サウジアラビア・リヤドでの 食品フェアについて 2013年11月14日 ハラルフード研究会資料 1.取組みの背景 (1)成長著しいアジアの食市場(中国、香港、韓国、インド、ASEAN諸国) 約3倍 229 兆円 • 世界のイスラム教徒 は16億人(2010) • 食品市場は60兆円 82 兆円 2009年 アジア 9.9億人 中東・北アフリカ 3.2億人 2020年 アジアに約10億人の イスラム教徒が集中 出所;「農林水産物・食品の輸出促進に向けて」(農林水産省)平成25年4月 (2)巨大市場、イスラム圏における日本の「食」、普及の余地 • イスラム教徒は世界人口の4分の1、市場規模60兆円(2010年)、更なる成長が予測されている「ハラール食 品」の需要への対応を漸次開始 出典;「 Global Religious Landscape report 」(Pew Research Center)2012 Corporation) 「ハラル市場とその展望」(The Halal Industry Development (3)世界的に人気の高まる日本の「食」 • 世界一の国民長寿国、日本の「食」への関心の高まり(安全、安心、ヘルシー、美味しい) • 中東においても高い関心 (4)「食」のもつ健康増進機能を活かした健康寿命の延伸への期待 • 日本をはじめとするアジア諸国における高齢化の進展 →シニア層2010年4億人から2050年には12億人→ 生活習慣病の予防による健康長寿への関心。 ※糖尿病罹患率;UAE19%(世界2位)、サウジ17%(世界3位)、カタール15%(世界5位) 出典;「World Population Prospects The 2008 Revision」United Nations、 中東の消費市場(JETRO海外調査部) • 医療費削減への期待(日本の医療・介護費は、2012年43兆円であるが、2025年には74兆円と急増) 出典;「社会保障予算」(財務省主計局)平成24年10月) (注)「食」とは、農林水産物・食品製造品 食関連とは、上記に食品機械、観光等を加えたもの 1 (参考1) 中東諸国の位置関係 GCC 6ヶ国 330万 クウェート サウジアラビア 2830万 130万 バーレーン カタール 200万 リヤド ジェッダ サウジアラビア王国 アラブ首長国連邦 オマーン カタール クウェート バーレーン 約5000万人 2 ドバイ アラブ首長国連邦(UAE) 920万 オマーン 330万 近隣国含める と・・・ 約4億人 (参考2) 中東諸国の一人当たりGDP 中東諸国は所得水準が高く、また日本食品への信頼が高い地域 Gross domestic product per capita, current prices Gross domestic product based on PPP per capita GDP 2011 2012 2013 Qatar 98,031 99,731 98,737 Qatar 97,987 102,211 105,091 United Arab Emirates 63,626 64,840 64,780 United Arab Emirates 47,729 49,012 49,884 Kuwait 43,723 45,824 44,585 Kuwait 38,332 39,889 39,861 46,108 46,736 40,442 34,853 36,266 37,525 Saudi Arabia 23,599 25,085 25,163 Saudi Arabia 29,401 31,275 32,469 Oman 23,380 24,765 24,729 Oman 28,148 29,166 29,925 Bahrain 22,918 23,477 23,930 Bahrain 27,735 28,744 29,833 China 5,434 6,076 6,629 Thailand 9,390 10,126 10,849 Thailand 5,395 5,678 6,572 China 8,391 9,162 10,011 Indonesia 3,511 3,592 3,817 Indonesia 4,669 4,977 5,302 Japan International Monetary Fund, World Economic Outlook Database, April 2013 2011 Japan 2012 2013 3 (参考3) 主な中東諸国における食品の輸入規模 • アラブ首長国連邦の中東諸国は所得水準が高く、また日本食品への信頼が高い地域。 • 2011年における食料品及び動物の輸入額は、UAE;約99億ドル、サウジアラビア;149億ド ル。両国で248億ドルであり、中東諸国の食品輸入規模は大きい。 (単位 日本 輸出 食料品及び動物(食用) アラブ首長国連邦 a 輸入 輸入 イラン a 輸出 輸入 3,791 64,221 3,783 9,893 1,926 4,356 5,073 6,495 697 9,155 704 503 34 376 20 235 飲料及びたばこ インド 輸出 輸入 食料品及び動物(食用) 輸出 イスラエル 輸出 輸入 100万米ドル) インドネシア 輸出 輸入 オマーン 輸出 輸入 4 韓国 輸出 輸入 23,228 5,477 10,115 14,335 805 2,094 4,860 21,900 970 270 808 657 110 260 1,216 861 飲料及びたばこ クウェート 輸出 b 食料品及び動物(食用) 飲料及びたばこ サウジアラビア a 輸入 c 輸出 輸入 シンガポール 輸出 輸入 タイ 輸出 輸入 166 3,278 2,703 14,881 5,301 8,094 29,784 8,772 13 213 198 855 3,015 2,927 887 446 出典;世界の統計2013(総務省) 日本からは16億円(2009)JETRO報告書 (参考4)関連分野の市場規模 美容・化粧品市場 健康食品市場 日本化粧品販売金額 1兆4000億円(2010年) (富国生命調査資料) サウジ女性化粧品市場 2,400億円(2009年) 世界化粧品業界が注目 (JETRO資料) UAEの化粧品輸入国 フランスを主にEUアメリ カの有名ブランドが多く 6か国で64%を占める。 日本の輸入構成比は 1%である。 (JETRO資料) 世界の健康食品市場 22兆4,700億円2012年度 (前年比7.9%増) (総合企画センター資料) 日本における健康食品市場 1兆4,746億円(2012年度) (内閣府消費者庁資料) サウジアラビア健康志向UP 生活習慣病が慢性し、20% が糖尿病及び予備軍である。 政府も健康保険負担対策を 検討中 近年、スポーツジムが盛んに なりつつある。 健康食品市場は、未熟と思 われ、市場調査の中では見 当らなかった。 《健康食品・化粧品の参入の可能性》 化粧品においては、未開拓国である。EU等の商品は『美』 が主である中で、ナチュラルで機能性を取り入れた日本製 品の評価を得られる。 健康食品市場は未熟であるが、近年健康を意識しだした中 で、大きな市場と思われる。市場規模の可能性は4000億円 見込む。 5 2.課題 今後、一層の拡大が見込まれるイスラム市場だが、我が国食品メーカーにとって高い関心があるも のの、ハラール認証注)や市場に関する情報が氾濫(正しい情報が不足)しているため、ビジネス にはリスクが高いと受け止められ、欧米や中国、韓国に比べて取組が遅れている。 (※)ハラール認証とは イスラム圏に食品等を輸出する際に、輸入国側から求められる認証。その食品等がムスリムが「口にすることを許されたもの」である ことの証明書。 ○ハラールの基準 ・食肉に関して、定められた屠殺方法であること ・豚、アルコール等が含まれていないこと ・生産、加工、流通、小売に至る管理体制が基準化されていること 等 道内観光においても同様の構図(課題)! 誘客には宿泊施設、飲食店、並びに土産品のハラール対応が必要。 在日イスラム教徒(10万人)を対象にしても同様の課題。 イスラム教徒誘客の関心は高いが、情報が氾濫している一方で、具体的な対処方法(何をす ればよいのか、どこまでやればよいのか、そのための費用)の情報は不足。 取組が遅れているため、宿泊施設及び土産品の選択肢が少ない。周遊化が難しい。道産食品 を用いた食事のレパートリーが少ない。特定国への依存度が高く、経営が安定しない。 6 3.狙いと主な取組事項 北海道において、輸出の第一関門であるハラール認証取得に向けた基盤づくり、サプライチェーン構築のための市場 調査、並びにテスト販売等を実施することによって、 「プレミアム商品」と言われる日本食品の商流構築を図る。 これにより、我が国のイスラム圏への食の輸出に関するモデルになり、将来の国際競争力の強化につなげる。 狙 い (1) イスラムマーケットへの食品輸出の増加 (2) イスラム教徒の来道旅行者へのハラール対応食品の供給(食事、お土産等) (3) 日本企業によるイスラム圏での現地生産の拡大 (4) 国内イスラム教徒(10万人と言われる)へのハラール対応食品の供給(輸入代替) ハラールに最も厳格な国は、サウジ 取組事項 (課題解決のファーストステップ) ①ハラールフード研究会の開催 サウジアラビア大使館、イスラミックセンタージャパン、東京ジャーミーが講師陣。 ハラール等の正しい情報の把握と共有化、具体的な課題抽出と解決策の検討。 ※講演、個別相談、個別工場の視察と助言等 【研究会メンバー】 ・道内中小企業 ・大手食品企業 ・道内生産者 ②市場調査の実施 現地調査による市場ニーズ・サプライチェーンの把握 ・物流関連、分析 企業 他 ・フード特区機構 ③ハラール対応商品の開発、試食会による輸送と評価(ケーススタディ) 商品の分析・改良、ハラール認証取得、現地フェアによるビジネスマッチング ※取組を検討して いる企業に限定 7 (1)H25年度スケジュール H25.2月、駐日サウジ大使、 駐日カタール大使が来札 目的 実施項目名 H25.4 5 6 7 8 9 10 11 12 H26.1 2 3 ①サウジアラビ ア等中東調査及 び輸出ケースス タディ 現地調査 (サウジ) 5/23~30 現地調査 (ドバイ) 6/21~27 イ ス (ラ 輸 出ム マ ・ 海ー 外ケ 生ッ 産ト へ のの 拡商 大流 )形 成 (駐日サウジ 大使館、7/26) フィード バック 報告 報告 現地調査 (サウジ) (ドバイ) 北海道フェア 北海道フェア 北海道フェア (サウジ、11/26) 報告 (ドバイ、2/4) フィード バック フィード バック 第5回 第6回 ② ハラ ー ルフ ー ド研究会 第1回 第2回 第3回 (6/3) (7/4) (8/27) 第4回 ③ハラール対応 のための製品分 展示品 展示品 展示品 析・改良等 成分分析(豚DNA、アルコール) 成分分析、商品改良、ハラル認証取得準備 8 (2)主な取組状況 ( 実 施 中 ) ①市場調査の実施 ・5月(実施)、6月(実施)、11月(予定) ※以下の③、④、⑤も市場調査の一環 ( 実 施 中 ) ②ハラールフード研究会の主催 ・イスラム圏への輸出促進を目指す企業を対象とした「ハラールフード研究会」を主催。 ・駐日サウジアラビア大使館の協力のもと、ハラール認証に向けた課題把握、成分 分析、解決策の検討を実施 ※研究会;H25.6月、7月、8月、(予定)10月、12月、H26.3月 ※工場訪問;(予定)10月 他 ( 済 み ) ③駐日サウジアラビア大使館での北海道フェアの主催 ・駐日サウジアラビア大使館にて開催(H25年7月26日) ・道内企業8社が出展。試食品は15品。 参加者90名。 《主な出席者》 ○アラブ人;トルキスターニ駐日サウジアラビア大使、サウジ大学ヤヒャ法学部教授、アトールネ イ社マゼン氏、元駐日スーダン大使ムサ氏、アラブ・イスラーム学院サイード教授、大砂嵐他 ○日本人;現ドバイ総領事松永氏、元駐エジプト・イラク大使片倉氏、元駐ドバイ総領 事・リビア大使塩尻氏、元JETRO理事長林氏、最首公司氏、外務省松富統括官他 ( 予 定 ) ④サウジアラビア食品フェアの開催(JETRO、駐サウジ日本大使館共催) ・駐サウジ日本大使公邸にて開催 (H25年11月26日) ・政府関係者、企業、ホテル等30社程度参加予定 ( 予 定 ) ⑤ドバイ北海道フェア ・現地市場ニーズ、サプライチェーン、ビジネ スパートナー(インポーター)等の調査 ・観光のパンフレットの配布を実施 ・ハラールについての正確な情報の把握と 共有 ・個別、具体的な課題の抽出と解決策の検 討 ・道内企業8社が出展。試食品は15品。 参 加者90名。 ・高評価を獲得 ・観光ビデオを上映、パンフレットも展示 ※観光振興機構、札幌市の協力 ・食に係わる連携の枠組み構築 ・展示、試食を通じた具体的なニーズの把 握 ・現地企業とのマッチング、商談の実施 ・駐ドバイ日本総領事公邸にて開催 (H26年2月4日予定) ・政府関係者、企業、ホテル等30社程度参加予定 ・食産業の交流に関してドバイ商工会議所とMOU締結予定 次年度 以降 ・知名度が低い道内食品の売り込みには、 美しい・自然豊かな大地(観光)とセットの プロモーションが必要 (26年度)ケーススタディ品目拡大、現地ニーズに即したハラール対応商品の開発支援、現地企業との合弁等による現地生産の可能性検討 (27年度以降)輸出の本格展開 9 4.サウジアラビア「日本食品プロモーションフェア」の概要 (1)日時・場所 2013年11月26日(火) 午前10時00分~午後1時30分 在サウジアラビア日本国大使館 大使公邸 Road Map to the Residence of the Ambassador of Japan in D.Q. (2)主催・協力 主催:在サウジアラビア日本国大使館、日本貿易振興機構(ジェトロ) 協力:(社)北海道食産業総合振興機構(フード特区機構) (3)プログラム(予定) 10:00-11:30 【第1部】セミナーの部 10:00-10:10 開会挨拶(10分) 駐サウジアラビア特命全権大使 小寺次郎 10:10-10:20 講演「政府の日本食品のプロモーション政策」(予定) 10:20-11:30 参加企業プレゼンテーション ※北海道からは、 西山製麺様(ラーメン)、和弘食品様(たれ)、 中札内農協様(枝豆)、フード特区機構(スイーツ等持込み)が参加。 11:30-12:00 休憩(第2部のセッティング) 12:00-13:30 【第2部】試食会及びネットワーキングの部 ※現地バイヤー、ホテル・レストラン関係者等30名程度が参加。 10 (参考)サウジ訪問団の予定スケジュール 日付 時間 予定 11/23(土) 14:05 15:55 21:20 新千歳空港発(ANA便) 成田空港着 成田空港発(エティハド航空便) 11/24(日) 5:10 10:30 11:30 UAE・アブダビ着 UAE・アブダビ発(エティハド航空便) サウジアラビア・リヤド着 ホテルへ 日本人会(代表:三菱商事訪問)訪問(予定) ※現地の食事情等についてヒアリング 午後 11/25(月) 午前 午後 みずほ銀行リヤド事務所訪問(予定) ※現地の商習慣、物流事情等ヒアリング 市内視察 ※現地市場(スーク)、ショッピングモール等 11/26(火) 10:00 終了後 サウジ「日本食品プロモーションフェア」開催 市内視察 ※キングダムセンター等検討中 11/27(水) 12:00 16:25 18:50 22:10 空港へ リヤド発(エティハド航空便) アブダビ着 アブダビ発(エティハド航空便) 11/28(木) 13:05 18:50 20:35 成田着 成田発(ANA便) 新千歳空港着 備考 ※中札内農協は 帯広空港発着 11
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