15/12/04 (1)分野の概要 2.発達心理学 (1)分野の概要 (2)有名な人々 (3)研究例 (1)分野の概要 • 研究テーマ 実に多岐にわたる。 胎内環境の胎児への影響、家族の機能、言語 の獲得(認知発達)、対人関係、子供同士の 人間関係、性格の形成、ジェンダーの発達、 育児の文化、教育、青年期心性、高齢期心 性、などなど (1)有名な人々 Jean Piaget, 1896-‐1980 「発生的認識論」 認知発達と科学史の統合。 生物学(10歳で最初の論 文)から出発し、ベルグソン 哲学等の影響下で、壮大な 理論体系を構築。日本では 早くから紹介され、発達心 理学の代名詞となる。 • 定義 「受胎から死に至るまでの生体の心身の形態 や機能の成長・変化の過程、これに伴う行動 の進化や体制化の様相、変化を支配する機 制や条件などを解明し、発達法則の樹立をめ ざす心理学の一分野」(柏木、2005) *生まれる前も含む(周産期の研究) *児童、青年、成人、老年、すべて含む。 (1)分野の概要 • 歴史的経過 (1)「こども」の発見(17世紀後半以降) (2)アメリカにおける「児童学」の成立 (3)精密な方法論の導入による「児童心理学」 の成立 (4)「生涯発達心理学」としての発達心理学 *進化論と発達心理学の微妙な関係・・・ (2)有名な人々 • Henri Wallon, 1879-‐1962(仏) • 言語の根には身体と情動 があると主張し、ピアジェ と対立。マルクス主義者。 • 従軍医師、レジスタンス運 動、重度障害児の教育。 • やはり早くから翻訳が出た。 1 15/12/04 (2)有名な人々 • Lev Vygotsky, 1896-‐1934(露) • 子供の最初の言語は社会的 なものである。それが内化して 思考となる。 • 帝政ロシアの崩壊を目撃し、 早死。その後政権に批判され、 忘却される。 • 近年、再評価が著しい。 (3)研究例 • 自己認知の発達 • 自分が自分であるとい う理解は、いつ頃、い かにして成立する? • 「鏡映像パラダイム」を 用いた実験 • Gallup(1977):チンパン ジーの行動を10日間 観察 (3)研究の例 • では、ヒトの幼児は? • Amsterdam (1972) 生後三ヶ月~六ヶ月:「他者」への反応が多い。 12ヶ月頃:鏡像をいやがる。 18ヶ月頃:自分の体に向かった反応が現れる。 (2)有名な人々 • Jerome Bruner (1915-‐) 教育心理学者、発達心 理学者。 認知心理学と文化心理 学の先駆者。 20世紀の大心理学者の 一人。 「発見学習」の提唱者。 (3)研究の例 • Gallup(1977):チンパンジーが寝ている間に、 鼻に赤インクを塗る。 • 目が覚めたら鏡を見せる。 • 即、自分の鼻を触る。=鏡像が自分だとわ かっている。 • チンパンジー以外のサルや、ネコやイヌでは こうした行動は生じない。 (3)研究例 Lewis and Brooks (1975) 乳児の鼻に赤い唇を塗る。 自分の鼻を触る反応 9から12ヶ月:ゼロ 15から18ヶ月:25% 21から24ヶ月:75% 2 15/12/04 (3)研究例 • Gallup (1970) • 隔離飼育されたチンパ ンジーは、鏡を見ても自 分の鼻を触らない。 =自己の認知には他者と の接触が不可欠? 3
© Copyright 2024 Paperzz