産総研の時間周波数供給に望むこと

産業技術総合研究所
時間・周波数標準供給に望むこと
2005年12月6日
松下電器産業株式会社
生産革新本部
生産プロセス革新センター
池田 勝
*:ここでは、時間・周波数のe−traceを中心に取り上げます。
1.現在の時間・周波数のトレーサビリティ
2.遠隔校正(e−trace)への期待
3.時間・周波数の将来の姿(案)
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その前に
e−traceは、どれくらい認識されているのでしょうか?
◆JEITA計測トレーサビリティ専門委員会では、講演会を開催しました。
◇しかし、直ぐにでも導入を図りたいと考えている会員会社は少ない。
●メリットが、まだ見えてないようです。
◆e−traceで提案されている標準供給量は、高精度で高価な標準量が多い。
◇階層化した標準量まで提案しないと、産業界に浸透しない。
●安くて速い校正サービスが、市場ニーズの90%以上では?
1.現在の時間・周波数トレーサビリティ
現状システムの運用上の課題
1.産総研へ周波数標準の搬送
時間ロス(校正期間約1ヶ月)、環境要因(振動、温度、バッテリー)
経時変化が捉えない(スポットデータのみ)
2.日本の標準電波信号の受信(長波帯:40 or 60kHz)
受信感度(天気、地理的影響:雨、霧、山、ビル等)
校正の受信時間が長い(2週間/回)
2.日本標準電波
(40kHz)
3.GPS衛星信号の受信
トレーサビリティ証明が出来ない
おおたかどや山送信所
4.その他
電話の時報/TVサブキャリア(中止)
3.GPS信号
2.日本標準電波
(60kHz)
1.搬送する
佐賀県はがね山送信所
企業標準
産業技術総合研究所
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産総研のトレーサビリティは、何処まで担当しているの?
国家(国際)標準【産総研・他】
ここまで担当
これより先は、
ユーザの範疇!
企業内標準
現場の声が
聞こえない。
企業の責任でトレース
課題
・現場のニーズ
(精度、範囲)
・校正の量
・校正のコスト
企業の設計開発〜製造
企業の工業製品
校正会社 or メーカ
◆時間・周波数の測定&校正
・周波数カウンタ
・信号発生器
・波形測定器
・各種解析装置など
◆時間・周波数の測定目的
・時計機能
・マイコンクロック
・同期
・波長
・インターバルなど
2.遠隔校正(e−trace)への期待
グローバルモノづくりを実現するために
高品質(Q)で、安価(C)、速い(D)校正サービスが求められている。
価格は?
◆e−traceの強み(時間・周波数)
高品質(高精度)で速い(リアルタイムで現地校正:グローバル化)
将来は
JCSS
階層化標準
海外実証
横河電機
中国
上海/蘇州
企業現場標準
産総研
企業標準室
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◆ e−traceを実現するためのコストは、 ◆ e−traceによって校正できる計測器は、
内訳
費用1年目 2年以降
GPS受信機
970
周波数標準(Rb)
500〜
パソコン
100
インターネット/年
60
60
校正費用/年
166
166
初期設定費用
64
現地設定費用
78
合計
内訳
周波数カウンタ
信号発生器
スペアナ
デジタルオシロ
RC発振器
ストップウォッチ
一般的な校正費用
5、000円〜
10、000円〜
20、000円〜
10、000円〜
6、000円〜
2、000円〜
計測器1台は、平均10、000円程度
1938 226×3
(千円)
◆ 掛かる経費を定額4年償却とすると
総費用 1、938+226×3年=2、616千円
年間費用
年間 約70台以上
校正が必要!
2616÷4年= 654千円/年
普及には、
コストダウンが
必要!!
小規模事業では無理!
3.時間・周波数の将来の姿(案1)
標準器を買ってきて直ぐに安く使える家電製品のようなインフラの整備が必要です。
Bゾーン
産総研
◆新たなJCSS制度によるe−traceの仕組み
1.e−traceをJCSS制度に組み込む
2.JCSS事業者を中心に一定エリア内を精度評価
3.エリア内GPS受信機に対して精度保証
Aゾーン
◆e-traceによる精度保証の条件(縛り)
A社
半径数十km
D社
JCSS事業者
C社
B社
1.A〜D社は、登録費用を支払う(産総研へ)
産総研は、登録会社の現地確認をする(初回)
2.A〜D社は、JCSS事業者から産総研の校正
結果写しを得る(有料:年1回程度)
3.A〜D社は、数年に1回程度の検査を受ける
(立入り検査または仲介器持ち回り検査)
A〜D社は、GPS受信が出来れば、校正証明を
得ることが出来るようになる。
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3.時間・周波数の将来の姿(案2)
標準器を買ってきて直ぐに安く使える家電製品のようなインフラの整備が必要です。
産総研
◆標準化(JIS)によるe−traceの仕組み
(産総研、JIS、計測器メーカの連携)
1.e−traceのハード、ソフトの標準化
GP−IBやUSBのように標準化して、安く
計測器に組み込む
*カーナビの様に、量産化が出来れば、安く出来る。
企業内計測器群に自動校正(フルタイム)
2.受信データを定期的に産総研に報告
インターネットで受信データを送信 1回/月
3.産総研より校正証明書の発行(有償)
トランス
ミッタ
インターネット
最後に
企業内計測校正に求められていることは、
1.信頼性(品質含)・・・・国際的に通用する(ISO−17025)
2.安い・・・価格競争が激化(日々コストダウン・・・校正は固定費?)
3.速い・・・フルタイム生産に対応(現場に出張校正など)
4.経営に貢献・・・自ら品質を造り込む、設計開発を支援する、など
できなければ、企業内計測校正からアウトソーシングへ ・・・
e−traceを機会に、産総研と現場レベルの計測管理が、連携し
協力して、日本のトレーサビリティを構築・維持していきたい。
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