アプリケーション ストーリー

アプリケーション ストーリー
食品業界で活躍する赤外線カメラ
FLIR A310 は、食品業界のあらゆる工程の監視に
使用できる固定型赤外線カメラです。
食品業界では、生鮮食品の製造、移送、保管、販売の全課程を通して、
きめ細やかな
温度管理が必要です。汚染された食品や加熱不足の食品による健康被害が度重な
り、食品業界の工程管理の徹底が強く求められています。こうした食品に関する事
件のほぼ全てに人為的ミスが関与していることから、食品業界では低コストでヒュー
マンエラーを予防できるオートメーションツールの必要性が高まっています。
赤外線カメラはそうしたオートメーションツールの一つの選択肢です。フリアーシス
テムズの赤外線カメラは、
自動の非接触温度計測に加えて、
アナログ映像出力、
イー
サネット接続によるMPEG4などのデジタル温度データの転送も可能で、食品業界
のほぼ全ての工程で活用が可能です。
赤外線カメラの機能
赤外線カメラは小型で使いやすく、必
要に応じて、
どんな場所にも設置できま
す。
生産工程だけでなく、
包装検査など
非接触温度計測のできる赤外線カメラ
と関連ソフトウェアを使えば、対象物に にも利用でき、食品業界のあらゆる工程
触れることなく、調理機器や冷蔵食品、 の効率向上に役立ちます。
調理工程から出たばかりの食品などの
温度を計測し、全数検査が実施できま フリアーシステムズの赤外線カメラは、
自動工程管理に必要なファームウェア
す。
や通信インターフェースを内蔵していま
す。さらに、
複雑な設定なしに第三者ソフ
www.flir.com
赤外線温度計測と熱画像によるチキンの加熱具合
の検査。加熱不足のチキンがあれば、
コンベアが停
止し、加熱不足のチキンを排除することが可能。
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査には、製品の品質/
安全性の向上だけで
なく、
全体の処理能力
が上がり、さらに省エ
ネにもつながるとい
うメリットがあります。
ることも可能です。熱風衝突式の電気オ
ーブンのニクロム線が故障した場合、
オ
ーブン内部の温度不均一が生じ、ベルト
の片側を通る製品の温度が低くなりま
す。従来の接触型温度センサーでは、
こ
のような品質検査はほぼ不可能でした
が、赤外線カメラで問題を早期に発見、
修正することで、大量廃棄を行う前に製
品の品質を改善できるのです。
包装検査
充填したボトルを撮影した熱画像。可視カメラでは、中身が見えない暗色のガラ
スやプラスチックのボトルでも、赤外線カメラを使えば容量不足/過多を一目で
検出でき、ラインから撤去することができます。
赤外線カメラで撮影した熱画像内のパ
ターンを照合するソフトウェアが販売さ
れています。このパターン照合機能を使
って、冷凍食品トレイの仕切り内の内容
物をチェックするなど、冷凍食品の工程
検査が可能です。
同様に、電子レンジ用食品の熱密封式
のラップ包装の検査にも赤外線カメラ
が活躍します。赤外線カメラは、熱密閉
赤外線カメラは調理済食品の検査だけ されたラップの熱放射をとらえることが
でなく、
コンベヤオーブンの温度のモニ できます。赤外線カメラとマシンにジョ
食品業界における赤外線カメラの活用 タリングにも使用できます。さらには、 ンソフトウェアを使えば、包装全体の温
事例は多岐にわたっており、日々さらに 測定結果をフィードバックループに組み 度もチェックできます。こうしたプログ
込み、
自動で温度管理することも可能で ラムでは、熱画像内の幾何パターンと
拡大しています。
:
す。
温度をコンピューターのメモリに保管
- オーブン焼成品
した温度パターンと照合します。このよ
- マイクロ波調理肉
赤外線カメラをコンベヤオーブンのベル うなシステムを利用して、包装に不具合
- マイクロ波で乾燥させた米やその他穀物
トの温度均一性モニタリングに使用す
のある製品にレーザーで印をつけ、検
- オーブンの温度管理
- 包装済み冷凍食品の内容物検査
- 電子レンジ用食品のパッケージ検査
- ダンボールの蓋の接着部検査
- 冷蔵庫/冷凍庫内の温度モニタリング
トウェアを赤外線カメラのオートメーシ
ョンマシンビジョンシステムに組み込む
ことが可能です。
機器のモニタリング
品質保証と安全性
食品業界では、
赤外線カメラは品質保証
(QA)のための最重要ツールです。調
理肉の品質/安全性管理でも、
この技術
がうまく活用されています。例えば、コ
ンベアオーブンから出てきたチキンを
固定型赤外線カメラで撮影し、温度を記
録するのです。
この検査の目的は、チキンに十分な火
が通っているが、加熱し過ぎで乾燥して
いないことを確認することです。チキン
の水分が失われると、重量ベースの生
産量が減少します。他にも、赤外線カメ
ラを使い、
マイクロ派加熱食品ラインの
検査も可能です。赤外線カメラによる検
熱画像の温度計測機能でハンバーガーの加熱具合をチェック。
FLIR A310
食品業界をはじめ、あらゆる
製造業のエンジニアや技術者
は、安定した品質、低コスト、高
い生産性を常に求められてい
ます。フリアーシステムズの固
定型赤外線カメラAシリーズ
は、赤外線マシンビジョンを応
用した効果的な品質管理ツールとして、品質管理や検査効率を向上
させ、競争化強化と収益性改善を実現します。
FLIR A310 は、食品業界のあらゆる工程のモニタリングに使用で
きる固定型赤外線カメラです。
FLIR A310 の特長:
• 豊富な解析機能内蔵
• アラーム機能内蔵
• イーサネット/IPおよびModbus TCP 適合
• 解析結果やアラームをPLCと共有
• PoE (Power over Ethernet)
• デジタル入出力
• 100 Mb イーサネット接続
査所で印のついた製品を撤去すること
もできます。
食品を保護する梱包用ダンボールの品
質は、間接的に生産の安全性を左右しま
す。コストパフォーマンスの高い段ボー
ルの密閉方式として、
加熱融解したホット
メルト接着剤が使用されています。従来
は、
ホットメルト接着剤の品質を確認する
ために、抜き取り検査が定期的に実施さ
れていましたが、
これは時間とコストがか
かる方法でした。
ます。データはQAシステムに自動的に
記録され、傾向分析に付し、不良率が高
すぎる場合は何らかの問題が生じてい
るとみなし、警告が出されます。
囲を上回る/下回るエリアを設定し、そ
のエリアに入るボトル
(容量不足/過多ボ
トル)があればアラームを発生するよう
にして、不良品を撤去するのです。暗色
のガラスやプラスチック製のボトル充填
検査には、可視カメラよりも赤外線カメ
ラが適合しています。
オートメーションによる計測
赤外線カメラ内蔵のファームウェアと連動
し、食品業界のオートメーションシステム
をサポートする多様な機能を備えたソフ
トウェアが販売されています。こうしたソ
フトウェアはハードウェアや言語に関係な
く画像ツールやライブラリを利用でき、赤
外線カメラによる生産ラインの監視・制御
システムを迅速に実装できます。
赤外線カメラ本体は、多様な条件で正確
な温度計測ができるよう様々な動作モ
ードで利用できます。
こうしたカメラの多
くに付属する機能として、
スポットメータ
ーとエリア計測機能があります。
スポットメーターは、小さな測定点を計
測する機能です。エリア測定は、ある物
体や状況における一定エリア内の最高、
最低、平均温度を計測します。一般的に
温度計測範囲はユーザーが選択できま
す。温度範囲選択に加え、多くのカメラ
で画像に合わせたカラースケールやグ
レースケールをユーザーが設定できる
ようになっています。
その他、赤外線カメラの活用事例とし コンベアオーブンの検査に赤外線カメラ
て、容器充填工程のモニタリングがあり を使用する場合、調理済み食品がコンベ
ます。これは、製品の安全性に直接関わ ア上にランダムに置かれることが多いた
る問題ではありませんが、生産性や規則 め、エリア計測機能がよく利用されます。
厳守に影響します。ボトル容量の適正範 カメラは設定したエリア内の最低・最高温
しかし、赤外線カメラを使用すれば、
ダン
ボールの蓋の下のホットメルト接着剤の
熱パターンと大きさを「透かして」見るこ
とが可能です。まず、カメラを段ボール
の蓋の接着部を撮影できるよう設置し、
接着部のサイズと温度を確認します。
記録されたデジタルデータを使い、各段
ボール箱の合格/不合格を判定して、不
合格の箱は製品ラインから直ちに撤去し
データはQAシステムに自動的に記録され、傾向分
析に付し、不良率が高すぎる場合は何らかの問題
が生じているとみなし、警告が出される。
カメラを段ボール箱の蓋の接着部を撮影できる場
所に設置し、接着部のサイズと温度を確認する。
アプリケーション ストーリー
1コンピューターまたは PLC
2RJ45コネクタ付CAT-6 イーサネットケー
ブル
3光ファイバーポート付産業用イーサネットス
イッチ
4光ファイバーケーブル
5FLIR A310
6モニタリング対象物(コンベアベルト上の製
品)
典型的な赤外線カメラを利用した不良品検出システム
の赤外線カメラには、GigE Vision® や、
GenICam,™ などの標準的なマシンビジ
ョンインターフェースとの互換性があり、
こうしたソフトウェアの多様な機能に対
応します。
上図は、コンベア・モニタリングの略図で
す。多くの場合、赤外線カメラ1台で十分
ですが、色などの特性を記録するため可
現地でモニタリングを行っている場合は、 視カメラと組み合わせて使用することも
赤外線カメラのデジタル入出力を使用し 可能です。
てアラームを直接作動させることも可能
です。その場合、
ソフトウェアは不要です。
ただし、食品業界では、
コンピューター上
で動作する第三者ソフトウェアによる高レ
ベル解析から得られるメリットを勘案すべ
きでしょう。
こうしたソフトウェアには難しい設定な
どは一切不要です。フリアーシステムズ
赤外線カメラに関する情報は弊社までお気軽
にお問い合わせください。
:
フリアーシステムズジャパン株式会社
〒141-0021
東京都品川区上大崎2-13-17
目黒東急ビル5F
☎
: 03-6721-6648
Fax
: 03-6721-7946
e-mail : [email protected]
www.flir.com
T820231 _JP
度計測するようにプログラムすることが
できます。計測値が事前に設定した基準
範囲外であれば、コンピューターやPLC
で動作中のアプリケーションプログラム
がアラームを作動させ、オペレーターに
注意を喚起します。オペレーターは、モニ
ター上の熱画像をチェックし、不良品を来
ンから撤去し調理温度を調整します。
生産ラインの工程モニタリング