はなっこりーMEとLの栽培技術 担 当 園芸作物研究室 野菜栽培グル-プ ○藤井宏栄・日高輝雄 研 究 課 題 名 はなっこりー新品種の栽培技術の確立 研 究 年 度 平 成 23年 ~ 25年 背 景 これまではなっこりー生産は一つの品種で行われており、冬期から春先にか けて収量が少なくなっていた。この時期の収量を確保するためにセンターが育 成 し た 新 品 種 ( 「 は な っ こ り ー ME 」と 「 は な っ こ り ー L 」 ) と 既 存 の 品 種 (「は な っ こ り ー 」)を 組 み 合 わ せ て 、 長 期 安 定 生 産 を 可 能 に し 、 生 産 拡 大 に 繋 げ る こ と が求められている。 目 的 長 期 安 定 出 荷 を 可 能 と す る 新 品 種 「 ME 」 と 「 L」 に 適 し た 栽 培 技 術 を 確 立 す る。 成 果 1 「 ME」 は 、 沿 岸 部 に お い て 10 月 上 旬 に 定 植 す る こ と で 12~ 3 月 期 を 中 心 と し た 収 量 を 、 「 L」 は 10 月 中 下 旬 に 定 植 す る こ と で 、 3 ~ 4 月 期 を 中 心 と した収量を安定して得られる(表1、2)。 現 行 基 準 ( マ ル チ 栽 培 、 緩 効 性 肥 料 ( 70日 タ イ プ ) 1 ) 、 N 成 分 量 4 kg/ 2 a) に 対 し て 、 マ ル チ 栽 培 で 、 緩 効 性 肥 料 ( 50日 タ イ プ ) 、 N 成 分 量 3 kg/a で栽培可能である(表3)。 脚注 1 ) 緩 効 性 肥 料 ( 70日 タ イ プ ) : 即 効 性 肥 料 と 緩 効 性 肥 料 が 各 々 50% の 構 成 で 、 緩 効 性 肥 料 は 25℃ の 条 件 下 で 約 70日 で 80%が 溶 出 す る よ う に な っ て い る も の 。 - 16 - 表1 品種 ME MEとLにおける定植時期による収量特性(平成23、24年度) 総重量 11月 12月 年次 定植日 10月 (kg/a) (kg/a) (kg/a) (kg/a) 9月5日 129 abc 20 65 a 36 ab 9月16日 77 cd 0 43 b 26 b 9月27日 80 cd 0 29 b 38 ab 平成 10月6日 72 d 0 1 c 47 a 23年 10月17日 165 a 0 0 c 6 c 10月28日 142 ab 0 0 c 0 c 11月9日 109 bcd 0 0 c 0 c 平成 24年 L 平成 23年 9月18日 9月25日 10月5日 10月15日 10月25日 9月5日 9月16日 9月27日 10月6日 10月17日 10月28日 11月9日 129 105 152 174 170 150 132 103 160 193 134 68 bc c ab a a 0 0 0 0 0 39 16 1 0 0 a b c c c b bc cd ab a bc d 5 0 0 0 0 0 0 67 a 33 b 14 c 0 d 0 d 0 d 0 d 1月 (kg/a) 9 ab 8 ab 9 ab 16 a 13 ab 1 bc 0 c 2月 (kg/a) 0 d 0 d 4 cd 6 bc 32 a 8 b 0 d 3月 (kg/a) 0 c 0 c 0 c 3 c 47 ab 64 a 32 b 34 35 9 0 0 a a b c c 15 10 33 6 0 b b a b c 14 16 36 51 9 cd c b a d 29 28 75 98 105 c c b a a 33 42 42 9 1 0 0 a a a b b b b 19 22 17 22 8 0 0 a a a a ab b b 9 13 15 25 16 0 0 b ab ab a ab c c 16 21 16 60 78 60 18 c c c b a b c 4月 (kg/a) 69 70 77 n.s. 19 b 57 a 44 91 74 50 c a ab bc 表はセンターにおけるデータ 同一品種・年次において各項目の異なる英小文字はTukey検定(5%)により有意差あり 表2 MEの収量に関する各地域の実績(平成23年度) 地区 定植日 月別収量(kg/a) 11月 12月 1月 2月 3月 沿岸部 下関市 9月29日 9 36 29 42 70 萩市 10月3日 11 19 31 23 72 岩国市 10月9日 0 1 55 47 111 山口市 10月15日 0 0 21 71 67 岩国市 10月20日 0 6 25 27 52 光市 10月25日 0 3 46 39 92 中間地 山口市 10月3日 0 31 13 3 9 長門市 10月10日 0 7 4 21 54 センター 10月6日 1 47 16 6 3 4月 17 41 6 - 33 5 21 - 総収量 (kg/a) 204 197 214 165 116 212 61 107 72 表3 施肥量が収量に及ぼす影響(平成24年度) 品種 定植日 試験区 総重量 11月 12月 1月 2月 3月 4月 (kg/a) (kg/a) (kg/a) (kg/a) (kg/a) (kg/a) (kg/a) ME 10月10日 緩行性肥料50日タイプ(N 3.0) 183 0 1 21 59 103 緩行性肥料50日タイプ(N 4.0) 156 0 1 15 49 92 緩行性肥料70日タイプ(N4.0) 154 0 1 18 48 86 n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. L 10月19日 緩行性肥料50日タイプ(N 3.0) 169 0 0 0 9 103 57 緩行性肥料50日タイプ(N 4.0) 169 0 0 0 7 106 56 緩行性肥料70日タイプ(N4.0) 170 0 0 0 10 112 47 n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. n.s.は有意差がないことを示す - 17 -
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