第3章 物的資本 (Physical Capital)

第 3 章 物的資本
1
4. 資本は収益をもたらす.
• 生産力があるため収益を創出する.
第 3 章 物的資本
5. 資本は償却する.
• 減価償却 (depreciation) される.
⋆ 講義ノートは
http://www2.asia-u.ac.jp/˜ shin/lecture/growth.html にある.
⋆ 第 2 版のスライドは
http://wps.aw.com/aw weil econgrowth 2/ → Classrom ReR Slides にある.
sources → PowerPoint⃝
⋆ 第 3 版のスライドは
生産における資本の役割
3.2
資本の役割と生産関数の利用
3.2.1
生産関数
http://wps.aw.com/aw weil econgrowth 3/ → Classrom Re-
• 生産関数 (production function) 生産要素(投入)と
産出との関係
R Slides にある.
sources → PowerPoint⃝
• 資本 (capital),物的資本 (physical capital),人的資
資本 (K) と労働 (L) の 2 種類の生産要素
本 (human capital)
=⇒ 生産 (産出) (Y )
• more capital → more output
Figure 1
Y = F (K, L)
(3.1)
GDP と労働者 1 人当たり資本, 2005
規模に関して収穫一定
規模に関して収穫一定 (Constant Returns to Scale, CRS)
F (zK, zL) = zF (K, L) = zY
(3.2)
これは,資本 K ,労働 L の投入量をそれぞれ z 倍すると,
生産 Y も z 倍になることを示している.1 次同次とも言う.
• 横軸: 労働者 1 人当たり GDP
例
• 縦軸: 労働者 1 人当たり資本
• z = 2 の場合
F (2K, 2L) = 2F (K, L) = 2Y
• 右上がり,正の相関
• z=
3.1
資本の性質
1
2
の場合
F
(1
1 ) 1
1
K, L = F (K, L) = Y
2
2
2
2
5 つの基本性質
1. 資本は生産力がある.
• 労働者が資本を用いると生産が増える.
参考: 規模に関して収穫一定ではない場合
• 生産 Y が z 倍より大きくなる場合
zY > F (zK, zL)
2. 資本は生産された要素である.
(3.3)
• 資本を生産する過程を投資 (investment) という.
規模に関して収穫逓増 (Increasing Returns to Scale,
• 天然資源と区別
IRS)(規模の経済性がある)と呼ぶ.
• 私的資本と政府資本
• 生産 Y が z 倍より小さくなる場合
• インフラストラクチャー (infrastructure)
3. 資本の使用には限界がある.
• 競合性 (rivalry) と非競合性 (non-rivalry)
zY < F (zK, zL)
(3.4)
規模に関して収穫逓減 (Decreasing Returns to Scale,
DRS) と呼ぶ.
第 3 章 物的資本
2
労働者 1 人当たり生産
生産関数 F (K, L) が規模に関して収穫一定 (1 次同次) で
総生産より労働者 1 人当たり生産 (output per worker) に
あると仮定する.
関心があるとしよう.
Y = F (K, L) → y = f (k)
• 生産関数が規模に関して収穫一定 (1 次同次) であると
(3.9)
すると労働者 1 人当たり生産は労働者 1 人当たり資本
(capital per worker) のみに依存する.
次に,生産関数 (3.1) の両辺に
(1)
L
k=
K
L
Y =
(1)
L
F (K, L) = F
1
L
2Y = F (2K, 2L)
をかける.
2Y > F (2K, L)
1
1
2Y > F (2K, L)
L
L
( K L)
Y
2 >F 2 ,
L
L L
(
)
Y
2 > F 2k, 1
L
2y > f (2k)
(K L)
(K )
,
=F
,1
(3.5)
L L
L
を労働者 1 人当たり資本ストック,y =
Y
L
を労働者
1 人当たり生産と定義しよう.
y = F (k, 1)
(3.6)
y = f (k)
(3.7)
1
Y
2
1
Y
2
11
Y
L2
1Y
2L
1Y
2L
1
y
2
限界生産物
• 限界生産物 (marginal product)
• 資本の限界生産物 (性) (marginal product of capital,
MPK)
Marginal Product of Capital (MPK) = f (k + 1) − f (k)
(3.8)
1 )
K, L
2
2
(1
)
< F K, L
2
)
1 (1
< F K, L
L
2
(1 K L)
<F
,
2L L
(1
)
< F k, 1
2
(1 )
<f k
2
=F
(3.10)
(1
(3.11)
生産関数は,一般に右上がりで傾きが徐々に緩やかにな
る曲線となる.この形状は以下の理由による.
k0 =
K0
L0
の投入によって y0 =
Y0
L0
の生産を行っていると
する.ここで,資本のみ K0 から K1 に増加させたとする.
資本の限界生産物逓減
k1 =
• 資本の限界生産物逓減 (diminishing marginal product
K1
K0
> k0 =
L0
L0
of capital)
Figure 2
労働 (L) は一定であるから,k と y もともに増加し,k1 と
y1 となる.しかし,k の増加ほど y は増加しない.
生産関数が規模に関して収穫一定 (1 次同次) であるから,
資本の限界生産物逓減を示す生産関数
K ,L をそれぞれ z 倍した時,Y も z 倍になる.K のみ z
倍にしても Y は z 倍にならないのである.これは,限界生
産物逓減の法則と呼ばれる1 .
規模に関して収穫一定と資本の限界生産物逓減
• 横軸: 労働者 1 人当たり資本 (k)
• 縦軸: 労働者 1 人当たり生産 (y)
1 限界生産物
生産要素が 2 種類以上の場合
• 規模に関して収穫一定 → 限界生産物逓減
(性) とは,他の生産要素を一定としてある 1 つの生産要素の投入を 1 単位増やした時の生産の増加分である.
第 3 章 物的資本
3
コブ・ダグラス生産関数
労働の限界生産物
• コブ・ダグラス生産関数 (Cobb-Douglas production
function)
F (K, L) = AK α L1−α
生産関数 Y を労働 L に対して微分する.
MPL =
∂Y
= (1 − α)AK α L−α
∂L
(3.18)
(3.12)
A は生産性の尺度,α (0 < α < 1) は資本分配率 (capital’s
share) である.
所得に占める労働のシェア
• 所得の労働分配率 (capital’s share of income)
労働所得
総所得
MPL × L
(1 − α)AK α L−α L
=
Y
AK α L1−α
(1 − α)AK α L1−α
=
=1−α
AK α L1−α
• 規模に関して収穫一定 (1 次同次) の性質を持つ.
F (zK, zL) = A(zK)α (zL)1−α
= Az α K α z 1−α L1−α
= zAK α L1−α
(3.13)
α≃
= zF (K, L)
1
3
■ 国民所得に対する資本のシェア
労働者 1 人当たり生産
Figure 3
各国の国民所得における資本のシェア
コブ・ダグラス生産関数を労働者 1 人当たりに直す.
Y
F (K, L)
=
L
L
(K L)
( K )α ( L )1−α
=F
,
=A
L L
L
L
α 1−α
α
= Ak 1
= Ak
(3.19)
y=
y = Ak α
(3.14)
(3.15)
• 横軸: 1 人当たり GDP
3.2.2
生産要素支払額と要素シェア
資本 → 資本所得
労働 → 労働所得
}
完全競争状態
−→
総所得
3.3
3.3.1
資本の限界生産物
∂Y
= αAK α−1 L1−α
∂K
ソロー・モデル
資本装備率の決定
簡単化のために,労働は定数と仮定する.つまり,労働
生産関数 Y を資本 K に対して微分する.
MPK =
• 縦軸: 資本所得分配率
人口成長率は 0.
(3.16)
資本蓄積方程式
所得に占める資本のシェア
資本ストックの変化は,
∆K = I − D
• 所得の資本分配率 (capital’s share of income)
ここで,I は投資,D は減価償却,∆ は増分を表す.
資本所得
総所得
αAK α−1 L1−α K
MPK × K
=
Y
AK α L1−α
αAK α L1−α
=
=α
AK α L1−α
(3.20)
労働者 1 人当たり資本ストックの変化は,
∆k = i − d
(3.17)
ここで,i は労働者 1 人当たり投資 (i =
人当たり減価償却 (d =
D
L)
を表す.
(3.21)
I
L ),d
は労働者 1
第 3 章 物的資本
4
投資
生産の一定率 (γ) を投資すると仮定する.
i = γy
■ 資本の興亡
Table 1
イギリス (UK) の総資産に占める農地の比率
(3.22)
ここで,γ(定数) は投資率.
減価償却
資本ストックの一定率 (δ) が減価償却される.
d = δk
(3.23)
■ 時間にともなう変化の測定
差分 (difference) デルタ (∆) で表わす.
• ∆xt = xt+1 − xt
ここで,δ(定数) は減価償却率.
成長率 (growth rate) ハット (∧) で表わす.
• x
ˆ=
労働者 1 人当たり資本ストックの変化
∆x
x
式 (3.21),式 (3.22),式 (3.23) から
∆k = γy − δk
(3.24)
式 (3.7) から,
δk
∆k = γ f (k) − |{z}
|{z}
|{z}
k の増分
生産
| {z }
(3.25)
3.3.2
定常状態
• 定常状態 (steady states) 一国の労働者 1 人当たり産
出量と労働者 1 人当たり資本ストックが時間が経過し
ても変化しない状態.
減耗
投資
ソローモデルの定常状態
• 式 (3.25) は k 以外は定数である.
式 (3.25) から



γf (k) > δk


∆k → γf (k) < δk



γf (k) = δk
例
2000 年ある国の
• 労働者 1 人当たり資本が 100,k = 100,
• 労働者 1 人当たり生産が 50,y = f (k) = 50
k 増加
k 減少
k 不変
Figure 4
ソローモデルの定常状態
• 毎年生産の 20% を投資する.γ = 0.2
• 減価償却率は 5% である.δ = 0.05
式 (3.25) に代入すると
∆k = 0.2 × 50 − 0.05 × 100 = 10 − 5 = 5
(3.26)
労働者 1 人当たり資本ストックの変化は 5,結果的に 2001
年の労働者 1 人当たり資本ストックは 2000 年 100 より 5 増
加した 105 になる.
• 横軸: 労働者 1 人当たり資本
• 縦軸: 減価償却,投資,労働者 1 人当たり生産
第 3 章 物的資本
5
■ 定常状態:
経済学ではない例示
定常状態では ∆k = 0
Figure 5
0 = γA(k ss )α − δk ss
(3.28)
γA(k ss )α = δk ss
(3.29)
定常的体重の決定
定常状態における労働者 1 人当たり資本ストック
式 (3.29) を k ss に対して解くと,定常状態における労働
者 1 人当たり資本ストックは,
• 横軸: 体重労働者 1 人当たり資本
k ss =
• 縦軸: カロリー摂取と燃焼
1
( γA ) 1−α
(3.30)
δ
定常状態における労働者 1 人当たり生産
投資率の変化
定常状態における労働者 1 人当たり生産は,
投資率が γ1 から γ2 へ恒久的に増加した場合 (γ1 < γ2 ),
y ss = A(k ss )α = A
• γf (k) 曲線が上にシフト.γ1 f (k) −→ γ2 f (k)
• 労働者 1 人当たり資本ストック
• 労働者 1 人当たり所得
y1ss
−→
k1ss
−→
δ
1
= A 1−α
α
( γ ) 1−α
δ
(3.31)
k2ss
• γ ↑−→ y ss ↑,γ ↓−→ y ss ↓
y2ss
• δ ↑−→ y ss ↓,δ ↓−→ y ss ↑
• 新しい定常状態における労働者 1 人当たり所得は y2ss
• γ ↑ −→ k ss ↑ −→ y ss ↑
((
1 )α
γA ) 1−α
3.3.3
Figure 6
所得格差の理論としてのソロー・モデル
簡単化のために,2 国の投資率 (γ) のみ異なると仮定す
投資額増加が定常状態に与える効果
る.生産性 (A),減価償却率 (δ) などは同様.
2国
• 国 i と国 j
• 横軸: 労働者 1 人当たり資本 (k)
• 国 i の投資率を γi ,国 j の投資率を γj
定常状態における国 i の労働者 1 人当たり所得
• 縦軸: 減価償却 (δk),投資 (γf (k)),労働者 1 人当た
1
yiss = A 1−α
り生産 (y)
• 移行経路 (transitional path) についても考えてみよう.
1
(3.32)
α
( γ ) 1−α
j
δ
(3.33)
定常状態における国 i と国 j の労働者 1 人当たり所得の
比率
コブ・ダグラス生産関数 y = Ak α と式 (3.25) から
∆k = γAk α − δk
i
δ
定常状態における国 j の労働者 1 人当たり所得
yjss = A 1−α
コブ・ダグラス生産関数の利用
α
( γ ) 1−α
(3.27)
α
( γ ) 1−α
yiss
i
=
yjss
γj
(3.34)
第 3 章 物的資本
6
例
3.3.4
• 国 i の投資率 γ1 は 20%
• 定常状態から遠く離れている国: 成長率が高い
• 国 j の投資率 γ2 は 5%
• 両国の資本分配率 α =
yiss
yjss
=
1
3
→
( 0.20 ) 12
0.05
相対的成長率理論としてのソロー・モデル
α
1−α
=
• 定常状態に近い国: 成長率が低い
1
2
• 定常状態にいる国: 成長率 0
1
2
=4 =2
(3.35)
定常状態における国 i の労働者 1 人当たり所得は 定常状態
定常状態へ収束
における国 j の労働者 1 人当たり所得の 2 倍.
• もし,資本分配率 α =
α=
2
3
→
α
1−α
=
2
3
1− 32
2
3
定常状態へ収束
の場合
• 移行経路 (transitional path) → 定常状態
= 2 である.
( 0.20 )2
yiss
=
= 42 = 16
yjss
0.05
• もし,2 国が同じ投資率で所得水準が相違しているな
(3.36)
らば,所得が低い国はより速い成長をとげるであろう.
式 (3.36) は 16 になる.
γi = γj , yi > yj −→ gi < gj
• 式 (3.34) は α に敏感.
• もし,2 国が所得水準では同一でも投資率が違うなら
ば,投資質が高い国はより速い成長をとげるだろう.
• 国家間の投資率の差によって所得格差の一部が説明で
きる.
yi = yj , γi > γj −→ gi > gj
実績と予測
Figure 7
労働者 1 人当たり GDP とその予測値
• 投資水準を引き上げた国は所得成長率の増加を経験す
るであろう.
γ ↑−→ g ↑
3.4
投資と貯蓄の関係
Figure 8
1 人当たり所得 10 分位ごとの貯蓄率
• 横軸: アメリカの労働者 1 人当たり GDP に対する相
対的な予測所得
• 縦軸: アメリカの労働者 1 人当たり GDP に対する相
対的な実際所得
ソロー・モデルの予測値とデータとの不完全な対応関係
• ここでは投資率の差のみ考慮
• その他考えられる相違点
– 人口成長率の差
– 物的資本以外の生産要素の差
– 生産性の差
– 定常状態にいない可能性 (収束中,移行経路上)
∗ 破壊による資本ストックの減少
∗ 投資率の変化 → 新しい定常状態へ収束中
• 横軸: 1 人当たり GDP の 10 分位
• 縦軸: 平均貯蓄率
• 貯蓄率は 1 人当たり所得と密接な関係
•
最も豊かな 10%国の平均貯蓄率
=約6倍
最も貧しい 10%国の平均貯蓄率
第 3 章 物的資本
3.4.1
7
貯蓄率の説明要因: 外生的要因 対 内生的
要因
複数の定常状態
• 複数の定常状態 (multiple steady state)
• 内生変数 (endogenous variables)
∆k = γf (k) − δk
• 外生変数 (exogenous variables)
(3.38)
γf (k) 曲線にジャンプがある.
3.4.2
所得が貯蓄に与える効果
(1) 低い定常状態
貯蓄率 = 投資率
• 労働者 1 人当たり資本 k が k ∗ より小さい. k < k ∗
貯蓄率は投資率と等しいと仮定する.閉鎖経済では成り
立つ.
• 労働者 1 人当たり所得 y は y ∗ より小さい. y < y ∗
• 貯蓄率を s,投資率を γ と表記すると,
• 貯蓄率は s1 .
• s=γ
• 定常状態は k1ss で発生する.
所得と貯蓄率
(2) 高い定常状態
貯蓄率が所得に依存する場合を考える.2 種類の貯蓄率を
• 労働者 1 人当たり資本 k が k ∗ より大きい.k > k ∗
考える.
• 低い貯蓄率を s1 ,高い貯蓄率を s2 とする.
• 労働者 1 人当たり所得 y は y ∗ より大きい.y > y ∗
• s1 < s2
• 貯蓄率は s2 .
• 定常状態は k2ss で発生する.
所得が高ければ,貯蓄率も高いとする.
• 労働者 1 人当たり所得 y が y ∗ より低ければ,貯蓄率
は s1
(3) 結果
• 労働者 1 人当たり所得 y が y ∗ より高ければ,貯蓄率
は s2
この経済では 2 つの定常状態が存在し,初期労働者 1 人当
たり資本資本ストックによって一方の定常状態に収束する.
γ = s1
if y < y ∗
= s2
if y ≥ y ∗
■ 公共政策と貯蓄率
Figure 9
(4) k1ss から k2ss へ
(3.37)
外国資本
• 外国直接投資
• 借款など
貯蓄が所得に依存するときのソロー・モデル
■ 再論:
資本の興亡
3.5
結論
⋆ memo
• 横軸: 労働者 1 人当たり資本 (k)
• 縦軸: 減価償却 (δk),投資 (γf (k)),労働者 1 人当た
り生産 (y)
第 3 章 物的資本
3.6
8
基本用語
資本の限界生産物逓減
MPK を資本 K に対してもう一度微分する.資本の限界
• capital (資本)
生産物逓減の法則が確認できる.
• investment (投資)
• depreciation (減価償却)
∂MPK
α−2 1−α
α |{z}
A K
= (α − 1) |{z}
| {z } L
| {z } < 0
| {z }
∂K
• constant return to scale (規模に関して収穫一定)
(+)
(−)
(+)
(+)
(3.42)
(+)
• marginal product (限界生産)
• diminishing marginal product (限界生産物逓減)
• Cobb-Douglas production function (コブ・ダグラス
生産関数)
労働の限界生産物
生産関数 Y を労働 L に対して微分する.
MPL =
• capital’s share of income (資本所得分配率)
∂Y
= (1 − α)AK α L−α
∂L
(3.43)
• difference (in a variable) (差分)
労働の限界生産物逓減
• growth rate (成長率)
MPL を労働 L に対してもう一度微分する.労働の限界生
産物逓減の法則が確認できる.
• steady state (定常状態)
• convergence toward the steady state (定常状態へ
収束)
∂MPL
−α−1
A |{z}
Kα L
= − |{z}
α (1 − α) |{z}
| {z } < 0
| {z }
∂L
(+) (+)
(+)
(+)
| {z } (+)
(−)
• endogenous variable (外生変数)
• multiple steady states (複数定常状態)
3.7
定常状態にない場合の成長率
(1) 労働者 1 人当たり資本の変化
問題
1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9
3.8
(3.44)
∆k = γAk α − δk
付録: コブ・ダグラス生産関数詳論
(3.45)
(2) 労働者 1 人当たり資本の成長率
及びソロー・モデルの収束速度
∆k
= γAk α−1 − δ
kˆ =
k
コブ・ダグラス生産関数
(3.46)
• k ↑ −→ k α−1 ↓ −→ γAk α−1 ↓ −→ kˆ ↓
Y = F (K, L) = AK α L1−α
(3.39)
Y は生産,K は資本,L は労働,A は生産性,α は資本分
配率である.
• 資本が蓄積されると経済成長率が低くなる.
• 資本が蓄積される ≈ 経済が成長する ≈ 定常状態に近
づく
規模に関して収穫一定
Figure 10
定常状態への収束速度
F (zK, zL) = A(zK)α (zL)1−α
= z α+1−α AK α L1−α
(3.40)
= zF (K, L)
資本の限界生産物
生産関数 Y を資本 K に対して微分する.
∂Y
MPK =
= αAK α−1 L1−α
∂K
(3.41)
• 横軸: 労働者 1 人当たり資本 (k)