提出された主な意見の概要とそれに対する総務省の考え方 - QTC

提出された主な意見の概要とそれに対する総務省の考え方
1
別
紙
2
電気通信術(モールス電信)の試験の変更案に対する意見
番号
対象
意見の概要
理
由
総
務
省
の
考
え
方
1
1アマ
現状を維持すべき ・上級資格のステータス性。プライド。
総務省では、WRC− 2003 で改正された無線通信規則に
2アマ (現状よりも難しく ・趣味 の世界で は、挑 戦しが いのある高いレベルを おいて、アマチュア無線技士国家試験においてモールス電
すべきとの意見を含
残すべき。
信の試験を行うか否かの判断が各主管庁に委ねられたとい
む 。)。
・1kWという空中線電力(1アマ)にかんがみれば う状況の変化及び昨今のモールス電信を取り巻く状況の変
現行程度の試験は当然。
化を踏まえ、改めて現時点においてその要否を検討しまし
緩 和 す る と し て ・緩和した試験で同じ資格というのはおかしい。
た。その結果、操作範囲に制限のない(少ない)1アマ及
も、総務省案よりは ・アマチュアの質の低下の懸念。
び2アマについては、その操作範囲にかんがみ、利用上の
早 い 速 度 と す べ き ・25 字/分で は実用 上の「 最低限」にも満たな
混乱を回避するためには、最低限の技能の確認は必要であ
(1アマについての
い。
ると判断するとともに、確認すべき技能はそれ(最低限の
み早い速度とすべき ・25字/分という速度は不自然に遅すぎる。
技能)で十分であると判断したものです。
との意見を含む 。)。 ・25字/分での運用はかえって混乱を招く。
なお、国家試験は、当該資格の操作範囲にかんがみ、そ
・試験緩和は単なるハイパワー局の増大につながる 。 れに必要な知識及び技能を確認するものですから、その内
【計132件】 ・ステップアップの意味からレベル差を残すべき。 容・程度は電波を取り巻く状況に変化があれば、それに対
・レベルを下げてもアマチュア人口は増えない。
応して変わることもあります。
・緩和して資格者を増加させようというのは安易。
国家試験による国の関与は、電波利用秩序を確保できる
・モールス(文化)の保存が必要。
範囲で最小限のものであるべきと考えますので、国家試験
・「 今 ま で の 試 験 は な ん だ っ た の か 」 と い う 不 公 平 による最低限の技能を身につけていただいた上で、それ以
感(行政不信 )。
上の技能の向上についてはアマチュアの本旨である自己訓
・我が 国は既に モール ス試験 なしで短波帯を運用で 練により習得していただきたいと考えています。
きる4アマが設けられており、WRC− 2003 決議
の趣旨からみて、法令改正の必要はない。
2
3アマ 現 状 を 維 持 す べ き
(更に速度を下げる
べき、出題文を短く
すべきとの意見を含
む )。
(「 1」と同じ理由のものは省略)
・モールスは「技能」であり知識ではない。
・最低限の「技能」は秩序維持の上で必要。
・ モ ー ル ス を 操 作 範 囲 と す る 免 許 で あ る 以 上 、「 実
技」を課すのは当然。
・外国との相互承認において不利になる可能性。
【計133件】
(備考)資格名称については、略称を用いている。
モールス電信は技能であって知識ではないという意見に
ついては総務省も理解しているつもりです。
しかし、昨今のモールス電信を取り巻く状況の変化並び
に空中線電力及び周波数の制限された3アマの操作範囲に
かんがみれば、モールス電信の基礎的な知識を確認する必
要はあるものの、より実際的な技能の習得については自己
訓練に委ねても差し支えないと判断したものです。
なお、外国との相互承認については、各国の資格制度は
千差万別ですので一概に有利不利を判断することは難しい
と考えますが、相手国との調整においては、我が国の資格
者に支障を来すことがないよう努めます。
番号
対象
意見の概要
理
由
総
務
省
の
考
え
方
3
1 ア マ 総務省案に賛成
・今回の案は現実的。今回の案でも一歩前進。
当省案の趣旨等をご理解いただけたものと考えておりま
2アマ
・「 モールス全廃」でないことに安堵。
す。
【計139件】 ・WRC− 2003 の結果の趣旨 。諸外国の緩和の動向 。
・電信 の運用を 希望し ない人 にまで高いレベルを要
求すべきでない。
・日本だけ高いレベルは不要。
・有害な混信の事前予防 。「全廃」は混乱を招く。
・利用秩序維持のために実技確認は必要。
・CWは必要最低限でよい。この程度は残すべき。
・25字/分ができれば、あとは自助努力で十分。
・最低限現行3アマレベルは必要。
・CWが上級資格取得の障害になってはならない。
・ハイパワー運用とモールス能力は別。
・1級と2級の差は工学でつければよい。
・現行速度は聴覚障害があると識別できない。
・モールスはあまり使われていないという現状。
・モールスは過去のものとなってきている。
・アマチュア界の活性化に資する。
4
3アマ 総務省案に賛成
5
1アマ モールス試験は廃止 ・モールスは時代遅れ。単なるノスタルジー。
2 ア マ すべき。
・試験のための試験となっており形骸化している。
3アマ
・諸外国の動向。
( 4 アマ)
【計 35件】 ・モー ルスも数 ある通 信方式 、電波型式のひとつに
すぎない。必須にすべきではない。
・モー ルス使用 を希望 しない 者にモールス試験を強
制するもの。
・利用絶対数が少なく、増加の見込みもない。
・所詮、趣味の世界。
(「 3」と同じ理由のものは省略)
・廃止と存続の折衷案。
【計107件】 ・モールス試験の全面廃止は時期尚早。
・「 無条件全廃」には賛成できない。
・操作範囲からみて 、モールスの知識があれば十分 。
・電信の知識を問うことは必要。
・モールス電信への関心を高める上で有効。
・CWに対する敷居が低くなり、一般の関心を高め
られる。3アマを受験しようという者が増える。
・モールスの「技能」試験は時代錯誤。
(備考)資格名称については、略称を用いている。
アマチュア無線はもっぱら個人的な興味によるものです
が、国民共用の財産である電波を利用する以上、一定の利
用秩序を守っていただく必要があります。国家試験はその
能力を確認するものです。
3アマ以上の資格がモールス電信を操作範囲に含む資格
で あ る 以 上 、( そ の 試 験 レ ベ ル は 別 と し て ) そ の 能 力 を 確
認することは依然として必要であると考えます。
今回の総務省案は、昨今のモールス電信を取り巻く状況
の変化にかんがみ、各資格ともに、必要最小限の程度に緩
和していますので、ご理解願います。
2
要
番号
望
等
要
望
等
の
概
要
1 ・1アマと2アマを統合すべき。
・2アマと3アマを統合すべき。
・3アマと4アマを統合すべき。
・3アマを廃止すべき。
・4アマを廃止すべき。
・5アマを新設すべき。
・クラス分けせずに、簡素化した1資格にすべき。
・上級と初級の2資格にすべき。
・上級、中級、初級の3資格にすべき。
・資格を更にモールスをできる資格とできない資格に分けるべ
き。モールス試験は任意とすべき。
・資格を統廃合する場合も、旧資格の操作範囲はそのままとすべ
き。
・総務省案を実施する場合にも、本人の希望によりオプションと
して60字/分や45字/分の速度の試験も実施すべき。
・現行4アマもモールス電信可とすべき。
・4アマの操作範囲をVHF・UHF帯に限るべき。
・学科試験においても科目合格制度を導入すべき。
・陸技の資格者等がアマチュア資格を受験する場合に工学等の科
目免除を認めるべき。
・資格分野の垣根を越えた科目免除制度を導入すべき。
総
務
省
の
考
え
方
今回の提案は 、アマチュア無線技士国家試験の電気通信術( モールス電信 )
の試験方法の一部変更に係るものですので、いただいたご意見は、今後の資
格区分の在り方等の検討の際に参考とさせていただきます。
なお、資格区分の統廃合等は既存資格者に重大な利害得失をもたらすおそ
れがあるとともに、安易・頻繁な変更は制度的安定に対する信頼を損なうお
それも大きいため、より慎重な検討が必要であると考えています。
2 ・現行3アマ資格者が新1アマ又は新2アマを受験する場合及び
要望の事例については、電気通信術の科目を免除する予定です。
現行2アマ資格者が新1アマを受験する場合には、電気通信術
詳しくは、今後行う無線従事者規則等の改正に関するパブリック・コメン
の科目を免除すべき。
トで公表する案をご覧ください。
・新2アマが新1アマを受験する場合には、電気通信術の科目を
免除すべき。
3 ・諸外国の動向を踏まえた上で、将来的には電気通信術(モール
今後の試験内容の在り方の検討の際に参考とさせていただきます。
ス電信)の試験を廃止すべき。
・電気通信術の出題内容を文字書き取り方式から交信内容を問う
なお、3アマの新「法規」においてモールス符号の理解度を確認するため
方式に変更すべき。
の試験問題の例(イメージ)については、今後行う無線従事者規則等の改正
・1アマと2アマでは電気通信術の試験も差をつけるべき。
に関するパブリック・コメントにおいて、参考提示したいと考えています。
・日本アマチュア無線連盟のモールス電信技能認定を活用すべ
き。
・英語の試験を実施すべき。
・学科試験についても緩和すべき。
・学科試験については更に高度な法律・技術知識とすべき。
(備考)資格名称については、略称を用いている。
番号
要 望 等 の 概 要
(続き)
3 ・学科試験の合格ラインを引き上げるべき。
・バンドプランを遵守させる試験内容とすべき。
・デジタル回路、電波伝搬やTVI、BCI等の分野を重視すべ
き。
・学科試験は出題数を増やし、広く浅い知識の試験とすべき。
・3アマの新「法規」においては、モールスの理解度を十分に確
認できる内容及び出題数とすべき。
・3アマの新「法規」の試験問題案を事前公表すべき。
4
総
務
省
の
考
え
方
耳が聞こえない者のために、音響受信以外の方法(例えば光の
身体の不自由な方に対する試験方法については、身体の状態に合わせて点
点滅)による電気通信術の試験を実施すべき。
字試験のほか口述試問・回答、筆談、介添人等の特別な方法を実施していま
す。電気通信術については、聴覚を補うための特別の機器(個々の人にあわ
せて試作された骨伝導、皮膚振動などの機器)を受験者が持ち込むことがで
きるようにしているほか、光の点滅方式による受験の例もありますが、障害
の度合いはひとりひとり異なりますので、詳しくは指定試験機関である財団
法人日本無線協会(電話 03-3533-6022) にお問い合わせください。
5 ・実技試験の廃止に伴い、受験料を引き下げるべき。
・そもそも受験料が高い。
・国家試験の実施回数を増やすべき。
6 ・資格別コールサインの導入。
・包括免許制度の導入。
・各資格の操作範囲の大幅な電力増。
・1アマは検査や近隣調査なしで1kWまで開設できるようにす
べき。
・保証認定制度の200Wを超える局への適用拡大。
・移動局の上限を100Wに拡大。
・無線局免許の延長( 10 年 )。
・無線局の免許、再免許、変更等の簡素化・時間短縮。
・試験の緩和だけでなく、違法運用や不法局の取締りを厳しくす
べき。
・自己責任の観点から、免許人(氏名を含む 。)の情報開示を推
進すべき。
(備考)資格名称については、略称を用いている。
受験料(手数料)は試験事務に要する実費を勘案して定めています。した
がって、実技試験の廃止による経費削減と法規の新問作成等による経費の増
加を再計算した上で、結論を出すこととしています。
なお、受験者減が続く中での実施回数の増加は、手数料の増額につながり
ますので、ご理解いただきたいと思います。
今後の業務上の参考とさせていただきます。