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PEACE COMMUNICATION
10:10 - 11:40
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自己紹介&カリキュラム概論
12:40 - 14:10
Assignment
Pre As 発表
コミュニケーション論① THEORY
【反戦広告リサーチ】
コミュニケーションとは何か?
As01 発表
プロパガンダ史
DVD上映『民族浄化』
ジャーナリズム
【プロパガンダ】
メディアとプロパガンダの関係性について
As02 発表
メディア構造論
【ジャーナリズム】
情報発信側の構造を理解する
メディアの「構造的要因」と「世論形成」の関係性について
As03 発表
SS/メディア戦略分析
メディアリテラシーWS
【太地町/SS】
「戦略的」コミュニケーションについて
メディアによってどういう世論になるか=メディアインパクト分析
As04 発表
領土問題/メディア報道分析
ジャーナリズムとプロパガンダの境界線について
メディア構造論
戦略PR
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As05 発表
As06 発表
①【プロパガンダ】
Q.世界各国の「プロパガンダ」リサーチ&インパクト分析
②【ジャーナリズム】
Q.「プロパガンダ」と「ジャーナリズム」の境界線はどこか?
③【メディア戦略】
Q.「メディア戦略」分析比較 4Matrix/「価値観対立」の解決案
④【紛争シナリオ】メディア分析→インサイト→シナリオ作成
DVD上映
「情報クリエイティブ」という手法について
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授業日程表
GHQ占領政策
PEACE EDUCATION
なぜ日本人は米国に憎しみを抱いていないのか?
コミュニケーションから考える「平和教育」のあり方について
Q.領土問題の各国報道から、どのように紛争を勃発させられるか?
⑤【和解】-Truth Commision- / -Occupation PolicyQ.「和解」では解決できない心理的課題は何か?
⑥【評価指標】-EVALUATIONQ.「平和」をどのように評価測定しうるか?
PEACE INITIATIVE
紛争予防を伴った「平和」をどのように構築するか?
Pre Assignment:Q.【反戦広告】リサーチ
PEACE
COMMUNICATION
2011
授業カリキュラム
PART1
Pre Assignment【反戦/平和広告】
Q.反戦広告ではなぜ戦争は止められないのか?
①PROPAGANDA(WAR COMMUNICATION)
プロパガンダ史=「戦争とコミュニケーション技術」の関係性
■授業目的:
「戦争形成」「世論醸成」に、いかに広告/PR 等の「コミュニケーション技術」が活用されてき
たのか。その歴史を体系的に学ぶことで、それら技術を「平和構築・紛争予防」へ転用するこ
との意義と必要性を考える。
■授業内容:
・「ナイラの証言」@湾岸戦争
・『戦争プロパガンダ 10 の法則』
・メディア技術発展史(通信ケーブル/新聞・雑誌/ラジオ/テレビ)
・プロパガンダ史@第一&二次世界大戦
・カウンタープロパガンダの危険性
②COMMUNICATION ⅰ(THEORY)
「コミュニケーション」とは何かに関する基本的概念
■授業目的:
そもそもコミュニケーションとは何か。
「伝える」ことと「伝わる」ことの違いは何かを考察し、
発信側の視点ではなく、「受信側の視点=相手の前提」に立つことの重要性を考える。
■授業内容:
・「コミュニケーション」と「インフォメーション」の違い
・「コミュニケーション」と「プレゼンテーション」の違い
・「伝わらない理由」の洞察(INSIGHT)
Assignment①【戦争広告代理店】
Q.「プロパガンダ」と「ジャーナリズム」の境界線はどこか?
☆事例:「ボスニア紛争」における戦争報道
■目的:
プロパガンダとは、
「政府や独裁者による喧伝(メディア統制)」という定義が一般的であるが、
それとは全く異なるシステムや情報発信の構造を理解する。つまり、一般大衆による「世論」
とそれに影響を受ける「メディア」との関係性の中で引き起こされる「構造的プロパガンダ」
の概念を理解することで、
「プロパガンダ」や「ジャーナリズム」 への既成概念を再定義する。
■教材:
DVD『民族浄化』(NHK)
PART2
③メディア構造論(MASS COMMUNICATION)
ジャーナリズム(発信側)の視点から考えるメディア構造論
■授業目的:
情報発信側の視点に立つことで、メディアが宿命的に持っている特性や構造を把握し、
「客観的」
に報道することの限界点を理解する。また、「発信側(情報)」と「受信側(世論)」との関係性
を再考する。
■授業内容:
・学説「マスコミュニケーション理論」(アジェンダ設定機能/沈黙の螺旋構造)の紹介
・情報の取捨選択の基準
・DVD『チョムスキーとメディア』
→カンボジアと東ティモールのメディア報道の比較
・DVD『スキャニングテレビジョン』
→【9.11】Q.「緊急」報道と「通常」報道の違いは何か?/Q.「報道」と「警告」の違いは何か?
→【炭疽菌】Q.「検閲」と「報道の自由」の境界線はどこか?
④メディア・リテラシー(MEDIA IMPACT)
「メディアと世論(受信側)」の関係性を読解するワークショップ
■授業目的:
情報量や構成などを読み解くいわゆる「メディア・リテラシー」ではなく、情報が発信された
ことで、どのような影響(IMPACT)を世の中に与えるか、「メディアと世論形成」の関係につ
いて理解するワークショップ。この視点を持つことで、「メディア批判者」になるのではなく、
紛争予防の視点を持った「世論の動向を分析できる観察者」としての視点を養う。
■授業内容:
・DVD『スキャニングテレビジョン』
Assignment②【価値観対立】
(紛争期)
Q.「価値観対立」はどのように解決しうるのか?
☆事例:「和歌山県太地町」における反捕鯨活動
■目的:
主義/思想/立場など、「価値観」を主軸にした対立構造における解決策にはどのようなアプロ
ーチが存在するのかを考える。同時に、「カウンタープロパガンダ」の危険性を学ぶ。
■教材:
・映画『ザ・コーブ』
・TV『鯨の町に生きる』(NHK オリジナル英訳版)
・HP『Animal Planet/Whale War』
PART3
⑤COMMUNICATION ⅱ(MARKETING)
戦略的にコミュニケーションを設計する(マーケティング戦略論)
■授業目的:
人に「伝わる」から、人を「動かす」ことを目的に発展しているコミュニケーション技術。発
見した「INSIGHT」からどのように「PROPOSAL」を策定するのか。いかにメッセージを伝播さ
せるのか、などマーケティングの視点に立って戦略的なコミュニケーション設計の事例を学ぶ。
■授業内容:
・「INSIGHT」から「PROPOSAL」への展開
・「戦略 PR(Public Relations)」の事例
・「AIDMA モデル」から「AISAS モデル」への転換
・アメリカ大統領選挙
事例:2008 オバマ選挙
・「コミュニケーションデザイン」最新事例
Assignment③【和解/移行期の正義】
(移行期)
Q.「和解」では解決できない心理的課題は何か?
☆事例:世界各国の『真実和解委員会』(Truth and Reconciliation Commission)
■目的:
「Transitional Justice」として、国際社会から関心の高い「真実和解委員会」の取り組みをコミ
ュニケーションの視点から考える。具体的には、「修復的フェーズ後に、どのような取り組みが
必要となるのか」を考える。狙いは、移行期が終わり「復興期」において、本来何をしていく
べきかを再考することである。
■教材:
・映画『Long Night's Journey into Day』(南ア真実和解委員会)
・書籍『Unspeakable Truth』(世界各国の事例研究書)
PART4
⑥紛争シナリオ策定会議(WAR STORY)
地域紛争から国際紛争へと拡大させる「戦争シナリオ」策定ワークショップ
■授業目的:
「紛争予防とは何か」を考えるためのワークショップ。「予防」とは、起きることを前提にする
こと。自然災害における「防災」概念も、そのシミュレーション結果が減災へと繋がっている。
そこで、「紛争を起こす側」の視点に立ち、その「シナリオ策定」をすることで、紛争予防とは
「具体的に何に対する予防なのか」を設定する能力を育成する。また、紛争予防から「減災」
という視点も同時に検討する。ワークショップ内では、「地域紛争と国際紛争」への展開を条件
に設定することで、「安全保障」の観点で地域問題を捉えることへの学びも目的とする。
■教材:
・「戦争シナリオ」策定シート
→参考文献『戦争プロパガンダ 10 の法則』
☆参考事例紹介:「インド・ダラビ」から「カシミール紛争」へ
Assignment④【占領政策】
(占領期)
Q.なぜ日本人はアメリカに「憎しみ」の感情を抱いていないのか?
■目的:
国際社会の介入による「占領期」において、どのような視点や注意が必要なのか、日本の事例
(GHQ による占領政策)をもとに考えさせる。
■教材:
国立国会図書館
米国国立公文書館
http://rnavi.ndl.go.jp/kensei/cat125/index_2.php
http://www.archives.gov/research/arc/
・連合国最高司令官総司令部文書
Records of General Headquarters Supreme Commander for the Allied Powers, GHQ/SCAP
http://rnavi.ndl.go.jp/kensei/entry/GHQ.php
・対日指令集
Supreme Commander for the Allied Powers Directives to the Japanese Government
(SCAPINs)
http://rnavi.ndl.go.jp/kensei/entry/SCA-1.php
・極東委員会文書
Records of the Far Eastern Commission, 1945-1952
http://rnavi.ndl.go.jp/kensei/entry/FEC.php
・日本占領
教育改革
Educational Reform in Japan, 1945-1952
Part 1/2
http://rnavi.ndl.go.jp/kensei/entry/EDJ-1.php
http://rnavi.ndl.go.jp/kensei/entry/EDJ-2.php
・民間情報教育局文書
GHQ/SCAP Records, Civil Information and Education Section
http://rnavi.ndl.go.jp/kensei/entry/CIE.php
PART5
⑦平和教育/PEACE EDUCATION
紛争予防の視点を伴った平和教育のアプローチ
■授業目的:
紛争予防を伴って、戦争の歴史を次世代にどのように伝えていくことができるか。「平和教育」
という行為を「継承」の手法に着目することで「EDUCATION≒COMMUNICATION」と再定義し、
「歴史のアーカイブ」とも異なる新たなアプローチ方法を考える。特に、「移行期の正義」が実
施された内戦経験国における平和教育の実施可能性を検討する。
■授業内容:
・事例「アウシュビッツミュージアム」/映画『ショア』
・事例「東ティモール CAVR」
・事例「ボスニア共通教科書策定プロジェクト」
Assignment⑤【戦争体験の継承】
(平和期)
Q.紛争予防を伴った「戦争ミュージアム」とはどういうものか?
■目的:
加害者と被害者が同居する「内戦地」においては、戦争の記憶/体験をどのように伝えていく
のかは「紛争予防」の観点からも重要である。そこで、生徒が選択した内戦地において、どの
ような平和教育の取り組みがあるかをリサーチさせ、「戦争ミュージアム」という具体的な
INITIATIVE を設定し、どのような工夫が必要となるのか、アーカイブを越えた新たな教育アプロ
ーチがあるのかを検討させる。
PART6
⑦COMMUNICATION ⅲ(COMMUNITY)
「コミュニティ」という視点で考える平和構築論
■授業目的:
内戦地の戦後復興は、
「コミュニティの再生」を伴う。そこでコミュニケーション論 PART3 では、
「Peace Building≒Community Building」と再定義し、「コミュニティ」の視点から平和構築/
紛争予防をアプローチする。また、「修復的」手法と「構築的」手法の違いを明確に認識するこ
とで、平和構築期の案件形成に必要な視点を育成することも目的とする。
■授業内容:
・(修復的)事例「Community Garden@ボスニア」
・(修復的)事例「償いの家@ルワンダ」
・ケーススタディ「PROUD@インド・ダラビ」
Assignment⑥【事業評価】
Q.「平和」をどのように評価測定しうるのか?
■目的:
プロポーザルを「提案する側」と「受理する側」の間にも、メディアと同様にコミュニケーシ
ョンは存在する。行政やドナーを含めた「受理する側」に伝わる言語のひとつが「評価基準」
であり、
「EVALUATION≒COMMUNICATION」と再定義する。そこで、さまざまな分野の事業評
価制度をリサーチすることで、受理する側への説得力を持つプロポーザル策定とは何かを考え
る。同時に、抽象的になりがちな「平和」という概念を捉え直す機会とする。
■参考事例:DAC5/人間開発指数/脆弱性国家分析/PNA 分析