志賀壮史氏作成配布資料(PDFファイル)

20101111 ミュージアム研究会資料
「インタープリター」ってなんだ?
■ ○○と△△の間をつなぐ人
〜インタープリター〜
inter
pret
相互の
“価値”?
〜間
“price”から派生したと
〜同士
考えられている。
er
〜する人
interpret 【他】解釈する、説明する【自】通訳する
interpretation【名】解釈、説明
interpreter【名】解釈者、通訳
■ 主に「環境教育分野」で使われる「インタープリター」の意味
インター
プリテーション
本来は「翻訳」の意味。
「自然解説」と訳されているが自然物だけで
はなく歴史文化遺産も含めた事物の意味を伝えること。
「インタープ
リテーションとは総合芸術である」とは米国の研究家の言葉。様々
な手法を使ってそのものの裏にある大切なメッセージを伝える。
インタープリテーションをする専門職のこと。米国の国立公園、例
インタープリター えばヨセミテ国立公園などでは数十人のインタープリターの専門職
が勤務している。
キープ協会 HP より
http://www.keep.or.jp/ja/foresters_school/2009/12/23000557.html
■ コミュニケーションスタイルの違い
インタープリター:双方向
インストラクター:一方向
ファシリテーター:多方向
口頭での解説にとどまらず、参加体験型の活動や意見・感想のやり取りなどを交え、双方向
で「対象(自然、生きもの、展示、
、、)
」と「人(参加者、来館者、
、、)
」の仲を取り持ちます。
近年では自然体験型の環境教育の分野だけでなく、東京大学による「科学技術インタープリ
ター養成プログラム(http://science-interpreter.c.u-tokyo.ac.jp/)」や日本科学未来館といった博物館
での活躍など、いろいろな分野で「インタープリター」の語が使用されるようになりました。
2010.11.10.志賀作成
20101111 ミュージアム研究会資料
「オリエンテーション」実習
ガイド開始時のオリエンテーションで大切なことは?
楽しそうであること、期待してワクワクすること、安心できること、、
、、
(他には?)
オリエンテーション実習
博物館や動物園等でのガイドツアーや解説プログラムを想定して、導入部分のやりとりを実
践します。1人1〜2分を目安に。自分の関係する施設や展示内容を題材にアレンジも OK。
やること
説明
「こんにちは。
」
あいさつ
「ようこそ[施設もしくはプログラム名称]へ。
」
「インタープリターの[自分の名前]です。
」
(森林散策のプログラムでの例)
プログラム
の概要
「今から約45分間、森をゆっくり歩きます。
途中、森の音を聞いたり、巨木を見上げたりし
て、体全体で森を楽しみたいと思います。冬越
しの準備をしている虫たちにも出会えるかもし
れません。
」
「出発前に簡単なアンケートをしてみたいと思
います。
」
参加者
アンケート
「この森に前も来たことあるよ、という方は手
を挙げてください。
」
(参加者の発言にあわせてやりとりする。質問
は他にも、○○が好きな人、○○を知っている
人など)
「ありがとうございました。」
「では、出発しましょう。コチラです。」
(実際に、参加者を招きながら歩きはじめたと
ころで終了)
備考
※参加者役の方からもあいさつ
を!
※(ガイドの内容と時間を簡潔に
説明。ご自身の関係する施設や
展示にあてはめて、参加者層も
想定しながらアレンジしてくだ
さい。
)
※導入部分のオリエンテーション
なので、詳しい解説は省いてい
ます。
※「参加者アンケート」は必須で
はありません。やりとりを始め
る際の手法の一つです。
※参加者役の方から、
「はじめてで
す」、「前から来てみたいと思っ
てて」など発言しても結構です。
※実際は、ガイド中のお約束、他
の来館者への配慮などを説明す
る場合が多いが、今回は省略。
2010.11.10.志賀作成
20101111 ミュージアム研究会資料
インタープリター育成のポイント
■ インタープリター育成で学ぶ、身につけるものの階層を意識する
伝える内容(コンテンツ)___いわゆる講義型の研修やマニュアル化に向く
例)生きものの名前、歴史、展示内容など、参加者・来館者にお伝えしたい内容そのもの。
伝える技術(活動運営)___体験型の研修やOJTでのトレーニングに向く
例)安全管理、ふるまいとホスピタリティ、アイスブレイク、プレゼンテーション
傾聴、発言をまとめる力など、参加者・来館者にお伝えするための技術。
裏方の技術(組織運営)___体験型の中級者向け研修で扱われることが多い
例)事業企画、プログラムデザイン、広報、事業評価、人材管理など、施設管理者と
分担して組織を運営していく技術。
活動の体制(活動意欲)___実は体験型の研修でもっとも大きい成果かもしれない?
例)好きな仲間、信頼できる関係者、使命感、愛着のあるフィールド、やれる自信など
モチベーションに関わる部分。
■ 学ぶ内容によって、
「マニュアル化」、「研修」
、「OJT」などの手法を選ぶ
手
法
内
容
一
長
一
短
教科書や
教科書やマニュアルにまとめられた
○独自学習、標準化
マニュアル
内容・手順から学ぶ。
×表現しにくい内容、作成の手間
研修
講義や実習などを通じ、先生・講師
○「ハレの場」、参加意欲
から学ぶ。
×コスト、現場とのずれ
OJT
日常の活動や仕事をやりながら、現
○日常の現場、コスト小さい
(現場研修)
場で学ぶ。
×名ばかりの研修になることも
コーチング
コーチとの対話などをきっかけにし
○自発的な成長、持ち味を活かす
て自発的に学ぶ。
×コーチの不足・不在
2010.11.10.志賀作成