園だよりはこちら - 麻生明星幼稚園

園 便 り
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○「イエスさまを忘
イエスさまを忘れない」
れない」○
1、卒園式を終えて
30 名のお友だちが卒園式をおえました。同じころに、遠く離れた町で小学校入学に向けた準備をしておられる懐か
しい仲間たちと併せて、こころよりお祝い申し上げます。また卒園式に向けてご配慮くださいました各クラスの保護
者のみなさまにこころよりお礼申し上げます。卒園式では園長から「幼稚園で世話になったこと、一生恩に着てくだ
さい」と言葉を贈りました。これから先の人生で、一人ぼっちで苦しまなければならない時や、周りの人から粗末に
扱われることがあれば、必ず思い出してほしいと思います。イエスさまから愛されていること。お父さまお母さまか
ら愛されて過ごした日のこと。幼稚園で先生方から大切にされたこと。人生の最後の日まで、忘れずにいてほしいと
思います。この先どんなに辛いことがあっても「だれからも愛されたことがない」とは思わないでねと、心を込めて
送り出しましょう。
命の重みは、その人の能力の高さに比例するものではありません。またその人の資産が増えれば命の重みが増すも
のでもありません。その人が「どれほど愛されて生きてきたか」
。今日まで「どれほど多くを赦されて生きてきたか」
。
それがわたしたち人間の命の重みを増すのではないでしょうか。最後の一日まで、決して自分を粗末に扱うことがあ
りませんように。イエスさまの愛を忘れないでくださいね。
2、三学期に二度目の臨時休園
臨時休園という措置を取ることによって、インフルエンザの集団感染を最小限に抑え、開催の危ぶまれた卒園式
も予定通り行うことができました。臨時休園明けの卒園式当日は、特に念を入れての出席制限をお願いしました。
格別のご理解とご協力をくださいましたそれぞれのご家庭に、こころよりお礼申し上げます。札幌市内の流行は下
火となっておりますが、今後も続けて「幼稚園側の課題」
「ご家庭での課題」
「子ども自身による自律的課題」の三
点あわせて、感染症防止に努めてまいりましょう。
3、新年度に向けて一番大切なこと
4 年前に麻生明星幼稚園を卒園した女の子がいます。わたしたちがその子の幸せを願い、こころからの祝福をも
って送り出した大切な卒園生です。その女の子には弟が生まれました。生まれてきた子どもは、成長していく中で
他の子どもたちよりも、より多くの苦労を経験するかもしれない事情を抱えて生まれてきました。この子は神さま
の聖なるご計画のうちに、生まれてきた大切な子どもです。
昨秋、お母さんが「麻生明星幼稚園に入園させたいのだがどうだろうか」と相談にいらっしゃいました。本当に
よくぞ訪ねてきてくださいました。麻生明星幼稚園には必ず入園してもらわなければなりません。なぜならば、麻
生明星幼稚園は創立以来一度も欠かさずクリスマスの降誕劇を続けてきた幼稚園だからです。
幼稚園児たちが毎年演じているクリスマスの降誕劇には、マリアさんというお母さんが登場します。マリアさん
は絶望的な状況の中でイエスさまを身ごもりました。この母と子の味方になる何人かの人が与えられたことは、神
さまの恵みでした。マリアさんに限らず、すべてのお母さんたちは生まれてくる子どもを選ぶことができません。
周りのひとが何と言おうと、母親は生まれてくる子どもを愛することしかできないのです。神さまから授かった子
どもを守り育てようとする母親を一人ぼっちにさせてはなりません。
「キリスト教保育」というのは、そういうこと
ではないでしょうか。
かつて幼稚園でクリスマスの劇を何度も何度も練習した女の子もいま、弟を大切に守り育てているお母さんの背
中をじっと見ています。他の幼稚園ならばともかく、われわれ麻生明星幼稚園だけは、この親子を失望させること
があってはならないと思うのです。ベツレヘムの宿屋がそうであったように、わたしどもの幼稚園に完璧な備えが
あるわけではありません。けれども何もしてあげられないわけでもありません。この町の真心を一つ一つ集めなが
ら、麻生明星幼稚園はキリスト教保育を受け入れる器になっていけたらと願うのです。
麻生明星幼稚園はイエスさまの幼稚園です。この幼稚園に通う子どもたちは幸せです。自惚れでいうのではあり
ません。腹の底からそういえる幼稚園でありたいと思います。イエスさまの幼稚園では、職員たちが苦労します。
けれども、その苦労は空しいものではありません。子どもたちが満面の笑顔で讃美歌を歌えるならば、親も職員も
地域もそれが何よりの幸せです。
今年度もみなさまのご理解ご協力、まことにありがとうございました。麻生明星幼稚園園長
白井 真