ドイツにおける食の安全に関する食品表示 2009年9月現在 ドイツ連邦食料・農業・消費者保護省 1 ロゴマーク”遺伝子組み換え無し”:食品購入でより多くの透明性を 新しいロゴマーク”遺伝子組み換え無し”は、消費者が遺伝子組み替え無し の食品購入について、意識的に決定することを容易にする。この統一ロゴマー クの導入は、消費者連盟と関心をもつ食品業界の早急な要望に沿うものである。 厳密に言えば、 2008 年始め以来、既に遺伝子技術を用いない食品は 、”遺伝 子組み換え無し”の記載でもって、表示する可能性が生じていた。勿論、この 表示の実行については、控えめに使用されていた。 ヨーロッパ食品表示法の提起後、遺伝子変化させた飼料を給餌した家畜に由 来する牛乳、卵または肉のような畜産物に関する義務表示を、これまで導入す る可能性が無かった。さらに、食品に遺伝子変化させた成分の痕跡が、含まれ ることの表示もされない。このマークは、今のこのギャップを埋めることがで きる。表示された食品に、遺伝子変化させた成分の無い(痕跡も無い)という、 安全性を示す。 新しいこのマークは、”遺伝子組み換え無し”と表示したい産物の製造者が、 無料での使用を申告できる。それとともに、関心ある食品企業体の使用も、容 易である。同時に、消費者はそのような産物の見分けが、簡単にできる 。”統 一ロゴマークの導入によって、消費者の選択の自由が強化され、そしてこの表 示の活発な活用を希望している”と、連邦食料・農業・消費者保護省アイグナ ー大臣が強調した。 2 模造-食品に対する明確な表示 消費者が食品を手にしたとき、模造-食品を明確に識別されねばならない。 そのため、食品法は消費者を惑わすことの排除のために、明確な表示を規定 している。人を惑わすレッテル、記載またはレイアウトでもって、営業上の流 通に持ち込むこと、ないしはその食品に関して、流通の中で十分判別できない ようにすることは、禁止されている。 誰が表示規則を監視するのか? 食品法規則遵守の監視については、各州の食品監視機関が所管する。この監 視は、通常公安局で行っている。アイグナー大臣は、各州に食品法上の規定違 反を、もっと強く監視することを強調した。 -1- 新しい法基盤による適切な公開情報 2009 年 6 月末に連邦法の中で、特に模造品に関する公開情報のための法基盤 が、さらに改善された。各州の管轄局の現場では、いわゆる”予定-規則”の 分野において、詐欺行為からの消費者保護のための規定に対して、かなりの程 度で違反の疑いがある場合、積極的な情報公開のきっかけの内容を含んでいる。 ”予定ー規則”は、公開情報からの根拠ある除外例のみ、管轄局が度外視する。 しかし、食品法の関連規定改正が発効した 2009 年 7 月 4 日以降、管轄局は食 品企業の私的な関心事が、公的関心事に優越するような事例について、もはや 見過ごすことはない。管轄局の大胆かつ決意ある情報活動の法的可能性は、十 分提起されている。そして今は、この可能性を用いることにかかっている。 ハムの模造品とそれがどこで提供されるか 数年前からドイツにおいて、ハム模造品が偽の表示”ハム”で、ピザ用ハム として売られている。この食品は監視局の認知の後、特に飲食店で提供されて おり、そこでピザとヌードル料理への添加物として、使用されている。この種 の”模造品”は、外見、香り、味そして成分構成に関して、市場の食品から簡 単に見分けられる。 この種の”模造品”は、しばしば約 50 ~ 65%の肉含量となっている。”本物 のハム”は、ドイツにおいて一般的な流通の見方において、約 95%の肉含量 となっている。つまり、 5%まで許される塩漬け成分及び水分である。模造品 は、部分的に澱粉のような結合材、ゼリー材、濃縮材を含んでいる。同時に肉 と水分の混合で、手頃の固さになっている。 最終包装とメニューでの正しい表示が必要 確かに食品法上の規定によって、そのような”模造品”を製造し、もしくは 販売することは、禁止されてない。しかし、現在有効な表示規則によって、産 品に適切な流通レッテルを、正しく表示しなければならない。消費者に渡る食 品の最終包装の上に、表示がされる。添加物使用に際しては、レストランで、 例えばピザの製造に関し、メニューの記載で消費者を惑わしてはならない。残 念ながら、この表示規則に対する違反が、常に繰り返し生じている。ドイツの 食品管理局が、過去において繰り返し確認しているように。 -2- このような”模造品”が、例えばレストランにおいて、しばしば”料理ハム” として、許されない方法で表示されている。このような不都合を防止するため に、ドイツ連邦消費者保護省は、ヨーロッパレベルで、そのような模造品表示 のための法規定の改正に、尽力している。 そのため、アイグナー大臣はヨーロッパ委員会に対して、法改正と現在有効 なヨーロッパ表示法を、現代に適用させることを要望した。彼女は、この種の ”ハム模造品”に関する、流通上の特別な表示の提案を、計画している。連邦 農業局は技術的レベルで、添加した水と外部からの蛋白質添加証明のための、 分析方法改良の作業を進めている。 3 良い品質の食品を見分けるための表示 良い品質は、消費者のために見分けられねばならない。公的な品質政策の分 野における食品の表示は、消費者情報の重要な手段である。この食品表示法は、 EU-レベルでさらに調整されている。この規則は、基本表示法にある項目(流 通標識、包装者、資材製造者、販売者の記載、添加物の一覧表、食品保存期限、 総体重量、そしてアルコール含量、一定の条件下での個々の添加物量)を、除 いている。 この規則は、包装されていない食品には適用されない。特に重要規則のさら なる情報は次のとおりである: ○ 流通表示は、これら食品に関する有効な法に規定されているか、またはそ のような法に欠けている場合、購入者が選択できるよう最終包装の中味に ついて、十分な情報提供がなされる。 ○ 記載内容は、氏名または会社そして製造者、包装者または販売者の住所で ある。 ○ 添加物は、食品製造に際して使用された食品添加物を含めた、最終産物の 中にある全ての物質である。消費者は、添加物の名前を含めたその重さの 順序で、最終包装の上に内容一覧を、見出すことができる。特定の食品(例 えば、新鮮果物-野菜、アルコール含量 1.2%以上の飲み物、但しビール は除く)は、添加物表示を必要としない。 -3- ○ 食品の最低保存期限は、適切な保存条件のもとで、固有の特性を維持でき るまでの期間である。それは、腐敗期限でない。最低保存期限が終わって も食品はまだ正常であり、食することは可能である。しかし、それでもま ず第一に厳しいテストを勧める。特定の食品(例えば、新鮮果物-野菜、 アルコール含量 10%以上の飲み物)は、最低保存期限の表示義務は無い。 短期間に人間の健康に直接的な危険をもたらす事が出来る、簡単に傷みやす い食品(例えばひき肉)は、最低保存期限の代わりに消費期限でもって、保存 条件順守のもとに提供できる。この食品は、消費期限の終了後、もはや販売で きない。前述した基本表示と並んで、さらなる法分野で、義務としての数多く の表示規則(乳製品、油、脂肪、ワイン、肉と肉製品のような)が、存在して いる。 4 包装された食品へのアレルギー物質の表示義務 この規則は、2005 年 11 月 25 日から有効である。この日以来、アレルギーま たは人の健康に合わない反応を引き起こす、特定の添加物を使用した食料の包 装上に、この物質を表示しなければならない。同時に、人の健康に合わない反 応に苦しむ消費者の保護は、著しく改善された。該当する添加物の使用は、添 加物リストからも食品の流通表示からも判る。 それには、次の添加物並びにそれからの製造物が、対象となる: グルテンを含む穀物、甲殻類、卵、魚、落花生、大豆、牛乳、大豆、牛 乳、 アーモンド、ハシバミのような殻果、セロリー、辛、ごま種子 以前は、kg 当たり 10 mg以上の濃度の二酸化硫黄、亜硝酸塩が、含まれて いた。2005 年 11 月 25 日以来、パン類の中の充填物質のような、基本的に全 ての添加物が表示される。この日以前の表示の食品は、なお販売可能である。 -4- 5 食品の栄養価に関する消費者情報 消費者は、明確に知ることができる:この食品はどの位のエネルギー、どの 位の栄養素、おおよその糖分、脂肪そして塩分を含んでいるか? この目的を達成するために、ドイツ連邦食料・農業・消費者保護省は、国内 でもEU-レベルでも、食品の栄養価についての消費者情報の改善に、努力し ている。連邦消費者保護省は、EU-域内で義務づけられている栄養価表示を、 基本的に推進している。 食品に関する消費者情報のEU-規定に係るブリュッセルでの審議に際して、 ドイツは分かりやすく、同時に実践的な栄養価表示を要請している。アイグナ ー大臣は、国内レベルで”1プラス4モデル”をさらに強化し、喜ばしいこと に企業体での活用が増えている。大臣はこのモデルについて、ヨーロッパレベ ルでの取り入れをしたいとしている。現在、この課題に関して連盟、業界と話 し合いを続けている。 つまり、食品の栄養価についての消費者情報への理解と、そのような記載の 活用について、さらに改善することについて、協議中である。これについて、2009 年 2 月始めに、作業グループを設置した。連邦消費者保護省の目的は、将来的 に健全なそしてバランスある食品の購入に際して、より良き手助けを消費者に 与えることである。 6 卵の表示:何が記載されるのか?-卵の購入に際しての重要な情報 消費者が購入しようとする卵に付いている数字と文字は、何を意味している のか?市場出荷規格について、昨年( 2003 年)決定的な改正がされたので、 これは当然の質問である。我々は消費者のために、今一度コンパクトにまとめ ることが重要であると考える。 卵の生産コードの強化とその意義 2004 年 1 月 1 日以来、個々の卵に産卵鶏の種類と由来(産地)を引き出すこ とのできる、品質等級Aの生産コードが、刻印されている。この生産者コード の意義は、販売現場で包装されていない卵の販売に際して、そして包装された 中の卵に、または容器の上に説明されていることである。 -5- 生産者コードは、次のように構成されている。 ① 飼育システムコード 0 = 有機農産物 1 = 露地飼育 2 = 土での飼育 3 = かご飼育(注・従来の飼育方法) ② EU加盟国登録コード(由来・産地) 例えば加盟国の2文字 AT = オーストリア BE = ベルギー DE = ドイツ NL = オランダ 3 経営の証明 各加盟国は、登録経営のために個人番号を、割り当てるシステムを立ち上 げた。そこには、鶏の個々の群れ/鶏舎に番号をつけることで、さらに詳 しい場所を、付け加えることができる。 例=1-DE-0212341 1 = 飼育形態:露地飼育 2 = 由来(産地):ドイツ 3 = 0212341:経営番号 最初の2桁の数字は州(02)3番から6番目 の数字は経営( 1234)そして7番目の数字はそれぞれの鶏 舎(1) 4 各州には以下の番号を付す 01 =シュレースビック・ホルシュタイン 09 = バイエルン 02 =ハンブルグ 10 = ザールラント 03 = ニーダーザクセン 11 = ベルリン 04 = ブレーメン 12 = ブランデンブルグ 05 = ノルトライン・ヴェストファーレン 13 =メクレンブルグ・フォウアポーメルン 06 = ヘッセン 14 = ザクセン 07 = ラインラント・プファルツ 15 = ザクセンアンハルト 08 = バーデン・ビュルテンブルグ 16 = チューリンゲン -6- 卵の包装に何が、義務づけされているのか? 2004年1月1日以来: ○ 包装の上に品質等級Aの卵について飼育形態の記載義務づけ ○ 品質等級Aの卵には生産国と飼育形態を記載した生産者コードを義務づけ ○ 養鶏経営かまたは遅くとも最初の包装場所において生産者コードを卵にス タンプ ○ 包装の上にある”卵の生産地を卵のスタンプで見て下さい”は、消費者注 意の任意記載。包装場所と養鶏経営が異なる加盟国にある場合、これによ って可能な限り誤解を回避 ○ EU-規則と比較可能な飼育必要条件が無い場合、第三国からの品質等級 Aの卵の義務表示は 、”非-EU規格”と生産国を卵に記載 卵には輸出 国でスタンプ刻印 ○ リスク分析をベースに全養鶏経営と包装場所の定期的な監視 ○ これまでの品質等級BとCを一緒にして新しい品質等級B 品質等級Bないし”2 番目の品質”またはランクを下げた卵は、認定され た食品工業と非-食品工業の企業に、EU-指針 89/437 に沿って供給。 ○ 洗浄された卵(これまでの品質等級B)は 3 年間の移行期間でさらに消費 者に販売 これらは”等級改訂された卵”として表示。 その他品質等級 Aの全ての必要条件が満たされること。これは認可された施設で洗浄され、 加盟国だけで販売。ドイツにおいて”洗浄された卵”は販売されない。 2005年1月1日以来: 包装の上に包装場所の番号の変更、包装場所のある加盟国は、もはや数字2 がコード化されず、文字「DE」ドイツが表示される。 2008年7月1日以来: 週市場で販売する直売者も、生産者コードをスタンプすること。最も遅くて も、この日から週市場で販売する全ての卵に、生産者コードをスタンプしなけ ればならない。 2009・9 訳 青森中央学院大学 中川 -7- 一徹
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