資料4 地⽅創⽣と地域中核企業⽀援について 平成27年11⽉23⽇ 経済産業省 地域経済産業グループ 1.地⽅創⽣の取組 2.地域中核企業⽀援 3.地域経済分析システム (RESAS) 1 1-1.地⽅創⽣をめぐる現状と取組 地方創生をめぐる現状認識 ①人口減少に歯止めがか かっていない <H26年> ・出生率:9年ぶりに低下、1.42 ③地方経済と大都市経済 で格差が存在 ②東京一極集中が加速 <H26年> ・東京圏への転入超過は約11万 人(3年連続増加) ・地方経済は雇用面は改善、消 費回復に遅れ ・ 生産性などで大きな格差 ・年間出生数:過去最低約100万人 ◎地方創生は、総合戦略策定から事業推進の段階へ (26年度) (27・28年度~) 総合的な施策メニュー整備 具体的な事業の本格的推進 国の「総合戦略」の策定 「地方版総合戦略」の策定と推進 ◎「地方創生の深化」 により、ローカルアベノミクスを実現する ①「稼ぐ力」を引き出す (生産性の高い、活力に溢れた地域経済の構築) ②「地域の総合力」を引き出す (頑張る地域へのインセンティブ改革) ③「民の知見」を引き出す (民間の創意工夫の最大活用) ◎総合戦略の政策パッケー ジの拡充強化 ◎地方公共団体への多様な 支援の展開 2 1-2.政府における地⽅創⽣関係の動き 2014年 2015年 ●28年度概算要求(1080億円) まち・ひと・しごと創生本部 ●26年度補正予算(4200億円) 2500億円:プレミアム商品券等 1700億円:地方創生先行型 ・詳細の制度設計 ・各自治体へ事業立案の働きかけ ローカル・アベノミクスの地方への普及 ●まち・ひと・しごと創生法成立(11月) ●まち・ひと・しごと創生基本方針策定(6月末) ●まち・ひと・しごと創生総合戦略 まち・ひと・しごと創生長期ビジョン 閣議決定(12月) 政府機関移転 ●道府県からの提案(42道府県から69機関) ●ヒアリング(自治体・府省庁・対象機関) ●提案に関する評価、対応方針(案)決定(12月) ●移転基本方針決定(2016年3月) 地方拠点強化税制の創設 ●27年度税制改正 経済産業省 ●改正地域再生法施行(8月10日) ●自治体からの計画申請開始 ・第33回地域再生計画:10月2日認定済み(21道府県24計画) まち・ひと・しごと創生総合戦略改定(予定) 地方創生交付金 ●事業者からの申請開始(地域再生計画認定日以降) 地域経済分析システム(RESAS) ●RESAS第Ⅰ期開発 ●RESASリリース(4月) ●RESAS第Ⅱ期リリース(9月) ・RESASを用いた分析等に注力 (モデルケース作り) 3 1-3.地⽅創⽣の深化のための新型交付⾦ 従来の「縦割り」事業だけでは対応できない課題に取り組む地⽅を⽀援するため、新たな交付⾦を創設。 各府省あわせて1,080億円を概算要求し、地⽅創⽣の深化に向けた地⽅⾃治体の⾃主的・主体的な取組 を⽀援。 事業イメージ・具体例 【想定される支援対象】 ①先駆性のある取組 ・官民協働や地域間連携、地方創生の事業推進主体の形成、中核的人材の確保・育成 例)ローカル・イノベーション、ローカルブランディング、日本版DMO、 生涯活躍のまち(日本版CCRC)、小さな拠点 等 ②既存事業の隘路を発見し、打開する取組(政策間連携) ・地方自治体自身が既存事業の隘路を発見し、打開 するために行う取組 ③先駆的・優良事例の横展開 ・地方創生の深化のすそ野を広げる取組 国 「PDCA サイクル」 の確立 期待される効果 資金の流れ 交付金(1/2) 具体的な 「成果目標 (KPI)」 の設定 都道府県 市町村 ○先駆的な取組等を後押しすることにより、地方 における安定した雇用創出、地方への新しいひ との流れ、まちの活性化など地方創生の深化の 実現に寄与 44 1-4.企業の地⽅拠点強化 地⽅拠点の強化・拡充を⾏う企業に対する税制等の⽀援措置を創設。 ※10⽉2⽇に第1段として、福井県を始めとする 21道府県24計画を認定 <地域別の上場企業数> 地方拠点強化税制(東京からの移転) (オフィス減税) オフィスに係る建物等の取得価額に対し、 特別償却25%又は税額控除7% ※計画認定が平成29年度の場合は4% (雇用促進税制) 雇用者の増加1人当たりにつき、最大80万円を税額控除 42社 北海道 沖縄 5社 東北 55社 中部 中国 九州 114社 487社 317社 86社 640社 35社 四国 近畿 《新規雇用者1人あたり50万円に加え、30万円上乗せ》 増加させた雇用を維持すれば、最大3年間まで30万円分の税額控除を継続 例えば、東京から地⽅へ本社機能(※)移転のため、5億円投資し、 また、地⽅移転に伴い、東京から30⼈が転勤し、地⽅で20⼈を 新規雇⽤した場合 ※ 本社機能とは、経営意思決定、経営資源管理(総務、経理、人事)、各種業務統括 (研究開発、国際事業等)などの事業所をいう。工場及び当該地域を管轄する営業 所等は含まない。 関東 (東京都除く) 1804社 うち23区内 1742社 (全国の約50%) 東京都 ○オフィス減税 ○雇用促進税制 東京に本社機能を有する企業が、5億円 の設備投資を⾏い、かつ、7%の税額控除 を選択した場合 5億円×7%=3,500万円 地方移転に伴い、東京から30人が転勤し、地 方において20人を新規雇用した場合 50万円×20名=1,000万円 30万円×50名×3年間=4,500万円 計:5,500万円の税額控除 最大合計9,000万円の減税 ※1 平成27年6月時点で東証1部・2部、マザーズ、名証、大証等に上場する3585社を地方別に集計したもの ※2 地方は、地方経済産業局の管轄で区分。関東地方は、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県中部地方は、 愛知県、岐阜県、三重県、石川県、富山県、近畿地方は、福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 5 2-1.地域中核企業⽀援とは 地域経済の活性化・「稼ぐ⼒」を強化することを⽬的として、地域の「企業」に着⽬。 特に、下記のような地域を牽引している/できる企業を創出し、⽀援。 – 域内の取引額が多い – 域外から「稼ぐ」ことができる (⇒当該企業が「稼ぐ」ことが地域に⼤きな「+」の効果の波及をもたらす) – 新たな分野での事業化に向け、研究開発や製品開発を、広く関係者を巻き込みながら展開している(展開しよう としている) (⇒当該企業の取組の域内外への波及が期待される) <地域に存在する中核企業(又は候補)の例> 所在地 業種・分野 中核的役割 愛知県 医療機器 製造・販売 医療機器のニッチトップ企業であり、自社の高い技術力を生かし、業種を超えて地 元企業や支援機関と連携し、心疾患治療機器の研究開発を行い、地域での受注体 制を構築することで、地域一体となって新たなマーケットを生み出す。 岐阜県 精密機械 加工・製造 自社の高度な機械加工技術と航空機部品の受注実績を生かし、技術的な強みを もった地域のものづくり中小企業群と連携し、航空機エンジン部品の共同開発を行 い、国内外の大手航空機メーカーからの一貫受注体制の構築を図る。 北海道 鮮魚・水産加工品 卸売 地域の食品卸最大手である同社が中心となり、地域を超えて大手物流会社やコン テナ製造会社などの有力企業と連携し、生産から流通までのネットワークの構築や 鮮度保持のための新技術の開発等により、海外への輸出促進を含めた新たな市場 開拓を目指す。 福岡県 産業機械 製造 産業用ロボット製造における高度な技術力を生かし、新たに医療分野に参入する ため、地域の企業や支援機関と連携し、医薬品分析等の医療用ロボットを開発し、 地域の周辺企業と一体となって、国内外のシェア獲得を目指す。 6 地域中核企業とは 企業(製造業等)の分類と支援の方向性 2-2.企業(製造業等)の分類と⽀援の⽅向性 「潜在的成⻑余⼒のある数万社」(中核企業候補)については、技術⾯・資⾦⾯・⼈材⾯・マーケティング ⾯等でのマッチングを⽀援し、地域経済を牽引する企業へと育てていく 「地域経済を牽引する数千社」(中核企業)に対しては、事業化戦略の策定、海外販路開拓⽀援等のハ ンズオン⽀援により、グローバル市場で活躍する企業への⾶躍を⽀援 「中核企業創出・⽀援ネットワーク」を構築し⽀援 ・産業クラスター政策、GNT100選、「元気なモノづくり中⼩企業3 00社」などにより、 個社単位で把握 ・ハンズオン型⽀援を⼀層強化し、世界市場への⾶躍を促進。 ・これまで個社単位で把握できていなかった 全国数万社の企業群 ・「成⻑余⼒のある企業」を国と地域が⼀体となって、⽀援 体制の強化。 グローバル市場で 活躍する企業 地域経済を牽引する企業 ・収益率が極めて⾼い企業群 数千社※2 成⻑余⼒のある企業 ・様々な中⼩企業⽀援施策により対応 ・収益率が⼤企業に相応する企業群 ・研究開発を⾏っている企業 等 ものづくり中⼩企業 (対象企業数の考え⽅) ・・ ⼤企業の売上⾼当期純利益率(平均3.8%)を超える中⼩企業数 約1.7万社 R&Dを⾏っている企業数 約3.4万社 ※2 地域経済を牽引する企業 ・・ 売上⾼当期純利益率が10%を超える中⼩企業数 約3600社 コネクターハブ企業数(地域からより多くの仕⼊を⾏い、地域外に販売している企業※)3621社 数万社※1 43万社 ※1 成⻑余⼒のある企業 ※ ①域外販売額が域内仕⼊額の1.2倍以上、②域内仕⼊額が総仕⼊額の50%以上、③取引数10件以上 等 7 2-3.具体的⽀援策 ① 地域内外の研究機関の技術シーズや取引先等とつながるためのプラットフォームを構築 ② (連携すべき対象が決まった後は)新分野・新事業進出に向けた事業化戦略策定、事業化・商品化に向 けた研究開発等の試作品開発等、事業化に向けたハンズオン⽀援 を⾏うことで、新たな中核企業の創出を通じて地域産業の裾野拡⼤を⽬指す。 機能①:中核企業候補に対するマッチング支援 CDが中心となり中核企業候補群を 拾い上げ プラットフォーム 中核企業 候補 中核企業 候補 技術面・資金面・人材面・マーケティン グ等に関し、CDが各中核企業候補と 外部リソースをマッチング 大学 中核企業 候補 中核企業 候補 金融機関 大企業 ※CD=コーディネーター ※PM=プロジェクトマネージャー 中核企業候補を発掘し、技術面等で 不足する部分を外部リソースとのマッ チングで補い、中核企業への成長の 基盤を構築する ○○研究所 機能②:中核企業に対するハンズオン支援 中核企業の事業化戦略の策 定をPMが支援 戦略に基づき、必要な支援メニュー をPMが検討し、中核企業とつなぐ 各種支援メニューの活用や海外販路開拓 等を通じ、事業化を実現。グローバル市場 で活躍する企業への飛躍につなげる 事業化の課題 課題の整理 中核企業 事業化戦略の 策定 中小 企業 経営面 中小 企業 中堅 企業 資金面 事業段階に応じた多様な支援メニューの活用を促進 プロジェクト マネージャー 中核企業 中小 企業 技術面 全国から探索 最適な支援策 プロジェクト マネージャー 研究開発・試作開発 商品化・事業化 販路開拓 8 2-4.中核企業創出・⽀援ネットワーク 中核企業創出・支援タスクフォース(仮称) 関係省庁、公的研究機関、JETRO、金融機関等の人的ネットワークを活用し、プラットフォームが広く連携するための機会提供を行う。 特許庁:事業プロデューサ 産総研:イノベーションコーディネータ NEDO :イノベーションプラットフォーム 日本規格協会:新市場創造型標準化制度 文科省:マッチングプランナー 技術を「つなぐ」 文科省:マッチングプランナー 内閣府:プロフェッショナル人材センター 人材を「つなぐ」 全国大 JETRO:海外販路開拓支援 中小機構:J-Good Tech 商工中金:地域中核企業支援貸付制度 中小機構:地域中小企業応援ファンド REVIC:地域中核企業ファンド 等 マーケットに「つなぐ」 資金を「つなぐ」 中核企業創出・支援プラットフォーム 大学・公設試、業界団体、民間企業等の専門家が、①中核企業候補を、主に技術、人材の面で「つなぐ」ことにより、新製品開発等に向け て体制整備。②中核企業を、主にマーケット、資金の面で「つなぐ」ことにより、新製品の事業化に向けて支援。 (例) 医療バイオ分野PF 次世代産業用ロボット分野PF パワーデバイス実装分野PF • JETRO地⽅事務所 技術を「つなぐ」 マーケットに「つな ぐ」 各地の産業支援センター等 自治体と連携し枠組みを構築 • プロフェッショナル⼈材センター • カイゼンスクール • 地域中⼩企業⼈材バンク • 地⽅⼤学・⾼専 食品流通分野PF 新分野や新事業の展開に挑戦する中小・中堅企業を、より広域的で専門性 の高い「中核企業創出・支援プラットフォーム」に「つなぐ」 • 公設試・産総研地域センター • 地⽅⼤学・⾼専 各地域 航空エンジン分野PF 支援機関ネットワーク 人材を「つなぐ」 資金を「つなぐ」 成長余力のある企業(数万社) • 地域⾦融機関 等 9 (参考)成⻑戦略3つの⾒える化プロジェクト 中⼩・中堅企業が成⻑戦略の主役になるのを後押しする 「3つの⾒える化」 <悩み1>成⻑のために新分野や海外への進出を考えているが、具体的な⽅法がわからない。 200社以上の成功・失敗の具体的事例等の情報をわかりやすく提供 (「成功の秘訣」の⾒える化) <悩み2>潜在的な顧客ニーズを把握しきれず、また、市場における認知度が低いため、系列内・地域内の旧来 のビジネスから⾶躍できない。 地域内外の⼤⼿企業・海外企業等のニーズを、中⼩・中堅企業にマッチングする仕組みを提供 (「ビジネスチャンスの⾒える化」) <悩み3>国などの⽀援機関がたくさんあるが、よくわからない 地域内外の情報を集約して地域の企業につなげる「中核企業創出⽀援ネットワーク」を新たに構 築(「⽀援体制の⾒える化」) アベノミクスの効果を津々浦々に行き渡らせる上で、本取組を全 国津々浦々に広げていくことが極めて重要。 7月13日に東京でオープニングイベントを開催。その後、主要8 都市で説明会を開催(合計2,000名以上が来場)。 今後も「見える化キャラバン」として、省を挙げて日本全国各地で 本取組の説明を行う予定。 7月13日(月)オープニングイベント(パレスホテル立川) ブロック(※) 説明会 来場者数 北海道 8/3 273人 東北 8/10 174人 関東 7/13 450人 中部・北陸 8/24 311人 近畿 8/25 292人 中国 8/26 405人 四国 8/25 147人 九州・沖縄 9/9 195人 合計 - 2,247人 ※地方経産局の管轄をもとにブロック分け ※ここでは、従業員数1000人未満の企業を中小・中堅、1000人以上を大企業としている。 10 3.地域経済分析システム(Regional Economy and Society Analyzing System) 国が地域経済に係わる様々なビッグデータ(企業間取引、⼈の流れ、⼈⼝動態等)を収集し、かつ、わかりやす く「⾒える化」するシステムを構築することで、効果的な地域活性化政策の⽴案を⽀援する。 これにより、地⽅⾃治体が、地域の現状・実態を正確に把握した上で、将来の姿を客観的に予測し、その上で、 地域の実情・特性に応じた、⾃発的かつ効率的な政策⽴案を⾏うことが可能に。 (※)⼀部については、個別企業情報や個⼈情報が含まれるため、現時点では国及び地⽅⾃治体の職員が⼀定の制約の下で利 ⽤可能な限定メニュー。 従業者数や付加価値額などについて、産業別の割合を四⾓の⼤きさで表 現し、⾃地域の経済を⽀える主要産業を“⾒える化” 個別企業の取引関係を⽰し、⾃地域やその周辺地域にどのようなサプライ チェーンが広がっているか“⾒える化” ※限定メニュー 全産業花⽕図(従業者数)(例) 主要作物の分布状況や、出荷先別の販売⾦額の割合など、地域の農 業経営の実態を“⾒える化” ※限定メニュー 福井県・⽯川県の企業別花⽕図 特許を技術分野別にマップ上やリスト形式で表⽰することで、地域の技術の 集積状況を“⾒える化” 地域内の特許⼀覧 農産物出荷先別の販売⾦額 主要作物マップ 特許分布図(繊維;紙) 11
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