ケーススタディを読む

売上げ 2 倍は、社員が輝くステー
ジを整えた結果
株式会社町田商店
代表取締役:田川 翔
株式会社ファイナル・スリー・フィート
すごい会議コーチ
取締役
笹島 竜也
久保田記祥
設立
:2008 年
従業員数:300 名
すごい会議開始:2013 年 12 月
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すごい会議を導入してから 1 年が経ち、どのような成果がありましたか
田川:売上げが 2 倍になりました。ラーメン店「町田商店」と飲食店のコンサルティングを行う「ファイナ
ル・スリー・フィート」2 社合わせて、2013 年の 10 億円が、2014 年には 20 億円に伸びたのです。
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すごい会議はどのように貢献しましたか
田川:実現できそうな数字で甘んじるのではなく、もっと上の目標を目指すようになりました。高い目標だ
からこそ、達成するために何をすべきか真剣に考え、取り組みました。
例えば、2014 年は意欲的にラーメン店を出店しました。しかし求人難でなかなか人が集まらない。この課題
を解決するためにはどのようにしたらよいか。
町田商店はラーメン業界において給与水準が高い。そ
こで、経営チームのあるメンバーが、町田商店の魅力
のひとつとして求人情報に給料明細を公開しました。
久保田:あれはインパクトがありましたね。
田川:採用にもしっかり予算をかけるようになりまし
た。4 年前の一人当たりの採用単価は 10∼20 万円でし
た。2014 年は一人 70∼100 万円です。10 名採用する
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場合、700 万円でおさまればいいほうです。この業界の中では飛び抜けて大きな投資をしています。
この積極的な採用活動により、素直で、物事を前
向きにとらえ、伸びる余地の大きい人を数多く採
用できるようになりました。
久保田:すごい会議のセッションをスタートした
当時は、会議の中で「人が足りない」という問題
が多かったですね。効率的にいかに採用するか、
などを考えていました。しばらくすると、「人を
採用した後、どう教育したらいいか」という問題
に変化していきていました。
店舗拡大は手段
田川:ラーメン屋に勤める人は独立指向の人が多い。このため、町田商店では社員が成長できるフィールド
として、新店舗をオープンしていきます。2014 昨 7 月に 13 店舗だったラーメン店は、2015 年 2 月で、ほぼ
倍の 25 店舗になりました。
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大変な勢いですね
田川:出店は順調に拡大したのですが、今度は人材不足に悩まされました。そして目標数字を達成するため、
次第に出店自体が 目的 になっていきました。もともと出店はスタッフが成長するためのステージ、つまり 手
段 だったのです。
「目的と手段が逆転していませんか?」とご指摘頂き、気付かされたのも久保田さんの言葉でした。会社を
成長させるには、お客様に喜んでいただく事は勿論ですが、働く人がワクワク出来る環境が大切です。数字
を追うだけではドライな会社になってしまいます。我々経営チームは「関わる全ての人たちが幸せになれる
環境作り」という想いの下、成長し続ける必要があると考えています。
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現在はどのような状況ですか
田川:2014 年に求人計画と出店計画が整理できたので、あとは目の前のことを実現していくだけです。
久保田:成果を出すためには (1)会議でいいアイデアがでる、(2)アイデアを実行する、が必要です。もと
もと田川さんと笹島さんは「実行する」まで到達する方でした。今は経営チームのメンバーも、この二段階
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を経て成果に結びつけています。
笹島:追い込まれたらやるメンバーなんです。
田川:すごい会議で課題がみつかったときは、ワクワクします。かなりの回数、すごい会議のセッションを
経験しても、その思考は完全には身についていないのがわかります。だから、当面は久保田コーチのもとで
すごい会議を続けるつもりです。
久保田:「すごい会議」の手法は揮発性が高いのです。実は私も、油断すると自分自身の問題解決ではその
フォーマットからはずれてしまうんですよ。
笹島:久保田さんのすごい点は、必要な時に的確な意見、
質問をその場で投げかけてくれるところです。
久保田:私の役割は、とびぬけて優秀な社長の考えている
ことを、周りの人に伝わるように働きかけることです。
トップの代弁者になり、周りの経営チームに厳しいチャレ
ンジとして渡すので「社長に優しく、幹部に厳しい」と言
われます(笑)
田川:ビジネスをする上で「すごい会議」の考え方は経営
チームに必須です。その一方で、会議を離れて経営チームで飲みに行き、思いを共有する場も大切にしてい
ます。数字の目標は設定しますが、
「何のためにその目標を達成するのか」に立ち返り、数字に翻弄されない
ようにしたいのです。
久保田:町田商店らしい組織づくりですね。単に目標を決めてスムーズに問題解決をしても、大きなイノベー
ションは生まれません。オフの場で議論してまとまらないときは、
「すごい会議」で一旦流れを整えて、言い
やすく、わかりやすく議論する。これを繰り返していくことが大切です。
会議の外へ出たメンバーも成長
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今後の目標を教えてください
田川:経営チームは変化しつつありますが、もっと主体的に動けるチームになってほしいですね。
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久保田:恐らく 10 年後も同じ事を言っているかもしれませんよ。レベルは違っていますが。1 年間みてきて
メンバーは着実に成長をしています。会社全体の売上げを知らない、会議中に全く話さない人という人はも
ういません。それぞれの仕事を着実に進めています。
田川:実はすごい会議から離れて急成長したメンバーがいます。彼は当時伸び悩んでいました。
久保田:A 氏は確かに顔付きが変わりました。彼の成長には貢献できなかったので申し訳ないと思います。
笹島:いいえ、そんなことはないのです。彼の成長は「すごい会議」を体験したからだと認識しています。
田川:すごい会議の手法ではストレスが強す
ぎたのでしょう。現場で活躍して欲しいと明
確に伝え、その環境を整えたところ、急に成
果を出すようになったのです。
笹島:
「どうしてそうなったの?」ではなく「ど
うしたら次そうならないか」という考え方は、
プライベートでも大切です。先日家族に問い
かけてみたら「仕事しているみたいで、いや」
と不評でしたが(笑)
田川:目標を達成する以上に、経営チームが
経営チームとして機能することが大切です。
2014 年は急に成長した分、整えるべき点もみ
えてきました。2015 年はさらに経営基盤を固
めて、2016 年には管理体制や本部機能を充実
したいと考えています。久保田さんには今年
も引き続きメンバーには厳しく接して、彼ら
を最高の状態まで引き上げてくれることを期
待しています。
日時:2015 年 1 月/場所:町田商店
町田市
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