O-34 - 日本大学理工学部

O-34
ガスパフ Z ピンチ装置におけるガス分布とレイリーテイラー不安定性の関係
Relation of between Gas distribution and Rayleigh-Taylor instability in a Gas-Puff Z-Pinch
○ 吉水
孝宏 1、高杉
恵一 2
*Takahiro Yoshimizu 1, Keiichi Takasugi
2
はじめに
ガスパフZピンチは、電極間にガスを入射しプラズマ
しかし、
Z ピンチなどの実験で観測されるレイリーテイラ
にする。そのプラズマに大電流を流し、その周囲に形成
ー不安定性は、理想 MHD に含まれなかった物理的効果に
される自己磁場の圧力によってプラズマを圧縮・加熱し、
よる安定化が作用していると論じられている[3]。それは、
高温高密度状態を作り出すものである。ガスパフ Z ピン
(1)式では k の大きなところで成長率が無限になり現実
チはノープローモデルでありガスの端から放電がスター
的でないためである。その安定化作用として考えられる
トする。従って、初期ガス分布の外形が初期プラズマの
のが、粘性と有限ラーマー半径効果等である。粘性を考
形状になる。
える場合ガスの厚さなどガス分布の変化で波数が変化す
これまでのガスパフ Z ピンチの実験的研究の中で、ガ
ると予想される。
本研究では、ガスの分布とレイリーテイラー不安定性
スパフからの放電までの時間の変化させることで、入射
ガスの広がりの程度に応じてプラズマの状態が真空放電、
の波数の関係を明らかにする事である。
電極間放電、プラズマフォーカス型放電と変化する事[1]、
ノズルの形状によってガスの流量、厚さ、速度等を変化
実験装置
させることで、放電パラメータを変えなくてもプラズマ
の収縮過程、入力エネルギーに変化がある事[2]が分かっ
ている。放電直前の精密なガス分布を空間的・時間的に
捉えることは、そのわずかな変化がプラズマの進展に大
きな影響を及ぼすという点で重要である。
レイリーテイラー不安定性とは、流体力学の分野にお
いて、重力下において軽い液体の上に重い液体を乗せた
状態のときに境界面の変化の時間的成長としてよく知ら
れている。このような現象は加速度運動をするプラズマ
においても同様に起こる。そして、レイリーテイラー不
安定性はプラズマ表面に表れる不安定性の中で他の流体
力学的不安定性のきっかけとなりうるという意味で重要
図 1 ガスパフ Z ピンチ装置
な不安定性である。
図 1 は日本大学ガスパフ Z ピンチ装置 SHOTGUN の概略
この不安定性の理想MHDでの成長率は(1)式で表される。
γ =
gk
(1)
ここで g :重力加速度、 k :波数である。
図である。この装置はコンデンサー容量 24μF、充電電圧
25kV、
充電エネルギー7.5kJ のコンデンサバンクを電源と
している。電極間隔は 30mm、ガスは 5 気圧の Ar を用いて
1:日大理工・院・量子 2:日大・量科研
1254
いる。ガスパフはアノード上に設けられた直径 30mm の円
環状のガスノズルによって行われる。ガスバルブの機構
は、ガス溜めに定常的に必要な圧力でガスが満たされて
おり、出口はピストンで閉じられている。放電の時には
外側に覆われているコイルにパルス電流を流し、電磁力
によって加速されたハンマーでピストンを動かしガスを
入射する仕組である。ガスノズルには、真空中に孤立し
たガスを形成するためラバルノズルを用いた。
図2はガス分布測定装置の配置概略図である。電子銃
でガスを発光させその光をコリメーターで集め光ファイ
バーで伝送する仕組である。光ファイバーの後ろには、
モノクロメーターをつけ ArⅠのスペクトルだけを選択し、
光電子増倍管を通しオシロスコープで時間変化の観測を
行う。
図3は電子ビーム入射時の写真で、電子ビームの様子
を撮影するために真空容器内にガスを詰め撮影した。
図4は図 3 の電子ビームによる発光を可視で分光した
図 3 電子ビーム入射
ときのスペクトルである。中心波長は 550nm 現在測定に
使用するラインの候補は、588nm と 603nm である。
図 2 ガス分布測定装置外略図
参考文献
[1]K.Takasugi,A.Takeuchi,H.Takeda,andT.Miyamoto,Jpn.J.Appl.Phys.31
1874(1992).
図 4 Ar 可視分光スペクトル 中心波長 550nm
[2]K.Moriyama Master's thesis(1994)
[3] B. A. Trubnikov and S.K. Zhdanov,Sov. J. Plasma Phys., Vol. 3, No. 1, 45-50.
(1977)
1255