「高齢化」と「抗齢化」〜人類の新段階としての

「高齢化」と「抗齢化」〜人類の新段階としての
“Global Aging”の背景
#地球人口カウンター;年8千万人増 「明日は22万食、増やさねば・・」 # 多産多死 ↓ 多産少死 (→人口爆発) ↓ 少産少死 (→高齢化) #少子化・出生率低下; 欧州; 1.4人 中国; 1.5人(1979年〜「一人っ子政策」) 人口爆発はスローダウン・・しかし 地球社会全体が高齢化(”Global Aging”) ← 17c末;5億人 → 20c初;17億人 1930年頃;20億人 → 2050年;90億人超 ーーその半分がすでに「都市」人口! ←19c後半〜;上下水道整備(衛生環境改善) +栄養改善・感染症医学(ワクチン・抗生物質) ←平均寿命はマルサス「人口論」(18c末;1798年) 当時の35才から、現在先進国;77才へ ←国連の推計では、2030年までに世界全体で 出生率が「人口置換水準」(2.1人)に低下 日本;現在60才以上31%, 2040年代には40%超 中国;2050年に60才以上4億人(3人に1人) 80才以上は1億人を超える! 超高齢社会;問題点の整理
1)生産年齢人口の縮小による 経済の減速?(cf. 「デフレの正体」) 2)医療費高騰、社会福祉・年金制度の 破綻 (「騎馬戦型」→「肩車型」へ) 3)すでに始まっている医療・介護崩壊、 “一億総障害者社会”? →「健常・障害」の再定義(WHO;ICF) InternaIonal ClassificaIon of FuncIoning, Disability, and Health 4)高齢者偏重政策→子供福祉の後退 子ども+子育て世代へのしわ寄せ (若年層・次世代の虐待+ツケ回し) 5)都市・居住崩壊(〜空家と耕作放棄地の 増加、治安悪化、ゴーストタウン化)
A.  治療医学→予防医学、健康長寿QOL 〜生老病死のありよう、“Life” (生命・ 生活・人生)の包括的なリデザイン B. (生産年齢)“人口増”を前提にした社会 制度(定年、年金・・)の根本的再編 C.  都市設計・居住モデルの根本再編 (ゴーストタウン→ゴールドタウンに出来るか?) “課題先進国・日本”は人類史的実験のフ
ロンティア →アジア新興国のモデルに? cf. H. Rosling “2050人口構造安定”!? そのためにソフトランディングモデル必要 高齢化と「抗齢化」
1)長寿遺伝子?アンチ・エイジング 2)サイボーグ化、パラリンピック 〜パラリンピアンは新たな人類の可能性? 3)iPS細胞、再生医学 ↓ # “寿命”という概念のリセット # 健康・障害概念のリセット # 「生産年齢人口」概念のリセット # 長寿遺伝子“サーチュイン” (活性酸素除去、老化防止、ガン抑制) # サーチュイン活性化スイッチとしての 「カロリス」(カロリー/糖質制限) 飢餓サバイバル遺伝子として進化 →ゆえに飢餓状態で活性化? 地球生命進化史の文脈でみれば、 このような人工的長寿化、高齢化は 「逸脱」でも「不自然」でもないかもしれない # 単細胞では「不死」が前提 多細胞化→「性」(生殖)と 「死」(寿命)の誕生 # 「個体性」(個性化) 「老い」というギフト 〜ヒトだけに起こる老化という現象
二重の意味で「老いる」ことが可能と
なった(=老いる自由を得た)人類 1)生物学的条件;子供化と老い (“ゆっくり育って、ゆっくり老いる” ライフサイクルの「スロー化」) 2)社会経済的条件; ・衛生環境+栄養状態の改善 ・経済的余裕(cf。姥捨て、楢山節考) そしていま新たに 3)医学生理学的革新; ・長寿遺伝子?アンチ・エイジング ・サイボーグ化、パラリンピック ・iPS細胞、再生医学 ・寿命は「脳」「からだの大きさ」と相関? + ・「性成熟」が遅いほど、寿命も長い? 性ホルモン→骨成長停止、老化始まる 「性・生殖」と「老・死」のトレードオフ? →性成熟の遅延、生殖期(性生活)の 延長と長寿化が関係? ・そもそも現代のさまざまな病気・障害は 高齢化・長寿化ゆえの副産物! ↓ 病気・障害も含めて現代人類固有の 「老いというギフト」と考えるべき では、そのQOLを高めつつ、 その人類固有のギフトをどうデザイン? さらに 長寿文明への“加速要因”; 4)脱工業社会(知識社会化) 5)IT/ロボット技術の発達、 脳(人間)の模倣・外部化 ↓ ・人間の創造性の再評価 ・人間能力の拡張、劣化抑止 (人間「代替」型→人間「拡張」型) 6)社会保障・医療費の高騰 # 工業社会でのハンデがなくなり 女性・高齢者が社会的生産力に
# 長寿社会OS先進国?アメリカ (70年代から高齢者の社会参加促すHPP; ”Healthy People Project“=福祉+再教育機会、 戦争障害者の社会参加の仕組みも整備) # ガンジー、チャップリンの「機械化」 に対し、 “人間の尊厳を回復する機械化”へ? ・西欧福祉国家 vs 伝統社会福祉OS ーーインド「四住期」、「隠居」、イスラーム 人類の新段階;“おおらかな人間観・健康観”へ
新人類? 少なくとも「人類の新段階」 「地球生命進化史の新段階」 1)老いというギフト(老いる自由) の価値を社会的に再定義しつつ、 2)そのQOLを高めつつ その可能性を拡張しつつ、 3)それゆえの「不自由」を回避する ことは、いかにして可能か? ・長寿健康強迫 ・差別、選別 ・格差(エイジング・デバイド?) A. “おおらかな人間観・健康観” ーー多元的価値尺度、 多様な健常(健全)〜病気障害観 *cf。WHOの新基準;ICF B. 「多様な人間のあり方」を許容する 前提となる、多様性の体験・共有 →“高齢者疑似体験スーツ” 「内的な多様性の増幅」トレーニング C. 人間ー機械の共進化ビジョン 人類は植物や微生物と共進化し、 また自己の創造物と共進化する ↓ 地球環境の新たなレイヤー としての「人工生命・生態系」 生老病死のありよう、”Life”(生命・生活・人生)の再定義 →再び「リベラルアーツ」が必要な時代へ
ソーシャルウエア・デザイン課題 1)食・健康医療・スポーツ 新“脱病院化社会”へ!? 「丈夫なあたま」と「賢いからだ」 2)都市計画、交通(モビリティ) 3)脱福祉・年金の参加型社会OS 付加的課題; ・「外化」ゆえの不自由 ・現代人の脆弱性
← 2020東京五輪の人類史的意義 ← 自転車・公共交通は若者中心的思考 ← 新たな「四住期」「隠居」思想 ←数値化・科学的健康管理は万能か? 不妊治療、遺伝子選択・差別、再生医療 ←遺伝的個性の可視化、選択肢の可視化 ← ファストフード・ダイエット世代 +飽食ゆえの長寿遺伝子不活性? +クルマ社会(地方都市)、抗菌社会 Global Aging時代における“Base of the Planet” となるべき 「ポジティブ・エイジング」デザインの思想とは?
・同じ街を歩いていても、同じ風景を見ているわけではない、
それぞれ別の世界に生きている。人間は”uniform”ではない ーーこれを前提に都市デザインやサービスを再編。 文化的価値観の多様性以上に、 ・自転車、公共交通シフトの「エコ志向」は 生存条件・世界経験の多様化 生存条件の多様化の文脈で必ずしも“正論”ではない。 ・人間のマルチメディア化(〜例えばデジタル化のなかでの
2)減点方式の健康・障害観でなく、 残っている機能は何か?それを生かして 触覚などアナログ感覚の復権)!視覚中心の近代をこえて どんなLifestyleが可能か?(ICF) ・制約のなかで発見される「未使用の機能」 ・InnovaIonとは「旧結合の崩壊」と「新結合の創成」 →
・サイボーグ技術は生体の「機械化」(非人間的)か? の考え方、社会デザインへ むしろこんな未熟な機械も生体の一部にできるという意味で
“人間の可塑性の発見”“人間の尊厳・自立”に繋がる? 3)人間の適応力・可塑性の発見、個の尊厳を守る ワクワクするような社会デザインの新領域がそこに ・iPS再生医学も、長寿遺伝子の発見・解発も、 サイボーグ化も、人間の「未開」の自然の解発かもしれない (再生医療・サイボーグ化含め) ・「長寿化、再生医学、サイボーグ補完」の新たな可能性と、 「老化・障害を受け入れつつ、残る機能の最大化、未開発
人間はみな“未開”の存在かも! の新機能の発見」のバランスのなかで、どんなクリエイティブ
新たな人類段階としての「抗齢化社会」
でポジティブな長寿・高齢社会のイメージを描きうるか? 1)世界経験とLife-­‐styleの 「多様化」 「加点」方式 「抗齢化」