NHK総合テレビ 毎週水曜日・午後8時から放送中 http://www.nhk.or.jp/gatten/ しつこ~い湿疹かゆみ まさかの犯人を大発見 2013年05月15日放送 今回の番組について 顔や手足などに現れる、しつこ~い肌荒れ。ストレス?寝不足?乾燥?食生活?年齢? ・・・何のせいかいろいろ考えてみるものの、原因がはっきりわからないことも多いですよ ね。 実はその中に、「まさか、こんな身近なモノが原因だったの!?」と驚くような「超意外なかぶ れ」があったのです! 誰がいつなってもおかしくない、「かぶれ」。そのメカニズムから対策まで、最新情報をお伝 えします。 番組ディレクターのひとこと 肌で悩む多くの患者さんのために 「湿疹、かゆみは、命に関わる病気に比べると、あまり注目されない分野なんです。」ある 皮膚科医から聞いたお話です。たしかに、「かぶれ」 という言葉1つとっても、どこか軽い響 きで、重大な病気とはかけ離れたイメージがあります。でも、肌のトラブルは、患者さんに とっては本当につらいもの。 今回取材させていただいた皆さんのお話からも、その深刻さ が伝わってきました。多くの人が悩む皮膚の病気を治そうと、日々研究を進めている医師 の皆さん、 ぜひがんばってください! なぜか気づけない!?「かぶれ」のナゾ 突然あごの下にかゆみを感じたAさん。病院では花粉症と診断され、薬を塗りましたが症 1/5 状は一向に良くなりません。 ホコリやカビ、化粧品などが原因ではないかと疑い、家の掃除をしたり、化粧を最小限にと どめるなどの対策をとったものの、湿疹とかゆみはひどくなる一方でした。 ところが、その後明らかになった原因は、なんと気をつけていたはずの「化粧品」によるか ぶれだったのです。 ほかにも、「目薬」にかぶれて目の周りが赤くなったり、病院で処方された「塗り薬」にかぶ れて顔や手足に湿疹ができたりしたのに、原因に気づくことができず長年苦しんできた人 もいます。 でも、使ってみて肌が赤くなったりかゆくなったりしたら、普通は途中で使うのをやめるは ず。いったいなぜ、Aさんたちは「かぶれ」に気づくことができなかったのでしょうか? 「遅いかぶれ」が気づけない原因だった! 実は、かぶれには、「早いかぶれ」と「遅いかぶれ」の2つのタイプがあります。 「早いかぶれ」は、原因となる物質が皮膚について数分でかゆくなるタイプ。山芋や漂白 剤、オムツによるかぶれなどが当てはまります。 一方「遅いかぶれ」は、ついてから1日くらいたってからかゆみが生じ、その後2週間くらい 続くタイプ。漆やギンナン、そして化粧品、塗り薬などによるかぶれがこちら。 そう、Aさんたちを悩ませていたのは・・・「遅いタイプ」のかぶれでした。 つまり、湿疹やかゆみの原因が化粧品や薬だと思って使うのをやめても、2週間は症状が 改善しないので、「これが原因じゃないんだ・・・」と思ってしまったのです。 疑わしいモノがあるときは、使用をやめても2週間は様子をみることと、症状が出るのは翌 日以降の場合もあると知っておくことが大切です。 ※化粧品、目薬、塗り薬によるかぶれの中には「早いタイプ」もあります。 ある日突然「体質」が変わる!? さらに注意すべきは、「遅いかぶれ」の中には、長い間使っていて何も問題なかったもの が、ある日突然、かぶれを起こすケースがあること。 いわば「体質が変わる」とも言うべきこの現象。 そのカギを握っているのが、皮膚の表面にいる樹状細胞です。 樹状細胞は、皮膚の表面から異物が体内に入ってくると、それが体にとって有害なものか どうかを判断。無害なものであれば何もしませんが、有害とみなした場合は、その物質をリ 2/5 ンパ節へと運び、「指名手配」リストに追加。次にこの異物が入ってくると、体は「戦闘モー ド」になります。 この時、異物を水で薄めようとしてできるのが「湿疹」です。 湿疹は、皮膚の新陳代謝が進み、異物が完全に外に出て行くまで残り続けます。「遅いか ぶれ」の症状が長く続くのはこのためです。 実は、樹状細胞はごくまれに、皮膚から入ってくる異物が有害か無害かの判断を間違える ことがあります。そのため、問題なく使っていたモノでも、ある日突然、「敵」とみなされるこ とがあるのです。 「かぶれ」に気づくには 化粧品や薬のほかにも、シャンプーやボディーソープなどの日用品、毛染め、洗濯洗剤、 ゴム、金属、塗料、植物など、実にさまざまなものがかぶれの原因になります。 でも、かぶれはそもそもめったに起こるものではないので、起こる前から必要以上に恐れ ることはありません。症状が出たときに、いかに早く「かぶれかも?」と気づくかが大切で す。 かぶれかどうかを確かめるには、次の2つの方法があります。 1 やめてみる 最低1週間、できれば2週間、使用するのをやめてみます。症状が改善すれば、その物質 でかぶれが起きていた可能性があります。 2 オープンテスト 症状が出ていないところにつけて、反応が出るかチェックします。ひじの内側などに1日2 回、疑わしいモノをつけます。実際の使用状況に合わせてつけてください(シャンプーな ら、しばらくおいて、水で流す、など)。 1週間をめどにテストしてみて、反応が出た時点で終了します。 ※症状が重い場合は、医師の診断を受けられることをおすすめします。 3/5 なお、医療機関でかぶれの原因を特定する「パッチテスト」という検査を行っているところも あります。 今回のお役立ち情報 かぶれの原因となるモノ かぶれの原因となる物質はたくさんありますが、そもそもめったに起こるものではないの で、起こる前から必要以上に恐れることはありません。また、使った回数が多いからといっ てかぶれやすいということもありません。症状が出たときに、いかに早く「かぶれかも?」と 気づくかが大切です。 <かぶれを起こすものの例> 化粧品 塗り薬(アトピー性皮膚炎の悪化因子になっている場合も) 目薬 リップクリーム シャンプー ボディーソープ 毛染め 洗濯洗剤 ゴム(手袋、輪ゴムなど) 金属(ピアス、ベルトなど) 塗料 植物 「かぶれかも…?」と思ったら 湿疹やかゆみ、腫れなど、かぶれのような症状が出たら、皮膚科を受診してください。 4/5 かぶれかどうかを確かめるには、次の2つの方法があります。 1 1~2週間やめてみる 疑わしいモノの使用をやめてみます。症状が改善すれば、その物質でかぶれが起きてい た可能性があります。 2 オープンテスト 症状が出ていないところにつけて、反応が出るかチェックします。ひじの内側などに1日2 回、疑わしいモノをつけます。実際の使用状況に合わせてつけてください(シャンプーな ら、しばらくおいて、水で流す、など)。 1週間をめどにテストしてみて、反応が出た時点で終了します。 パッチテストを受けられる医療機関について かぶれの原因を特定するための「パッチテスト」を受けられる医療機関もあります。日本皮 膚アレルギー・接触皮膚炎学会のホームページ(www.jsdacd.org)などを参考にしていただ くか、お近くの皮膚科にお問い合わせください。 Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可なく転載することを禁じます。 5/5
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