2016.2.19 「花に触れ、美しく生きる力を身につける」 ー華道部編ー 今回は、日本を代表する伝統文化「いけばな」に取り組む華道部の 特集です。原稿を書くのに苦しんでおりましたら、ちょうど京都の池 坊短期大学の理事長先生が来校され、パンフ等の資料をいただきまし た。目を通しておりましたら、何人かの先生が「いけばな」について 語っておられましたので、一部を紹介します。 土屋郁剛教授は、同大学の「いけばな・花デザインコース」の目標 を「花にも人と同じ『いのち』があり、それぞれ姿形も表情も異なり ます。このコースでは、そうした花の『個性』を見定め、その花を最 適な場で活かしてあげることのできる技術と知識、そして心を身につ けます」と説明されています。 森川佳代准教授の説明は「いけばなの授業には、心を鍛える効果が あると思っています。つぼみの時も、花開いた時も、散りゆく時も一 瞬一瞬に美しさがあり、そのどれもかけがえのないものです。花のい のちに触れ、いのちを学ぶこと」とのことです。 確かに花に触れることは、 「いのちを学ぶこと」であり、生き方につ いて考えることにつながるのかもしれません。花に喩えた詩とか歌謡 曲、例えば、「№1にならなくてもいい、もともと特別なOnly one」 というスマップの「世界に一つだけの花」などを考えれば、それは理 解できます。本当に様々な花を見ていると、自分の「花を咲かせるこ とだけに 一生懸命になればいい」と思わされます。 「花を咲かせる」と言えば、最近、私がよく挨拶等で引用するのは (今回は引用ばかりで恐縮です)、ノートルダム清心女子大学の渡辺 和子理事長の言葉(著書のタイトル)です。それは「置かれた場所で 咲きなさい」です。ともすれば私たちは自分の花が思うように咲かせ られないとき、周りのせい、環境のせいにしてしまいます。考えてみ れば満点の環境など、そうそうあるものではありません。やはりそれ ぞれの環境の中で、自分の花を精一杯咲かせることが大事なのだと思 います。偉そうにこんなことを言うと、「そうは言っても、とても花を咲かせられない時もあるよ」とい った声が聞こえてきそうです。そんなあなたにも、渡辺和子さんは言います。「咲けないときは根を下へ 下へ降ろしましょう」 上手くいかないときは休んで充電するも良しということでしょう。ただ花を咲かせる準備だと前向きであ ることは大事なのでしょう。先に紹介した土屋教授はこうもおっしゃっています。「いけばなを学ぶうち に、学生たちのこころが優しく変化していくことを感じます。花を通して多くのことを学び、ひとまわり 大きな人間になって欲しいと願っています」 ひとまわり大きな人間に成長する、本校華道部の活動に期待しています。
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