平成28年度学校経営構想

平成28年度学校経営構想
1
学校経営理念策定:
(1)
国、県、静西、市の要請
①
現行学習指導要領:生きる力の育成;知識と思考力、豊かな心、健やかな体
(H33 新学習指導要領:Ⅰ;知識・技能、Ⅱ;思考力・判断力・表現力等、Ⅲ;人間性や学びに向かう力等
→
Ⅰ;何を知っているか・できるか、Ⅱ;どう使うか、Ⅲ;どのように社会・世界と関わりよりよい人生を送るか)
②
静岡県:有徳の人づくり(個人として自立、人との関わり、社会づくりに参画・行動)
③
静西:確かな学力育成のできる教職員育成、機能的な組織づくり
④
菊川市:確かな学力と思いやりに満ちた学校づくり
(2)
2
学校経営理念:一人ひとりの生徒に自立と共生を促す教育をめざす
①
生徒一人ひとりがかけがえのない存在であり、大事にするという人権意識を原点におく
②
個人として自立し、周りと共生する力を育成する
③
学びのユニバーサルデザイン化の意識を持って各生徒の支援を行う
学校教育目標の設定
(1)
校訓:「強く
(2)
実態・良さ
正しく
明るく」:脈々と受け継がれた本校の願い
①
地域:学校に大変協力的、以前の一町一校当時のように中学校への期待が大きい。
②
保護者:学校に協力的、PTA活動にも積極的(学校評価にも積極的に参加など)
③
生
徒:
ア
素直で、真面目、大きな問題行動なし、整然とした集会活動ができる。
イ
行事(岳洋祭スポーツの部・合唱の部)、部活動に対して熱心に取り組む。
ウ
YJP活動で学年ごと福祉活動、職業体験、防災学習訓練に積極的に取り組む。
(3)
課題・要望
①
地域:何度か荒れを経験している学校で、安定し落ち着いた学校を求めている。
②
保護者:
③
ア
工夫した授業の経営、基礎基本の充実を臨んでいる。
イ
外国籍保護者も含め、基本的に上級学校への進学を希望している。
生徒の実態から:
<
ア
学習意欲の個人差が大きく、全体的に基礎学力の低い生徒も多い。
イ
外国籍生徒が全校生徒の一割を占め、家庭的に複雑な環境を抱えている生徒が多い。
ウ
要特別支援生徒(不登校生徒を含む)が多様化しかつ増加している。
エ
表現力・チャレンジ精神や向上心が弱い。
岳洋中学校の解決すべき課題の集約
>
課
題
(1)
学習について行けない生徒への支援
課
題
(2)
全生徒数の1割を占める外国籍生徒への支援
課
題
(3)
不登校生徒への支援
課
題
(4)
若手教員の教師力の向上
-1-
(4)
学校教育目標設定の理由
校訓「強く
正しく
明るく」にあるような人間性豊かな生徒の育成を目指す時、生徒一人ひ
とりが「自立」し、他と「共生」していく力を身に付けることが必要である。そのために「一人
ひとりの生徒・教職員が自己肯定感を持ち、共に磨き合う中で、自己存在感を育成していく」こ
とが必要である。また、この取り組みの中で上記の4つの課題の解決も可能であると考える。さ
らには、グローバル化、情報化する現代において、社会を生き抜いていく力の基礎を育成するこ
とにも繋がると考える。
このような視点より、下記のような学校教育目標を設定した。
(5)
学校教育目標:
「
共に磨き合い、一人ひとりが光り輝く学校
」 「一人ひとりが……」は H13 年度より継続
「共に磨き合い」は H26 年度より追加継続
(
3
共に磨き合う:共生
一人ひとりが光り輝く:自立
)
学校経営計画
(1)
学校経営の運営組織
①
学年部組織:1年部、2年部、3年部
②
4部体制:学習推進部、生活推進部、特活推進部、研修部
③
全体の掌握組織:教務会、学年主任者会、指導部長会、生活担当者会、研究推進委員会
(2)
各推進部における目標
①
生活推進部:安定した集団生活の中で、自己を高める生徒を育てる
②
学習推進部:自ら学び伝え合う生徒を育てる
③
特活推進部:気づき、考え、行動する生徒を育てる
④
研修部
(3)
:授業のユニバーサルデザイン化~ICT機器の効果的な活用を通して~
学校経営の具体的方針
(経営の重点
①
①
自分を磨く
②
共に磨く
③
他に尽くす
④
安心して過ごす)
自分を磨く…自分を磨き、自己肯定感を高めることができる生徒の育成
指標
「自分を一層磨く努力ができた」と答える生徒
「授業の内容がわかる」と答える生徒
ア
85%以上
85%以上
生活推進部:
・自己を高める生徒づくり
・光輝ごとの自己目標の設定や振り返り
・予定帳を活用した学校生活の振り返り
イ
学習推進部:
・授業での学習基本マナー向上
・家庭学習の習慣化の推進(大切さ・予習復習の仕方の指導、保護者への啓蒙)
・基礎学力向上のため、補充学習(数学)を行い、補充テストで全員合格を目指す
・「学習の日」による学習習慣の向上
・学習相談日の設定(テスト前)による個々の生徒への対応
・幅広い読書活動の推進
-2-
ウ
特活推進部:
・計画的な人権教育
・3年間を見通した進路指導の充実
エ
学年部:YJP活動による体験活動の充実
・2年:職業体験:職場体験学習を中心とした職業観の育成
オ
研修部:
・確かな学力を身につけるため探究活動、表現活動、問題解決型の活動を取り入れた多
様性のある授業構成
・全国学力・学習状況調査の問題分析、結果を生かした授業改善
②
共に磨く…集団の中で「自分の良さ」を発揮し、お互いを磨き合う生徒の育成
指標
ア
「共に関わり、高め合うことができた」と答える生徒
85%
生活推進部:
・部活動を人間形成の大切な一場面ととらえ、適切な目標設定、丁寧な見届け
イ
学習推進部:
・教科委員活動を中心とした学習マナー向上
・充実した道徳教育
ウ
特活推進部:
・リーダーとフォロアーの育成
・学級における毎日の班長会、班タイムの実施、学級学年の日の設定
・生徒主体で活動できる生徒会活動、学校行事(岳洋祭スポーツの部、合唱の部)、
学年行事(修学旅行、宿泊訓練、地域探訪)の推進
・生徒会における定期的な連合委員会の開催
エ
研修部:
・生徒同士がかかわり合い、学び合う場面の設定を目指した授業作り
③
他に尽くす…人のために役立ち、地域や他者に貢献しようとする生徒の育成
指標
ア
「人のために役立つことができた」と答える生徒
85%
生活推進部:
・ふれ愛さつ運動による親子そろっての挨拶運動
イ
学習推進部:
・人の意見を最後まで聴き取るマナー作り
ウ
特活推進部:
・学級での係活動・教科委員による活動や生徒会専門委員会による集団への貢献
・黙働清掃の徹底、気づき進んで清掃する生徒の育成
・ボランティア活動の推進
エ
学年部:YJP活動による体験活動の充実
・1年:福祉活動:福祉体験活動を中心とした福祉教育の中での指導
・3年:防災学習訓練:防災体験の中で自助・共助の防災意識の育成
④
安心して過ごす……生徒が自他の命を守る力の育成と保護者が安心できる教育環境づくり
指標
「学校で安心して生活することができる」と答える生徒
90%
「子どもたちが全体の学校生活が安定してる」と答える保護者
「学校が楽しい」と答える生徒
90%
「学校に信頼できる先生がいる」と答える生徒
-3-
85%
90%
ア
生活推進部:
a
安定した集団生活づくり
・生徒主体の取組の推進(生活チェック、チャイム席呼びかけ、保健・交通安全におけ
る啓発活動、挨拶の先取り)
・健康、安全に過ごす環境づくり(丁寧な健康観察、 薬学講座・救命救急講習・食育に
関する指導など健康、安全意識の向上)
b
問題行動や不登校生徒への取り組み
・日常的、継続的な生徒一人ひとりへの声かけ、日記指導、服装・頭髪指導
・主任者会、生活担当者会等による迅速な状況把握、対策の検討
・担任、養護教諭、心の相談員、スクールカウンセラーによる日常的な支援
・スクールカウンセラーや心の相談員が参加したケース会議での原因究明や具体策検討
・生徒の悩みを知るための生徒アンケートの実施
イ
→
担任による定期的な教育相談
学習推進部:
・各学級、学年を中心とした整った掲示環境作り
ウ
特活推進部:
・学級活動を通して、温かい人間関係づくりと集団の向上を図る
・学級目標達成にむけた努力点の具体化
エ
教務部:外国籍生徒のための計画的な日本語指導
・日本語教室の適切な運営(日本語能力判定→指導必要生徒抽出→教室運営)
・外国籍生徒や保護者への日本語指導講師を中心とした全職員での日常的な丁寧な対応
・外国籍保護者のための保護者会開催による学校概要の丁寧な説明
オ
防災・減災教育の充実
・地域3小と同一日開催の引き渡し訓練、工夫した避難訓練
・3年生のYJP活動での地域と連携した防災教育推進
カ
学校施設の安全管理
・全職員による毎月一回の定期点検
4
教育活動の土台作り
(1)
教職員の力の向上
①
生徒指導力向上
~一人ひとりの先生がかけがえのない存在 信頼される頼もしい教職員を目指して~
~全職員の生徒指導力向上を目指して~
ア
人権意識の向上(一人ひとりの生徒がかけがえのない存在である意識)
イ
共通理解のもと、全校一丸となった生徒指導体制による細部にわたる生徒指導
(荒れを克服した生徒指導体制を堅持しつつ、全職員で一人ひとりの生徒指導にあたる)
ウ
授業力向上
ア
~校内研修の充実による全職員の授業力向上を目指して~
授業のユニバーサルデザイン化
・機能化
活用する(使う)
理念:特別な支援が必要な生徒に
スパイラル化
習得(身に付ける)
どの生徒にとっても学び
理解(わかる)
やすい環境
(学年・単元間・教科間の重複の意識)
・共有化
・視覚化
・焦点化
・感覚の活用
・スモールステップ化
・展開の構造化
参加(活動する)
・時間の構造化 ・場の構造化
・刺激量の調整 ・ルールの明確化
・クラス内の理解促進
【授業での学びの階層モデル】
【授業でのバリアを除く工夫】
明星大学 小貫 悟
-4-
指導方法の工夫
とって学びやすい環境は
(日常生活での実用・発展的課題・発想の獲得)
・適用化(応用/汎用)
教育方略の工夫
②
生徒に自己肯定感の醸成、自己決定の場を設定(学級経営で、授業の中で、部活動で)
a;焦点化 :1時間の授業で何を考えるのか、目標や活動をしぼり、内容理解が深まるよう
にすること
b;視覚化 :視覚などの感覚や動作を入り口にして思考しやすくすること
c;共有化 :一部の意見をペア、グループ、全体に伝えることで、理解や思考を深めること
イ
ICT機器の効果的な活用
・授業のユニバーサルデザイン化を有効に行うための一つの手段として、iPad、大型テ
レビ、デジタル教科書などICT機器を効果的に活用する。
・平成28年12月7日(水)菊川市指定ICT研究発表に向けて実践を積み、公開する。
③
組織力の向上
~全職員で全生徒を指導~
ア
学年主任を中心として、学年部で一丸となった指導体制、丁寧な学級作りを
イ
学年主任者会・生活担当者会による共通理解、共通指導
ウ
普段からの職員間のコミュニケーションづくり、互いの心身の健康管理への配慮
④
教職員の責任ある言動
→
全職員同一歩調での指導
~信頼がすべての教育活動の基盤~
ア
3ゼロ(わいせつ 0 、交通事犯 0、体罰 0)+2(個人情報厳重管理、適正会計・事務手続き)
イ
子どもたちのちょっとした人間関係の変化に気づく、保護者との些細な接遇に気をつける、
協力を惜しまない地域の方に感謝する、重い荷物を持っている同僚に手を貸すなど
(2)
①
連携づくり
小中学校の連携
・校区研修会による授業研究、中学校区の子どもたちの情報共有や課題解決
・小中連携による学習習慣・生活習慣の継続的な指導(校区統一の家庭学習の手引きの活用)
・一日体験入学・小中連絡会での情報交換、日常的な情報交換による共通理解
・3小1中同日開催の引き渡し訓練
・保育実習による幼稚園児との交流
②
地域組織との連携
・自治会、地区学習センター、保護司、民生児童委員などの活動の協力を得て組織的育成
・地域出身議員や学校評議員からの援助協力
・読み聞かせボランティアの活用、キャリア体験セミナーを通しての職業観の育成
・岳洋中学校区の防災組織を生かした防災教育(防災会議、地域防災の日への主体的な参加)
③
保護者との連携
・PTA活動の積極的運営(ふれ愛さつ運動、行事参観、リサイクル活動、愛校作業など)
・公開学校教育評価(親の目、子の目、教師の目)による客観的な学校評価に基づく教育課程編成
・地道な保護者との連携(三者面談、日常の電話連絡、部活動指導)
④
適切な情報発信
・学校だより・学級通信で、HPで、携帯メールで適切な情報発信
-5-