http://toitemita.sakura.ne.jp 木村の理論化学小ネタ リチウムイオン電池とリチウム電池 リチウムイオン電池(リチウム二次電池) リチウムイオン電池の放電 抵抗 負極 正極 e- e- Li + LiC n Li 有機溶媒 正極の反応: Li + + e - ® Li 負極の反応: LiC n ® Li + + nC + e 正極材料物質:CoO2 負極材料物質:黒鉛 リチウムイオン電池の充電 正極 負極 e- eLiC n Li + Li 有機溶媒 1 http://toitemita.sakura.ne.jp 木村の理論化学小ネタ 充電された負極の構造 充電は放電の逆反応だから, 負極の充電反応は Li + + nC + e - ® LiC n このとき,リチウムイオンは,黒鉛の層間に取り込まれる。 したがって,下図のような層構造になる。 黒鉛の平面網目層 リチウムの層 黒鉛の平面網目層 リチウムの層 黒鉛の平面網目層 リチウムの層 よって,層構造の繰り返し単位は, 黒鉛の平面網目層 リチウムの層 である。 これを下図のように平面層の真上から見ると図 2 となる。 黒鉛の平面網目層 リチウムの層 2 http://toitemita.sakura.ne.jp 木村の理論化学小ネタ たとえば,下図のようになったとすると, 破線で囲まれた部分が最小繰り返し単位となるから,組成式は LiC6 よって,負極の充電の反応式は, Li + + 6C + e - ® LiC 6 C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C 補足 1.化合物 LiC n , LiCoO 2 はアルカリ金属(Li)の化合物だから,水と容易に反応してしまう。 そのため,電解液の溶媒には有機溶媒を使う。 2.正極材料は CoO2 で,実際には,Li ではなく LiCoO2 が生成する。 3.放電のときはリチウムイオンが正極材料物質(CoO2)中に入り込み, 充電のときはリチウムイオンが負極材料物質(黒鉛)中に入り込む。 つまり,リチウムイオンが電極間を移動する。 したがって,リチウム二次電池は,リチウムイオン電池とも呼ばれる。 これに対し,リチウム電池は一次電池である。 3 http://toitemita.sakura.ne.jp 木村の理論化学小ネタ リチウム電池(リチウム一次電池) 負極:Li 正極:MnO2,フッ化黒鉛などいろいろある 電解液:有機溶媒にリチウム塩を溶解させたもの 代表的なリチウム電池は,正極が MnO2 の二酸化マンガンリチウム電池である。 正極の反応: MnO 2 + Li + + e - ® MnO 2 Li 負極の反応: Li ® Li + + e - 4
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