[問題編]の解答例

サマーセミナー(7 月 21 日第1限) 「知ってお得な図形あれこれ」 星城高校 信川正史
[問題編]の解答例
【1】円周角の問題
∠CBA = ∠CAB = (180 ー 48)÷2 = 66° 、 ∠OAB = 90 ー 66 = 24° ∠CBD = ∠CBA + 90° = 156°
【2】方べきの定理。
PT 2=PA×PB=8×14=112 , PT= √ 112=4 √ 7 ,また半径を r とすると
9
OP2 −r2=PT 2 =112 より (7+r)2−r2=112 , したがって r =
2
【3】円周角の定理・方べきの定理など。
(02年センター改題)
(1)BI、AI が角の 2 等分線であるから、
∠IBC=∠IBA、 ∠BAI=∠CAI=
∠CBD (円周角)
したがって ∠BID = ∠IBA + ∠IAB
= ∠IBC + ∠CBD
= ∠IBD
以上から△DBI は 2 等辺三角形で、BD = ID 。
(2)△EBD ∽ △AHI (なぜか分かります?)より
AI : ED = IH : BD = IH : ID
よって
AI・ID = ED・IH = 2R×r = 2rR
(3)方べきの定理より
2
2
AI×ID = R −OI
OI2 = R 2−AI×ID = R 2−2rR
【4】メネラウスの定理
BP BC QA
SP
SP
1
×
×
=1 よって
×3×2=1 ,
=
AS PB CQ
AS
AS
6
よって
△ ASB =
6
6 1
2
△ APB = × △ ABC = △ ABC
7
7 3
7
同様に考えて
△ BCT = △CAU =
2
△ ABC
7
したがって
△STU : △ ABC =
1
△ ABC : △ ABC = 1 : 7
7
【5】距離の平方和に関する定理
(1) 原点を中心とした半径 1 の円がある。周上の
点 A の座標を( 1 , 0 ) とする。円周上に任意の 3
点 B , C , P を置く。
PA 2+PB2 +PC2
の値が、点 P の位置に関係ない定数になるとき、
△ABC はどういう三角形になるのか?
(2) (1)の場合のとき、
PA + PB + PC
の最大値、最小値を求めよ。
(名古屋市立大、一橋大)
(1)距離の平方和の公式で
Q = G とすると
PA 2+PB2 +PC2−3PG 2
=AG 2+BG 2+ CG2
PA 2+PB2 +PC2
=3PG2 + AG 2+ BG2 +CG2
この左辺はPの位置に依存しないので
あるから
PG=一定、 つまり G=O である 。
重心と外心が一致するので
△ ABC は正三角形
である 。
(2)このとき、トレミーの定理より
PA×BC=PB×AC+PC×AB => PA = PB + PC
つまり
PA+PB+PC = 2PA となる。
ここで、点 P が上の弧 BC 上にあっても一般性は失わない。最小値は P=B または C のとき、最大値は
PA が円の直径の時である。
したがって
最小値 2 √ 3
最大値 4
【6】極と極線の関係 数学2の図形の範囲です。
(図1) (図2)
(1)原点が中心、半径1の円の外の点 P( a , b )から接線を引く。その接点を A、B とする。
直線 AB の方程式を求めよ。(図1)
(2)また、P からこの円に割線を引く。(図2)その割線と円との交点を Q , T とし、直線 AB との交点を S
とする。
PQ = r 1 , PT = r 2 , PS = r ならば
1
1
2
+
=
r1
r2
r
が成り立つことを示せ。
(大分医大)
<解答>(1)略
(2)を初等幾何で解こう。
OM⊥QT とすると
PQ +PT
PM =
2
四角形 OHSQ は同一円周上にある
ので
PS×PM = PH×PO
△OAP は直角三角形なので
2
PH×PO = PA
さらに、方べきの定理より
PA
2
= PQ×PT ここで 、
PQ = r 1 , PT = r 2 , PS = r , PM =
r1 +r2
, PS×PM = PQ×PT
2
より
r×
r 1 +r 2
=r 1×r 2 , したがって
2
1
1
2
+
=
r1
r2
r
(終)
【7】やはり極と極線の関係 (数学2の範囲)
(1) 円 x 2 + y 2 =25 へ円外の点P (a , b) から2本の接線を引く。 接点をA ,Bとしたとき 、
直線ABは定点C(1 , 2)を通る。 点Pの軌跡を求めよ。
(2) 線分CPの長さの最小値を求めよ。
(名工大)
<解答例>
(1) AB は ax + by = 25 これが C( 1 , 2 )を通るので、 a + 2b = 25
つまり点 P(a , b)の軌跡は x + 2y = 25
(2) 点 C( 1 , 2 ) と直線 x + 2y = 25 との距離が最小値
CPの最小値 =
∣1+2⋅2−25∣
√1
2
+2
2
=
20
= 4 √5
√5
【8】角の二等分線とメネラウスの定理
△ABC の頂点 A の外角の二等分線と BC との交点を P 。また ∠B 、 ∠C の角の 2 等分線と辺 CA、
BC との交点をそれぞれ Q , R とする。
このとき、3 点 P , Q , R は一直線上にあることを示せ。
<証明>
角の2等分線より
AR
AC
=
,
RB
CB
BP
BA
=
PC
AC
,
CQ
CB
=
QA
BA
AR BP CQ
AC BA CB
×
×
=
×
×
= 1
RB PC QA
CB AC BA
メネラウスの定理より
点P 、Q 、 Rは一直線上に並ぶ。
【9】円周角の定理
円に内接する鋭角三角形 ABC の垂心を H とする。
AH と BC との交点を D , 円との交点を E とする。
このとき
DH = DE
であることを示せ。
(明治大)
△AHF ∽ △BHD より
∠HAF = ∠HBD
円周角定理より
∠EAC = ∠CBE
したがって
∠HBD = ∠EBD
また
BD ⊥ EH
から
△HBD と △EBD は合同
したがって
HD = DE
【10】方べきの定理
2つの円の交点を A ,B とする。また共通接線 m
を引いて、その接点を C , D とする。さらに AB と
CD の交点を M とする。
(1) M は CD の中点であることを示せ。
(2) AB ⊥ CD ならば、2つの円の半径は等し
いことを示せ。
(1) 方べきの定理より
MC2= MA⋅MB = MD2
(岩手大)
したがって MC = MD .(終)
(2) △ACB と △ABD が合同よりそれぞれの外接円
O1 , O2 の半径は等しい。
または、 △CO 1 A ≡△ DO2 A (2 等辺三角形)
であることも分かる。したがって
CO1 = DO 2
【11】数学 B(ベクトル)の範囲。面積を上手に使う。
(京大)
(1) 略
(2) BQ : QC = △ BPA : △CPA = 3×5 : 7×7 = 15 : 49 より
49 ⃗
b+15⃗
c
49 ⃗
15
⃗
⃗
AQ =
=
b +
c
15+49
64
64
(3) AQ : QP = △ ABC : △ PBC = 21 : 35 = 3 : 5
よって
AP
8
8
49 ⃗
5
=
, ⃗
AP= ⃗
AQ=
b + ⃗
c
AQ
3
3
24
8
【12】距離の平方和の公式を上手く使う。
(1) 半径 1 の円に内接する△ABC について
BC = a , CA = b , AB = c
としたとき
S = a2 + b2 + c2
の最大値を求めよ。
(2) S = 8 となる場合はどういう場合か。
(1) PA 2 +PB2 +PC2 −2PG2 =QA 2+QB2 +QC2 −3QG 2 (P , Qは任意の点、 Gは△ ABCの重心)
ここで、 P=A , Q=G とすれば
2
2
2
2
2
AB +AC =4AG + BG +CG
同様に P=B , P=C の場合から
2
2
2
2
2
2
AB +BC +CA =3(AG +BG +CG )
⋯⋯
(ア)
また 、公式で P=G , Q=O とすれば
AG 2 +BG 2 +CG 2 =OA 2 +OB2 +OC2 −3OG 2 ⋯⋯ (イ)
ここで、 OA =OB=OC=1 から
AB2 +BC 2 +CA 2 = a 2 + b2 +c2 = 9 − 9OG 2
したがって 、 最大値はOG =0、 つまり重心と外心が一致する場合で、 このとき△ ABCは
正3角形となり 、最大値は9となる 。
1
(2) S=8 からOG= .ところでHを垂心とすると 、 OH=3OG であった。 これより OH=1
3
したがって 、 垂心Hは円周上にある。 つまり△ ABCは直角三角形となる 。逆に、 △ ABCが直角三
角形の場合 、 S=8となることはすぐに分かる 。