PACS (Picture Archiving and Communication System) 画像保管管理システム CT、MRI等の医療画像診断装置からの検査画像を電 子的に保存、検索、解析する画像データベース・ システム。院内PACSと地域PACSの二種類がある。 Archive(アーカイブ):記録文書の保管(所) ・複数のファイルを圧縮して、1個にまとめたもの ・FTP(File Transfer Protocol)によりアクセス可能なインター ネット上のファイルのディレクトリ PACS 構造要素1 (1) 情報量と転送速度 (例):胸部X線単純写真1画像=4000×4000画素 1画素=100μm× 100μm、濃度階調=1024(10bits) PACS(医用画像管理システム) PACSとは、Picture Archiving and Communication Systemの略で、 膨大な量の医用画像をフィルムの代わりに、デジタル 画像としてデータベース化し、 必要に応じてその画像を転送、表示することができ るシステムのことをいう。 このシステムにより、画像処理による高度な診断や病 気の統計など、医用画像の有効的な活用が可能となる。 また、このシステムを導入することによって、人員や保 管スペースの削減も図ることができる。 PACS 構造要素2 (2)システム・コンピュータ 情報を蓄積、配信するサーバ・コンピュータ(server)と、 この画像の情報量は、 4000×4000×10=160,000,000bits=20Mbytes 情報を受け取り、表示するクライアント・コンピュー タ(client, 端末とも呼ぶ)、 から構成される。 ネットワークを通じてコンピュータ同士を接続し、データ を交換する際の転送速度は、1秒あたり何ビット転送で きるかというbps: bits per secondの単位を使用する。 サーバは常にクライアントからの要求が来るのを待っ ている状態で待機しており、クライアントからの要求 で必要な仕事を行い、仕事が終わるとサーバは再び 待機状態となる。 PACS 構造要素3 (3)ネットワーク 複数のコンピュータ(サーバー、クライアント)を有 線や無線で接続することをネットワークという。 大別して病院内を対象としたLAN: local area network と院外との接続を対象としたWAN: wide area network があるが、厳密な定義、分類は困難である。 PACS 構造要素4 (4) プロトコル ネットワークを通じてサーバ、クライアント端末間で 情報交換を行うには、単にケーブルを電気的に接 続するだけではできず、情報交換する手順(通信プ ロトコル:protocol)を相互共通にきめ、それに従って データを送受信する。 (5) 画像圧縮 可逆圧縮と非可逆圧縮 JPEG圧縮 JPEG 2000圧縮 JPEGとは、Joint Photographic Experts Groupの略で、カラー静止 画の圧縮方式を検討する委員会を指す。 この圧縮方式によって作成された画像ファイルを指して「JPEGファ イル」と呼ぶ。 基本方式における符号化アルゴリズムは、画像データの8×8画 素のブロック単位に分割し,それぞれのブロックごとに離散コサイ ン変換、量子化、エントロピー符号化の順に行われる。 高圧縮率で高画質を保持できるJPEG2000では、離 散コサイン変換(DCT)の代わりに離散ウェーブレッ ト変換(DWT)が用いられる。 1回目の2次元DWTによって4つの帯域に分解し、 さらに、最低域成分を4つの帯域に分割している。 圧縮率を高めていくと、 8×8画素のブロック単位で分割された境 界で画像ひずみがみられ、画質の劣化が確認できるようになる。 これをブロックノイズという。 Lossy JPEG と Lossless JPEG がある。 総合外来/整形 外科外来端末 放射線科診断部門 病棟簡易端末/レポート 端末 PACS PACAを利用した医師診断室(例) 院内医用画像情報ネットワークシステム(PACS) ハイビジョンを用いた大学 間の衛星通信システム 【システムの概要】 ハイビジョン映像、NTSC映像のデジタル方 式による送受信により、大学病院と29大学附属 病院間において(医療情報の転送、非常時には連 絡回線として)運用を行う。映像の送受信時には スクランブルをかけ、患者のプライバシー保護等 の対策を行う。 遠隔医療と支援診断 + DICOM 遠隔医療とコンピュータ 今日の遠隔医療にはコンピュータが欠 かせないが、上の定義からすれば、遠隔 地を結ぶコミュニケーション手段が存在 し、「即時性」と「双方向性」が確立さ れているならば、コンピュータなしでも 遠隔医療は可能なはずです。 遠隔医療(Telemedicine)とは? 遠隔医療というのは耳慣れない言葉であるが、 対面医療(face-to-face medicine)の反対語と考 えれば理解しやすいかと思われる。 ここでは患者と医療者、あるいは医療者同志が 遠く離れた場所にいながら、情報交換を行い、 診断や治療を行っていくことと定義する。 いわゆる、遠隔医療と呼ばれる分野 ・在宅医療、僻地医療、戦地医療、宇宙医療など、 病院のない場所に病院を出現させる。 ・病院に入院中の患者に対して、病院にいなが ら、 家庭、学校環境を再現する試み。 ・遠隔診断、遠隔放射線画像診断、遠隔病理 画像 診断など。 遠隔医療の形態 遠隔医療の必要性 1.患者と医師を結ぶ遠隔医療 ネットワークを利用した在宅医療心臓病患者の外出 先での管理、妊娠中女性の周産期管理など 2.一般医と専門医を結ぶ遠隔医療 (1)医療資源の地域間格差 (2)医療の専門分化 CT、MRI画像などの遠隔診断病理画像の遠隔診断 3.専門医と専門医を結ぶ遠隔医療 (3)在宅医療ニーズの高まり 遠隔手術シミュレーション・システム 遠隔医療の分類 1. 患者 - 医師 2. 一般医師 - 専門医師 <遠隔医療の方法> (1)インタ-ネット利用 (2)ISDN回線による方法 (3)光ファイバ-、ケ-ブルTV回線による方法 3. 専門医師 - 専門医師 遠隔画像診断システムの概念図 CT/MRIスキャナからのデータおよび検査依頼票の データは通信端末でデジタル化され、ISDN経由で遠 隔地の読影端末に送られる。診断結果はFAXで検査 を施行/依頼した病院に送られる。 (4)通信衛星による方法 モバイル画像診断(例) 読影用の端末は、なにも大型のCRTを接続したデスク トップマシンである必要はない。遠隔診断用ソフトは Windows 上で動くので、診断と通信および報告書作成用の ソフトを搭載したノート型のパソコンを持ち歩けばどこで でも(理論的には海外からも)読影が可能である。 データ圧縮について 衛星通信を使用した遠隔医療システム このシステムでは、高性能のTV会議装置やTVカメラ、そして高い 伝送速度を備えた衛星通信装置を使用しており、スムーズな映像 とクリアな音声の伝送を実現している。このシステムによって、ふも との病院医師が患者さんと問診し、遠隔操作でカメラを動かして顔 色や全身状態等をチェックした上で、診療所スタッフに投薬、搬送、 処置などの指示を出すことが可能となっている。 遠隔医療/画像診断の利点 非圧縮(78KB) 標準圧縮(59KB) 高度圧縮(39KB) 一見しただけではそれぞれの区別が困難です。 遠隔医療/画像診断の欠点 ¾コスト節約 ¾システムダウンの危険性 ¾緊急読影 ¾画質と転送速度のトレード・オフ(trade off) ¾僻地医療への応用 ¾コニュニケーション・レベルの低下 ¾画像の検索、加工、再利用が容易(デジタル 化の利点) ¾患者の身体的負担の軽減(遠隔医療の利点) 在宅医療支援システム概要 ISDN、アナログ回線、無線回線、LAN を利用したマルチメディア・ネットワークを 構築し、医療機関と在宅療養者宅を接続する。 テレビ電話による医療相談やバイタルセン サーにより体温、血圧、脈拍、心電図、体重、 体脂肪、歩数、尿検査結果等の在宅療養者の 健康データを収集し、医師が在宅療養者の容 態を迅速かつ的確に把握できる。 ¾転送元の画質に左右される(現シス テムの制約) 在宅介護支援システム概要 在宅介護支援センター等の福祉施設に設置した端末 と看護婦、ホームヘルパーが持つ携帯情報端末によ り、在宅要介護者情報、訪問看護スケジュール、介 護履歴等の情報を共有することにより、在宅介護作 業の効率化を図る。 また、医師等からの医療指示情報の適時提供により、 福祉機関と医療機関の効率的な情報伝達を行うこと ができる。 在宅医療支援遠隔問診システム 三重県でケーブル テレビ在宅医療支 援システム システム構成図 コンピュータ支援診断 (CAD: Computer-Aided Diagnosis ) CADは、コンピュータによる画像解析結果を 「第2の意見」として利用する「医師による診 断」である。 医 師 読 影 最終診断 コンピュータ 計算 第2の意見 CADについて DICOMとは? CADシステムの構築はソフトウェアの開発が中 心であり、画像処理や画像認識の技術が応用さ れる。 DICOMはDigital Imaging and Communications in Medicineの頭文字で、「ダイコム」と読む。 マンモグラフィCADシステムは世界で最初の商用 機である。 CT・MRI・内視鏡・超音波などの医用画像診断装 置、医用画像プリンタ、医用画像システム、医療 情報システムなどの間でデジタル画像データや 関連する診療データを通信したり、保存したりす る方法を定めた国際標準規格です。 現在DICOMは、医療装置間の通信と画像に関 する事実的標準となっている。 DICOMとは? 病院内外で異なるメーカや種類のディジタル画 像機器をネットワーク等で相互接続し、画像や 検査情報の転送を可能とする。 ◆ 非DICOMモダリティ ◆ DICOM対応モダリティ ◆ フィルムデジタイザ ◆ 読影依頼システム ◆ 遠隔画像診断システム ◆ PACS DICOM規格の5つの特徴1 (1) ネットワーク規格: 直接ネットワ-クへ接続で きる。 (2) 既存の通信規格: 一般的な標準ネットワー ク規格をそのまま用いて通信できる。 (3) オブジェクト指向: DICOMは誰からも共通に 認識・利用できるようになっている。 演習問題 DICOM規格の5つの特徴2 胸部CR写真が1画像=4000×4000画素で構成され、濃度 階調=1024階調(=10bits)の場合を考える。 6枚のCR写真がサーバーのハードディスクに保存している。 (4) コンフォーマンス(conformance:順応): DICOMの様々な機能のうちどの部分に対応 できる。 (5) 可搬電子媒体: DICOMはネットワーク通 信だけでなく電子媒体へ画像データを記録 する際の内容についても定めています。 問題92 ディジタル画像について正しいのはどれか. 1.データ量は「横の画素数×縦の画素数」で計算 することができる. 2.ピクセルサイズが大きくなると解像度は良くなる. 3.サンプリング周波数を小さくするとデータ量は減る. 4.標本化間隔を小さくするとデータ量は減る. 5.量子化誤差が小さいと擬似輪郭が現れる. ハードディスクから画像を読み出す速さは、80Mbytes/sec。 配信用ネットワークのデータ転送速度は120Mbps程度。 6枚のCR写真を転送するのに、約何秒を要する? 概算:4000×4000×10bits=160,000,000bits=20Mbytes (20Mbytes ×6)=120Mbytes;120Mbps=15Mbytes/sec 120/15=8秒 問題98 マトリクスサイズ1024×1024画素,階調数16 ビットの画像のコンピュータ上でのファイル容量は何メ ガバイトになるか.ヘッダーはないものとする. また,1バイト=8ビット,1キロバイト=1024バイト, 1メガバイト=1024キロバイトである. 1. 1.0メガバイト 3. 2.0メガバイト 5. 4.0メガバイト 2. 1.5メガバイト 4. 2.5メガバイト 05-1 ギガビット・イーサネット(伝送速度が1Gbps) で1枚5Mバイトの画像を伝送する。 1秒間に伝送できる最大の画像数はどれか。 05-8 画像の圧縮に用いられるのはどれか。 a. 離散コサイン変換 b. ラドン変換 c. ハフ変換 d. ラプラス変換 e. ウェーブレット変換 1. 25 2. 100 3. 200 4. 400 5. 1,600 1. a,b 課題 教科書 第4章、 pages 120-121 演習問題: 問題 1 ~問題 12 提出期限: 10月23日(水) 授業開始直前 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
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