機器分析学 まとめ S

機器分析学 まとめ
測定波長順に比較してみよう。
測定波長
分析法
定量分析
定性分析
構造解析
ラジオ波
NMR:核磁気共鳴スペク
不可能
可能
可能
トル分析法
赤外線
IR:赤外吸光分析
(可能)
可能
可能
蛍光
蛍光分析法
可能
不可能
不可能?
可視光
紫外可視吸光分析法
可能
不可能
不可能
紫外線
紫外可視吸光分析法
可能
不可能
不可能
X線
粉末 X 線回折法
不可能
不可能
結晶
分析法
定量分析
定性分析
構造解析
原子吸光分析法
可能
可能
不可能
ICP 発光分析法
可能
可能
不可能
旋光度測定法
不可能
可能
比旋光度
質量分析法
不可能
可能
可能
試料セル
光源(電磁波)
NMR
?
外部磁場(超伝導磁石)
IR
8種
グローバーランプ
蛍光分析法
無蛍光石英セル(四面透明)
キセノンランプ
紫外部:石英セル
紫外部:重水素放電管
可視部:ガラスセル
可視部:タングステンランプ
粉末 X 線回折法
?
X線管
原子吸光分析法
試料原子化装置
中空陰極ランプ
ICP 発光分析法
−
−
旋光度測定法
?
ナトリウムランプ
質量分析法
−
−
紫外可視吸光分析法
機器分析のプリントは見直しが不十分のため間違いなどがあることが予想される。
よって、一度は必ず己のプリントと見比べてみるようにすること。
間違いがあれば僕のほうまで連絡してくれるとありがたい。
ではではメリークリスマス!そして良いお年を!
和田真治 http://thebigbridge.sakura.ne.jp/study/index.html
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機器分析学 まとめ
紫外可視吸光分析法:
(吸収光)
電子軌道の遷移(励起)に必要なエネルギー(光)を測定する。試料(液体)の定量分析に用いる。
蛍光光度法:
(放射光)
蛍光物質の溶液に特定波長の励起光を照射するとき、放射される蛍光の強度を測定する。感度が非常に
高いので微量の試料(蛍光物質)でも定量を行える。
原子吸光光度法:
(吸収光)
光が原子蒸気層を通過するとき、基底状態の原子が特有の波長の光を吸収する現象を利用し、試料中の
元素量を測定する。測定したい元素の数だけホローカソードランプが必要。
ICP 発光分析法:
(放射光)
プラズマの熱により原子を励起する原子が、基底状態に戻る際に発光する光を測定する。
旋光度測定法:
(旋光性)
平面偏光を利用した分析法で、比旋光度を測定する。
旋光分散:
(旋光性)
旋光度が平面偏光の波長によって異なる現象より立体構造の研究を行う。
円偏光二色性(円二色性)
:
(旋光性)
キラル化合物が左右の円偏光に対するモル吸光係数の差に起因する現象より立体構造の研究を行う。
粉末 X 線回折法:
(旋光性)
X 線が結晶格子によって回折される現象(ブラッグ反射)より物質の結晶構造の研究を行う。
赤外吸光分析 IR:
(原子間振動)
物質に赤外線が吸収されることによって原子間結合の振動が変化する現象を利用し、物質の化学構造の
情報を得る。
核磁気共鳴スペクトル分析法 NMR:
(1H あるいは 13C の振動)
外部静磁場に置かれた原子核が固有の周波数の電磁波と相互作用する現象より、1H あるいは 13C を対象
にしてスペクトルを測定する。
質量分析法 MS
ばらばらにイオン化した試料を加速し磁場中に放ち、検出器で飛距離を測定する。そこから、試料の質
量電荷比(質量を電荷の数で割った値)を求める。既知物質や未知物質の構造決定に用いる。
S- 2 -S
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紫外可視吸光分析法(紫外可視吸光光度法) (局)
測定原理
・ 測定対象物質濃度 c、セル長 l、定数 k としたとき、
吸光度 A = k×c×l(ベールの法則)が成り立つ。
・ モル吸光度係数εは c を 1mol/L、l を 1cm に換算したときの吸光度 A の値である。
・ 日本薬局方では c を 1w/v %、l を 1cm としたときの吸光度を比吸光度といい、
1%
1cm
で表す。
・ 紫外可視吸光分析法は電子軌道の遷移(励起)に必要なエネルギー(光)を測定する。
・ 波長 200nm 以上で、π→π*遷移を測定可能。n→π*遷移では吸収強度が弱いので不可。
・ 発色団:π結合性軌道を持つ原子段(C=C,C=O,C=N,C=S など)
・ 助色団:水酸基、アミノ基、ハロゲンなどが結合すると、濃色効果・深色移動を起こす。
・ 濃色効果:吸収強度が増大 ⇔ 淡色効果:吸収強度が減少
・ 浅色効果(ブルーシフト)
:吸収波長が短波長に移動=物質の色は赤色方向に変化 ⇔ 深色効果
・ 深色効果(レッドシフト)
:吸収波長が長波長に移動=物質の色は青色方向に変化 ⇔ 浅色効果
・ 共役二重結合の数の増加:濃色効果・深色移動
測定装置
・ 光源→分光器(モノクロメーター)→スリット→試料セル→検出器→データ処理ユニット
・ 光源 紫外部:重水素ランプ(D2 ランプ)
、可視部:タングステンランプなど
・ 分光器:回折格子、プリズム、光学フィルター
・ 試料セル 紫外部:石英製、可視部:ガラス製を用いる。
・ 検出器:光電子増倍管(フォトマルチプライヤー)
、
フォトダイオード(半導体光検出素子)アレイ検出器
・ 分光光度計の種類にはシングルビーム紫外・可視分光光度計、ダブルビーム紫外・可視分光光度計、
フォトダイオードアレイ分光光度計がある。
測定操作
・ 波長校正(基準値とのずれ±0.5nm 以内、ネオジウム光学フィルター、ホルミウム光学フィルター)
・ 波長校正には重水素放電管(D2 ランプ)の輝線を用いることも可能。
・ 測定誤差はトワイマン・ローシャンの法則より、定量分析に適した吸光度の範囲は 0.2∼0.7
・ 測定溶媒は、測定波長領域の光を吸収しないことが必要。
・ 吸収波長を考慮して使用溶媒を選択する。
(溶媒効果:溶媒の種類により、吸収スペクトルが変化)
・ pH より吸収スペクトルは変化するので、溶液の pH を固定する。
(強酸性 or 強アルカリ or 緩衝液)
・ 定量分析(主)
、定性分析ができる。
(定量分析:検量線法)
S- 3 -S
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演習問題
問題 1 ある医薬品(分子量 300)の 3mg/200mL のメタノール溶液につき、層長 1cm のセルにて 241nm
における吸光度を測定して得た値から計算したところ、比吸光度は 100 であった。このとき得られた吸
光度の値とモル吸光係数(ε)を求めよ。
解答
この医薬品の測定濃度は、3mg/200mL = 1.5×10-3g/100mL = 1.5×10-2g/L であり、モル濃度に換算すると
1.5×10-2/300= 5.0×10-5mol/L となる。ベールの法則より、A = kcl = 100×1.5×10-3×1 = 0.15 となる。モ
ル吸光係数は 0.15/(5.0×10-5)=3000 である。
問題 2 ある物質の水溶液の吸光度を測定したところ A1 であった。
次にその物質の濃度を 3 分の 1 とし、
セルの層長を 2 倍のセルで測定したとき、吸光度はいくらか。
解答
A1×1/3×2 = 2/3 A1
問題 3 抗血栓薬ワルファリンカリウムの 25.0μM 水溶液がある。この溶液の吸光度はいくらか。ただ
し、ワルファリンカリウム水溶液のモル吸光係数(ε)は 1.36×104 であり、測定セルの層長は 1cm で
ある。
解答
1.36×104×25.0×10-6×1 = 0.34
S- 4 -S
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蛍光分析法(蛍光光度法)
(局)
測定原理
・ 蛍光光度法は蛍光物質の溶液に特定波長の励起光を照射するとき、放射される蛍光の強度を測定す
る方法である。この方法はリン光物質にも適用される。
・ エネルギー:励起光>蛍光、極大波長(nm):励起光<蛍光、波数(cm-1): 励起光>蛍光
・ 励起スペクトル:510nm の蛍光を発するためには何色の励起光を照射すれば良いか分かる。
・ 蛍光スペクトル:465nm の励起光を照射すれば何色の蛍光を発するか分かる。
・ ある蛍光物質の蛍光強度 F は、蛍光量子収率φ、モル吸光係数ε、濃度 c、励起光の強度 I0、光路 l
としたとき、F = φ×k×I0×εcl(k は定数)である。
・ 蛍光波長は励起波長よりも長波長である。
(ストークスの法則)
測定装置
・ ランプ→スリット→励起側回折格子→セル→(直交)→蛍光側回折格子→スリット→検出器
装置には鏡をセットする事で励起側回折格子からセルまでの距離を長くし、波長精度を高め、器械
を小型化する。
・ 光源:キセノンランプ(高圧)
、アルカリハイドランプ、レーザー
・ セル:四面透明で無蛍光の石英製セル
四面透明なのは、①光源の光軸と検出器の光軸が直交しているため、②乱反射を避けるためである。
・ 検出器:光電子増倍管
蛍光強度に影響を与える要因 5 つ
・ 濃度:濃度消光(濃度が高いと光の強さが減る。蛍光分析法は感度が非常に高い。
)
・ クエンチャー:消光作用のある物質(常磁性を持つ金属)
・ 温度:蛍光強度は温度の上昇と共に減少する。
(温度一定の条件下で行う。高温の場合φが下がる。
)
・ 溶媒の影響:蛍光体分子⇔溶媒、pH
・ 光分解(キセノン光で試料がつぶれる→チョッパーで遮光)
化学構造と蛍光性
・ 共役二重結合系の構造
・ 分子全体が固定化している
・ 蛍光強度増強(電子供与性基) ⇔ 蛍光強度減弱(電子吸引性基)
測定操作と結果
・ 散乱光にはレイニー散乱光とラマン散乱光がある。
・ 無蛍光性物質は、官能基特異的蛍光誘導化試薬やキレート試薬と反応させ、高感度に定量できる場
合が多い。
(蛍光ラベル化剤、蛍光プローブ)
S- 5 -S
機器分析学 まとめ
演習問題
問題 1 蛍光光度法に関する記述について正誤を答えよ。
a 分子(物質)が、一重項励起状態(S1)から基底状態(S0)へ戻るときに発する光を蛍光という。
b 溶媒の種類、溶媒の粘度、測定温度、水素イオン濃度、蛍光物質の濃度のうち、蛍光スペクトルに影
響を与えないのは蛍光物質の濃度である。
c 励起されている蛍光物質はある強度の蛍光を発するが、光源を遮断しても蛍光強度は減衰することは
ない。
d 散乱光のうち、ラマン散乱光は、通常、励起光よりも長波長側にみられ、溶媒の種類、励起光の波長
により異なった波長に現れる。
解答
a 正しい。ルミネッセンスの現象を電子の動きから説明した文章である。
b 誤り。F = φ×k×I0×εcl より、濃度 c が変化すると強度が変わるのでスペクトルも変化する。
c 誤り。励起源からのエネルギーの供給を絶つとすぐに発光も止まる現象を蛍光という。
d 正しい。ストークスの法則に基づく説明である。
問題 2 ある蛍光物質の一定濃度 c の溶液の蛍光強度を測定したところ F1 であったが、次いで、測定セ
ルの光路長 l のみ 2 倍とした場合の蛍光強度 F2 は F1 に比べていくらになるか。
解答
F = φ×k×I0×εcl より、F と l は正比例の関係にあり、l が 2 倍になれば F も 2 倍になる。
よって、F2 = 2 F1 となる。
S- 6 -S
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原子吸光光度法
(局)
原理
原子吸光光度法は、光が原子蒸気層を通過するとき、基底状態の原子が特有の波長の光を吸収する現象
を利用し、試料中の元素量を測定する方法。原子吸光光度法はベールの式が成立する。
装置構成
・ 光源→試料原子化部→分光器→検出器→増幅器→記録部
・ 光源:中空陰極ランプ(ホローカソードランプ)
光源の特徴的な構成:ホローカソード(中空陰極;検体元素)
、Ar などの低圧不活性ガス
・ 分光器:回折格子
・ 検出器:光電子増倍管
試料原子化部:試料中の被検元素を原子蒸気にするところ。
フレーム方式:可燃性ガス(燃焼ガス)として、主としてアセチレンや水素などを、また支燃性ガス(助
燃ガス)として、主に空気や亜酸化窒素などを用いる。
フレームレス方式:電気加熱方式、冷蒸気方式(還元気化法および加熱気化法)がある。
フレーム法:試料溶液を霧状にして化学フレームに送り込む。
電気加熱炉法:試料溶液をグラファイト炉に注入し、電気的に加熱することにより原子化を行う。
メリット:試料の使用量が少ない。 デメリット:分析精度が低い。共存成分の干渉大
冷蒸気法:水銀に対する原子化の方法。最も高感度な水銀分析法のひとつ。還元気化法と加熱蒸気法に
分かれる。金と水銀の合金→(濃縮)→水銀アマルガム→(ヒーター:加熱)→水銀が蒸発する。
測定法 灰化:試料中の有機物の除去
乾式灰化(燃やす)
:簡単だが試料中に含まれる金属やハロゲンが有機金属化合物となり揮散する。
湿式灰化(酸化)
:硝酸、硝酸−硫酸、硫酸−過塩素酸を加え、低温で有機物を酸化分解。ロス少ない。
低温灰化(マイルドに燃やす)
:酸素の低温プラズマにより有機物を酸化除去。ロスが少ない。
定量法:次の 3 つの方法が用いられている。
① 検量線法、② 標準添加法、③ 内標準法
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機器分析学 まとめ
演習問題
問題 1 次の文章の正誤を答えなさい。
a 原子吸光光度法は、光が原子蒸気層を通過するとき、基底状態の原子が特有の波長の光を吸収する現
象を利用し、試料中の元素量を測定する方法である。
b 原子吸光光度法は、気化した原子の励起状態から基底状態への遷移に伴う光を測定する方法である。
c 原子スペクトルは、紫外可視分光スペクトルと同様に連続スペクトルである。
d 原子吸光光度法による定量は、紫外可視吸光光度法と同様にランベルト−ベールの法則に基づく。
e 高温のフレーム中で披検元素はすべてイオン化されて励起状態となる。原子吸光光度法で分析される
のは励起状態の原子だけである。
解答
a 正しい。原子吸光光度法は高感度に定量できるが、定性分析には適さない。
b 誤り。原子吸光光度法は、原子の外殻電子の励起に基づいて吸収される光の強さを測定する。
c 誤り。原子スペクトルは連続スペクトルを取らない。
d 正しい。吸光度は原子の濃度に比例する。
e 誤り。すべてイオン化されるとは限らない。
問題 2 次の文章の正誤を答えなさい。
a 試料の原子化にはフレーム方式とフレームレス方式がある。
b 電気加熱方式では発熱体に小さな黒鉛管を使用し、2000∼3000℃の高温となる。
c フレーム方式に比べ電気加熱方式の感度は 2∼3 倍に達する。
d 電気加熱方式は選択性が高く、共存成分による干渉は少ない。
解答
a 正しい。さらにフレームレス方式は電気加熱方式、冷蒸気方式に分けられる。
b 正しい。2000∼2800℃で原子化する。
c 正しい。狭い空間内で原子化→高原子密度→高感度
d 誤り。電気加熱方式は共存成分の干渉が大きい。
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機器分析学 まとめ
問題 3 次の文章の正誤を答えなさい。
a 分光器には、光源部、試料原子化部、分光部、測光部および記録部からなり、光源には水銀ランプが
用いられる。
b 光源部には中空陰極ランプ、放電ランプなどが用いられる。
c 原子スペクトルは各原子の固有のものであるから、原子吸光光度法において分光部は不要である。
解答
a 誤り。水銀ランプは水銀灯のことである。分光器の波長校正に用いられる。
b 正しい。
c 誤り。分光部があるからこそ原子吸光スペクトルが得られる。
問題 4 次の文章の正誤を答えなさい。
a 難解離性化合物の生成による干渉がある場合、水素・空気フレームを適用すると干渉が低減される。
b 定量するときには、絶対検量線法、標準添加法および内標準法を用いるが、干渉やバックグラウンド
の補正をする必要がある。
c 原子吸光光度法では、被検元素の試料中での存在状態に関する情報を、抽出法やクロマトグラフィー
などの分離手段と併用することなしに容易に得ることができる。
解答
a 誤り。
b 正しい。
c 誤り。原子吸光光度法はあくまで定量分析であり、試料中の被検元素量を測定する。
問題 5 金チオリンゴ酸(抗リウマチ薬)の定量に用いるのに最も適している測定法を答えよ。
原子吸光光度法
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ICP 発光分析法:高周波誘導結合プラズマ発光分析法
原理
・ 原子の発光による元素の定性・定量分析を行う。
(原子発光分析法の一種)
・ プラズマの熱により原子を励起する原子が基底状態に戻るとき発光
・ プラズマ:電子、原子、イオンが混在する高エネルギー状態
・ 波長(光の色)より定性を行う。
・ 発光強度より定量を行う。
測定装置 プラズマトーチ
プラズマガス(6000∼9000K)
:Ar+Ar+
キャリアーガス:Ar
冷却ガス:Ar →器械が溶けるのを防止
試料導入:試料溶液をアルゴンガスにより霧化して導入
特徴
・ 微量元素の定量が可能。
・ P、S、B、I なども測定できる。
・ 多原子同時定量が可能。
・ 高感度
・ 検量線の直線範囲(ダイナミックレンジ)が広い
・ 短所:冷却に多量の Ar ガスを消費する。
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旋光度測定法 (局)
原理
・ 立体異性体:同じ平面構造体を持つが、立体構造が異なる分子(不斉炭素を持つ分子)
・ 自然光:様々な光が入り混じった乱雑な光
・ 偏光:特定の方向に振動した光。その種類によって平面偏光と円偏光とに分けられる。
・ 平面偏光(直線偏光)
:電場スペクトルの振動方向と進行方向が一平面内にある光
・ 円偏光:電場(および磁場)の振動が螺旋状に伝播する。その回転方向によって、右円偏光と左円
偏光に区分できる。
・ 光学活性物質:平面偏光が、ある物質またはその溶液を通過した時、偏光面を回転させる性質(旋
光性)を持つ物質をいう。光学活性物質は右旋性または左旋性のどちらか一方のみで構成されてい
る。両者の等モル混合物の事をラセミ体という。
t
・ 比旋光度 [ ] x
100
lC
t:測定温度 (通例 20℃)
x:測定光波長 (通例 D:Na の D 線)
α:旋光度:偏光面を回転した角度
l:測定管の長さ(mm) (通例 100mm)
、
C:試料溶液 1mL 中の試料の g 数
測定装置 旋光度測定装置
・ 光源→(単色光)→偏光子→(直線偏光)→試料管→検光子→観測者
・ 光源:ナトリウムランプ D 線、水銀ランプ
・ 偏光子:方解石プリズム(平面偏光だけを通過)
検光子:方解石プリズム
旋光分散
旋光度が平面偏光の波長によって異なる現象→立体構造の研究
コットン効果:化合物の吸収帯のところで旋光度が著しく変化を示す現象
測定装置
・ 光源→分光器→(単色光)→偏光子→(直線偏光)→試料→検光子→検出器
・ 光源:キセノンランプ
円偏光二色性(円二色性)
立体構造の研究
キラル化合物が左右の円偏光に対するモル吸光係数の差に起因する現象。直線偏光を円偏光に変える性
質。円二色性の大きさは、分子楕円係数(θ)で表わす。
測定装置 円二色性測定装置
・ 光源→分光器→(単色光)→偏光子→(直線偏光)→円偏光変調素子→(左右円偏光)→試料→検出器
・ 円偏光二色性スペクトル(CD スペクトル)
:
円偏光の波長に対して、円偏光二色性の大きさ(通常はモル楕円率)をプロット
S- 11 -S
機器分析学 まとめ
問題 1 次の問題の正誤を答えなさい。
a 旋光性を持つためには、不斉炭素(キラル中心)を持たなくてはならない。
b 円二色性は左右円偏光の吸光係数の差に起因する。
c エナンチオマーを持つ化合物は常に旋光性を示す。
d 右旋性を示す D 体と左旋性を示す L 体は、それぞれ記号(+)
、
(−)で示すことができる。
解答
a 謝り。軸不斉の構造を持つ化合物は旋光性を有する。
b 正しい。
c 謝り。エナンチオマーの等量混合物をラセミ体といい、旋光性を示さない。
d 正しい。共に相対的配置を表わす符号である。
問題 2 次の問題の正誤を答えなさい。
a 旋光度は pH や溶媒によって変化するため、医薬品の純度試験には用いられない。
b 円二色性において分子楕円係数が正である場合は正のコットン効果、負である場合は負のコットン効
果を示す。
c 旋光度の測定には光源としてタングステンランプを用いる。
d 円二色性測定は非破壊的に行えるため、測定後に試料の回収ができる。
解答
a 謝り。pH や溶媒によって旋光度は変化するが、硫酸アトロピン中のヒヨスチアミンの純度試験に用
いられている。
b 正しい。
c 謝り。旋光度の測定にはナトリウムの D 線が用いられる。
d 正しい。
20
問題 3 L-トリプトファン(分子量 204.23、[ ]D :−30°∼−33.0°)0.50g を正確に量り水 20mL を加
え、加熱して溶かし、冷却後、水を加えて正確に 50mL とし、層長 100mm のセルを用いて測定すると
旋光度は(
)となる。
解答
L-トリプトファンの濃度は、 c
0.50 g
50mL
0.01 / mL 、 [ ]20
D :−30°∼−33.0°、l=100mm より、
[ ]20
D =−30°のとき
100 D
c[ g / mL] l[mm]
100 D
0.01 100
30
[ ]20
D :−33°
100 D
[ ]20
D
c[ g / mL] l[mm]
100 D
0.01 100
33
[ ]20
D
D
D
0.30
0.33
よって、L-トリプトファンの旋光度は−0.33°∼−0.30°である。
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機器分析学 まとめ
ふんまつ X 線 かいせつほう
粉末X線回折法
目的
・ 固体粉末が結晶であるか、非結晶であるかの判定。
・ 結晶多形、溶媒和結晶の同定、判定。
・ 結晶多形、溶媒和結晶の量的評価、結晶化度の測定
基本的な知識
・ 結晶多形:同一分子でありながら結晶内で分子の配列の仕方が異なるものをいう
・ 溶媒和結晶:溶媒分子を含んだ結晶
・ 同じ成分(ジェネリック)でも結晶多形および溶媒和結晶間が異なると、溶解度、溶解速度、経時
的安定性、バイオアベイラビリティー(薬の効き方)が異なる。
原理 ブラッグ反射
入射角θが、 2d sin
n (n 1,2 L) を満たすとき回折 X 線が観測される。
X 線の発生
・ X 線管
熱電子を電場より加速・対陰極に衝突させて発生させる。
・対陰極:銅 Cu(特性 X 線:Kα、Kβ)
X 線回折パターン図(横軸:回折角(2θ) 縦軸:回折 X 線強度)
結晶:各物質に特有の回折パターン
同一分子でも結晶構造が違うと、異なる回折パターンを示す。
非結晶:明確な回折パターンを示さない
S- 13 -S
機器分析学 まとめ
赤外吸収スペクトル測定法(IR)
(局)
原理
・ 赤外吸収スペクトル法は、物質に赤外線が吸収されることによって原子間結合の振動が変化する現
象を利用し、物質の化学構造の情報を得る方法。実際には、赤外線が試料を通過するときに吸収さ
れる度合いを、各波数について測定する。
・ 赤外線は、分子振動によって双極子モーメントが変化する場合に吸収される。
・ 波数が大きければ、エネルギーも大きくなる。
・ エネルギーの大きな順に、三重結合>二重結合>一重結合 → 右の吸収ピーク=結合力は弱い
・ エネルギーの大きな順に、軽い原子>重い原子 → 右の吸収ピーク=重い原子間振動
・ エネルギーの大きな順に、伸縮運動>変角運動 → 指紋領域=変角運動
・ 伸縮運動:原子間結合が伸び縮みする運動。エネルギーの大きな順に、対称伸縮<逆対称伸縮
・ 変角運動:原子間の結合角度が変わる運動。
測定装置
・ 分散型赤外分光光度計(ダブルビーム型)
:赤外線を直接試料に照射して透過光を測定するもの。
・ フーリエ変換型赤外分光光度計(FT‐IR)
:干渉現象を利用したものであり、透過光を測定するもの
の他に、反射光を利用する方法(全反射法;ATR 法、拡散反射法)がある。
分散型赤外分光光度計ダブルビーム型
・ 光源:グローバーランプ(炭化ケイ素:オーブントースターの上と下についている棒)
・ 検出器:サーミスター(温度変化→電気信号)
フーリエ変換型赤外分光光度計
・ 赤外線光源:グローバーランプ
・ ビームスプリッター:ハーフミラー
・ マイケルソン干渉計:可動鏡と固定鏡の位置関係により、波長に干渉が生じる。
・ レーザー光線:可動鏡とビームスプリッターの距離を測定
・ 検出器:サーミスター(温度変化→電気信号)
・ 回折格子を持たない。
原理
・ 赤外吸収スペクトル:各周波数ごとの強度を示したスペクトル(周波数対強度の関数)
・ インターフェログラム:各周波数スペクトル(時間対強度の関数)が重なったスペクトル
・ フーリエ変換:時間対強度の関数を周波数対強度の関数に変換する。つまり、インターフェログラ
ムを赤外吸収スペクトルにすることをフーリエ変換という。この操作はコンピューターが行い、フ
ーリエ級数を用いた近似である。
・ バックグランド測定→試料+バックグランド測定⇒試料のスペクトル
S- 14 -S
機器分析学 まとめ
特徴
・ 光の損失が少なく、高感度である。
・ 1 回の測定が短時間である。
・ 波長精度が良い。
・ 繰り返し測定しデータを積算することが可能なため、S/N 比が向上する。→ノイズが消える。
測定方法 固体、液体、気体のいずれも測定可能
・ 気体セル:気体の測定(薬として気体はほとんどない。例:麻酔薬など)
・ 液膜法:常温で液体を測定。スペンサーで液層を厚くする場合あり。
(組み立てセル)
・ 溶液法:固体を適当な溶媒に溶解して測定。試料調節に用いた溶媒を対照として測定する。定量分
析が可能である(固定セル)
。
・ KBr 錠剤法または KCl 法:少量の固体試料を 100 倍程度の KBr、KCl の粉末と粉砕混合し、錠剤に
形成して測定する。
・ ペースト法:少量の固体試料をめのう乳鉢を用いて微粉末とし、流動パラフィン(Nujol:ヌジョール)
を加えて試料ペーストを調製する。この試料ペーストを NaCl 板に薄膜状に挟み測定する。流動パラ
フィン(Nujol:ヌジョール)の吸収がスペクトルに現れる。
(組み立てセル)
・ 薄膜法:フィルム状の固体試料や窓板表面に固体薄膜を形成して測定する。
・ 減衰全反射法(ATR 法)
:ATR プリズムを用いて多重反射させ、表面分析を行う。不透明な試料に
適用。液体試料にも適用可能。
ATR プリズム:臭ヨウ化タリウム(KRS-5)→有毒、水に溶ける、柔らかい、割れやすい
セレン化亜鉛→水に不溶、水溶液に適用、強酸や強アルカリでは使用付加。脆い
・ 拡散反射法:ATR セルに、KBr などの粉末で希釈した試料微粉末を入れて測定する。測定試料のう
ち、KBr 錠剤法または KCl 錠剤法では不透明・散乱が多いために測定不可能な場合に適用できる。
吸収スペクトル
・ 縦軸は透過率(%)で、吸収される振動数は、波数(各波長を cm で表したときの逆数;cm-1)で表
され、カイザーと読まれる。
・ スペクトルの範囲は 4000∼400 cm-1 が最も一般的であり、その波長は 2.5μm∼25μm に対応する。
・ 特性吸収帯:官能基が特徴的な振動(グループ振動)が、赤外吸収スペクトルのある特定の領域の
吸収帯に対応している。この吸収領域はそれぞれの官能基に特徴的であって、他の官能基にあまり
影響を受けない。
・ 指紋領域:約 1300 cm-1 以下の低波数領域。分子のそれぞれの結合部位由来の振動がお互いに影響し
て(カップリング)複雑に混ざり合うため、その化合物に特有のスペクトルパターンを示す。
・ 赤外吸収スペクトルを定量分析に用いることはまれであるが、ベールの法則が成り立つ濃度範囲で
あれば、定量も可能となる。
・ 波数補正:ポリスチレンフィルムを用いて、測定した試料の波数を補正する。
S- 15 -S
機器分析学 まとめ
是非覚えておきたい伸縮振動
OH、NH:幅広 3600‐3300 cm-1
アミンの塩酸塩では 2600 cm-1 付近まで広がる。
C=O:強い 1800‐1720‐1650 cm-1
芳香環 C=C:鋭い 1600‐1500 cm-1
覚えておきたい伸縮振動
アルカン C-H:強い 2980‐1850 cm-1
アルケン(C=)C-H:鋭い 3100‐3000 cm-1
C-O:強い 1200‐1000 cm-1
C≡N:鋭い 2300‐2200cm-1
演習問題
a 赤外吸収スペクトル法は、分子の電子状態が基底状態から励起状態に遷移する際の光の吸収を利用し
たものである。
b 波数 2000 cm-1 の赤外線の波長は、200 cm-1 の紫外線の 400 倍である。
c 赤外吸収スペクトルにおける特性吸収帯は約 1300 cm-1 以上の領域であり、それ以下の波長領域は指
紋領域と呼ばれる。
d 赤外線吸収は、一定範囲濃度ではベールの法則に従う。
e 赤外線吸収スペクトル法では、非破壊的で測定後に試料の回収が可能である。
f 赤外線吸収スペクトルの範囲は一般に波数 4000∼400 cm-1 の範囲で測定され、その波長は 2.5μm∼25
μm に対応する。
g 有機化合物の水酸基の伸縮振動による赤外線吸収帯は、水素結合すると高波数側にシフトする。
h 赤外吸収スペクトルにおいて、OH、CH3、C≡C、C=O、および NO2 の原子間の伸縮振動に基づく吸
収帯を高波数から低波数側に順に並べると、OH > CH3 > C≡C > C=O > NO2 の順になる。
i C=O の伸縮振動に基づく吸収帯の波長は、共役系が入るとその程度に応じて低波数側へシフトする。
解答
a 誤り。IR の吸収は分子の原子間振動に起因している。
b 誤り。紫外線(波長:200nm)の波数は 500000 cm-1 である。
c 正しい。
d 正しい。
e 正しい。
f 正しい。
g 誤り。
h 正しい。
i 正しい。
S- 16 -S
機器分析学 まとめ
核磁気共鳴スペクトル分析法
NMR
原理
・ スピン量子数 I が 1/2 であるプロトン
(1H)
は、
外部磁場をかけるとエネルギー準位の分裂が起こる。
(=ゼーマン効果:外部磁場をかけると起こるエネルギー準位の分裂)
・ 分裂状態では、低エネルギー準位のスピン状態(外部磁場と同じ向き)と高エネルギー準位のスピ
ン状態(外部磁場と逆向き)の 2 つのエネルギー準位に分裂する。
・ このエネルギー差に相当するラジオ波(交流)を発振コイルより照射すると共鳴し、低エネルギー
準位のスピンの一部が高エネルギー準位へと遷移する。遷移したスピンが元のエネルギー準位に戻
る(緩和)ときにラジオ波を放出する。これを受信コイルで検出する。
装置の種類
CW-NMR(連続波法 NMR、Continuous Wave NMR) 初期
磁場を変化させながらある一定の周波数の電磁波を当て吸収量を測定する方法
FT-NMR(フーリエ変換 NMR、Fourier Transform NMR) 主流
パルス磁場を試料に当ててすべての核を一斉に励起し、その結果生じる磁化ベクトルの変化、すなわち
自由誘導減衰 (Free Induction Decay, FID) を測定し、これをフーリエ変換することで NMR スペクトル
を得る。
NMR で測定可能な核種
測定不可:12C、16O、28Si、32S
測定可能:1H、15N、19F、31P、13C、2H(D)、14N、23Na、39K、35Cl、79Br、25Mg
1
H-NMR スペクトルの測定
溶媒
1
H を 2H(重水素:D)に置換した溶媒を用いる。
有機溶媒:CDCl3、重水素化溶媒(重メタノール→メタノール D4)
、CCl4、CS2 など
水溶媒:D2O
共鳴周波数:1H に調節 (2H=D は測定されない)
NMR スペクトル
・ 横軸:化学シフトδ(ppm:10-6)→水素原始の官能基の種類や環境の違いが分かる。
・ 内部基準物質:化学シフトの基準となる物質
・ 縦軸:任意(単位なし)
・ シグナル面積強度:同種の水素原子数の比が分かる。
・ シグナルの分裂:鎖状構造では隣の炭素に結合している水素の数+1に分裂する。
隣の炭素に結合している水素の数が分かる。
S- 17 -S
機器分析学 まとめ
化学シフトδ
NMR スペクトルにおける吸収の位置
内部基準物質とシグナルの周波数の差[ Hz ]
106 ppm
測定器固有の周波数[ Hz ]
試料のプロトンの共鳴周波数[ Hz ] 基準物質のプロトンの共鳴周波数[ Hz ]
外部磁場[MHz ]
106
内部基準物質:できるだけ高磁場に 1 本のシグナルとして現れる。
TMS(テトラメチルシラン)
:有機溶媒系 CDCl3、CCl4 など
DSS(3-トリメチルシリルプロパンスルホン酸ナトリウム)
:水溶媒系 D2O
化学シフトを決定する要因 局所反磁性効果と磁気異方性効果
局所反磁性効果(電子による核の遮へい効果):電子密度の高い水素では外部磁場の影響が伝達されに
くい。その結果、励起するためには、より高エネルギーが必要となり、高磁場でシグナルが現れる。逆
に電子密度の低い水素では低磁場でシグナルが現れる。
磁気異方性効果:多重結合のπ電子雲により遮へいされる位置に存在する水素核は、より高磁場へシフ
トする。π電子の環電流により+側にプロトンがあるとき高磁場側に、−側にプロトンがあるときは低
磁場側にシグナルが現れる。
スピン−スピン結合
・ スピン−スピン結合の結果、注目している水素核のシグナルは隣接する基の水素核の数(N)に 1
を加えた数(N+1)に分裂する。
・ 分裂したシグナルは左右対称、相対強度は(a+b)n の展開式の係数項により与えられる。
スペクトルの解釈
低磁場側
二重結合
高磁場側
局所反磁性効果
磁気異方性効果
S- 18 -S
アルデヒド
カルボニル
機器分析学 まとめ
質量分析法 MS
特徴
・ 物質の正確な分子量や分子式がわかる。
高分解能質量分析計:ミリマスユニットまでの測定が可能
・ 分子構造の推定ができる。
フラグメントイオン:分子の骨格の推定
・ 分子中に存在する塩素、臭素の数を決定できる。
同位体存在量の多い原子:特徴的なピークの分布
・ 化合物の同定ができる。
標準品と比較する:同定
原理
ばらばらにイオン化した試料を加速し磁場中に放ち、検出器で飛距離を測定する。そこから、試料の質
量電荷比(質量を電荷の数で割った値)を求める。既知物質や未知物質の構造決定に用いる。
装置の基本構造
試料導入部、イオン化部、イオン分離部、イオン検出・記録部
イオン化法
・ 電子イオン化(EI) 装置:熱電子流、フィラメント
高速の熱電子を気化された試料に衝突させて、分子から電子を追い出してイオン化する。熱に不安
定な物質や高分子には適用不可。必ずしも分子イオンが得られるとは限らない。
・ 化学イオン化(CI)
試料ガス(メタン、イソブタン、アンモニアなど)→イオン群
試料ガスを電子衝突して得られる反応イオンで試料分子をイオン化する。熱に不安定な物質や高分
子には適用不可。IE に比べてイオンが得られやすい。
(ソフトイオン化法の基礎)
・ 高速原子衝撃イオン化(FAB)
ねんちゅうせい
グリセロリンなどのマトリックスと呼ばれる粘 稠 性液体と試料をホルダーに塗布し、これが Ar や
Xe の高速原子を衝突させイオン化する。難揮発性、熱に不安定な物質や分子量が 5000 までの高分
子にも適用可能(ソフトイオン化法の基礎)
・ マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)
マトリックスを介したレーザー脱離によるイオン化。試料を特定波長のレーザー光に吸収するマト
リックス中で結晶化させ、そこにパルスレーザーを当てる。難揮発性、熱に不安定な物質や分子量
が 10 万以上の高分子にも適用可能(ソフトイオン化法)
大気圧下でも行えるイオン化法
・ エレクトロスプレーイオン化(ESI)
・ 大気圧化学イオン化(APCI)
S- 19 -S
機器分析学 まとめ
質量分析計の種類
主にイオン分離機構の違いによる。
・ 磁場変更型質量分析計
・ 四重極型
・ 飛行時間型
・ 二重収束型(高分解能型)
質量スペクトル
質量スペクトルは、横軸に m/z、縦軸にイオン量をとり、最大のイオン量を示すイオンのピーク(基準
ピーク)の強度を 100 として、各イオンはその相対強度で示される。
(横軸=m はダメ!)
ピークの種類
フラグメントイオンピーク:分子のかけらの重さ。
基準ピーク:相対強度の最も大きなピーク。相対強度 100 とする。
分子イオンピーク:分子から電子を 1∼2 個除いた分子イオンピーク→分子量を求めることができる。
同位体ピーク:同位体によるピーク。臭素や塩素原子を含む分子で顕著に観察され、分子中でのそれら
の原子および数が分かる。
同位体ピークの強度比=(a+b)n:a:原子(軽)の存在比率、b:原子(重)の存在比率、n:原子の数
開裂部位
・ 二重結合アリル位
H2C CH CH2
R
H2C CH CH2
R
・ 芳香環β位
CH2
CH2
R
GS-MS
R
ベンジルイオン
ガスクロマトグラフィーと質量分
R
トロピリウムイオン
析の組み合わせ
2 段ジェットセパレーターを用い
る。
・ 枝分かれ部
R1
R1
R2
C
>
R2
C
H
R3
LC-MS
R1
>
液体クロマトグラフィーと質量分
H C
析の組み合わせ
H
エレクトロスプレーイオン化
( ESI ) や 大 気 圧 化 学 イ オ ン 化
R
R
S- 20 -S
(APCI)を用いる。