主要な都市計画の決定方針
・・・10
1.主要用途の配置方針
2. 土地利用の方針
第3節
都市施設の整備に関する主要な都市計画の決定方針
・・・14
1.交通施設
2.下水道及び河川
3.公園、緑地等
4.その他都市施設
第4節
市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定方針
・・・20
第5節
自然環境の保全、自然的環境の整備又は保全に関する方針
・・・20
1.基本方針
2.主要な緑地等の配置の方針
3.実現のための具体の都市計画制度の方針
4.主要な緑地等の確保目標
第1章
基本的事項
都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(以下「都市計画区域マスタープラン」とい
う。)は、都市計画法の規定に基づき定めるもので、長期的視野に立った都市の将来像を
明確にするとともに、その実現に向けた道筋を明らかにするものであり、個々の都市計画
は、基本的にこれに即するものとする。
なお、都市計画区域マスタープランは、県全体としての都市づくりの基本的な考え方を
定めた『都市計画に関する宮崎県の基本方針』(H16.5)並びに『宮崎県まちづくり基本
方針』(H20.3)に基づき定めるものとする。
第1節
本県の目指す都市づくり
『都市計画に関する宮崎県の基本方針』に示す本県の目指す都市づくりは次のとお
りである。
※
持続可能な都市(サスティナブルシティ)
環境保全、経済的発展、生活の質の向上という3つの要素を調和させることによって、現在のみならず、将来
世代も持続的に豊かな生活と経済活動が行われるまち。
- 1 -
○人口減少・超高齢社会への対応
人口減少・超高齢社会の到来は、もはや避けることのできない課題であるとの認
識に立ち、新しい時代に対応した人や環境にやさしい持続可能な都市の実現のため、
特に、これまで拡大・拡散してきた都市のあり方を転換し、様々な都市機能が集約
されたコンパクトな都市 ※づくりを目指す。
※
コンパクトな都市
基本方針に定める「コンパクトな都市」とは、商業や居住そして交通などの都市機能が集約された都市
を意味するものであり、高齢者をはじめとした多くの住民が安心して日常の生活をおくることができる都
市を指します。
なお、コンパクトな都市は、特定の都市のみ人口や密度を強制的に高めていくような1極集中的な都市
をイメージしているのではなく、本県のそれぞれの都市における拠点の「規模」や「特性」に応じて、そ
れぞれが持続的に存在すべきものと考えます。
○人口減少・超高齢社会に対応した都市づくりの基本方向
・
広域的に影響の大きな都市機能の無秩序な郊外への拡散の抑制
・
既存の社会資本ストックを有効活用し、様々な都市機能の集約した人と環境にや
さしい都市づくりの推進
・
安全で安心な暮らしが確保された災害に強い都市づくりの推進
・
高齢者をはじめとした多くの住民にとって暮らしやすい都市づくりの推進
・
都市と田園地域等との共存・共生が図られた都市づくりの推進
・
まちの顔である中心市街地が活性化した誇りのもてる都市づくりの推進
- 2 -
第2節
圏域の設定と将来都市構造
1.圏域の設定
都市づくりは、既存の都市計画区域を超えて、広域的な資源や魅力を活かした一
体的な発展を図る必要がある。
そのため、本県の将来都市構造の設定にあたっては、県民生活の結びつきなどを
考慮して、県内を次の6つの圏域に区分した上で設定する。
- 3 -
2.本県の将来都市構造
本県の将来都市構造は、圏域設定を踏まえ、次のとおり「拠点」と「ゾーン」及
び「軸」により設定する。都市計画区域マスタープランは、この全県的な視点を踏
まえながら、それぞれの区域の都市づくりの方向性を示すこととする。
※
上記に該当しない各都市については、それぞれの都市レベルで都市的サ
ービスを担う「生活拠点」として位置づける。
- 4 -
第3節
・
県及び市町村の役割と住民との相互連携
県及び市町村は、それぞれのマスタープランで掲げる都市づくりを進めるため、
都市計画に係るあらゆる事業は、推進主体のみが取り組むのではなく、各主体にお
いて相互連携を行い効果的な取り組みを行う。
・
県は、県土の健全な発展を図ることを目的として、広域的見地から県が定めると
されている都市計画を行う。また、市町村及び住民が主体となったまちづくりを支
援するとともに、広域的観点から必要な調整を行う。
・
市町村は、県の定める都市計画区域マスタープラン等の広域的な計画を踏まえ、
住民に最も身近な自治体としての立場から、より地域に密着した都市づくりを進め
るため、市町村マスタープランの策定(又は見直し)を行うとともに、市町村が定
めることとされている都市計画を行う。
・
県及び市町村は、都市計画に関する住民参加手続きの充実を図るとともに、官民
協働の都市づくりを推進するため、NPOの育成やまちづくり協議会の設置、ボラ
ンティア活動や住民レベルでの取り組みの支援など、住民が参加しやすい仕組みづ
くりを推進する。
- 5 -
第2章
第1節
都市計画の目標
当該都市計画区域における都市づくりの基本方向
小林都市計画区域が位置する西諸県圏域は、宮崎県の中西部に位置し、熊本県及
び鹿児島県に接し、霧島屋久国立公園や九州山系に囲まれて盆地が形成されている。
また、大淀川水系、川内川水系の河川が流れ、水と緑が豊かな圏域を形成している。
小林盆地の高原性の気候を活かした観光農業、えびの盆地の豊かな水を活かして
形成されている田園風景など、地域特性を活かした農林業が営まれるとともに、観
光地形成に取り組んでいる。
また、九州縦貫自動車道が分岐する、いわばクロスハイウェイ機能を有し、九州
南部の道路交通の要衝、本県の西の玄関口として位置付けられ、この高速交通ネッ
トワークを十分に活かした都市拠点形成が求められている。
このような状況を踏まえて、小林都市計画区域の将来の都市づくりに向けては、
第1 には、『都市計画に関する宮崎県の基本方針』で示す、西諸県圏域全体に共通
する以下の3 つの都市計画の基本方向を踏まえるものとする。
附図 周辺地域との連携イメージ(参考図)
西諸県圏域の中央部に位置し、本圏域の中心的な役割を担う小林都市計画区域は、
霧島屋久国立公園や一級河川岩瀬川などの自然的環境に恵まれた区域である。
また、九州縦貫自動車道宮崎線が整備され、高速交通ネットワークを十分に活か
した都市拠点形成が求められている。
以上のようなことから、西諸県圏域全体に共通する都市計画の基本方向のもと、
特に地域拠点であるえびの都市計画区域との連携強化を図りつつ、西諸県圏域の一
体的な発展を目指す。
今後、小林市の総合計画における将来像や多発する自然災害への対応などを踏ま
えながら、以下の都市づくりを進めるものとする。
- 6 -
①
圏域拠点としての都市機能が充実した中心市街地の再生による賑わいのまち
づくり
②
圏域の医療・救急体制の拠点形成やスポーツ振興促進などによる健康のまち
づくり
③
第2節
農林産資源や自然的環境を活用した交流のまちづくり
地域毎の市街地像
①既成市街地
JR小林駅周辺及び国道221号沿道地区の中心市街地においては、「小林市
中心市街地活性化基本計画」に基づく事業を促進するとともに、広域的な役割を
考慮した多様な都市機能の強化や、都市基盤整備と商業機能の更新を図り、うる
おいと活力のある都市づくりを目指す。
また、基幹産業である農林業・観光と商工業とが連携し、地域の特性を活かし
た中心市街地の形成を目指す。
その他の既成市街地においては、住宅・商業施設・工場などの秩序ある土地利
用配置を実現するとともに、居住環境の改善や防災性の向上、少子高齢社会への
対応を図り、安全・安心・快適な居住空間の維持・創出に向けた都市づくりを目
指す。
②市街化進行地域
南島田地区においては、土地区画整理事業の進展に伴い、宅地化の進展が予想
され、集約的な市街地の形成に向けて、効率的な土地利用と都市施設整備を一体
的に行うとともに、計画的な緑地空間などの配置により、安全・安心・快適なう
るおいのある居住環境の形成を目指す。
③郊外部の既存集落地域
用途地域外に点在する既存集落においては、地域の活力を維持していくために、
歴史的、自然的環境などと調和した秩序ある土地利用の実現、良好な居住環境の
形成及びコミュニティの維持を目指す。
第3節
都市計画区域の範囲および規模
本都市計画区域の範囲は、小林市の一部であり、その面積は次のとおりである。
市町村名
都市計画区域の範囲
規模(ha)
小林市
行政区域の一部
2,360
- 7 -
第3章
区域区分(線引き制度)の決定の有無及び定める方針
第1節
区域区分の有無
1.区域区分の決定の判断
本都市計画区域においては、区域区分を行わないものとする。
2.区域区分を行わない理由
①
現行市街地における人口密度は、国が、土地利用密度の低い地域における人
口密度の参考値として示す1haあたり60人を下回ることから、市街地拡大
圧力は比較的低いものと考えられること。
②
現行市街地においては、人口集中地区(DID 地区)が設定されており、市街
化区域を設定しうる規模・密度を有していると考えられるものの、市街地内に
おける建築活動は特に活発ではなく、市街地外縁部などでスプロール(市街地
が無計画に郊外に拡大し、虫食い状の無秩序な市街地を形成すること)が発生
する可能性は低いものと考えられること。
③
市街地外における開発動向が比較的活発であり、農地や自然的環境の保全な
どに向けた対応が必要であると考えられるが、一方で平成22年における市街
地人口の推計値が、現行市街地において、適切な人口密度を保ちつつ収容が可
能となる人口を下回るため、市街地の拡大圧力は比較的低いと考えられること。
④
上記①~③の状況や小林市の意向などから総合的に判断すると、無秩序な市
街化の防止と計画的な市街化への対応として、区域区分を適用する必要性は低
いものと考えられることから、本都市計画区域においては、当面、区域区分の
適用はしないものとする。
- 8 -
第4章
第1節
主要な都市計画の決定方針
都市計画決定に際し特に配慮する事項
本県における地域特性や今日的課題等を踏まえ、土地利用・都市施設などの主要な
都市計画の立案にあたっては、次に掲げる事項について特に配慮するものとする。
1.地域拠点連携型都市の実現
都市機能の集積による計画的な地域拠点の形成と、各拠点間を結ぶ利便性の高い
交通ネットワークの形成を図り、それぞれの拠点が都市機能を相互に補完・連携す
る都市づくり(「地域拠点連携型都市」)に資するよう計画に努める。
特に、中心市街地や地域生活の中心となっている市街地は、長い歴史の中で都市
の核として各種の機能を培ってきた「まちの顔」であり、また、地球環境問題や持
続可能な都市づくり、財政的制約下での公共投資の効率性の観点から、その活性化
は重要であるため、商業・業務の機能だけでなく、居住・文化・福祉など多様な機
能の導入やアクセス性の向上に資するよう計画に努める。
2.自然環境の保全、自然的環境の整備又は保全
国定公園などの自然環境や市街地を取り囲む公園などの自然的環境は、都市生活
にうるおいを与える本県特有の恵まれた環境であり、生物の生息、生育や都市の気
温上昇の抑制、さらには雨水の貯留などの環境調節機能を果たす機能を有している。
今後とも長期にわたりその機能を確保していく必要があるため、積極的に整備又は
保全に努める。
3.美しい景観の保全、創出
本県では、沿道修景美化条例の制定など早くから豊かな自然を生かした美しい県
土づくりに取り組み、一定の成果をあげてきた。今後は、これまでの取り組みに加
え、都市景観や農山漁村あるいは歴史・文化に関する景観の分野での取り組みを進
め、更なる郷土の美化を目指す。
また、優れた景観の形成を図るためには、住民、事業者、行政などの協働が大切
であり、特に地域住民の主体的参加と相互協力が不可欠であることから、景観に対
する住民意識の啓発、地元組織への活動支援などの施策を進める中で、景観に配慮
した民間の建築行為を誘導するとともに、公共施設においても景観に配慮したもの
となるよう先導的な取り組みを行うよう努める。
4.災害に強い都市構造の実現
厳しい財政制約下において災害に強い都市構造の実現を推進していくため、ハー
ド事業とともに、災害に関する地域の特性を踏まえた土地利用規制や情報提供など
ソフト事業を併せた総合的な防災対策を推進する。特に近年、記録的集中豪雨等に
よる災害が多発する傾向にあることから、雨水流出の抑制対策を推進する。
- 9 -
第2節
土地利用に関する主要な都市計画の決定方針
1.主要用途の配置方針
<商業業務地>
○
JR小林駅周辺及び国道221号沿道地区一帯の中心市街地に、西諸県圏域
の中心商業業務地を配置する。「小林市中心市街地活性化基本計画」に沿っ
て、今後は、さらにその機能の充実と都市基盤整備を一体的に促進するとと
もに、広域的な商業・業務・文化・交流機能などの集積・強化に努める。
<工業地・流通業務地>
○
堤地区の既存の工業地においては、公害防止や周辺住宅地の環境保全に十
分に留意しつつ、工業地としての土地利用の増進と環境整備に努める。
<住宅地>
○
堅田原・坂元及び上町・一本杉地区については、低層の住宅地として、ま
た、小林原地区については中層及び低層の住宅地として、今後も土地の効率
的な利用を図るとともに、計画的で良好な住宅地形成に努める。
2.土地利用の方針
ア.拠点となる市街地の魅力向上に関する方針
○
居住は「まち」の成り立ちの基本であるとの原点に立ち、住宅政策等と連携
した住みよい環境の形成に取り組むとともに、交流人口の増加を目的とした街
並みの整備や交通アクセスの向上、商業政策との連携を図る。
○
商業業務系のみとするのではなく、居住、文化、教育、福祉、行政、観光な
ど多様な機能の誘導に努める。
○
市街地における賑わいや回遊性を創出するため、魅力ある歩行者空間の形成
に努める。
○
新たな商業開発や公益施設の立地は、拠点となる市街地への誘導に努める。
イ.居住環境の改善又は維持に関する方針
○
小林駅南地区の土地区画整理の事業完了区域など、中心市街地周辺地区につ
いては、その利便性を活かした街なか居住や職住近接を目指して、良好な居住
環境を有した住宅地形成に努める。
○
南島田地区などでは、市街地内農地などの低・未利用地と住宅などの混在や、
都市施設整備が不十分であるなどの状況がみられるため、住民との合意形成を
図りつつ、土地区画整理事業や地区計画などを活用しながら、居住環境の改善
に努める。
○
土地区画整理事業などによって、既に基盤整備が完了し、良好な居住環境を
保持している地区については、今後ともその居住環境の維持に努める。
○
生活利便性の高い市街地居住を求める高齢者が、地域社会の中で自立しなが
ら快適に安心して暮らせるよう、公的住宅に加え民間セクターを含めた良質な
住宅ストックの形成に努める。
- 10 -
ウ.都市計画事業等を契機とした都市づくりに関する方針
建物の多くが更新される都市計画事業等の実施は、魅力ある街並みを形づくる
契機であるとの認識に立ち、早い時期から地域住民との協働のもと、建築協定や
地区計画など面的な都市づくりのルール化の検討を行う。
エ.用途地域内の雨水対策に関する方針
排水施設の処理能力を超える局所的豪雨の増大を踏まえた浸水被害軽減を図る
ため、都市域の相当面積を占めている道路や、オープンスペースとなっている公
園等との事業連携による雨水流出の抑制に努める。
オ.市街地内の緑地の保全等に関する方針
住民と行政が協働して、花や緑による街なか緑化などにより、緑豊かな市街地
形成に努める。
カ.優良な農地との健全な調和に関する方針
○
市街地と優良な農地との健全な調和に向けて、農業振興地域の整備に関する
法律に基づく農用地区域の指定及び各種農業施策と、都市計画との調整、連携
を図る。
○
用途地域外の、各種農業基盤の整備が行なわれている優良な農地の保全に努
める。
キ.災害防止の観点から必要な市街化の抑制に関する方針
○
自然災害のおそれのある傾斜地や河川沿いの自然地などについては、積極的
に保全する。また、がけ崩れや土石流等の土砂災害により住民の生命又は身体
に危害が生じるおそれがあると認められる区域については、土砂災害警戒区域
等の指定により、特定の開発行為の制限や建築物の構造制限を行う。
○
地域森林計画対象民有林、砂防指定地区、保安林などに指定されている地区
は、いずれも保全すべき地区であり、自然災害も予測されるため、積極的に保
全する。
○
雨水流出量の増大や局所的豪雨などにより、都市の浸水被害の可能性が高い
地域については、河川の治水安全度の向上と併せて、総合的な浸水対策として、
都市計画法以外の関係法令との調整・連携を図りながら土地利用の制限につい
て対応を検討する。
○
農地は雨水を一時的に貯水することで、都市地域(下流域)における浸水を
軽減する機能を有していることから、農地を適正に管理していくことは安全・
安心な暮らしを確保することに繋がるため、防災の観点からも農地を支える集
落の維持・活性化に努める。
ク.自然的環境形成の観点から必要な保全に関する方針
○
貴重な自然的環境を有する区域については、都市計画法以外の土地利用規制
- 11 -
関連法令に基づく計画との調整、連携を図りながら、必要に応じて都市計画に
おいて風致地区指定などの土地利用規制の適用や保全すべき区域としての明確
化を図る。
○
霧島屋久国立公園や九州山地などとの自然的環境ネットワークを形成する観
点から、都市計画区域内の森林や丘陵地などの保全に努める。
○
城山公園周辺の良好な自然的環境の保全に向け、緑地保全地区の指定につい
ても検討する。
ケ.秩序ある都市的土地利用の実現に関する方針
○
用途地域外においては、周辺の農林業などとの調和に留意して、基本的に都
市的土地利用の拡大は抑制する。
○
総合的な都市づくりの観点から、住宅や産業立地のニーズなどへの対応のた
めに、都市的土地利用への転換が必要であると判断される場合には、周辺環境
との調和に留意し、計画的で良好な都市的土地利用の形成に努める。
○
既存集落やスプロール的な住宅立地が進行する地域などでは、無秩序な宅地
化の抑制と良質な開発行為への誘導を図るとともに、良好な居住環境の形成に
向け、必要に応じて地区計画などの活用を検討する。
○
地域の土地利用状況に応じた建ぺい率、容積率などの設定による建築形態の
規制を行う。
○
堤地区の国道221号と国道268号に挟まれた競馬場跡地周辺では、物流関連施
設の立地が進んでおり、周辺環境への影響に配慮しながら、計画的な土地利用
の誘導と秩序ある市街地の形成に努める。
○
大規模商業施設などの都市機能に与える影響が大きいと考えられる施設につ
いて、中心市街地の再生に向けた取り組みを行う上で、制限する必要があると
認められる場合には、特定用途制限地域の指定を検討する。
コ.美しい都市景観の保全・創出に関する方針
○
美しいまちなみや自然環境の保全などにより、宮崎らしい景観を形成してい
る地域、または今後計画的に誘導していく地域を地区計画や景観計画地区等を
定め、建築行為等の誘導を行うことにより、自然的景観や歴史的景観などの地
域の特性を活かした個性的な景観の保全・創出に努める。特に、他県と比較し
て敷地確保の容易さから高容積の建築物が少なく、自然を活かした眺望景観が
確保されている現状を本県の財産と捉え、景観の整備・保全に努めるとともに、
地域の景観や雰囲気を特徴づけ、住民に親しまれている建築物や樹木等につい
ては、景観法に基づく景観重要建造物及び景観重要樹木としての指定を検討す
るなど、維持活用に努める。
○
国道221号沿道は、都市の景観軸を構成する重要な地区であり、拠点的な商
業地としての賑わいをもった魅力ある都市景観の創出に努める。また、主要な
観光拠点を結ぶ幹線道路や街路については、自然的景観の保全にも配慮しなが
ら、観光資源として特徴のある沿道景観の創出に努める。
- 12 -
○
中心市街地における花のまちづくりなどの住民が主体となった魅力ある都市
景観づくりを、今後とも住民と行政の協働により進める。
サ.大規模集客施設の適正立地に関する方針
広域にわたり都市構造に大きな影響を与える大規模集客施設の立地に関する方
針は次のとおりとする。
○大規模集客施設の定義
劇場、映画館、演芸場若しくは観覧場又は店舗、飲食店、展示場、遊技場、勝
馬投票券販売所、場外車券売場などの用途に供する部分の床面積の合計が1万㎡
を超える建築物とする。
○立地を誘導する区域
①
商業地域又は近隣商業地域で、地域活性化の観点から必要性が高く、市町
村が策定する「都市計画に関する基本方針」(都市計画法第18条の2に規定
する基本的な方針)など市町村の都市づくりの方向性と整合が図れる区域
②
中心市街地の活性化に関する法律(以下「中活法」という。)第9条に基
づき、内閣総理大臣の認定を受けた中心市街地の活性化に関する施策を総合的かつ
一体的に推進するための基本的な計画に定められた中心市街地認定基本計画におい
て定められた中心市街地の区域
③
中活法第55条に規定する第2種大規模小売店舗立地法特例区域
④
都市計画法における「準工業地域」のうち、公共交通機能のアクセス性や
周辺の都市機能の集積状況、立地に伴う交通渋滞等について総合的に判断し、
立地に関し当該市町の都市づくりと整合が図れる区域
○大規模集客施設の立地を抑制する区域
上記の「立地を誘導する区域」以外の区域においては、都市計画区域外も含
め、大規模集客施設の立地を原則として抑制する。なお、大規模集客施設の立
地が許容されている準工業地域については、総合的な都市づくりの観点から評
価を行い、必要に応じて特別用途地区等により制限を行う。
シ.公共公益施設の適正立地に関する方針
公共公益施設の立地に際しては、地域における都市づくりの判断や福祉、医療
及び教育文化などの施策と連携して、高齢者も含めた多くの人々にとって交通利
便性が高い地域への配置を検討する。
ス.大規模な宅地開発を行う際の都市防災への配慮方針
近年、記録的集中豪雨等災害が多発する傾向にあることを踏まえ、周辺におけ
る浸水対策に大きな影響与える大規模な宅地開発にあたっては雨水流出抑制機能
が確実に発揮されるよう措置する。
- 13 -
セ.都市計画区域外における土地利用に関する方針
大規模集客施設の適正立地を図るため、幹線道路沿線など立地可能性の高い区
域については、関係市町村との調整を図った上で準都市計画区域の指定について
検討する。
第3節
都市施設の整備に関する主要な都市計画の決定方針
1.交通施設
ア.基本方針
交通施設については、効率性、快適性、安全・安心のほかに、環境との調和
を考慮し、道路、鉄道が、効率的・効果的に役割分担した交通体系が確立され
るように、総合的・計画的な整備を推進する。また、健康で文化的な生活を営
むために最低限度必要な移動環境を確保するため、多様な交通手段による地域
公共交通を維持・再生し、自家用車等とと公共の交通手段の最適な組み合わせ
(ベストミックス)の再構築を目指す。
a.交通体系の整備の方針
①地域拠点連携型都市の実現に向けた交通体系の整備
○
地域間の交流・連携を支える国県道の整備を推進する。
○
社会経済情勢の変化により、その必要性が低下した長期未着手の都市計
画道路については、沿道の土地利用計画などと一体的に総合的な見直しを
進める。
○
安全・安心・快適な道路環境を確保するため、予防保全型の管理に転換
するとともに、ライフサイクルコストを考慮した戦略的な維持管理に努め
る。
○
今後増加する高齢者をはじめとした移動困難者への対応として公共交通
機関を確保し、自動車から他の交通手段への転換を図るため、モビリティ
・マネジメント等を推進し、交通機能の効果的な分担を進める。
○
少子高齢社会、街なか居住などに対応して、すべての人が安全・安心・
快適に移動できるよう、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した
移動の円滑化の促進に関する法律などに基づき、バリアフリー及びユニバ
ーサルデザインに配慮した交通環境の整備に努める。
○
主要な幹線道路を中心に、安全・安心・快適な歩行空間の確保など、計
画的でゆとりある道路空間の整備に努める。
②防災に配慮した交通環境の整備
○
公園など都市における防災拠点間の避難路となる道路については、災害
- 14 -
時の安全確保に考慮した整備を推進する。また、道路空間の整備に当たっ
ては、消防活動やライフラインの安全性向上のため、広い幅員の確保に努
めるとともに電線類の地中化を積極的に検討する。
③景観に配慮した交通環境の整備
○
自然や歴史・文化など地域の特性を踏まえた都市景観の魅力向上に配慮
した道路の整備に努める。
○
道路の整備にあたっては、道路自体が美しい風景を体験する重要な視点
場となるよう、道路構造物の適正配置や配色に配慮するとともに、緑化に
努める。
④自然環境及び自然的環境への負荷の最小限化
○
道路の整備にあたっては、自然環境に与える影響を十分考慮するととも
に周辺環境と同化するように努める。
b.整備水準の目標
概ね20年後には、都市の骨格を形成する主要な道路体系を確立することを
目指す。
イ.主要な施設の配置の方針
a.道路
○
本都市計画区域の骨格的な道路網は、九州縦貫自動車道宮崎線と国道221
号、国道265号、国道268号、主要地方道京町小林線、小林えびの高原牧園線、
一般県道霧島公園小林線及び西麓小林線によって構成する。
○
九州縦貫自動車道宮崎線の小林インターチェンジへのアクセスは、主要地
方道小林えびの高原牧園線により対応を図る。
○
地域間連携・交流を支える主要地方道京町小林線、一般県道霧島公園小林
線及び西麓小林線の整備を推進する。
○
都市計画道路の南小林原通線は、良好な沿道景観形成を含めた整備を促進
する。
b.その他の交通施設(鉄道・バス等)
○
JR吉都線やバスなど、公共交通機関の利便性の向上と利用促進に努める。
○
JR小林駅における交通ターミナル整備などによる交通結節機能の強化やバ
スと鉄道の乗り継ぎの円滑化を促進する。
○
地域の実情に応じて、コミュニティバスの活用を検討する。
ウ.主要な施設の整備目標
概ね10年以内に具体的な計画があり、優先的に整備を予定する交通施設は、
以下のとおりである。
- 15 -
a.道路
・都市計画道路
3・4・8 号 夷守線(一般県道霧島公園小林線)
3・4・14 号 駅南東西線
・その他の道路
国道221号、国道265号、西麓小林線
2.下水道及び河川
ア.基本方針
(下水道)
健康で快適な生活環境の確保、本県の豊かな水環境や健全な水循環の保全、水
質浄化に向け、効率的・効果的な整備を推進する。
また、健全な水環境の保全、水質浄化の観点から、地域で取り組まれている環
境活動等との協働・支援に努める。
(河川)
一層の治水・利水の機能に加え、環境や景観などの生活に潤いを与える空間の
確保に努める。
また、河川美化運動や緑豊かな水辺空間づくりを促進する市民活動との協働・
支援に努める。
a.下水道及び河川の整備の方針
①地域拠点連携型都市に向けた下水道及び河川の整備の方針
(下水道)
○
汚水処理の方法には、公共下水道の他に農業集落排水・合併処理浄化槽な
どがあり、財政的制約の下、地域の特性を十分把握した上で、これらの方法
から効率的なものを選択し、計画的に施設整備を推進する。
(河川)
○
主要河川の整備に当たっては、治水機能を満足しながら、都市生活に潤い
を与える親水空間の確保に努める。
②防災に配慮した下水道及び河川の整備の方針
(河川)
○
都市施設整備を行う際には、雨水貯留・浸透施設や透水性舗装などによる
流出量の抑制に配慮した工法の積極的な導入を検討する。
(河川)
○
河川の防災・治水対策は、下水道と連携しながら推進するとともに、災害
- 16 -
による危険度が高い地域については、土地利用の制限する方策についても併
せて検討を行う。
③景観に配慮した下水道及び河川の整備の方針
(河川)
○
河川流域単位で、河川景観に配慮した水辺空間の整備を促進し、住民と連
携した河川美化運動などの啓発推進を図る。
④自然環境及び自然的環境に配慮した下水道及び河川の整備の方針
(下水道)
○
下水の処理水については、再利用するな水循環の形成に努める。
(河川)
○
生物の生息・生育環境にも配慮しに多自然の川づくりを今後も推進し、親
水空間の確保に努める。
b.整備水準の目標
<下水道>
概ね20年後には、既成市街地及びその周辺の市街地について処理が可能と
なる水準を目標とする。また、目標年度を平成37年度とする公共下水道事業
の全体計画(面積630ha)に沿って、整備を推進する。
<河川>
現状で水害の危険度の高い河川について、計画的な河川改修を進める。ま
た、市街化の動向を踏まえ、治水対策や親水空間の創出などが必要とされる
河川の整備に努める。
イ.主要な施設の配置の方針
a.下水道
○
本都市計画区域では、公共下水道の一部を供用しており、現在も事業推進
中である。今後も公衆衛生の向上に寄与し、あわせて公共水域の水質保全に
資するため、既定計画の早期完成を図る。
○
人口減少に伴う社会情勢の変化に柔軟に対応していくために、生活者の視
点に立った検討を行い、下水道として整備する区域の検討を行う。
○
平時はもとより災害時にも安定した機能を発揮できるよう、重要管路や処
理施設の耐震性向上を図るとともに、老朽管路の適切な維持更新に努める。
b.河川
○
本都市計画区域の主要河川は、一級河川岩瀬川、石氷川、辻の堂川などで
ある。
○
市街化の動向を十分に把握するとともに、周辺の土地利用との調整を図り
- 17 -
ながら、治水・利水・環境の観点を念頭に置いた河川整備に努める。
ウ.主要な施設の整備目標
概ね10年以内に具体的な計画があり、優先的に整備すべき下水道は、以下のと
おりである。
a.下水道
○
公共下水道事業:事業認可面積366ha(平成27年度目標)
3.公園、緑地等
ア.基本方針
公園、緑地等は、都市生活に潤い与える空間としての機能のみならず、防災や
都市景観の機能、さらには、低炭素型都市づくり要素として重要性が増してきて
おり、地域住民との協働を図りながら、整備、保全に努める。
a.公園、緑地等の整備の方針
①地域拠点連携型都市に向けた公園、緑地等の整備の方針
○
人々の多様なニーズに応える場として、地域の実情に応じた公園の計画
的な配置と整備に努める。
○
高齢者や障害者、子供をはじめとする全ての住民が安全・安心・快適に
過ごすことのできる空間として、バリアフリー及びユニバーサルデザイン
に配慮した都市公園の整備を進める。
②防災に配慮した公園、緑地等の整備の方針
○
都市防災上の広域避難地、一次避難地などとして必要な規模の都市公園
を計画的に配置し、防災機能の強化に努める。
○
中心市街地の公園や広場及び都市基幹公園については、地域の交流拠点
や災害時の防災拠点としての重要な役割を担うオープンスペースであるこ
とから、計画的な土地利用や道路整備などと一体的に整備する。
③景観に配慮した公園、緑地等の整備の方針
○
地域住民の意見を反映しながら、公園、緑地、道路などの公共空間に加
え、民間空間においても緑化の促進を検討する。
○
市街地に残る貴重な緑地、社寺林などを、身近な緑として保全・活用す
る。
○
小林市として、住民の意見を反映しながら「緑の基本計画」を策定して
いくとともに、今後の都市公園などの整備は「緑の基本計画」に基づいて
行うことを基本とする。
- 18 -
④自然環境及び自然的環境に配慮した公園、緑地等の整備の方針
○
市街地内の森林などについて、総合的な都市づくりの視点で、まちなか
の自然的環境として保全が求められる場合は、都市公園以外の公共の緑地
としての活用も検討する。
○
市街地及びその周辺に存在する緑地などは、良好な都市環境を維持する
自然的環境として、また、低炭素都市づくりの一環として保全・創出に努
める。
b.整備水準の目標
本都市計画区域においては、具体的には「緑の基本計画」を策定し、整備目
標を定めるものとする。
イ.主要な施設の配置の方針
a.境保全系統
○
市街地内の公園を、河川・道路・学校などにおける緑地空間や市街地周辺
の森林などと連続させて配置し、環境保全ネットワークとして形成を図る。
b.レクリエーション系統
○
観光地やリゾート施設などとも連携しながら、人々の余暇活動に対応でき
る広域的なレクリエーション系統の公園や緑地を配置する。
c.防災系統
○
身近な公園など、都市内のオープンスペースは、災害時の一次避難地や救
援活動の拠点としての役割を果たすため、その計画的な配置と整備を推進す
る。
○
10ha以上の公園については、広域避難地として防災機能の強化に配慮した
整備を推進する。
d.景観構成系統
○
公園等で、自然的景観上のランドマークとなるものについては、緑のシン
ボル景観として、積極的に保全する。
e.総合的な公園等の配置方針
○
4つの系統別の配置方針に基づき、市街地内の緑の充足度にも十分配慮し
て、公園その他の公共空地の均衡ある配置を行うとともに、緑のネットワー
クの形成に努める。
○
運動公園である小林総合運動公園を、レクリエーションなどの機能の高い
公園として配置する。
ウ.主要な施設の整備目標
- 19 -
地域の状況やその必要性に応じて、計画的な公園・緑地等の整備を行う。
4.その他都市施設
ア.基本方針
上記のほか、都市活動にとって特に重要と考えられる主要な供給処理施設等に
係る都市計画の決定方針は次のとおりである。
a.供給施設
水道・電気などについては、平時において安定した供給を図るとともに、災
害時におけるライフラインとしての機能を発揮できるよう整備に努める。
b.処理施設
「宮崎県廃棄物処理計画[第二期](平成18年3月策定)」に基づき、産業廃
棄物の中間処理施設については適切な施設整備を促進する。また、その配置は
周辺への環境保全に配慮した計画へと誘導するとともに、関係市町村や関係機
関と調整を図る。
イ.施設の配置の方針
災害発生時のライフライン確保の重要性から、供給処理施設の配置にあたって
は、災害発生の危険度の高い地域を避けるとともに、周辺の自然景観に配慮した
計画に努めるものとする。
第4節
市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定方針
本都市計画区域における市街地開発事業については、各地域の状況を的確に把
握し、居住環境の改善や防災性の向上などの、必要性・緊急性を考慮して検討を
行う。
第5節
自然環境の保全、自然的環境の整備又は保全に関する方針
1.基本方針
霧島山系の雄大な山々や岩瀬川などの水辺景観など、都市計画区域内外の良好な
自然環境の保全が求められている。特に、市街地内においては、周囲を取り囲む良
好な自然的環境とのつながりを考慮することが重要である。
また、地形・気象特性から、土砂災害危険箇所などの自然災害のおそれのある地
区が存在しており、防災上の視点から、その保全と防災対策の強化が求められてい
る。
こうした状況を踏まえ、自然環境の保全、自然的環境の整備又は保全に関する方
針は以下のとおりとする。
- 20 -
①市街地内のうるおいのある美しい自然的環境の保全・整備
○
市街地内に残る貴重な緑地、社寺林などを、身近な緑として保全・活用す
る。
○
水や緑とふれあえる場の創出に向け、河川・水路などを活用した親水空間
の整備や、道路や公園・広場の緑化により、自然的環境ネットワークの形成
に努める。
○
環境保全、レクリエーション、防災、景観構成の観点から、自然的環境の
特性に配慮した保全・整備に努める。
②市街地郊外部における美しい自然的環境の保全・整備
○
市街地郊外部に広がる河川、森林などを、生態系及び治水・保水機能の保
全や都市活動による環境負荷の低減などを担う環境保全系統の自然環境とし
て位置付け、保全する。
○
環境保全、レクリエーション、防災、景観構成の観点から、市街地内の自
然的環境ネットワークも含めた、広域的な環境保全ネットワークの形成に努
める。
○
広域的な環境保全ネットワークは、住民の環境学習や余暇活動の場及び観
光資源として積極的に活用する。
○
河川の上下流域の地域連携による水源かん養機能を有する森林の保全な
ど、自然的環境の保全・活用を促進する。
2. 主要な緑地等の配置の方針
a.環境保全系統
○
市街地及びその周辺に存在する緑地などは、良好な都市環境を維持する自然
的環境として、保全・創出に努める。
○
野生動物の生息地、移動経路にもなる森林や河川などを保全し、生き物の生
息する環境保全ネットワークの形成を図る。
○
雨水の保水機能及び土砂の流出を防止する森林などは、環境保全上重要な役
割を果たす緑地などとして、積極的に保全する。
○
用途地域外の城山公園周辺や坂元地区などに残る森林を環境保全系統の緑地
として位置付け、保全する。
○
霧島屋久国立公園や「宮崎県緑地環境保全地域」に指定されている三之宮峡、
出の山公園の水環境などと、市街地内の自然的環境とを結ぶ緑地保全軸の形成
に努める。
○
岩瀬川、石氷川、辻の堂川を環境保全系統の軸となる河川緑地として位置付
け、保全に努める。
b.レクリエーション系統
○
霧島屋久国立公園などの自然的環境と連携しながら、人々の余暇活動に対応
できる広域的なレクリエーション系統の自然的環境の保全・活用を促進する。
- 21 -
c.防災系統
○
沿道緑地などの市街地内の緑地は、火災時の延焼遅延・遮断効果などの重要
な役割を果たす防災系統の自然的環境として位置付け、保全・創出に努める。
○
岩瀬川などの河川については、治水機能に加えて、緩衝機能を有する自然的
環境ネットワークの一部として位置付け、保全・活用に努める。
○
土砂災害のおそれのある傾斜地において、災害防止に寄与する緑地などにつ
いては、積極的に保全するとともに、必要に応じた対応を図る。
d.景観構成系統
○
河川や沿道の緑地などは、良好な都市景観の形成に寄与するものであり、景
観構成系統の軸として保全・整備に努める。
○
岩瀬川、石氷川、辻の堂川の河川緑地を景観構成系統の軸として、また、城
山公園周辺を景観構成系統の緑地として位置付け、保全・形成に努める。
3. 実現のための具体の都市計画制度の方針
○
守るべき自然環境や美しい自然景観が残されている地区については、森林法
及び自然公園法などの他法令との調整を図りながら、必要に応じて風致地区や
緑地保全地区などの土地利用規制を指定するなどの検討を行う。
○
土砂災害のおそれがある地区については、土砂災害防止法及び砂防法など、
都市計画法以外の関連法令との調整・連携を図りながら、必要に応じて都市計
画としての対応を検討する。
4. 主要な緑地等の確保目標
○
概ね10年以内に決定することを予定する地域地区の指定目標などは、「緑の
基本計画」に基づき定めるものとする。
- 22 -
附図 小林都市計画区域構造図
えびの市
方面へ
小林市須木村
方面へ
石氷川
国道265号
国
(主)京
道
22
町小林
1号
線
小林駅
国
えびの市
方面へ
岩瀬川
道
26
線
原牧園
の高
林えび
辻
の
堂
川
JR吉都線
(主)小
8号
小林I.C.
貫
縦
州
九
線
崎
宮
道
車
動
自
宮崎市
方面へ
都城市
高原町方面へ
凡 例
都市計画区域界
<高規格道路>
高速道路などの広域的なネットワーク形成の要となる道路。
<中心商業業務拠点>
圏域レベルでの中心的役割を担う商業業務地。
<広域連携軸>
県内主要都市と隣県などの県外主要都市を結び、九州全体の中
で広域的な交流・連携を担うべきネットワーク軸。
<地域連携軸>
圏域間及び圏域内の都市を結び、都市機能の分担・連携を支援
するネットワーク軸。
市役所
用途地域
高規格道路(広域連携軸)
国道
主要地方道
鉄道
主要河川
主要な交通結節点
中心商業業務拠点
広域連携軸
地域連携軸
:当該都市計画区域
:都市計画区域