2 企業統治(コーポレートガバナンス) ◇企業統治(コーポレートガバナンス)とは、「効率的な経営を促すために外部から監視する仕組み」を 指すものと定義して調査している。 2.1. 企業統治への関心 コーポレートガバナンスへの関心 (経営者の出資比率別) 図表 44.0 50%超 10%超 50%以下 46.7 47.8 0 10 関心がある(計) 20 7.4 35.8 46.1 全体 4.7 47.5 56.8 10%以下 9.3 45.3 30 40 50 関心がない(計) 60 70 8.6 80 わからない 90 100 (%) ・ 企業統治(コーポレートガバナンス)について、「関心が有る」と回答した企業(◇注 1)は 46.1% で、「関心が無い」と回答した企業(◇注 2)の 45.3%とほぼ同じであった。 ・ 経営者の出資比率が大きくなるにつれて関心度合いは薄く、出資比率が過半のオーナー企業 において、「関心が有る」が 44.0%(=大いに関心が有る 6.5%+多少関心が有る 37.5%)で、「関心が 無い」46.7%を下回っている。「効率的な経営を促すために外部から監視する仕組み」という定 義で調査したことから、経営者が総てを取り仕切っている自信の表われと考えることが出来る。 ◇注1 「関心が有る」と回答した企業=「大いに関心がある」+「多少、関心がある」の回答企業の合計。 ◇注 2 「関心が無い」と回答した企業=「あまり関心がない」+「関心がない」の回答企業の合計。 ●オーナー以外の規律が有効 会社は、経営者を含めて皆のもの、という意識が強い。株主についても、社員持ち株会の占める 割合が高い。また、第三者的立場の株主もいるし、監査法人も導入している。そうしたオーナー以外 からの規律が企業統治に有効に働いている。 (一般機械、従業員 580 名) ●要諦は人の繋がり、社員同志の強固な信頼関係 企業統治についても、要諦は人の繋がりである。社員同志の強固な信頼関係を作ることが、企業 統治にとって重要。 (繊維、従業員 180 名) ●対外契約は総て社長名、稟議決裁も相当細かい部分まで社長決裁。 権限のかなりの部分を社長に集中している。対外契約は総て社長名、稟議も相当細かい部分ま で社長決裁。従業員数が比較的少ない規模だから可能ということもあるが、稟議システムが企業文 化として根付いており、決定事項を総て記録しておくという点からも有意義。 (木材・木製品・建材・家具卸売、従業員 50 名) 17/40 2.2. 今後の企業統治への取り組み 図表 (%) 今後のコーポレートガバナンスへの取り組み 0 20 40 14.4 全体 100 27.9 57.7 15.5 非製造業計 80 57.7 12.9 製造業計 60 29.4 57.7 強化 していく 26.8 従来と 変わらない わからない ・ 企業統治に「関心が有る」と回答した企業に対して、今後の取組みを尋ねてみると、企業統治を 「強化していく」との回答は 14.4%に止まり、「従来と変わらない」が 57.7%と過半を占めた。 今後のコーポレートガバナンスへの取り組み (経営者の出資比率別) 13.0 50%超 10%超 50%以下 56.3 15.8 66.7 22.0 10%以下 0 10 強化 していく 30.7 17.5 22.8 55.2 20 30 40 50 従来と 変わらない 60 70 わからない 80 90 100 (%) ・ 出資比率別にみると、出資比率の大きな企業ほど、「強化していく」姿勢は弱く、50%超のオーナ ー経営企業では 13.0%に止まっている。 ●経営権確保のためにも、公開予定無し。経営にスピード、取締役の人数は減らしている 以前に株式公開の話もあったが、公開しなくて良かった。業歴が長く、資産の含みが豊富である ため、株を買い占められる虞もあった。経営権確保のため、今後も公開の予定は無い。会社法施行 を受けて経営体制を変える計画等は無いが、経営にスピードが求められていることもあり、取締役の 人数は減らしている。 (繊維、従業員 180 名) ●相続で株主が増える可能性があり、個人株主は減らしたい。 経営権を支配するため株主を極力減らしたい。特に、個人株主は相続で株主が増える可能性も あり減らしたい。そのために、投資育成会社からの出資や信頼できる企業との持ち合いといった方法 が有効で、新会社法のもと、定款を変更、譲渡制限を付けて株式の離散防止も計画中である。 (故紙卸売、従業員 30 名) 18/40 2.3. 企業統治を強化する理由 コーポレートガバナンスを強化する理由 (%) 図表 90 80 78.2 64.5 70 60 50 42.0 40 39.2 27.0 30 20 10 2.4 2.0 1.7 0.7 そ の他 地域社会 か ら の要 請 取引先 から の要 請 顧客 から 求 めら れ て いる か ら 不 祥 事 の防 止 に 役 立 つか ら 社 員 の士 気 向 上 のた め 企 業 イ メー ジ の 向 上 のた め 経 営 の透 明 性 向上 のた め 経 営 の改 善 に つな が る か ら 0 ・ 企業統治を「強化していく」と回答した企業にその理由を聞いてみると(複数回答。3つ以内)、「経 営の改善につながるから」が 78.2%で最も多く、次いで「経営の透明性向上のため」64.5%、 「企業イメージの向上のため」42.0%、「社員の士気向上のため」39.2%、「不祥事の防止に役立 つから」27.0%が続いている。一方、「顧客から求められているから」2.4%、「取引先からの要 請」2.0%、「地域社会からの要請」1.7%など、外部から求められていることを理由とする割合は 低い。 (%) 90 80 コーポレートガバナンスを強化する理由(経営者の出資比率別) 83.0 78.7 69.8 70 64.9 50%超 69.8 10%超50%以下 10%以下 57.4 60 50 42.0 40 44.7 43.4 42.0 40.4 30 22.6 27.1 28.3 23.4 20 10 6.4 1.1 1.9 1.1 - 5.7 0.5 - 1.9 そ の他 地域社会 か ら の要 請 取 引先 から の要 請 顧客 から 求 められ て いる か ら 不 祥 事 の防 止 に 役 立 つか ら 社 員 の士 気 向 上 のた め 企 業 イ メー ジ の 向 上 のた め 経 営 の透 明 性 向 上 のた め 経 営 の改 善 に つな が る か ら 0 2.7 2.1 1.9 ・ 出資比率別にみると、「社員の士気向上のため」が、オーナー企業や出資比率 10%超企業で 比較的高いのに対し、10%以下企業では低い。逆に、「経営の透明性向上のため」については、 10%以下企業の方がオーナー企業や出資比率 10%超企業よりも高くなっている。 ●外部の眼は、社内活性化のためにも重要 コーポレートガバナンスについては、株式公開の予定は無く、大企業のように外部からの監視機 能を強化しようとは考えていない。むしろ、外部からの眼というのは監視機能というだけでなく、社内 活性化のために重要だ。そのために、異業種からの社外取締役導入なども検討に値する。 (建設、従業員 22 名) 19/40 2.4. 企業統治を強化するための有効策 コーポレートガバナンスを強化するための有効策 (%) 50 44.7 45 図表 36.4 40 35 30 24.0 25 23.3 20.0 20 17.8 15 10 5.5 3.2 5 そ の他 株 主 数 の増 大 株主総会 の 機能強化 監査法人 の 導入 会計参与 の 導入 取引金融機関 による 経 営 指 導 社外取 締役 の導入 積極 的な情 報 開 示 ︵デ ィ ス ク ロ ー ジ ャー ︶ 0 ・ 企業統治を強化するための有効策として(複数回答。3つ以内)、「積極的な情報開示(ディスクロ ージャー)」(44.7%)の割合が最も高く、次いで「社外取締役の導入」36.4%、「取引金融機関に よる経営指導」24.0%、「会計参与の導入」23.3%などが上位を占める。 コーポレートガバナンスを強化するための有効策 (経営者の出資比率別) (%) 図表 60 50 53.1 47.5 42.4 40 50%超 40.2 37.9 35.2 30 26.4 20.7 20 10%超50%以下 23.8 23.2 20.4 25.4 22.5 18.4 20.0 17.1 18.8 12.9 10 6.0 4.3 4.5 3.4 2.5 3.1 そ の他 株 主 数 の増 大 株主総会 の 機能 強化 監査法 人 の 導入 会計 参与 の 導入 取 引 金融 機関 による 経 営指 導 社外取締 役 の導入 積極的 な情報 開 示 ︵デ ィ ス ク ロ ー ジ ャー ︶ 0 10%以下 ・ 出資比率別にみると、オーナー企業ほど「積極的な情報開示」や「監査法人の導入」などの方策 に消極的である一方、「取引金融機関による経営指導」に期待を寄せている。 ●直接目が届く範囲での経営規模。常に現場を回り、社員と直接対話を重ねている 同族の目が直接届く範囲での経営規模と手法が最適。社長を始め、経営陣が常に現場を回り、 社員と直接対話を重ねている。毎月の幹部会では経営情報を共有し、意思を伝達、社長の考え方 や理念をいつでも全員に口頭で説明できるようにしている。 (金属製品、従業員 27 名) ●地元有力企業の経営者が社外取締役として関与 地元有力企業の経営者に社外取締役として経営に関与して貰っている。経営に対するご意見や ご指示を頂き、有効に機能している。課長以上の職員は株を保有、株主総会に参加している。 (紙・パルプ、従業員 30 名) 20/40 3 法令遵守(コンプライアンス) 3.1. 法令遵守(コンプライアンス)への関心 ・ 法令遵守(コンプライアンス Compliance)に「関心が有る」と回答した企業は 84.6%に上り、 「関心が無い」企業の 11.5%を大きく上回る。 コンプライアンスへの関心(経営者の出資比率別) 図表 83.3 50%超 10%超 50%以下 12.6 85.0 4.1 11.3 92.5 10%以下 4.6 2.9 84.6 全体 0 10 20 関心が ある(計) 30 40 関心が ない(計) 11.5 50 3.7 60 70 わからない 80 90 3.9 100 (%) ・ 経営者の出資比率別では、出資比率の高い企業の方が「関心が無い」割合がやや多い傾向が みられる。 ●「曖昧な部分」を逆手に取らない 競争に勝ち抜いていくために、コスト削減は至上命題。業界でも法定ギリギリまで材料を節約し、 コストを削らなければ生き残れない。ただ、法令にも「曖昧な部分」がある。「曖昧な部分」を逆手にと ってコストカットするのではなく、構造に関わるような重要な部分には安全策を取るよう徹底している。 法令を堅めに解釈・判断しないと、建物も顧客の信頼も壊れてしまう。 (建設、従業員 20 名) ●「自分の給料は誰から貰っているのか」を考える 昨今のコンプラ違反をみていると、収益至上主義の極みというほかない。収益はもちろん大切だ が、事件は顧客志向が低いことの表れではないか。会社と顧客との板挟みになったとき、従業員に は「自分の給料は誰から貰っているのか」を考えてみるように言っている。顧客の支持無くして収益 など無いのだ。 (木材・木製品・建材・家具卸売、従業員中規模) 21/40 3.2. 今後の法令遵守への取り組み 今後のコンプライアンスへの取り組み (経営者の出資比率別) 図表 38.1 50%超 10%超 50%以下 10.2 51.6 41.5 53.5 10%以下 0 10 20 50.5 30 強化 していく 4.5 42.0 40.6 全体 6.0 52.5 40 50 60 従来と 変わらない 70 9.0 80 わからない 90 100 (%) ・ 今後、法令遵守への取り組みを「強化していく」企業は 40.6%で、「従来と変わらない」の 50.5% をやや下回った。 ・ 経営者の出資比率別では、出資比率の高い企業の方が「強化していく」とする割合が少ない。 今後のコンプライアンスへの取り組み(業況別) 図表 31.6 悪い 55.1 35.4 やや悪い 13.4 54.4 10.2 普通 42.1 49.7 8.2 やや良い 43.5 48.6 7.9 49.0 良い 0 20 強化 していく 43.6 40 従来と 変わらない 60 7.4 80 わからない 100 (%) ・ 業況別では、業況の良い企業ほど「強化していく」とする割合が多い。 ●法令遵守は当たり前。自ら高い基準を設定し、情報公開を進め、信頼を得る コンプライアンスは、企業が社会の中で信頼されていくことだ。法令の遵守は当たり前で、自らが 高い基準を設定し、情報公開を進めて社会からの信頼を得ようとしている。排水など環境関連で、 認証基準の厳しい英国機関から ISO14001 の認証を得たため、国内法の排出基準等は当然クリアす ることとなった。地域社会に対しても環境への配慮を説明できるし、その結果、海外向け製品等では 英機関認証が評価されて売上拡大にも寄与している。 (繊維/染色加工、従業員 180 名) ●基本動作としての就業規則の徹底 最近の「金のためなら何でもする」といった風潮はとても危惧している。社内体制としては、ISO 取 得に伴いマニュアルを整備、さらに基本動作として就業規則の徹底を図っている。 (化学、従業員 84 名) 22/40 ●現場の声を吸い上げ、人手に頼らない仕組みを作る コンプライアンスは、従業員が日常業務の中で法律を守ること、企業が社会のルールを守り地域 社会の信頼を得ることの2つが重要。まず従業員の声を吸い上げること。現場の悩みを聞いていれ ば法令違反に繋がるような事故は防げるはずで、事故が起こり得る環境を見過ごしたとすれば、経 営者責任が問われるべき。法令遵守専担者などを置いて社内規律を高める方法もあろうが、中小企 業では難しい。朝礼等普段の機会に社会人として当たり前のことをきちんとできるよう教育している。 次に、企業としては、取引先の信頼を裏切らないという姿勢で、機密文書の取扱い業務には神経 を使っている。当社の情報管理手法は他社に無いノウハウで、情報漏洩は当社存亡にも関わる問 題。P マーク(プライバシーマーク ◇注)や ISO などの認証を得ることで法令遵守の仕組みを確保、社 内の意識を高めている。さらに、機密文書の誤返却等を防ぐためコンピュータ、バーコードにより書 類を管理し、機密文書保管室への入場も厳重管理するなど、人手に頼らないような仕組み作りをし ている。 (故紙卸売、従業員 30 名) ◇注 プライバシーマーク制度:日本工業規格「JIS Q 15001」に適合した個人情報保護のマネジメントシステム (コンプライアンス・プログラム)を構築して体制を整備し、個人情報の取扱いを適切に行っている事業者を第三者 の立場で客観的に評価・認定して「プライバシーマーク」の付与を行う制度。(財)日本情報処理開発協会が運用。 ●本音と建前がある限り、法令違反は無くならない 法令違反は、利益重視が行き過ぎて、「自分さえ良ければ」という考えに陥るためだ。しかし、独り 善がりの状況は長続きせず、必ず行き詰まる。コンプラ徹底には、経営者自身がその方針を示すこ とはもちろん、社内全員に伝わらなければ無意味。方針の決定と共に、形式的に伝えるだけでなく、 率先して実践することが肝要。本音と建前というダブルスタンダードを野放しにしている限り、どんな 立派な方針を作っても違反は無くならない。 (金属製品、従業員 70 名) ●事業規模は経営者の目の行き届く範囲 地球環境問題への対応に着手、ISO 取得に際し、「法令を遵守し・・・」という文言を掲げたが、形 式的に謳ったわけではない。むしろ、法令という最低限のルールを守らない場合のリスクシナリオを 考慮している。それは、事業規模は経営者の目の行き届く範囲で、という考え方であり、問題が発生 しても大事に至らないうちに経営者が関与できることをめざしている。 (建設、従業員 22 名) 23/40 3.3. 法令遵守への取り組みを強化する理由 図表 コンプライアンスへの取り組みを強化する理由 (%) 91.7 56.6 38.1 11.9 11.3 8.6 1.8 そ の他 顧 客 から の要 請 地域社会 から の要 請 取引先 から の要 請 社 員 の士 気 向上 のた め 法 令 への 知 識 を 高 め る こと で円 滑 な 取 引 が可 能 とな る から 会 社 の信 用 を 損 な わ な いよ う にす る た め 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 ・ 「今後、コンプライアンスへの取り組みを強化していく」と回答した企業に対してその理由を聞くと (複数回答。3つ以内)、「会社の信用を損なわないようにするため」が 91.7%と最も割合が高く、殆 んどの企業が理由として挙げている。大半の企業でコンプライアンス違反が及ぼす自社へのダメ ージを警戒している様子が窺える。 次いで「法令への知識を高めることで円滑な取引が可能と なるから」56.6%、「社員の士気向上のため」38.1%と、取引面や組織面での利点を主な理由と している。一方、「取引先からの要請」11.9%、「地域社会からの要請」11.3%など、他者から求 められていることを理由とする割合は相対的に低い。 (%) 96.0 91.1 89.2 コンプライアンスへの取り組みを強化する理由 (経営者の出資比率別) 50%超 10%超50%以下 10%以下 60.8 56.654.4 37.2 38.4 40.8 13.6 11.2 12.3 12.6 4.8 10.0 8.4 8.8 10.0 2.0 - 2.3 そ の他 顧 客 から の要 請 地 域 社 会 から の要 請 取 引 先 から の要 請 社 員 の士 気 向 上 のた め 法 令 への 知 識 を 高 める こ と で円 滑 な 取 引 が 可 能 と な る から 会 社 の信 用 を 損 な わ な いよ う にす る た め 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 ・ 出資比率別では、出資比率の低い企業ほど「社員の士気向上のため」という回答が多い。 ●即倒産の危機に見舞われるという緊張感を持つこと 法令遵守は企業として最低限のこと。ISO を取得、経営方針に「薬事法の遵守」を掲げたが、それ をお題目のように唱えるより、いかに実践させるかが重要。経営者自らが高いモラルで取り組む姿 を行動で示してこそ、従業員にも徹底が出来る。 法令違反や反社会的な行動が露見した場合に、 即倒産の危機に見舞われるという緊張感を持つことが大切。 (医療器材製造、従業員 80 名) 業界のコンプライアンスの課題は、有害物質処理という地球環境問題と顧客情報保護対策の 2 点。これらの問題の重要性に鑑み、経営計画に法令遵守を盛り込んだ上、社内勉強会を随時開催 し、コンプラ意識の徹底に努めている。 (印刷、従業員 110 名) 24/40 3.4. 法令遵守徹底のための重要策 コンプライアンスの徹底を図るため重要と思う方策 (%) 図表 90 78.6 80 67.3 70 60 50 40 31.7 30 20 12.1 12.1 10 1.9 そ の他 内 部告発 制 度 の導 入 社 外取締役等 に よ る チ ェ ック 担当部署 、 担 当 者 の設 置 法令遵守 マ ニ ュア ル の作 成 法令遵守を重視 した経 営 方針 の 策定 法 令 に関 す る 社 員 の知 識 向 上 0 6.2 ・ コンプライアンスの徹底を図るために重要だと思う方策を尋ねると(複数回答。3つ以内)、「法令に 関する社員の知識向上」を挙げる企業が 78.6%と最も高く、「法令遵守を重視した経営方針の 策定」67.3%が過半となっている。 図表 (%) コンプライアンスの徹底を図るために重要と思う方策 (経営者の出資比率別) 90 80 77.2 81.0 83.2 67.0 67.5 70 66.4 50%超 10%超50%以下 10%以下 60 50 40 31.7 30 35.7 29.3 20.2 20 10.9 11.9 10 6.4 4.1 8.4 2.0 1.4 1.7 そ の他 内部告発 制 度 の導 入 社 外取 締役等 に よ る チ ェ ック 担当部署 、 担 当 者 の設 置 法 令遵守 マ ニ ュア ル の作 成 法 令遵守 を重視 した経 営 方 針 の 策定 法 令 に関 す る 社 員 の知 識 向 上 0 14.3 11.7 12.6 ・ 経営者の出資比率別では、出資比率の高い企業では、「担当部署・担当者の設置」を挙げる割 合が相対的に低い。 ●秘密保持契約 企業の信用という点では、技術情報の管理が重要。技術情報が漏れるようでは、仕入先、販売先 の信頼を失ってしまう。その対策として、社員全員と秘密保持契約を結ぶことにした。入社時用、現 在籍者用、退職時用の 3 種類の案文を顧問の社会保険労務士の協力を得て作成、社員全員に署 名して貰う。また、社内工程用の作業シートを作り、商品毎にライン担当者の点検記録を残すように した。不良品発生時に、原因究明が迅速確実に行える仕組みが出来た。 (金属製品、従業員 27 名) 25/40
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