IT・エレクトロニクスステーション−8 顧客志向経営による次世代型 CRM(顧客情報管理)システムの開発 Keyword; 総合情報学部社会情報学科 山口 隆久 株式会社アクシス 熊谷 音愛 顧 客 志 向 マ ー ケ テ ィ ン グ 、 顧 客 情 報 シ ス テ ム 、 CRM、 金 融 機 関 1. 産学連携による顧客情報管理システム構築の目的 現在、日本のサービス業全体が急速な自由化の波の中、異業種も交えた競争が激化していま す。この様な市場環境の中で、企業の生き残りの鍵は、お客様(顧客)とのレーション(関係 性)を見つめ直すことからです。マーケティングの基本思想は顧客志向であり、顧客を正しく 理解することがすべての始まりであります。今こそ、企業はあらゆる業務を“顧客を中心に据 えて”展開することが求められています。 2.顧客志向型 CRM の必要性 1990 年 代 後 半 以 降 、CS(顧 客 満 足)に 代 わ り、CRM が 企 業 の 注 目 を 集 め て き ま し た 。 そ の 背 景 と し て は 、 従 来 の CS 論 が す べ て の 顧 客 に 対 し て 平 等 に フ ル サ ー ビ ス を 提 供 し よ う と す る よ う な 、 あ る 種 、 精 神 論 的 な 部 分 が あ っ た の に 対 し 、 こ の CRM が より客観的な分析的な手法で、顧客分析・顧客対応戦略に効果的なアプローチをした からだと考えられます。 こ の CRM と は 、一 言 で い う と、 「 顧 客 満 足( CS)と 企 業 収 益 を 同 時 に 達 成 す る 経 営 戦略」と言うことができます。すなわち、最終目標はもちろん顧客満足なのですが、 むやみやたらに誰にでもフルサービスを展開するのではなく、限りある経営資源の効 果的・効率的運用(したがって企業収益)を考えながら、顧客を適切に分類し、それ ぞれに最も効果的・効率的な顧客対応を提供していこうとするものであります。 CRM 活 動 は 、企 業 が 自 社 の 製 品・サ ー ビ ス を 購 買 す る 顧 客 を 対 象 に 、会 員 な ど に よ って組織化を図り、各種の優遇や特典、サービスを設けて管理化し、その組織の運営 を 通 じ て 、顧 客 の 囲 い 込 み を 図 ろ う と す る 活 動 を 指 し ま す 。CRM 活 動 に 焦 点 を あ て る の は、CRM 活 動 は 、潜 在 的、主 観 的 に 存 在 す る 関 係 を 顧 客 が 自 覚 的 に 顕 在 化 さ せ、公 式化する装置として機能します。マーケティングにおいて重要なのは、企業との関係 そ の も の を 知 覚 の う え で 他 社 と 差 別 化 し 、強 化 す る こ と に あ る か ら で す 。そ の 際 、CRM 活動は重要な役割を果たします。 3.本システムの概要と特徴 本システムは、顧客の概要や取引状況、交渉情報(コンタクト)履歴など、それぞ れのシステムや台帳、個人管理で情報が分散されていた顧客情報を一つのデータベー ス に 集 約 し 、正 確 な 顧 客 情 報 の 収 集・分 析・共 有 を 実 現 し て い ま す 。“ 顧 客志 向 ”を 実 践するための業務の仕組みを、顧客中心の観点から統合し、各チャネルが連携できる マーケティング・サイクルの実践を支援します。 本システムは、ひたすら情報共有にこだわって産学連携により開発されたシステム です。これからの時代は、情報を持っていることに価値があるのではなく、情報を共 有・活用して付加価値を生むことが重要となっています。結果、付加価値を生む情報 インフラとして役割を果たしていきます。 連絡先 Tel:086-256-9752 E-mail:[email protected]
© Copyright 2024 Paperzz