1 ISO/TS22002-1 技術仕様書 食品安全のための前提条件プログラム 第1部:食品製造 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 2 目次 序文 1.適用範囲 2.引用規格 3.用語及び定義 4.建物の構造と配置 5.施設及び作業区域の配置 6.ユーティリティ-空気、水、エネルギー 7.廃棄物処理 8.装置の適切性、清掃・洗浄及び保守 9.購入材料の管理(マネジメント) 10.交差汚染の予防手段 11.清掃・洗浄及び殺菌・消毒 12.有害生物の防除(ペストコントロール) 13.要員の衛生及び従業員のための施設 14.手直し 15.製品リコール手順 16.倉庫保管 17.製品情報及び消費者の認識 18.食品防御、バイオビジランス及びバイオテロリズム 参考文献 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 3 まえがき ISO(国際標準化機構)は,各国の標準化機関(ISO 会員団体)による世界的な連合である。 国際規格の作成作業は,通常,ISO 専門委員会を通じて実施される。専門委員会が設置された対象内容に関心のあ る会員団体は,当該委員会に代表を送る権利を有する。国際機関,政府機関及び非政府機関も ISO と連携して作業 を分担する。ISO は電気技術の標準化に関するすべての問題について,国際電気標準会議(IEC)と緊密に協力して いる。 国際規格は,ISO/IEC 専門業務用指針第 2 部に規定されている規則に従って起草される。 専門委員会の主な業務は,国際規格を作成することである。専門委員会が採択した国際規格案は.投票のため各会 員団体に回付される。国際規格として発行されるためには,投票する会員団体の最低 75%の賛成票が必要となる。 他の状況で,特にそのような文書に切迫した市場の要求があるとき,専門委員会は他の種類の文書を発行すること を決めてもよい: -ISO 公開仕様書(ISO/PAS)は,ISO の作業グループ内の技術専門家間の合意を表し,投票する親委員会の会員の 50%を超える会員がそれを承認する場合.出版が容認される; -ISO 技術仕様書(ISO/TS)は,専門委員会の会員間の合意を表し,投票する委員会の会員の 2/3 がそれを承認する 場合,出版が容認される. ISO/PAS 又は ISO/TS は 3 年後に,更に 3 年間存続するための確認を行うか,改正して国際規格にするか,又は廃止 するかどうかを決定するために見直しを行う。ISO/PAS 又は ISO/TS を確認した場合,確認の 3 年後に再び見直 され,その時点で国際規格にするか又は廃止しなければならない。 この文書の一部の要素は,特許権の対象となる可能性があることに注意が必要である。ISO では,このような特許 権の一部又は全部を特定する責任を負うものではない。 ISO/TS22002-1 は,専門委員会 ISO/TC34,食品の,分科会 SC17,食品安全のためのマネジメンムシステムが作成し た。 ISO/TS22002 は,一般的なタイトルを食品安全に関する前提条件プログラムとし,次のパートで構成される: -パート1:食品製造 この技術仕様書は,BS PAS 220:2008[5]に基づいている. あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 4 序文 ISO22000:2005 は,フードチェーン内の組織に対する,特定の食品の安全性に関する要求事項を示している。ひと つの要求事項は,組織が食品安全ハザード(ISO22000:2005,第 7 節)を管理する際に助けとなる前提条件プログラ ム(PRP)を確立し,実施し,維持することである。この技術仕様書は ISO22000:2005 で規定されている要求事項を 満たすように設計されたマネジメントシステムを支援するのに用いられることを目的として,それらのプログラ ムの詳細な要求事項を示す。 この技術仕様書はISO22000:2005で与えられる要求事項と重複するものではなく,ISO22000:2005と共に使用さ れることを目的としている。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 5 食品安全のための前提条件プログラム- パート 1:食品製造 警告-この技術仕様書の本文は,その箇条の実施が,適切な資格及び経験がある人々に委ねられることを想定し,そ れらの人々の用に供するために作成された。 この技術仕様書は,ひとつの契約のすべての必要な規定を含めることを意図していない。利用者は,その正しい適 用に対して責任がある。この技術仕様書の順守は,法的義務から免責されることを与えるものではない。 1 適用範囲 この技術仕様書は,食品安全ハザードの管理を支える前提条件プログラム(PRP)を確立し,実施し,維持するための 要求事項を規定する。 この技術仕様書は,規模,又は複雑さに関係なく,フードチェーンの製造段階に含まれ,ISO22000:2005 の箇条 7 に 規定された要求事項に示されたような PRP を実施しようとする,すべての組織に適用される。 この技術仕様書は,食品サプライチェーン以外の部分で使用するために設計されたものではなく,その意図もない。 食品製造の作業は、本質的に多様であり,この技術仕様書に規定する要求事項のすべてが個々の施設,又はプロセ スにあてはまるわけではない。 除外が行われたり,又は代替方法が実施されたりする場合は,これらは ISO22000:2005,7.4 項に定めるハザード分 析によって正当化され,及び文書化される必要がある。いかなる除外,又は代替方法の容認も,これらの要求事項を 満たす組織の能力に影響を及ぼすべきではない。そのような除外の例は.以下に挙げる 1)~5)の製造作業に対応す る追加的な側面を含む。 この技術仕様書は,特に ISO22000:2005,7.2.3 に関して考慮される要求事項の詳細を特定する: a) 建物及び関連設備の構造と配置; b) 作業空間及び従業員施設を含む構内の配置; c) 空気,水,エネルギー及び他のユーティリティの供給源; d) 廃棄物及び排水処理を含めた支援業務; e) 装置の適切性,並びに清掃・洗浄,保守及び予防保全のしやすさ; f) 購入した資材の管理; g) 交差汚染の予防手段; h) 清掃・洗浄及び殺菌・消毒; i) 有害生物[そ(鼠)族,昆虫等]の防除; j) 要員の衛生。 さらに,この技術仕様書は製造作業に関連すると考えられるその他の側面を加えている: 1) 手直し 2) 製品リコール手順; 3) 倉庫保管; 4) 製品情報及び消費者の認識; 5) 食品防衛バイオビジランス及びバイオテロリズム 注記 悪意のある汚染に対する予防手段は,この技術仕様書の範囲外である。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 6 2 引用規格 次に掲げる引用文書は,この規格の適用にとって不可欠のものである。発行年の付いた規格については,記載の版 だけを適用する。発行年のない規格については,引用規格の最新版(修正票があればそれを含む。) を適用する。 ISO22000:2005,食品安全マネジメントシステムーフードチェーンのあらゆる組織に対する要求事項 3 用語及び定義 この規格の目的のため,ISO22000:2005 に規定されている用語及び定義,並びに次に示す定義を適用する。 3.1 contamination(汚染) <食品安全>食品中,又は食品環境に,混入,又は発生する汚染物質(3.2) 注記 CAC/RCP 1:2003(1),2.3.を採用 3.2 contaminant(汚染物質) <食品安全>食品安全,又は適切性を危うくするかもしれない,意図せず食品に加えられた,あらゆる生物的,又は 化学的な物質,異物,又は他の物質。 【CAC/RCP 1:2003(1),2.3 3.3 establishment(施設) <食品安全>同一のマネジメントの下にある,食品が取り扱われる,及び取り巻く,あらゆる建物及び区域 【CAC/RCP 1:2003(1),2.3】 3.4 materials(材料) <食品安全>原料,包装資材,材料,加工助剤,清掃・洗浄剤及び潤滑油を示す一般用語 3.5 cleaning(清掃・洗浄) <食品安全>土,食品残さ,汚れ,グリース,又は他の好ましくない物質の除去 注記 CAC/RCP 1:2003(1),2.3.を採用 3.6 product contact(製品接触) 正常な作業の間に,製品,又は一次包装に接触するすべての表面 3.7 material specification; product specification(製品仕様書) <食品安全>許容,又は品質について,規定されたレベルを達成するために要求された許容変動及び耐容限度を含 む,詳細に文書化されたパラメータの記述,又は数値 3.8 food grade(食品用グレード) 意図せず潤滑油と食品が接触した場合でも食品製造に適切に使用できる処方の潤滑油及び熱媒体 3.9 disinfection(消毒) <食品安全>環境中の微生物数を,食品安全,又は適切性を損なわないレベルにする,化学物質,及び/又は物理的 方法による低減 注記 CAC/RCP 1:2003(1),2.3、を採用 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 7 3.10 cleaning in place(定置洗浄) (CIP) 装置内,又はシステムを分解しないで,強力な.又は還流によって化学物質,清掃・洗浄剤,及び水すすぎができること を目的に設計された装置の清掃・洗浄(3.5) [ISO14159:2002(2),3.3] 訳注 ISO/TC199(Safety of machine) 作成。機械の安全性-機械設計の衡生要求事項:対訳あり 3.11 cleaning out of place(分解洗浄) (COP) 装置を分解し,タンク内,又は自動洗浄機内で,清掃・洗浄液の還流及びその環流サイクルの最低温度を保つことに より清浄化するシステム 3.12 sanitizing(殺菌・消毒) <食品安全>殺菌・消毒を伴う清掃・洗浄プロセス 3.13 sanitation(サニテーション) 特定の装置の清掃・洗浄及び/又は殺菌・消毒から,施設(建物,構造,及び敷地の清掃・洗浄活動を含む)の定期的な 清掃・洗浄活動までの,施設の清掃・洗浄,又は衛生状態を維持するためのすべての活動。 3.14 certificate of analysis(分析の証明書) (COA) <食品安全>試験方法,供給者の製品ロットを含む,特定の試験,又は分析結果を示す,供給者による文書 3.15 zoning(ゾーニング) <食品安全>施設内の区域で,潜在的な微生物の交差汚染を最小化するため,特定の作業,衛生,又は他の規範が適 用される場所の区分 注記 含まれる規範の例:入・退出時の更衣,陽圧,変更された動線パターン。 3.16 label(表示) <食品安全>包装内の内容量,食品原材料及びあらゆる保存並びに調製時の要求事項についての特定の情報を伝 達する最終製品の包装の一部を成す印刷物 例:次の用語を含むが,限定されない。 a) 包装そのもの,包装に添付する印刷物,又は表示の上に貼るステッカー。 b) 複数個包装で内部の個々の製品に貼る表示,及び外包装の外側にまとめて貼る表示。 3.17 product recall(製品リコール) 特定の製品規格に適合していない理由による,市場,取引,及び倉庫,配送センター及び又は消費者の保管庫からの 不適合製品の除去 3.18 first expired first out(賞味期限日付順先出し) (FEFO) 早い賞味期限のものから処理を行うことを原則とする在庫管理 3.19 first in first out(先入れ先出し) (FIFO) <食品安全>先に受け入れたものから処理を行うことを原則とする在庫管理 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 8 4 建物の構造と配置 4.1 一般要求事項 建物は,実際の加工作業上の特性,それらの作業と結び付いた食品安全ハザード及び工場(プラント)の環境からの 潜在的な汚染源に相応しく,設計され,建設され,保守されなければならない。建物は,製品にハザードを与えない耐 久性のある構造でなければならない。 注記 「耐久性のある構造」の例は,漏れのない,自動的な排水(樋)屋根である。 4.2 環境 局所的な環境による潜在的な汚染源は考慮されなければならない。 食品製造は,潜在的に危険物質が製品に入らない区域で行わなければならない。 潜在的汚染物質から保護するためにとられる手段の有効性は,定期的に見直さなければならない。 4.3 施設の所在地 敷地の境界は明らかに特定できなければならない。 敷地へのアクセスは管理されなければならない。 敷地はよい状態に維持されなければならない。植栽は手入れをするか,撤去されなければならない。道,構内及び 駐車場は,水溜りを防ぐために水抜きされ,保守されなければならない。 5 施設及び作業区域の配置 5.1 一般要求事項 内部の配置は,良好な衛生状態及び製造規範を促進するために設計され,建設され,そして維持されなければならな い。材料,製品,人の動線及び装置の配置は,潜在的汚染源から保護するように設計されていなけれぱならない。 5.2 内部の設計,配置及び動線 建物は,材料,製品及び要員の合理的な流れ,並びに加工区域から原料の物理的な隔離を伴う,十分な空間を提供し なければならない。 注記 物理的な隔離の例には,壁,柵,若しくは仕切り壁,又はリスクを最小にするための十分な距離を含む。 材料の搬送のための開放は,異物と有害生物の侵入を最小限にするように設計されなけれぱならない。 5.3 内部構造及び備品 加工区域の壁及び床は,加工,若しくは製品ハザードに適するように洗浄可能であるか,又は清掃・洗浄が可能でな ければならない。構造物の材料は,使用する清掃・洗浄システムに耐えるものでなければならない。 壁と床の接合部及び隅(角)は,清掃・洗浄が容易にできるように設計されていなければならない。 加工区域では,壁と床の接合部に丸みがあることが推奨される。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 9 床は,水溜りを避けるように設計されなければならない。 ウェットな加工区域では,床面は漏れ止めされ,及び排水できなければならない。排水はトラップされ及び覆われ なければならない。 天井と頭上の設備は,埃及び結露の蓄積を最小にするように設計されなければならない。 外部に開く窓,屋根の換気孔又は換気扇がある場合は,捕虫網がなければならない。 外部に開く扉は,使用しないときには閉めるか,又は仕切られていなければならない。 5.4 装置の配置 装置は,適正衛生規範及びモニタリングが容易にできるように設計され配置されなければならない。 装置は,作業,清掃・洗浄及び保守しやすいように配置されなければならない。 5.5 試験室 インライン及びオンラインの試験設備は,製品汚染のリスクを最小にするために管理されなければならない。 細菌試験室は,人,設備及び製品からの汚染を防止するように設計され,配置され,運営されなければならない。 細菌試験室は直接,製造区域に通じていてはならない。 5.6 一時的移動可能な設備及びベンディングマシン 一時的な構造物は,有害生物の棲みか及び製品の潜在的汚染を避けるように,設計され,配置され,建設されなけれ ばならない。 一時的な構造物及びベンディングマシンに関連する追加的なハザードは,評価されて管理されなければならない。 5.7 食品,包装資材,材料及び非食用化学物質の保管 材料,包装資材及び製品を保管する設備は,埃,結露,排水,廃棄物及び他の汚染源からの保護を提供しなければなら ない。 保管区域は,乾燥し,換気がよくなければならない。特定される場所では,温度及び湿度のモニタリング及び管理が 行われなければならない。 保管区域は,原料,中間製品及び最終製品を隔離できるように,設計,又は配置されなければならない。 すべての材料と製品は,床から離してさらに検査及び有害生物[そ(鼠)族昆虫等]の防除活動を実施するのに十分な 材料及び壁の隙間を確保して,保管されなければならない。 保管区域は,汚染を防ぎ及び劣化を最低限にする保守と清掃・洗浄ができるように設計されなければならない。 清掃・洗浄剤,化学薬剤及び他の危険物質に対して,別の安全な(鍵が掛かるか,さもなければアクセスが管理されて いる)保管区域が提供されなければならない。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 10 6 ユーティリティ -空気,水,エネルギー 6.1 一般要求事項 加工及び保管区域周辺へのユーティリティの備蓄及び供給ルートは,製品汚染のリスクを最小にするように設計 されなければならない。ユーティリティの質は,製品汚染のリスクを最小にするために監視されなければならない。 6.2 水の供給 飲用に適する水は,製造工程の需要を満たすように十分でなければならない。水の備蓄,供給,及び必要であれば温 度調節のための設備は,特定された水質条件を満たすように設計されなければならない。 氷,又は蒸気(厨房の蒸気を含む)を含む,製品の材料として使用される水,又は製品,又は製品面と接触して使われる 水は製品に関連して特定の品質及び微生物学的な要求事項を満たさなければならない。 清掃・洗浄用水,又は間接的な製品接触(例えばジャケット付き容器,熱交換器)のリスクがある場合に適用する水は, 特定の品質及び適用に関連する微生物学的な要求事項を満たさなければならない。 給水が塩素で処理される場合は,使用の時点で残留塩素レベルが関連する仕様書の基準内であることを確実にす るために,点検しなければならない。 飲用不適の水は表示され,飲用水の供給システムに結合されない独立の供給システムをもたなければならない。 飲用不適の水が飲用水の供給システムに逆流しないよう措置しなければならない。 製品と接触する水は,消毒できるパイプを経由して送水することが望ましい。 6.3 ボイラー用化学薬剤 使用する場合は,ボイラー用化学薬剤は以下のいずれかでなければならない: a)関連する付加的な仕様を満たす,許可された食品添加物; b)人問の消費を目的とする水で使用するために安全であると,関連する規制当局が許可した添加物。 ボイラー用化学薬剤は,直ちに使用するとき以外.別の安全な(鍵が掛かるか,アクセスが管理された)区域に保管さ れなければならない。 6.4 空気の質及び換気 組織は,材料,又は製品に直接接触して使用される空気の,濾過,湿度(RH%)及び微生物学の要求事項を確立しなけ ればならない。温度及び/又は湿度が.組織によって重要であると考えられる場合は,管理システムが実施され,さ らに監視されなければならない。 換気(自然な,又は機械的な)は,過剰な,又は不要な蒸気,埃及びにおいを取り除き,並びに湿式洗浄後の乾燥を促すよ うに提供されなければならない。 室内空気供給の質は,空中微生物からの汚染のリスクを最小にするために,管理されなければならない。空気の質 のモニタリング及び管理のための手順が,微生物の発育,又は生残しやすい製品が曝露される区域において確立さ れなければならない。 換気システムは,空気が汚染されたり,又は原材料区域から清浄区域に流れたりしないように,設計され,構築され なければならない。特定の空気圧差は維持されなければならない。清掃・洗浄,フィルター交換及びアクセスし易 いシステムでなければならない。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 11 外気の取り込み口は,物理的な完全性を定期的に調べなければならない。 6.5 圧縮空気及び他のガス類 製造に用いる,又は充てんされる,圧縮空気,二酸化炭素,窒素及び他のガス類のシステムは,汚染を防止するように 造られ,及び保守されなければならない。 直接,又は偶発的に製品に接触するガス類(搬送,送風,又は材料,製品,又は装置の乾燥に用いることを含む)は,食品 に接触する使用が許可され,埃,油及び水が取り除かれている供給源でなければならない。 コンプレッサーに油が使用され,そのコンプレッサーからの空気が直接製品に接触する潜在的な可能性のある場 合は,使用する油は食品用グレードでなければならない。 油のない圧縮器の使用が推奨される。 濾過,湿度(RH%)及び微生物学的要件は特定されなければならない。 空気の濾過は,実際に使用するポイントに近いところで行なうことが望ましい。 6.6 照明 照明(自然光又は人工照明)は要員が衛生的に作業することを提供しなければならない。 照明の明るさは,作業の性質に相応しいものであることが望ましい。 照明設備は破損の際に,材料,製品,又は装置を汚染しないことを確実にするため,保護されていなければならない。 7 廃棄物処理 7.1 一般要求事項 システムは,廃棄物が,製品,又は製造区域の汚染を予防する方法で,識別され,集められ.除去され,そして処分される ことを確実に実施できるようにしておかなければならない。 7.2 廃棄物及び食用に適さない,又は危険な物質の容器 廃棄物及び食用に適さない,又は危険な物質の容器は次のようでなければならない。 a)意図した目的に従い明確に識別されている; b)指定された区域内に配置されている; c)容易に清浄化及び衛生化できる不浸透性の材質で作られている; d)直ちに使用しない場合は密閉されている; e)廃棄物が製品に対しリスクとなる可能性のある場合は施錠されている。 7.3 廃棄物管理及び撤去 廃棄物の隔離,保管及び撤去について,対策を講じなければならない。 廃棄物の堆積が食品を取り扱う区域,又は保管区域で容認されてはならない。撤去頻度は,堆積を防ぐため,最小限 毎日管理されなければならない。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 12 廃棄することを表示した原材料,製品又は印刷済み容器包装は,変形させるか,又は商標の再利用ができないことを 確実にするために破壊されなければならない。抹消と破壊は,承認された処分の契約者によって行われなければな らない。組織は破壊の記録を保持しなければならない。 7.4 排水管及び排水 排水管は材料,又は製品の汚染のリスクが避けられるように.設計され,造られ,配置されなければならない。 排水管には,予測される流量を処理できる十分な能力がなければならない。排水管は,加工ラインの上を通過して はならない。 排水方向は,汚染区域から清浄区域に流れてはならない。 8 装置の適切性,清掃・洗浄及び保守 8.1 一般要求事項 食品に接触する装置は,清掃・洗浄,消毒及び保守が容易にできるように設計され,造られなければならない。 接触面は,意図した製品,又は清掃・洗浄システムに,影響を及ぼさないか,又は影響を受けてはならない。 食品に接触する装置は,繰り返される清掃・洗浄に耐えることのできる耐久性のある材質の構造でなければならな い。 8.2 衛生的な設計 装置は,次を含む衛生的な設計の原則に適合しなければならない, a)滑らかで,アクセスし易く,清掃・洗浄が可能な表面で,ウェットな加工区域では自然に流れる; b)意図した製品並びに清掃・洗浄,又は流路の洗浄剤(flushing agent)と両立する材料を使用する; c)穴,又はナット及びボルトによって貫通していない骨組みである。 配管(パイフ吸びダクト)は,清掃・洗浄が可能で,排水でき,かつ盲管はあってはならない。 装置の操作者の手と製品との接触を最小にするように設計されなければならない。 8.3 製品接触面 製品接触表面は,食品に使用するために設計された材質で造られていなければならない。それらは,不浸透性で,錆, 又は腐食しないものでなければならない。 8.4 温度管理及びモニタリング装置 加熱工程に使用する装置は,関連する製品の仕様で示される温度勾配及び保持条件に適していなければならない。 装置は,モニタリング及び温度の管理を提供しなければならない。 8.5 清掃・洗浄プラント,器具及び装置 ウェット及びドライの清掃・洗浄プログラムは,すべての機械装置,器具及び装置が定められた頻度で清浄化を確 実にするため文書化されなければならない。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 13 プログラムは,何が清浄化されるのか(排水管を含む),責任,その清掃・洗浄方法(例えば,CIPICOP),許可された清 掃・洗浄用の道具の使用,除去,又は分解条件及び清掃・洗浄の有効性の検証方法を規定しなければならない。 8.6 予防及び是正保守 予防保守プログラムを実施しなければならない。 予防保守プログラムは,食品安全ハザードの監視及び収は管理に用いるすべての機器を含ま欺ければならない。 注記 そのような機器の例には,スクリーンメッシュ及びフィルター(空気用フィルターを含む),マグネット,金属 探知機及び×線検知器を含む。 是正保守は,製造に隣接するライン,又は装置が汚染のリスクとならないよう行わなければならない。 製品の安全性にかかわる保守要求を優先させなければならない。 一時的に取り付けられたものは,製品の安全性にリスクを与えてはならない。恒久的な修繕による置換えの要求は, 保守スケジュールに含めておかなければならない。 潤滑油及び熱媒体は,製品と直接,又は間接的に接触するリスクがある場合,食品用グレードでなければならない。 保守された装置を製造に戻す手順は,クリーンアッブ殺菌・消毒,特定された場合は殺菌手順,及び使用前点検を含 まなければならない。 特定区域の PRP 要求事項には,加工区域の保守区域及び保守活動を適用しなければならない。保守要員は,彼らの 活動に付随する製品のハザードについて訓練されていなければならない。 9 購入材料の管理(マネジメント) 9.1 一般要求事項 食品の安全に影響を与える材料の購入は,供給者が特定された要求を満たす能力をもち,確実にするように,管理さ れていなければならない。特定された購入要件の仕様に,入荷する材料が適合していることが検証されなければな らない。 9.2 供給者の選定及び管理 供給者の選定,許可及びモニタリングのプロセスを決めなければならない。使用されたプロセスは,最終製品に対 する潜在的なリスク,及び次の事項を含めて,ハザード評価により正当化されなければならない。 a)供給者の能力が,品質及び食品安全への期待値.要求事項及び仕様に適うことの評価 b)どのように供給者が評価されたかに関する記述 注記 供給者がどのように評価されるかという記述の例は以下を含む: 1)製造用材料の受け入れに先立つ,供給者側の監査 2)適切な第三者証明 c)引き続き承認できる状態であることを保証する,供給者のパフォーマンスのモニタリング 注記 モニタリングには,材料,又は製品仕様への適合,COA 要件への適合,十分な監査結果を含む。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 14 9.3 受入れ材料の要求事項(原料/材料/包装資材) 配送車両は,荷降ろしに先立って,及び荷降ろしの問,材料の品質及び安全性が輸送の間に維持されていたことを検 証するために,確認されなければならない(例えば,シールが無傷であること,虫が集っていないこと,温度記録があ ること)。 材料は受理.又は使用の前に,特定された要求事項で適合性を検証するために,検査.試験されるか,又は COA によっ て担保されなければならない。検証の方法は文書化されなければならない。 注記 検査の頻度と範囲は,材料に存在するハザード及び特定の供給者のリスク評価に基づくだろう。 関連する仕様書に適合しない材料は,それらが予想外に使用されることを防ぐことを確実にする,文書化された手 順の下で取り扱われなければならない。 バルク材料の受入れラインヘの搬入口は,識別され.蓋がされ,かつ施錠されなければならない。そのようなシステ ムヘの荷揚げは,受入れ材料の承認及び検証の後にのみ実施しなければならない。 10 交差汚染の予防手段 10.1 一般要求事項 プログラムは,汚染を防止,管理,及び検知するために行わなければならない。物理的,アレルゲン及び微生物学的汚 染を防止するための手段が含まれなければならない。 10.2 微生物学的交差汚染 潜在的に微生物学的な交差汚染が存在する区域(空気由来,又は動線から〉は識別され,及び分離する(ゾーニング) 計画が実施されなければならない。ハザード評価は,潜在的な汚染源,製品の感受性,及び以下の区域に適切な管理 手段を決定するために,実施されなければならない。 a)原料の,最終製品,又はそのまま食べられる製品からの分離; b)構造的分離一物理的な障壁,壁建物の分離; c)必要な作業着への交換を要求する入場の管理; d)動線又は装置の分離一人々,材料,装置及び器具(専用のッールの使用を含む); e)空気差圧 10.3 アレルゲンの管理 製品に存在するアレルゲンは,設計による,又は製造時の交差接触による場合のどちらも,明示されなければならな い。明示は.消費者向け製品の表示,及びさらに加工される製品の表示,又は添付文書になければならない。 製品は,清掃・洗浄及びラインの交代手順,及四又は製造順序による意図せぬ交差接触から保護されなければ ならない。 注記 製造による交差接触は,次のいずれでも生じる。 1)技術的な限界のために製品ラインから十分に清掃・洗浄できない以前の製造分の製品の痕跡があるとき。 2)正常な製造工程において,別のライン,又は同じか隣接する加工区域で製造された製品,又は材料の接触が 起こりそうなとき。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 15 アレルゲンを含む手直しは,次の場合にのみ行われる: a)設計上同じアレルゲンを含む製品; b)アレルギーを引き起こす材料を除去するか,又は破壊することが実証される工程を通過する。 注記 一般的な手直しのための要求事項は箇条 14 を参照のこと。 食品を取扱う従業員は,アレルゲンの認識及び製造手順に関する特定の訓練を受けることが望ましい。 10.4 物理的汚染 壊れやすい材料が使われる場合は,定期点検に係る要求事項及び,破損した場合の明確な手順を定めなければなら ない。 ガラス及び硬質プラスチック部品のような破損しやすい装置の材料は,可能であれば避けることが望ましい。 ガラス破損の記録は維持されなければならない。 ハザード評価に基づいて,手段は,潜在的汚染を防止するか,管理するか,又は検知するために実施されなければな らない。 注記 1 そのような手段の例には次を含む: a)暴露された材料,又は製品のため,装置,又はコンテナ上の覆い; b)スクリーンメッシュ,マグネット,節,又はフィルターの使用; c)金属探知機,又は X 線のような検知器,又は排除装置の使用。 注記 2 潜在的汚染源には,木製のパレット及び道具,ゴム・シール,要員の防護服及び装置を含む。 11 清掃・洗浄及び殺菌・消毒 11.1 一般要求事項 清掃・洗浄及び殺菌・消毒プログラムは,食品加工装置及び環境が,衛生的な状態に維持されることを確実にしな ければならない。プログラムは,継続的に適合性及び有効性が監視されなければならない。 11.2 清掃・洗浄及び殺菌・消毒用のための薬剤及び道具 施設及び装置は,ウェット.又はドライの清掃・洗浄及び/又はサニテーションを容易にする条件で維持されなけ ればならない。 清掃・洗浄及び殺菌・消毒用材及び化学薬剤は,明確に識別され,食品用グレードであり,隔離して保管され,メーカ ーの指示にのみ従った使い方で使用されなければならない。 道具及び装置は,衛生的な設計であり,外部からの物質の潜在的な源の存在しない状態に維持されなければならな い。 11.3 清掃・洗浄及び殺菌・消毒プログラム 清掃・洗浄及び殺菌・消毒プログラムは,施設及び装置のすべての部分について,清掃・洗浄装置の清掃・洗浄を 含め,決められたスケジュールで清掃・洗浄及び/又は殺菌・消毒されることを確実にするよう,組織により,構築 され,及び妥当性が確認されなければならない。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 16 清掃・洗浄及び/又は殺菌・消毒プログラムは,少なくとも次のことを規定しなければならない: a)清掃・洗浄及び/又は殺菌・消毒される区域・装置及び用具名 b)指定された仕事に関する責任 c)清掃・洗浄/殺菌・消毒の方法及び頻度 d)モニタリング及び検証手順 e)清掃・洗浄後の点検 f)開始前の点検 11.4 CIP システム CIP システムは,稼働中の製造ラインから分離されなければならない。 CIP システムのためのパラメータは,特定され監視されなければならない(使用するあらゆる化学物質の種類,濃度, 接触時間及び温度) 11.5 サニテーションの有効性のモニタリング 清掃・洗浄及びサニテーションプログラムは,それらの継続的な適合性及び有効性を確実にするために,組織によ って特定された頻度でモニターされなければならない。 12 有害生物[そ(鼠)族,昆虫等]の防除 12.1 一般要求事項 衛生,清掃・洗浄,受入れ材料の検査及びモニタリング手順は,環境が有害生物の活動を誘引しないことを確実にす るため,実施されなければならない。 12.2 有害生物の防除プログラム 施設には,有害生物の防除活動を管理.及び/又は契約専門家に対応する者を指名しなければならない。 有害生物の防除管理プログラムは標的となる有害生物の特定,実施計画実施方法,スケジュール,管理手順及び必要 な場合の要求事項の訓練を文書化しなければならない。 プログラムには,施設の指定された区域で使用するために,承認された化学薬剤のリストを含まなければならない。 12.3 アクセス(侵入)の予防 建物は,手入れがよく行き届いていなければならない。穴,排水管及び他の潜在的な有害生物のアクセスポイント は,塞さがなければならない。 外部の扉,窓,又は換気装置の開口部は,有害生物侵入の可能性を最低限にするよう設計されていなければならない。 12.4 棲みか及び出現 保管の規範は,有害生物に食物と水を与える可能性を最小にするよう設計されなければならない。 被害を受けたことが分かった材料は,他の材料,製品,又は施設の汚染を防止するやり方で,扱われなければならな い。 潜在的な有害生物の棲みか(例えば穴,植栽,保管品)は取り除かれなければならない。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 17 外部空問が保管のために使われる場合は,保管する物は天候,又は有害生物による損害(例えば鳥の糞)から保護さ れなければならない。 12.5 モニタリング及び検知 有害生物の防除のモニタリングプログラムは,有害生物の活動を特定するためにキーとなる場所に,検知器及び捕 獲器を置くことを含まなければならない。検知器と捕獲器の配置図は維持されなければならない。検知器と捕獲 器は,材料,製品,又は施設の潜在的汚染を防止するために設計され,配置されなければならない。 検知器及び捕獲器は,丈夫で,いたずらに耐える構造でなければならない。それらは標的有害生物に適切なもので なければならない。 検知器及び捕獲器は,新たな有害生物の活動を確認することを目的とする頻度で点検されなければならない。点検 の結果は,傾向を確認するために分析されなければならない。 12.6 駆除 駆除手段は,出現の証拠の報告があった場合,直ちに実施しなければならない。 殺そ・殺虫剤の使用及び適用は,訓練された熟練者に制限され,及び製品安全ハザードを避けるように管理されな ければならない。 殺そ・殺虫剤使用の記録は,使用した種類,量及び使用濃度を示すために,維持されなければならない(どこで,いつ, どのように適用されたか,及び対象有害生物)。 13 要員の衛生及び従業員のための施設 13.1 一般要求事項 加工区域,又は製品にもたらされるハザードに関連する,人の衛生及び行動に対する要求事項は,確立され,文書化 されなければならない。すべての要員,訪問客及び契約者は,文書化された要求事項に従うことを求められなけれ ばならない。 13.2 要員の衛生の設備及び便所 要員のための衛生施設は,組織によって必要とされる個人衛生の程度が維持されることができることを確実とす るために,利用できなければならない。施設は,衛生要求事項が適用する箇所に配置され,かつ,明示されなければな らない。 施設は,以下でなければならない: a)十分な数,配置及び衛生的に洗い,乾燥させ及び,必要な場合,手を殺菌・洗浄(洗面器温水及び冷水,又は温度管理さ れた水,及び石鹸及切又は殺菌剤の供給を含む)する手段を提供する; b)食品用及び装置の清掃・洗浄場所とは別の,手動ではない手洗い用のシンクをもっている; c)手洗い,乾燥,及び必要に応じて殺菌・消毒設備がある,十分な数の適切な,衛生的設計の,トイレを提供する; d)直接製造,包装,又は保管区域に通じていない従業員衛生施設をもっている; e)要員のための十分な更衣室をもっている; f)更衣室は食品を取り扱う要員が,彼らの仕事着の清浄度のリスクが最小になるような方法で製造区域に移動する ことができる場所である。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 18 13.3 社員食堂及び飲食場所の指定 社員食堂及び食品を保管したり,食べたりする指定された区域は,製造区域との潜在的な交差汚染を最小となるよ う配置されなければならない。 社員食堂は,材料及び調製されたものの衛生的な保管,調理済みの食品の保管及び提供を確実にするために管理さ れなければならない。保管条件並びに,保管,調理及び保持の温度,及び時間制限は,特定されなければならない。 従業員自身の飲食物は,指定された区域だけでのみ保管され,消費されなければならない。 13.4 作業着及び保護着 場内で働く,又は場内に入る要員は,むき出しの製品及び又は材料が取り扱われる区域の場合は,目的に適った.清 潔でよい状態(例えば,ほころび,裂け目,又はすり減った材料でないこと)の作業着を着用しければならない。 食品保護,又は衛生目的用に指定されている作業着は他のどの目的のためにも使われてはならない。 作業着は,ボタンが付いていてはならない。作業着は,ウエスト・レベルより上に外付けのポケットが付いていて はならない。ファスナー,又はホック留め具は容認できる。 作業着は,基準に達するように,及び衣服の意図した使用に適うように定期的に,洗濯されなければならない。 作業着は,毛髪,汗などで,製品を汚染しないことを確実にするため,適切に被覆できなければならない。 毛髪,あごひげ及び口ひげは,ハザード分析が別途禁止を指示しない限り,保護されなければならない(すなわち,完 全に囲う)。 手袋が製品接触のために使われる場合は,手袋は清潔で,よい状態でなければならない。可能ならば,ラテックス手 袋の使用は避けることが望ましい。 加工区域で用いる靴は,完全に覆われ非浸透性の材料から作られていなければならない。 個人用の保護装置は,必要とされる場合,製品の汚染を防止するように設計され,衛生的な状態を保守されなければ ならない。 13.5 健康状態 文書化されたハザード,又は医学的評価が別途示されない限り,作業に対する国の法的制限のある従業員は,食品に 触れる作業(ケータリング現場を含む)における雇用に先だって健康診断を受けなければならない。 更なる健康診断が許される場合は,組織によって決められた間隔で実施されなければならない。 13.6 疾病及び傷害 法律によって許される場合,従業員は,食品を取り扱う区域から可能な限り排除することを管理するために以下の 状況を報告しなければならない:黄疸,下痢,嘔吐,発熱,発熱のある咽喉痛,目に見える感染性皮膚障害(吹出 物,傷,又はただれ)及び耳,目,又は鼻からの分泌物。 食品を通じて感染,又はその保菌者で,病気か病気をうつすことが分かっている,又は予想される人々は,食品,又は 食品に接触する食品材料の取り扱いから,避けられなければならない。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 19 食品取り扱い区域では,傷,又は火傷のある要員は,それを定められた絆創膏で覆うことが要求されなければならな い。絆創膏のあらゆる紛失は.直ちに監督者に報告されなければならない。 注記 絆創膏は鮮明に色分けし,必要に応じて金属検知できることが望ましい。 13.7 人の清潔度 食品製造区域の要員は,手を洗い,及び要求される場合は,手を殺菌・消毒することが要求されなければならない: a)あらゆる食品を取り扱う活動を始める前; b)トイレを使うか,又は鼻をかんだ直後; c)あらゆる潜在的に汚染された材料を取り扱った直後。 要員は,材料,又は製品上で,くしゃみ,又は咳を控えることを要求されなければならない。つばを吐くことは禁止さ れなければならない。 指の爪は清潔で,整っていることが守られなければならない。 13.8 人の行動 文書化された方針は,加工,包装及び保管区域で要員に求められる行動を記述しなければならない。方針は少なく とも以下を網羅しなければならない: a)指定された区域でのみ喫煙,食べること,チューインガムを噛むことの許可; b)加工及び保管区域の要員が身に付ける,宗教的,民族的,医学的及び文化的に避けられないような,許可された装身 具によるハザードを最少にするための管理手段; c)指定された区域だけにおける喫煙用品と薬のような身の回り品の許容; d)マニキュア,つけ爪及びつけまつげ使用の禁止; e)耳の後ろに筆記用具をはさむことの禁止; f)着衣がゴミ及び汚れから守れるようにするための個人ロッカーの保守; g)製品に接触する道具及び装置を個人ロッカーに保管することの禁止。 14 手直し 14.1 一般要求事項 手直し品は,製品の安全性,品質.トレーサビリティ及び法令順守が維持される方法で保管され,取り扱われ及び使 用されなければならない。 14.2 保管,識別及びトレーサビリティ 保管された手直し品は,微生物的,化学的,又は異物汚染に曝されないように保護されなければならない。 手直し品(例えばアレルゲン)のための隔離要件は文書化され,かつ満たされなければならない。 手直し品は,明確に識別され,及困又はトレーサビリティができるように表示されなければならない。手直し品の ためのトレーサビリティの記録は維持されなければならない。 手直し品の分類,又は手直しを指示した理由は記録されなければならない(例えば製品の名称,製造日,シフト,原因 となったライン,シェルフライフ)。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 20 14.3 手直し(品)の使用 手直し品が"加工過程の"ステップとして製品に取り込まれる場合,許容できる量,タイフ及び手直し品使用の条件 は特定されなければならない。工程のステップ及び追加方法は,あらゆる必要な前処理加工段階を含めて,明確に しなければならない。 手直し活動が,充填された,又はラップされた包装から製品を取り出すことを含む場合は,包装資材の除去及び隔離 を確実にし,及び異物による製品の汚染を防止するように管理しなければならない。 15 製品のリコール手順 15.1 一般要求事項 システムは,サプライチェーンのすべての必要なポイントから,食品安全基準の要求を満たすことに失敗した製品 を識別し,場所を突き止め,及び取り除くことを確実に行えるようにしなければならない。 15.2 製品のリコール要求事項 リコール発生の際の,鍵となる接触先のリストは維持されなければならない。 製品が直接的な健康ハザードのために回収される場合,同じ条件の下で生産される他の製品の安全性が評価され なければならない。警告を公表する必要性は,考慮されなければならない。 16 倉庫保管 16.1 一般要求事項 材料及び製品は,埃,結露,煙,におい,又は他の汚染源から保護されている,清潔で乾燥した換気が良い場所に保管さ れなくてはならない。 16.2 倉庫保管の要求事項 製品,又は倉庫保管の仕様によって要求される場合は保管の温度,湿度及び他の環境条件の効果的な管理が行われ なければならない。 製品が積み重なる場所では,下段を保護するために必要な手段を講じる配慮をすることが推奨される。 廃棄物及び化学薬剤(清掃・洗浄用品,潤滑油及び殺そ・殺虫剤)は別々に保管されなくてはならない。 分別区域,又は不適合として識別された材料を隔離する他の方法が提供されなければならない。 特定の在庫管理システム(FIFO/FEFO)は観察されなければならない。 ガソリン,又はディーゼルで動くフォークリフトトラックは,食品材料,又は製品保管区域で使用してはならない。 16.3 車両,輸送車及びコンテナ 車両,輸送車及びコンテナは,修理され,清掃され,関連する仕様書の要求に一致している状態に維持されていなけ ればならない。 あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT 21 車両,輸送車及びコンテナは製品の損傷,又は汚染防止ができなければならない。温度及び湿度の管理が組織によ って要求される場合は,適用され,記録されなければならない。 同じ車両,輸送車及びコンテナが食品及び非食品製品に使われる場合は,清掃・洗浄は荷物の積載の問に実施しな ければならない。 バルク用コンテナは,食品専用にしなければならない。組織が要求する場合,バルク用コンテナは特定の材料でな ければならない。 17 製品情報及び消費者の認識 情報は,消費者に対して,彼らがその重要性を理解し,及び選択に資することができるような仕方で提供されなけれ ばならない。 情報は,表示,又は他の手段,例えば,会社のウェブサイト及び広告で提供してもよい,及び製品に適用できる保管,調 製及び提供の仕方を含んでもよい。 18 食品防御,バイオビジランス及びバイオテロリズム 18.1 一般要求事項 各施設は,製品に対するサボタージュ,破壊行為,又はテロリズムの潜在的な行為によるハザードを評価し,及び適 切な予防手段を講じなければならない。 18.2 アクセス管理 施設の中の潜在的に注意を要する区域は,識別され,地図にし,及びアクセス管理しなければならない。 実行可能な場合には,アクセスは鍵,電子カード・キー,又は他のシステムの使用によって物理的に制限されること が望ましい。 参考文献 [1]CAC/RCP 1-1969(第 4 版-2003 年),勧告国際衛星取扱規範-食品衛生の一般原則- [2]ISO14159:2002,機械の安全性-機械設計の衛生要求事項- [3]ISO/TS22003,食品安全マネジメントシステム-食品安全マネジメントシステムの審査及び認証を行う機 関に対する要求事項 [4]ISO/TS22004;2005,食品安全マネジメントシステム-ISO22000:2005 の適用の指針 [5]BS RAS 220:2008,食品製造に対する食品安全のための前提条件プログラム あどばる経営研究所/A.V.MANAGEMENT
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