建設労働 の軌跡 と今 後 の展 望 (要 旨) <ア スベ ス ト労災認定者 にみ る被害 の実相 と建設労働者 の軌跡、今後 の 被害救済活動 にむ けて > 全建 総連 東京 土建 一 般 労働組合足 立 支部 書記 松舘 寛 労災認 定 の 医学 的判 断 は専 門医 にお願 い す る こ とと して 、書記 がや らな けれ ばな ら な い こ とは職歴 (労 働者性 )づ く りと証 明 の た めの証拠 書類 な どの収集。(建 設 労働 のひ ろば 2005年 10月 号)。 多 くのアスベ ス ト労災 申請 をお こな うこ とで 労働 基 準監督署 に もサ 贋れ て も ら う運動 が も とめ られ て い る。 そ の た めに組合員 の健康相 談 、専 門医受 診体制 づ く りが必要 とな る。 (建 設 労働 の ひ ろば 2008年 10月 号)こ の文 章 は首都 圏 の全建 総連傘 下 の組合 が全建 総連組合員 向 けに発行 してい る 「建設 労働 のひ ろば」 に寄 稿 した もの で あ る。 私 は 2003年 4月 に足 立 支部 に異動 にな り労災担 当職員 とア スベ ス ト被 害者 救済 に かかわ り 2010年 6月 末 まで に組合員 や 区民 45人 の 労災認 定 を勝 ち取 る こ とがで き た。被 害者 45人 の うち 3人 は製 造 関係 の 区民 で 42人 は建設 労働者 で あ る。労災認 定 後 に連絡 を とれ なか っ た 3人 を除 き 39人 の労災認 定者 につ い てあ らた めて 労働 の変 遷 な どの調 査 をお こな っ た。 私 は全建 総連 の組合 の一 支部 の書記 と して 、組合員 のアスベ ス ト被 害者 救 済実践者 と して被 害者 の 労働者 性 の探 求 、将来 にわた るア ス ベ ス ト救済対策 の二つ 視 ザ 魚か ら述 べ る。 建 設 労働 者 の 労働 の軌 跡 を追 うこ とで全建 総 連 の研 究課題 とな っ て い る 「労働者 性 」 の課題 、今後増 え続 け るア スベ ス ト被 害者 救 済体制 を考察 して みた。現場 実践者 か らの提 言 と したい。 は じめ に 1 足 立 支 部 ア ス ベ ス ト労 災認 定者 1) 2) 2 平均寿命より 10年 短いアスベス ト被害者の命 俺は板を削っていたと思 っていた ら命を削つていた 建 設 労 働者 の 労働 者性 の 確保 1) 2) 3) 4 足立区は被害が多い地域性 アスベス ト労災認定疾病 と足立支部の認定者 ア ス ベ ス ト被 害 者 の 壮 絶 な 闘病 1) 2) 3 45人 にみ る疾病 就業階層の変化が顕著な建設産業 「転 々労働者等」の事実認定の対象 労災認定の労働者証明期間について 労 災 申請 の 実践 と個 人 請 負労働 者 (1人 親 方 )に つ い て 1) 個人請負労働実態の問題点 2) 「総合的判断」に耐えうる準備 3) 39人 の労災認定への道 と労働の変遷 ① 労働者 として働き続けて ②労働者から1人 親方そして事業主 ③他産業 から建設業に移動 4) 最終学歴について 5 個別 就 労 実態 と労働 者性 の 特 徴 6 全 国 に埋 もれ て い るア ス ベ ス ト被害 者 1)39人 の うち 25人 は東京以外の地方出身者 2)北 海道か らの出稼ぎ労働者が労災認定 3)岩 手から出稼ぎにきて 4ヶ 月でアスベス ト被害がわかる 7 今後 の ア ス ベ ス ト被 害者 救 済 に 向 け て 1)今 後、増え続ける建設労働者の被害 2)ア スベス ト問題に組合が正面を向く 3)ア スベス トを意識 した医師、医療機関がふえる 4)ア スベス ト問題に理解が得られる医療機関を多 く 8 -過 性 の 問題 で は な く未 来 永劫 の 課 題 と して 建設労働 の軌跡と今後 の展 望 <ア ス ベ ス ト労 災認 定者 にみ る被 害 の 実相 と建 設 労働 者 の 軌 跡 、 今 後 の 被 害 救 済 活 動 にむ けて > 全建総連 東京土建一般労働組合足立支都 書記 松舘 寛 は じめに 労災認 定 の 医学 的判 断 は専 門医 にお願 い す る こ とと して 、書記 が や らな けれ ばな ら な い こ とは職 歴 (労 働者性 )づ く りと証 明 の ため の証拠 書類 な どの収集。(建 設 労働 のひ ろば 2005年 10月 号)。 多 くの ア スベ ス ト労災 申請 をお こな うこ とで労 働 基 準監督署 に も慣 れ て も ら う運動 が もとめ られ て い る。そ の た めに組合員 の健 康相 談 、専 門医受 診 体制 づ く りが必要 とな る。 (建 設 労働 の ひ ろば 2008年 10月 号) この 文 章 は首都 圏 の 全建 総連傘 下 の組合 が全建 総連組合貝 向 けに発行 して い る「建 設 労働 の ひ ろば」 に寄稿 した もので あ る。私 は全建 総連 の一 支部 の書記 と して 、組合 員 のアス ベ ス ト被 害者 救 済実践者 と して被 害者 の 労働者性 の探 求 、将 来 にわた るア ス ベ ス ト救 済姑策 の二つ 視 点 か ら述 べ る。 2003年 4月 に足 立 支部 に異動 にな り労災担 当職 員 とア スベ ス ト被 害者 救 済 に かかわ り 2010年 6月 末 まで に組 合員や 区民 45人 の 労災認 定 を勝 ち取 る こ とがで き た。被 害者 45人 の うち 3人 は製造 関係 の 区民 で 42人 は建設 労働者 で あ る。労災認 定 後 に連 絡 を とれ な くな っ た 3人 を除 き 39人 の 労災認 定者 につ い て あ らた めて 労働 の 私は 軌跡 な どの調査 をお こな っ た。 建設 労働 者 の 労働 の 軌跡 を追 うこ とで全建 総連 の研 究課題 とな っ て い る 「労働者 性 」 の課題 、今 後増 え続 け るア スベ ス ト被 害者救済体制 を考察 してみ た 。現場 実践者 か らの提 言 と した い。 1足 立 支 部 ア ス ベ ス ト労 災 認 定 者 45人 に み る 疾 病 過 酷 な職 業や建設現場 で働 く労働 者 の街 が 足 立 区 で あ る。東 北線 、常磐線 、信越線 の 終着駅 、上 野駅 か ら近 い こ ともあ り東北 、北 関東 、新 潟 県 か ら戦前戦後 は次男 、三 男 が 「つ て 」 を頼 つ て住 み 、高度成長 期 には 「金 の卵」 とい われ た 中学 卒業 生 の集 団 就職者 が 移 っ て きた。また、冬季 の 出稼 ぎ労働 者 な どの飯場 も多 くな り住 宅密集 地 も 生 まれ た 区 で あ る。 1)足 立 区は被 害 が 多 い 地域性 足 立 支部 では海 老原 勇 医師 、藤 井 正 賞 医師 の二 人 の 専 門医 に健 康診 断 時 の レン トゲ ンフ ィル ムの再読影 (健 診 内科 医師外 に読 影 )を して も らい 早期発 見 につ とめて い る。 また 、二 人 の 医師 か らは異 常 の あ る組 合員 が 労働 局衛 生 課 に提 出す る じん肺 管 理 区分 申請 、労働 基準監 督署 へ の 労災 申請 に際 して 意 見書 の記載 ほか 多大 な指 導 を受 けて い る。 お 二 人 に共通 す るの は 「足立支部組 合員 の肺 は異 常 に汚れ て い る」 と指摘 され て い る こ とであ る。 東京 の 下 町、足 立 区。2006年 1月 3日 付 け一 面 トンプ に「足 立 区就 学援助世 帯 42.50/0」 と報道 され た 区で あ る。 昭和 30年 代 に都 営住宅 が 大量 に建設 され た こ ともあ るが 、 北野武 の 父 、気 風 の 良 い塗装職 人 (ビ ー トた け し著 「菊次郎 とさき」)イ こみ られ るよ う に建 設 労働 者 が 多 く住 ん で い る街 で あ る。 ま た 、墨 田区、台東 区な どと並 ん で住 宅密 集 地 が 多 く都 市計 画法 上 の 防火 地域 とな つ て い る。都 市計 画法 の 防火 地域 は 50平 方 メー トル 以 上 は準耐火 、 三 階以 上 の 建物 は耐火建 築物 、つ ま リー般 的建物 は鉄骨 、鉄 筋 コ ン ク リー ト造 りに しな けれ ばな らな い。鉄骨 は 当然 ア スベ ス トの 吹 きつ けが 義務化 され ていた。足 立 区に住 む建設 従事者 は大手建設 現場 労働者 、町場 とい われ る建設 労働者 も殆 ん どが 耐火建 築物 の建 築 にた ず さわ っ た の で あ る。足 立 区 の 建設 労働者 はア スベ ス トに曝露す る必然性 が 高 か っ た とい える。 建 設 以外 で もア ス ベ ス ト含 有建材 メ ー カ ー や ア ス ベ ス ト不燃 糸 工 場 や ブ レー キ製 造 会社 、産業廃棄物処理会社 も多 く、そ の子会社 、下請 けで働 く労働者 の 町 で もあ る。 区民 の 労 災認 定 に協力 したケ ー ス と して 麻袋再 生 業 (ア スベ ス ト輸 入袋 の再 生)、 産業 廃 棄 物処理 業者 、 石 綿発掘製 造 、 ア ス ベ ス トス レー ト製 造 元従業員 もい る。 2)石 綿 労 災認 定疾病 と足 立 支部 の認 定者 ア ス ベ ス ト労 災認 定疾 病 は① 石 綿 肺 ② 原 発性 肺 がん (転 移 性 の肺 がん で は な い と い う意味)③ 中皮腫 ④良性石綿胸水 ⑤びまん性胸膜肥厚の 5つ の疾病となって い る 。 足 立 支部 の 労災認 定者 の疾病 は右記 の よ うにな っ て い る。 良性 石綿胸 水 、 び まん性 胸膜 肥厚 が 0.5と な ってい る の は先 にび まん性 胸膜 肥厚 が み とめ られ て あ とで 良性 石綿胸水 が認 め られ遡 って休 業補償 が認 定 され たか らで あ る。 平成 14年 以 降 か らの統計 な ので一 年 間 に 5.6人 、二 ヶ 月 に 1人 が 労災認 定 され てい る状 況 にあ る。 足 立 の 地域 性 か ら考 える と氷 山 の一 角 と認 識 す べ きで あ る。 後 で述 べ るが足 立 の 地域性 よ りは低 くな る と思 われ るが全 国 の 建設 労働 者 でア ス ベ ス トに罹 患 した こ とを知 らな い で墓 に眠 つてい る人 は数 知れ な い だ ろ う。 2 ア スベ ス ト被害者 の壮絶 な闘病 石綿による疾病 1 石綿 肺 23 2 月 市がん 16 3 中皮腫 5 4 良性石綿胸水 5 びまん性 胸 膜 肥厚 計 05 05 45 NO 平成 22年 6月 30日 現在 、 足 立 支 部 に は ア ス ベ ス ト労 災 職 種 生年月 日 病 認定 日 死亡 1 中卒 大工 s9年 ¬ 月 A H14年 9月 H16年 11月 2 中卒 大工 s5年 2月 A H15年 7月 H15年 7月 3 中卒 内装 大 工 sll年 1月 B H16年 3月 高卒 塗装 s24年 4月 B H17年 11月 H16年 4月 認 定者 は 45人 い るが一 人 ひ と りの 聴 き取 りは 涙 を さそ うも の が あ る。非建設 従事者 、遺族 5 高卒 内装大工 s21年 2月 B H17年 8月 H18年 2月 6 中卒 ス レー ト s9年 8月 B H17年 6月 H19年 6月 の理 解 や 連 絡 の取 れ な い人 た 7 中卒 配管 sll年 10月 A H18年 1月 ち 6人 を の ぞ き 39人 の健 康 実 中卒 大エ s4年 8月 A H18年 3月 態 や 病 的 な変 化 の 調 査 を試 み 中卒 電工 s18年 11月 A H18年 6月 中卒 内装 s13年 12月 C H18年 8月 H19年 4月 高卒 電工 s14年 2月 B H18年 7月 H19年 3月 高卒 大工 s17年 1月 B H18年 12月 中卒 塗装 s4年 2月 A H19年 2月 中卒 大工 s6年 3月 A H18年 12月 中卒 土木 s9年 10月 B H19年 3月 H13年 11月 中卒 左官 s5年 2月 A H19年 8月 H16年 2月 中卒 左官 s8年 5月 A H19年 12月 H18年 1月 中卒 内装 s13年 4月 A H20年 3月 た。 < 右記の病名 A石 綿肺・B 肺がん 。C中 皮腫・D良 性胸膜胸水・ Eび まん性胸膜肥厚> 1)平 均 寿命 よ り 10年 短 い ア ス ベ ス ト被 害者 の命 39人 の なかで遺族 とな っ て い る方 は 21人 と過 半数 を超 え て い る。この 内訳 は死 亡 後 の 申 11 H18年 9月 8人 、申請 後 に亡 くな られ た方 は 13人 とな っ て い る。死 中卒 大工 sll年 4月 B H20年 2月 H14年 5月 高卒 内装 s26年 4月 C H19年 11月 H19年 12月 亡 後 の 申請 とは 申請 準 備 中 に 中卒 冷媒 s16年 1月 A H19年 11月 死 亡 、東 京 土建 国保 の 死 亡原 因 中卒 左官 s12年 12月 A H20年 10月 H19年 10月 通知調 査 か らの 申請 、支部組 合 中卒 大エ s9年 10月 B H20年 10月 H20年 7月 中卒 ブロック s30年 12月 A H20年 11月 H20年 11月 中卒 設備 s24年 8月 C H20年 6月 H18年 6月 中卒 電工 s8年 12月 A H21年 3月 H20年 4月 請が 員 か らの 情 報 に基 づ く申請 な どとな っ て い る。ア ス ベ ス トに よる肺 がん 。中皮腫 の 忠者 、19 人 の うち 17人 が一 年以 内 に亡 高校 解体 s25年 3月 A H22年 3月 くな っ て い る。不治 の病 とい う よ りも「死 ととな りあわせ 」の 中卒 大工 s9年 3月 A H22年 3月 中卒 型枠 s18年 11月 B 病 気 とい え る。 建 設 労働 者 は 「静 か な時 限爆 弾」をかか えて H21年 8月 中卒 内装 s24年 5月 B H21 年 中卒 防水 s19年 12月 B H22年 1月 中卒 電工 s22年 10月 A H22年 11月 中卒 土木 s16年 5月 B H21年 11月 中卒 板金 s10年 1月 A H22年 4月 高退 はつり s19年 3月 B H21年 11月 60 中卒 配管 s31年 1月 A H22年 6月 歳 とい う若 さで ア ス ベ ス トに 中卒 大工 s13年 1月 A H22年 3月 よつて命 を削 られ て い る。 中卒 築炉 s16年 2月 A H22年 6月 中卒 大工 s8年 11月 D/E H20年 7月 い る とい う全 建 総 連 啓 蒙 運 動 の ス ロー ガ ン は ま さにそ の よ うな実 態 を うき ば りに して い る。 亡 くな っ た方 の 平 均 年 齢 は 68歳 で 中皮 腫 の 被 害者 は H22年 4月 9 月 H20年 9月 H20年 11月 H22年 1月 2010年 発 表 に よれ ば男子 の 死 亡 平均年齢 は 78歳 5ヶ 月 な の でア スベ ス ト被 害者 は丁度 10年 早 死 に してい る こ とが解 る。 厚 生 労働省 2)俺 は板 を削 ってい た と思 っ て い た ら命 を削 つ て い た N03の 内装 大 工 の方 は野丁 場 で ビル の 間仕切 りな どの仕 事 を してい た。 NHK首 都 圏ネ ッ トワー ク ニ ュー ス で 「俺 は板 を削 つてい た と思 っ た ら命 を削 ってい た 」 と無 念 の言葉 を残 して逝 っ た。 N04の 塗装 工 の 方 は肺 がん の 宣告 を受 けた後 、 自暴 自棄 にな り 「労 災 なんて俺 に は関係 な い 」 とい っ て 中学 生 、高校 生 の子 どもを残 して旅 た つた。 N025の 設備 工 の方 は真 面 目な ス ポ ー ツマ ンだ っ た。 中皮腫 が判 る 9ヶ 月前 まで バ レー ボ ール サ ー クル に入 り人生 を楽 しんでいた と う。 56歳 の若 さだ つ た 。 N035の はつ り工 の方 は年 末 に肺 がん を指摘 され 、ガ ン治療 の病院 を紹介 され たが 、 「年 末 は稼 ぎ時 で 今働 か な い と年 を越 せ な い」とい って なか なか病 院 に行 か なか っ た。 分 会役員 が説得 と治療 費 の援助 を して初 めてがん治療 を受 けた。 しか し、ガ ン細胞 の 転移 もは じま り労災認 定 2ヶ 月 で無 くな っ た。日々 の収 入 に頼 る建設 労働 者 の 実態 が 死 を早 めた ともい え る。 建設 組 合 の 専従書記 と しては 、ア ス ベ ス ト対策 を して こなか っ た 国 と、危 険 と知 り なが ら製 造 して きた メー カ ー の責任 を と うて い許 す こ とはで きな い。 3 建 設 労働 者 の 労働 者 性 の確 保 労働 災害補償 は 当然 労働 者 で な けれ ばな らな い。建設 労働 者 は 労働 環境 とい うよ り も働 く階層 が複 雑 にな っ て い る。一 昔前 の立 志 意欲 、見習 い→ 職 人 → 親 方 → 棟 梁 とい う図式 か ら近 代建設 産業 の重層 下請構 造 の なかで、働 く階級 が 不 明確 にな り「労働者 性 」 の立 証 が 困難 にな って きた。 しか し、労働 災害補償 は 「労働者 」 で あ る こ とが前 提 とな り 「労働 者性 」 の証 明 が大 きな課題 とな る。労働 者 性 を実証 した あ とには最終 曝露現場 の 特 定 とい う問題 もク リア しな けれ ばな らな い 。 重層構 造 シ ス テ ム は 、事業所 が 経費 削減 を意 図 して 民法 上 の事業 主 (1人 親 方 )に さ せ て形 式 的 な請 兵 関係 (注 文書お よび 領収 書 の発行 )を 行 わせ てい る。 労働 者 災害補償 を請 求 す るに は労働 者 性 を しっか り確保 した うえで労 災 申請 に臨 ま な けれ ば な らな い。申請 後 に監 督 署 で 申請 人 の聴 き取 り調査 は 4時 間 に及 ぶ こ ともあ り申請 人 は しつ か りと 「労働者 」 で あ る こ とを認 識 して い る こ とが肝要 で あ る。 1)就 業 階層 の 変化 が顕 著 な建設 産業 東 京 土建 国保 組 合 の保 険料 区分 は① 見習 い ②職 人 ③ l人 親 方 ④ 個 人事 業 主 ⑤ 法人事 業 主 の 階層 に分 けて い る。 これ は とで もシ ンプル な 階層 とい え る。現在 の就 業実態 で は職 人 と 1人 親 方 あ るい は グル ー プ 労働 、グル ー プ請負 な ど現場 ご とで 契約 (賃 金 支払 い)関 係 が 交差 してい る。聴 き取 り調査 してい て も本 人 が 労働 者 、請兵 、常 用 、 グル ー プ雇 用 、 グル ー プ請負 、 1人 親 方 、事 業主 、特別 加 入 の有無 な ど定 かで な い こ とが 多 々 あ る。一 昔前 の 「渡 り職 人 」 とは違 い 日常 的 に就 業 階層 が 変化す るので あ る。 この よ うな労働者 を厚 生 労働省 は平成 17年 7月 27日 通達 で 「転 々労働 者 」と 規 定 して い る。労働者 性確保 の た めに転 々 をつ な ぎ合 わせ て調 査 し証 明 をつ くるた め に職 歴 を聞 く こ ととな る。 <厚 生 労働省 通 達 よ り> 2)「 転 々 労働 者 等」 の事 実認 定 の 対象 厚 生 労働省 は この通達 で 転 々労働者 な どの扱 い をつ ぎ の よ うに して い る。 (2)転 々 労働 者 等 の事 実認 定 の対象 転 々 労働者 等 の事 実認 定 は 、原則 と して 次 のア又 はイ の事 実 で あ っ て 、事業 主 ・ 同 僚 労働者 等 か ら当該 労働 者 の 石 綿 ば く露 状 況 の確認 が 困難 な も の に つ い て 行 うこ と。 ア 被 災者 が石 綿 ば く露 作業 に係 る事業場 を転 々 として い る場 合 イ 退職後相 当期 間経過 してい る事案 で あ って 、被 災者 の所 属 して い た事業場 が 廃 止 され た場合 (2)請 求書 の提 出 を受 けた監 督 署 にお け る事務 処理 石綿 に よる疾 病 に係 る請 求書 につ い て は 、そ の晃 出 を受 けた労働 基準監 督署 が 所轄 監督署 で あ るか否 か を問 うこ とな く、一 旦 、当該 監督署 が受付 を行 うこ と とす る。 建 設 労働者 を転 々 労働 者 等 とい う呼称 の論 議 は さてお き建設 労働 者 の 実態 、事 実 関 係 の立 証 、救 済 に この通達 は非 常 に大 きな役 割 をはた してい る。労働者性 につ い て は 「同僚証 明」な どで も有効 で あ る こ と。労 災請 求 の提 出は事 故 の あ っ た所轄署 とい う こ とで石 綿被 害者 は最 終曝露現錫 が 不特 定 の 時 が 多 く、労働 基 準監督署 を 「た らい 回 し」 を よ くさせ られ た。 このサ 点か ら建設 労働 者 の転 々性規 定 は 労働者性 、最 終曝露事 業場 の 不特 定 で も良 くな り被 害者 救済 を迅 速化 させ た。 3)労 災認 定 の 労働 者証 明期 間 につ いて ア ス ベ ス ト労災 申請 にお け る労働者 性 期 間 は 中皮腫 で 良性 石綿胸水 は本省 協議 、び まん性 胸膜肥厚 は 1年 、肺 がんで 10年 以 上 、 3年 となって い るので 基本 的 に問題 は な い。石 綿肺 は事業 主 期 間 よ り労働者 期 間 が長 い こ ととな ってい るの で従事証 明困難 にな って くる。 次 の 質疑応 答集 が全 国 の 労働 局 の指針 にな っ て い る。*平 成 18年 10月 8日 厚 生 労 働 省 臨時全 国労 災補償 課 長 会議 「石 綿 に よる疾 病 事 案 の 事務 処 理 に 関す る質 疑応 答 集」 2‐ 4 労働者 と しての従事歴 と事 業 主 と しての 従事歴 が混在 して い る場合 、 どの よ う に認 定すれ ば よいか。 (η ≦ 干 ) 労働者 と して の従事歴 と事 業 主 と して の従事歴 が あ る歩合 の認 定 につ い ては 、労働 者 と して石 綿 ば く露作業 に従事 した期 間に着 目し、それ が認 定要件 に合 致 してい るか ど うかで判 断す る こ とと してい る。 じん 肺 につ い て は、 どち らの粉 じん 作業 が 有 力 な原 因 とな っ たか とい う観 点 か ら、 従事期 間 の長 さな どに よ り判 断す る こ ととして い るが、中皮腫や肺 がんは 、一 定以 上 の石綿 ば く露 が あれ ば、潜伏 期 間 を経 て発 症 に至 る とい うもので あ るの で 、 じん肺 と 同 じ取扱 い とは して い な い。 したが っ て 、事業 主 と して の 従事 期 間 が長 い 場合 で あ って も、労働者 と しての従事 期 間 (通 算)が 認 定要件 を満 た す場 合 には 、原則 と して 、業務 上 (月 市がん は医学 的所 見 が 必要)と して 差 し支 えな い。 以 上 が 労働者 、事業 主 の 労 災保 険補償 での就 労 関係 の規 定 で あ る。労働 者 と事 業 主 の 混在 が 多 い建設 労働者 のアスベ ス ト労災 申請 に注 意す べ き もの で あ る。 4 労 災 申 請 の 実 践 と個 人 請 負 労 働 者 (1人 親 方 )に つ い て 1)個 人請負 労働 実態 の 問題 点 個 人請兵 労働者 の 実態研 究 は佐 藤 裁判 、東栄 住 宅労 災保 険料負担 問題 は全建 総連 で も大 きなテ ーマ となってい る。私 た ちア スベ ス ト被 害者 救 済 の 労働 者性確保 か らも関 心 を もた ざるをえな い課題 とな っ て い る。 個人請 負 労働者 に 関す る共 同研 究会 の研 究報告 書 に記 述 の なかで 「研 究会趣 旨 と 目 的」に よれ ば 「最近 の判 例 との 関係 で建 設 業 の 1人 親 方 の 問題 を検討 す る場合 、建設 産業 とそ の 従 事者 に 関 わ る さま ざま な法律 との 関連 性 を見極 めて い く こ とが重 要 で あ る。特 に建設 業 法 をは じめ と した 各 法律 間 の整 合性 や矛 盾 点 を把握 した上 で 、総合 的、多面 的 な法律 的解 明 が急 がれ て い る。そ の上 で今後 の姑応 と運動 課題 等 を考 え る 道 筋 をつ けて い く必要 が あ る」 とされ て い る。 支部 で 日々組 合員 の 「1人 親 方 労 災」 の あ り方 、特 に野丁 場 で働 く組 合員 の相 談 を受 けて い る者 と して研 究 を深 めて も らい た い。 この論 文 の趣 旨 と離れ るが 、東栄住 宅 の あ らた な発 注者 規 定がは じま っ て 間 もな く 足 立 支部 の組 合員 が 「売れ て い な い 物件 」、 い わ ゆ る東 栄住 宅 が発 注者 とな る現場 の 建前 工 事 中に大 ケガ に見 舞 われ た 。 当然 、「1人 親 方 の集 合 体」 の建 前現 場 で あ る。 建前 時 の指揮命令性 、指揮 監督性 が 問われ た。建 前 は 1人 親方 だ けではで きな い ので 一 日労働者 を誰 かが 雇用 してい るか の 問題 も発 生 した。 建 前 の あ との 「1人 親 方 集 合 体」方式 の あ りよ うは理論 的 には可能 だが建 前 時 に 「1人 親 方集 合体 」 で は建 て られ な い。そ こには指 揮 、命令 、統括す るい わ ゆ る現場 監督 がい なけれ ば な らな い。現場 監督 と 1人 親 方 との使 用従属性 に発 展す る問題 とな っ た。私 たち の話 し合 い の なかで 東栄 住 宅 も この 「建 前 時 の 労災関係 」 に社 内検討 がは じま っ た。私 も知 りえる範 囲 の 助 言 を した。 私 は この よ うな建設 就 労 実態 か ら 1人 親 方 とい うこれ まで の 呼称 に非 常 に疑 問 を もつてい た。労災 申請 にあた り被 害者 の 聞 き取 りか ら 1人 親 方 といっ て も労務 供給形 態 、民法 上 の独 立 とい い なが ら固定 した生産手段 が 皆無 で個 人請負 とい えない 人 が 多 か っ た。 2)「 総合 的判 断」 に耐 え うる準備 労 災 申請 の た め とい う狭 義 の 労働者 性 か も しれ な い が 、支部 で は労働 基 準 法 上 の 労働 者性 の判 断基 準 とな る使 用従属性 、報 酬 の 労務 対償性 で 労働者性 の聴 き取 りを行 つ て い る。補 強 とな る要素 の機械 、器 具 の負 担 関係 、報酬 の額 、専属 制 の程 度 な どを 準備 し最後 は 労災補償認 定 の 「総合 的判 断」 に耐 え うる準備 、資料 を ととの え る。 この 総合 的判 断 を補 強す る もの と して大 手現場 で の入 所 カ ー ド、資格 、褒 章 な どの 賞状 、最近有効 とな っ て い るのが建 前 時 、事業所 の宴会旅行 、実際 に建 てた建 築物 な どの 写真 で あ る。最近 は労働 基 準監督署 の 方 か ら 「写真 が あれ ば 良 い です ね 」 とい わ れ る よ うにな っ た。 この 写真 の証拠提 出は大 きな成果 と自負 して い る。 3)39人 の 労災認 定 へ の道 と労働 の変遷 39人 の 労災認 定者 の 内訳 は労働者 が 30人 、1人 親 方 特 労働 者 別加 入者 が 3人 、事業 主特別加入 者 が 6人 とな ってい る。 1人 親 方特別加 入 丁場別 では町 場 が 16人 、新 丁場 8人 、野丁場 15人 とな つて い る。 次項 は 30 3 事 業 主特別加 入 39人 の 就 労期 間 を 階層 別 に グ ラ フ に した も の で あ る。 6 町場 16 尚、グ ラ フの最終 労働 形 態 と労災認 定要件 が 違 うもの は被 災疾病 の 新 丁場 8 認 定基 準 に よ っ て 異 な る こ とを付 記 してお く。 野 丁場 15 ① 労働者 として働 き続 けて 労働者 での認定 は 30人 である。建設業を志 し労働者 を通 した者は 18人 。特に「転 々 労働者」に多いのが特徴 である。地方出身者 が戦後 「つ て」を頼 つて町場 で親方 の も とで働 い たケースが多 い。他産業か ら移動 した者は 4人 。 ② 労働者 か ら 1人 親方そ して事業主ヘ 1人 親方 での労災が少ないのは労働者性 へ の厳密な調査によるものであるが、大 手ゼネ コンの事務組合で 1人 親方労災加入者 もいた。事業主 での労災認定者 の労働 階層 の推移 をみてみ ると概ね建設業に従事 して早い期間 に労働者 か ら事業主に独立 している。それ も特別加入 へ の加入 も早 い。建設事業主 として経営感覚 と安全対策 の 自党 が させてい るのだろ う。 ③ 他業 か ら建設 業 に移動 他産業 か ら移動 して建設労働者 にな り 1人 親方になった方が 4人 、事業主 となっ た者 は 3人 とな ってい る。他産業 か ら建設業 に移動 しても経営者 になった人 も多い。 つ 最終学歴 について 戦争前後に生を受けた人 は全員 が 国民学校や新制 中学 の卒業 生で ある。そ して、親や親戚 の元で年 中学校 卒業 (尋 常小学校 。国民学校含む) 32 高等学校 卒業 (中 退含む) 7 季 を あけて上京 した 人 が 多 いが 、な か には海 軍 工廠 工員養成 所 を終 え られ た方や 東京 大空襲 で身 寄 りが な く 12歳 で働 きは じめた 方 もい る。 徒弟 制度 が色 濃 く 「親 方 が す べ て 」 で生 きるた めの 技術 、技能 を備 えて きた の であ る。首都 圏 ア スベ ス ト訴訟 の な か で 被 告 製 造 メ ー カ ー は必 ず 「ア ス ベ ス トが危 険 とい うこ とを何 故 知 らなか っ た の か 」 とい う尋 問 が あ る。原 告 は 「親 方 が この材 料 を使 え とい えば使 うだ けで私 た ちは ア ス ベ ス トとい う名 前 を知 る由 もな か っ た」 と答 える。 昭和 20年 代 以 降 に生 まれ か たは工 業 高校 な どを終 え られ て い る。 大学卒業 生 は 1人 もい な い。 5 個別就 労実態 と労働 者性 の特徴 39人 の職 歴 か ら特 徴 的 、印象 的 な人 を追 っ てみ た。 ① N03 中学 を終 え 、他 産業 で働 い た あ と、過 酷 な黒 部 ダ ム建設 に 5年 間従事。 そ の 後 生活 基盤 の安 定 を も とめて 、東京 タ ワー建 設 に代表 され る高度 経 済成長 時 に ビ ル な どの 内装 工事 で働 く。 14年 間 の 労働 者 生活 か ら法人代表 者 に。 事 業 主特別加 入 で認 定。霞 ヶ関高層 ビル に従事 した ときの完 エ メグル が 労 災認 定 に良 い証拠 とな った。 最 終曝露現 場 は皇居 新 宮殿 とな ってい る。 ② N019 肺 がんで亡 くな られ てか ら労 災 申請 を した 方 で あ る。 奥 さん もす で に亡 くな られ て い た ので長 女 の 方 か らの聴 き取 りとな っ た。困難 な事 案 で あ っ た。青森 県 か ら出て きて祖 父 の も とでお父 さん は あ る。肺 が ん は 25年 間働 い た。 い わ ゆる親 か らの事業継 承 で 10年 以 上 の 労働者性 が求 め られ る。 公 的証 明は一 切 な い。 建前 時 の 写真 が残 っ て い た。写真 で は後 ろ の ほ うで小 さ くな って写 つ て い た。 この後 ろ の小 さ い こ とで 労働者 性 を主 張 した。事業 主 の事 業継 続者 で あれ ば前列 の 中央 に い るはず だ か ら。そ の ほか に元 同僚 を探 し親 の も とで は 賃金 労働 者 で あ っ た こ との証 明 を して も らっ た。粉 じん 曝露証 明で は 当時建 て た現存す る家 の 写真 を提 出 した。労働者 で認 定 。 ③ N024 この方 も親 の も とで 築 炉 工や レンガ積 工 と して働 い た 。 労 災補償 で の親 子 関係 は非 常 に難 しい。零 細事 業 な ので公 的証 明 が無 い と思 われ て い たが 、関係 書類 を持 つて きて も らっ た ところ 、平成 4年 の 特別 区民税・都 民税 の納税 通知書 が一 枚 だ け出て きた。 この一 枚 が 決 め手 とな っ た。親 の 元 で 労働者 と して働 い た とき の源 泉徴 収 が立 証 したので あ る。全就 労期 間 38年 間 の うち 22年 間 の 労働 者性 を主張 で きた。 労働者 で認 定。 ④ N034戦 後 の混乱期 に 12歳 でブ リキ職 人 の道 に入 つ た。 いや 生 き るた めにブ リ 10 39 氏NNく くぐヾさささまNКく(ぐSSさ さXNく くぐヾSSぶ ふさNN(ぐ ヾSSさ まヽ試NくぐヾSSぶ さXN 38 37 36 Кくヾ§さふヽ隠NRく ヾ§§ささざXNく くヾ§さささヽNミくくヾ§ささぷヽ隠くRくヾ苺ささきヽ武くRぐ輻 35 34 КヾSSさ ふヽN(く ぐ§§ささぷざNミくぐヾ0さささざ試買く《§SささふXNく くくヾささささXNく くぐ弩 33 32 Nく くヾささNN(ヾ ささヽNNくヾSさ ヽ隠Rヾ ёささNNくぐSさ ぶNNぐ§ささざ\Rぐ 苺ささNRく弩 31 30 29 28 ‐ 1 27 いさふざミくSさ ふ誤くRヾ SSぶNNぐ§さささ照Rヾ §ささNHHHHHHHHHHHHHH‖ 26 鷹苺§ぷぷぷ鼠RКК(部ぷざぷぷ晨RRК (吋ざぷぷぷ要RRК (部ざぷぷぷ晨RRК 《暉苺ぷぷぷ諷RК更電司 25 24 23 22 ドミRヾ さふNNくヾSさ ぷNNく§Sさ へ隠Rぐ SSふ誤ミくヾSSぷ NttRぐ SSぶヽくく§Sぷ \ミR幻 21 20 Кミ§さささぷXヽくくミ苺ささふさNミRく囃ささささぷ試くくくミさささぷ誤NNRく ヾ§ささふヽNRく く幻 19 18 17 口 嗚 IHHHH‖ . I ・ I 16 15 14 田他職種 国 労働者 □一 人親方 賜一 人親方(特 別 )加 入 囲事 業主 ‖HI‖ ! │ │ ヽポくヾSSNNく ヾSさ さNNミヾ0さ ぶNミ 埒§ささNNくヾ§さささXく ぐささぶNNくぐSぶ ぶN(呵 13 12 Nく くくミヾミ§Sё ёさささふざ誤\NRゞRく くくミ§§§ёさささふ劇‖H‖ ‖‖‖‖‖‖‖‖‖11 1 11 10 9 8 7 6 Nく ヽN\ざヽふふささささささミヾヾぐヾくくくヽNNよ ヽささささささSSミ ミヾくくくN . I 5 4 3 2 1 40% 100% キ職 人 の 親 方 に身 を寄せ た とい つた方 が 良 い だ ろ う。典型 的 な転 々 労働 者 で あ る。向 島地域 を職 域 と して 12歳 か ら 74歳 まで 62年 間 ブ リキ職 人 、板金 、屋 根職 人 と して 働 い た。 この 62年 間 で具 体的証 明 を とれ た事 業所 、同僚 証 明 が計 11枚 。お そ らく木 当は も つ と多 くあ った のか も知れ な い。二 人 で 向島地域 を転 々 と歩 い た。 この転 々 労 働 をつ な げ られ た の は 申請 人 の 人柄 と記 憶 の正 しさだ っ た。 転 々 労働 者 の なか には 「こん な仕 事 で きな い」と唆呵 をき って辞 めた職 人 が 多 いが 、この方 は生 き る道 は「他 人 と上 手 くや る」 とい うこ とを幼少 時 に経 験 した の だ ろ う。 労働 者 で認 定。 ⑤ 区民相 談 で の 労災認 定者 か ら 肺 呼 吸 が 困難 にな り近 所 の 医院 か ら酸 素 ボ ンベ の使 用 をす す め られ た。酸 素 ボ ンベ 業者 が 専 門医 の芝病 院 の藤 井 医師 を紹介 。藤 井 医 師 か ら労 災 申請 を依頼 され たケ ー スの 人 で あ る。この方 はア スベ ス トス レー ト建材 会 社 に勤 めて 曝露 した もの で あ っ たが 、昭和 22年 まで故郷 の福 島県 の金 剛鉱 山 の石 綿 採 掘加 工 工 場 で働 い て い た。採 掘 を止 めた 関係 で 東京 の親 会社 ア ス ベ ス トス レー トエ 場 に異 動 し長年 勤務。日本 の石綿採 掘現場 で働 い た最後 の 方 か も しれ な い。 一 生 、 ア スベ ス トに携 わ っ た人 で あ る。 6 全 国 に 埋 も れ て い る ア ス ベ ス ト被 害 者 平成 20年 度 の全 国 の石綿 に よる肺 がん 、 中皮腫 、良性石 綿胸水 、 び まん性 胸 膜肥厚 の 支給 決 定件数 は 1,114件 。埼 玉 ・千葉 。東京 ・神 奈川 の 4県 で 320件 、大 阪 ・ 兵庫 で 272件 とな っ てお り 6都 府 県 で 592件 と全 国 の 出身県 北海道 1 青森 1 岩手 2 宮城 1 山形 1 福島 1 占めてい る。 建設 業 の じん肺 (石 綿肺 だ け の 統 計 はな い)で は全 国 で 350件 、埼 玉 。千葉 。東京 ・神奈川 の 4県 で 83 件 、大 阪・ 兵庫 で 31件 とな って お り 114件 で 32%を 占めて い る。足 茨城 3 栃木 1 13署 に の ば る。 北 は札 幌 、函館 もあ 群馬 2 千葉 2 埼玉 1 東京 14 新潟 3 山梨 1 長野 1 愛知 1 島根 1 愛媛 1 熊本 1 計 39 530/0を 立 支部 申請 の認 定労働 監督署 は る。 全建 総連 第 50回 定期 大会 資料 に よれ ばア スベ ス ト関係 の 労災認 定 数 は 138人 とな って お り埼 玉・千葉 。東京 。ネ 申奈川 の 4県 で 110人 、 大 阪 ・ 兵庫 で 2人 とな っ て い る。 53の 都 連 、県連 、組 合 で 労災認 定 が 16で 11%の 状 況 で あ る。 ア スベ ス ト申請 、認 定が高 い 大者[市 圏 で は受診 体制 、専 門医 の 問題 もあ る と考 え られ るが 、 じん肺 (石 綿肺 )は 大都 市圏外 で も全 国 で 労 災認 定者 が 多 い。これ は全 国 の トンネ ル じん肺裁 判 な どで 被 害者 の掘 り起 こ しが全 国 の運動 で広 が っ た の ではな い だ ろ うか。 ア ス ベ ス ト渦 に巻 き込 まれ 亡 くな っ た建 設 労働 者 は無 数 に い る と 考 え られ る。 1)39人 の うち 25人 は東 京 以外 の 地方 出身者 右記 の 表 は支部 で 労災認 定 した 方 の 出身県 で あ る。多 くは首者[圏 の過 酷 な建設 現場 12 で ア ス ベ ス ト曝 露 した もの で あ るが東 京者[内 で働 く前 に ア ス ベ ス トに曝 露 してい た 方 もみ られ る。全 国 にはア ス ベ ス ト被 害 とは知 らず に亡 くな られ た方 も多 い と推 測 し てい る。 2)北 海 道 か らの 出稼 ぎ労働 者 が 労災認 定 N018は 型枠 工 の方 で 北海 道 か らの 出稼 ぎ労働 者者 だ っ た。平成 11年 に私 ど もの 組 合 に加 入 し平成 20年 肺 がん を発病 。 東京 では型 枠 大 工 を していたので粉 じん 作業 は考 え られ なか っ た。聴 き取 りの なかで 中学 卒業後 、函館 市 内 の建 築会社 で解 体 、は つ り、ボ ー ド張 りな ど建 築 一 式 の工 事 の仕 事 を して い た こ とが判 つ た。東京 で はお一 人 で 寮住 ま い だ っ た の で故 郷 で療養 す る こ とにな り、ア ス ベ ス ト曝露 した住 所地 の 函 館 労基署 に労災 申請 し認 定 とな っ た。 3)岩 手県 か ら出稼 ぎにきて 4ヶ 月 で ア スベ ス ト被 害 がわか る N036 配 管 工 の方 は足 立 支部 に平成 21年 6月 1日 に所 属事業所 を通 じて組 合加 入 した。岩 手県 出身 だ っ た。支部 の 7月 の集 団健 康診 断 の 再読影 で肺 の異 常 を指摘 さ れ た。 9月 に じん肺 管 理 区分 申請 した あ と息子 さん の 車 で 帰省 した。後 日、管理 3ロ で 続発 性気 管支炎 の合併症 で あ る こ とが判 り労災 申請 の 準備 。中学卒業後 に三 陸沿岸 部 で設備 工 にな り公 共建 築物や ホテル な どで は つ りや 解 体 な ども してい た。係 わ つ た 建 物 の 写真 と りや過 去 に勤 めた 事業所 か ら従 事証 明 を も らい 、最 終事業場 で あ る 12 月 に足 立 労基署 に 申請 。そ の後 申請人 が工 事 した岩 手 県 立 病 院 がア スベ ス ト未 処理 で あ る こ とが判 り補 強 資料 と して 申請。平成 22年 6月 22日 、新宿 労基署 管 内 の 大手 ハ ウス メー カ ー 労 災で労災認 定 とな っ た 。私 は 申請 人 とは 帰省 す る一 日とい うよ り二 時 間 しか聴 き取 りして い な い。 あ とは電 話 、郵 送 で の連 絡。私 も岩手 県 出身 な ので 「お 国言葉 」 での や りと りだ っ た。 申請 例 が長 くな っ たが地方 の建設 労働 者 、出稼 ざ労働 者 には数知れ ず のア スベ ス ト 被 害者 が い るに ちが い な い。 ちなみ に先 の岩 手県 の岩 手労働 局発表 の 平成 17年 、 18 年 、 19年 、20年 の 4年 間 で石 綿 労 災認 定者 (粉 じん 除 く)は 3人 だ けだ① この 3人 も建設 労働 者 か ど うか は判 らな い。 7 今後 の ア スベ ス ト被 害者救済 に 向けて 高度 成長 に あわせ て大 量 に使 用 され た ア ス ベ ス ト建 材 の 粉 じん を吸 つ た 労働者 の 潜伏期 間 が これ か ら解 けて くる。ア ス ベ ス ト被 害 の今後 の 予沢Jと して石 綿肺 がんだ け で も海 老原 医師 査 に よれ ば毎年 (NPO法 人 8、 職 業性 疾 患 ・疫 学 リサ ー チ セ ン ター 理事長 )の 研 究調 000人 の死 亡 者 が 推 定 され る とい う。 これ に 、石綿肺 、 中皮腫 を 加 えれ ば この倍 にな る予測 も され る。 1) 今後、増 え続 ける建設 労働者 の被害 13 「わが 国 の建 2006年 第 1号 で 次 の よ うな報告 してい る。 設 作業者 は政府 統計 で 540万 人 、退職者 を含 め る と 1、 000万 人 、平成 14年 の 男性 の 、人 口 10万 人 に姑す る肺 がんの死 亡者数 が 66、 8人 です。建設作業 で石 綿 曝露 を 受 けた人 が 1、 00o万 人 と仮 定す る と、 これ を掛 け算 して 、 さらに建 設 作業者 で は 日 本 人男性 と比 較す る と 1.24倍 を掛 け算す る と 8、 283人 の人 が肺 がん で死亡 す る こ と にな ります 。 この うち建設 作業者 の肺 がん で あれ ば 、76%が 臨床所 見 の み で石 綿 関連 海 老 原 医師 は社 会 労働衛 生 肺 がん と して 労災認 定 され る基 準 を ク リア してい る。に もかかわ らず殆 ん どの 人 が タ バ コの た め と処理 され てい る。」 また 、 2005年 10月 12日 の東京 新 聞 一 面 の記 事 (共 同通信 )。 「今後発症す る中皮 腫 は最 大 で 5万 人 、肺 がん 忠者 は 3万 5千 人 と環境省 の発 表」 と報 道 してい る。い ず れ に して も建設 労働 者 は 将 来 にわ た って ア ス ベ ス ト問題 と対 峙 して い か な けれ ば な らな い。 2) ア ス ベ ス ト問 題 に 組 合 が 正 面 を 向 く 2005年 6月 29日 に クボ タ シ ョ ンクが 起 こった。東京 土建 で も対策 が始 ま っ た。足 立 支部 では 7月 5日 に足 立 区にた い し「ア ス ベ ス トに関す るお願 い 」 と して 区内建材 工 場 内 の安全衛 生 の 強化 、労働者 の 専 門医に健 康診 断、工 場周辺 の被 害者 調査 の 申 し 入 れ をお こな っ た。 そ して 区内 の建材 工場 で懇 談 をお こな っ た。 翌春 には海 老 原 医師 の 講 演 会 を開催 す る と ともに足立 区医師会 に対 して ア ス ベ ス ト外 来 開設 の要請 を した。そ の なか で 日本 民 医連 の病 院 で あ る柳 原 病 院 が 8月 に芝病 院 の 協力 も得 て じん肺 。ア スベ ス ト外 来 を開設 して くれ た。組合 が ア スベ ス ト問題 に 正 面 か ら向 き合 うとい うこ とが 組 合員 に も広 く理解 され る よ うに な り多 くの 相 談者 が 見 える よ うにな っ た。NHKは じめ マ ス コ ミか らも取材 が くる よ うにな り報道 され る とさ らに相 談数 が 多 くな っ た 。労災 申請数 も多 くな るので 、自然 と体制 が 強化 され て相談水 準 も高 ま っ て行 つ た。 組 合員 の 生 活 と権利 擁護 が組 合 の使命 で あ る。ア スベ ス ト問題 に正 面 か ら向 き合 い 建設組 合 固有 の課題 と して第 一 義 的 に据 える こ とが重要 で あ る。 3)ア ス ベ ス トを 意 識 し た 医 師 、 医 療 機 関 が ふ え る 全建 総連傘 下 の組 合 でア ス ベ ス ト被 害者 救 済 の壁 となってい る のが 「わか る医 師 ・ 医療機 関」が少 な い とい う実情 で あ る。 しか し、 ア スベ ス ト問題 が 社 会 的 にひ ろが る なかで 「分 る医師 」 が少 しず つ 多 くな っ て い る。 足 立 支部 の 45人 の被害者 を診 てい ただ い た 医療機 関 は次 の通 りで あ る。 しばぞ の診 療所 (海 老 原 勇 医師 )21人 、芝 病 院 。柳 原病 院 (藤 井 正 賞 医師 )17人 、そ して 中皮 腫 5人 、肺 がん 1人 、 じん肺 1人 は被 害者 の通 つ て い る主治 医 で あ る。まだまだ 15%と 少 な い が 、こ こ最近 は 5人 に 1 人 は主 治 医 で あ る。肺 が んの レン トゲ ンフ ィル ム読影 は難 しいか も しれ な いが 、中皮 腫 は多 くの 医師 が認 め る。 じん肺 (石 綿肺 )は 各都 道府 県 の 労働 局衛 生課 の 管 理 区分 とな るた め労働 局 へ の 申請 を強 め る こ とが重 要 で あ る。 14 4)ア ス ベ ス ト問 題 に 理 解 が 得 られ る 医 療 機 関 を 多 く 医療機 関 の 友 の 会 (医 療機 関 の 共 同組 織 )で 活 動 してい る友 人 か ら「松 舘 さん 、友 の会 会 員 で 咳 き の ひ どい 人 がい る。 塗装職 人 な の で ア ス ベ ス トが原 因 で は な い か」と の電話 を い た だ い た。過 去 の職歴 な どを 聞 き専 門医 で肺 の診 断 を して も らい じん肺 管 理 区分 申請 した ら、療養 に値 す る決 定 だ っ た。N013の 塗装職 人 さん の こ とで あ る。 全 日本 民主 医療機 関連合 会 (略 称 民 医連 )の 月刊誌 民 医連 2006年 5月 号 ア スベ ス ト問題 特集 で九 州 の 田村 昭彦 医師 は 5つ の視 点 か ら次 の よ うにま とめて い る。「第 1に ア スベ ス ト被 害者 が 、忠者 や 共 同組織 の人 び とや そ の周辺 に 多 く存在 してい るこ とに注 目す る必要 が あ る。第 2は 、ア スベ ス ト問題 へ の 取 り組 み は 日常 医療活動 を生 活 と労働 の視 点 で 見直す活動 で あ る こ とだ。第 3に 、この 取 り組 み を通 じて働 く人び との健 康 問題 を担 っ て い く人材 の 育成 に努 め る こ とが重 要 であ る。第 4に ア スベ ス ト 問題 に取 り組 む活動 を全 国的 に繰 り広 げ る こ とが重 要 で あ る。第 5に これ らの取 り組 み を通 して 、労災認 定基準や肺 組織 の ア スベ ス ト線維数 測 定が可能 な機 関 の設 置 を全 日本 民 医連 規模 で検討 す べ きで あ ろ う。」 とま とめて い る。 この よ うな指 摘事 項 を実 践す べ く 2008年 、 全 国 の 医師 14人 で全 国木 民 医連 ア スベ ス ト多施設調 査研 究班 を 発 足 させ た。研 究 班 では肺 がん 患者 の胸 部 X線 と胸 部 CTの 画像 を判 読す る読 影 会 を ひ らき、研 究成果 を 日本 産業衛 生 学会や 日本 呼吸器 学会 、 日本 社会 医学会 で発 表 して い る。 全建 総連 の傘 下組 合 の 多 くは集 団健 康診 断 をお こな って い る。まず この よ うな医療 機 関 との 関係 づ く りか ら糸 口が み つ か るはず で あ る。 8 -過 性 の 問題 で は な く未 来 永 劫 の課題 と して Itき つ けア スベ ス トが あ る と、 1987年 にア スベ ス ト学校 パ ニ ン 学校 施 設 に危 険 な「 クが起 こった。 東京 土建 一 般 労働組 合 の理論 資料誌 「建設 」 43号 (1986年 12月 ) 1こ 「命 にか か わ るア スベ ス ト粉 じん =京 建 労 の と りくみ の 紹介 =」 (京 建 労 吉野 六 郎 当時 )と して建 築現場調 査 、分析 結果 、仲 間 の健 康診 断 の 実施 な どを論 じ てい る。 同 じ号 で 「ア スベ ス トじん肺 と建 設 労働 者 」 (東 京 土建本部 木 津 玖美 子 書記 書記 次長 当時 )が 石綿肺 の危 険性 、取 り組 み の 強化 を訴 えてい る。 当時、 アスベ ス ト輸 入 はま だ 300万 トン前後続 き輸入 の 高 い 山を続 けて い た。石綿 協会 は 「政府 は石 綿 渦 をおお げ さにで っ ちあげ」 とキ ャ ンペ ー ン をは つてい た。 木 津玖美 子 書記 の文 の 中に労働 省 統計 に よる と石 綿 に よる肺 がん 。悪性 中皮腫 の職 61年 まで 42人 、昭和 57年 か ら昭 和 61年 まで の東 京 土建 の組 合員 の肺 がん死 亡者 は 36人 、そ の なかで悪性 中皮腫 が二 人 と述 べ られ て 業病認 定者 は昭和 23年 か ら昭和 い る。私 の入職 前 の こ とな の で 当時 の 問題認識 は よ くわ か らな いが 、現在 と比 べ て 見 え るか た ち の被 害者 がまだ少 な く問題 意識 が広 が らなか っ た の では な い だ ろ うか。当 時か ら 25年 以 上 過 ぎて、ア スベ ス ト潜伏 期 間 が解 けて きて被 害者 が激 増 して い る。 15 全 建 総連 50回 大会 の第 2分 科会 (労 働 対策 )の 議 事要録 には 「まだまだ被 害 に苦 しむ 仲 間 が埋 もれ て い るのが 現状 だ」「47都 道府 県 には表 面 にでな い 、肺 がん 等 の名 称 で処理 され て い る方 が相 当数 い る と思 う」 な ど切 実 な訴 えが述 べ られ て い る。 全 建 総連 の各組合 。支部 は一過性 の 問題 に しないで未 来永劫 の課題 と して 取 り組 む こ とが求 め られ てい る。 参考書 全建 総連 ブ ック レッ ト (31) 手間請就労者 を巡 る諸 問題 と課題 全建 総連顧 問弁護 士 東京 土建産業対策活動者会議 景― 古川 (2006年 5月 ) 川 口 美 貴 (2009年 12月 13日 ) 労働者概念 と理 論的課題 関西大学法科大学院教授 建設 産業 にお ける個人請負 労働者 に関す る研 究報告書 個人請負 労働者 に関す る共 同研 究会 建設 作業者 の石綿 関連疾患 NPO法 人 理論 資料集 「建設 J46号 4月 30日 ) 医学博 士 海老原勇 。 職業性疾患 疫学 リサ ー チセ ンター理 事長 千葉 大学 医学部助教授 海老原 (2007年 6月 20日 東京土建 (1987年 9月 勇 理 論 資料誌 「建設 」43号 ア スベ ス ト問題 の過去 と現在 (2010年 ) 東京 土建 (1986年 12月 石綿対策全国連会議 ア スベ ス ト禍 はなぜ広が っ たのか ア ッ トワー クス (2007年 ) ) 11月 23日 ) 中皮腫 。じん肺 ・ ア スベ ス トセ ン ター 編 日本言 平言 命4上 (2009年 16月 25 日) 首都 圏建設 ア スベ ス ト訴訟 甲A第 173号 証 意見書 建設 ア スベ ス ト被 害 と政府 ・ 業界 の責任 立命館 大学教授 職業性石綿 ば く露 と石 綿 関連疾患 民主 医療連盟 民医連 医療 405号 産業 医学総合研 究所森永 いつ で も元気 ) 三 信 図書 (2005年 3月 25日 ) 謙二 福 岡 。九州社会科学研 究所 医師 民主 医療連盟 (2010年 1月 18日 裕之 森 田村 肺 がん 8人 に 1人 にア スベ ス トが影響 16 昭彦 (2006年 5月 号) (2010年 3月 号 )
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