H23.11.15 源泉所得税の納税地の税制改正

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公認会計士・税理士法人 とおやま
行
2011/11/16
〒169-0075 新宿区高田馬場 1-31-18 高田馬場センタービル 6F
源泉所得税の納税地の税制改正とは?
給与や報酬・料金などの所得(内国法人が支払う剰余金の配当など一定のものを除きます。)を支払う際
には、支払をするものに所得税の源泉徴収が義務づけられています。
この源泉所得税の納税地は、法人税が本店又は主たる事務所の所在地を納税地とするのと異なり、その給与
等の支払の事務を取り扱う事務所のその支払の日における所在地とされています。そのため、給与等の支払
事務所等の移転があった場合であっても、その支払の日における所在地は変わりませんから、移転前の支払い
に対する源泉所得税の納税地は、引き続き移転前の給与等の支払事務所等の所在地とされていました。
今回の改正により、給与等の支払事務所等の移転があった場合には、移転前の支払に対する源泉所得税の納
税地も、移転後の給与等の支払事務所等の所在地とすることとされました。
平成24年1月1日以降に、源泉所得税を納付する場合について適用となります。
会社においては、さまざまな理由で本店移転をすることが多々あります。
その本店移転の際、区をまたいで移転した場合には、税務署の管轄が変わってしまうことを認識しやすいで
すが、区をまたがずに移転した場合であっても税務署の管轄が変わってしまう場合があります。例えば、大田
区には、蒲田税務署、大森税務署、雪谷税務署と3つの税務署がありますし、千代田区には神田税務署と麹町
税務署、世田谷区には世田谷税務署と玉川税務署と2つの税務署がありますので注意が必要です。
上記のような場合に、源泉所得税の納税地は、その支払いをした時点での支払事務を行った事務所の所在地と
なっているため、上記のような税務署の管轄が変わる本店移転を行った場合でも、源泉所得税の納税地は移動
しませんでした。
つまり、法人税や消費税の納税義務は、本店移転により新しい管轄となった税務署へ移転してきているのです
が、移転前に支払われた源泉所得税の納税義務は、移転前の税務署に残ってしまうことになります。そのため、
新しく管轄となった税務署では税務調査もできなければ、滞納処分もできないということになります。
源泉所得税は、支払字に納税義務が成立・確定するので、理論的には現制度に矛盾があるわけではありません
が、今回の改正により、行政側の手間と納税側の混乱が解消されることになるのではないでしょうか?
平成24年1月1日以降、本店移転をした場合には、法人税、消費税及び源泉所得税すべて、本店移転後の
新しい管轄となった税務署に納税することになります。区をまたがない本店移転であっても、所轄税務署に変
更がないかご確認下さい。
(文責:笠井)
【参考:HP】国税庁HP:源泉所得税の改正のあらまし
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