「21世紀の商店街」 ヒヨシエイジ2005 学生出店プロジェクト 小潟班

「21世紀の商店街」
ヒヨシエイジ2005
学生出店プロジェクト
小潟班
村上
素基
増川
貴一
小出
楠元
加賀
菜々子
麻里
麻友美
−目次−
1.学生出店プロジェクトとは?
2.ヒヨシエイジ2005とは?
3.ファンド形式と会計報告
4.リスクマネージメント
5.昨年と今年の比較
6.2日間の流れ
7.まとめ
1.学生出店プロジェクトとは?
学生出店プロジェクトは、21世紀の商店街小潟班のメンバーが慶応義塾大学経済学部
小潟昭夫教授の指導の下、ヒヨシエイジ2005の企画の一つとして模擬店の経営を行う
ために作られたプロジェクトである。
一昨年のヒヨシエイジプレ企画のときから出店企画自体はあったが、全額個人出資の模
擬店経営であった。
昨年、出店企画を商学部の学習・実践の場としても活用するため、ファンド形式を取り
入れ学術的要素を強めた。
今年度の学生出店プロジェクトは、昨年のファンド形式を受け継ぐ一方、昨年、一昨年
の反省を生かしさらに学生と日吉住民の関係密接化や利益向上のために改良を行った。
(具
体的な改良は別項で説明する。)
当
日
の
様
子
学生出店プロジェクトの目的
学生出店プロジェクトの目的は、大きく分けて2つある。一つは日吉の活性化に旨を置
くヒヨシエイジに実際に企画の一つとして参加することにより、慶應義塾大学の学生と日
吉住民との関係密接化に貢献すること。もう一つは昨年から始まったファンド形式による
模擬店経営を行うことで商業学の旨である実学に触れることである。
私たちはこの二つを二本柱として活動した。
<商業学の学習、実践>
<地域との交流>
私たちの目標は昨年までの反省点を踏まえ、この二点で昨年を上回る成果を出すことで
あった。
ここで問題になるのは、ヒヨシエイジという非営利団体においてファンド形式の出店は
認められないのではないか、また課税対象に入るかということだ。
まず学生出店プロジェクトが営利目的かということに関しては、この企画の目的は前述
のように地域交流と実学体験にあるために、利益は副産物のようなものであると考えられ
る。もちろんファンド形式であるので、利益を上げて出資者に返還しなくてはならないの
だが、これは実学体験の中の1つの体験に過ぎず、目的ではない。利益を上げることより
も、「21世紀の商店街」セミナーの主旨である大学と地域との連携に重きを置いている。
しかし、企画として運営する以上、金融商品としても、学術的な意味合いを持つプロジェ
クトとしても一定の成果をあげることを目標とした。
ちなみに似たような例として三田祭があるが、
「三田祭は塾生の日常の活動の発表の場で
あるため、模擬店であっても営利目的ではない。だからサークルの年間行事の中に
祭に出展
三田
という活動があると考えると、三田祭に出店することは日常活動の発表の場と
みなされるので問題はない。」となる。
また課税に関しては、学生出店プロジェクトが一過性の企画であること、出店のために
販売場所を作り上げたのではなく、大学の敷地を借りていることなどから課税対象外とな
る。
2.ヒヨシエイジ2005とは?
ヒヨシエイジ2005では、地域活性化のために様々な企画を催している。私たちが活
動した出店プロジェクトもその一つである。ここに、ヒヨシエイジ2005official web site
(http://www.hiyoshiage.com/)から企画説明を抜粋する。
・能の体験教室
(10 月 1 日
日吉台小学校・体育館)
「日本でむか〜しむかしからつづいている「お能」を、遊びながら皆でやってみよう!」
という声の元、
地元の小学生と、その両親を対象に、慶應大学 OB/OG の講師をお招きして
「能」の体験教室を開催いたします。
わかりやすく楽しいイベントをいくつも盛り込み、伝統、って難しそう…とお考えの方
でも、お楽しみになれる企画です。
・フットサル
ヒヨシCup
(10 月9日・予選/10月10日・決勝
慶應義塾大学日吉キャンパス陸上競技場)
地域と大学との文化交流」において欠かせない、住民参加型のフットサル大会です。
また、今回は留学生チーム枠も設置し、より幅広い交流を目指しました。
なお、大会は、予選リーグと、決勝トーナメントに分けて開催しています。
・
日吉駅前ライブ 「LiveStation2005」
(10 月10日
東急東横線日吉駅虚球自像(銀球)前 )
日吉在住のアーティストと、慶應の学生バンドによる日吉駅前で行う演奏会です。
今年は、7アーティストによる様々なジャンルの演奏が行われます。
また、ラストでは慶應の学生と日吉住民のコラボレーション演奏も行われます。
・
手作り楽器製作教室&演奏会
(10 月9日 日吉地区センター内中集会室)
慶應義塾大学のボランティアサークル「Peace Production」のメンバーが、日吉在住の
小学生と一緒に身近にあっても普段は捨ててしまうものを使って楽器を作り、演奏会を
実施します!
・
イタリア&フランス料理教室
(10 月9日
日吉地区センター内料理室 )
日吉在住の講師による料理教室企画です。
レストランでは味わえないイタリアやフランスの家庭の味を作ってみませんか?
<講師紹介>
○イタリア家庭料理
講師
秋吉摩那
日吉在住、イタリア料理教室主宰
○フランスの家庭料理
講師
GABORIAUD Marie
前島
・
(ガボリオ・マリ)
アンヌ・マリー
慶應義塾大学経済学部助教授
慶應義塾大学経済学部講師
フリーマーケット
(10 月15日
日吉商店街メールロード )
毎度おなじみ、メールロードでのフリーマーケットが、10 月 15 日に開催されます。
今回は日吉の地域活性化イベント「ヒヨシエイジ」との共同開催で、射的や輪投げ、ま
たマジックなどの見世物もございます!!
もしよろしかったら、メールロードまで足を運んでみてはいかがですか?
・ クーポンマガジン日吉のすゝめ
(9 月 27 日〜
配布開始)
日吉の街の耳寄り情報や、日吉の店の特集記事、10 月いっぱい利用できるクーポン券
などが載った日吉の街のクーポンマガジンを創刊します。
↑「日吉のすゝめ」表紙
・感情アート
(10 月 1 日
(1)
日吉台小学校/10月10日
慶應義塾大学日吉キャンパス銀杏並木)
「感情箱(ボックスを作ろう)」/好きな絵を描いた画用紙を切り取って、三角形
の箱を組み立てます
感情箱(ボックス)・・やや厚手の白地の画用紙を三角錐になるように折り目を
つけ、三角錐の展開図の状態で片面に芸術的装飾をほどこし、絵の書いてある
面を隠す形で組み立てたもの。
外面的にはただの白地の三角錐に過ぎないが、中を開いて展開すると、絵が
表れるようになっている。
(2)
「屋台をペイントしよう」/感性に任せて屋台を装飾します
「MITAYATAI」の装飾・・慶應大学岡原研究会が作成に協力している屋台(三田
と慶応大学の交流目的に作成)の装飾を行う。
(3)
「感情Tシャツを作ろう」/Tシャツに自由に好きなことを描きます
・感情Tシャツ・・白色のTシャツに当研究会のメンバーと来訪者で協力して
芸術的装飾を行い、完成作品を来訪者にプレゼントする。
・
〜日吉と慶應の縁結び〜日吉エイジェンシー
「日吉エイジェンシー」とは、慶應大学の学生有志及び、日吉住民有志による地域活
性化プロジェクト「ヒヨシエイジ2005」の一環として、誰でも気軽に慶應大学の学
生サークルと交流が持てるよう、橋渡しを目的とした活動です。
「日吉エイジェンシー」
という名称は、ヒヨシエイジと、仲介所を意味する AGENCY を掛け合わせてできた言
葉です。学生と地域とをつなぐヒヨシエイジのプロジェクトとして、学生サークルのパ
フォーマンスを通して慶應の学生と日吉の地域とを繋いでいきます。具体的な活動とし
て、慶應大学サークルのパフォーマンスリストを作成し、日吉の街に配布しています。
○提携サークル
慶應義塾奇術愛好会(マジック)
Keio Dancing Crew JADE(ダンス)
落語研究会(落語)
慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ(音楽演奏)
慶應手話サークル MiMi(手話講習会)
慶應義塾ラテンアメリカ音楽研究会(音楽演奏)
○主な配布先
日吉地区小学校・幼稚園・保育園・子ども会・老人会等
日吉地区センター(常備完備)
順不同
←エイジェンシーのパンフレット
・AGE
FESTA 2005
(10月10日
慶應義塾大学日吉キャンパス陸上競技場)
1.Opening 15:30
AGE FESTA2005 の開幕を飾る華やかなジャズライブです。
出演は、去年反響があった Crossover 研究会です。
2.Quiz Games 16:00
子どもから大人まで楽しめるクイズ大会です。
○×クイズの予選と、勝ち残った人がステージで決勝クイズを行います。
司会進行は慶應義塾放送研究会です。
3.Dance 16:30
去年も出演していただいた、ダンス教室『LaniKai』によるフラダンスショーです。
※「ラニカイ
スタジオ」の皆さんの演目時間中は、写真・ビデオの撮影はご遠慮い
ただいております。
係員が注意する場合がございますので、ご了承下さい。
4.Magic 17:00
ヒヨシエイジでは毎年お馴染みの、慶應義塾奇術愛好会によるマジックショー。
新作イリュージョンや、和風マジックで、会場を沸かせます。
5.Music Live 17:30
音楽ライブ演奏を行います。
慶應からは、現在プロステージで活躍している『BABYJOE』、『Raptlyfact』が、
日吉町内からは有志で集まってもらったバンドが参加します。
合間には、慶應OBで現在は音楽作家として活躍されている
角田崇徳氏のプロデュースチーム「HeartBreaker」がDJとして参加予定。
その後、慶應生と日吉住民との交流を象徴するセッションライブを
BABYJOE、Raptlyfact、日吉有志「OYAJI BAND」で行います。
6.Movie 19:10
ヒヨシエイジ映像チームによるヒヨシエイジのプロモーション映像を放送します。
7.音楽と花火の融合「SINFONICA 2005 〜Be ALIVE!〜」19:20
フィナーレでは、過去2年とも大好評だったヒヨシエイジのシンボルイベント『花火
と音楽の融合LIVE』を行います。
今年は、ナイアガラ花火や映像などの AGE FESTA オリジナルの演出に加え、
慶應 OB であり、過去2年間ヒヨシエイジの音楽花火を手がけてきたサウンドクリエ
イターINOSIS と共に、感動の花火イベントを展開します。
以上のようにヒヨシエイジ2005では、様々な企画を通して日吉に在住している様々
な年代層とのコミュニケーションをはかっている。一番の目玉イベントが日吉の町全体か
ら花火であることも、日吉住民全体とコミュニケーションを取ろうという趣旨からであろ
う。私たちの運営した学生出店プロジェクトでも、より広い年代層に利用してもらうため
に白玉や豚汁などメニュー設定を工夫した。
また、一人ひとりとのコミュニケーションを濃いものにするための工夫もした。例えば
豚汁は、その場で立ち止まって食べていく人が多いだろうと予想した。実際、当日雨が降
っていたこともありその場で食べていく人は予想以上に多くより濃いコミュニケーション
を図ることが出来た。
3.ファンド形式と会計報告
ファンド形式について
1.なぜファンド形式をとったか
商学部が受け継ぐ慶應の伝統とは福沢諭吉の「実学」の精神である。
「実学」とは、
「現実の社会現象の解明または実社会での実践のために、合理的・実証的精神に基づいて、既
存の知識体系を再構成すること」と定義される。
私たちはこの「実学」の精神にのっとり、学生出店プロジェクトに取り組もう
と考えた。現在、企業のほとんどは個人や団体からの投資によって経営が成り立
っている。そこで、私たちも小規模ではあるが第三者から資金を募り、それを運
用するという形態をとり、実際的な企業のあり方を自らが体験することで学ぶこ
とにした。よって、ファンド形式をとることになった。
2.匿名組合
私たちがファンドサポーター(出資者)ととった契約は商法535条以下にお
いて定められる匿名組合契約にあたる。匿名組合とは、当事者の一方が相手方の
営業の為に出資をなし、その営業により生じる利益を配分すべきことを約する契
約である。つまり、匿名組合員は営業者に出資をし、その経営の一切を営業者に
委ね、その利益分配を受け取る。
匿名組合は法律的には営業者の単独企業であり、財産は営業者の財産で、営業
者の単独所有となるため、営業者のみが営業の運営に当たり、匿名組合員には自
ら業務を執行する権限はない。
営業者は事業終了時に、本出資金の金額に従って分配された匿名組合損益の累
積額を控除または加算し、さらに在庫品を処分して出た評価額を加算した金額を
出資割合に応じて匿名組合員へ分配する。
ただし、事業生産の結果、本出資金が損失によって毀損している場合には、匿
名組合員に損失の負担が発生するため、出資金から出資割合に応じた損失を控除
した残額のみを返還することとなっている。そのため、営業者の事業結果によっ
ては出資金が毀損する可能性がある。しかし、損失額が出資額を超えた場合、匿
名組合員が出資額を超えて損失の負担を分担することはない。
図 1 匿名組合とは?
3.ファンド形式の内容
私たちはとりあえず、ファンド20万円(1口2000円)を集めることを決
めた。しかし、仕入れに必要な資金を計算した結果、20万円も必要ないことが
判明したため、出資期間を早期打ち切りにした。あまり口数が多すぎると、1口
あたりの配当金も細分化されてしまうためである。本当はもっと多くの人から出
資を集めたほうが、より現実味もあるだろうが、そこは小規模な活動のため、あ
きらめざるを得なかった。
当期純利益の配当は、ヒヨシエイジへの協賛金が30%、営業者利益が35%、
残りの35%と元本を出資口数に応じて出資者に分配することとした。ヒヨシエ
イジへの協賛金は私たちとエイジ側との交渉によって決めた。赤字の場合は資料
2の資金調達マニュアルのとおりである。
4.ファンドを募るにあたって
私たちは第1回目のファンド募集で以下の資料1を配った。しかし、この資料
はリスクファクターや屋台の飲食物の価格、売り上げ予想(利益)、経費について
の説明がまったくなされておらず、出資者を募ることはできなかった。
そこで、私たちは第2回目のファンド募集で、前回の失敗を生かし、具体的説
明(資料3)を加えた。リスクファクターに備えての仕入れの分割や直前購入、
試算(資料4)、資料2などについて詳しく説明することによって出資者を確保す
ることができた。出資者には資料5のファンド領収書を渡し、出資特典として当
日の飲み物をサービスするという形をとった。
1口2000円といっても、第3者から資金を集めるというのはとても大変な
ことで、下手をすればまったく集まらないこともありうるという厳しい現実を知
った。実際、半分以上の人には出してもらえなかった。集める上で重要なことは、
出資者のメリット・リスクについて十分説明し、この出資が魅力的なものだとい
うことをいかにしてアピールするかということである。
5.ファンド形式の利点
ファンド形式のメリットは、第3者から資金を出してもらうことで経営者が感
じる緊張感と責任感が増すということである。つまり、「赤字にはできない」と
いう緊張感が野放図な経営に歯止めをかけ、効率的な経営が促進されるのだ。実
際、私たちもリスクにより敏感になって経営をすることができ、それがよい結果
につながった。
資料1
平成17年度
出店プロジェクト
サポーター募集
「ヒヨシエイジ」とは?
「21世紀の商店街」
商学部では「21世紀の商店街」という
「ヒヨシエイジ」とは、慶應生と日吉の
少人数セミナーを設置しています。この授
住民が一体となって日吉の街を盛り上げて
業は、大学と地域との連携を目的としてい
いこう、という10年スパンの一大プロジ
ます。その中で私たちは経済学部の小潟昭
ェクトです。9月〜10月に行う、商店街
夫教授指導の下、ヒヨシエイジに実際に参
や小学校を舞台にした地域交流イベントや、
加して、商店街活性化のためのイベント・
陸上競技場で行う花火イベントの企画・運
文化的プロジェクトの提言と実行をしてい
営を行っております。
こうとしています。
具体的には、来場のみなさまに楽しんで
今年で3年目のヒヨシエイジは「知るこ
頂くために日吉の並木道にフランクフルト
と」をコンセプトに掲げ、塾内、町内認知
や白玉といった出店を出します。運営はフ
度を高めること、そしてヒヨシエイジを1
ァンド形式をとり、学生を中心に出資者を
0年続けるための組織の強化を目指してい
募り、売り上げに応じて返還をします。出
ます。
店経営を通して、商学部の旨である「実学」
に触れてみたいと考えています。
ヒヨシエイジでは10月9日(日)に日
吉陸上競技場においてフットサル予選、1
日吉在住・在勤・在学に関わらす、趣旨
0日(月・祝)にフットサル決勝戦や、花火
にご賛同いただける方を広く募集します。
を打ち上げるイベント「ヒヨシエイジフェ
スタ」を行います。
サポーター募集概要
●協賛金額
1口2000円
●募集期間
2005年10月7日(金)まで
●協賛いただいたエイジサポーターへの特典
①
損益の分配
赤字の場合
最終的に残った総額を出資口数に応じて分配します。
例:総出資金20万円を運用した結果、総売上が18万円である場合、一口あた
り
1800円の分配となります。
黒字の場合
総利益から協賛金2万円を差し引いた額のうち、50%を営業者利益とし、残
り50%と元本を出資口数に応じて出資者に分配します。
例:総出資金 20 万円を運用した結果、総売上が 25 万円である場合、利益5
万円から協賛金2万円を差し引いた3万円のうち50%の1万 5000 円を
営業者利益とし、残り50%の1万 5000 円と元本20万円の合計を出資
者に分配するので、一口あたり2150円の分配となります。
②
10月10日(月・祝)ヒヨシエイジフェスタ当日に飲み物1杯サービスいたします。
●お申し込み方法
●お問い合わせ
協賛いただける方は
商学部1年
商学部1年
ヒヨシエイジ
出店プロジェクト
増川
渉外担当
貴一
090−××××−××××
[email protected]
までご連絡ください。
ヒヨシエイジ
出店プロジェクト責任者
村上素基
資料2
ヒヨシエイジ2005出店プロジェクト
資金調達マニュアル
1.概要説明
事業内容
出資者からの出資金を営業者がエイジCup(フットサル大会
10日)及びAGE FESTA 2005(花火イベント
10月9日〜
10月10日)会場におい
て、軽食・飲料品を販売するに運用し、獲得した利益を出資者に還元すると
ともに、イベントの活性化に貢献する。
営業者
ヒヨシエイジ2005出店プロジェクト
予定出資金
金20万円
但し、災害や大学の都合など予期せぬ事情により、ヒヨシエイジ2005が中
止となった場合には、中止決定時点までの費用を除いた出資金残高と、在
庫品を申込口数に応じて、出資者に返還します。
また出資金の中から、ヒヨシエイジ協議会本会計へ利益の30%を協賛金
として納入します。(赤字の場合、協賛金の納入はありません。)
出資単位
1口金2千円
出店プロジェクト関係者以外の方の出資口数は10口を上限とさせていた
だきます。
出資金・損益
平成17年10月17日(月)より20日以内。
分配日
但し、やむを得ない理由がある場合、営業者は期限を最大30日間延長出来
るものとします。
出資受付期間
平成17年9月15日(木)から10月7日(金)まで
会計期間
平成17年10月1日(土)から10月17(月)まで
損益の分配
出資者への損益の分配は、営業者の行う事業の事業損益に影響され、決定
します。各出資者への分配は次のようになります。
② 赤字の場合
最終的に残った総額を出資口数に応じて分配します。
例:総出資金20万円を運用した結果、総売上が18万円である場合、一
口あたり1800円の分配となります。
③ 黒字の場合
総利益から協賛金(利益の30%)を差し引いた額のうち、35%を
営業者利益とし、残り35%と元本を出資口数に応じて出資者に分配
します。
例:総出資金20万円を運用した結果、総売上が25万円である場合、利
益5万円から協賛金15000円を差し引いた35000円のうち5
0%(利益全体の35%)の17500円を営業者利益とし、残り5
0%(利益全体の35%)の17500円と元本20万円の合計を出
資者に分配するので、一口あたり2175円の分配となります。また、
計算は端数切捨てで行い、端数は営業者利益に組み込むものとします。
資料3
ヒヨシエイジ2005
学生出店プロジェクト
サポーター募集part2
先日みなさまにはサポーター募集のプリントをお配りしましたが、そこでは伝えきれな
かった私たちの熱い思いをお伝えしたいと思います!!
一昨年から始まったヒヨシエイジですが、昨年からファンド形式をとるようになりまし
た。つまりヒヨシエイジとは別会計の独立採算で成り立っています。私たちにとっては商
学を実践的に学ぶことができる絶好の機会です。そこでぜひ幅広い方からファンドを募集
したいと考えています。
昨年よりどこがパワーアップしたのか??
昨年はヒヨシエイジフェスタ当日には約4500人の方々が来場しました。今年も同規
模いやそれ以上の規模を予想しておりますが、昨年以上の学生出店プロジェクトにするた
めに、いくつかの改善点を挙げたいと思います。
まず昨年の採算についてですが、昨年も今年と同様の1口2000円でファンド募集を
いたしました。出資者への利益分配を行った結果、2130円の返金になりました。つま
り昨年は利益があまり上がらなかったと言えます。一昨年と同様に行ったのに利益があま
り上がらなかった最大の原因は、出店の設置場所が考えられます。一昨年は陸上競技場内
に出店していましたが、昨年は並木道に出店しました。ヒヨシエイジの企画の多くは陸上
競技場内で行われます。しかし、安全面の問題から今年も出店の陸上競技場内への出店は
認められませんでした。そこで今年は新しく売り子制を導入いたします!!店は陸上競技
場内に入れなくても、商品は入れます。競技場内のお客様のもとに直接商品をお届けしま
す。さらに交渉の結果、飲み物のみ陸上競技場内で販売できるようになりました!!以上
のように昨年よりも販売場所の充実をはかることが出来ました。
本当にビジネスとして成り立つのか??
次に問題になるのが、本当にこの企画で採算が取れるのかということです。幅広い方々
からファンドを募集しようとしている私たちですから、もちろん経費節減や仕入れコスト
削減などの企業努力はしています。具体的には町内会から設備を借りたり、大量一括仕入
れにしてコストを抑えたりしています。さらに商品の価格設定も何度もシュミレーション
を行い、7割売れれば確実に利益が出るように価格を設定しています。また、私たちにと
っての最大のリスクファクターである雨天中止についてですが、万が一中止になってしま
っても損益を最小化するために、仕入れに段階を踏むようにして対処しています。
このように学生出店プロジェクトは順調に進行しています。あとは皆様のご協力を得る
だけです!!どうか力を貸してください。ご協力よろしくお願いします。
資料4
個数
フランクフルトA フランクフルトB じゃがバタA じゃがバタB 白玉A
200
200
200
200
白玉B
豚汁
120
125
180
材料費
設備費
11554
11554
11550
16742
12600
16742
12600
6349
7812
27147
原価合計
1個当たり
11554
57.8
23104
115.5
29342
146.7
29342
146.7
6349
52.9
7812
62.5
27147
150.8
販売価格
150
150
300
250
200
200
300
利益合計
1個当たり
18446
92.2
6896
34.5
30658
153.29
20658
103.3
17651
147.1
17188
137.5
26853
149.2
9446
-2104
12658
5658
10451
8988
10653
もし7割売れたら
資料5
領収書
口
学生出店プロジェクト控
円をヒヨシエイジ2005学生出店プロジェクト出資金として
お預かりし、運用させていただきます。
平成17年
月
日
学生出店プロジェクト
印
領収書
口
サポーター控
円をヒヨシエイジ2005学生出店プロジェクト出資金として
お預かりし、運用させていただきます。
平成17年
飲み物1杯無料
月
日
学生出店プロジェクト
印
会計
1.会計報告
ファンド 58,000円(29口/1口2,000円)
経費
56,508円
売上
71,865円
売上の内訳
売上数
価格
売上合計
フランクフルト
106
150
15,900
白玉
60
200
12,000
豚汁
124
250
30,965 ←割引あり
飲み物
100
130
13,000
合計
390
71,865
純利益
15,357円
ヒヨシエイジへの協賛金(純利益の30%)
営業者利益(純利益の35%)
出資者配当金(純利益の35%)
4,607円
5,385円
(端数含む)
5,365円
よって、配当金は1口185円
2.会計考察
この会計の結果はいったいどれほどのものなのだろうか。それを解明するために
ファンド形式をとっている一般企業と比較してみることにした。
ただし、私たちはこの出店プロジェクトを行うにあたって、人件費はまったく払
っていない。小規模かつ短期の経営で、人件費をかけると明らかに人件費のほうが
かかってしまうためボランティアという形で友人に協力してもらった。そのため、
企業と正確には比較できない。
さらに、実際企業と比較しようと考え、調査していたところ、厳密に比較するこ
とはもっと難しいことがわかった。なぜなら匿名組合としてファンドを集めて運用
するという形態をとっている会社がまだ少なく、それ自体が最近注目され始めたも
のであるためである。現在この形態で流行り始めているのが、アイドルファンド、
ラーメンファンド、中国雑技ファンドなどさまざまあるが、どれも現在進行中であ
るため結果がはっきりしない。
このような状況ではあるが、途中経過のファンド形式企業の報告を載せ、今回の
私たちの成果について考えてみる。ここではワイン投資ファンドとアイドルファン
ドの二つの具体例を挙げた。
ワイン投資ファンド(2005 年 3 月 31 日現在)の運用実績
最低10口、1000万円(1口=100万円)以上、10口単位
運用利回り
運用開始時期
ファンド名(※1)
時価ベース
実質ベース
(※2)
(※3)
232.7%
215.5%
(運用期間)
ワイン投資ファンド
2001 年 5 月
(収穫年:2000 年もの)
(3 年 11 ヶ月)
ワイン投資ファンド
2002 年 5 月
153.6%
139.6%
(収穫年:2001 年もの)
(2 年 11 ヶ月)
2003
2003 年 5 月
113.8%
108.4%
ワイン投資ファンド
(1 年 11 ヶ月)
2004
2004 年 5 月
115.0%
109.3%
ワイン投資ファンド
(11 ヶ月)
※1/赤文字表記は毎年定期的に募集する定例ファンドである。
※2/時価ベースの運用利回りは、ワイン在庫の将来の「売却時の手数料と成
功報酬」を差し引く前のものとなっている。また、この利回りは、過去の「配
当、利益の分配分の源泉所得税、営業者の成功報酬」を含む、累計利回りを意
味している。
※3/実質ベースは、評価期日現在での出資者が受ける(すでに、配当等で受
領済み部分を含む)実質的な累計利回りを意味している。
アイドルファンド
出資金額 1口 50,000円×10口
当期損失
1,606,937円
匿名組合員に帰属する損失額 1口あたり16,069円37銭
これらを見るとまずわかるのが、運用期間がながいほど利回りがよいということ
である。アイドルファンドはまだ 2004年にスタートしたばかりで2年とたってい
ないため、今後の伸びにも充分期待できる。この点において私たちが行った学生出
店プロジェクトは、一時的な取り組みだったため、大きな利益を挙げることは難し
かったといえる。それは、おそらく固定費が無駄にかかってしまうからだろう。た
だ今回は本来固定費となる費用、つまり設備費などは商店街側のご協力によってか
からなかったため、利益があげられたと思われる。
設備費や人件費がほとんどかからなかったことで私たちは出資金の約11%にあ
たる配当金を出すことができた。これは一般の企業と比べてもかなり高い率になる
ことがわかる。ただやはりスパンが短いということで、設備費や人件費がまともに
かかれば損失は免れなかったであろう。
ファンドを提供する側から考えると、匿名組合契約からわかるように元本割れを
するというリスクをよく認識した上で投資することが大切である。また運用期間に
も注目すべきだ。
4.リスクマネージメント
リスクとは、一般的に「ある事象の変動性に関する不確実性」を指す。経済学上の
定義では、利得がある不確実性をアップサイドリスク、損失する不確実性をダウンサ
イドリスクと呼ぶが、私たちがこれらのリスクファクターにどのように対応していっ
たかを述べたいと思う。
アップサイドリスク
もし早々に売り切れてしまったらどうするつもりだったか?
商品の仕入れは天候への懸念から、予定数より少なめに行った。だからもし
予想よりも天候が回復し来客数が多く早々に売り切れた場合には、日吉の近くの
ディスカウントスーパーへ再度商品を仕入れに行く予定だった。
ダウンサイドリスク
1.もし雨だったらどうするつもりだったか?
まず、ファンドについてであるが、出資者要項には「災害や大学の都合など
予期せぬ事情により、ヒヨシエイジ 2005 が中止となった場合には、中止決定時
点までの費用を除いた出資金残高と、在庫品を申込口数に応じて、出資者に返還
する。」と記載した。つまり出資者にも天候の影響は受けやすい企画だと説明し
た。
その上で万が一雨が降っても損益を最小化するために、私たちは仕入れと設備
に工夫をした。仕入れに関しては、当初はネット問屋で大量一括仕入れを行うつ
もりだったが、1週間ほど前から雨が予想されていたので、直前に天候に合わせ
てディスカウントストアで仕入れを行うことにした。これにより直前に店舗数や
仕入れ数を調整することができた。また設備に関しては、設備の多くを町内会か
ら借りることにより、レンタルせずに済んだ。また各店舗に屋根はついていたが、
さらに客が濡れずに食べられるように店舗全体を覆う屋根つけた。これらのアイ
デアは町内会の方に教えて頂いたものである。
当日は雨が降ってフットサル大会が中止になったが、営業した。これらの対
策のおかげで通常通り営業することができ、さらに食品は完売もした。
2.もしファンドが集まらなかったらどうするつもりだったか?
1回目のファンド募集をかけたときに、私たちの説明不足からあまり集めるこ
とが出来なかった。そこで2回目の募集の際には、昨年との比較や企業努力な
どを載せていかに利益が上がりそうであるかをアピールした。その結果順調に
ファンドを集めることが出来た。しかし、もし集まらなかったら自分たちが出
資することを考えていた。しかしあまり口数が多いと、利益分配で1口当たり
の利益が薄くなってしまう。だから必要以上に集めないように早々に切り上げ
た。
3. もし売り上げが伸びなかったらどうするつもりだったか?
ここでは私たちが利益を最大化するために工夫したことを記す。まず価格設
定であるが、何度もシミュレーションを行い7割売れば十分利益が出るように設
定した。店舗は昨年同様競技場内への出店は安全面のリスクから大学から許可が
下りなかった。しかし交渉を重ねた結果、飲み物のみ店舗を競技場内にも設置す
ることが出来るようになった。そこで今年の新制度として売り子制を導入した。
競技場内に店舗は設置できなくても、商品は搬入することが出来る。この売り子
制は好評で、商品完売に導いたといっても過言ではない。もう1つ今年の新制度
として、食券制を導入しようとした。これは客の動線の簡易化、前売り上げ確保、
食品とお金の分離による衛生面への配慮のためである。しかし実際は雨のため客
が少なそうだったので、中止した。さらに、フットサル企画と連動することによ
って、大まかな客数を予想出来た。また協賛の大塚製薬から仕入れを安く行うこ
とが出来た。
参考(元本欠損リスクについて)
商法
第535条
匿名組合契約ハ当事者ノ一方カ相手方ノ営業ノ為メニ出資ヲ為シ
其営業ヨリ生スル利益ヲ分配スヘキコトヲ約スルニ因リテ其効力
ヲ生ス
第541条
組合契約カ終了シタルトキハ営業者ハ匿名組合員ニ其出資ノ価額
ヲ返還スルコトヲ要ス
但出資カ損失ニ因リテ減シタルトキハ其
残額ヲ返還スルヲ以テ足ル
5.昨年と今年の比較と今後の改善点
昨年と今年の比較
昨年以上の学生出店プロジェクトにするために改善した点がいくつかある。まず出店の
設置場所である。一昨年は陸上競技場内に出店していたが、昨年は並木道に出店した。ヒ
ヨシエイジの企画の多くは陸上競技場内で行われるにも関わらず、やはり今年も安全面の
問題から出店の陸上競技場内への出店は認められなかった。保険管理センター前と並木道
沿いで出店した(写真1、2参照)
。結果から言うと、保険管理センター前での出店は、駅
から見る人がまったくその様子を把握できないため、集客力に欠けた。また、屋台の存在
がわかった人も並木道から一歩奥にある保健管理センター前は入りづらいとの声もあった
ようだ。よって売上を伸ばすことを考えれば、今後は広報による宣伝に力を入れ、出店場
所については、ヒヨシエイジや学校側と相談して改善していくべきである。
今年新しく取り入れたものの一つとして売り子制がある。店は陸上競技場内に入れなく
ても、商品は入れる。競技場内のお客様のもとに直接商品を届けるという形をとった。実
際に歩いて買いに行きはしないほどの商品でも、目の前にふと現れたら買ってしまうとい
う人が多く見られた。実際に、売れ残っていた白玉も一度巡回するだけで、10個以上売
れた。
さらに交渉の結果、飲み物のみ陸上競技場内で販売できるようになった。しかし、これ
はフットサル大会が行われた場合のみ適用されたものなので、雨で中止となり実行には至
らなかった。
以上のように今年は昨年よりは販売場所の充実をはかることが出来た。
今後の改善点〜今年の視点から〜
売り子制の導入や、販売場所の充実によって改善をはかったが、実際プロジェクトを進
行していく上で、改善の余地がまだあることが明らかとなった。そこで、この経験を生か
し今年の視点からみた気になる点をあげ、今後につなげたいと考える。
まず挙げられるのが出店場所の改善である。これは上の比較の部分で書いたとおりであ
る。出店場所は安全面などの理由から、私たちだけで決められることではないが、これか
らはもっと学校側やエイジ側と話し合い、目につく場所で行えるような努力が必要だと思
われる。
売り子 BOX
次に今年導入した売り子制についてだが、これも実際行ってみるとさまざまな問題が生
じてきた。上の写真はダンボールで作った売り子用の箱である。実際に売り子制を用いた
ことによって商品は売れていったが、この写真を見るだけで今後へのいくつかの改善点は
挙げられる。
①清潔感が感じられない。
②頑丈でなく不安定であることが見てとれて食べ物に何か悪影響をおこしている気
にさせる。
③何をいくらで販売しているかがパッと見てわからない。
④雨よけの蓋のようなものがない。
⑤自分たちがどういう団体で商品を売っているのかがわからない。
まず①の清潔感が感じられないということについて。いかにも近くのスーパーかどこか
でもらってきた、他の商品名が書いてあるダンボールで、とても食べ物を売る用の箱にふ
さわしいとは言えない。せめて周りをきれいな紙で覆ったり、②と④の対策としても頑丈
さをつけ、雨よけができるためにも蓋付きのプラスチックの箱を買ったりするべきであっ
た。
寒さのため、豚汁の売れ行きはよかったが箱が不安定でこぼしてしまうという危険性が
あったので豚汁の売り子での販売は少しして行わなかった。よって豚汁の持ち運びにも耐
えられる頑丈な箱を取り入れることで、もっと売れ行きは伸びていただろう。
④の対策としては、箱に入っている商品が何か、そしてそれがいくらなのかということ
を表示する紙などを持って歩く、もしくは箱に貼り付けるということをした方がいい。
⑤については、売り子になる人は必ず商店街の半被を着る、もしくは箱にも日吉 AGE 学
生出店プロジェクトという名前をどこかに載せておくべきだった。このように5つの問題
点が挙げられた売り子制ではあるが、実際は私たちの出店の売れ行きを大きく伸ばしてく
れた。
出店場所
9日
陸上競技場A・Bにて飲み物
10日
陸上競技場A・Bにて飲み物
写真1(保険管理センター前)
↓
写真2(並木道沿い)
↓
6.2日間の流れ
ここでは、私たちが二日間にかけてどのように日吉 AGE と関わっていたかを理解してい
ただくために、10月9日(日)と10月10日(月)の二日間に渡って行われた出店プ
ロジェクトについて紹介しよう。
〜10月9日(日)〜
この日はフットサル大会が行われ、私たちは陸上競技場内にて飲み物を販売する予定で
あったが、雨天のため中止となりなった。しかし、それではすでに仕入れていた飲み物が
余ってしまうため、並木道を通る人に飲み物を売りながら、翌日のフェスタ、花火、そし
て私たちの出店プロジェクトなどの宣伝を行った。この日は、たまたまキャンパスで小学
生対象の模試が行われていたので、その帰りがけに買ってくださる親子や部活帰りの人が
たくさんいた。
昼ごろに、町内会の小川さんのお誘いで、9日にお祭りが行われていた神社へうかがっ
た。そこでは、引き継ぐ機材の確認とその日の夜に機材の運搬を行うということを打ち合
わせた。私たちが最終的に出した反省の一つに、小川さんだけでなくもっと他の商店街の
方とのコミュニケーションも取るべきであったというのがある。それはこうやって商店街
の方がたくさんいる神社へ伺う機会があったのだから、販売方法についてや商店街の人が
毎年永続的にお祭りをやる意義だとかを聞いて、もっと商店街の方との交流を深めるべき
であった。
15:00頃には撤収して、翌日のために、豚汁の具を切って用意し、売り子用の箱を
作り、品物の値段表をつくった。21:00頃からは、打ち合わせ通り、町内会からお借
りする機材の運搬を行った。
〜10月10日(月)〜
日吉エイジ当日。この日も前日に続く雨で出店プロジェクトのメンバーは8時30分集
合した。白玉、豚汁の材料準備や金銭の確認、ゴミ箱用意など細かな準備をしていった。
←白玉準備の様子
ゴミ箱設置
↓
11時になると、出店のための設営を開
始し、豚汁作りも着々と行われていった。
豚汁は高齢者の方にも冷えた体を温めるの
にとても喜ばれた。豚汁を通して、
「何か味
が足りない・・。
」とご指摘いただき、地域
の人と会話を交わすという機会にめぐり合
えた。(次ページ写真参照)
↑
豚汁についていろいろと教えてくださった日吉在住の方。
↑
昔自分のお店でも豚汁を売っていらした日吉在住の方。
11時30分過ぎには、準備のできたものから、どんどん販売開始していった。午前中
は、まだフェスタのために陸上競技場へ向かう人が少なく、ほとんど売れなかった。やは
り花火目当てにくるお客さんに期待するしかなかった。ここでひとつ提案するが、フェス
タに来るお客さんに的を当てるだけでなく、私たちの出店に興味を持ってきてもらうとい
う形が取れればもっと売れ行きが伸びたであろう。そのためには、例えば、ヨーヨーすく
い、綿飴、あんず飴など、もっと子どもに焦点を当てた店を増やすと思う。出店数は多け
れば多いほど盛り上がるので、もっと出店するべきであった。
←これは私たちが何を販売しているかをわかり
や
すくするために作ったメニュー表だが、字が
黒だけで小さいうえに、ダンボールに白い紙と質
素であった。これでも十分宣伝効果が見込めたが、
もっとカラフルに装飾するなどすればより一層
の効果が期待できるだろう。
メニュー表を提示する以外にも、「体の温まる
豚汁はいかがですか?」や、「焼きたてのフラン
クフルト残り数少ないです。」などの具体的でお
客さんの状況に合わせた声出し、希少価値を生ま
せる声出しをすると、より人が集まった。出店プ
ロジェクトを通し
て宣伝の重要性を感じた。
16時半頃にはフェスタが開始された。雨の中大きな賑わいを見せていた。
そして19時半、一大イベントの花火の打ち上げがされた。会場は一気に最高の盛り上
がりに達した。花火の後、20時にはフェスタが終了した。
21時には私たちの営業も終了となり、片付けが開始された。機材の撤収や精算するな
ど何人かに分かれて行った。その際に、商店街の人とうまくコミュニケーションをとれて
行えたのでスムーズに進んだ。
23時、片付けも全て終わり、全員解散となった。
7.まとめ
経営は無事に終了したが、当初私たちが目標に掲げた
の交流
商業学の学習・実践
地域と
は達成されただろうか。この章ではそれぞれの点について反省を交えながら見て
いきたい。
実学視点から見た出店プロジェクト
まずは私たち学生出店プロジェクトが掲げた目的の二本柱の片方である
習・実践
つまりは慶應義塾大学商学部の旨ともいえる
実学
商業学の学
の視点から今回の活動を
振り返ってみる。今回、商業学と経済学の2つの視点から考える。
1.商業学視点から見た出店プロジェクト
商業学視点から見る際、まずは「4P」という視点から考える。
今回は模擬店の経営だったため、本来の企業のマーケティングにおける「4P」とは多少
意味合いが異なってくる点もあるが、おおむね当てはめることが可能である。当てはめる
と下記のようになる。
製品(Product)
白玉、豚汁、フランクフルト、(じゃがばた)、
各種飲料水
価格(Price)
経済学からの視点にて言及する。
プロモーション(Promotion) パンフレット、当日情報宣伝
流通(Place)
4Pは以下の表と照合する。
保健管理センター前
つ づ い て「 4 C 」と い う 視 点 か ら 考 え る 。4Cとは、顧客価値(Customer value)、
顧客コスト(Customer cost)、コミュニケーション(Communication)、利便性(Convenience)、
からなり、それぞれ4Pに対して以下のような形で対応する。各4 C に つ い て 触 れ る 前
に 、 米 国 ノ ー ス カ ロ ラ イ ナ 大 学 で マ ス コ ミ 学 科 教 授 を 務 め る ラウターボーン氏
[ Robert F. Lauterborn] の 主 張 を 見 て み よ う と 思 う 。 ラ ウ タ ー ボ ー ン 氏 は、売
り手は4P を設定する前に、まず買い手の視点での4C の検討から入るべきだと主張してい
る。
つまり、ラウターボーン氏が主張しているのは、マーケターはターゲット市場の顧客を
4Cの視点で理解すれば4Pの設定もはるかに容易になるということである。私たちもこ
のラウターボーン氏の主張を踏まえ、今回の出店プロジェクトを4Cの視点からも考えよ
うと思う。
①製品(Product)・・・白玉、豚汁、フランクフルト、(じゃがばた)、各種飲料水
製品ラインアップ
メンバーで話し合い、お祭り等の出店で王道と呼ばれるような商品(フランクフル
トなど)だけでなく、もうひとつの目的のためにコミュニケーション効果の高い商品
を売ることにした。また、昨年度までで好評だった豚汁も引き続き販売することに
した。そして前に述べたとおり、じゃがばたについては、直前で仕入れを取りやめ
た。
品質
味見した時も、おいしく食べることができたのでまずまずであったが、ともに出
店した町内会の人たちの商品と比べると経験の差は感じられた。また、学生が作っ
たということで客観的に見て品質が劣るように映ってしまうということはある。
顧客価値(Customer value)
顧客価値という視点から見た際、販売当日、天気が崩れ寒かったこともあり、お客
は暖かいものを求めていた。飲み物は冷たいものしか用意しておらず、温かい飲み物
も欲しいという要望があった。直接お客様に聞いてみると、やはり品揃えにはあまり
満足してもらえなかったようだ。その点で、今回顧客の視点に立ったメニュー設定は
あまりできていなかったと言える。
反省
雨が降り、販売数は少なかったものの、結局は完売した。また仕入れの際も原価を抑
えることに成功した。結果利益も出すことができ、商品設定は成功であったと思われる。
②価格(Price)
顧客コスト(Customer cost)
次項
経済学から見た出店プロジェクト
にて
③プロモーション(Promotion)・・・パンフレット、当日情宣
パンフレットはヒヨシエイジのパンフレット(当日配布するもの)に宣伝を出した。
販売促進はヒヨシエイジ当日、前日に情報宣伝として、下の写真のようなメニュー表
をヒヨシエイジ出演者の控え室や並木通り入り口に設置、また並木道での客引きのた
めの声出し、陸上競技場内での呼び込みなどを行った。当日は人が少なかったことも
り当日情報宣伝には特に注意を払った。
←メニュー表
コミュニケーション(Communication)
ここで言うコミュニケーションとは、ヒヨシエイジ当日の来場者との間のものであ
る。客の立場から見たときに、今回の情宣は明らかに足りなかった。また、当日出店
の手伝いに来てくれた人達との間でうまく意思疎通ができていないことで意識の差、
態度の差が出てしまい、それが買いに来てくれる客にも雰囲気が伝わってしまったの
か、客と店員との間でもコミュニケーションがうまくとれていなかった。
反省
全体的に情報宣伝が足りなかった。我々はヒヨシエイジに出店があることは昨年度
までも出店があったことで来場者に知られているものだと思っていたため、宣伝に力
は入れていなかった。しかし、当日になって聞いてみると、実際はあまり知られてい
なかった。憶測だけで判断していた面があったので、来年度はできる限り事前に情報
宣伝(町内の回覧板に流す、など)をするべきである。
④流通(Place)・・・保健管理センター前
販売場所については問題点、反省点が多い。一昨年は日吉陸上競技場のスタンド上
にて販売していたのだが、人がたくさん来て、火を使うという性質上、学校側からそ
こでの販売を禁止され、昨年度からは保健管理センター前に出店せざるを得なくなっ
た。
自分で店舗の位置を決められないため、マーケティングの視点で見たときに、納得
の行かない部分は多々あった。
保健管理センター前で販売することのメリット
・人に危害が及ぶ心配が少ない。
・これにより危険性は下がり、安心して調理・販売が出来た。
・水場がある。
・火があがったときの危険も下がり、店じまいのときの洗い物も楽になった。
保健管理センター前で販売することのデメリット
・人が来ない。
・陸上競技場と保健管理センターは相当離れており、一度入ってしまったお客さんは
買いに来ることがない。
・人通りの多いのは並木道の反対側である。
前項にも関係することであるが学校に向かう人、学校から帰る人の流れは保健管理
センターから見て並木道の反対側である。さらに保健管理センター自体がひとつ窪
まったところにあることもあり目立たないため、出店をやっていることが通行人に
はわかりにくかった。
・電気の供給場所がない。
昨年度までは学校側、町内会側から借りた発電機からコードを引いて照明に使って
いたが、やはり発電機では電気の量が少なく不安定であった。それをどうにかして
ほしいとの町内会側からの要望もあり、学校側と交渉した結果、今年は90番教室
からコードで電気を引くことができた。それによって安定した明るい照明が保てた。
ただ、90番教室から保健管理センター前まで電気を引くには、通路を横切らねば
ならず、人がつまずく危険性を考えると難しかった。
利便性(Convenience)
利便性から見ると、今回は立地条件には良くなかった。だが、昨年度の反省を生か
し、今回は利便性の欠如を埋める策として今年は売り子制を導入した。結果、競技
場
内のお客様もターゲットに出来たため高い効果が出た。
実際に売り子として陸上競技場内で販売した際に、
「(保健管理センター前まで)行く
のは面倒くさいけどここで販売してくれるならば購入する」という客がいたので、正
解であった。立地条件は不利であったが、できる限りの取り組みで利便性の高いもの
にできた。
反省
事前から懸念していたとおり、立地条件の問題はあった。来年、もし可能であれば、
保健管理センター以外の場所(一昨年の競技場内が最適だが) で行うべきである。電気
に関しては、保健管理センター前で行う場合、保健管理センターから引くのが最善で
あるので来年度は学校側と交渉し実現すべきである。また、売り子制は高い効果が出
るので来年度からも継続するべきである。
商業学視点から見た際、反省点は続々と浮かび上がってきた。我々メンバーにとっても、
初めてのことが多かったため、うまく行えていなかった。事前に細かく4Cから4Pを考
えていくことなしでは店舗営業における成功は難しいことであることがわかった。
2.経済学の視点から見た出店プロジェクト
我々は商品を販売するに当たって値段設定方法をメンバーで話し合ったときに下記の方
法に近い形をとった。因みに、相場価格としては、フランクフルトは1食250〜300
円である。
①原価基準型・価格設定
最も基本的な価格設定が、製造原価に対して一定水準の利益率を上乗せして販
売価格を決定する方法である。しかしこの方法は供給者(メーカー)側の都合だ
けで価格が決定されるために、価格が需要者(消費者)側の価値観に合わないリ
スクがある。
また販売予定数量を何個に設定するのかによっても決定される価格水準は大き
く異なる。非常にニッチな市場に商品を投入するのであれば、原価コストに対し
て割高な利益率を設定しなければ損益分岐点をクリアーすることができないが、
価格に割高感が出てしまうために販売数料が伸びないケースがよくある。この様
な場合には単純な原価計算だけで価格設定をするべきではない。
【価格設定の方法】
②需要に基づいた価格設定
一方こちらは生産者側の原価ではなく、消費者の意識や所得の額(支払い能力)
をもとにして価格を決める方法である。製造原価とは別に、その製品を消費者が
どれほど欲しいと思っているか、いくらくらいまでなら支払うつもりがあるのか
を調査し、それをもとにして売価を決める。
また先に価格を決めて、後からコストがいくらかかるか、利益がどれくらい上
がるかを計算し、それに見合う製品をつくるという方法もある。電化製品や車な
どの価格を決めるときにこの方法が用いられることが多い。
値段設定の際、私たちは商品ひとつあたり、原価の何割の利益をとれば赤字を防げ
るかを考え、仕入れ数、販売数を仮定してその 7 割を売り上げたときの利益を考え
て設定した。また自分たちが客であった場合の商品に対する値段の感覚も頼りにし
た。
幸いにも競争相手があまりいなかった(駅前のコンビニは別として)のでそれを意
識する必要がなかったことは大きい。
販売の際に客から「値段が高い」「割に合わない」等、不満の声が聞こえてきた。
需要の価格弾力性が把握できていなかった何よりの証拠であろう。やはり値段設定
する側が客観的視点から価格設定することは難しい。
ヒヨシエイジというイベントと地域の交流
今回の出店にあたり、我々は様々な場面において町内会をはじめとする地域の方々に救
われた。その中でも、昨年度までのヒヨシエイジにおける出店に協力していただいていた、
町内会で消防団をしている小川さんという方に今年も協力していただけることとなった。
しかしながら、今年は出店プロジェクト自体を立ち上げるのが遅く、昨年度からの引継
ぎも中途半端であったため、準備やノウハウが足りずに、様々な点で迷惑をかけたように
思われる。
9 月中旬から何度か対談をもって、機材の借りる数、プロパンガスの量、照明に使う電気
を引っ張る元の場所、出店に関する基礎知識など様々なことを話し合い教えていただいた。
また、出店に使う屋台、並びに調理に使う機材を借りる際、それらを全て無償で貸してく
ださった。それによって、我々は経費の大幅な削減に成功し、利益も上がった。
我々は話し合いについては充分だったのではないか、と思っていたのだが、その考えは
甘く、本番当日になって初めて様々な問題点が浮かび上がり、小川さんから後々指摘され
た反省点も多かった。
9 月中旬に初めて小川さんにコンタクトをとったのであるが、それが遅すぎたようである。
このような出店というのは一年スパンで考えて計画していくものであるのだが、3 ヶ月でや
ろうとするのは準備期間が短すぎた。また、自分たちだけで何とかしようとせずに、ノウ
ハウを持っている町内会の方々に教えを請うべきだった。それによって、集合時間の連絡
等が町内会側とうまく取ることができていなかったため、集合時間の食い違いが発生し、
町内会側の人達を待たせてしまうということをしてしまったし、当日になって手際が悪く
なってしまうといった、悪い方向に向かってしまうことが多かったのが、反省点として挙
げられる。
また、私たちは出店をする際、ボランティアで友人に店員を手伝ってもらった。しかし、
その手伝い人員の中にはモチベーションが低い人もいて、客観的に店員間の意識の差があ
ったようにみえてしまった。これは、事前に説明会などを行えば防げたことである。
私たちはヒヨシエイジにおける出店経営を通して、目標に掲げた
住民との交流
地域との交流
日吉
にどれだけ貢献できただろうか。普段と違い、キャンパス内に日吉住民が
多く訪れ、わたしたちの出店も利用してもらいコミュニケーションを図ることが出来た。
今まで日吉住民と話したことは少なかっただけに新鮮であった。お客さん以外でも、小川
さんを始め町内会、地域のみなさんと交流し、大学生ではわからないような社会人として
の人付き合いの常識を教えていただき、意見や指摘をしてくださったことは刺激的かつ貴
重な経験であった。
しかしそれらのコミュニケーションは
私とあなた
といった1:1のミクロ的なコミ
ュニケーションであって、日吉住民と学生すべてを取り巻くマクロ的なコミュニケーショ
ンではない。また、ヒヨシエイジ自体の知名度はあまり高くなく、ヒヨシエイジの出店企
画についてはほとんど知られていなかったようだった。ヒヨシエイジはまだ完全に地域の
イベントとして定着しているとは思えなかった。今年で3年目、まだ歴史が浅いからだろ
う。ヒヨシエイジが10年スパンのプロジェクト、としているのもうなずける。
私たちが今後取り組んでいかなければならないのは、出店企画もヒヨシエイジと同じく
10年スパンのプロジェクトとして捉え、継続的に開催することである。そうすることで、
日吉住民、慶應大学の学生は「年に一度のヒヨシエイジ」
「ヒヨシエイジに出店あり」とい
う意識がおのずと生まれてくるだろう。そうしてヒヨシエイジという場に日吉住民と慶応
大学の学生との新しいコミュニケーション空間が生まれる。そこで初めて、 地域との交流
日吉住民との交流
という目的のマクロ的な意味での達成になるだろう。
参考サイト
ヒヨシエイジ2005公式HP
http://www.hiyoshiage.com/
匿名組合.com
http://www.tokumeikumiai.com/
ジェット証券株式会社(アイドルファンド)
http://www.jetsnet.co.jp/g̲idol/
ワインファンド
http://www.vin‑net.co.jp/
ミツエーリンクス(4P・4C)
http://www.mitsue.co.jp/case/concept/01.html
Jnews.com(価格設定)
http://www.jnews.com/kigyoka/2001/kigyo0106.html
ビジネス道場(価格設定)
http://bizdo.jp/factory/bn/theme/0101/01‑2.htm