CSRレポート 2016

CSRレポート 2016
2015年4月 2016年3月
CSR
Report
2016
社長からのメッセージ
このたびの「熊本地震」により被災された皆様
どCSRに関してもさまざまな取り組みを行ってまい
には、謹んでお見舞い申しあげます。一日も早い
りました。
復興を、心よりお祈り申しあげます。
ここに、
当年度における当社グループのCSR
帝国ホテルは、
1890
(明治23)年に日本の迎
活動を、
「CSRレポート2016」
としてまとめました。
賓館として誕生し、国際的ベストホテルとして国
今後とも良き社会の一員として、健全な事業活動
際社会に貢献することを創業よりの理念としてい
に基づいたCSRを、全社をあげて推進してまいり
ます。以来、
日本のホテル業界のリーディングカン
ます。
パニーとして、社会に貢献してまいりました。
帝国ホテルグループでは、
健全な事業活動を通
じて利益の最大化を図るだけでなく、企業として
の信頼性を高めるべく、安全性、
コンプライアンス、
環境に対する配慮、社会貢献など、経済・環境・社
会に対する責任を果たす活動を行っています。
2015年度は、帝国ホテル開業125周年、大
代表取締役社長
阪開業20周年を迎え、記念催事の開催や各種
さ だ や す
ひ
で
や
定保 英弥
記念商品の販売、
さらに、
ダイバーシティの推進な
1
企業理念
帝国ホテルの企業理念
帝国ホテルの行動指針
帝国ホテルは、創業の精神を継ぐ日本の代表ホテル
●
私たちは、
その伝統を十分認識し、
お客様の要請を発
想の原点として、提供する総てのサービス、技術の向
であり、国際的ベストホテルを目指す企業として、最も
上改善に徹し、
新しい価値の創造に努める。
優れたサービスと商品を提供することにより、国際社会
私たちは、
創意工夫と挑戦の精神を尊重し、
かつ協調と
の発展と人々の豊かでゆとりある生活と文化の向上に貢
●
調和の態度を貫くことにより総合力の向上を追求する。
献する。
●
ホテル業が、人を原点とすることを正しく理解し、規範
たるホテル十則の導く行動に徹する。
企業統治
コーポレートガバナンス体制
コンプライアンス
CSRを推進する上で基本となるコンプライアンスにつ
株主総会
選任
選任
いては、
「リスク管理委員会」、
「食の安全と信頼委員会」
選任
など組織的な体制を機能させています。
当年度は、上級職を対象にインサイダー取引に関
監査
取締役会
内部統制部
経営会議
(内部監査)
常務会
リスク管理
委員会
各部門
食の安全と
信頼委員会
連携
する法令などについての研修を実施し、また帝国ホテル
監査役会
グループ全従業員を対象にコンプライアンス研修を実施
しました。コンプライアンス研修においては、コンプライ
監査役付
使用人
環境委員会
アンス違反により発生するリスクや内部通報制度につい
連携
て、また個人情報保護など多岐にわたる内容の研修を
監査
実施しました。こうした研修などを通して、当社グルー
会計監査人
プ全体に法令順守の徹底を浸透させています。
2
社会とともに
ボール」などが提供されました。今後もこうした活動を通
社会貢献
じて被災地の支援を行ってまいります。
東日本大震災復興支援
●ベルマーク活動
●東日本大震災被災地復興支援ツアーの継続
従業員のボランティアにより収集したベルマーク4万点
被災地支援の一環として、
7月初旬に一泊二日の日程
を、
「ベルマーク財団」を通じて、東日本大震災で被害に
で「東日本大震災被災地復興支援ツアー」
を4回開催し、
あった石巻市内の小学校に寄贈しました。
121名の従業員が参加しました。今回は陸前高田を経由
●第6回帝国ホテル落語会
し、大船渡津波伝承館で震災当時の映像を見ながら体
3月21日に、桂文枝さん、三遊亭好楽さん、春風亭小
験談をうかがいました。
朝さんによる
「第6回帝国ホテル落語会」を開催し、
この
震災からすでに5年が経過した今も完全復興とは言い
売上の一部を
「東日本大震災義援金」として寄付しま
難い状況です。
これからも被災地の復興を願い、
引き続き
した。
支援を行ってまいります。
●「料理ボランティアの会」活動
社会福祉活動
「料理ボランティアの会」は食を通じて災害からの復興
●サンタクロースの病院・養護施設訪問
を支援する団体で、調理部のスタッフが参加し、被災地で
東京・大阪において、
クリ
の交流会などを開催しています。
スマス時期にサンタクロース
8月には会の活動10周年の記者会見が日本記者クラ
と当社従業員が、病院や養
ブで行われ、
田中健一郎総料理長はじめ、所属する各ホ
護施設を訪問し、病気や障
テル・レストランから代表者25名が集まり、会の成り立ちや
がいを持つお子さんたちに
これまでの活動を報道陣に紹介しました。
9月に帝国ホテ
楽しいひと時を過ごしてもら
ル東京において開催された
いました。
「活動10年記念 料理ボラ
ンティアの会 チャリティ食事
サンタクロースの病院慰問
地域社会との共生
会」には520名の方々が集
い、被災地の食材を使用し
●日比谷
たメニューや、参 加ホテル
7月中旬から8月末にかけて、近隣施設と合同で「打
が共同で作った「特製ミート
打ち水月間
ち水」を行いました。
2011年に5施設で始めた打ち水
チャリティ食事会
3
は、今では16施 設 が 参 加し日
●省エネルギーチーム
比谷の街に涼を届けています。
省エネ活動の内容と成果を社内に広める取り組みを
打ち水には当社タワー客 室の
推進することで、一人ひとりの環境配慮意識を高めてい
浴室や洗面所で使用された水
ます。夏季節電期間、冬季節電期間での省エネへの取
を浄化した「中水」を使用し、環
り組みや、
日常での省エネ意識を啓発するため、
ポスター
境にも配慮しています。
●地域への貢献活動
の掲示や各職場の省エネ実施状況の調査を行いまし
た。
また、
ハード面では、LEDの導入を進めています。
日比谷 打ち水月間
恒例となった8月の「日比谷公園丸の内音頭大盆踊り
●フェニックスチーム
大会」は、今回で13回目を迎えました。帝国ホテルは発足
ごみの削減とリサイクルの促進に向け、従業員一人ひ
よりこの大会に協賛しています。
とりの地道な取り組みを呼びかけ活動を広げてきました。
また、
「従業員とともに」推進
してきたアルミ缶分別リサイ
環境対策
クルでは、
リサイクルから得
当社グループでは、社長を委員長とする「環境委員
内の花壇管理を開始し、地
会」の下に「グリーンチーム」を設置し
『中期環境ビジョ
域・環境への貢献活動に発
ン』に基づき活動を行っています。当年度は、次のような
展させることができました。
た収益で日比谷公園敷地
活動を推進しました。
日比谷公園の花壇管理
●グリーン購入チーム
●グリーンチーム
環境配慮商品への切り替えを促進しています。仕入
「お客様とともに」行う環境活動として、帝国ホテルグ
先の企業との協働により、
スリッパやヘアブラシなどの客
ループの各ホテルで主催するイベントで、
グリーン電力を
室アメニティを分別回収してリサイクルする取り組みや、
積極的に活用しました。
また、
帝国ホテル東京の駐車場ビ
宴会やレストランで使用された紙製コースターのリサイ
ルに設置した電気自動車充電設備の電気は、
100%グ
クルを開始しました。
また、
ガルガンチュワの新商品やレ
リーン電力を使用しています。上高地帝国ホテルでの生
ストランの催事パンフレット類、婚礼用の印刷物などに、
ごみリサイクルの実施、
環境イベントの開催、
「上高地を美
FSC認証紙の利用を促進しています。
しくする会」への参画など、
グループ全体で環境活動を広
*F SCは、
木材を生産する世界の森林と、
その森林から切り出された木材の流通や
加工のプロセスを認証する国際機関。
げています。
4
お客様とともに
お客様の安全と安心のために
●「プリ
・ヴィレジアトゥール」最優秀アジアホテル賞部門で
グランプリ
●応急手当奨励事業所に認定・AEDの増設
ホテルの国際コンクール「プリ
・ヴィレジアトゥール
(Prix
Villégiature)
」最優秀アジアホテル賞部門で2015年度
お客様、従業員の生命を守るべく、応急救護講習を定
グランプリに輝きました。
期的に実施しています。
フランス人のレミー・ル・リエーヴル夫妻によって運営され
東京では、
12月に従業員の30%以上となる約400名
ているこのコンクールは、今回
が有効資格者となり、東京消防庁が定める応急手当奨
で13年目を迎える名誉ある賞
励事業所の認定要件を満たしたことで、丸の内消防署よ
です。
当社は、開業から125年
り
「救命講習受講優良証」が交付されました。
にわたる歴史の中で培われた
また、東京においてAEDを各所に増設し、現在は64
サービスや、エピソードが数多
台設置しています。
く存在するストーリーのあるホ
テルとして評価されました。
●会員組織満足度調査での受賞
受賞記念プレート
顧客満足度に関する調査・コンサルティングの国際的な
専門機関J
・D・パワーアジア・パシフィックが初めて実施した、
応急救護講習
「2015年 日本ホテル会員プログラム顧客満足度調査」に
応急手当奨励事業所に認定
おいて、顧客組織「インペリア
ルクラブ」が1位となりました。
当社の会員向けのさまざまな
さらなる顧客満足度の向上
サービスが、
第三者調査機関
より高く評価されました。
●2015年度JCSI
(日本版顧客満足度指数)調査結果
●さすが帝国ホテル推進活動
サービス産業生産性協議会によるJCSIの調査結果に
J・D・パワー社より受賞
おいて、引き続きシティホテル業種で第1位を獲得しまし
お客様の期待を上回るサービスを行い、
「さすが帝国ホ
た。
この調査が開始された2009年より、連続7年顧客満
テル」
と評価していただくために、
「さすが帝国ホテル推進
足度で1位を獲得しました。帝国ホテルの高品質なサー
活動」
を行っています。
例年夏期に年間大賞を表彰しサー
ビスが高く評価されています。
ビスレベルの向上を図っています。
5
株主の皆様とともに
帝国ホテルグループは、株主・投資家の皆様のご期
とし、業績を勘案して、株主様への利益還元に努めてお
待にお応えすべく努力を続けています。
ります。
安定配当 帝国ホテルは、長期にわたる安定的な経営
平成27年度の年間配当金
基盤の確保による安定配当の継続を経営の基本方針
中間 6円
期末 9円
(開業125周年記念配当1円を含む)
従業員とともに
●障がい者雇用
●田中健一郎総料理長が「現代の名工」
を受賞
当社では、障がいを持つ方の担当職種を拡大するなど
田中健一郎総料理長が2015年度の「現代の名工」
障がい者雇用を推進し、法定雇用率を上回る雇用を行っ
を受賞しました。卓越した技能や「料理ボランティアの
ています。
会」の会長を務めるなどの社会貢献が高く評価されま
●ダイバーシティの推進
した。
多様な価値観を受け入れるとともに、
事情のある方々
(時
●調理・製菓コンクールでの活躍
間に制約のある方、
障がい者、
外国人など)
が、
能力を最大
1月、
イタリア・
リミニで開催された「ペストリー・クイーン」に
限に発揮できる環境整備を推進するため、
4月にダイバー
日本代表として出場した製菓スタッフが準優勝しました。
当
シティ推進室を新設しました。
さらに2016年度は、女性活
社でも女性パティシエの活躍の場が広がることが期待され
躍推進法への対応や働きやすい職場環境作りに向け、実
ます。
効性のある研修や情報発信などに取り組んでまいります。
また、
8月に米国アトランタで開催された「ペストリー・ラ
イブ ショーピーズ・チャンピ
●従業員を支援するさまざまな研修の実施
オンシップ」で、
日本代表と
従業員一人ひとりがキャリアアップを図るための研修やセ
して出場し、優勝しました。
ミナーを実施しています。当年度は、
「節目年齢別研修」を
大阪では、
調理スタッフが
初めて取り入れました。職場のリーダーとして活躍しながら
「ボキューズ・
ドール国際料
も迷いが生じる35歳、仕事人生の折り返し点の43歳、
リタ
理コンクール国内予選」で、
イア後の人生設計を考え始める55歳の、
それぞれの従業
第3位に入賞しました。
員を対象に、
次へのステップのきっかけ作りを提供しました。
6
「ペストリー・クイーン」での受賞
帝国ホテル125年の沿革
帝国ホテル東京
帝国ホテル大阪
上高地帝国ホテル
帝国ホテル開業
1923年 9月 ライト館落成
関東大震災発生
1933年 10月 上高地帝国ホテル開業
1945年 9月 連合軍の宿舎として接収される
1952年 4月 自由営業再開
1958年 8月 インペリアルバイキング営業開始
1961年 10月 東京証券取引所市場第二部に上場
1967年 11月 ライト館閉鎖
1970年 3月 新本館
(現本館)開業
1971年 11月 フードストア
「ガルガンチュワ」開店
1983年 3月 インペリアルタワー
(現帝国ホテルタワー)開業
1990年 11月 開業100周年
1996年 3月 帝国ホテル大阪開業
2000年 11月 開業110周年、
ザ・クレストホテル柏開業
2002年 3月 本館屋上緑化計画工事完了
2003年~
「21世紀プロジェクト」の実施
1890年 11月
●主な改修
客室改装
インペリアルバイキング サール、
インペリアルラウンジ アクア改装開店
2005年
レ セゾン改装開店、
フロントカウンター改修
2006年
孔雀の間・
2階厨房改修
2007年
パークサイドダイナー開店、
富士の間・
3階厨房改修
2008年
光の間・厨房改修
2009年
ブライズサロンオープン、
宴会レセプション改装
2005年 11月 黒田慶樹様と内親王紀宮清子様の婚礼が行われる
2009年 4月 ハワイの名門ホテル
「ハレクラニ」
と提携
2010年 11月 開業120周年
LHW総会が開催される
2011年 3月 東日本大震災発生
2012年 10月 IMF
・世界銀行年次総会が日本で開催され、
東京国際フォーラムとともに帝国ホテル東京がメイン会場となる
2013年 9月 ライト館誕生から90年・帝国ホテルアーケード開業90周年
10月 上高地帝国ホテル開業80周年
2015年 11月 開業125周年
2016年 3月 帝国ホテル大阪開業20周年
2003年~
2004年
株式会社帝国ホテル 総務部
〒100 - 8558 東京都千代田区内幸町1- 1- 1
TEL(03)3504 -1111 URL http://www.imperialhotel.co.jp