ナノ構造化有機ー無機ハイブリッド微粒 子の製造方法

ナノ構造化有機ー無機ハイブリッド微粒
子の製造方法および
多様な材料に接着するポリマー接着剤
東北大学 多元物質科学研究所
准教授 藪 浩
1
説明内容
• 自己組織化によるナノ構造化有機ー無機ハイブ
リッド微粒子の製造方法
• ムール貝の接着タンパクを模倣したポリマー性
接着剤
2
自己組織化によるナノ構造化有機ー無機ハイブリッド
微粒子の製造方法
内部に2種以上の相構造を持つポリマー微粒子の
一方に無機物を導入
表示デバイス材料 ・・・ 電気泳動ディスプレイの色材(電場応答する2種以上の多層構造)
電子デバイス材料 ・・・ キャパシタ(金属ー誘電体の多層構造)用
光学デバイス材料 ・・・ メタマテリアル(金属ー誘電体の多層構造)
3
ナノ構造を持つポリマー微粒子の作製手法
ブロックコポリマーやポリマーブレンドから簡便に相分離構造を持つ微粒子を作製出来る手法
Adv. Mater., 17(17), 2062 (2005)
4
ナノ構造を持つポリマー微粒子
ブ ロ ッ ク コ ポリ マー系
ポリ マーブ レ ン ド 系
一方の相を金属化できれば・・・
メタマテリアル
ナノキャパシタ
電気泳動ディスプレイの色材
5
選択的無機材料導入
(1 )メ ッ キによ る ポリ マー微粒子の金属化
金属錯化相( B )
疎水ポリ マ ー相( A )
金属化相
( 2 )ポリ マー被覆さ れた金属ナノ 粒子と の複合化
疎水ポリ マ ー相( A )
疎水ポリ マ ー相( A )
金属ナノ 粒子
金属錯化相( B )
疎水ポリ マー相(C )
金属化相
6
新技術の特徴・従来技術との比較
応用
既存技術
本技術
Electronic paper
e le c tr ic fi e d
表示デバイ ス
電子ペーパー用
電気泳動ディ スプ レ イ
su b µm
画素が数百µm
電子デバイ ス
電気二重層キャ パシ タ
2次元構造
表面積が小さ い
↓
静電容量小
光学デバイ ス
負の屈折率を 持つ材料
メ タ マテ リ アル
2次元平面
高価な加工プ ロ セス
サブ µmに高精細化が可能
e-
3次元構造→静電容量大
3次元構造
簡便な作製プ ロ セス
多様な材料に混ぜら れる
7
無機-有機ハイブリッド微粒子の物性
磁性粒子の導入による外場応
答性微粒子
金ナノ粒子の集積による分散型
表面増強ラマン散乱センサー
m
m
PS
NH2
PB-N H 2
A u N Ps
200~ 300 nm
N
・電子ペーパーなど
IR
S
R
SE
Plasm o nic
N ano b alls
・液体中分子の高感度検出
・生体プローブ
8
実用化に向けた課題
• 現在、多様なナノ構造を持つ有機ー無機ハイ
ブリッド微粒子の作製に成功している。
• 今後、微粒子の大量製造プロセス(現状:ミリ
グラムスケール→グラムスケール)と粒径の
均一性を向上(現状:標準偏差10%程度→
5%以内)させる技術を確立する必要あり。
9
本技術に関する知的財産権
•
•
•
•
発明の名称
出願番号
出願人
発明者
:多相ポリマー微粒子及びその製造法
:特願2006-162535
:国立大学法人北海道大学
:藪浩、樋口剛志、下村政嗣
•
•
•
•
発明の名称
出願番号
出願人
発明者
•
•
•
•
発明の名称
出願番号
出願人
発明者
:異方性ポリマー微粒子の製造法
:特願2006-253826
:国立大学法人北海道大学
:藪浩、樋口剛志、下村政嗣
:ブロック共重合体からなるナノディスク
:特願2006-026944
:国立大学法人北海道大学
:藪浩、樋口剛志、下村政嗣
•
•
•
•
発明の名称
出願番号
出願人
発明者
:イオン性液体を用いた機能性ポリマー微粒子の製造方法
:特願2008-225179
:国立大学法人東北大学
:藪浩、下村政嗣、田島孝訓
•
•
•
•
発明の名称
出願番号
出願人
発明者
:無機-有機ハイブリッド粒子、及びその製造方法。
:特願2009-030628
:独立行政法人科学技術振興機構
:藪浩、樋口剛志、本吉究、小池和孝
•
•
•
•
発明の名称
出願番号
出願人
発明者
:ポリマー材料の製造方法
:特願2009-188892
:独立行政法人科学技術振興機構
:藪浩、樋口剛志
10
ムール貝の接着タンパク
11
ムール貝の接着タンパクを模倣したポリマー性接着剤
ポリ マー粒子へのナノ 粒子の接着
無機・ 金属ナノ 粒子の有機溶媒可溶化
N Ps
100 nm
ad h esion
layer
1.0 µm
Chem. Commun. 49, 6081-6083 (2013)
Macromol. Rap. Commun., 2014, 35(20), 1763-1769
多様な材料表面に接着出来るため、無機ナノ粒子の有機溶媒への可
溶化や、ポリマー材料表面への無機ナノ粒子の接合などに利用可能12
ムール貝の接着タンパクを模倣したポリマー性接着剤
13
新技術の特徴・従来技術との比較
14
新技術の特徴・従来技術との比較
15
実用化に向けた課題
• 現在、接着剤として有用であることは実証でき
ている。
• 今後、実際にナノインプリントしたい樹脂に対
する適用性を検討する必要がある。
16
本技術に関する知的財産権
•
発明の名称
•
•
•
出願番号
出願人
発明者
•
発明の名称
•
•
•
法及
出願番号
出願人
発明者
:ナノインプリント用樹脂, 該樹脂を含む積層体, 該樹脂を含むプリント基板, 及び
ナノインプリント基板の製造方法
:特願2009-188892
:独立行政法人科学技術振興機構
:藪浩、齊藤祐太
:カテコールセグメントを含むブロック共重合体及び該ブロック共重合体で被覆され
た無機ナノ粒子、並びに、カテコールセグメントを含むブロック共重合体の製造方
び該ブロック共重合体で被覆された無機ナノ粒子の製造方法
:特願2014-39963
:独立行政法人科学技術振興機構
:藪浩、齊藤祐太
17
企業への期待
• 有機ー無機ハイブリッド微粒子についてはフィ
ルムやポリマー材料を取り扱う企業との共同
研究を希望。粒子単体だけではなく、高機能
フィラーとしての応用も探りたい。
• 接着剤については、ナノインプリント関連企業
やその他界面の接着に悩みを持っている企
業と共同研究を希望。
18
産学連携の経歴
• 2004年-2006年
経産省地域新生コンソーシアムにより富士フイルム・帝
人・シンセメックなどとハニカムフィルム製造装置の開発
に従事
• 2007年-2011年
NEDOナノテク先端材料プロジェクトにより富士フイル
ムなどとハニカムフィルムの実用化開発に従事
今まで10社以上の企業と共同研究を実施
19
お問い合わせ先
科学技術振興機構
知的財産戦略センター 保護・活用グループ
小澤 修二
TEL 03-5214-8486
FAX 03-5214-8417
e-mail [email protected]
20