フランス大統領選挙、市場へのマイナスの影響は一時的

ご参考資料
ピクテ・マーケット・フラッシュ 2012年4月17日発行
先進国
フランス大統領選挙、市場へのマイナスの影響は一時的
今週末フランス大統領選挙の第1回投票が実施されます。サルコジ大統領、オランド氏両候補の事実上の一騎打ち
となっており、両者で決選投票(5月6日)となる可能性が高まっています。オランド氏勝利の場合、一時的にユーロ市
場にマイナスの影響が懸念されますが、大きな混乱は避けられると見ています。
財政再建重視のサルコジ氏と
有権者寄りのオランド氏
サルコジ、オランド両氏の主張を比較するとサルコジ氏
は付加価値税増税など一般有権者に痛みを伴う政策
を主張しているのに対し、オランド氏の政策は相対的
に痛みを避ける傾向が見られます (図表1参照)。
①財政政策:サルコジ氏が歳入拡大と歳出削減を組み
合わせているのに対し、オランド氏に目立った歳出削
減策が見られません。
②税制:オランド氏は大企業法人税の増税や富裕層の
所得税(40∼45%)を最大75%へ引き上げるなど直接税
に重点を置いた歳入増を目指しています。
③雇用対策:サルコジ氏が失業保険認定の厳格化な
ど歳出削減を目指す一方、失業率の高いフランスに
あってオランド氏は雇用拡大を目指しています。
④欧州政策:サルコジ氏はドイツのメルケル首相と「メ
ルコジ」と称され、良好な関係のもと欧州政策を推進し
てきた実績がありますが、オランド氏は財政協定の再
交渉を示唆しています。
オランド氏の勝利は
ユーロにマイナス要因?
フランスはユーロ圏では安定している国のひとつです
が財政は決して磐石とは言えず、財政再建を推進する
必要があります。また、ユーロ圏の他の債務問題を解
決する上でドイツとの関係を維持することも大切です。
オランド氏が勝利した場合、市場は動揺を示す可能性
があります(図表2参照)。しかしフランスは現実路線をと
る以外の選択は考えづらく、オランド氏の主張は選挙
前のリップサービスに過ぎないと思われます。したがっ
て、市場の動揺はあっても一時的で、大きな混乱は避
けられると見ています。
図表1:フランス大統領選挙
有力候補者の公約の特色
公約
サルコジ 大統領
オランド候補
2016年まで
2017年まで
財政政策
歳入拡大と歳出削減
税収拡大
税制
付加価値税(日本の 大企業法人税、(富
裕層)所得税の
消費税に相当)の
増税
増税
財政均衡の
達成目標年
雇用
欧州政策
失業給付認定の
厳格化
(補助金による)
若年層雇用拡大
現状維持
財政協定の再交渉
出所:各種報道等を使用してピクテ投信投資顧問作成
図表2:オランド氏の政策と市場の反応イメージ
懸念される事項
財政拡大
財政悪化懸
念が高まる
法人税など
直接税重視
フランスの
競争力低下
欧州政策
欧州との
関係にヒビ
国債利回り
上昇?
通貨ユーロ
下落?
当資料をご利用にあたっての注意事項等 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的とした
ものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成さ
れていますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料中に示された意見等は、作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変
更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険
契約者保護機構の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
1
1