報告10

Oxbridge 研 修に参 加して
1年 石 橋 直 也
○はじめに
この研 修 の目 的 は、異 文 化 の中 で住 む人 々の生 き様 を学 ぶことである。 自 分 が研 修 に応 募 したと
きは、ただイギリスに興 味 があっただけだった。その後 、研 修 の 本 来 の目 的 を知 ってから、研 修 に対 し
て消 極 的 になった。正 直 に言 うと、イギリスに着 くまでこの研 修 を少 なからず憂 鬱 に思 っていた。しか
し、研 修 の中 で様 々なことを学 び、今 では参 加 できてよかったと思 っている。今 回 は、自 分 が 特 に印
象 に残 ったことをここに記 そうと思 う。
○研 修 日 程
・1 日 目
成 田 空 港 を出 発 後 、ヒースロー空 港 に到 着 。その後 、バスにてホテルに到 着 。
・2 日 目
バッキンガム宮 殿 、大 英 博 物 館 等 観 光 後 、ロンドン大 学 で紅 林 秀 和 さんのレクチャーを受 ける。
その後 、中 華 料 理 店 で紅 林 さんを含 む 5 人 の方 々と会 食 。
・3 日 目
バスにてオックスフォード大 学 のハートフォードカレッジへ。ウェルカムティー後 、 岡 本 尚 也 さんの
レクチャーを受 ける。
・4 日 目
ケンブリッジ大 学 のサイエンスフェスティバルに参 加 。
・5 日 目
オックスフォード大 学 のツアー。午 後 、オックスフォード大 学 にいる日 本 人 留 学 生 とのセッションが
あった。
・6 日 目
クライストチャーチカレッジを見 学 後 、街 で買 い物 。夜 にフェアウェルパーティを行 った。
・7 日 目
朝 、オックスフォード大 学 を出 発 し、ヒースロー空 港 から成 田 空 港 へ出 発 。
・8 日 目
朝 、成 田 空 港 に到 着 。バスにて学 校 へ。
○研 修 で得 たもの
ここからは、研 修 の中 で自 分 が心 に残 ったことを順 を追 って説 明 しようと思 う。
1 日 目 、ヒースロー空 港 に到 着 し、ホテルへ向 け出 発 。
2 日 目 のロンドン市 内 観 光 では、イギリスの建 物 の大 きさに驚 かされた。特 にバッキンガム宮 殿 では、
その荘 重 な雰 囲 気 に深 い感 動 を覚 えた。大 英 博 物 館 見 学 後 、ロンドン大 学 にて同 大 学 講 師 の紅 林
秀 和 さんのレクチャーを受 けた。このレクチャーで、価 値 観 の変 化 や、今 何 をすべきかということに加
え、自 分 の知 識 不 足 を痛 感 させられた。また、どんなことにでもとにかく挑 戦 することが大 切 だとも教 え
られた。このレクチャーを終 えたときには、日 本 に帰 っ
てやりたいことが見 つかっていた。
3 日 目 、オックスフォード大 学 へ移 動 した。オックス
フォード大 学 の街 並 みはとても古 風 なものだった。夕
方 に、岡 本 尚 也 さんのレクチャーを受 けた。岡 本 さん
も知 識 を増 やす ことが大 切 だと自 分 たちに教 えて下
さった 。 ま た 、岡 本 さんの レク チ ャー で 印 象 に 残 った
フレ ー ズが 、「 偶 然 を増 や し、紡 ぎ 、必 然 へ 」 と いうも
のである。この研 修 に参 加 できたことを含 めたたくさ
ん の 「 偶 然 」 を 若 い う ち に 紡 ぎ 、 大 き く な った と き に 、
それらが「必 然 」だったと思 えるようにしたい。
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4 日 目 は、ケンブリッジ大 学 のサイエンスフェスティバルに参 加 した。このイベントに参 加 した時 も、
知 識 が欲 しいと強 く願 う場 面 がいくつもあった。この日 の夜 、研 修 生 30 人 で集 まり、この日 までの反
省 と、5 日 目 からの課 題 について話 し合 った。その甲 斐 あってか、5 日 目 からはイギリスの人 々とより積
極 的 に話 をすることができた。午 後 にはオックスフォード大 学 にいる 日 本 人 留 学 生 とのセッションを行
った 。 この セ ッ ショ ン は 、 自 分 の 持 っ てい る 疑 問 をぶ
つ ける こと が で き た い い 機 会 だ った 。ま た 、それ に 対
する返 答 を聞 き、自 分 の将 来 に対 するビジョンもかな
り明 確 になった。
実 質 最 終 日 となった 6 日 目 には、映 画 ハリーポッ
ターの 舞 台 にも なった 、ク ライストチ ャー チ カレッジを
訪 れた。オックスフォード大 学 の中 でも最 も威 厳 のあ
る建 物 が並 んでいるように感 じられた。その日 の夜 に
は、3 日 目 から案 内 をしてくれていた RA の 3 人 がフ
ェアウェルパーティを開 いてくれて、楽 しいひと時 を
過 ごすことができた。名 残 惜 しさが残 る中 、7 日 目 の
昼 に日 本 に向 けて出 発 、8 日 目 の朝 に成 田 空 港 に
戻 ってきた。
○まとめ
前 述 したとおり、直 前 まで研 修 が憂 鬱 だと感 じていたが、いざ行 って帰 国 してみると、自 分 の価 値
観 や将 来 への考 えがガラリと変 わった感 じがする。ここでは、特 に自 分 が感 じたことや考 えを 3 つほど
記 したいと思 う。
まず、研 修 中 大 きく感 じたことは、自 分 の知 識 不 足 だった。恥 ずかしい話 だが、この研 修 で紅 林 さ
んや岡 本 さんに日 本 や世 界 の情 勢 や体 制 を質 問 されたとき、周 りの皆 が分 かっているのに自 分 だけ
分 からないということが多 々あった。また、オックスフォード大 学 の学 生 や講 師 の方 々とも話 す機 会 が
あったが、イギリスと EU についての問 題 や、アメリカ大 統 領 選 挙 についてなど、タイムリーな話 題 にさ
え疎 い自 分 がいた。2 年 次 から文 系 に進 む自 分 にとっては特 に大 事 なことであるにも関 わらず、そん
なことも知 らない。そんな自 分 を情 けないと思 うと同 時 に、悔 しいとも思 った。しかし、自 分 の将 来 のた
めにも世 の中 のことを知 っていなければいけないのに、全 く知 らないのに知 っていると思 い込 んでいた
自 分 に出 会 うという貴 重 な経 験 もできた。
次 に、気 づいたことについて記 そうと思 う。それは、オックスフォード大 生 が高 い志 を持 っていること
である。案 内 をしてくれた RA の 1 人 、ジェイジュン・リーさんは、法 や政 治 に興 味 があり、オックスフォ
ード大 学 でそれについて勉 強 しているとのことだった。他 の学 生 たちも大 学 に行 く目 的 をしっかり持 っ
ていて、日 本 とは全 然 違 う雰 囲 気 だった。また、これは驚 いたことだが、大 都 会 ロンドンの街 中 でスマ
ホを触 っている人 はほとんど見 られなかった。日 本 では他 人 の迷 惑 も顧 みず、スマホを触 っている人
も見 られる。また、オックスフォード大 学 にも日 本 人 が数 人 いたが、彼 らだけがスマホを触 っていた。 イ
ギリスの人 々のこのような生 き様 を見 て、自 分 たちはスマホや他 の無 駄 なことに時 間 を費 やしていてい
いのかと考 えさせられた。
さらに、人 とのつながりの大 切 さが初 めて理 解 できた研 修 になったと思 っている。「人 とつながること
で、大 切 なものを見 つけることができる」というようなことは何 度 も聞 いてきたが、その言 葉 の真 の意 味
が今 まで分 からなかった。しかし、この研 修 に参 加 して、いろいろな人 とつながり、 いろいろな生 き様 を
見 たことで、自 分 の人 生 を大 きく変 える経 験 ができて本 当 に嬉 しく思 う。 また、様 々な大 人 との出 会 い
の中 で、自 分 の将 来 への期 待 や構 想 を膨 らま せることができ、いいつながりを持 てたことに感 謝 の念
でいっぱいだ。
私 たち若 い世 代 はこれからの日 本 を担 っていく役 割 がある。そのような役 割 を持 つ上 で、貴 重 な体
験 を学 生 時 代 にできたことをとても誇 りに思 う。これを将 来 、自 分 たちの人 生 や、日 本 、あるいは世 界
での活 動 に役 立 てていきたい。まだまだ書 きたいことはあるが、これ以 上 書 いても文 章 にまとまりがなく
なりそうなので、この辺 りで筆 を置 きたいと思 う。
最 後 に、自 分 たちの研 修 を企 画 してくださった、登 坂 さん、高 橋 副 校 長 先 生 、高 橋 先 生 に感 謝 し、
この文 章 を終 えるとする。
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