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協力会社:武田コロイドテクノ・コンサルティング㈱ http://www.tctc.jp/service.html
超音波方式粒度分布・ゼータ電位測定装置 DT-1202/310
▼ 概要 > ▼特徴 > ▼測定原理 > ▼アプリケーション > ▼仕様
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超音波方式粒度分布・ゼータ電位測定装置 DT1202
超音波式ゼータ電位測定装置 DT310
姉妹品
超音波式粒度分布測定装置 DT100
オンライン粒度分布ゼータ電位測定装置 DT500
粉体pH滴定装置 DT400
▼ 装置概要
超音波の減衰やコロイド振動電流(Colloid Vibration Current, CVI)から粒度分布やゼータ電位を測定します。
微粒子分散系の分散・凝集状態を的確に把握し、制御することは新製品開発のキーテクノロジーです。実用系で
の粒子の分散状態・表面電気化学特性が評価できるために、顔料、ナノ粒子、電子材料、CMP スラリーを含め、
最先端の製品研究開発分野で多数の販売実績があります。
▼ 特徴
超音波式のメリット
● 原液で測定可能 (希釈不要、0.1~50vol%まで測定可能)
超音波の採用により、原液で測定できます。実液そのままの状態で測定できるので、実液の傾向を反映した
結果が得られます。希釈して測定した結果が、実液の傾向と一致せず、実液では差があるのに、希釈して測
定すると差が出なかったり、希釈によりソルベントショックが発生し粒子が凝集してうまく測定出来なかっ
たりする場合があります。レーザー式の場合、粒子濃度が濃くなると多重散乱が発生して粒度分布が正しく
測定できない場合があります。特に、光子相関法や後方光散乱法で 10wt%程度の濃厚系を測定した場合、
多重散乱がおきていないかどうかを検証するために濃度を変えて測定する必要があり、余分な手間がかかり
ます。
● 高精度測定 複雑な光散乱から開放
超音波減衰率の測定から粒度分布を演算。既知標準粒子での校正は不要です。
レーザー光散乱法に見
られる屈折率の問題を回避できます。測定に使用するパラメータは、文献値や実測値が利用できます。
レーザー式の場合、屈折率をどのように決めたらよいかわからない場合があります。特に虚数項が屈折率
に加わる場合、虚数項の決め方が良くわからない場合があります。レーザー式で使用される屈折率は装置
常数であり、実測値や文献値ではありません。
● 超ワイドな測定レンジ 5nm~1000μm(ゼータ電位は<100μm)
コロイド微粒子分散系に最適な測定レンジ
● ゼータ電位の同時測定 等電点や安定性の評価
粒度分布の測定と同時にゼータ電位を測定できます。分散剤の効果や pH 滴定による等電点から分散安定
条件を評価できます。
● 良好な再現性
レーザー式の場合、同じサンプルを循環して連続測定しているのに、
粒度分布の測定結果が測定毎に異な
るのでどのデータを採用したらよいかわからない場合があります。
● サンプルの色の影響は、全く有りません
レーザー式の場合、サンプルの色によりうまく測定出来ない場合があります。また、レーザー式の場合、
真黒い粒子や無色透明な粒子では、散乱光が生じないので、正しく粒度分布が測定出来ない場合があります。
▼ 測定原理
● 粒度分布の測定(超音波減衰分光法)
粒子分散溶液中を超音波が伝播する時に、粒子と超音波の相互作用により音波のエネルギーが減衰しま
す。その減衰率 α は、次の式で与えられます。
I
20

log in
f [ MHz ]L[cm ]
I out
Io
超音波照射エネルギー強度
I
超音波受振エネルギー強度
L
発振子と受振子の距離
超音波の周波数を変えて得られた減衰スベクトルや音速スペクトルから粒度分布、分散媒のレオロジー
特性、粒子の分散状態を解析する方法が超音波減衰分光法です。
次の6つの相互作用により超音波のエネルギーが減衰することが知られています。
1) Viscous Loss(粘性損失):
超音波が照射されると粒子と溶媒との密度差によって粒子が振動し、せん断波が発生し粒子表面から指数
定数的に減衰します。こちらを解析することで、サブミクロン~ナノの固体粒子を解析することが出来ます。
2) Thermal Loss(熱的損失):
エマルションやラテックスの様に柔らかい粒子の場合、溶媒と粒子の密度差は小さく、Viscous Loss は殆ど
発生しません。ところが、柔らかい粒子は、超音波により断熱膨張と断熱圧縮が繰り返され、粒子表面近傍で生
じる温度勾配となって超音波が減衰します。こちらを解析することで、エマルションやラテックスの粒度分布を解
析する事が出来ます。
3) Scattering Loss(散乱損失):
固体粒子の粒径が大きい場合、Viscous Loss 以外に粒子表面で超音波が散乱する現象が起きます。この現
象は、光の散乱と似ており Scattering Loss と呼ばれます。数ミクロン以上の大きい粒子の場合、DTで使用されて
いる 1~100MHz の超音波測定範囲に Viscous Loss 以外に Scattering Loss の超音波減衰が出現し、Scattering
Loss を解析することで数ミクロン以上の大きい粒子の粒度分布が解析できます。
4) Intrinsic Loss(物質固有の損失):
Intrinsic Loss は、粒子以外の液相部分(バルク層:溶媒やブランク液)の超音波減衰のことで、粒子や溶媒
の物質そのものが音波と相互作用することにより超音波が減衰します。
5) Structure Loss(構造損失):
粒子同士がネットワークを形成することで、全体或は部分的に粒子が網の目のようにつながったような状態
が起きる場合があります。この状態は Structure 構造とよばれ、これにより、超音波の一部が減衰します。
Structure 構造を考慮して解析することでより正確な粒度分布が解析できます。
6) Electrokinetic Loss(動電気的損失):
電荷を持った粒子に超音波を照射すると、粒子が振動することで交流電場が発生し、超音波の一部が電気
エネルギーに変換され超音波が減衰します。しかし、この減衰は上記1)~4)の減衰機構に比べ非常に小さく粒度
分布の解析時には無視できるので、粒度分布解析には使用されません。ゼータ電位の解析に重要です。
本装置では、1~100MHz の周波数を用いて得られた減衰スペクトルを、ECAH 理論を基に、連結相理論とセル
モデル理論を用いて得られる理論的減衰スペクトルとのカーブフィッティング法により、高濃度で多分散系の粒度
分布を解析します。
● ゼータ電位の測定(コロイド振動電流法)
ゼータ電位プロ-部の構造
電極(純金)でコロイド振動電
流(CVI)を検出
絶縁体
本体:電位ゼロ
1)
2)
3)
4)
ゼータ電位センサー内部に超音波発信器を内蔵。
高性能超音波発信機内臓
電極表面に向かって超音波が照射(複数の特許出願済み)。
電極部の突起部分が全く無くフラットな構造ので、洗浄が非常に楽で、コンタミが起きにくい構造。
小型軽量コンパクト。サンプルに電極面が接液していれば測定可能。
粒子分散溶液へ超音波を照射すると、粒子と溶媒の密度の違いにより、粒子は相対的に振動します。その
結果、荷電粒子とその周囲のカウンターイオンの分極を生じ、コロイド振動電位(CVP)と呼ばれる電場を発生
します。この電場は溶液中に設置された電極表面の電位変化を生じ、電流として検出できます。この電流がコ
ロイド振動電流(CVI)です。
超音波により粒子が振動
振動により分極し、
コロイド振動電位発生
粒子進行方向
電気2重層の拡散層
カウンターイオン
以下に、単分散系の理論式を示します。
CVI 
3  o  ( 1  φ )φ  P   S

 G ( a ,φ )  P
2  ( 1  0 . 5φ )
S
ε:溶媒の誘電率
εo :真空中の誘電率
ζ:ゼータ電位
η:溶媒の粘度
φ:粒子の体積濃度
ρP :粒子の密度
ρs:分散系の密度
P:音圧
G(a,φ):流体力学的粒子間相互作用補正係数(粒子径 a,φに依存)
本装置では、Ka(粒子半径と電気二重層との比率)の違いにより理論を切り替えて最適なゼータ電位を計算す
る事が出来ます。Ka は、最新の理論により、サンプルの導電率から計算可能です。
DT1202 / DT310 で使用されている濃厚系ゼータ電位計算式
1.Smoluchowski 先生を濃厚系に拡張したゼータ電位計算理論
従来のゼータ電位計算式 電気二重層の厚みが薄い場合の計算理論
2.Advanced CVI による水系濃厚系ゼータ電位計算理論
Henley-Ohshima 補正係数で補正したゼータ電位計算理論(ka、1/k などの情報が得られます。)
3.Shilov 先生による非水系用最新ゼータ電位計算理論
イオンの性質がわからなくても直接に粒子表面電荷密度が計算可能。
非水系の場合、粒子濃度が高くなると電気二重層の重なりが生じます。この場合、ゼータ電位の概念が難
しくなり実液の分散安定性と相関が見られず、代わりに表面電荷密度の値がより相関が取れる場合があり
ます。Shilov 先生の式により、CVI から直接表面電荷密度を求めることが出来ます。
アプリケーション
Ⅰ.超音波式粒度分布測定
1) 市販のアルミナ(AKP-30、平均粒子径 300nm、住友化学工業(株)製)の粒子濃度を変えた時の減衰スペクト
ル変化と粒度分布の結果
蒸留水に AKP-30 の粒子濃度が 5wt%、20wt%になるようにサンプルを調製し(分散剤:ヘキサメタリン酸ナトリ
ウム)、粒度分布を測定しました。アルミナの分散状態がよければ、粒子濃度が異なっても、同じ粒度分布結果が得
られます。しかし、分散状態が異なると、同じ粒度分布結果にはなりません。DT-1202 を用いることで、希釈なしに
実液スラリーの粒度分布測定が出来ます。また、粒子の濃度が異なって来ると、超音波減衰率の波形が異なってく
るので、サンプル中の粒子濃度をモニタリングすることも可能です。
DT-1200, Attenuation Spectra
DT-1200, Particle Size Distribution
6
1.8
1.6
1.4
4
3
20wt% AKP-30 340ul, 5/9/07 11:25:21 AM
AKP-30AKP-30
340ul, 5/9/07 10:56:42 AM
● 20wt%
20wt%
5wt% AKP-30 300ul, 5/9/07 10:07:42 AM
● 5wt%
5wwt%AKP-30
AKP-30 300ul, 5/9/07 9:50:00 AM
2
PSD, weight basis
Attenuation [dB/cm/MHz]
5
1.2
20wt% AKP-30 340ul, 5/9/07 11:25:21 AM
● 20wt%
20wt%
AKP-30
AKP-30
340ul, 5/9/07 10:56:42 AM
5wt% AKP-30 300ul, 5/9/07 10:07:42 AM
● 5wt%
5wwt%AKP-30
AKP-30 300ul, 5/9/07 9:50:00 AM
1.0
0.8
0.6
0.4
1
0.2
0
0
10
10
1
10
2
0.0
-2
10
10
Frequency [MHz]
-1
10
0
10
1
Diameter [um]
2) pH 変化に伴うルチル型酸化チタンとアルミナの減衰スペクトルと粒度分布の結果
一般に、pHを変化させると、ゼータ電位が変化し、絶対値が高ければ分散状態は良好な方向に、等電点近傍に
なると粒子が凝集することが知られています。実際に DT1202 でpHの変化とともにゼータ電位、減衰スペクトルそ
して、粒度分布の変化を自動的に測定可能です。
減衰スペクトル
8
粒度分布
ルチル型酸化チタン 300nm
ルチル型酸化チタン
Attenuation [dB/cm/MHz]
7
pH > 6
6
rutile 25%wt
pH 4:等電点 粒子凝集
pH aroud 5
5
10
-2
10
-1
10
0
10
1
Diameter [um]
4
pH < 4
3
アルミナ
pH=7.9
alumina 12%wt
pH > 8
1
0
0
10
アルミナ 85nm
pH < 7.5
2
pH 8:等電点 粒子凝集
10
1
10
2
Frequency [MHz]
10
-2
10
-1
10
Diameter [um]
0
10
1
3) 二つの大きさの異なる粒子を混ぜた時の粒度分布
CMP スラリーの場合、凝集粒子が存在すると研磨工程でスクラッチ等、悪影響を及ぼします。そこで、
どの程度の凝集粒子が存在すると検出できるかシミュレーションを行いました。メディアン径約 70nm のシリ
カ分散液(SS 25)12wt%にメディアン径約 500nm のシリカ分散液(Geltec 0.5)を加え、配合濃度に応じて 2
つの分布が検出できるかどうかをテストしました。SS25 に対して Geltec 0.5 の粒子濃度が 2wt%になると凝集
粒子のピークが現れ、その度合いは粒子濃度の増加に伴い大きくなり、凝集粒子の解析が出来る事がわかりま
す。
CMP Slurry
Cabot SS 25 + Geltech 0.5
凝集粒子が解析可能
資料提供:Dispersion Technology Inc.
4) ボールミルを用いた分散時間の異なる黒色無機粒子スラリーの粒度分布及び粘度の変化
約 30wt%の黒色無機粒子スラリーをボールミルで 24、48、72 時間粉砕したものの粒度分布と粘度を測定し
ました。粒子サイズは粉砕時間とともに小さくなることが分かりました。また、粉砕時間が長いスラリー程粘
性が高く、せん断速度による粘性の変化も大きい事が分かりました。ボールミルで粉砕することで粒子サイズ
が小さくなることや、それに伴って粒子間相互作用も大きくなることが示唆されました。ここで、粘度は弊社
の微量サンプル粘度計(VROC)で測定しています。
Ⅱ.超音波式ゼータ電位測定
Zetapotential [mV]
1) 再現性
下記のデータは、10wt%Silica Ludox TM-50(メーカ公表値: -38mV)標準コロイド液を連続100回測定した測定
結果です。すべて-38 ± 1mV以内に入っており、非常に良い再現性が得られました。
Measurement number
2) セラミックスラリーの pH 滴定
セラミック材料であるルチル型酸化チタン 7vol%の水系スラリーとアルミナ 4vol%の水系スラリーを作製し、
pH 滴定を行いました。その結果を下記のグラフに示します。アルミナの場合、等電点が pH7~8 の間に存在し、チ
タニアの場合、等電点が pH3~4 の間に存在することが分かり、セラミック材料の濃厚スラリーでの等電点の測定
が出来ました。
ただし、これはモデル的な実験であり、セラミックの実液スラリーの場合、40vol%を超える場合が殆どです。そ
のようなスラリーの場合でも DT-1202 を用いることで、希釈なしでゼータ電位や等電点を測定することが出来ます。
実液での分散状態の評価をご希望されるはお気軽に弊社にご連絡ください。
I.E.P
50
40
zeta potential [mV]
30
alumina
20
10
0
2
3
4
5
-10
-20
-30
rutile
-40
-50
I.E.P
6
7
pH
8
9
10
11
12
3) 分散剤の最適量
粒子を分散させる時、pH を変化させて、粒子間の静電的な反発力だけでは不十分な場合があります。こ
の場合、分散剤、界面活性剤、そしてポリマ等を添加することで、粒子の分散安定性は著しく向上します。下
記に、40wt%水系 Kaolin スラリー(pH= 6.5, 8.8, 9.5, 10.5 の 4 種類)を調製して、ゼータ電位におけるヘキサメタ
リン酸の添加効果を調べました。ヘキサメタリン酸の添加量が増加すると、ゼータ電位の絶対値は大きくなる
ことが分かります。そして、ヘキサメタリン酸とカオリンの割合(重量%)が 0.6~0.8 でゼータ電位の絶対値が
最大になり、最適な分散剤の量が推測できます。すべて、自動滴定で行えるので、これらの実験を短時間で行
うことが出来ます。
DT-1202 を使用することで、濃厚スラリーでの最適な分散剤の量を求めることが出来ます。
Optimum Hexametaphosphate
concentration is 0.6 % relative
to the weight of kaolin.
-12
initial pH
6.5
8.8
9.5
10.5
zeta [mV]
-16
-20
It is important to maintain high pH, around
pH=10.
-24
-28
-32
-36
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
1.8
hexametaphosphate to kaolin ratio by weight in %
2.0
2.2
4) ゼータ電位プローブを利用した粗大粒子の検出、沈降粒子のモニタリング
スラリーの中で粗大粒子の存在が製品の設計に悪影響を与えるので、これらを数値化したいお客様の要望が
あります。下記のグラフは 10wt%30nm コロイドシリカ(Ludox)に粒子濃度に対して 0.1~1wt%の
570nmGeltech を添加してゼータ電位を連続に測定した結果です。ゼータ電位プローブを上向きにしてゼータ
電位を測定すると、粒子が沈降する場合、ゼータ電位プローブの表面の粒子濃度が増加するので、ゼータ電位
の値は時間とともに増加します。
Ludox only
Ludox + 0.1% Geltech
Ludox + 0.3% Geltech
Ludox + 0.5% Geltech
Ludox + 1 % Geltech
5.4E+06
5.2E+06
CVI magnitude [mV*(sec/g)^1/2]
5.0E+06
4.8E+06
4.6E+06
4.4E+06
4.2E+06
4.0E+06
3.8E+06
3.6E+06
3.4E+06
0
50
100
150
time [minutes]
200
250
上記の結果で、Ludox 単独の場合、測定時間に対して得られる信号(コロイド振動電流、CVI)が一定に対し
て、Geltech を入れると時間とともに CVI が増加していることと、その増加は Geltech の濃度に比例している
ことが分かります。通常、粗大粒子は粒度分布を測定して検出可能ですが、希釈しなければならず、また、黒
色等の色を持っている粒子、若しくは溶媒と屈折率が同じで、無色透明な粒子の場合、検出が難しいです。こ
のようなスラリーを希釈せず、CVI を測定することによって、サンプル間の粗大粒子量の相対的な判定に有効に
使えると思われます。ただし、粒子の沈降は粒子サイズや溶媒の粘度に関係するので、その点に注意を払う必
要があります。
5) 導電率からポロシティ測定
ポアは大まかに三つに分けられます。2nm 以下のミクロポア、2~50nm のメソポアそして 50nm 以上のマク
ロポアです。通常ポロシティ測定にはメソポア領域まではガス吸着法を用い、メソポア領域には水銀圧入法が
主流です。しかし、水銀は環境にやさしい物質ではないので、世界的に新しいポロシティ測定法が求められて
います。
近年、米国 DT 社で電解液の導電率とそれにポアを持つ粒子を分散させたスラリーの導電率を測定すること
によってポロシティを求める方法を開発しました。理論は Maxwell-Wagner モデルに基づいていて、式は下
記のような簡単な理論式です。
Ks
2P

Km 3  P
Ks : スラリーの導電率
Km : スラリー中粒子を含まない上澄み液の導電率
P : ポロシティ (= 1 – Φ) Φ:粒子の体積分率
この式をポロシティ測定に応用するためには以下の四つの条件が満たされる必要があります。
① 粒子が非導電性であること、② 溶媒は導電性であること、③ 表面伝導度が無視できること、④ 電
場の周波数が Maxwell-Wagner 周波数より大幅に小さいことです。①と②の条件に関してはほとんどの多穴性
粒子では排除できる因子です。③の条件を満たすために DT 社は溶媒として導電率の高い 0.1M KCL 溶液を用
いています。また、④の条件を満たすために周波数 3MHz の交流電場を用いています。
次に上記の式の妥当性を検討するために以下の五つの多穴性サンプルを用いて、スラリーの上澄み液とスラリ
ーそのものの導電率測定を行い、ポロシティとの関連を調べました。
1.水に分散させた種々の濃度の AlOH 懸濁液(体積濃度からポロシティ算出)
2.大きいポアを有するシリカ粒子の沈降によって形成されたサンプル(Table 1 参照要)
3.1.5μm シリカ粒子の沈降によって形成されたサンプル(Geltech Silica)
4.ポロシティ既知の三つの砂岩コアサンプル(Table 2 参照)
Table 1 Porosity and pore size for five different CPG samples.
Pore size [nm]
12
40.6
Porosity, %
51.3
70.2
Table 2 Porosity and pore size for three different sandstone cores. .
Ohio
Berea
63.7
92.4
136
72.2
63.5
70.9
Orchard
Pore size [micron]
0.6
12.8
0.34
Porosity, %
0.086
0.095
0.025
測定結果を下記に示します。X 軸は粒子の体積濃度、沈降体積若しくは従来の水銀圧入法によって求めたポ
ロシティで、縦軸はスラリーの導電率を上澄み液の導電率で割った値です。
Maxwell-Wagner モデルと実験値に良い相関が得られました。また、この方法を用いて幅広い範囲のポロシ
ティを簡単に測定比較することが可能です。
仕 様
項目
測定項目
粒度分布測定
ゼータ電位測定
サンプル
操作性
装置本体寸法
オプション
電源
装置仕様
①粒度分布測定(超音波減衰分光法による測定)
②ゼータ電位測定(コロイド振動電流法による測定)
①測定範囲: 0.005~1000 μm
(但し、平均径で理論計算上:粒子と溶媒の密度差や粒子濃度に依存する)
②粒度分布:対数正規分布、改良型対数正規分布、及び二峰性分布計算可能
③超音波周波数:1~100 MHz
④超音波減衰率:0~20±0.01db/cm/MHz(*1)
⑤測定時間:
測定時間はサンプルの性状 μm に依存し、標準設定では、測定時間は10~20分程度。
①精度±0.5%(*1)
②コロイド振動電流再現性±1%(*1)
③測定時間約 30 秒~5 分程度
①溶媒粘度:~20,000cP
②粒子濃度:0.1~50vol% 但し、測定上限/下限は、サンプルの性状に依存。
③サンプル量:約 2~150mL 程度
但し、サンプリング方法によりサンプル量は異なります。
④測定温度:50℃以下
⑤pH:1~13
①測定サンプルの供給と測定セルの洗浄を除き全自動
②データ処理装置:ディスクトップ型パソコン、専用ソフトウエア、プリンター、プリンターラッ
ク、15インチカラー液晶モニター
①概略:W1200×D900 程度の作業スペースで装置1式設置可能
②DT1202 本体寸法:
W 約 530×D 約 260×H 約 450mm(循環ポンプ付き)重量:約 30kg
pH 滴定ユニット、導電率測定ユニット、誘電率測定ユニット、循環恒温装置
AC100V 50/60Hz DT1202 本体:最大 430W
Dispersion Technology 社技術資料(英文)
下記からダウンロードご希望の方は、お手数ですが事前にユーザーID とパスワードをこちら(お問い合わせ
とリンク)からお申し込みください。同業者様には、発行致しかねますので予めご了承ください。
技術資料の内容概容
Dispersion Technology 社技術資料
PDF ファイルダウンロード
CMP スラリー評価
Newsletter1a CMP.pdf
Newsletter1b CMP.pdf
高濃度スラリーのゼータ電位測定理論
Newsletter2 Concentrated Dispersions.pdf
Newsletter5 Concentrated Dispersions.pdf
セラミックス測定例
Newsletter3 Ceramics.pdf
エマルション測定例
Newsletter4 Emulsions.pdf
混合系スラリーの粒度分布測定
Newsletter6 Mixed Dispersions.pdf
カオリン測定例
Newsletter7 Kaolin.pdf
Structure
Newsletter8 Structured Concentrated Dispersions.pdf
均一溶媒の化学的組成
Newsletter9 Homogenous Liquids .pdf
化粧品測定例
Newsletter10 cosmetic.pdf
食品測定例
Newsletter14 food product.pdf
非水系のゼータ電位測定最新理論
Newsletter15a non polar liquid.pdf
W/O エマルション測定例
Newsletter17 WO emulsion.pdf
*1:電子回路上での精度