いつでもどこでも歩行訓練自律計測型歩行訓練システム

概要
いつでもどこでも歩行訓練
-自律計測型歩行訓練システム-
発明の用途イメージ
和田 親宗 准教授
POINT
技術のポイント
・歩行センサを設置した靴を利用した、歩行情報(足の上下左右の動き,圧力)を無線で
コンピュータに電送し、わかりやすい絵として表示させる事で、画面を見ながら足を
的確に動かす事ができる。
・自宅で靴を履いて動き、遠隔(病院で)確認することで、在宅・日常生活で訓練やリハビリ
ができる。
・リアルタイムで定量的に足の動かし方を指示することで、自分の状態を理解しやすくなり、
歩行修正等の自己管理が容易になる。
■解析ソフトウェアを組み込んだ試作品
・靴型計測装置から取得した歩行に関する情報(歩幅、歩行速度、圧力分布など)を、
無線で、病院などのコンピューターに送信。
・コンピューターで解析処理後、歩容の推定計算。
・リハビリプログラムに必要な歩容情報を表示し、医学関係者や患者自身が歩行
状態を把握できる。
自宅、戸外で
健康・
医療・
福祉関連産業
九州工業大学大学院 生命体工学研究科
いつでもどこでも歩行訓練
自律計測型歩行訓練システム
現在の研究開発段階
基礎研究段階
試作段階
実用化段階
製品化には医療機器申請の必要あり
病院で
背景
■これまでの技術は
・患者自身による歩容の修正点の把握や理解が困難
リアルタイムではなく、歩行後にしか解析されない。口頭での指示「右足にもう少し体重を
かけて歩いてください」など、定量的な情報がなく改善が難しい
・歩行している時の動きの情報の取得が困難
転倒事故防止には、歩行時の動的状況の評価が必要
・ストレスのない自然な歩行状態の評価が困難
計測される範囲に合わせて歩行を修正しなければならず、日常生活とは異なる
計測環境のため心理的な緊張がともなう
従来技術より優れている点
■自宅で自己管理のもとにいつでもリハビリができる
・いつでも、どこでも歩行訓練(リハビリ)ができる。
・靴を履くだけでOK。測定装置は靴に内蔵のため、別の装置は不要。
・リアルタイムで評価。さらに歩行の解析の結果を
患者に注意点としてフィードバックできるので訓練効果が高い
■こんな方々に使っていただきたい
・歩行訓練を必要とする患者、それに携わる医療関係者(医師・理学療法士)
・歩容健康維持に興味のある健常者・運動選手
中小企業(健康産業や福祉支援に興味をお持ちの企業)への期待
■この技術をお持ちの中小企業と一緒に製品を作りたい
・センサ部(圧力、位置)改良、センサ計測技術
【センサの種類・大きさ・耐久性】
・システム化技術(センサ情報を統合し、更に分かり易い表示方法の開発,他)
・デザイン性の向上(靴にコンパクトに内蔵したい)
・靴軽量化のための電池の改良
問合せ先
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国立大学法人 九州工業大学 産学連携推進センター
知的財産部門
電話番号:093-884-3499
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いつでもどこでも歩行訓練
自律計測型歩行訓練システム
●靴にセンサを着け、足の上下、圧力のかけ方を測定、コンピューターでデータ処理し、
画面に表示する事で現状の歩行を確認する。
●いつでも(病院の閉まっているときでも)、どこでも(病院に行かなくても)歩行訓練を
行うことができる。
●計測装置は靴に内蔵。周囲に計測装置は不要。
●医学関係者にとっては歩行の解析手法として、患者にとっては訓練装置として利用
可能。
●患者自身が歩行時注意点を把握することが可能であり、訓練効果が期待できる。
■リハビリ靴の構成
加速度センサ、ジャイロセンサ、超音波センサ。
中敷きに圧力センサ、無線通信ディバイス・電池
重量は、片足600g(革靴程度 ex:リハビリの靴200g程度)。
■足位置と足角度の計測方法
・計測範囲:1m×1m
・距離計測精度:
両足支持期4cm程度
遊脚期は歩行距離の10%以下
・圧力測定箇所数:9カ所
・データサンプリング周波数:15Hz, 30Hz
・重量:片足 約600g
・電源:片足 充電式単3電池×3本
・連続動作:360分
健康・
医療・
福祉関連産業
効果
技術の特長
■患者による実時間提示の有効性評価(模擬訓練による評価)
患者はリハビリ靴を装着し、画面を見ることで下記の訓練を一人で行うことができた。
①直線性習得訓練
画面上の直線指標を見ながら、まっすぐ歩く
②歩幅調整訓練
画面上の横の補助線を見ながら歩幅を調整
③左右足への体重のかけ方の訓練
左右で異なる荷重をかける訓練(骨折時)や
左右の荷重を均等化する訓練(片麻痺者)
④足の振り上げ訓練
足を所定の高さまで振り上げる訓練
模擬訓練風景
■歩行パターンの識別から臨床での評価が可能
・片足麻痺の歩行やパーキンソン病患者の歩行は、健常者歩行と比較して、歩幅、歩隔
や歩行のリズムに違いが生じてそれぞれ特徴的な点が記録されている。
・小刻みな歩行や、広い歩幅の歩行など、歩行の特徴が明らかになり、改善のための
有効なデータとなる
靴型計測装置の試作品
歩行パターンの識別
■画面では実時間でデータ表示
画面は、リハビリテーション科医師、理学
療法士、患者からの意見をもとに、見やす
く分かりやすい表示方法とした。歩行軌跡
と足底圧が同時に表示され、左右の足の
高さと傾き、足底圧の分布がリアルタイム
で把握できる。そのため、患者は、一人で
繰り返し歩行訓練ができる。
■本技術の横展開(活用例)
•いつでも、どこでも、リハビリ。
•通信回線とカメラを使うことで遠隔(自宅、訪問看護先、介護施設等)からのリハビリ指導の
実現が可能(集団での訓練も実施可)。その結果,訪問介護時や介護施設にリハ専門家
がいない場合でも、専門家の指導機会が増加し、リハ専門医の負担軽減を実現できる。
•健常者に対する歩行評価や歩容改善訓練(予防保全)、運動時の足部情報の解析が可能。
・RFIDタグやGPSと組み合わせることで、将来的にはどのような場所でも高精度に現在
位置を特定することが可能となり、歩行者のための移動支援システムに有効な技術となる。
・歩行時の詳細な道路状況(傾斜など)の計測が可能であるため、将来的にはバリアフリー
マップなどの作成にも利用できる可能性がある。
歩容情報の表示
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特許
いつでもどこでも歩行訓練
自律計測型歩行訓練システム
特許情報
発明者の関連技術、最近の研究例
特許の内容
■歩行訓練に使用できるセンサ導入靴
靴に様々なセンサを取り付け、無線により足底圧力や足位置などの歩行情報をリ
アルタイムで取得する。その情報をもとに、歩行訓練者にわかりやすく足の動きを知
らせ、いつでもどこでも一人で歩行訓練を可能にする。さらに、GPSなどでは計測不
可能な場所での歩行者の位置特定技術への応用も可能である。
理学療法士等による歩行訓練指導は、多くの場合、主観判断による定性的な内容
であること、また、口頭による指示のため、指示内容を理解しづらいことが問題であ
る。また、客観的な歩行解析を行う装置も存在するものの、装置の設置場所以外で
は計測できないことが問題である。以上を鑑み、簡単に歩行状態を測定でき、足の
動きが視覚で把握できる歩行訓練支援装置を提供する。
足位置、足角度の
計測方法
■歩行訓練の表示手段
歩行訓練支援装置の表示手段に、履物の足跡及びその現在位置が表示されるため、
歩行訓練者が足元を見ずに(画面を見ながら)歩行可能となり、移動中の足の元の位
置からの移動量が把握できて歩き易くなる。また、履物に取付けるセンサ部間が無線
で信号連結されるため小型化できる。センサ部間を無線で連結することにより、配線が
なくなり装置がシンプルになり、歩行訓練の障害にならない(配線が絡まない)。
関連特許
【公開番号】特開2005-121427(公開日:平成17年5月12日)
【発明の名称】人体部位位置及び生体情報の計測システム
【出願人】和田 親宗、株式会社 ティジー 【発明者】和田親宗
【公開番号】特開2004-013885(公開日:平成16年1月15日)
【発明の名称】手のひら書き入出力システム
【出願人】和田親宗 【発明者】和田親宗
【公開番号】特開2004-008748(公開日:平成16年1月15日)
【発明の名称】触覚刺激を利用した眼鏡型の物体位置呈示システム
【出願人】和田親宗 【発明者】和田親宗、古賀 和弘
人間機能代行システムの研究/ 生活支援/ 機能代行リハビリ
生体を計測、情報提示する事でリハビリや健康生活を支援したい
・歩行リハビリ
・起立動作支援(残存機能を利用する)
・義手操作支援(操作性の向上)
・盲ろう者支援(掌に文字を書くことでコミュニケーションを支援)
・聴覚障害者 X線検査支援(検査時の指示を伝える)
・視覚障害者の歩行誘導(靴を使ってどこでも歩行誘導)
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福祉関連産業
【特許番号】特許第4581087号(登録日:平成22年9月10日)
【発明の名称】歩行訓練支援装置
【特許権者】国立大学法人九州工業大学 【発明者】和田親宗
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発明者紹介
いつでもどこでも歩行訓練
自律計測型歩行訓練システム
■本歩行訓練装置の万歩計への応用
市販の万歩計では、障害者の歩行の計測を行えない場合がある。そこで、本
研究成果を利用すれば計測可能であり、さらに運動量の評価など、より多くの
患者や健常者にも利用可能である。
■起立動作誘導システム
立ち上がり困難な方の中には、上方に身体を持ち上げることはできるものの、前傾
ができないため立ち上がることができない人がいる。病院等では、背中を少し押して
前傾姿勢をとらせることで、立ち上がり動作を行わせている。
本システムでは、前傾姿勢を計測し、立ち上がりに最適なタイミングを知らせ、独力
で立ち上がりを行わせる。(特願第2013-119718 起立動作誘導システム)
従来技術・競合技術との比較
・立ち上がりを支援するシステムとしては、いす座面が持ち上がるものやアームで身
体を引き上げるもの、身体の外に駆動骨格をつけるものなどがある。これらには、
残存能力の活用を想定していない場合がある。
・本システムでは、使用者の残存能力を活かして立ち上がり動作が行える。
・システム構成はシンプルで、いつでもどこでも利用可能。
新技術の応用
・立ち上がりの際に不足している力を外部から補助する支援機器の制御
想定される用途
・リハビリテーション現場での立ち上がり動作訓練
・在宅、日常生活での立ち上がり動作
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