魚沼市スキー場再編計画[PDF:465KB]

魚沼市営スキー場再編計画書
平成21年12
平成21年12月
12月
魚
沼
市
目
次
1.はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2.目 的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
3.市営スキー場の現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.市営スキー場の現状と課題
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
(1)市営スキー場の現状
市営スキー場の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)
市営スキー場の現状
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
(2)各スキー場の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)各スキー場の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
4.検討
検討の前提
の前提・
・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4.
検討
の前提
・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・ 8
.魚沼市における
におけるスキー場のあり方・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.魚沼市
における
スキー場のあり方・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
.具体的な取組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・1
6.具体的な取組み
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・
11
7.再編後の施策展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
再編後の施策展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
・・・・・14
《資料編》
資料編》
資料1 須原スキー場収支見込
資料2 市町村別スキー場別入り込み状況
資料3-1 大湯温泉スキー場
資料3-2
資料
3-2 薬師スキー場
資料3-3 小出スキー場
資料3-4 須原スキー場
資料3-5 大原スキー場
市営スキー場の推移等
資料3-6 市営スキー場
の推移等
参考資料
参考資料 各スキー場による経済効果
1.はじめに
平成 16 年の市制施行から 5 年が経過しましたが、この間、中越大震災をはじめ
とした相次ぐ災害への対応や旧町村から引き継いだ建設事業など、歳出の増加要素
が重なったことや合併による急激な変化を避けてきたこと、また、旧町村地域間の
均衡ある発展をめざして各種施策に取り組んできた関係で、「究極の行政改革」と
いわれる自治体合併による効果を引き出せないまま今日に至っております。
合併効果の一例として公共施設の集約化が挙げられますが、公共施設については、
本来一つの自治体に一つあれば足りる施設が、合併したことにより複数を抱えるこ
とになり、本市ではこれら重複施設を未だに多く有していることから、公共施設の
集約化と機能強化などが求められているところです。
観光施設、とりわけスキー場については、スキー人口の減少化傾向に加えて深刻
な経済不況や多様化する余暇活動など、経営環境が非常に厳しい状況に置かれてい
ることもあり、全ての施設をこれまでと同様に維持していくことが極めて困難な現
状にあるため、可及的速やかに施設再編を進めなければなりません。
財政基盤が弱い本市にあっては、現在、公共施設に限らず事務事業にしても類似
団体と比較してみると格段に多い状況であり、「身の丈を超えた」歳出財政規模と
なっていることは明らかであることから、将来に向けて末長く持続できる市政展開
を図るためには、今後、「選択と集中」を進めながら次世代への負担の抑制に努め
なければならないと考えます。
- 1 -
2.目
2.目 的
現在、本市には6つのスキー場が存在していますが、そのうちの5施設を市が経
営しています。この中には、かつて民間が経営していたものの経営環境の悪化によ
り市(当時の旧町村)が移譲の受け皿にならざるを得なかった事情をもつものもあ
ります。
その背景として、冬期における雇用確保の問題や地域経済への影響に対して政策
的に配慮したことが深く関わっており、こうした止むを得ない事情や地域の特殊性
があったことから “民間ができることは民間に”とする現在の潮流に逆行して、
本来、行政が行うべきでない業務を市が担っている状況にあります。
夕張市では、同じような事情で政策的に雇用確保や地域経済活性化を観光産業・
レジャー産業に求めた結果、ご承知のとおり財政破たんを招く結果となりました。
財政事情が厳しい本市においても、市営スキー場がいずれも巨額の赤字を抱えなが
ら営業を続けている現状を踏まえると、今後も従来と同様の政策を進めることにつ
いては相当なリスクを伴うため、早急に市民への負担転嫁を避けるための措置を講
じる必要があります。
スキー場全般についていえば、近年、経営環境の悪化から全国的に閉鎖や経営統
合が多くみられるようになりました。
これまで、市営スキー場については地域経済の振興や市民の生涯スポーツ推進を
牽引する役割を担ってきましたが、今後の市営スキー場のあり方を検討するにあた
っては、これからの観光振興やスポーツ振興の方向性等を見据えながら様々な側面
から検証を加えるなど、ゼロベースから見直しの議論をスタートしなければなりま
せん。
この報告書は、今後の市内産業への影響に配慮しつつ、財政負担の抑制に向けた
スキー場の配置方策を示す目的で作成しました。現在、民間(経営)の受け皿が見
込みにくい状況にあって、市としてどのような方針をもってスキー場の経営に関与
するのか、また、市営スキー場そのもののあり方はどうあるべきかという観点から
検討を重ね、具体的な施設再編の道筋を示しました。
- 2 -
3.市営スキー場の現状と課題
3.市営スキー場の現状と課題
(1)市営スキー場の現状
市営スキー場は、それぞれが合併前町村時より地域産業の一翼を担い、冬期間に
おける地域産業の活性化や雇用の確保、また地域の賑わいの創出など、地域振興を
図るうえで重要な役割を果たしてきました。
一方、全国でも有数の豪雪地帯のこの地にとって、スキーは冬季スポーツのメイ
ンであり、スキー場は重要な冬のアウトドア施設であることから、子供たちのスキ
ー授業をはじめ、家族のふれあいの場、市民の生涯スポーツの場として、また冬期
間の健康づくり・体力づくりの場としても親しまれています。
国内のスキー場産業においては、バブル崩壊以降スキー人口が減少傾向にある反
面、スキー場が減らないことにより供給過剰になっています。加えて昨今は、スキ
ー以外のレジャーの多様化など余暇を楽しむアイテムの増加などが、全国的にスキ
ー人口の減少に拍車をかけている状況にあります。
こうした近年のスキー人口の減少は、魚沼市内にあるスキー場においても例外で
なく、平成8年度には20万人台であった利用客数も10万人台前後にまで落ち込
んでいます。
市営スキー場についていえば、平成13年度は10万人強あった利用客も、平成
20年度は7万人台まで落ち込み、年々減少傾向にあります。
(千人)
250
市内スキー場入込客数の推移
200
150
100
50
0
H4
H6
H8
H10
H12
H14
H16
H18
H20
また、経営状況については、5つの市営スキー場とも近年、支出が収入を上回っ
ており赤字状態が続いています。収入面では利用客数もさることながら、近年の少
雪の影響でリフトの稼働日数が減っていることにより伸び悩んでいます。支出面に
- 3 -
ついては、施設・設備が老朽化するにつれ修繕費や管理費が増加傾向にあります。
その中でも、安全管理のためリフトの補修や圧雪車の点検整備、ゲレンデの点検整
備は毎年欠かせないものとなっており、シーズン中は利用者が少なくてもリフトを
稼動したり、雪が降れば圧雪を行わなければならないため、毎年多大な経費を負担
しています。また、リフトや圧雪車については、毎年の維持管理のほかにも、耐用
年数経過により大規模改修が必要になることから、数年に一度は突出して経費が掛
かることになります。
平成16年の合併以降、旧町村のスキー場を引き継ぐことになりましたが、旧町
村時代におけるそれぞれの経営手法をそのまま引き継いできたことから、スキー場
間の連携がうまくとれていなかったため、合併効果が活かされていない現状にあり
ます
(2)各スキー場の現状
①
大湯温泉スキー場
◆施設概要
・市営スキー場の中では一番小規模なゲレンデ(1.5ha)
・リフトは1基(ペアリフト)、コース数4
◆利用者動向
・利用客数は市営スキー場の中で最も少ない。(過去8年平均4,170
人)
◆経営状況
・直近3年間は毎年300万から400万の赤字が続いている。
温泉地に開設され、ファミリー客が多いもののゲレンデが急傾斜で狭いため、
初心者には不向きです。駐車場の収容台数も50台程度しかなく市営スキー場の
中ではゲレンデも含め一番小規模となっています。
これまで経営は、索道事業以外を大湯栃尾又温泉旅館協同組合に委託してきま
した。なお、収入はリフトが1基しかないことから索道収入の少なさが顕著とな
っていますが、積雪量には問題がないため3月までの安定した営業が可能です。
- 4 -
②
薬師スキー場
◆施設概要
・リフト1基(シングルリフト)、コース数4
◆利用者動向
・平成18年度までは年々減少傾向。19年、20年は微増。
(過去8年平
均13,596人)
◆経営状況
・直近3年間は400万から500万の赤字が続いている。
ゲレンデが北向きで雪が着きやすいものの、少雪の影響を受けやすいスキー場
といえます。日帰り温泉が隣接しており利用客は地元中心の客層が全体の8割以
上を占めます。
経営は、索道事業以外を湯之谷薬師スキー場管理組合に委託しています。リフ
トについては市内スキー場の中では最も古く(昭和55年運転開始)、修繕費が
増加傾向にあります。さらにシングルリフトのため、利用客からも不安の声が多
く寄せられています。
収入は、リフトが1基しかないことが索道収入の少なさとなって表れており、
地元の利用者(小中学校スキー授業、スポーツ少年団等)が多いことに起因して
客単価も市内スキー場で一番低くなっています。
なお、文京区やまびこ荘を誘致する際、スキー場等の交流施設の整備が条件と
なった経緯があります。
③
小出スキー場
◆施設概要
・リフト3基(ペアリフト3基)、コース数6、ナイター設備有
◆利用者動向
・少雪の影響を受けやすく、年々減少傾向にある。
(過去8年平均17,2
43人)
◆経営状況
・直近3年間は1,600万から1,700万の赤字が続いている。
市営スキー場の中では最も歴史のあるスキー場です。薬師スキー場と同様に少
雪の影響を受けやすいスキー場といえます。日帰り温泉が隣接しており、利用客
の9割以上が地元のファミリー層です。また、地元小中学校のほかに小出高校も
スキー授業で利用しています。
経営は直営で行っておりますが、赤字が増加傾向にあり、特に人件費が収入を
- 5 -
上回っている状態が続いていることから、支出の中でも人件費が突出している状
況にあります。
収入については、利用客の減少に伴い1,000万円前後で推移が続いていま
す。
なお、現状では、駐車場や無料休憩所、食堂のスペースが不足しています。
④
須原スキー場
◆施設概要
・リフト4基(フード付きクワッドリフト1基、ペアリフト3基)、コース
数9、ナイター設備有(要予約)
・市営スキー場では一番大規模なゲレンデ(70ha)
◆利用者動向
・年々減少傾向にある。(過去8年平均45,184人)
・スノーボードの利用客が5割強
◆経営状況
・直近3年間は4,300万から6,700万の赤字が続いている。
市営スキー場の中では集客、ゲレンデ施設ともに一番大きいスキー場です。し
かし、規模の大きさに応じて人件費や管理費等の支出も他のスキー場に比べて圧
倒的に負担が大きくなっています。
経営については、平成14年までは守門観光開発㈱が行っており、平成15年
からは会社の解散により旧守門村に経営が移譲されました。現在も食堂やレンタ
ルスキーも含めて直営で行っていますが、収支赤字が増加傾向にあります。また、
索道施設の老朽化に伴い管理費、修繕費の増加が懸念されています。
利用客は年々減少傾向にありますが、市内の小中学校をはじめ市外の小中学校
もスキー授業で多く利用しています。
メインリフトであるクワッドリフトは、運転開始後20年余りが経過し、耐用
年数を迎えている設備もあるため、今後整備費が増加していくことが懸念されま
す。さらに、クワッドリフトについては、強風の影響を受けやすい構造になって
いるため、営業に支障が生じることが問題となっています。
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⑤
大原スキー場
◆施設概要
・リフト2基(ペアリフト2基)、コース数6
◆利用者動向
・毎年1万人前後で推移している。(過去8年平均10,284人)
・各種スキー大会が多く開催されている。
◆経営状況
・直近3年間は1,600万から2,100万の赤字が続いている。
魚沼市の一番奥に位置しているため、積雪量が十分にあり、他の市営スキー場
より一足早くオープンできることが特徴です。4月から5月まで滑走可能であり、
営業期間は市営スキー場の中でも一番長くなっています。
反面、交通アクセスが不便であるため、降雪の状況次第では客足が遠のいたり、
朝のオープンが遅れてしまうことがあります。
平成16年に㈱入広瀬観光公社が旧入広瀬村に経営を譲渡し、現在も食堂を含
めて直営で行っています。収入は毎年2,500万円前後で安定しており、客一
人当たりの売上額が市営スキー場の中では最も高くなっています。しかし、索道
施設の老朽化が進んでいることから支出も増加しており、赤字額は年々増加して
います。
また、レストハウスは、平成16年に建設された比較的新しい施設です。ゲレ
ンデは競技コースとしての設備が充実し、各種スキー大会を多く開催しているた
め、競技者が多く利用するスキー場です。
なお、須原スキー場と大原スキー場については修繕費の抑制を図るために、3
名の臨時職員を通年雇用しながら、営業期間中以外にも次シーズンに備えたリフ
トやゲレンデなどの点検及び小規模修繕を行っています。
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4.検討
4.検討の前提
検討の前提
本来、スキー場は民間がそのノウハウを活かし運営すべき施設であるという観
点から、市営スキー場の必要性や、行政関与の範囲などについて、雪国でなけれ
ば設置できない施設であることを踏まえながら、以下のことを前提に検討しまし
た。
①すべての施設をゼロベースで考える
本市におけるスキー場のあり方をゼロベースで考えた場合、縮小するスキ
ー人口の中で市営のスキー場が5箇所ある現在の姿は明らかに供給過剰とい
えます。
②民間でできることは民間のノウハウを生かす
観光や誘客のための施設は、本来、民間がそのノウハウを生かして経営す
べき分野です。実際に本市のスキー場も以前は民間の経営だった時期があり
ました。
③行政が担う役割を明らかにする
スキー場は、観光振興としての位置付けのほかに、市民のレクリエーショ
ンや生涯スポーツ、また学校教育のための施設としての一面も備えているた
め、市としても関与する必要があります。
④合併によるスケールメリットを生かす
合併して魚沼市が誕生してから5年が経過しましたが、旧町村で経営して
いたスキー場をそのままの手法で引き継いだことから、一元的な連携が図ら
れていない状況です。また、市営スキー場がすべて慢性的な赤字経営であり、
毎年市財政に大きな負担をかけています。
合併の効果を出すためには、施設の集約・統廃合や経営手法の見直しを進
めなくてはなりません。
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5.魚沼市における
.魚沼市におけるスキー場のあり方
におけるスキー場のあり方
財政事情が厳しい本市においては、民間が経営すべきであるスキー場を多額の税
金を投入しながら営業し続けることには限界があります。
魚沼市総合計画では目標とする将来像を、「人と四季がかがやく雪のくに」と定
めており、冬期間のスポーツの場や、雪国の子どもだからこそできるスキー授業な
ど、雪と触れ合う場としての環境づくりは今後も重要な取組みの一つであると考え
ます。
また、観光振興基本計画の基本テーマ「魅力ある魚沼の四季」にもあるように、
冬期間の観光振興のための主要な施設として、スキー場のあり方を考えていく必要
があります。
◆生涯スポーツ振興の視点
豊かな社会生活を送るための基本となる健康づくりには、四季を通じてスポー
ツを行い体力の保持増進を図ることが重要です。しかし、本市のおいては積雪期
にはスポーツ活動が制限され、運動量が減少することが課題となっています。こ
のため、積雪時にも気軽にできるスポーツとしてスキーが注目され行われてきま
した。
また、学校教育においても、体力の向上だけでなく、家族や仲間とともにスポ
ーツを親しみ、子どもたちの健やかな心身を育てる活動として、雪国の特性を生
かしこの地域でしか体験できないスポーツとしてスキー授業を実施してきまし
た。
魚沼市スポーツ振興にかかわるアンケートの中では「楽しければ色々な種目を
行ってみたい」
「一つの種目を上手になるまで続けたい」
「色々な種目をやり、自
分に合うものを見つけたい」「体を動かす程度のスポーツをしたい」等の事がの
せられていますが、様々のスポーツを体験できる場としての施設にスキー場も考
えなければなりません。このため、積雪によりスポーツ活動が制限される現状か
ら、冬期間におけるスポーツ体験の機会及び自然体験の場として、市民の生涯ス
ポーツや競技選手の育成・強化及び学校教育を推進する観点から、市としてスキ
ー場の利用増進を図る必要があります。
◆観光振興の視点
イコール
冬の魚沼=スキーの図式は、本市よりも大規模スキー場を多く有する隣接の南
魚沼市及び湯沢町のイメージが強いと思われ、これまでに交通体系の整備や民間
投資によるリゾート開発が多く進められてきました。
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実際、冬期の観光入込客数についても、南魚沼市及び湯沢町のほうが圧倒的に
多い状況であり、全国(他県)の人が広く「魚沼」における冬のスキー観光を指
すときには本市の(両市町との)違いや特色が埋没される懸念があります。
今後もスキー人口が減少傾向にある中では、県外からのスキー客はゲレンデ規
模や立地条件の優れたところに集約されるものと想定されるため、スキー場を観
光施設として維持していくには、交通アクセスやコースレイアウトをはじめとし
て相当の優位性が必要とされます。
こうしたことから、スキーを冬期観光の中心的存在に位置づけてきた本市にと
っては、今がまさに転換期であり、スキー場だけに頼らない観光のあり方を考え
なければなりません。
本市が全国に誇れる魅力の一つに「自然」が挙げられます。四季のイメージ(風
景)がはっきりとしており、自然が織り成すそれぞれの表情が魚沼の地としての
特色を醸し出しています。
冬の自然に「雪」は欠かせない要素であり、スキー場以外にも国際雪合戦や雪
中花水祝など、雪にまつわる多くのイベントや地域行事に県内外から多くの観光
客が訪れています。
魚沼の四季を活かした観光振興を図っていくためにも、今後ともスキー場を観
光資源の一つとして捉える場合には、利雪イベントや伝統行事などを融合させる
ような新たな取組みを積極的に展開しなければならないと考えます。
そのためにも本市の魅力を最大限に発信できる観光資源としての役割をスキ
ー場が担えるのかということや、仮にその役割を担わせる場合にはどのスキー場
が適当であるかということを見極めなければなりません。
その際、冬期間における地域産業の振興や雇用の場を確保する重要な役割をこ
れまでスキー場が背負ってきたことを事実として認識しておく必要があります。
なお、市内のスキー場としては、市営スキー場の他に初冬と春に営業している
奥只見丸山スキー場がありますが、それぞれの特徴を活かしながら、本市の観光
振興を図っていく必要があります。
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6.具体的な取組み
将来的な財政負担を考慮すると、当然ながら市営のスキー場は全て廃止すべきも
のと結論づけられるところですが、スキー場には、冬期間における観光資源として
の位置付け以外に、生涯スポーツ施設としての性格も強く備えていることから、市
としてスキー場の関与を全部廃止することは適当でないと考えます。
したがって、現在5箇所ある市営スキー場については1箇所に集約することとし、
利用者の動向や需要を勘案しつつ、経費削減に努めながら最終的には民営化をめざ
していくこととします。
また、廃止したスキー場跡地については、地元地域等と協議を進める中で処分方
法を検討するとともに、地元にとって有益的な利活用を図っていくこととします。
なお、以下の表は、市営スキー場の集約化を判断する際の検討材料として、スキ
ー場台帳を基に、立地条件や自然条件等を比較し一覧に示したものです。
大湯温
薬師
小出
須原
大原
泉スキ
スキ
スキ
スキ
スキ
ー場
ー場
ー場
ー場
ー場
△
○
○
△
×
10分以下○、40分以上×
駐車場収容台数
×
△
△
○
×
100台以下×
100台以下×、300台以上○
、300台以上○
稼働日数(積雪量)
○
×
×
○
○
4年平均 90日以上○
ゲレンデ面積
×
×
×
○
○
10ha
10ha 以下×、30ha
以下×、30ha 以上○
コース数
×
×
○
○
○
6以上○、5以下×
受入可能宿泊施設数
○
×
×
○
○
周辺 5 軒以上○、4 軒以下×
スキー授業受入数
1
2
4
7
2
市内学校数(H20 実績)
車でのアクセス
小出IC~
備
ゲレンデ割合(%)
初級
20
25
45
30
20
(新潟県公式観光情報サイト)
中級
50
50
45
50
50
上級
30
25
10
20
30
0.7
0.6
1.0
2.0
1.5
シングル
0
1
0
0
0
ペア
2
0
3
3
2
クワッド
0
0
0
1
0
最長滑走可能距離(km.)
リフト数(基)
ナイター設備
×
×
○
○
×
集客イベントの有無
○
○
○
○
×
隣接温泉
○
○
○
×
×
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スキーカーニバル
考
上記を基に、存続させるスキー場の条件として以下の点に着目し、検討しました。
・初心者でも安心して滑走できるゲレンデや設備を備えているか
・上級者が十分に楽しめるゲレンデ・コースを備えているか
・一定の積雪量を有しているか
・周辺の宿泊受入体制が整っているか
・集約した場合に(廃止する)スキー場からの距離が遠くなりすぎないか
・魚沼市ならではの冬(の特色)を印象づけるイベントや観光資源を周辺に有し
ているか
この結果、生涯スポーツ、観光、地域経済のそれぞれに最も効果を寄与しており、
かつ、全国に“冬の魚沼市”を発信できうる魅力を備えたスキー場を存続させるこ
ととし、他の 4 箇所がもつ機能を最大限に集約していくこととします。
◆須原スキー場
須原スキー場は、市営スキー場の中では最も広大な面積を有しており、ゲレ
ンデバリエーションも多いことから、初級者から上級者まで幅広く利用するこ
とができます。加えて、駐車場の収容台数も市内スキー場の中では一番多く約
400台の収容が可能であるほか、充分な積雪量により安定した稼働日数が見
込めるなどの特徴があります。また他のスキー場に比べ休憩施設の広さや、レ
ンタル用具の数も充実しており、平成20年度の市内小中学校のスキー授業に
おいて、7校から2,244人を受入れており、市内スキー場の中で最も実績
を上げています。
廃止するスキー場の利用者を集約させた場合には約70,000人になるも
のと予想されますが、過去の実績からみても受入れは充分可能です。
以上の点から、市内の他市営スキー場と比較して観光資源としての魅力が最
も高く、かつ、生涯スポーツ施設としての活用を充分に図ることができる須原
スキー場を魚沼市の総合スキー場として機能集約をしていくこととします。
なお、現在、市内の他スキー場で実施している学校授業やスポーツ少年団活
動のほか、ウインタースクール事業などについては、すべて須原スキー場にお
いて実施するよう移行します。収支面については、リフトやゲレンデの規模、
機能の縮小を行い収支の改善を進めます。
また、スキー場施設の経営については「民間にできることは民間に」の考え
方に基づき、食堂部門やレンタル部門から順次民営化を進めることとし、平成
26年度からは索道事業を含めた全てを民営化とするよう調整を進めます。
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◆大湯温泉スキー場
平成21年度は営業することとし、平成22年3月31日を持ってスキー場
事業を廃止します。
◆薬師スキー場
◆小出スキー場
◆大原スキー場
本市の財政事情を鑑みれば、今すぐにでも廃止すべき状況にあるところです
が、スキー場廃止に伴い関係者の対応期間が必要とされることから、平成22
年度は営業することとし、平成23年3月31日をもってスキー場事業を廃止
します。
スキー場跡地については、地元関係者と充分協議しながら地域振興策を進め
ることとします。
21年度
須
原
大湯温泉
薬
師
小
出
大
原
22年度
23年度
24年度
25年度
スキー場経営の民営化への移行
規模・機能の縮小
廃止
用途変更等
廃止
◇須原スキー場を平成25年度までに民営化できなかった場合は、収支状況、入
込み客数、各学校の利用実績等の推移を踏まえた上で、計画の見直しを行なうこ
ととします。
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各種団体等への対応、取組み
各種団体については、行政が担う役割を踏まえたうえで、可能な範囲での支援
をしていきます。
◆スキー授業
各学校よりスキー場までバスの送迎を実施します。
◆スポーツ少年団
指導者、保護者に対して十分な説明を行います。
◆スキー学校等
スキー学校の集約を支援します。
◆上記以外の県内、県外団体
現在利用している団体に対して事前に理解を求めていきます。このほか利用
者の負担が増加しないような対応を検討していきます。
7.再編後の施策展開
冬季の観光振興や市民スポーツの推進等については、須原スキー場を核とした
事業展開を進めます。
◆冬季観光の拠点化
新潟県全体のスキー場への入込客数が減少している中、魚沼市の入込客も激
減しています。スキー場を一つの観光施設として捉えるのではなく、冬の観光
振興の拠点として位置付け、雪の魅力を活かした新たな誘客イベントの創造や
既存のイベント等との連携を図りながら、観光関連団体等と協力体制を構築し
ていきます。併せてインターネットをはじめとした各種の宣伝媒体を効果的に
活用したPR活動を行いながら集客の向上と交流人口の増加に努めます。その
ためには、市内各地域との連携体制の強化を進めるとともに新しい観光パック
の商品開発等にも積極的に取り組む必要があります。
◆冬季体育の向上やゆきぐに文化の発信
雪により冬期間のスポーツ活動が制限され、運動量が減少する本市にとって
雪国ならではの魅力的なスポーツとしてスキーを活用することは健康維持の
ためにもとても重要であると考えます。
さらに、将来の魚沼市を担う子供たちが雪国の文化に親しむことやウィンタ
ースポーツの楽しさなどを通じて、ふるさとに対する愛着を育んでいくことが
「ゆきぐに文化」伝承・発信につながるものと考えています。
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