ベストプラクティスガイド Skype for Businessによる ユニファイドコミュニケー ションの刷新 最新のデータセンターのベストプラクティス ベストプラクティスガイド P2 この5年間でコラボレーションは大きく進化し、椅子を隣の デスクに滑らせて同僚と打ち合わせていたのが、世界各国 の同僚と仮想の電話会議を行うまでになりました。適切な ツールを使用し、適切な時に適切な人と連携することで、 生産性、顧客との関係性、そして収益を向上させることが できます。デジタル化、モバイル化され、地理的に分散し た今日のワークプレースでは、さまざまな場所でさまざま なデバイスを使用して同僚や顧客とコミュニケーションを 取ることが不可欠となっています。 お使いのコミュニケーションとコラボレーションツール は、今日のモバイルとデジタル時代に合っており、作業 チームを緊密に連携させ業務を推進させることができてい るでしょうか。 89% の企業の経営幹部は、モバイルテクノ ロジーがコラボレーションを向上させ ると考えています。1 40% の企業が、UCC 導入後、リモートワー カーの生産性向上を確認しています。2 コラボレーションの強化 オフィスのテクノロジーは急速に変化し、プライベートで人との関わり方を変革してきたパーソ ナルなテクノロジーがオフィスにも波及してきています。従業員は、私物のモバイルデバイスを 職場に持ち込み、オフィスの外で、また通常の業務時間外に作業するためにこれらのデバイスを 活用しています。22才の大学生は、インスタントメッセージやビデオチャットのようなコラボ レーションツールを職場でも利用できると期待して入社してきています。また彼らは、生産性向 上のためのこれらのツールの活用方法を、ほぼ直感的に知っています。 現在の作業チームは、大抵の場合バーチャルで、世界各国に散らばって24時間365日業務を行っ ています。このような環境でのコラボレーションのニーズは、企業にとって課題になっていま す。出張して実際にミーティングをするとコストが非常に膨らみますが、それでもチームメン バーは、実際に顔を合わせているように緊密に連携して業務を推進する必要があります。 企業は、従来のコミュニケーションテクノロジー (スタンドアロンのデータ、テレフォニー、ビ デオソリューション ) では、現在のワークプレースやワークフォースのニーズに対応できない ことを強く意識するようになっています。従業員を効率的に連携させる最新の統合型のコミュ ニケーションプラットフォームが求められていますが、EOL (製品寿命) が近づいている旧式の PBX (構内交換機) プラットフォームを基盤とするツールを寄せ集めているケースが多く見られ てます。 このニーズに応えるために、多くの企業や組織は、異種のコミュニケーション手段 (インスタン トメッセージ、音声、アプリケーション共有など) を 1つの統合されたツールセットにしたユニ ファイドコミュニケーション&コラボレーション (UCC) ソリューションを導入するようになっ ています。 1 『Untethered employees: The evolution of a wireless workplace』、The Economist Intelligence Unit、2014年、 https://www.eiuperspectives.economist.com/sites/ default/files/Untethered%20employees%20July% 202014_1.pdf 2 『Best-in-Class Unified Communications Deployments Get Results』、 Aberdeen Group、2015年4月 ベストプラクティスガイド P3 Skype for Business HPEがサポートするMicrosoft Skype for Businessは、大企業のお客様によって長年使用されて きた実績があります。この製品は、Microsoft® Office Live Communications Server (LCS) とし て2003年12月に最初にリリースされました。LCSは、2007年にOffice Communication Server (OCS) に変更され、ほどなくして、2008年10月にOffice Communication Server R2 (OCS R2) へと更新されました。Microsoftは、その後も継続的に機能を拡充し、Microsoft Lync® Server 2010、続いてLync Server 2013をリリースしました。MicrosoftがSkypeを買収したことから、 製品名が変更され、Lync Serverの次のバージョンの名前はSkype for Business Server 2015と なりました。Skype for Businessは、堅牢なUCCスイートになっており、下記のようなエンター プライズクラスの機能を提供しています。 • インスタントメッセージングとプレゼンス機能 (IM&P) • VoIPサービス • 音声、HDビデオおよびWeb会議による最大で250ユーザーに対応するオンラインミーティング • Outlook、Word、PowerPointなどのMicrosoft Office 365ツールとの統合 • iPhone®、iPad®、Android、およびWindows® PhoneをサポートするSkype for Business モバイル クライアント • Skype for Business向けに最適化され、すべてのPBX機能をサポートするIPデスクフォン • エンタープライズグレードのセキュリティ UCC機能の拡充 多くの企業は、従業員のコミュニケーションをサポートするため、Skype for BusinessのIM&P を導入してきましたが、音声やビデオ会議のようなサービスを追加して統合することには消極的 でした。これは、レガシーネットワークではビデオおよび音声トラフィックの増加に対応できな いのではないか、また、これらのネットワークでは、効果的なUCC環境を実現するために求めら れるサービス品質 (QoS)、サポート、拡張性、またはセキュリティを提供できないのではないか という懸念があったためです。 既存のPBXシステムはEOLが近づいており、直接会って会議をする代わりにビデオなどのサービ スを提供する必要性が高まっていることから、多くの企業や組織は、UCCのニーズを再評価して います。 ベストプラクティスガイド P4 ガートナーの最近のレポートは次のように提言しています。デジタルワークプレースでは、音声 サービスをユーザーにどのように提供していくかを再考するITプランナーが必要となります。コ ンテキストデータ、マルチメディア、マルチデバイスのサポートの統合に重点的に取り組むこと で、従業員の俊敏性と効率性を大幅に向上できます。3 最初に実施するべきことは、現在の機能を把握して、今後何が必要となるかを評価することです。 ニーズの評価 UCCソリューションには、万能型のテンプレートは存在しません。各企業には、独自の要件が あり、その要件に合わせて開始する必要があります。ニーズを評価すると、出発点をどこにする か、目標とする環境とは何か、そしてそのためのロードマップをどうするかを把握できます。 ニーズを評価する際、以下の点を明確にする必要があります。 • ビジネスの目標は何か。 • これらの目標を達成するために、どのようなネットワークリソースが必要となるのか、現在の 機能と導入するべき機能を比較するとどうか。不足しているのは何か。 • ワークフォースデバイスで必要となるモバイルイネーブルメントのレベルはどの程度か。 • これらの目標を達成するために必要となるコンピュートインフラストラクチャは何か。 ビジネスの目標 UCCのイニシアティブを推進する要因となるビジネスの目標は多くあります。最も一般的なもの として、以下のような目標があります。 • コミュニケーションを向上させ、顧客満足度および顧客ロイヤルティを高めるために、顧客の ニーズを迅速に把握して対応する • ライブミーティング、ビデオチャット、およびアプリケーション共有などの機能を提供し、コ ラボレーションを向上させる • メンテナンスに多額の費用がかかる旧式のPBXシステムを置き換えることで、コミュニケー ションコストを削減する これらの一部またはまったく他のものが目標となっている場合があります。ビジネスの目標を定 義し理解することで、導入を成功させるために必要となるインフラストラクチャ機能を検証する ための基盤が確立されます。 ネットワーク即応性 成功と失敗を分ける最も重要な要因はネットワークです。ネットワーク要件に適切に対応できな ければ、期待に応えるユーザー環境を最初から提供することはできず、ユーザーの信頼を失って しまうことになります。 成功と失敗を分ける最も重要な要因は ネットワーク。 すでに導入されているネットワークコンポーネントの機能と耐障害性、そしてリモートサイトと セントラルデータセンター間のネットワークがどの程度耐障害性があるかによって、インフラス トラクチャの要件が決定されます。多くの場合、Skype for Businessの導入環境では、ネット ワークの大幅な刷新は不要です。その代わりに、特定のネットワークコンポーネントを戦略的に アップグレードすることが必要となることが多くあります。 UCCのネットワークで最もよく質問されるのが帯域幅です。帯域幅のみが問題にとなるわけで はありませんが、ネットワークの即応性を評価する場合には、良い出発点となります。 3 Gartner Inc.、『Digital workplace employees need an enriched voice to collaborate more effectively』、G00273577、2015年3月 ベストプラクティスガイド P5 ネットワーク帯域幅 PBXからSkype for Businessに移行する場合、音声、ビデオ、およびその他のUCCトラフィック が、既存のネットワークトラフィックと一緒に企業のIPを移動させることになり、新しいパラダ イムに切り替えることになります。多くの場合、新しいネットワーク機能を追加する必要があり ます。 ソリューションパートナーは、帯域幅を計画するツールを使用して、すべてのサービスが完全 に導入され稼働したときに、新しいSkype for Businessのトラフィックが使用する帯域幅がど の程度になるのかを判別する必要があります。次に既存のサイトのリンクを確認して、これら のリンクに十分な余力があるか、それとも、追加のヘッドルームが必要となるかを判別する必 要があります。 実際の帯域幅だけが問題となるわけではありません。優先度の高い音声やビデオトラフィックの ために帯域幅を開放するため、既存のデータトラフィックの帯域幅利用を制限することで、追加 のトラフィック要件を少なくとも部分的に解決できる場合もあり、その場合、ネットワークを アップグレードするコストを削減できます。 サービス品質 (QoS) デジタルデータは、パケットとしてネットワークで配信されます。音声やビデオ送信では、連続 するパケットストリームが作成されます。このストリームは、均等に間隔が空けられて、受信側 で再アセンブルされます。一方、データは一気に送信されることが多く、トラフィックの輻輳 を引き起こし、次の2点においてストリーミングデータに影響を与えます。ひとつはパケット間 のスペース間隔と時間間隔が変更されることにより、(ジッターが発生)、またもうひとつは、パ ケットが失われたり、順番に受信できなくなったり (パケットロス) することにおいてです。い ずれの場合でも、音声やビデオ品質が劣化します。 QoSがデータトラフィックを制限し、音声やビデオ品質を維持できるように音声およびビデオス トリーミングのスループットレベルを保証することでこの問題を修正できます。QoSによって、 適切な転送速度と優先度を確立し、ネットワーク全体ですべてのデータを移動させることで、総 合的な帯域幅要件を実際に削減できます。 「ネットワークインフラストラクチャを HPE Networking にアップグレードしたところ、スタッフがLyncサービスを 利用できるようになり、優れた効果が表れました。全員が、 他の職員の状態を即座に確認でき、インスタントメッセー ジでのコミュニケーションや、デスクトップの共有ができ るようになりました。臨床スタッフ、医師、ケースマネー ジャーが広く利用するようになり、極めて簡単にコミュニ ケーションがとれることを実感しています」 – Richmond Behavioral Health Authority、Director of Information Technology、 Steve Buffenstein氏 ベストプラクティスガイド P6 モバイルアクセス HPE と Aruba は、通話の切断の改善と、 ビデオ品質の向上のために、 Skype for Business のネットワークトラフィックを 優先させるワイヤレス環境を実現する、 完全なソリューションを提供していま す。Skype for BusinessのためのHPEと Aruba Networksの製品。 いくつかの業界では、新しく開設したオフィスや既存のワークスペースの両方で、Wi-Fiネット ワークアクセスを積極的に活用し、有線によるオフィスネットワークを削減または制限している 企業が増えています。モバイルを利用する従業員が非常に多く、固定席がない「ホットデスキン グ」のオフィス環境で特に、この傾向が強く見られます。 モバイル クライアントをインストールして、スマートフォンで音声やビデオを簡単に再生する ことができます。現在のワークフォースは自由なワークスタイルやモバイルコミュニケーション によるコラボレーションを好む傾向にあるため、これは企業と従業員の両方にとって望まれるシ ナリオですが、注意も必要となります。このシステムは、オフォスがある建物のあらゆる場所で 適切に動作しなければなりません。会議室やデスクだけでなく、従業員は玄関や廊下、休憩室、 さらには、階段でも歩きながら通話することがあるため、これらの場所でも動作する必要があり ます。多くのキャンパスやリモートオフィスで、Wi-Fiシグナルが到達しないブラックスポット がまだ存在しています。 つまり、帯域幅とQoSだけではなく、モバイルをサポートするためのカバレッジが適切であるか どうかも課題となります。 Microsoft Skype for Businessサービス 「Lync (Skype for Business) によって、電話番号をダイヤル してパスコードを入力する代わりに、ワンクリックで電話会 議にアクセスできるようになりました。HPEでは毎月、150 万分の生産性の向上が可能となりました」 – HPEユニファイドコミュニケーションプログラムマネージャー ヒューレット・パッカード エンタープライズのグローバルワークフォースは、 Skype for Business ソリューションを導入しています。これは、 30 年間に及ぶ HPE と Microsoft の Frontline Partnershipを反映したものとなっており、IM&P、エンタープライズレベルの音声機 能、ダイヤルイン、Web会議 (音声、ビデオ、アプリケーション共有機能を実装) など、Skype for Businessのすべてサービスを提供しています。このソリューションは、さまざまなサイトに 分散する何千人ものの企業ユーザーをサポートするように設計されています。次のようなビジネ スメリットがもたらされています。 • ワークフォースのコラボレーションと生産性の向上̶ IM&P、音声、Web会議、ビデオ、およ びアプリケーション共有などさまざまなツールにいつでもどこでもデスクトップやモバイルか らアクセスでき、リアルタイムコラボレーションをサポート • コミュニケーションコストの削減̶これまでと比較し極めて かなコストで、音声会議と長距 離間のコミュニケーションサービスを提供 • 総所有コストの削減 ̶ コミュニケーションアーキテクチャーを一元化し、低コストのテクノロ ジーを活用する高速でスケーラブルなソリューションで運用と管理コストを削減 • セキュリティと柔軟性を向上させ、成長を促進 ̶ データセンターの機密データや知的財産の コントロールとセキュリティを統合し、リスクを緩和 ベストプラクティスガイド P7 「HPEのソリューションによって、運用コストを削減しなが ら、ワークプレースの接続環境を向上させることができまし た。HPEのコンサルタントは、信頼性の高い分散型データ センターアプローチを考案し、Subsea 7の世界25の拠点で Microsoft Skype for Businessへの移行を成功させました」 – Subsea 7、IT Engagement and Operations Director、Adele Leport氏 これらの利点を享受するためには、ユーザーの導入が肝要です。システムは最初から適切に稼動 する必要があります。HPE教育サービスは、変更のマネージメントと導入率の向上をサポートし ています。これらのサービスは、新しい役割や責任を担うことになるスタッフと、他の部門との 連携において習慣の変更が必要になってくるチームが対象です。その両方において、以下の導入 要素を設定しています。 • 準備段階: ビジョンを共有し、この変更のイニシアティブへの従業員の参加を呼びかけます。 • 変更段階: スキルとナレッジを従業員に浸透させ、新しいテクノロジーを効果的に活用できる 準備が整ったと確実に感じてもらえるようにします。 • 導入後、さらなる拡大へ向けての段階: ライブサポートを提供し、新しいワークプラクティス が完全に受け入れられるようにします。 HPE Services は、何十万ものユーザー に対応し、グローバルに展開できるソ リューションを設計できます。 ヒューレット・パッカード エンタープライズは、Skype for Businessを迅速に導入するための 検証済みのハイパフォーマンスリファレンスアーキテクチャーを提供しています。このアーキテ クチャーには以下の要素が含まれています。 • 最適なコンピュート環境: Skype環境で求められるエンタープライズグレードの可用性を実現 するHPE ProLiant DL380またはDL360 Gen9サーバーまたはBL460 Gen9ブレードを利用で きます。 • 最適なネットワーク環境: 企業の環境や目標に合わせて、HPEスイッチやルーター、Arubaワ イヤレスインフラストラクチャ、ソフトウェア・デファインド・ネットワークなど、さまざま なネットワークとインフラストラクチャのオプションを利用できます。 • 完全なソフトウェアスイート: Microsoft Skype for Business 2015とネットワーク管理オプ ションが含まれており、企業独自の要件と目標に合った環境を構築できます。 • 最適なサービス: ヒューレット・パッカード エンタープライズは何百もの成功事例をベースと したベストプラクティスを使用して、UCCの事前評価から、設計や導入、エンドユーザーの教 育、データセンターケアまでエンドツーエンドのテクノロジーサービスを提供できます。 ベストプラクティスガイド 「HPEは、Skype for BusinessのElite Launch Partnerとし て、Skype for Businessプラットフォームに関する極めて 豊富な経験とトレーニング、責任ある関与を示してきまし た。またHPEは、プラットフォームのグローバルな展開も 実現できます。」 – Microsoft、Skype for Business、General Manager、Giovanni Mezgec氏 経験と実績が豊富なHPEの専門家にご依頼いただければ、ニーズを評価し、インフラストラク チャの要件を特定し、優れたビジネス成果をあげるための計画を作成します。 詳細情報 hpe.com/info/dcm (英語) hpe.com/services/mobility メールニュース配信登録 © Copyright 2016 Hewlett Packard Enterprise Development LP. 本書の内容は、将来予告なく変更されることがあります。ヒューレット・ パッカード エンタープライズ製品およびサービスに対する保証については、当該製品およびサービスの保証規定書に記載されています。 本書のいかなる内容も、新たな保証を追加するものではありません。本書の内容につきましては万全を期しておりますが、本書中の技術 的あるいは校正上の誤り、省略に対しては責任を負いかねますのでご了承ください。 iPadおよびiPhoneは、米国およびその他の国におけるApple, Inc.の登録商標です。Microsoft、WindowsおよびLyncは米国またはその他 の国におけるMicrosoft Corporationの登録商標あるいは商標です。 4AA6-5339JPN、2016年5月
© Copyright 2024 Paperzz