2.総 合 教 育 科 目 B

2.総 合 教 育 科 目 B
科 目 名
(開講期 曜日・時限 クラス)
単 位 数
英文科目名
②は第2部 ①は第1部
表示が無い場合は第1部
授 業 担 当 者
人間と知識・思想
倫理学入門
(後期 火・4 全)
2単位
Introduction to Ethics
文学研究科 美濃 正
第6回:倫理的利己主義
●科目の主題
倫理学の本来の目的は、人間として正しい行動(振
る舞い)とはどのような行動か、また人間のあり方
(性格)として善いあり方とはどのようなものかを示
第7回:行動義務論
第8回:規則義務論1―多元的規則義務論
第9回:規則義務論2―神意説
し、その根拠を明らかにすることにある。このような
第10回:規則義務論3―カントの道徳理論
倫理学の基礎的部分を解説し、倫理的思考とはどのよ
第11回:功利主義1―行動功利主義
うなものかについて正しい理解を示すことが、本科目
第12回:功利主義2―規則功利主義
の主題である。
第13回:功利主義3―ヘアの功利主義
●授業の到達目標
第14回:徳倫理学
受講生諸君が倫理的思考の基本を身につけ、倫理学
上のいくつかの主要な考え方について基礎的理解を得
第15回:全体のまとめ
●評価方法
学期末にレポートを提出してもらい、その成績によ
られるようにすることが、授業の到達目標である。
り評価する(出席点は無関係)。
●授業内容・授業計画
●受講生へのコメント
できるだけ以下のメニューに沿って授業を進める。
第1回:イントロダクション―倫理=道徳とはどん
基本的に講義形式の授業であるが、授業中、進んで
質問したり意見を述べるなど、積極的態度で授業に臨
なものか1
第2回:倫理=道徳とはどんなものか2
むことが望ましい。
第3回:倫理学とはどんなものか1
●教 材
後日、指示する。
第4回:倫理学とはどんなものか2
第5回:規範的倫理学の基本的性質
心理学への招待
(前期 月・3 全文)
2単位
Introduction to Psychology
文学研究科 佐伯 大輔
かということに対する答えを、受講生自身が見出すこ
●科目の主題
多くの人たちは、心理学を人の心を見抜く学問と
いった理解をしているかもしれない。そうした理解が
必ずしも正しくないことが、この講義を受講すること
とができるようになることを目標とする。
●授業内容・授業計画
この授業では、主に以下に示した章立てに従って、
によって明らかになるだろう。もちろん、心理学は人
心理学分野の全般にわたり、講義形式で授業を進め
の性格を判定したり、人の行動を予測したりもする
る。
が、それらのことができるのは、心理学が人や動物の
⑴ 心理学の歴史
行動の基礎となる心の働きを科学的に研究する学問だ
⑵ 心理学の方法
からである。
⑶ 感覚
心とは感覚、知覚、認知、感情、欲求、学習、記
⑷ 知覚
憶、言語、思考、性格、知能などのことである。心理
⑸ 学習
学者は様々なアプローチの仕方によって、これらがど
⑹ 学習の展開
のように生じ、その結果どのような行動として現れる
⑺ 記憶
か、あるいは逆に、行動の結果として心がどう影響を
⑻ 動機づけと情動
受けるかを問題にしている。
⑼ 意思決定
この講義は、心に対する知識を獲得してもらうと同
⑽ 思考と言語
時に、心理学への理解を深めてもらうことを主題とし
⑾ 発達
ている。
⑿ パーソナリティ
●授業の到達目標
⒀ 社会心理
日常生活の場面で人がなぜそのような行動をするの
−48−
⒁ 心理臨床
人間と知識・思想
・心理学の研究方法への理解を深めてもらうため、授
⒂ まとめ
業時間内に種々の質問紙調査に協力を求めたり、授
●評価方法
主として平常点と学期末に行う試験の成績に基づき
業時間外に行われる実験への参加を要請する場合が
評価する。
ある。受講者は、これらに積極的に参加、協力して
●受講生へのコメント
ほしい。
・同じ心理学であっても、研究分野によって、研究者
の視点、研究対象、研究方法は異なる。受講生に
●教 材
教科書:伊藤正人(編)「現代心理学:行動から見る
は、心理学における様々な考え方を習得し、幅広く
心の探求」(昭和堂 2013)
知識を身につけることを期待する。
心理学への招待
(前期 木・4 全文)
2単位
Introduction to Psychology
非常勤 新居 佳子
講義する。なお、講義内容に対する理解を深めるた
●科目の主題
多くの人たちは、心理学を人の心を見抜く学問と
め、適宜、心理実験を実施することもある。内容は、
いった理解をしているかもしれない。そうした理解が
おおよそ以下の通りである。各テーマに1∼3回程度
必ずしも正しくないことが、この講義を受講すること
充てる予定である。ただし、授業の進捗状況により、
によって明らかになるだろう。もちろん、心理学は人
それぞれのトピックの順序を変更したり、内容を一部
の性格を判定したり、人の行動を予測したりもする
省略する可能性がある。
が、それらのことができるのは、心理学が人や動物の
1.心理学の歴史:哲学から科学へ
行動の基礎となる心の働きを科学的に研究する学問だ
2.感覚と知覚
からである。
3.学習
心とは感覚、知覚、認知、感情、欲求、学習、記
4.記憶
憶、言語、思考、性格、知能などのことである。心理
5.思考
学者は様々なアプローチの仕方によって、これらがど
6.動機づけ
のように生じ、その結果どのような行動として現れる
か、あるいは逆に、行動の結果として心がどう影響を
7.心の発達
●評価方法
主として学期末に行う試験の成績にもとづき評価す
受けるかを問題にしている。
この講義は、心に対する知識を獲得してもらうと同
時に、心理学への理解を深めてもらうことを主題とし
る。
●受講生へのコメント
心理学の研究方法への理解を深めてもらうため、授
ている。
業時間内に種々の質問紙調査に協力を求めたり、授業
●授業の到達目標
日常生活の場面で人がなぜそのような行動をするの
時間外に実験への参加協力を要請する場合もある。受
かということに対する答えを、受講生自身が見出すこ
講者は、これらに積極的に参加、協力してほしい。
とができるようになることを目標とする。
●教 材
●授業内容・授業計画
教科書:特に使用しない。適宜、プリントを配布。
心理学における基本的で身近なトピックを精選して
−49−
人間と知識・思想
心理学への招待
(前期 火・3 全理)
2単位
Introduction to Psychology
文学研究科 池上 知子
め、適宜、心理検査や心理実験を実施し、ビデオ教材
●科目の主題
等も活用する。
多くの人たちは、心理学を人の心を見抜く学問と
内容は、およそ以下のとおりである。各テーマに2
いった理解をしているかもしれない。そうした理解が
回程度充てる予定である。
必ずしも正しくないことが、この講義を受講すること
によって明らかになるだろう。もちろん、心理学は人
1.心理学とは何か:科学と常識のあいだ
の性格を判定したり、人の行動を予測したりもする
2.心と体を結ぶもの:脳科学と心理学
が、それらのことができるのは、心理学が人や動物の
3.精神疾患の脳生理
行動の基礎となる心の働きを科学的に研究する学問だ
4.心と身体疾患
からである。
5.行動異常と心の力学
6.心を動かす源泉:欲求と感情
心とは感覚、知覚、認知、感情、欲求、学習、記
7.心の個人差と形成因
憶、言語、思考、性格、知能などのことである。心理
●評価方法
学者は様々なアプローチの仕方によって、これらがど
主として学期末に行う試験の成績に基づき評価す
のように生じ、その結果どのような行動として現れる
か、あるいは逆に、行動の結果として心がどう影響を
る。
受けるかを問題にしている。
●受講生へのコメント
この講義は、心に対する知識を獲得してもらうと同
心理学の研究方法への理解を深めてもらうため、授
時に、心理学への理解を深めてもらうことを主題とし
業時間内に種々の質問紙調査に協力を求めたり、授業
ている。
時間外に行われる実験への参加を要請する場合もあ
●授業の到達目標
る。受講者は、これらに積極的に参加、協力してほし
い。
日常生活の場面で人がなぜそのような行動をするの
かということに対する答えを、受講生自身が見出すこ
●教 材
とができるようになることを目標とする。
教科書:特に使用しない。適宜プリントを配布。
●授業内容・授業計画
参考書:無藤隆他編 『よくわかる心理学』(ミネル
ヴァ書房)
心理学における基本的で身近なトピックを精選して
OHP、ビデオ、DVDを使用する予定。
講義する。なお、講義内容に対する理解を深めるた
心理学への招待
(前期 金・1 全理)
2単位
Introduction to Psychology
非常勤 恒松 伸
この講義は、心に対する知識を獲得してもらうと同
●科目の主題
時に、心理学への理解を深めてもらうことを主題とし
多くの人たちは、心理学を人の心を見抜く学問と
いった理解をしているかもしれない。そうした理解が
ている。
必ずしも正しくないことが、この講義を受講すること
●授業の到達目標
によって明らかになるだろう。もちろん、心理学は人
日常生活の場面で人がなぜそのような行動をするの
の性格を判定したり、人の行動を予測したりもする
かということに対する答えを、受講生自身が見出すこ
が、それらのことができるのは、心理学が人や動物の
とができるようになることを目標とする。
行動の基礎となる心の働きを科学的に研究する学問だ
●授業内容・授業計画
本講義では、以下を主要な内容とし、それぞれ1∼
からである。
心とは感覚、知覚、認知、感情、欲求、学習、記
2コマ程度を目安として、講義を進める予定である
憶、言語、思考、性格、知能などのことである。心理
(ただし進捗状況により、講義の順番の変更や一部の
学者は様々なアプローチの仕方によって、これらがど
のように生じ、その結果どのような行動として現れる
省略もありうる)。
1.はじめに:心理学とはどのような学問か
か、あるいは逆に、行動の結果として心がどう影響を
2.心理学の歴史:意識から行動への研究対象の変遷
受けるかを問題にしている。
3.目に見える行動の原因:心的過程と外的環境
−50−
人間と知識・思想
4.行動の変化に影響する要因:学習・成熟・その他
原理を整理する。最後に私たちの日常生活と密接に関
5.行動とは何か:定義と分類
連した個体の衝動的な選択や消費の問題について考え
6.行動のさまざまな原理⑴:強化・弱化
ていく。
7.行動のさまざまな原理⑵:消去・復帰・派生
講義は、主に、配布資料を用いて進められる。この
8.行動のさまざまな原理⑶:罰の使用の問題点
資料は当日の講義内のみで入手可能であるため、講義
9.選択行動:衝動的な選択の原因を考える
の内容を十分に理解するには、毎回の出席が必要であ
10.消費行動:個体の消費に影響する要因
る。なお、教科書の購入および使用方法の詳細につい
ては、第1回目の講義で説明するので、履修予定者は
●評価方法
必ず出席すること。
主として、期末試験の成績をもとに評価する。
●教 材
●受講生へのコメント
本講義では、まず、心理学の研究対象と歴史および
行動の原因について考え、心と行動の関係性や両者の
教科書:伊藤正人(編)「現代心理学:行動から見る
心の探究」(昭和堂 2013)
理解の仕方について概観する。次に、行動に影響を与
える諸要因と、行動の繰り返しを規定するさまざまな
心理学への招待
(前期② 月・1 全)
2単位
Introduction to Psychology
文学研究科 川辺 光一
1.心理学の歴史とその研究手法
●科目の主題
あなた方の多くは“心理学”という学問を「人の心
2.感覚・知覚
を見抜く」学問といった理解をしてはいまいか。その
3.学習・記憶
理解は充分ではない。もちろん、心理学は「人の性格
4.思考・言語
を判定したり」、
「 人の行動を予測したり」もするが、
5.動機づけ・情動
それらのことができるのは心理学が人や動物の行動の
6.心の発達
基礎となる心の動きを科学的に研究する学問であるか
7.性格
らである。
8.対人行動・集団行動
心とは感覚、知覚、認知、感情、欲求、学習、記
憶、言語、思考、性格、知能などのことである。心理
9.心と脳
●評価方法
学者はさまざまなアプローチの仕方によって、これら
期末試験の成績を基本とする。試験は、授業内容に
がどのように生じ、その結果どのような行動として現
ついての深い理解が求められるので、講義には必ず出
われるか、あるいは逆に、行動の結果として心がどう
席すること。
いう影響を受けるかを問題にしている。
●受講生へのコメント
この授業はあなた方に、心に関する知識を獲得して
この講義を期に心理学に対して正しい知識を持って
もらうと同時に心理学への理解を深めてもらうことに
もらうと同時に、人間の心や行動についてより深く洞
よって、日常生活の場面で人がなぜそのような行動を
察してもらいたい。
とるのかということに対する回答をあなた方自身で見
また、心理学の研究方法への理解を深めてもらうた
いだすことができるように、人に対する理解力を養っ
め、授業時間内に行われる質問紙調査や、授業時間外
てもらうことを目的とするものである。
に行われる実験への参加を要請する場合もある。受講
●授業の到達目標
者は、これらに積極的に参加、協力してほしい。
心のはたらきについての基本的な知識を習得するこ
とと同時に、心理学という学問についての理解を深め
●教 材
毎回、その日の講義に関する図表等をプリントとし
ることを目標とする。
て配布する。
●授業内容・授業計画
参考書:梅本堯夫・大山正編著「心理学への招待―こ
講義は概ね以下の内容で進められる。各テーマは
ころの科学を知る」サイエンス社
1、2回の講義で完結する予定である。ただし、授業
鹿取廣人・杉本敏夫編「心理学」東京大学出
進行の関係上、講義の順番が変更されたり、一部を省
版会
略したりすることもあるということを付記しておく。
−51−
人間と知識・思想
認知の仕組み
(後期 火・3 全)
2単位
Mechanism of Cognition
文学研究科 山 祐嗣
1.認知心理学とは
●科目の主題
人間あるいは動物が、どのようにして環境を認知す
2.視覚
るかという問題は、主として認知心理学の領域で研究
3.聴覚
されている。認知は、感覚や知覚、記憶、思考などの
4.意識
機能を含む概念であり、直接観察が不可能だけに、ど
5.記憶
のように行われるのかについての理論が数多く提唱さ
6.コミュニケーション
れている。さらには、認知に影響を与える、文化・環
7.文章理解・文章産出
境からの数多くの要因が考えられる。
8.思考
本講義では、これらの知識を獲得すると同時に、な
9.道具の使用
ぜこのような理論が説得力があるのかなど、科学的な
10.メタ認知
考え方を習得することを目的とする。また、理論は、
11.感情と認知
主として心理学実験的データをもとに構築されるが、
そのような心理学実験はどのように行われるのか、実
12.動物の認識
●評価方法
学期末に行う最終試験によって評価する。
際の実験に参加するという経験も重視する。
●受講生へのコメント
●授業の到達目標
認知に関する基本的な知識の獲得と、それについて
認知心理学の研究法についての理解を深めるため
の科学的な考え方を習得することを目標とする。
に、授業に関連する領域の心理学実験・調査を行うこ
●授業内容・授業計画
とがある。実際に体験してみてほしい。
主として、認知心理学についての初歩的な理解から
始め、認知と呼ばれる機能、すなわち、感覚・知覚、
●教 材
仲 真紀子(編著)
『いちばんはじめに読む心理学
の本4 認知心理学』ミネルヴァ書房 2010
記憶、思考などについて概観する。
文化と社会の心理
(後期 金・2 全)
2単位
Cultural and Social Psychology
非常勤 川西 千弘
2回の講義を当てる予定である。
●科目の主題と目標
人間は社会的動物といわれるように、他者との交わ
1.社会心理学とは何か:
りの中で生き、生かされている。それ故に人は様々な
2.社会で生きる私:自己と社会の影響過程
人間関係や自分と社会の関わり、そして刻々と変化す
3.人と人をつなぐもの:対人認知の心理
る文化的現象に常に関心を寄せている。そこで、本講
4.恋心の科学:恋愛の心理
では社会心理学の知見を基に、人が人や社会といかに
5.人のやさしさ・こわさ:援助と攻撃の心理
結びつき、その相互作用の中で起こる文化の再生産と
6.個人と集団:個人と集団の相互作用
変容にどのように関わっているのか?を考察する。
7.情報化社会の暮らし:メディア文化の影響
8.異文化との出会い:文化と適応の心理
●授業の到達目標
受講生が、社会心理学の知識や理論を学習し、多様
●評価方法
な価値観の中で自己を吟味し、客観的視点から他者と
学期末に行う試験の成績を基礎とし、これに受講態
の関係性を構築する力、特に自分と異なる集団や文化
度や授業期間中に提出を求める課題を加味して評価す
に属する人と適応的にかかわる力を養うことを目標と
る。
する。
●受講者へのコメント
本講義では、心理学全般の基礎的知識が必要となる
●授業内容・授業計画
社会心理学の各領域から主要なトピックを精選して
ため、受講生は『心理学への招待』を受講しているこ
講義する。なお、体験的理解を図るため、適宜、種々
とが望ましい。 また、心理学の研究方法への理解を
の質問紙やビデオ教材等も活用する。内容は、およそ
深めるため、授業時間に関連するテーマの質問紙調査
以下の通りである。初回を除き各テーマにつき、概ね
への協力を求めたり、授業時間外に行われる心理学実
−52−
人間と知識・思想
験への参加を要請する場合がある。受講生は、これら
に積極的に参加、協力してほしい。
下のとおりである。
池上知子・遠藤由美著『グラフィック社会心理学 ●教 材
第2版』サイエンス社
単元ごとに必要なプリントを配布する。参考書は以
人間と宗教
(前期 木・4 全)
2単位
The Science of Religion
文学研究科 仲原 孝
7.意志としての世界
●科目の主題
人間が「生きる」ということにとって宗教はいかな
8.意志と身体
る意味をもつか、ということを講義形式で考えて行
9.イデアについて
く。宗教について考えるのに、具体的な個々の宗教思
10.自然の諸段階
想や宗教者の生き方を離れて抽象的な一般論を行なっ
11.物自体の表現としての音楽
ても意味がない。そこで、この講義では毎年特定の
12.生の本質としての苦悩
テーマを定めて、それについて深く掘り下げて考える
13.意志の否定としての宗教
という形で講義を行なう。
14.禁欲主義
15.ショーペンハウアーの宗教論の現代的意義
●授業の到達目標
人間と宗教との関係をめぐる問題に関して、各自が
自分独自の見解を形成することができるようになるこ
●評価方法
小論文形式の試験またはレポートを課す。論ずるべ
とを、授業の目標とする。
き課題を通知する時に、同時に、枚数、テーマ、論じ
●授業内容・授業計画
方など、論述が満たすべき条件を何項目かにわたって
今年は、ショーペンハウアーの宗教哲学を手がかり
指定する。それらがすべて満たされていることが単位
に、宗教とはいかなるものか、そして人間の生にとっ
認定の必須の条件となる。
て宗教はいかなる意義を有しているか、という問題に
●受講生へのコメント
宗教の問題に唯一の確定的な答はあり得ない。講義
ついて考えていく。
授業計画は次のとおり(ただし授業進度の関係上、
の目的はあくまで受講者各自が問題を考える上での手
授業計画に多少の変更が行なわれる場合もありうるこ
がかりを提供するところにある。したがって、小論文
とを付記しておく)。
では講義で提示された問題に対して各自が主体的に答
1.ショーペンハウアー再評価に向けて
を模索することが求められ、ノートや参考書をまとめ
2.ニーチェとショーペンハウアー
ただけの答案は最低の評価となるので注意すること。
3.表象としての世界
●教 材
教科書は用いない。必要な資料は印刷して配布す
4.時間と空間の観念性
る。
5.因果律の観念性
6.カントとショーペンハウアー
−53−
人間と知識・思想
対人行動の影響と意味
(前期 月・3 全)
2単位
Various Effects and Meanings of Interpersonal Behavior
大学教育研究センター 渡邊 席子
ンに関する講義、および各種課題作成
●科目の主題
この授業で主に取り上げるのは、社会心理学の中で
第7∼11回:ユニット2=説得的コミュニケーショ
ンに関する講義、および各種課題作成
も特に、説得的コミュニケーションと呼ばれる分野に
関することがらである。説得的コミュニケーションと
第12∼14回:ユニット3=ここまでに扱った説得的
は、人々の態度や行動を変化させることを目的とする
コミュニケーション技法を用いた大規模グ
ループワーク、相互評価
複合的なコミュニケーションのことである。
この授業を通じて、受講生には、日常的な対人場面
においてさまざまな説得的コミュニケーション技法が
第15回:まとめと総合自己評価
●評価方法
用いられていることを知っていただくとともに、それ
⑴ 平常点(学ぼうとする意思・態度・行動、各種
らの技法によってわれわれにどのような影響がもたら
課題・宿題・報告書等の内容、時間・期限を順
されるかを理解していただきたい。特に、実際の対人
守できていたか、授業期間中に行う小テスト、
行動場面においてこれらの技法がわれわれの生活にマ
イナスの影響を及ぼす形で利用される可能性を知り、
自己評価等)
:80点満点
⑵ 各種課題に対する学生同士の相互評価:20点満
そのような場面において己の身を守るために何が必要
点
かを自覚し、日常的・積極的な防衛意識・行動へと結
→合計100点満点
びつけるきっかけとしてこの授業を活用していただき
●受講生へのコメント
たい。
・受講希望者は、初回のガイダンスに必ず出席するこ
と。
●授業の到達目標
この授業の到達目標は、①説得的コミュニケーショ
ンに関する学術的知見の基礎を理解すること、②各種
・全15回のうち、13回以上の授業への誠実な参画が単
位認定の最低ラインである。
課題を通じて、日常的な対人行動と説得的コミュニ
・授業の進行に付随して課題・宿題を提示し、それら
ケーションに関する学術的知見とを具体的に結びつけ
を解いていることを前提として毎回の授業を進行す
る。
て理解できるようになること、の2点である。
・授業は3つのユニットから成っている。特に重要な
●授業内容・授業計画
この授業は、active learning(学生による討論、発
回に遅刻・欠席したり、重要な課題を提出しなかっ
表、グループワーク等を伴う形式)を可能な限り組み
た場合、以降の授業に参画できないことがある。
入れて運営される。受講生は、説得的コミュニケー
・誰かに答えを教えてもらう受け身の姿勢ではなく、
ションに関連する講義を受けつつ、他受講生とともに
「自ら学び、身に付け、掴みとる」意思を持つ学生
学術的知見と日常的な問題とのマッチングを図る各種
の受講を強く希望する。
課題(小話、短編演劇シナリオ、セールス戦略など)
●教 材
に取り組む。なお、授業期間中に2度、授業内容の理
・教科書は用いない。必要な教材は授業中に配布す
る。
解度チェックをかねた小テストを行う。
・なお、教材となりうる素材を受講生自身が集めて持
第1回:ガイダンス+導入課題
第2∼6回:ユニット1=説得的コミュニケーショ
ゲームで学ぶ社会行動
ち寄る場合もある。
(後期 木・3 全)
2単位
Learning about Social Behavior with Experimental Games
大学教育研究センター 渡邊 席子
への参画を通じて、受講生それぞれが自分を取り巻く
●科目の主題
この授業は、自分のキャリア(=労働を含む「生き
環境(世界/社会)との折り合いをつけ、いかにして
方」全般)について「自分で考える」授業である。よ
自分のキャリアを発達させるために行動するか/しな
り具体的には、キャリアカウンセリング理論の基礎を
いかについて少し時間をかけて考え、かつ、考えたこ
学ぶとともに、ゲーミング・シミュレーション教材作
とを頭の中だけにとどめず、自分の言葉で説明し、表
成、および、意思決定ゲーミング・シミュレーション
して確認する機会を提供することを目指す授業である。
−54−
人間と知識・思想
●評価方法
●授業の到達目標
この授業の到達目標は、①キャリアカウンセリング
⑴ 平常点(学ぼうとする意思・態度・行動、各種
理論の基礎を理解すること、②各種課題を通じて自分
課題・宿題・報告書等の内容、時間・期限を順
のキャリアについて分析・考察し、自身を取り巻く環
守できていたか、授業期間中に行う小テスト、
境と折り合いをつけながら生きる自立した人となるた
自己評価等)
:80点満点
めに必要なことを自分なりの視点から見出すこと、の
⑵ 各種課題に対する学生同士の相互評価:20点満点
→合計100点満点
2点である。
●受講生へのコメント
●授業内容・授業計画
この授業は、active learning(学生による討論、発
表、グループワーク等を伴う形式)を可能な限り組み
入れて運営される。受講生には、キャリアカウンセリ
ング理論についての講義を受けていただき、他受講生
・受講希望者は、初回のガイダンスに必ず出席するこ
と。
・全15回のうち、13回以上の授業への誠実な参画が単
位認定の最低ラインである。
とともに各種課題(教材作成、グループワーク、ゲー
・授業の進行に付随して課題・宿題を提示し、それら
ミング・シミュレーションへの参画など)に取り組ん
を解いていることを前提として毎回の授業を進行す
でいただきながら、いかに自身のキャリアを発達させ
るために行動するか/しないかを問い、語っていただ
る。
・授業は2つのユニットから成っている。特に重要な
回に遅刻・欠席したり、重要な課題を提出しなかっ
く。
た場合、以降の授業に参画できないことがある。
第1回:ガイダンス+導入課題
第2∼10回:ユニット1=大学生向けキャリアデザ
・他受講生との協同を通じて「積極的に自己と向き合
イン・ゲーミング・シミュレーション教材
い、表出し、確認し、いかに生きるかを考えるこ
をつくる(キャリアカウンセリング理論に
と」が求められる授業である。自分の優れた側面の
ついての基礎講義、教材作成、相互評価、
発見はもちろんのこと、不十分な点や曖昧な点、迷
自己評価、ナラティヴ・キャリアカウンセ
いや恐れ等々も含めて過去と現在の姿を受け止めつ
リングワーク)
つ、自分の足で将来へと歩み進んでいく準備ができ
第11∼15回:ユニット2=意思決定ゲーミング・シ
ミュレーションを通じて「自分」と「社
ているかどうか、よく見極めたうえで受講するかど
うかを決めていただきたい。
会」を知る(ゲーミング・シミュレーショ
●教 材
ンへの参画、討論、相互評価、自己評価)、
・教科書は用いない。必要な教材は授業中に配布す
る。
まとめと総合自己評価
なお、授業期間中に2度、授業内容の理解度チェッ
・なお、教材となりうる素材を受講者自身が集めて持
ち寄る場合もある。
クをかねた小テストを行う。
日常の中の不思議を探す 演習
(後期 火・3 全)
2単位
Seminar: Let's find out wonders in our daily life
大学教育研究センター 渡邊 席子
●授業内容・授業計画
●科目の主題
本演習は、少人数によるactive learning(学生によ
本 演 習 で は、 個 人 ま た は グ ル ー プ で 各 種active
る討論、発表、グループワーク等を伴う形式)を介し
learning課題に取り組む。演習のスケジュールは以下
て、われわれの周りにある身近な情報や、日々置かれ
のとおりである。
ている状況のもつ意味を、当たり前と受け流さず、鵜
第1回:ガイダンス+導入課題
呑みにせず、今一度自分の頭で考え捉えなおしなが
第2∼6回:演習1(時事問題に関する討論、質疑
ら、総合的思考力(=実践を伴う筋の通ったものの考
応答、振り返りによる自己評価、相互評
え方)の確立を目指す科目である。
価)
第7∼10回:演習2(「社会ではたらくこと」に関
●授業の到達目標
本演習の主な到達目標は、受講生各自が自分に合っ
た総合的思考力の基礎を確立することである。あわせ
て、他受講生とともに創造的な討論の場を作るエンハ
する調査、発表/討論、質疑応答、相互評
価、自己評価)
第11∼14回:演習3(解きたい問題を発見し、本質
ンサーとしての役割を果たせるようになることを副次
を見極める調査、発表/討論、相互評価、
的目標とする。
自己評価)
−55−
人間と知識・思想
第15回:まとめと総合自己評価
・受講人数の上限を12名とする。
本演習は、単なる発表・討論スキルアップ講座では
・全15回のうち、13回以上の演習への誠実な参画が単
ない。自立した大人に資する総合的思考力とは何かを
位認定の最低ラインである。
受講生「自らが」掴み、自分なりの思考方法を見出す
・演習の進行に付随して課題・宿題を提示し、それら
ための演習である。専攻・学年の異なる他受講生との
を解いていることを前提に毎回の演習を進行する。
交流の中で、自らの立ち位置を確かめつつ、柔軟に思
・本演習は3つのユニットから成っている。特に重要
考し、失敗を恐れずに試行錯誤してみる積極性と行動
な回に遅刻・欠席したり、重要な課題を提出しな
力が求められる。
かった場合、以降の演習に参画できないことがあ
●評価方法
る。
⑴ 平常点(参画への意思・態度・行動、各種課
・誰かに答えを教えてもらう受け身の姿勢ではなく、
題・宿題・報告書等の内容、授業目標達成に
「自ら学び、身に付け、掴みとる」意思を持つとと
かかる具体的な問題解決とその結果に対する適
もに、極度に失敗を恐れることなく試行錯誤してみ
切な自己評価、時間・期限を順守できていたか
る積極性を有する学生、ないしは、現時点の自分の
等):80点満点
力量に不足を感じ、もっと学ぶ力を伸ばしたい/積
⑵ 各種課題に関する学生同士の相互評価:20点満
極性を持ちたいとの強い意志のある学生の受講を希
望する。
点
●教 材
→合計100点満点
・教材は演習中に適宜配布される。なお、教材となり
●受講生へのコメント
・受講希望者は、初回のガイダンスに必ず出席するこ
うる素材を受講生自身が調査の上、集めて持ち寄る
場合もある。
と。
教育と発達の心理学
(前期 火・2 全)
2単位
Psychology on Education and Development
大学教育研究センター 西垣 順子
第11−14週 田中昌人の発達理論
●科目の主題
人間の発達に関する3人の研究者の発達理論とその
理論の成立背景を学びながら、
「 人間の発達とは何か」
「すべての人の発達する権利を保障するために教育は
第15週 レポートの提出と総合評価
●評価方法
「授業に参加して、授業中も授業時間外も考えて、
どのような役割を果たすのか」という問題について考
そして書く」このプロセスと成果をもとに成績評価を
えます。
行います。具体的には、レポートが35点、毎回の授業
●授業の到達目標
で執筆するミニペーパーは45点、宿題が20点の計100
① ピアジェ、ヴィゴツキー、田中昌人の3名の人
点満点で評価します(配点はおおよその目安です。5
間発達理論のエッセンスとその成立背景を理解
点程度は変動する可能性がありますが、初回の授業の
すること
際に確定した数値を出します)。60点以上が合格。
② 自分自身の発達過程を多面的に分析することを
●受講生へのコメント
通じて、現代社会における教育と発達に関わる
総合科目においては、専門知識を覚えることより
諸問題について、より広い視野から検討できる
も、学生が自分で考え、悩むことが重要です。授業の
ようになること
内容をもとに大いに考え、議論するという態度で受講
③ 「発達する権利」について理解し、その権利が
保障される社会の創出に参画する市民として、
してください。
レポート課題の他に、ミニアドベンチャーという課
題を出します。これは、授業の内容理解を深めたり、
自分自身の役割を考察できるようになること
図書館の使い方や文献の引用の仕方などを身をもって
●授業内容・授業計画
体験してもらうためのものです。
第1週 ガイダンス
第2−3週 ピアジェの発生的認識論
なお、授業には遅刻せずに、毎回出席するのが常識
第4−5週 ヴィゴツキーの発達理論
です。この常識に従って授業を進めますので、欠席を
第6−9週 発達保障運動の背景と発達の障碍
理由とする課題の不提出等は認めません。
「卒業が危な
(映画「夜明け前の子どもたち」の鑑
いので単位をください」という依頼も受け付けませ
賞と検討を含む)
ん。
担当教員のオフィスアワーは火曜日の昼休み。内線
第10週 「論じる」とはどういうことか
−56−
人間と知識・思想
番号とメールアドレスは授業中に呈示します。
●教 材
授業中に参考文献を提示する。
教育と発達の心理学 演習
(後期 木・3 全)
2単位
Seminar: Psychology on Education and Development
大学教育研究センター 西垣 順子
第12−13週 レポート作成
●科目の主題
すべての人が「健康に発達する権利」が保障されな
ければならないという発達保障の思想を基盤に、今年
度は「貧困と発達」の問題を検討します。
「 発達心理
学研究」という雑誌に「貧困から発達を考える」とい
受講生各自が問題を設定し、レポートを作成します。
第15週 総合討論会
●評価方法
雑誌記事講読と議論への貢献度50点、レポート30
う特集号が組まれましたので、それを講読していきま
点、平常点20点の割合で評価します(満点は100点)
す。最終的には受講生各自が、教育と発達に関する
●受講生へのコメント
テーマのもとで問題を設定し、検討してレポートしま
演習形式の授業のため、受講生数を16名程度以下に
制限します。
す。
演習形式ですので、受講生の発表や議論を中心に授
●授業の到達目標
① 発達する権利とその保障について、基本的な考
業を進めます。授業への積極的な関与を期待します。
次の2つは、単位認定に値するレポートを作るための
え方を理解すること
② 自ら探究する課題を設定し、それについて資料
等を収集しながら検討し、ひとつの回答を立て
必要条件になりますので、そのつもりで履修登録をし
てください。
① 遅刻や欠席をせずに授業に参加すること
られること
③ 自ら設定した課題とその回答を、他の受講生と
② 自習時間を授業に出席する時間(1週間あたり
90分)より多く確保すること。
共有し、レポートにまとめられること。
担当教員のオフィスアワーは火曜日の2時限目と昼
●授業内容・授業計画
第1週 ガイダンス「発達保障論の概要」
休み。内線番号とメールアドレスは授業中に呈示す
第2週 子どもの貧困と発達保障
る。
第3−11週 「発達と貧困」に関する雑誌記事を読
●教 材
授業中に配布します。
みながら議論
−57−
人間と知識・思想
リテラシー教育の思想と方法
(後期 火・4 全)
2単位
Philosophical and Psychological Issues on Literacy Education
大学教育研究センター 西垣 順子
授業で執筆するミニペーパーは40点、宿題が30点の計
●科目の主題
100点満点で評価します(配点はおおよその目安です。
リテラシーは読み書き能力という意味が基本ではあ
るが、実際には一般的に考えられているようには単純
5点程度は変動する可能性がありますが、初回の授業
な概念ではない。本授業では、リテラシーという概念
の際に確定した数値を出します)。60点以上が合格。
の多面的な意味を踏まえながら、リテラシーとその教
●受講生へのコメント
育が人間個人と社会の発達において果たす役割につい
本授業では、大学教育の中で実施されるリテラシー
て考え、これからのリテラシー教育のあり方について
学習、教育についても扱いますので、みなさんが「レ
考察する。
ポートを書くこと」
「書く力を強くすること」につい
●授業の到達目標
て改めて考えるきっかけになると思います。しかし、
① 機能的リテラシー、批判的リテラシー等のリテ
「レポートをどう書けば良い点数がもらえるか」を直
ラシー概念を理解し、多様に展開されているリ
接的に講義する科目ではありませんので、予め承知し
テラシー教育について、その目的や意義を理解
ておいてください。
するとともに、批判的に検討できるようになる
受講生の多くの方は受けたことがないと思われるリ
テラシー教育について知るために、参考資料を宿題と
こと
② 自らが直接的に巻き込まれているリテラシー学
して読み、それについて、授業中にディスカッション
習について、その目的と意義を理解しながら、
をします。授業を聞くだけではなく、参加するという
批判的に検討し、自分自身の学習を再構築でき
姿勢で取り組んでください。
レポート課題の他に、ミニアドベンチャーという課
ること
●授業内容・授業計画
題を出します。これは授業で討論する内容等について
第1週 ガイダンス
あらかじめ認識を広めたり深めたりしてもらうための
第2週 言葉を自覚する
ものです。
なお、授業には遅刻せずに、毎回出席するのが常識
第3週 機能的リテラシー
第4−5週 映画「学校1」の鑑賞と検討
です。この常識に従って授業を進めますので、欠席を
第6週 これまでの授業に関するグループ討議
理由とする課題の不提出等は認めません。
「卒業が危な
第7週 パウロ・フレイレの教育実践
いので単位をください」という依頼も受け付けませ
第8週 パウロ・フレイレの教育思想
ん。
担当教員のオフィスアワーは火曜日の昼休み。内線
第9週 批判的リテラシー論
第10週 「生きなおすことば」を読む①
番号とメールアドレスは授業中に呈示します。
第11週 期末レポートの出題と解説
●教 材
大沢敏郎(著)
「生きなおす、ことば―書くことの
第12週 科学リテラシーと言語活動の充実
第13週 「生きなおす言葉」を読む②
ちから―横浜寿町から」太郎次郎エディタス(1,800
第14週 大学で学ぶということ
円)を教科書とします。授業で使うので、必ず購入し
第15週 レポートの相互評価と提出
ておくこと。
小柳正司(著)
「リテラシーの地平:読み書き能力
●評価方法
「授業に参加して、授業中も授業時間外も考えて、
の教育哲学」
(大学教育出版)
(1,600円)を参考書とし
そして書く」このプロセスと成果をもとに成績評価を
ます。授業を聞くだけでは理解できない部分はこの本
行います。具体的には、期末レポートが30点、毎回の
を読んで復習してください。
−58−
現代社会と人間
現代文化の社会学
(後期 火・2 全)
2単位
Contemporary Cultural Studies
文学研究科 石田 佐恵子
●授業内容・授業計画
●科目の主題
「現代文化」とは、いかなる特徴を持つものなのだ
ろうか。たとえば、以下のような特徴がしばしばとり
上記テーマを、以下のパートに分けて論じる。
⑴ 現代文化研究におけるテレビ文化研究の位置づ
け(第1−3回)。
あげられる。
① テレビ・携帯電話・インターネットなどの電子
的メディアの性質が、人々の日常生活に大きな
⑵ クイズ形式の文化の特徴(第4−5回)。
⑶ 放送史におけるクイズ番組の制作と消費の変遷
(第6−10回)。
影響を与えている。
② 音楽、マンガ、テレビ、インターネット記事な
どの文化商品が、国境を越えて流通し、グロー
⑷ 現代文化と知識消費(第11−13回)。
⑸ まとめと評価(第14−15回)。
●評価方法
バルな脈絡において消費されている。
③ ポストモダンと呼ばれる社会状況に共通の生活
講義時には、毎回出席をとります。この出席の配点
様式・価値観などが世界規模で出現しつつあ
は30%程度。授業時に随時行うミニ・レポートは出席
る。
点としてカウントします。学期末には「現代文化現象
では、
「現代文化」を社会学的に考えるとはどのよう
についての考察・分析を行う」段階として、論述形式
なことなのだろうか。本講義では、現代文化のなかか
の試験を実施します。試験による評価は、成績全体の
ら、特にテレビ文化をとりあげ、
「クイズ形式」をキー
70%程度です。
ワードにその特質を論じていく。
●受講生へのコメント
現代のメディア文化のさまざまな領域について、積
●授業の到達目標
「現代文化」とは、私たち自身にとって馴染みの深
極的関心を持っている受講生を望みます。なお、受講
い日常生活そのものであり、もはやそれなしでは生き
に際し、他の学生に迷惑をかけるような行為(私語・
ることができないほど深く浸透している。また、国内
遅刻など)を行う者には、退出を求めることがあるの
のみならず、グローバルな共通性を持って生きられて
で、充分留意してください。
いる文化でもある。
●教 材
したがって、文系・理系の学生を問わず、私たち誰
教科書:石田佐恵子・小川博司(編)
『クイズ文化の
社会学』世界思想社、2003。
もにとって、このような文化のありようを理解するこ
とは、きわめて重要な意味を持つ。この講義を通し
参考書:岩渕功一(編)『グローバル・プリズム』平
て、
「現代文化」のさまざまな現象についての理解を深
凡社、2003。萩原滋(編)
『テレビニュース
め、それらを実践的に読み解く能力を養うことを目標
の世界像』勁草書房、2007。その他、授業中
とする。
に適宜指示します。
社会科学のフロンティア
(後期 火・2 全)
2単位
Frontier of Social Science
経済学研究科 坂上 茂樹
学 情 セ ン タ ー H P 右 下、
「 …… リ ポ ジ ト リ 」 を ク
●科目の主題と目標
この恥知らずな科目名は実態と乖離しており、現実
リック
には「各講義担当者の最近の研究内容紹介」を意味す
検索・閲覧をクリック
るに過ぎない。
左上の「記事種別」をクリック
出て来た画面の右上に“Discussion Paper”の項が
本年の講義タイトル=実質の内容は以下の通り。
あり、クリックすると一覧表が現れる。
日本における航空発動機技術の歴史
航空発動機は大きな価値判断とは別に、戦前戦時
その中の「三菱航空発動機技術史論 ―― ルノーか
期、世界的に最先端・最重要技術であったことを想起
ら三連星まで ―― 第Ⅰ部:三菱内燃機・三菱航空機
して欲しい。要は、その中で日本はどうであったの
のV及びW型ガソリン航空発動機」が本講義の前半
か、ということ。
部と重なるものである。ワードをPDF化した文献で
●授業内容・授業計画
209頁あるが、重々閲覧の上、受講するか否かを判断
−59−
現代社会と人間
●評価方法
すること。
また、
「 収録誌別」をクリックして右上の「Lema」
を選択すれば補足資料となる拙稿の閲覧が可能であ
期末試験による。
●受講生へのコメント
左記文献を瞥見すれば自分にとって理解可能な内容
る。
講義はこれらの文献に沿って開始されるが、重要ポ
かどうか、直ちにハッキリと判る筈である。中身は工
イントの一つ、ガソリン噴射については『経済学雑
学史・技術史に属するものであり、いかにも社会科学
誌』への連載が始まったところであり、最も重要な空
然とした講義と決め付けてかかられると完全なミス
冷星型発動機については目下、執筆中(ワード約400
マッチを生ずるであろう。
枚で成長中、完成すれば500枚超?)であるから、こ
●教 材
左記文献を用いる。付言しておくが、左記文献で使
れらのポイントについては口頭で流すしかない。
また、当方の思考のヨリ原則的な部分については
われている多数の引用・参考資料類は本学の学情セン
“Discussion Paper”の中にある「技術の生命誌試論」
ターにはほとんど所蔵されていない。しかし、松岡久
に述べられており、これに係わる事柄についてもマク
光『三菱航空エンジン史1915−1945』三樹書房、2005
ラ程度には触れる積りである。
年(2,800円)辺りは内容も価格も手頃で参考書として
好適である。
日本国憲法
The Constitution of Japan
(前期① 木・2 全)
2単位
(前期② 木・1 全)
2単位
法学研究科 米澤 広一
10 親の教育の自由
●科目の主題
11 教師の「教育の自由」
教育を通じて日本国憲法を読み解く
12 私立学校と憲法、児童の権利条約
●授業の到達目標
「日本国憲法」は教員免許取得のための必修科目に
13 国会
指定されているため、受講生の多くが教育問題に関心
14 内閣
を持っている。そこで、本講義では、後掲の教科書に
15 裁判所
沿って、学校教育での憲法問題について解説を加え、
日本国憲法への関心と理解を深めることを、目標とす
●評価方法
学期末に行う定期試験によって評価する。
最終学年の者のみ、レポートの提出を認め、定期試
る。
験の成績に加味する。
●授業内容・授業計画
●受講生へのコメント
1 明治憲法から日本国憲法へ
法学部生に対しては、本講義は、教職の単位として
2 未成年者の人権享有主体性、生徒の自己決定権
3 日の丸・君が代と学校
のみ認定される(全学共通教育の単位としては認定さ
4 宗教と公立学校、生徒と政治
れない)。
教職の単位を必要としない法学部生は、専門科目の
5 教育情報の本人開示と公開
6 教科書の検定、採択、給付、使用
憲法Ⅰ、憲法Ⅱのみを受講されたい。
7 学校事故の賠償と防止
●教 材
8 障がい児の教育を受ける権利
教科書:米沢広一『憲法と教育15講』[第3版](北樹
出版)
9 外国人の子どもの教育を受ける権利
都市的世界の社会学
(前期 木・3 全)
2単位
Sociology of Urbanization
文学研究科 伊地知 紀子
ローバル化のなかで生じる日本の都市的世界を朝鮮半
●科目の主題
都市的世界を社会学の視点から考察する。モノ・ヒ
島との関わりのなかから考える。具体的には、明治期
ト・情報がさまざまなボーダーを越えて移動する現代
から現代までを射程に入れ、大阪が多民族・多文化社
世界では、グローバル化が一つのキーワードとなり、
会となっていく様子を韓国・済州島との関わりを考察
日本もまたその流れのなかにある。 この講義では、グ
対象とする。
−60−
現代社会と人間
12.都市化と移動
●授業の到達目標
都市を重層的に捉える視点を身につけ、自分に身近
13.多文化と共生⑴
な歴史や生活を見直すなかで、視野を広げ汎用性の高
14.多文化と共生⑵
15.試験
い世界観を養う。
●評価方法
●授業内容・授業計画
授業中のミニレポートを含む平常点40%、期末試験
1.オリエンテーション
2.日本社会とエスニシティ⑴
60%。
3.日本社会とエスニシティ⑵
●受講生へのコメント
授業終了後に配布資料を熟読すること。
4.韓国・済州島/日本・大阪⑴
●教 材
5.韓国・済州島/日本・大阪⑵
6.越境する生活圏−解放前⑴
井 上 俊・ 伊 藤 公 雄 編『 都 市 的 世 界 』
(社会学ベー
7.越境する生活圏−解放前⑵
シックス4)世界思想社。伊地知紀子『生活世界の創
8.越境する生活圏−解放後⑴
造と実践−韓国・済州島の生活誌から』御茶の水書
9.越境する生活圏−解放後⑵
房。その他、授業中に適宜指示する。資料配布、ビデ
10.オールド・カマーとニュー・カマー⑴
オやスライドも使用予定。
11.オールド・カマーとニュー・カマー⑵
日本と世界の教育
(後期 木・2 全)
2単位
Education in Japan and the World
文学研究科 堀内 達夫
フランス、アメリカ、ドイツ、イギリス、
●科目の主題
高度化する産業社会において、教育は政治、経済、
社会のシステムに組み込まれつつ重要な役割を担って
北欧諸国、中国のキャリア問題と職業教育
D.企業社会とその影響
いる。グローバル化、情報化、少子高齢化などが進む
青年の就職(雇用)事情
日本及び欧米諸国では、もう一方で、人権、参加、個
企業内教育の行方
性化などの尊重をめざす豊かな社会づくりの一環とし
●評価方法
レポート及び期末試験の成績を合わせて評価する。
て、教育改革を展望できる時代を迎えつつある。
本講では、現代の学校と産業社会との間で問われる
●受講生へのコメント
基本的な問題の所在とその解決の理論的な見通しにつ
身近な教育の問題は、とかく自己の経験や信条に
いて、自らの経験に基礎をおいた同心円的な観点、自
拘って、視野を広げにくい性格をもつ。理論に照らし
ら住む地域から日本社会全体へ、さらに世界へ広がる
て、他者の意見にも耳を傾けて、自らの経験を再構成
同時代的なあるいは国際的な観点に立って論じる。
する努力が望まれる。そのためには、幾つかの参考文
●授業の到達目標
献(教材)を講義と並行して読んでもらいたい。
教育、とくに学校と社会に関わる基本的な問題につ
いて、日本全体、さらには国際比較の観点から理解す
●教 材
・堀内達夫・佐々木英一・伊藤一雄・佐藤史人編著
『日本と世界の職業教育』法律文化社
る方法論とそのための基礎的能力を身に付ける。
・伊藤一雄・佐藤史人・堀内達夫編著
●授業内容・授業計画
次のような構成で講義を進めるが、幾つかのテーマ
については、補足的・発展的な説明を加える。A∼D
『キャリア開発と職業指導−高校・大学のキャリア
教育支援』法律文化社
・堀内達夫・佐々木英一・伊藤一雄編著
の各テーマについて、3回程度の講義を行う。
序:教育改革の国際的動向
『新版 専門高校の国際比較−日欧米の職業教育』
A.学校から仕事への移行の問題
法律文化社
・大桃敏行・上杉孝實・井ノ口淳三・植田健男編
ニート・フリーター問題への対策
『教育改革の国際比較』ミネルヴァ書房
B.能力主義と学力向上の教育
・平沼高・佐々木英一・田中萬年編著
一元的能力主義と多元的能力主義の教育
『熟練工養成の国際比較−先進工業国における現代
OECDの教育
の徒弟制度』ミネルヴァ書房
C.諸外国のキャリア教育・職業教育
−61−
現代社会と人間
現代社会学入門
(前期 月・ 2 全)
2単位
Invitation to Contemporary Sociology
文学研究科 進藤 雄三
9.家族:
「婚活」の誕生/家族のゆくえ
●科目の主題
10.ジェンダー:
「家父長制」と資本制?
現代社会で起きている多様な社会現象を素材に、社
会学的分析を提示する。
11.エスニシティ論:
「エスニシティ」の誕生
●授業の到達目標
12.エイジング論:高齢社会の誕生/「エイジズ
ム」
1.社会学という学問領域についての概括的知識を
13.グローバリゼーション論:それは何を意味する
習得する
のか
2.現代社会の多様な現象に関する理解を深めると
ともに、社会学的思考法についての理解を深め
14.現代社会の歴史的位相:日本、世界の共時変容
る。
15.結語:社会学的想像力
●評価方法
●授業内容・授業計画
出席2・コメント3・試験5の三者によって判定す
1.社会学:オリエンテーション
2.自己論:
「私」という存在を問う/「個人化」
る。
3.逸脱:犯罪は凶悪化/増大したか?
●受講生へのコメント
次回講義のさいに使用されるキーワードを指示する
4.医療:
「医師不足」はなぜ起きた?
5.政治:支配と権力/世界史における日本
ので、参考書の該当箇所を読んでくること。
6.情報・メディア:メディアはメッセージ?
●教 材
7.教育:資格社会の陥穽/日本型学歴社会
参考書:
『新しい世紀の社会学中辞典』
(ミネルヴァ書
房、2005)
8.宗教:世界における宗教/苦難と幸福の神義論
現代の社会問題
(後期 水・2 全)
2単位
Contemporary Social Problems
文学研究科 川野 英二
第3・4講 貧困と「社会問題」の登場
●科目の主題
第5・6講 福祉国家と社会問題
近代化とともに生まれた「社会問題」とその変容の
歴史的プロセスをたどりつつ、現代の新しい社会問題
第7・8講 新しい貧困と社会的排除の登場
の特徴について論じる。講義では、労働と貧困に関係
第9・10講 都市貧困と社会的排除
する社会問題の歴史と現代におけるその変容をヨー
第11・12講 貧困と社会的排除の国際比較
第13・14講 社会的不安定化の諸問題
ロッパやアジア、日本、とくに大阪の都市問題と関係
●評価方法
づけながら、
「社会的なもの」のあり方を考える。
出 席 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン カ ー ド(40%)、 試 験
●授業の到達目標
現代の社会は、非正規雇用やワーキングプアの増
(60%)の結果を総合的に判断して評価する。
加、相対的貧困率の高さ、ホームレスやネットカフェ
●受講生へのコメント
難民など、新たな社会問題に取り組まざるをえなく
本講義をつうじて、新聞やニュースなどメディアで
なっている。これら現代の社会問題に関する問題意
取り上げられるようなアクチュアルな問題を、歴史や
識を深めると同時に、関連する統計や映像、インタ
社会構造などマクロな社会の変化と関係づけてとらえ
ビューなど様々なデータを読み解き、解釈する能力を
る想像力を養ってほしい。
養う。
●教 材
教科書は使用しない。
●授業内容・授業計画
参考図書は授業中に適宜指示する。
第1・2講 近代と社会問題
−62−
現代社会と人間
世界のなかの日本経済
Japanese Economy from the World Viewpoint
(前期① 火・4 全)
2単位
(前期② 火・1 全)
2単位
非常勤 佐藤 光
⑴ 高度成長とその終わり
●科目の主題と目標
⑵ 日本的経済システムの光と影
世界経済の現状を概観したあと、日本経済が現在直
面している課題を初心者向けに解説し、これから建設
4.日本経済の現在
すべき新しい日本の姿を模索する。教科書には学部専
⑴ 低成長と「派遣切り」
門課程向けの内容が含まれているが、初心者向けに書
⑵ デフレーション
かれた部分のみを、追加説明を含めて講義する。
⑶ 財政危機と高齢化社会
●授業内容・授業計画
⑷ エネルギー問題――原発か再生エネルギー
か
1.はじめに
⑸ TPPと農業問題
2.世界経済の現状
⑴ 金融危機①――「アメリカ発の金融危機」
5.日本経済の将来――「美しい日本」に向かって
●評価方法
とは何だったのか
通常の試験
⑵ 金融危機②――ヨーロッパの信用不安
●受講生へのコメント
⑶ 雇用不安と産業変動
⑷ 先進諸国の停滞とBRICs(中国、インドな
予備知識は不要だが、世界と日本の現状についての
関心があることが不可欠。
ど)の台頭
●教科書
⑸ 中国をどう見るか
佐藤光『カール・ポランニーと金融危機以後の世
⑹ 地球環境問題と天然資源
界』晃洋書房、2012年。
3.日本経済の過去
現代経済学入門
(前期 金・3 全)
2単位
Introduction to Modern Economics
経済学研究科 中嶋 哲也
10.IS−LM分析2
●科目の主題
経済全体の動きを理解するための経済理論について
11.IS−LM分析3
説明する。
12.貿易と資本移動
●授業の到達目標
13.変動相場制と国際競争力
GDP、失業率、貿易収支の動きなどを扱うマクロ
14.修正マンデル・フレミングモデル
15.まとめ
経済学の概要を理解すること。
●評価方法
●授業内容・授業計画
期末試験の成績に基づき評価する。
1.ケインズとマクロ経済学
●受講生へのコメント
2.総生産と物価
黒板に図や式を書きながら丁寧に説明するので、出
3.有効需要の原理と均衡総生産
4.乗数効果
席しノートをきちっと取れば、内容は理解できるであ
5.政府支出と増税の効果
ろう。
6.貨幣供給
●教 材
教科書はなし。マクロ経済学の入門書はどれも参考
7.貨幣需要と利子率
になる。
8.金融政策の効果
9.IS−LM分析1
−63−
現代社会と人間
法と社会
(後期 木・4 全)
2単位
law and society
法学研究科 恒光 徹
け、近代的刑罰の中心としての監獄刑が実現するまで
●科目の主題
ミシェル・フーコー「監獄の誕生」を素材に、近代
の過程を検討する。
社会の刑事司法制度を、そして近代社会の構造を考え
⑩−⑭同第3部 規律・訓練 第1章 従順な身体
る。また、日本の現代社会と刑事司法を考える視点を
第2章 良き訓育の手段 第3章 一望監視方式 近
示す。今年は、刑務所について考える。
代社会の「自由と平等」な社会の裏の構造、監獄刑を
●授業の到達目標
刑罰の中心にした近代社会の規律・訓練的一望監視的
日常の犯罪報道や刑事裁判報道などを批判的に(否
定的という意味ではなく、現実を無条件で肯定するの
ではなく、伸ばすべき点と変革すべき点を見極めると
構造を示す。
●評価方法
定期試験60点、予告なしの2回の小テスト40点で評
いう意味で)理解するのみならず、現代社会と法を批
価します。
判的に検討する力を身につけることを目標とする科目
●受講生へのコメント
授業中の質問は大歓迎です。ただし、私語、途中退
である。
室は厳禁です。授業後の質問も受け付けます。
●授業内容・授業計画
①−④ベッカリーアの「犯罪と刑罰」における監獄
●教 材
参考書:ミシェル・フーコー著、田村俶訳「監獄の誕
の位置づけを検討する。
⑤−⑨フーコーの監獄の誕生「第2部 処罰 第2
章 刑罰のおだやかさ」を検討し、ベッカリーアら刑
事司法改革者たちの構想とそこにおける監獄の位置づ
日本の企業
Japanese Company
生」新潮社。チェーザレ・ベッカリーア著、
小谷眞男訳「犯罪と刑罰」東京大学出版会
毎回、資料を配布します。
(前期① 木・1 全 )
2単位
(後期② 木・1 全 )
2単位
経営学研究科 高橋 信弘
商学部学生は履修不可
7 アジア通貨危機
●科目の主題
経済のグローバル化は、皆さんの生活にどのように
8 サブプライムローン問題と世界金融危機
関係しているのだろうか。ヨーロッパの経済危機が世
9 世界貿易機関(WTO)と経済連携協定(EPA)
界経済に悪影響を与えていることや、中国での日本製
10 日米経済協議
品不売運動により日本企業の輸出が減少していること
11 中国経済
などを思いつく学生もいるだろう。こういった世界経
12 日本の貿易と直接投資の拡大
済の様々な現象を一つひとつ取り上げ、経済学の視点
13 産業空洞化
から理解する。
14 企業の新製品開発
15 まとめ
●授業の到達目標
日本経済はグローバル化の進展とともにどの方向へ
進んでいるのか、そのなかで日本企業がどんな展開を
●評価方法
期末試験のみ。出席はとらない。試験時の資料持ち
しているのかを、自分なりに理解できるようになる、
込みについては、後日指示する。
あるいは、それを考えるための最低限の知識を得るこ
●受講生へのコメント
受講生が経済学に対する基礎知識ゼロであることを
とを目指す。
前提に、教科書の内容を丁寧に説明していく。そのた
●授業内容・授業計画
め受講の際には教科書を必携のこと。
1 ガイダンス
すべての人の生活は、経済の影響を強く受ける。卒
2 貿易の基礎
3 短期的な為替レートの決定
業した後に、多くの人がこのことを実感するだろう。
4 一国の国際収支
しかし、そのときには、経済についてじっくり学ぶ時
5 長期的な為替レートの決定
間をとれない。だからこそ、自由にものを考える時間
6 少子高齢化社会
がある学生時代に、経済について学んでほしい。
−64−
現代社会と人間
●教 材
高橋信弘著『国際経済学入門』ナカニシヤ出版
現代社会と健康
Today's Health Science
(前期① 火・1 全)
2単位
(前期① 木・2 全)
2単位
(後期① 火・1 全)
2単位
(後期① 木・2 全)
2単位
(前期② 水・1 全)
2単位
医学研究科 運動生体医学 藤本 繁夫(前後期の①火曜を担当)
医学研究科 運動生体医学 吉川 貴仁(前後期の①木曜、 ②を担当)
●科目の主題
5.スポーツ障害(内科編・外科編)とその予防
文明の進歩に伴い現代社会は細分化し、我々の生活
6.健康と薬物(麻薬について)
は便利にかつ快適になってきた。その反面、社会機構
7.健康と嗜好品(タバコ、アルコール、嗜好品)
や人間関係はより複雑になり、健康を損ねる条件は時
−受講生のアルコール分解酵素の測定実習を行
代と共に変わりつつある。産業廃棄物や原発事故など
う−
による環境汚染、運動不足の習慣、アンバランスな食
8.各病気とその予防
生活、複雑な社会生活や人間関係によるストレス病な
① 癌(肺癌、胃癌、大腸癌、子宮頚癌)の予
どの健康を阻害する要因が溢れている。一方では、社
防
会の高齢化が進み、健康寿命は延長しているが、生活
② メタボリック症候群(肥満、高血圧、糖尿
習慣病や癌は増加の傾向を示し、メタボリック症候群
病など)
や種々のアレルギー疾患の増加、エイズや新型インフ
③ アレルギー疾患(気管支喘息、鼻炎、湿疹
ルエンザのような新しい感染症が出現し、健康的な日
など)
常生活はむしろ脅かされるようになっている。
④ 感染症(伝染病、結核、インフルエンザな
“現代社会と健康”は、自身の健康をキー・ワード
ど)
にして、健康維持・増進のための情報を提供し、積極
⑤ 血 管 障 害( 心 筋 梗 塞、 狭 心 症、 脳 卒 中 な
的な健康づくりを支援する科目である。健康は自身で
ど)
守るべきものであるが、そのためには正しい医学知識
9.現代社会とストレス病(心身症、神経症、自殺
やエビデンスに基づいて実践する必要がある。新しい
など)
時代に即した健康と医学の情報を提供していく。
10.健康政策、その他救急処置(AEDなど)
●授業の到達目標
●評価方法
・現在の体力の増進のための運動方法が理解でき
期末試験と平常の受講状況(出席率)で評価する。
る。
●受講生へのコメント
・運動療法のメリットとデメリットを説明できる。
自らの健康に関心があり、健康の維持・増進方法と
・健康維持のための運動と栄養・休養を理解する。
病気の予防に興味のある学生の受講を歓迎します。心
・感染症、癌、アレルギー疾患の予防法を理解す
る。
身の成長が一段落したこの時期に、一生涯を見すえた
“自分の健康”について考えてみよう。
( 生涯の健康維
・ストレス病の理解と対処方法を模索する。
持に、また病気予防に興味のある学生の受講を期待し
●授業内容・授業計画
ています)
1.総論(健康とは、病気とは、病気の傾向)
●教 材
2.健康の生理学(健康に必要な心・肺・筋・代謝
の機能)
1.スポーツ医学(やさしいスチューデントトレー
ナーシリーズ).嵯峨野書院
3.運動の生理学(体力維持のための運動方法と効
果)
2.スポーツ医学テキスト.金芳堂
3.病気に関しては、最新の情報をスライド、プリ
4.運動と栄養・睡眠(スポーツ栄養の基礎)
ントで提供する。
−65−
現代社会と人間
家族と社会
(前期 木・1 全)
2単位
Family and Modern Society
非常勤 佐々木 洋子
9.子育てと親子関係
●科目の主題
10.高齢期と家族
家族は、多くの人にとって非常に身近なものであ
る。それゆえ私たちは、家族について、自身の経験か
11.脱家族
ら考察しがちである。しかし、家族(および家族生
12.家族と貧困
活)は、個人的な事柄であるだけでなく、文化的、社
13.家族と暴力
会的、歴史的なものでもある。本講義では、家族社会
14.家族と社会保障制度
学の立場から家族にアプローチし、家族をめぐる様々
15.試験
●評価方法
な現象について考察する。
論述形式を含む期末試験(100%)で評価を行う。
●授業の到達目標
●受講生へのコメント
家族に関する基礎的なデータや理論枠組みの理解を
毎回講義内容についてのコメントを提出してもら
通じて自身の家族経験を相対化し、家族をめぐる諸現
象について考察する。
い、次回以降の講義内でフィードバックしていく。ま
●授業内容・授業計画
た、受講に際し、他の学生に迷惑をかけるような行為
1.家族のイメージ
(私語など)を行う人には退出を求めることがあるの
2.家族とは何か
で、充分留意すること。
3.統計で見る家族の姿
●教 材
4.近代家族の誕生
教科書:特に指定しない。資料を配付する。
5.家族の形成
参考書:神原・杉井・竹田編、2009『よくわかる現代
6.恋愛と結婚
家族』ミネルヴァ書房。その他、授業中に適
7.夫婦関係と性別役割分業
宜紹介する。
8.子どもをもつということ
メディアの社会学
(後期 火・4 全)
2単位
Sociology of Media
非常勤 松田 いりあ
10.ソーシャル・メディア⑴:インターネット(Ⅰ)
●科目の主題
メディアに関する従来の社会学的研究の紹介から、
11.ソーシャル・メディア⑵:インターネット(Ⅱ)
メディアをめぐる近年の動向までを取り上げる。
12.ソーシャル・メディア⑶:インターネット(Ⅲ)
●授業の到達目標
13.ソーシャル・メディア⑷:インターネット(Ⅳ)
14.これまでの授業のまとめ⑵
メディアと社会の関わりをめぐる諸課題の理解
15.試験
●授業内容・授業計画
●評価方法
1.メディアとは何か
期末試験(100点)のみで評価を行う。
2.マス・メディア⑴:新聞
●受講生へのコメント
3.マス・メディア⑵:ラジオ
受講人数に応じ、できるかぎり受講生とのやりとり
4.マス・メディア⑶:テレビ(Ⅰ)
5.マス・メディア⑷:テレビ(Ⅱ)
ができるような授業にしたい。
6.これまでの授業のまとめ⑴
●教 材
7.パーソナル・メディア⑴:電話(Ⅰ)
教科書:使用しない。資料を配布する。
8.パーソナル・メディア⑵:電話(Ⅱ)
参考書:適宜指示する。
9.パーソナル・メディア⑶:電話(Ⅲ)
−66−
現代社会と人間
現代社会におけるキャリアデザイン
(後期 火・3 全)
2単位
Career Design in Modern Society
大学教育研究センター 飯吉 弘子
2回目∼15回目の授業の中では、以下の1.∼3.
●科目の主題
本科目は、キャリアや職場をめぐる現代の社会変化
の側面についてそれぞれ3∼4回分の授業を使って扱
の状況について学び、その中における、個人の生涯を
い、以下の4.の側面については、4∼5回分の授業
通じての幅広いキャリア(社会人としての人生)のあ
を使って考えていく予定である。
り方や可能性について、受講生が自らの問題として考
1.現代社会における職場・仕事をめぐる動向
える科目である。就職支援・対策のための科目ではな
2.キャリア選択の多様性と現代の若年労働者の状
況
く、教養教育の一環としてキャリアデザインを考え
3.必要とされる能力・スキルとは?
る。
知識基盤社会化やグローバル化が急速に進む中で、
4.自らのキャリアデザインについて考える(自己
社会・世界のあり方も変化し、多様で複雑な課題が生
イメージと他者から見た自分像・仕事のイメー
じている。
「就職」で人生の大半が決まるという従来の
ジと現実・これからの自らの人生と現在の自
日本人の典型的な職業観・働き方・生き方モデルも変
分、現代社会におけるキャリアデザインとは
化・多様化している。そのような状況の中で、我々1
等)
人1人が、多様な価値観の中で、自らの「質の高い人
前半は講義を中心に、毎回の小レポート課題に書か
生」をそれぞれに構築していくことや、
「より上手に機
れた意見のフィードバックを行いつつ進め、中盤∼後
能する社会」の実現に向けて多様な人々とともに協働
半は、課外課題・レポート等にもとづく発表やグルー
しながら取り組んでいくことが必要となってきてい
プワーク、授業内ディスカッションなど参加型の授業
る。本科目では、こうした社会変化の中で求められる
を行う予定。
力や姿勢についても考え、その基本を学んでいく。
●評価方法
1)毎時間提出の小レポートと授業参加度55点、お
●科目の到達目標
急速な変化のなかにある社会において、個人の「質
の高い人生」と「より上手に機能する社会」の両方を
よび2)期末レポート等課外課題(複数の課外課題を
予定)とその発表等45点の総合評価とする。
実現していくためには、
「自ら取り組むべき課題に気づ
ただしこれに加えて、全体回数の3分の2以上の出
き、自ら考えつつ、多様な人々と協力しつつ解決に向
席が最低限求められる。これは、本授業が、単なる知
けて行動すること」が一層重要となる。また、そのた
識伝達型授業ではなく、授業における思考や論理的意
めには、
「 情報や知識を複数の視点から注意深く、か
見表明、各種活動への積極参加など思考・学習プロセ
つ論理的に分析する」姿勢と能力が必要であり、それ
スやその成果を重視する授業だからである。
とともに、他者の意見や情報を鵜呑みにするのではな
●受講生へのコメント
く、自分の思いこみも点検しながら、自らの意見をま
本授業では、各テーマの現状・動向を、ただ知識と
とめ表現していける力を身につけることが重要とな
して吸収するだけでなく、毎回、自らの問題として向
る。こうした力を「クリティカル・シンキング」と呼
き合い・考えていくことを求める。そのため、毎時間
ぶが、なかでも本科目では、キャリアをめぐる現代の
の授業内レポートや課外課題等で自らの意見を根拠と
社会変化を題材に、他者の意見や情報、自らの思いこ
ともに論理的に表明してほしい。それらを出来る限り
み等を分析・点検しながら、多角的に考えたり、自分
授業でフィードバックしつつ進めたいと考えている。
の意見をまとめ・他者に伝え、相互に理解し合おうと
また、全学共通教育科目であり、異なる学部学科の
異なる考え方や観点を持つ多様な受講生のなかで、互
したりする力・姿勢の基礎の修得を目指す。
また、キャリアや職場をめぐる現代の社会変化の中
いの意見を分かりやすく伝え合い、意見交換を行い、
における、個人の生涯を通じての幅広いキャリアのあ
自分の考え方を相対化する経験を得る機会として欲し
り方や可能性について、受講生が自らの問題として考
い。そのため、授業内の発表やグループワーク等にも
える中で、最終的には現在の自分を相対化できるよう
積極的に参加してほしい。
になることを目指す。
最終的には、社会における自らの今後の人生・キャ
●授業内容・授業計画
リア・働くということについて考えることを通して、
授業は具体的には、以下の内容に沿って進める。
現在の自己や社会を相対化し把握する契機としてほし
1−2回目:ガイダンス・イントロダクション・キャ
い。
リアデザインとは?/なぜ今キャリアデ
ザイン?―大学へ行く意味の変化
−67−
現代社会と人間
●教 材
教科書は使用しない。随時授業時間中に紹介・配布
する。
現代社会と大学
(前期 木・4 全)
2単位
University and Modern Society
大学教育研究センター 飯吉 弘子
授業計画としては、初回授業はガイダンスを行い、
●科目の主題
同世代の2人に1人以上が大学や短大に進学する時
2∼7回目授業で1.の側面について扱い、その後、
代を迎えた日本の大学は、広く大衆や世界に開かれた
8∼11回目で2.と3.について、12∼15回目で4.
場となり、かつてないほど多くの役割を社会から期待
と5.について考えていく予定である。
なお、それぞれのテーマを扱う際には、現在の状況
されている。大学に関する論議も頻繁に行われ、大学
と同時にその背景についても考え、また、日本の大学
は存在意義・あり方を社会から問われている。
「大学」 とはそもそもどのような場か?自分が通っ
全体の問題と同時に、自分がその中で学んでいる大阪
ている 「自分の大学」はどういうところなのか?当た
市立大学という長い歴史を持つ1公立大学のケースに
り前のように今通っている大学はどうやって出来たの
ついても考える。日本の大学全体の中に大阪市大はど
か?考えてみたことはあるだろうか。
のように位置づけられるのだろうか。
「 大阪市大らし
さ」とは何か、についても考えていく。
今ある「大学」はどのように出来たのか。大学が現
●評価方法
在抱える諸問題はどのようなもので、何故生じたの
か。大学および学生に対する社会からの現在の評価は
評価割合は1)毎時間提出のレポート課題と授業内
いつ頃生まれたのか。本科目では、これらの点につい
活動参加度合いが60%、2)期末レポートが40%とす
て、現在の問題を起点としつつ、歴史の側面からも考
る。
ただしこれに加えて、全体の3分の2以上の出席回
えることを通して、今後の大学のあり方を考えること
を目指す。
数が、最低限求められる。これは本授業が単なる知識
●科目の到達目標
伝達型授業ではなく、授業における思考や論理的意見
表明、各種活動への積極参加など思考・学習プロセス
本授業で大学について考えることを通し、自らの足
もとを改めて確認し、今後の大学のあり方、大阪市大
やその成果を重視する授業だからである。
での自らの学びのあり方・学生としての関わり方につ
●受講者へのコメント
この授業は、講義を聴き知識をただ吸収するだけで
いて考えることを最終目標とする。
「大学」というテーマは、学生にとって、学部を超
はなく、大学に関するテーマについて、自らの問題と
えた共通の身近なテーマであるとともに、自らの足も
して考えることを通して、
「学生」としての自らの立場
とから社会や世界に広がるテーマでもある。本授業を
や「大学で学ぶ」ということの意味を考えることを目
通して、大学とは何かを考え、自分の大学の色(特
標としている。そのため毎回の小レポートや授業内発
色)を実感し、そこから広がる現代社会を考えつつ、
表等で、大学に関する問題への自らの意見を積極的に
学生としての自分を相対化して捉えてみてほしい。
表明することを求める。それら意見を出来る限り授業
●授業内容・授業計画
内でフィードバックしつつ授業を進めていく。
また、現在の大学をめぐる動向・大学や学生への社
以下の5つの側面について考えていくこととする。
会の眼差しを実感するために、毎回、大学に関する記
1.今ある大学はどのようにできたのか?∼大学
事・ニュース等を探すことを課外課題として課し、そ
「制度」成立過程
の要約と意見を毎回の小レポートに記入することも求
2.今の学生・昔の学生∼大学で学ぶ「学生」の変
める。
化
●教 材
3.大学とはどういう存在なのか?∼「社会との関
教科書は使用しない。随時授業時間中に紹介・配
係」の変遷
布する。サブテキストとして『大阪市立大学の歴史』
4.大学で学ぶということは?∼教育機能と21世紀
の教養教育
(あるいは『大阪市立大学の125年』)を使用する。
5.これからの大学はどうなっていくのか?
∼法人化・大学評価・学士課程教育
−68−
現代社会と人間
基礎会計学
(前期 金・2 全)
2単位
Basic Accounting
経営学研究科 特 任 鈴木 新
7.仕訳(手形、その他債権債務)
●科目の主題と目標
8.仕訳(固定資産、減価償却、引出金等の資本取
経済社会において、財務会計が果たす役割は、ます
引)
ます増大している。伝統的には、資金の委託者である
株主に対して、受託者である経営者が管理・運用の成
9.仕訳(貸倒引当金)
果を報告する説明責任(accountability)の遂行であ
10.仕訳(収益・費用の繰延と見越)
り、現代では証券市場における投資家の判断に役立つ
11.決算整理⑴
情報提供である(意思決定有用性)。
12.決算整理⑵
企業は、日々の経済活動を取引として記録してい
13.総合問題⑴
る。それをまとめたものが財務諸表(代表的には、貸
14.総合問題⑵
15.簡単な経営分析
借対照表と損益計算書)であるが、複式簿記は、それ
●評価方法
を支える技術的基礎である。
企業活動を理解する上で、会計の知識は不可欠であ
期末に試験をおこなう。試験は計算器のみ持ち込み
る。企業で働くということは、会計情報と日々向き合
可とする。日商簿記検定の資格取得者は評価の際に考
うということである。ただし、それに縛られてはいけ
慮する。
ないが。
●受講生へのコメント
規則正しい複式簿記のメカニズムを理解する必要が
●授業の到達目標
あり、そのためには、積み上げ式の理解が不可欠であ
本講義は、基本的な複式簿記のメカニズムについて
理解することを目的としている。日本商工会議所主催
る。
の簿記検定(日商簿記)3級レベルの知識を身に付け
●教 材
渡部裕亘・片山覚・北村敬子(編著)『新検定簿記
ることを目標としている。
講義 3級商業簿記(平成25年度版)』(中央経済社)
●授業内容・授業計画
1.簿記・会計の意義と歴史
を使って講義を進める。なお、毎回計算器を持参する
2.貸借対照表と損益計算書
こと。
自主学習用として、松本敏史編『ゼロからの簿記ト
3.取引と貸借平均の原理
4.簿記一連の手続き
レーニング術』(中央経済社)等のワークブックを併
5.仕訳(現金・預金・有価証券)
用すれば効果的である。
6.仕訳(商品売買)
現代社会と大学 演習
(後期 木・3 全)
2単位
Seminar: University and Modern Society
大学教育研究センター 飯吉 弘子
●科目の到達目標
●科目の主題
本授業では、現代の大学が抱える多様な問題を共通
その経験を通して、自ら課題を発見し解決策を考え
題材として、調べ考え発表・ディスカッションするこ
る力や多角的に物事を捉える力・相互の考えを深める
とによって、
「大学」のあり方や「自分自身が大学で学
コミュニケーションを行う力の基礎の修得を目ざす。
このように大学という存在のあり方について考え、
ぶ意味」をより客観的に捉えなおしたり、考察した
りすることを目指す。現代社会において大学が抱える
大学の一部である「学生」という立場で内側から見る
諸問題や大学と学生の位置づけのあり方等さまざまな
「大学」と、外側から見られている「大学」像・「学
テーマについて、自分で調べ、考え、その成果を発表
生」像を比較し実感することを通して、最終的には、
し、学年・学部学科を超えたメンバーでのディスカッ
今後の大学自体のあり方とともに 「自らの学びや学生
ションを行う中で、自らテーマを設定し、自分の意見
としてのあり方」 を考え、自己の相対化・客観化を行
をまとめ、互いに伝えあい話し合う経験をする受講生
うことを目ざす。
参加型の演習授業である。
−69−
現代社会と人間
社会と人権
りしておく→④次週にディスカッショ
●授業内容・授業計画
ン)として授業を進める。
本授業では、大学に関する以下の6テーマ(他に興
味のあるテーマがあれば応相談)の中から、各自orグ
ループの調査希望に沿って選んだ4∼5つのテーマに
●評価方法
1)授業内提出課題、2)テーマについての調査
関して進める。
報告発表の相互評価、3)それをもとにまとめた最
【テーマ】1.大学の大衆化と学生の学力の問題
終レポート、4)ディスカッションへの参加度合い、
2.社会から求められる能力・スキル
5)授業活動全体への参加度合いをそれぞれ20%ずつ
3.社会への出口としての大学・大学院
総合評価する。
(20点×5項目=100点)
なお、授業内の活動参加を重視する科目のため、全
4.大学の入り口と初年次教育
5.21世紀に求められる教育内容
体の3分の2以上の出席回数が最低限求められる。
6.グローバル化と大学の目的・あり方・
●受講生へのコメント
本演習では、自らの発表担当回に限らず、授業内外
大学像
授業は以下のとおり進める予定。
での多くの自律学習と、授業内の活動への積極的な参
1回目授業:ガイダンス・メンバー紹介・希望テー
加が求められるが、それらに真剣に取り組むことで、
課題設定・探求力、思考力、自律的学習力・コミュニ
マ調査
2∼3回目:調査テーマ決定・調査方法の検討・グ
ループ分け等必要に応じて資料検索・
ケーション力等の基本が身につくと考える。投げ出さ
ずに最後までがんばって取り組んでいってほしい。
参加型の演習授業のため、受講生を18名程度に制限
収集と調査のまとめ方指導
4∼15回目:上記4∼5テーマについて、テーマ毎
に授業2∼3回分を1サイクル(①発
表と補足講義・補足資料の配付→②論
点決定→③次週までに論点に関する配
する。
●教 材
教科書は使用しない。随時授業時間中に紹介・配付
する。
付資料を読んだり自分の意見を考えた
現代の部落問題
(前期 金・2 全)
2単位
Buraku Issues in Modern Japanese Society
人権問題研究センター 特 任 野口 道彦
●科目の到達目標
●科目の主題
部落問題とはどんな問題か。今も差別は、なぜ残っ
差別をなくすためには何をしたらよいのだろうか、
ているのか。21世紀になって、どのように変ったの
これを一人ひとりの学生が自分の頭で考えることだ。
か。部落差別は、解消の過程にあるのだろうか。これ
できあいの解答ではない、一人一人にとってのユニー
らの問を解いていくことで、日本の社会の現実がみえ
クな意見をもつことを目標とする。
てくる。社会の構造が浮かび上がってくる。
●授業内容・授業計画
さまざまな差別問題に共通することは、
「差別はもう
講義は、次のようなテーマを中心に考える。
ない」という意見と、
「まだある」という意見に分かれ
1)今日の部落差別
ることだ。部落差別をめぐってもそうである。問題認
2)結婚忌避
識の出発点での認識の食い違いが、どうして生まれる
3)地縁忌避
のだろうか。
4)雇用差別と行政の取り組み
講義では、まず具体的な差別事件を通して、今、部
落差別はどのような形であらわれているのかを考え
る。そこから、差別がなくなりつつあるのか。新しい
5)社会システムと差別
6)部落問題の三位一体的認識からのパラダイム転
換
●評価方法
バージョンの差別が生まれてきているのかを考える。
もう一つの主題は、パラダイムの転換である。部落
コミュニケーション・カードの内容、期末の試験に
問題の常識的な見方を疑ってみる。
「部落」とは何だろ
より評価を行う。
うか、
「部落民」とは誰のことをいうのだろうか。今ま
●受講生へのコメント
で、わかりきったことと思っていることも、あらため
授業に関連した本を少なくとも3冊読むことを期待
て考えてみると、あやふやな知識に頼っていたり、カ
している。毎回、コミュニケーション・カードに、講
テゴリカルな見方をしていることに気づく。
義内容に関連した意見や疑問を書いてもらう。次回に
はそのうちのいくつかを紹介し、コメントする。この
−70−
社会と人権
ようなやりかたを通して、できるだけ一方通行の講義
にならないようにしたい。積極的な受講態度を期待し
ている。
●教 材
寺木伸明・野口道彦編『部落問題論への招待---資料
と解説, 第2版』
(2006年、解放出版社)
メディアと人権
(前期 金・1 全)
2単位
Media and Human Rights
非常勤 中村 一成
育され、いかなるフィルターを経て記事を生産
●科目の主題
人権の観点からマス・メディアの報道を読み解くと
どうなるのか?「報道の自由」と人権との兼ね合い
は?「表現の自由」の限界の有無は?あるならどこ
していくのか?それは日本の企業文化に通じ
る。
⑥∼⑧ 「誰が『表現』を禁じるのか?」ニュース
にかかるフィルターの一つ「タブー」について
に?これが本講座の主題である。
新聞通信調査会の「メディアに関する全国世論調
考える。メディアは「部落民」や「障碍者」ら
査」では、過去最低とはいえ今も6∼7割の人がテレ
マイノリティーをどのように報じてきたか? な
ど。
ビや新聞を信頼しているという。
だがマス・メディアは果たして人々の「知る権利」
⑨∼⑩ 「
『断筆宣言』騒動が残したもの」
に応え、人権の伸長に寄与しているのだろうか?そし
⑪ 「総メディア化時代とは?」
て一方で進むインターネットの普及は、事実上、国家
⑫ 「インターネット事件史」犯罪を受けた法規制
や大企業が独占していた情報の送受信を個人レベルで
可能にする反面、従来では考えられなかった人権侵害
と捜査当局の動きを踏まえて。
⑬∼⑭ 「『馬の糞でも表現は自由』か?」差別表現
/言動は法律によって規制すべきか否か?諸外
をも生み出している。
繰り返される報道被害を例にマス・メディアの構造
国の例も踏まえて。
的問題について考えると共に、これを読む皆さんが被
⑮ 総括
害者、加害者双方に成り得るネット時代の「暗部」に
●評価方法
レポートの提出と、毎回のコミュニケーションカー
ついても考えたい。
ドの内容などを元に総合的に判断する。詳細は初回に
●授業の到達目標
メディアの情報を鵜呑みにするのではなく、複数の
情報を突き合わせて情報を判断する意識を持つこと。
「『知る権利』『言論/表現の自由』と人権」について
説明する。
●受講生へのコメント
講師はフリージャーナリスト。取材体験も盛り込み
自らの考えを展開できること。
ながら、なるべく多くの「問い」を皆さんに提供し、
●授業内容・授業計画
思考を展開する材料(映画や書籍)を紹介していきた
① オリエンテーション(講座全体の流れと評価方
い。授業ではドキュメンタリー映画や講師自身が取材
したインタビュー動画など、映像資料や音楽を頻繁に
法)。メディア史の概観。
②∼④ 「犯罪報道という犯罪」耳目を集めた大事
活用する。コミュニケーションカードは授業の進行に
件について、マス・メディアの報道と、独立系
取り込む。積極的に記入して欲しい。
メディアの作品を見比べて「何が報じられてい
●教 材
ないのか」「それは何故なのか」を考える。
「『報
プリントなどその都度配布する。いわゆる「時事ネ
道の自由』と人権」や、過剰報道に乗じたメ
タ」を使うことも多いので、ネットでも気になった
ディア規制の問題についても取り上げる。
ニュースについては新聞各紙をチェックするなど自分
⑤ 「ニュースが出来上がるまで」記者はいかに教
−71−
なりの問題意識をもってほしい。
社会と人権
部落解放のフロンティア
(後期 金・1 全)
2単位
特 任 野口 道彦
Frontiers of Buraku Liberation
非常勤 谷元 昭信、大北 規句雄、友永 雄吾
第2回目:
〈谷元担当〉部落差別の実相と現状に関
●科目の主題
する認識論
部落問題は、現代の日本社会の構造に根ざした問題
である。部落を解放する営みは、日本の社会運動に大
第3回目:
〈谷元担当〉明治維新以降の部落差別の
実態変遷
きな影響を与えてきた。21世紀にどのような社会を
作って行くのかということを考える場合にも、差別か
第4回目:
〈谷元担当〉部落差別を生みだす社会的
背景への考察
らの解放をどのように構想していくのかが、重要なポ
第5回目:
〈谷元担当〉部落解放運動の歴史と日本
イントとなる。
の社会運動
この講義は、部落解放の最先端(フロンティア)で
取り組んでいる三人の講師を招き、今、何が課題と
第6回目:
〈谷元担当〉部落差別克服への基本方向
と課題
なっているのか、それぞれの立場から語る。
部落解放とは何かということについて、過去にも何
度となく議論されてきたが、不況と混迷がつづく今の
第7回目:
〈大北担当〉排除と隔離の100年を問う
第8回目:
〈大北担当〉2000年大阪府部落実態調査
が示したもの
時代に、あらためて新鮮な問題意識をもって、既成の
観念にとらわれず考えていく必要がある。
第9回目:
〈大北担当〉セツルメントから隣保館へ
●授業の到達目標
第10回目:
〈大北担当〉福祉と人権のまちづくりへ
の挑戦
部落解放の重点の置き方は、論者によって意見は異
なる。そのために、部落解放のフロンティアといって
第11回目:
〈大北担当〉部落の経験を社会発展の糧
に
も一つではなく、さまざまなフロンティアがある。講
師たちの講義に触発されて、受講者自身がそれぞれに
第12回目:
〈友永担当〉部落解放運動の国際展開⑴
自分の人権社会創造のフロンティアを見いだすことを
第13回目:
〈友永担当〉部落解放運動の国際展開⑵
目標とする。
第14回目:
〈野口担当〉まとめと補足的な講義
●授業内容・授業計画
第15回目:試験
この講義は、オムニバス形式で行う。谷元昭信先生
●評価方法
は、部落解放同盟綱領の2011年改正にあたって中心的
出席状況と、毎回提出してもらうコミュニケーショ
役割をはたされた。その中で「差別克服への3つの戦
ンカードの内容とレポート・試験によって総合的に評
略課題」を提起された。それがどのような問題意識か
価する。
ら生まれたのかを、じっくりと話をしてもらう。大北
●受講生へのコメント
規句雄先生は、隣保館活動の重要性を一貫して主張さ
この講義は部落問題について知らない人を排除する
れてきた方であり、また茨木で「福祉と人権のまちづ
ものではないが、問題解決という実践的課題に焦点を
くり」をまったく新しい手法で実践されている。友永
絞るために、すでに部落問題の基礎知識を有している
雄吾先生は、オーストラリアのアボリジニ問題にも詳
ことを前提としてすすめる。大学入学までに十分な同
しく、部落差別の撤廃を目指す運動を国際人権NGOや
和教育を受けていない人には、 前期に『部落差別の成
国連の人権諸機関と連携しつつ展開されている。そう
立と展開』や『現代の部落問題』などを受講するか、
した動きを中心に話をしていただく。
部落問題についての基礎的な文献を読んで勉強してお
野口道彦(本学、人権問題研究センター)が全体を
くことを強く希望する。
●教 材
コーディネイトする。
『2013年度 部落解放のフロンティア―講義レジュ
授業計画は次の通りである。
第1回目:〈野口担当〉部落解放運動の歩みを振り
メと資料』を、第1回目に配布する。
参考図書などについては、
『講義レジュメと資料』を
返る(「水平社創立」関係のビデオ)
参照
−72−
社会と人権
部落差別の成立と展開
(前期 金・1 全)
2単位
History of Discrimination against Buraku
非常勤 上杉 聰
第7回 宗教と部落差別
●科目の主題
被差別部落とそれを生みだした社会の歴史につい
第8回 戦国時代に何が起こったのか
て、学生諸君はもうすでに小、中、高の段階である程
第9回 江戸時代に差別制度が本格化
度学んできたと思う。
「士農工商穢多非人」のピラミッ
第10回 差別のゆるみと強制
ド図式や、部落の始まりは江戸時代の初めにあるな
第11回 賤民制度が廃止される
ど、聞き飽きた人がいるかもしれない。
第12回 浅香部落と大阪市立大学
だが、部落の歴史研究は、とくにこの20年間めまぐ
るしく進展し、その固定観念が今ゆさぶられている。
本講義では、そうした最先端の研究成果をもとに、部
落差別とは何か、そしてその始まりと歴史(中世から
明治維新まで)について、平易に、しかし本格的に検
第13回 被差別部落からのお話(外部講師)
第14回 討論
●評価方法
期末試験と出席で評価する。
●受講生へのコメント
真実は人を自由にする。厳しく不条理な差別の歴史
討してみたい。
だが、それを根底から考え直すとき、私たちの精神は
●授業の到達目標
どんな物事においてもそうだが、歴史を知ること
自由となり、解放される。部落の歴史を知ることは楽
は、現状を知り、将来の展望を導き出すために不可欠
しい。もし、お説教やドグマを求めて講義を受けに来
だ。大学に学んでいるこの機会に、部落問題をいちど
る人がいれば、その人をガッカリさせてあげたいし、
根底から考えてみたい、また本格的に取り組んでみた
大学らしい知性溢れる授業にするよう努力したい。
いと考える諸君に、ぜひとも歴史学(実証と全体性)
●教 材
を通して深く学び考える方法を知ってもらいたいと考
教科書(毎回授業で使用するので、必ず入手するこ
えている。
と)
●授業内容・授業計画
上杉 聰『これでわかった!部落の歴史』(解放出版
第1回 なぜ部落の歴史を勉強するのか
社)
第2回 「士農工商穢多・非人」のまちがい
参考書
第3回 「社会外」という部落のあり方
上杉 聰『天皇制と部落差別』
(解放出版社)
第4回 「部落は江戸時代に作られた」のまちがい
同 上『部落史がかわる』
(三一書房)
第5回 中世の部落の姿
同 上『よみがえる部落史」
(社会思想社)
第6回 討論
部落差別の成立と展開
(後期② 金・1 全)
2単位
History of Discrimination against Buraku
非常勤 辻本 正教
たものであったということが明らかとなってきたわけ
●科目の主題と目標
1970年代以降活発化してきた部落史論は、膨大な地
であるが、そんな中、では一体、部落差別とは何であ
域史科の発掘とともに、これまでとまったく違った様
り、何によって形作られたものであったのかという点
相を呈してきている。なかでも、近世大和における旧
の解明が、従来に増して必要とされるようになってき
穢多村とそれ以外の「一般村」との間における土地所
たのである。そこでこの講義は、部落解放にむけた展
有実態等の解明から、これまでの部落史観がその根本
望とも重ね合わせながら、従来の部落史観の転換を
から崩されようとしていることの意義は大きい。被差
図っていくものとする。
別部落はその成立からして悲惨であり貧困であったと
●授業内容・授業計画
する従来の歴史観が打ち破られたのである。近世大和
従来の部落史論の多くは、部落の成立が近世にある
における多くの旧穢多村は他に比して遜色なく土地を
ものとし、穢多身分は近世幕藩勢力によって創出され
所有し、経済活動もまた他に比してより活況を呈して
たとする立場をとりつづけてきた。ところが、一般の
いたことが公然化されたのである。逆に、部落の貧
歴史学界ではすでに、そのような考え方が一笑に付さ
困化は明治期以降、とりわけ松方デフレ以降に現出し
れている現実にあるのである。では何故そのような部
−73−
社会と人権
落史が今もなお通用しているかというと、圧倒的多く
方法論としては、従来の文献史学にみえる社会経済
の歴史学者が今なお部落問題をタブーとし、彼と彼女
史的観点の限界性や、民俗学的手法の限界性を超える
らがもっているはずの本音をいまだに語ろうとしない
べく、精神史とでも言うべき方法をとる。より具体的
という理由が一つ。
には、我が国の古代・中世、果ては近世に至るまでの
さらには、部落史に手を染められている学者・研究
社会を席巻した道教や陰陽五行説、ないし易学などを
者の中に、現実の部落解放運動に対する意識・無意識
も駆使しながら、そこに神道や密教の歴史や教理内容
を問わない遠慮や配慮があったからだと言える。
にも触れていく形で展開していきたい。
本講では上記のような二側面からする制約をとっぱ
講義時間の割り振りは、総論1、古代2、中世3、
らいつつ、自由な立場で部落史を、いや日本史の一断
近世2、近代2、グループ討論2、まとめ1を予定し
面を切りとってみたい。その意味で本講では部落の成
ている。
立を中世とみるいわゆる中世起源説をとり、古代を
●評価方法
その前史、近世をその燗熟期ととらえて論を進めてい
レポートと出席率(三分の二程度の出席を期待す
く。また、近代にあっては融和運動の歴史、ならびに
る。)
それと密接不可分にかかわるものとしての全国水平社
●受講生へのコメント
レジメを基にするが、適宜、参考書を紹介する。
の歴史をこれまでにはない視点で明らかにしてゆく。
部落差別の近現代史
(後期 金・2 全)
2単位
Modern History of Buraku Discrimination
非常勤 上杉 聰
第7回 旧「穢多」部落の経済的分解と資本主義
●科目の主題
部落差別は、今も根強く残っている。それをどうす
第8回 キリスト教と自由民権運動と部落
れば無くすことができるのだろうか。この大問題を解
第9回 法体系と裁判による差別
き明かすため、この授業では、ここ150年前後の歴史
第10回 部落の改善と水平社運動
を知ることから始める。つまり、明治維新から現在ま
第11回 日本国憲法の制定と部落問題
での部落の歴史を解明することをこの講義は第一に目
第12回 戦後の部落改善と解決の未来へ
指す。
第13回 浅香部落と解放運動(フィールドワーク)
部落差別を残しつづけた近現代の歴史を見直すと
き、克服への道筋が、学生諸君にやがて見え始めるだ
ろう。それに討論と部落への現地学習も加え、より現
実に近づけて考えるとき、いつまでもつづいてきた部
第14回 グループ討論
●評価方法
期末の試験と出席により評価を行う。
●受講生へのコメント
落差別を根底からなくす確信と勇気のありかを、学生
今も部落差別が残っていることに疑問を持つ諸君は
諸君は発見できるはずだ。この講義では、その全課程
多いかもしれない。そこで、まず現在起こっている差
を可能なかぎり共に考える授業にしていきたい。
別を入り口として紹介し、それを歴史的にたどること
●授業の到達目標
で、明治初年以降の近現代社会に差別が残されてきた
歴史を解明することにより部落差別がどのようなも
仕組みを解明する。そこには多くの学生諸君にとって
のか、その解決への課題も具体的にわかり、差別撤廃
予想外の知識が待っているだろう。その発見が、学生
にむけた展望と政策が明確となる。本講義は、そうし
諸君の心に差別を撤廃する意欲をかきたててくれるこ
た歴史把握と解決に向けた考え方を学ぶことを目標と
とを期待する。
する。それを促進するため学生同士のグループ討論を
部落差別を最終的に克服する課題は今、学生諸君の
行い、さらに大学のすぐ近くにある被差別部落への
肩に委ねられている。この大切な課題をいちど真剣に
フィールドワークを通して、解放運動の経験を直接摂
考えてみたいと思う諸君の受講を期待する。
取する機会を作りたい。
●教 材
●授業内容・授業計画
教科書(毎回授業で使用するので、必ず入手すること)
第1回 部落差別は今、どんな形で存在するのか
上杉 聰『これでなっとく!部落の歴史』(2010年、
第2回 なぜ部落差別はこれまで残ったのか
解放出版社)
第3回 「解放令」と「四民平等」という錯覚
参考書
第4回 部落解放反対騒擾の悲劇はなぜ起こったか
上杉 聰『これでわかった!部落の歴史』(解放出版
第5回 グループ討論
社)
第6回 旧「非人」部落の分解と近代社会
同 上『天皇制と部落差別』
(三一書房)
−74−
社会と人権
障がい者と人権Ⅰ
(前期 金・5 全)
2単位
Human Rights of Peoples of Disabilities Ⅰ
非常勤 松波 めぐみ
●授業内容・授業計画
●科目の主題
第1回 オリエンテーション
「障がい者」と呼ばれる人たちは、なぜ他の人と分
け隔てられ、近所の子と別の学校に行かされたり、社
第2回 「障がい」ってなんだろう
会参加を断念させられたり、
「障がいを乗り越えてがん
第3回 障がい者はどう社会を変えてきたのか?・1
ばってる」と勝手に思いこまれたりするのだろうか?
第4回 障がい者はどう社会を変えてきたのか?・2
そもそも、
「障がい」って何なんだろう?――それを何
第5回 ゲスト講義(予定)
より問うてきたのは、障がいをもつ人たちである。か
第6回 世界が認めた「障がい者の権利条約」
れらは1970年頃から、健常者中心の社会のあり方(社
第7回 誰もが乗れるバス、電車をめざして
会構造や価値観)を告発し、地域社会のなかで「共に
第8回 私が決める私の生活
生きる」ことを模索してきた。その結果、まちは少し
第9回 災害のとき、障がい者は…
ずつ変わってきた。さらに障がい者運動の主張を理論
第10回 情報・コミュニケーションの権利
化する努力が実を結び、2006年に国連で障がい者権利
第11回 ともに学び育ちあうインクルーシブ教育
条約が採択された。
(日本は未批准)
第12回 ゲスト講義(予定)
第13回 当事者どうしで支え合い地域を変える
この授業では「福祉」ではなく「人権」の課題とし
て、障がい(者)のことを学んでいく。障がい者はど
第14回 差別のないまちを目指して
のように社会を見つめ、権利を獲得してきたのか、そ
第15回 課題レポート作成
●評価方法
して未だにどのような差別があるのかを学ぶことを通
コミュニケーションカードの内容、および最終回に
して、社会のあり方を多角的に捉えなおしていく。こ
のことが皆さん自身が「よりよく生きる」こととつな
作成する課題レポートにより評価を行う。
がることを願っている。
●受講生へのコメント
「障がい者と人権Ⅰ」と「障がい者と人権Ⅱ」両方
障がいをもつゲストの方を数回お呼びする予定であ
る。
を履修することを希望する。できれば日常から、障が
●授業の到達目標
い者と接する機会を積極的に持って欲しい。
●教 材
「障がいの社会モデル」「インクルーシブ教育」 な
教科書は特にない。適宜、資料を配布する。
ど、障がい者権利条約の基本概念を理解するととも
に、現在の日本社会で切実な課題となっている事柄に
ついて、自分なりの問題意識をもてるようになる。
障がい者と人権Ⅱ
(後期 金・5 全)
2単位
Human Rights of Peoples of Disabilities Ⅱ
非常勤 松波 めぐみ
社会である)という考え方をうみだし、それをテコに
●科目の主題
して社会状況を変えてきた。この「障がいの社会モ
「障がい」の世界にパラダイム・シフトが起こって
いる。かつて「障がい」とは医学的・個人的問題であ
デル」を理論化したのが、1980年代から発展してきた
り、治療やリハビリテーションによって克服すべきも
「障がい学」
(ディスアビリティ・スタディーズ)であ
のとされてきた。障がいをもってうまれてきた子ども
る。
(障がいを負った人)は、
「 障がいの軽減、克服」のた
この授業では、
「福祉」ではなく「人権」の課題とし
めには地域で暮らすことや、共に学ぶことや遊ぶこと
て、障がい(者)のことを学んでいく。
「障がい者と人
をあきらめることを余議なくされ、他の人と同じ「権
権Ⅰ」が、障がい者運動や障がい者権利条約に力点
利」が無くてもしかたがないとされてきた。
があったのに対して、Ⅱでは「障がい学」にふれ、
「文
そんな社会に対して、障がい者は異議をとなえ、
「障
化」を含め、より多角的に社会のあり方を見ていきた
がいの社会モデル」
(個人の身体的欠陥ではなく、バ
い。Ⅰと同様、障がいをもつゲストの方を数回お呼び
リアや偏見などの「社会的障壁」こそが、障がい者
する予定である。
と括られた人を生きづらくさせている。変わるべきは
−75−
社会と人権
第10回 ゲスト講義(予定)
●授業の到達目標
「障がいの社会モデル」という概念を深く理解し、
第11回 複合差別を考える・1(女性障がい者)
さまざまな事象をこの角度から捉えられるようにな
第12回 複合差別を考える・2(外国人ほか)
る。また、自分なりの問題意識を発展させる。
第13回 「働くこと」を考える
●授業内容・授業計画
第14回 改めて考える「障がい者の権利」
第15回 課題レポート作成
第1回 オリエンテーション
●評価方法
第2回 「障がい」ということばと「障がい学」
コミュニケーションカードの内容、および最終回に
第3回 「障がいの社会モデル」とその意義
第4回 「障がい」は無いにこしたことがない、の
作成する課題レポートにより評価を行う。
●受講生へのコメント
か?
「障がい者と人権Ⅰ」を既に受講していることが望
第5回 ゲスト講義(予定)
第6回 「ろう文化」の世界
ましい。できれば日常から、障がい者と接する機会を
第7回 発達障がいと「文化」
積極的に持って欲しい。
第8回 精神障がいをもつ人のコミュニティ
●教 材
教科書は特にない。適宜、資料を配布する。
第9回 今ここにある「優生思想」
障がい者と人権
(前期② 金・2 全)
2単位
Human Rights of Peoples of Disabilities
非常勤 松波 めぐみ
●授業内容・授業計画
●科目の主題
「障がい者」と呼ばれる人たちは、なぜ他の人と分
第1回 オリエンテーション
け隔てられ、近所の子と別の学校に行かされたり、社
第2回 「障がい」ってなんだろう
会参加を断念させられたり、
「障がいを乗り越えてがん
第3回 障がい者はどう社会を変えてきたのか?・1
ばってる」と勝手に思いこまれたりするのだろうか?
第4回 障がい者はどう社会を変えてきたのか?・2
そもそも、
「障がい」って何なんだろう?――それを何
第5回 ゲスト講義(予定)
より問うてきたのは、障がいをもつ人たちである。か
第6回 世界が認めた「障がい者の権利条約」
れらは1970年頃から、健常者中心の社会のあり方(社
第7回 誰もが乗れるバス、電車をめざして
会構造や価値観)を告発し、地域社会のなかで「共に
第8回 私が決める私の生活
生きる」ことを模索してきた。その結果、まちは少し
第9回 災害のとき、障がい者は…
ずつ変わってきた。さらに障がい者運動の主張を理論
第10回 情報・コミュニケーションの権利
化する努力が実を結び、2006年に国連で障がい者権利
第11回 ともに学び育ちあうインクルーシブ教育
条約が採択された。
(日本は未批准)
第12回 ゲスト講義(予定)
この授業では「福祉」ではなく「人権」の課題とし
て、障がい(者)のことを学んでいく。障がい者はど
のように社会を見つめ、権利を獲得してきたのか、そ
して未だにどのような差別があるのかを学ぶことを通
して、社会のあり方を多角的に捉えなおしていく。こ
第13回 当事者どうしで支え合い地域を変える
第14回 差別のないまちを目指して
第15回 課題レポート作成
●評価方法
コミュニケーションカードの内容、および最終回に
のことが皆さん自身が「よりよく生きる」こととつな
作成する課題レポートにより評価を行う。
がることを願っている。
●受講生へのコメント
障がいをもつゲストの方を数回お呼びする予定であ
できれば日常から、障がい者と接する機会を積極的
る。
に持って欲しい。
●授業の到達目標
●教 材
「障がいの社会モデル」「インクルーシブ教育」 な
教科書は特にない。適宜、資料を配布する。
ど、障がい者権利条約の基本概念を理解するととも
※既に「障害者と人権Ⅰ」「
、 障害者と人権Ⅱ」の単位
に、現在の日本社会で切実な課題となっている事柄に
をいずれか一方でも取得した者は本科目を履修する
ついて、自分なりの問題意識をもてるようになる。
ことはできない。
−76−
社会と人権
ジェンダーと現代社会Ⅰ
(前期 金・2 全)
2単位
Gender in the Modern Society Ⅰ
人権問題研究センター 古久保 さくら 他
●評価方法
●科目の主題
毎回提出するコミュニケーションカードに基づく出
本講義では、学生諸氏が慣れ親しんできた学校教育
席点(40点)・中間レポート(10点)・最終レポート
とマスメディアという領域と、大学を卒業して出て行
く労働社会の領域を中心に、ジェンダー化された社会
(50点)により評価する。
中間レポートの提出と出席8回以上がない者の最終
の現状について、考察したい。
レポートの提出を認めない。
●授業の到達目標
わたし達は社会的存在であり、社会的につくられた
レポートの課題などについては、初回授業時に説明
文化による刷り込みを日々受けている。社会的文化的
する。
刷り込みとしてのジェンダーに自覚的になり、社会の
●受講生へのコメント
なかで当然と認識し、目にしていながら理解してこな
かった問題を見えるもの、語りうるものにできる能力
本科目では、ジェンダー平等教育のための市民活動
の実践経験のある非常勤講師をお迎えする。
双方向型授業をめざすため、毎回のコミュニケー
をつけること、これが本講義の主目標である。
そのうえで、大学卒業後の生活においてジェンダー
ションカード(感想文)の提出が義務づけられてい
化されている社会の中で、主体的に生きる力を身につ
る。これをまとめてつくられる 「ジェンダー・ペー
けることを期待する。
パー」 の発行を手伝ってくれる学生を募集している。
●授業内容・授業計画
ボランティアとして関与してくれることを期待してい
る。
第1回 オリエンテーション
また、数度にわたりグループワークが計画されてい
第2回∼5回 メディアにおけるジェンダー
るので、積極的な受講姿勢が求められる。
第6回 グループディスカッション
第7回∼10回 教育におけるジェンダー平等をめざ
20分以上の遅刻はみとめない。
●教 材
して
参考文献は、1回目の授業時に一覧表を渡す。
第11回∼14回 変容期にあるジェンダー
それ以外にも随時指示する予定である。
第15回 まとめ 質疑応答
何回かの授業では、教材としてDVDを利用する。
ジェンダーと現代社会Ⅱ
(後期 金・2 全)
2単位
Gender in the Modern Society Ⅱ
人権問題研究センター 古久保 さくら 他
●授業内容・授業計画
●科目の主題
本科目では、ジェンダースタディーズという学問で
第1回 オリエンテーション
扱う問題領域のうち、セクシュアリティというテーマ
第2回 若者の性行動におけるジェンダー
を中心に取り上げる。とくに、メンズ・リブ運動の活
第3回 異性愛だけが性愛か?
動家や、フェミニスト・カウンセラー、弁護士など多
第4回 グループディスカッション
様な非常勤講師をむかえ、現状の問題とその解決に向
第5回 男性性とセクシュアリティ DVという問
けた具体的方策などを講義いただく予定であり、セク
題
シュアリティとジェンダーをめぐる課題を人権という
第6回 性暴力被害者の心理と援助者の役割
視点から考察する。
第7回 キャンパス・セクシュアル・ハラスメント
という問題
●授業の到達目標
各テーマに関連して様々な観点からの問題提起型の
授業を通じて、それぞれのテーマのもつ複雑さを理解
し、関連問題の克服のための方策をともに考えるとい
う姿勢を習得することが、本科目の到達目標である。
第8回 ワークショップ:アサーティブ・トレーニ
ング
第9回 法律家からみたジェンダー・セクシュアリ
ティ
それは、物事を複眼的に考察するという能力を養う事
第10回 労働としての性の商品化
でもあると考える。
第11回 ジェンダー視角からみた性の商品化
−77−
社会と人権
第12回 グループディスカッション
ており、
「ジェンダーと現代社会Ⅰ」を既習しているこ
第13回 生殖をめぐる商品化
とを前提に授業は進める。
双方向型授業をめざすため、毎回のコミュニケー
第14回 まとめにかえて 「自己責任」 を考える
第15回 質疑応答とレポート提出
ションカードの提出が義務づけられている。これをま
●評価方法
とめてつくられる 「ジェンダー・ペーパー」 の発行を
毎週提出するコミュニケーションカードに基づいた
手伝ってくれる学生を募集している。積極的に関与し
出席点(40点満点)ならびに最終授業時に提出するレ
てくれることを期待している。
ポート(60点)による。
また、数度にわたりグループワークが計画されてい
出席回数が8回以下の者はレポート提出を認めな
るので、積極的な受講姿勢が求められる。
また、20分以上の遅刻はみとめない。
い。
レポートの課題などについては、授業初回に指示す
●教 材
参考文献は、1回目の授業時に一覧表を渡す。それ
る。
以外にも随時指示する予定である。何回かの授業で
●受講生へのコメント
ある程度のジェンダー視点をもった学生を対象とし
は、教材としてDVDを利用する。
ジェンダーと現代社会
(前期② 月・2 全)
2単位
Gender in Modern Society
非常勤 日野 玲子 第9回 男性学の課題と主張
●科目の主題
第10回 女性に対する暴力を考える
「婦人問題講座」
「女性学」を受け継ぎながら、女
セクシュアル・ハラスメント
性学・男性学・ジェンダー研究の視点から現代社会を
検討することを課題とする。制度的な取組みの整備だ
第11回 配偶者間暴力について
けでなく、大学におけるセクシュアル・ハラスメン
第12回 デートDV 暴力防止のために
ト、デートDVなど、権力関係の視点で現代社会をみ
第13回 ジェンダー秩序を考える⑴
ると、さまざまな課題が浮き彫りになってくる。暮ら
第14回 ジェンダー秩序を考える⑵
しの中にあるジェンダー秩序に気づき、ジェンダー平
第15回 試験
等な関係を考える機会としたい。
*授業展開によって内容の変わる場合がある。
●評価方法
●授業の到達目標
授業時におけるレポート30%
① ジェンダー概念を理解する
試験 70%
② 現代社会にあるジェンダー秩序に気づき、課題
●受講生へのコメント
を考察できる
実践的なテーマを扱うため、積極的な参加を求め
③ 自らの課題として個別テーマを考察する
る。
●授業内容・授業計画
●教 材
第1回 オリエンテーション
第2回 暮らしをジェンダー・チェック
時間ごとにプリント資料を配布。
第3回 ジェンダー化される身体
視聴覚教材も使用。
第4回 ジェンダー意識の形成⑴
<参考図書>
第5回 ジェンダー意識の形成⑵
・木村涼子・古久保さくら編著『ジェンダーで考える
教育の現在』(解放出版社2008)
第6回 自然化された文化の検討⑴
第7回 自然化された文化の検討⑵
・天野正子・木村涼子編『ジェンダーで学ぶ教育』
(世
界思想社2003)
第8回 男女共同参画社会基本法について
−78−
社会と人権
エスニック・スタディ入門編
(前期 金・2 全)
2単位
Ethnic Study
経済学部 朴 一
3.外国人への入居拒否は区別か差別か
●科目の主題と目標
この講義では、在日外国人の人権をめぐる諸問題に
4.日本の中の外国人学校
ついて学ぶ。日本に滞在、居住する外国人は、景気低
5.あなたは在日の歴史を知っていますか
迷期に入っても大きく減少せず、2010年時点で在日外
6.二つの大震災と在日外国人
国人の実数は200万人を超えている。このうちの日本
7.神風特攻隊として散った在日コリアン
に最も永い居住歴を持っているのは在日コリアンで、
8.忘れられた皇軍兵士たち
彼らの多くは、戦前・戦中期にさまざまな事情で日本
9.外国人への指紋押捺をめぐる論争
に渡ってきた人達とその子孫である。日本に生活基盤
10.無年金外国人は訴える
を置く彼らは、日本人と同じように、日本で生まれ、
11.同情するなら職をくれ
日本社会で育ち、日本社会のさまざまなフィールドで
12.永住外国人への参政権付与問題
活躍している。
13.ある帰化代議士の神話
だが、彼らはルーツや国籍が違うという理由で、進
学、就職、結婚、新居捜しなど人生のさまざまな場面
で、日本社会からの迫害や差別を受けることが少なく
ない。どうして、こうした民族差別が存在するのだろ
うか。この講義では、日本人にとって最も身近な外国
人である在日コリアンに光をあてて、日本の「内なる
14.孫正義の挑戦
15.在日コリアン新世代のエスニック・アイデン
ティティ
●評価方法
出席とレポートを重視して採点。
●教材
そのつどプリントを配付
国際化」に問われた課題について考えてみたい。
●教科書
●授業内容
1.私の生い立ち
・朴一『僕たちのヒーローはみんな在日だった』講談社
2.ダーリンは外国人
・朴一『在日コリアンってなんでんねん』講談社+α新書
エスニック・スタディ演習
(後期 金・2 全)
2単位
Ethnic Study
経済学部 朴 一
4.ドラマ「金(キム)の戦争」の観賞と解説
●科目の主題と目標
その昔、在日コリアンは海峡を越えて日本に渡って
きた。それから100年、在日コリアンは、この日本で生
活基盤を築き、営々と生きてきた。彼らにとって、こ
の日本が生活の場であり、闘いの場であり、活躍の場
でもあった。彼らにとって日本とは何だったのか。ま
5.映画「KT」の鑑賞と解説
6.ドキュメンタリー映画「指紋押捺拒否」の鑑賞
と解説
7.TVドキュメンタリー「在韓被爆者」の鑑賞と
解説
8.TVドキュメンタリー「東九条40番地は今」の
た在日コリアンは日本人の眼にどう映ってきたのか。
この講義では、日本で公開されてきた映画・ドラ
マ・ドキュメンタリーに描かれてきたさまざまな在日
コリアンの姿を通じて、在日コリアンと日本(日本
人)との関係を歴史的に検証してみたい。また、さま
ざまな映像に登場する在日コリアンという視点から、
日韓・日朝関係の断面に迫ることができればと考えて
いる。映画・ドキュメンタリーや映画評論に興味があ
鑑賞と解説
9.TVドキュメンタリー「韓国人戦犯の悲劇」の
鑑賞と解説
10.TVドキュメンタリー「ウトロ:置き去りにさ
れた街」の鑑賞と解説
11.TVドキュメンタリー「イムジン河」の鑑賞と
解説
る学生の受講を期待している。
12.映画「パッチギ!」の観賞と解説
●授業内容
13.ドキュメンタリー映画「ディア・ピョンヤン」
の鑑賞と解説
1.記録映画「在日」の観賞と解説
2.映画「キューポラのある街」の観賞と解説
14.ドラマ「李くんの明日」の観賞と解説
3.ドキュメンタリー「帰国船」の鑑賞と解説
15.フィールドワーク「猪飼野を歩く」
−79−
社会と人権
●評価方法
●教科書
出席、レポートを重視して採点
・そのつど講義資料を配付する
●教材
●注意事項
そのつどプリントを配付
この講義は演習形式で進めるので少人数授業となり
ます。
企業と人権
(前期 金・1 全)
2単位
Business and Human Rights
非常勤 李 嘉永
7.女性と労働
●科目の主題
今日、企業の社会的責任(CSR)を求める動き
8.障がい者・高年齢者の雇用促進
が、各方面で高まっています。CSRとは、事業活動
9.非正規労働をどう考えるか
に社会的公正さや環境への配慮を組み込み、多様なス
10.児童労働・強制労働
テークホルダーに対して説明責任を果たしていくこと
11.少子化対策
を指しますが、その一つの重要な問題領域として、人
12.消費者保護
権問題が挙げられます。その背景には、経済不況のも
13.サプライチェーンと人権
とで、職場が余裕をなくし、しばしば人権侵害が発生
14.地域社会と企業
していることが指摘されています。
15.人権問題解決に向けた社会貢献活動・NGOと
の協働
そこで、この講義では、企業経営のさまざまな側面
で発生している人権問題について概観し、その改善の
ために実施されているCSRの取り組みを紹介したい
●評価方法
期末に試験を実施しますが、授業中にも、数回小テ
と考えています。
ストを実施できればと考えています。小テストは、数
●授業の到達目標
回の講義を簡単に振り返るものですから、復習を欠か
企業を評価する際に、経済的指標に留まらず、社会
さないようにしてください。
的指標・環境的指標を含めた「トリプル・ボトムライ
配点は次の通りです。
ン」を用いて判断できる思考を習得してほしいと考え
期末試験:80点
ています。また、企業が事業展開するにあたって、社
小テスト:20点
会問題、とりわけ人権に関わる問題に対し、肯定的な
影響を及ぼしうる配慮を組み込む工夫を理解していた
●受講生へのコメント
毎回コミュニケーション・カードを書いてもらいま
すので、ご意見・ご感想を自由に書いてください。
だければと思います。
また、ご質問等については、レジュメにメールアド
●授業内容・授業計画
概ね、次のような構成で講義を進めたいと考えてい
レスを記載しますので、メールでも受け付けていま
す。
ます。
●教 材
1.イントロダクション:企業の社会的責任の概念
教科書は特には指定しません。毎回レジュメを配布
2.CSR促進の多様なツール
3.労働問題⑴
します。その際に、いくつか参考文献を提示しますの
4.労働問題⑵
で、各項目で関心を持たれた際には、それらを参照し
5.セクシュアル・ハラスメント
てください。
6.パワー・ハラスメント
地球市民と人権
(前期 金・2 全)
2単位
Global Citizenship and Human Rights
創造都市研究科 阿久澤 麻理子
関わるメカニズムと、3つの領域(今年は、
「人権と刑
●科目の主題
人類社会のすべての構成員が、人種や性、宗教、思
想・信条、社会的出身等に関わりなく「人権」を有す
るという理念を実現するための、人権の擁護・促進に
−80−
罰」
「女性の権利」
「越境と人権」)に焦点をあて、歴
史・現状・解決に向けた取り組みを学ぶ。
社会と人権
されるのか
●授業の到達目標
人権の概念と、個別具体的な課題について基礎的知
≪「越境」と人権≫
識を得るとともに、学習者自らの生活の中の課題を発
11.奴隷労働
見・解決する視座を獲得する。
12.在日外国人と憲法
●授業内容・授業計画
13.人身売買、移住労働
1.人権とは何か―人権概論
≪まとめ≫
≪人権と「刑罰」を考える≫
14.日本の人権状況をUPRから考える
15.質疑応答・試験
2.人権の底抜け―死刑制度を考える⑴
●評価方法
3.人権の底抜け―死刑制度を考える⑵
出席状況、テスト等
4.歴史の中の刑罰
●受講生へのコメント
5.刑務所と人権
人権は誰もが持つ権利。いろいろな課題を考え、知
6.「累犯」を考える―福祉と司法の連携
≪女性の権利は「人権」である≫
ることで、自分が持つ権利を理解し、その権利を実現
7.世界史からみた女性の権利
する道筋を考えるきっかけにしてほしい。
8.日本の憲法と女性の権利
●教 材
基本的に授業ではレジュメを配布するので、特定の
9.国際人権―女性差別撤廃条約
10.名誉犯罪―なぜ女性の恋愛と結婚が「問題」に
人権の多様性の研究(演習)
教科書を指定しない。
(後期 金・4 全)
2単位
Seminar: Research of Human Rights and Diversity
人権問題研究センター 特 任 野口 道彦
調査研究、実践記録など資料を探索・分析したり、ど
●科目の主題
差別や排除、暴力やハラスメント、あるいはいじめ
のような先行研究があるのか調べる。5)他の人の報
など人権侵害ではないかと思われる事象は、じつは私
告や意見を参考にしながら、最終的なレポートにまと
たちの身の回りにたくさんある。
める。受講生が多ければ、グループに分けることもあ
「これは差別ではないか」「
、 ちょっと、おかしいの
る。グループ内でそれぞれの問題意識を発表し、議論
では?」と直感的に思っていることは、だれにも一つ
して、グループとしての共通した研究テーマを決め
や二つはある。普段は、それを深く考えたり、友達と
る。また、グループのテーマにそって、各人がサブ・
議論する機会もあまりないだろう。そのようなことに
テーマや役割分担を決める。
ついてグループで議論を深め、自分の問題意識を明確
また、必要となれば、外部から講師をお招きし、議
にすることをテーマとする。
論することも予定している。
●授業の到達目標
●評価方法
考察を深め、議論を通して、自分なりに論理的に主
授業への参加の積極性などの平常点と最終レポート
張できるような能力を高めることを、本演習では目標
によって評価する。発表、議論への参加など、能動的
としたい。自己の考えに説得力を持たせるために、当
参加が要請される。したがって、出席さえしていれば
事者からじっくり話を聞いたり、既存の研究の成果や
単位がとれるというものではない。受講するにはそれ
社会調査や世論調査の結果を利用する方法も習得する
なりの覚悟が必要である。
こともねらいとしている。
●受講生へのコメント
主題「社会と人権」に属する科目のいくつかをすで
●授業内容・授業計画
「この事象は人権問題・差別の問題ではないか?」
に受講したか、受講中であることを参加の前提とす
「この問題を放置しておいてよいのだろうか?」「この
る。演習での持続的な討論を行うために出席は極めて
社会問題をどうすれば解決できるのだろうか?」とい
重要である。
う問題意識がある学生の受講を基本とする。
●教 材
演習では、1)まず、各人が関心をもっている差別
教材はとくに定めない。発表する人は、レジュメを
問題・人権問題について発表する。2)それについ
用意し、必要な資料を全員に配布するように、あらか
て、議論を行う。それにより、見落としていた視点に
じめ準備する。配布資料については、人権問題研究セ
気づいたり、各人の問題意識の明確化を行う。3)そ
ンターのコピー機を利用できる。
れを踏まえて、さらに研究のテーマを絞りこみ、中間
発表をする。4)さらに深く考察するために関連した
−81−
社会と人権
歴史
平和と人権
(後期 金・2 全)
2単位
Peace and Human Rights
担当者 未定
後期履修登録期間までに掲示にて詳細を発表します。
日本史の見方
(前期 火・1 全)
2単位
An Introduction to the Japanese History
文学研究科 佐賀 朝
⑨∼⑪ 歌麿の美人画と吉原
●科目の主題
「浮世絵の社会=文化構造」と題し、何人かの著名
歌麿「北国五色墨」について/新吉原と仮宅
な浮世絵師の作品を窓口として、日本の民衆文化を多
⑫∼⑬ 北斎「富嶽三十六景」と江戸の富士信仰
北斎の作画変遷と「富嶽三十六景」/江戸の講
彩な形で創造した近世の巨大都市・江戸の社会をのぞ
中
く。
授業では、歌麿・写楽・広重・北斎などの作品に
⑭∼⑮ 浮世絵の社会=文化構造(まとめ)
錦絵の毒素/錦絵をめぐる社会構造
ついて、まずは作品論的な観点から考察する。その
上で、彼らの作品を成立させた社会的な背景を探る
べく、浮世絵の画題となった江戸の多様な社会=空間
●評価方法
出席と毎回の感想・質問用紙の内容、定期試験など
や文化現象について見る。具体的には、芝居興行、遊
により総合的に評価する。
廓、両国(盛り場)、講中などを取り上げる。
●受講生へのコメント
文化の表層をなぞるのではなく、文化をつくり出す
●授業の到達目標
授業を通じて、日本の文化を社会史的な観点から研
基礎となった社会そのものの構造にもメスを入れる形
究していく方法を学ぶとともに、社会構造分析と結び
で「江戸」の文化創造力の源泉に迫る講義です。絵画
ついた文化研究の新しい可能性を探りたい。
作品や映像なども使用しますが、内容は相当ていど高
受講生には、浮世絵作品の楽しさに触れてもらうと
度で難解です。安易な受講態度で選択しないようにし
ともに、その作品の背後にある、巨大都市・江戸の社
てください。
会と文化のありようにも関心と理解を深めてもらい、
●教 材
市民的な文化創造の基盤という今日的な問題を考える
・浅野秀剛・吉田伸之編『浮世絵を読む』1∼6(朝
日新聞社、1997∼98年)
ための素材にもしてもらいたい。
*上記は事実上のテキストだが、購入は不要。
●授業内容・授業計画
・吉田伸之『身分的周縁と社会=文化構造』(部落問
① はじめに
題研究所、2003年)
②∼⑤ 写楽の役者絵と芝居の世界
写楽の第一期作品について/寛政期の芝居興行
・大久保純一『カラー版 浮世絵』(岩波新書、2008
年)
と江戸・上方/芝居地の社会構造
*その他の文献などは、授業のなかで随時、紹介す
⑥∼⑧ 広重名所絵の虚像と実像
る。
広重名所絵の虚構性/両国―名所の社会構造―
東洋史の見方
(前期 木・2 全)
2単位
An Introduction to the Asian History
文学研究科 平田 茂樹
基づきながら、歴史の真実を明らかにすることを目指
●科目の主題
「文学作品を通して考える中国の歴史」
しています。本講ではこの両者の違いを正しく理解す
歴史文学と歴史学は類似の題材を扱いながら、その
ると共に、歴史の史料ではなかなか浮かび上がること
目指しているものは全く異なります。前者は虚構の世
が難しい人々の生活の様子について文学作品を利用し
界を描きながら、人間や社会の奥深いものを描き出す
ながら講じていく予定です。
ことを主眼とするのに対し、後者は厳格な史料考証に
−82−
歴史
10.児女英雄伝の世界
●授業の到達目標
歴史学は過去の現象を単に研究する学問ではありま
11.金瓶梅の世界⑴
せん。過去、現在、未来という時間軸を中心に、社会
12.金瓶梅の世界⑵
全体の問題を深く考える学問です。本講ではこの問題
13.聊齋志異の世界
意識のもとに、中国の過去、現在、未来の問題、並び
14.総括
に日本との関係について多面的に言及することを通じ
●評価方法
授業中に課す小レポート(50%)とテスト(50%)
て、日本と世界との関わり、あるいは自己について長
●受講生へのコメント
期の時間軸を中心に見つめ直すことを狙いとします。
毎回簡単な小レポートを授業中に書いてもらいなが
●授業内容・授業計画
順次、以下の項目に従い講義していきます。
ら授業の内容の理解を深めていきますので、きちんと
1.歴史文学と歴史学
毎回出席するようにしてください。
2.西遊記の世界⑴
●教 材
3.西遊記の世界⑵
参考書:
4.水滸伝の世界⑴
宮崎市定『水滸伝―虚構のなかの史実』
(中公文庫)
5.水滸伝の世界⑵
日下翠『金瓶梅―天下第一の奇書』
(中公新書)
6.水滸伝の世界⑶
稲田孝『
『聊斎志異』を読む―妖怪と人の幻想劇』
(講談社学術文庫)
7.中間総括
平田茂樹『科挙と官僚制』
(山川出版社)
8.儒林外史の世界⑴
9.儒林外史の世界⑵
西洋史の見方
(前期 火・4 全)
2単位
An Introduction to the Western History
文学研究科 北村 昌史
6 食事・都市化
●科目の主題
1980年代以降研究手法として定着した観のある社会
7 転換点以前の社会⑴
史研究の成果からみた、西洋史の見方を提示する。具
8 転換点以前の社会⑵
体的には、16世紀から19世紀にいたるヨーロッパ史の
9 転換点以前の社会⑶
動向を、高校の世界史のような政治史や経済史からで
10 転換点以前の社会⑷
はなく、人々の日常生活のレベルからヨーロッパ史を
11 転換点以前の社会⑸
描きたい。
12 転換点以後の社会⑴
●授業の到達目標
13 転換点以後の社会⑵
できるだけ具体的な史料・素材から話を展開するこ
とによって、教科書の記憶が中心の、高校までの「歴
史」と異なる、大学で学ぶ「歴史学」についての理解
14 転換点以後の社会⑶
15 転換点以後の社会⑷
●評価方法
最終成績評価100点満点すべてが定期試験の成績に
を深める。
よる。
●授業内容・授業計画
18世紀後半から19世紀前半にかけての時期が、社会
●受講生へのコメント
史から見たヨーロッパ史の転換点であるという観点か
高校の世界史の知識は特に必要としません。世界史
ら授業をおこなう。1∼2時間目が導入的授業であ
で出てくる人物や事件はあまり授業では出てきませ
る。3∼6時間目で長期的な視野に立つ社会史研究の
ん。どちらかといえば、高校までの歴史に抵抗感を感
成果に基づき、この転換の流れを確認した後、7時間
じた人に受講していただきたいです。受講するにあ
目以降では転換点前後の時期のヨーロッパ社会の諸相
たっては予習や復習などは必要ありませんが、授業で
を描く。
紹介する文献に、図書館などで折を見て触れていただ
1 ガイダンス
けるとありがたいです。
2 社会史研究の背景
●教 材
3 『子供』の誕生
参考文献などは授業中適宜指示する。教科書はとく
4 近代家族
に用いない。教材は、プリントを授業で配布する。
5 エリート文化と民衆文化
−83−
歴史
日本社会の歴史
(後期② 水・1 全)
2単位
Japanese History and Culture
文学研究科 仁木 宏
5:港町ではやった宗派
●科目の主題
日本の中世都市は、古代の都(都城)とも、近世の
6:山岳宗教都市の発見
城下町ともちがう個性的な姿かたちや性格をもってい
7:寺と都市
た。西欧の中世都市や宋代・明代の中国都市とくらべ
8:武士が嫌った都市 武士を嫌った都市
ると、似ている点、異なる点があって興味深い。
9:室町時代の城下町
都市はどのような地形環境の所につくられるのか。
10:戦国城下町を守る
港町の船着き場はどのような構造になっていたのか。
11:城塞都市=京都
市はどうやって立てられるのか。社寺や武士は都市に
12:安土城下町の力量
どのようにかかわったのか。都市はどのように描か
13:大坂の誕生
れるのか。安土城下町は安土城ほど画期的であったの
14:中世都市の潜在力
か。
15:まとめ
現代に生きる私たちからみれば不思議なことがたく
講義は、プロジェクターの画像と、配布するプリン
さんあった中世という時代(鎌倉・室町・戦国時代)
トを中心におこなう。
の都市を、北は青森県から南は鹿児島県までの事例に
●評価方法
講義内容を的確に理解できているか、講義に能動的
よって紹介しながらみてゆく。
にかかわっているかを、小レポート(30/100)と定
●授業の到達目標
都市をキーワードにして日本中世社会の特色を垣間
見、日本社会の歴史の多様性、特徴を学び、複雑かつ
具体的な事象が歴史を作りあげてゆくことが理解でき
期試験(70/100)で評価する。
●受講生へのコメント
高校までの「日本史」受講の有無、暗記的知識の量
るようにする。
は問わない。但し、受講にあたっては論理的展開を
●授業内容・授業計画
おってゆく努力が必要である。
講義はおおよそ以下のテーマでおこなう。
●教 材
1:日本の中世都市の特徴
テキスト:特になし。
2:平安京から京都へ
参考文献:適宜しめす。
3:市の立つ場所
プリント:毎回配布する。
4:港町と自然地形
東洋社会の歴史
(後期 木・2 全)
2単位
Asian History and Culture
文学研究科 井上 徹
第4回 地域や都市の概況に関してミニレポートを
●科目の主題
アジアの文化遺産と歴史:日本と比較しながら、現
代に残る文化遺産(宗族の祠堂、商業拠点(会館)、
各種宗教施設(廟)、租界、戦争遺跡など)を紹介し、
書いてもらい、討論する。
第5回∼第8回 中国、朝鮮半島などの代表的な宗
族の祠堂を紹介し、その歴史を探究する。
第9回∼第10回 商業拠点としての会館・公所など
それを糸口として、中国の歴史を振り返る。
を歴史的観点から考察する。
●授業の到達目標
現代の文化遺産はその地域、国にとって民族的伝統
と歴史的経験が感得される物的表象である。文化遺産
を通じて、過去の歴史、民族的伝統の特質を理解して
第11回 祠堂、会館等に関するミニレポートの提出
と討論。
第12回∼第14回 近代の時期に欧米、日本が各地で
もらうことを目指す。
設置した租界、外国人居留地、また戦争遺
●授業内容・授業計画
跡を紹介し、その背景を探求する。適宜、
ミニレポートを課する。
第1回 ガイダンス
第2回∼第3回 中国を中心とするアジア地域や都
第15回 試験
なお、授業を進めるに際しては、ビデオ、プレゼン
市の歴史を概観する。
−84−
歴史
などを適宜利用する。
・受講生は各自、ノートを用意して、自分なりの情
●評価方法
報、考え方を整理できるようにしてください。
定期試験、ミニレポート、出席率などを総合的に評
価する(定期試験70%、そのほか30%)。
●教 材
テキストは利用しません。毎回、こちらでレジュ
●受講生へのコメント
メ、資料を配付します。
・新聞、インターネットなどを活用し、授業に関連す
参考文献は授業のなかで紹介します。
る情報を受講生も収集するようにしてください。
西洋社会の歴史
(後期 火・3 全)
2単位
History of Western Society
文学研究科 大黒 俊二
⑧ 音読から黙読へ(中世中期)
●科目の主題
読み書きと書物のあり方という視点から西洋の文化
史をたどる。古代から現代まで、人はいかにして文字
⑨ 遍歴商人からもの書き商人へ(中世中期)
⑩ 俗語のリテラシーから女性のリテラシーへ(中
世中・後期)
と付き合ってきたか、本を読んできたか。
「読む」とは
どのような行為なのか。読むことがあまりに自然と
⑪ 手書本から印刷本へ(中世後期)
なった現代、人はあらためてこうした問いを発するこ
⑫ エリートから民衆へ(近代初期)
とはない。
⑬ 批判から革命へ(近代)
しかし、紙上の黒いしみを追って意味を解し、伝え
ることは、自然な行為ではなく、歴史と文化に深く規
定された営みである。たとえば古代ギリシアには「読
む」行為はあってもそれを表す単語がなく、古代ロー
マ人にとって書物とは巻物であった。中世の人間は黙
読ができず、単語を分かち書きすることもなかった。
⑭ 民衆から大衆へ(近代)
⑮ 「ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つ」
(現代)
●評価方法
授業アンケート20%、レポート40%、試験40%。
●受講生へのコメント
読み書きの実践という点から見た西洋文化史の概説
近代初期、文字を知らぬ民衆は他人の朗読によって
であるから、通常の西洋史とは趣の違った内容にな
「読書」した。読み書きと書物の歴史は、西洋文化の
る。単なる西洋史概説ではない。講義の前提として高
思いがけない一面を浮かび上がらせ、旧知の事実に意
校世界史A程度の知識が望ましいが、なくても理解で
外な光を当ててくれることになろう。それはまた、書
きるよう努力する。
物がネット上でヴァーチャル化しつつある現代、紙と
●教 材
インクからなるモノとしての書物の将来を占う営みと
教科書はとくに用いない。以下の書物を参考書とし
もなるだろう。書物と読書の歴史に照らしてみれば、
てあげておく。講義と深い関係があるのは3と5であ
現代は「ミネルヴァの梟」が飛び立つ時代なのであ
る。
1.W. J. オング(桜井直文他訳)
『声の文化と文字
る。
の文化』藤原書店、1991年。
●授業の到達目標
読み書きと書物の歴史を振り返ることで、これらが
2.I. イリイチ/B. サンダース(丸山真人訳)
『A
過去のものとなりつつある現代という時代を、よりよ
BC――民衆の知性のアルファベット化』岩波
書店、1991年。
く理解できるようになることを目的とする。
3.R. シャルティエ/G. カヴァッロ編著(田村毅
●授業内容・授業計画
① 「書くこと」と「読むこと」の歴史性
他訳)
『読むことの歴史――ヨーロッパ読書史』
② 声の文化と文字の文化
大修館書店、2000年。
③ 声から文字へ(古代ギリシア)
4.N. ボルツ(敷名・足立訳)『グーテンベルク銀
④ 読みから書きへ(古代ローマ)
河系の終焉――新しいコミュニケーションの
⑤ 巻子本から冊子本へ(古代末期−中世初期)
姿』法政大学出版局、1999年。
5.大黒俊二『声と文字』岩波書店、2010年。
⑥ ラテン語から俗語へ(中世初期)
⑦ 続け書きから分かち書きへ(中世初期)
−85−
歴史
現代の歴史
(後期 木・4 全)
2単位
Modern History
文学研究科 野村 親義
対的低下−統計が示すこと
●科目の主題
講義では、アンガス・マディソンらが構築した数量
7.欧米の自由主義プロジェクトとアジアの植民地化
経済史研究の成果を踏まえ、19世紀から現代に至るア
8.植民地支配下のアジアの経済⑴−貿易・金融
ジア現代史の動向を、昨今注目著しいインドに焦点を
9.植民地支配下のアジアの経済⑵−製造業
当てながら、論じます。
10.植民地支配下のアジアの経済⑶−労働
19世紀初頭、世界のGDPの6割近くを占めたアジ
11.植民地支配と独立運動
アは、20世紀半ばにはその比率を2割程度まで大きく
12.独立と開発政策
下落させました。しかしその後、アジアの奇跡などを
13.輸入代替型工業化
経、現在は19世紀に得ていた地位を回復しつつありま
14.輸出志向型工業化
す。本講義の目的は、アジアが世界に占める経済的地
位を大きく変化させてきた背景を、工業化、植民地
化、帝国主義、ナショナリズム、開発政策など、時々
の世界の政治・経済・社会情勢に配慮しつつ、特にイ
15.アジアの奇跡とアジア通貨危機
●評価方法
期末試験で評価します。
●受講生へのコメント
昨今の日本の政治・経済・社会情勢は、アジア諸国
ンドに焦点を当てながら、理解することにあります。
の政治・経済・社会情勢と分かちがたく結ばれていま
●授業の到達目標
本講義の到達目標は、世界の注目著しいアジアの
す。本講義を通じ、アジア諸国、特に昨今注目著しい
200年を、歴史を通じ理解する目を養うことにありま
インドの現代史の理解を深めることで、日本の今後を
す。
考える上で重要なアジア諸国の政治・経済・社会情勢
●授業内容・授業計画
をよりよく理解する一助としてもらえれば幸いです。
あわせて、現代をよりよく理解する上で、歴史を理
1.導入
2.アジアとはどこか
解することがいかに重要であるかを感じ取ってもらえ
3.19世紀以前のアジア⑴−インド
ればより一層幸いです。
4.19世紀以前のアジア⑵−中国・日本
●教 材
教科書はありません。プリントを授業中に配布しま
5.比較対象としての19世紀以前のヨーロッパ
6.欧米における工業化とアジアの経済的地位の相
考古学入門
す。また、適宜ビデオ等も利用します。
(後期 火・2 全)
2単位
Introduction to Archaeology
文学研究科 岸本 直文 1 考古学とはなにか
●科目の主題と目標
ひとびとが暮らした住まいの跡、使っていた道具
2 考古学の資料は遺跡
などのモノ、これらが地面のなかに埋もれて遺って
3 遺跡の発掘調査
いる。これが遺跡である。人間の活動が多様である
4 旧石器時代 氷河の時代の狩猟生活
ので、遺跡にもさまざまな種類がある。考古学は、こ
5 縄文時代⑴ 定住のはじまり
うした遺跡を発掘調査することにより、遺された痕跡
6 縄文時代⑵ 縄文文化の豊かさと限界
やモノから、そこで生活したひとびとの営みを復元
7 弥生時代⑴ 米作りの開始
する。考古学により明らかになった日本の歴史をたど
8 弥生時代⑵ ムラからクニへ
り、興味をもってもらうことを目標とする。
9 弥生時代⑶ 墓にみる権力の形成
●授業内容・授業計画
10 古墳時代⑴ 邪馬台国の考古学
日本の考古学では、旧石器時代・縄文時代・弥生時
11 古墳時代⑵ 巨大な前方後円墳の誕生
代・古墳時代という時代区分をする。それぞれがどん
12 古墳時代⑶ 古墳時代から飛鳥時代へ
な時代であったのか、研究史をひもとき、遺跡の発掘
13 古代 都城と官衙
調査の事例を紹介しながら、いま考えられている歴史
14 まとめ
像を紹介する。
−86−
歴史
●評価方法
地域と文化
く、あまり知られていない数多くの遺跡のすべてが、
小レポート提出2回(各15点)。期末試験(70点)。
みなさんが住んでいる地域の歴史を明らかにする素材
●受講生へのコメント
となる。そうした身近な遺跡に関心をもってほしい。
遺跡は全国で40万カ所といわれる。どこにでもあ
●教 材
り、ごく身近なところにある。有名な遺跡ばかりでな
プリントを配布する。
ことばの歴史
(後期 月・3 全)
2単位
Japanese and its History
文学研究科 丹羽 哲也 7・8 「じ・ぢ」
「ず・づ」など
●科目の主題
9・10 漢字と仮名
日本語の歴史的変遷について、主として、音韻・表
11・12 和語・漢語・外来語
記と語彙の分野について講ずる。
13∼ 語形成
●授業の到達目標
●評価方法
ハ行音、ア行・ヤ行・ワ行など日本語の音韻がどの
毎回課される課題の提出(2割)と学期末の試験
ように変化し、それがどのような形で表記に反映して
いるか、日本語の語彙がどのように移り変わってきた
(8割)による。
かという問題を考察することで、日本語の歴史に対す
●受講生へのコメント
日本語の歴史を扱う以上、古文の知識を前提とす
る理解を深める。
る。昨年度に開講した「ことばと文化」より難易度が
●授業内容・授業計画
1・2 日本語の音声と音韻
高い。
3・4 ハ行子音の変化
●教 材
プリントを配布する。
5・6 「い・ゐ」
「え・ゑ」
「お・を」
現代の地理学
(前期 水・4 全)
2単位
Current Geography
文学研究科 祖田 亮次
的になりつつある。この講義では、これらの自然や環
●科目の主題
本講義では、人間−環境関係について、様々な視点
境に関わる具体的な現象や問題を取り上げながら、私
から考える。その際、自然科学的な作業から自然現象
たちがどのように自然や環境と関わっていくべきかを
を明らかにするのではなく、人文学的な視点から、何
考察する。
を問題と捉え、どのように考えればよいのかというこ
考察対象とする具体的事例としては、関西の身近な
とを中心に講義を進める。
ものから、アジア・ヨーロッパなど世界各地のものを
●授業の到達目標
取り上げる。
自然や環境の意味は、社会状況や時代によって大き
く異なるものであることを理解し、我々が「認識」し
① イントロダクション
②∼③ 環境決定論・環境可能論、風土論、政治生
態学
ている自然環境と、どのような関係を結んでいけばよ
いのか、多角的・多面的にとらえるための知識と考察
④∼⑦ 河川改修、自然再生、災害文化、流域社会
論
方法を身につける。
⑧∼⑩ 熱帯雨林、プランテーション、バイオマス
●授業内容・授業計画
社会論
水田や里山は自然なのか?近所を流れる河川はなぜ
このような形になっているのか?国立公園や世界自然
⑪∼⑫ 焼畑・狩猟採集・水田・里山、半自然・半
栽培
遺産はどのような意味を持つのか?熱帯雨林の消滅に
日本はどう関わっているのか?エコツーリズムの背景
にはどのような政治的意図があるのか?自然災害をど
⑬∼⑮ 国立公園・世界遺産、エコツーリズム
●評価方法
評価のおよその内訳は以下のとおりである。出席:
う認識し、克服すべきなのか?
現代は、様々な環境問題が国際政治の場において語
られる一方で、人々は「身近な自然」に対しても意識
−87−
20%、小テスト・課題提出:40%、レポート40%
地域と文化
●受講生へのコメント
識や環境問題、災害文化等に関心があれば、誰でも受
高校時代に地理を履修していたかどうかは、問題で
講可能である。3∼4回に1回の割合で、小テストあ
はない。高校までに地理を履修した人は、地理=地名
るいは課題提出を求める。
や特産品の暗記というイメージを持っているかもしれ
●教 材
ないが、本来の地理学は、人間−環境関係を考察する
ことを主眼としている。したがって、少しでも環境認
現代の地理学
特定のテキストは使用しない。参考図書などがある
場合は、講義の際に提示する。
(前期② 火・1 全)
2単位
Current Geography
文学研究科 山﨑 孝史
える
●科目の主題
本講義は、現代社会を地理学的に理解する一つの手
⑨ 第7章 グローバル化とナショナリズム
段として、政治という側面について考える。
⑩ 第9章 スケールの政治
●授業の到達目標
⑪ 課題3 ナショナリズムがローカルに現れる例
を考える
本講義によって、政治的事象が空間や場所といかに
密接に結びついているかを理解することを目標とす
⑫ 第10章 言説の政治
る。
⑬ 第11章 社会運動の領域性
●授業内容・授業計画
⑭ 課題4 地政言説の例を考える
政治地理学の入門編として、山
孝史(2010)『政
治・空間・場所―「政治の地理学」にむけて』(ナカ
ニシヤ出版)をテキストに、政治地理学の理論と分析
方法について数回講述したあと、受講生各自が関連す
る具体的な事例について考え、発表する。これを4回
⑮ まとめ
●評価方法
週リーディングレポート40%、課題口頭発表60%。
●受講生へのコメント
受講生数が少ないと予想されるので、演習に近い形
式で行う。よって出席や課題提出が重視される。
「地理
繰り返す。
① イントロ:講義の構成
学概論Ⅰ」と一部内容が重複するので、留意するこ
② 第3章 政治地理学の展開と課題
と。
③ 第4章 空間分離主義批判
●教 材
山
④ 第5章 場所の政治的意味
孝史(2010)
『政治・空間・場所―「政治の地
⑤ 課題1 空間と場所が緊張する例を考える
理学」にむけて』
(ナカニシヤ出版)を購入すること。
⑥ 第6章 人間の領域性
その他については、以下の担当教員のホームページを
⑦ 第14章 安全・安心のまちづくり
参照。
⑧ 課題2 人間の領域性が行使されている例を考
http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/user/yamataka/home.htm
都市の地理学
(後期 月・3 全)
2単位
Geography of Urban Area
文学研究科 大場 茂明
内外の具体的事例を提示しつつ概説する。
●科目の主題
現在、世界人口の過半数、先進工業国では国民の三
●授業の到達目標
分の二以上が都市に居住している。古代にメソポタミ
この講義では、地理学のアプローチを通じて、近年
アで誕生して以来、都市の歴史は長いが、現代こそま
の都市問題や今後のまちづくりの課題について考え、
さに「都市の時代」であるといえよう。また、都市は
激動する現代社会の諸問題を理解するための術(す
人々の日常生活や産業活動の舞台であると同時に、過
べ)を身につけてもらうことを目標とする。
密、環境汚染など様々な問題が集積している場所でも
●授業内容・授業計画
授業では、以下の項目に従って、映像資料などを用
ある。
そこで本講義では、自然・人文の諸現象が相互にむ
いて内外の具体的な素材を提示しつつ講述する(数
すびついて展開する地表面の空間的な構造を研究する
字は授業回数)。なお、最初の20分間を利用して、コ
地理学の立場から、都市の形態、機能、構造について
ミュニケーション・カードに基づき、質疑応答など前
−88−
地域と文化
試験の点数(80%)によって行う。
回内容の確認を行う。
●受講生へのコメント
① 序:地理学では都市をどう捉えるか?
授業では、理論や概念のみを取り上げるのではな
②∼④ 都市の形成過程
⑤・⑥ 都市機能分化と空間構造の変容
く、具体例に則して進めていく。したがって、高校時
⑦・⑧ 日本の都市
代に地理を履修していたかどうかは問わないし、特別
⑨・⑩ 現代社会と都市問題
な予備知識も必要としない。専門用語については、そ
⑪・⑫ 都市更新事業とまちづくり
の都度解説や補足説明を加えていくので、授業に集中
⑬・⑭ 人口減少と都市の縮退
して臨んでほしい。
⑮ まとめと今後の展望:都市の未来像
●教 材
●評価方法
教科書:使用しない(講義資料として、授業時にプリ
評価は、毎回の授業終了時に記入してもらうコミュ
ニケーション・カードによる平常点(20%)と、定期
文化人類学入門
Introduction to Cultural Anthropology
ントを配布する)。
参考書:必要に応じて授業時に紹介する。
(前期① 火・3 全)
2単位
(前期② 火・1 全)
2単位
文学研究科 多和田 裕司
⑤・⑥ 推論と偏見による異文化理解
●科目の主題
文化人類学とは、自分とは「異なる」人々にたいす
⑦・⑧ 「科学的」異文化理解への志向
る理解を深め、同時に、どうすれば「異なる」もの同
⑨・⑩ 文化相対主義とアメリカ文化人類学
士の間でよりよいコミュニケーションを持つことが出
⑪・⑫ 文化を解釈する
来るのかを探ろうとする学問である。本講義において
⑬・⑭ 双方向的異文化理解へ向けて
は、諸学説や具体的な民族誌の紹介をとおして、文化
人類学がこれまで「他者/異文化」をどのようにとら
えてきたかについて理解する。それとともに、受講者
それぞれが「他者/異文化」と実際にかかわることで
⑮ 講義の総括
●評価方法
定期試験(60点満点)およびレポート(40点満点)
によって評価する。
(レポート課題)
「他者/異文化理解」を自覚的に経験する。
海外から日本を訪問中の人を対象にインタビューを
●授業の到達目標
本講義は文化人類学を初めて学ぶ者にたいする入門
行い、⑴その人が「日本にたいして感じたこと」、 ⑵
的講義であり、文化人類学の基礎的知識や考えかた
自分が「そのインタビュー経験のなかで感じたこと」、
を身につけることを目標とする。あわせて人類学的
についてまとめる。なお留学生や教員をインタビュー
フィールドワークの一端を自ら経験することで、
「他者
の相手とすることは認めない。詳細については授業中
/異文化理解」という営為そのものについての理解の
に説明する。
深化をはかる。
●受講生へのコメント
本講義では、レポート作成のためのインタビューは
●授業内容・授業計画
主な内容は下記のとおり。
もちろんのこと、通常の講義においても能動的な姿勢
① 文化人類学とはどういう学問か
で学ぶことが求められる。
② 文化人類学の対象:他者、文化、異文化
●教 材
教科書はとくに指定しない。授業中に適宜参考文献
③ 文化人類学の方法:フィールドワーク
④ フィールドワークおよびレポート作成について
の説明と助言
−89−
を紹介する。
地域と文化
言語学入門
(後期 木・2 全)
2単位
Introduction to Linguistics
文学研究科 田中 一彦
第8回∼第11回
●科目の主題
言語運用論 −含意とは何か−
この科目は「ことばとは何か」および「ことばはど
第12回∼第13回
のように機能しているか」といった言語学の最も根源
認知言語学 −我々は回りの世界をどのように認知
的かつ重要な問いに答えるための一つのヒントを提供
しているか−
することを目標としている。
第14回
●授業の到達目標
日常の言語学 −身近な言葉の不思議にせまる−
上記の問いを考える中で、例えば、次のような問題
●評価方法
点をこの科目では追求することになる。すなわち、
「す
べての言語に共通する特徴はあるのか。あるとすれ
基本的には出席と学期末の試験で評価する。積極的
ば、それはどんな特徴か」
「言語間に違いがあるとす
な授業への参加態度(発言および提出物)も評価対象
れば、それはどのような範囲の差異なのか」
「われわ
とする。ただし、4回以上欠席した場合は評価の対象
れは自分の言いたいことをすべて言語化するのか」。
としない。
●受講生へのコメント
上記のようなことを追求する中で、これまでは無意
自分も言語学者になったつもりで、
「ことば」の不思
識のうちに使っていたことばを意識的に分析する態度
を身に付ける。
議の解明をして欲しい。授業中の積極的な発言を歓迎
●授業内容・授業計画
する。
第1回∼第3回
●教 材
ハンドアウト等を配布する。参考書に関しては適宜
言語比較論 −言語の共通性について−
指示する。
第4回∼第7回
言語意味理論 −意味とは何か−
景観と文化
(前期 木・2 全)
2単位
Landscape and Culture
非常勤講師 山野 正彦 ダンの生活様式とデザインに従った建築計画や再開発
●科目の主題
の進行、快適で便利な消費施設、ツーリストにとって
モダン/ポストモダン都市に新しく出現した、消費
の景観(landscape)の様相と形成過程を具体的に示
魅力的な場所づくりなどを目ざそうとする傾向など、
し、文化が景観を作り出すという観点から、都市に生
新しい景観と場所の創造を意図した開発が進められて
活する人々の生活の仕方と景観や場所との関係を明ら
いる。授業では、現代の消費文化と資本の論理が生み
かにする。
出した景観の特徴を示すとともに、このような一見
●授業の到達目標
したところ魅力的で便利そうに見える現代都市の景観
私たちの生活の舞台となっている景観や場所が、ど
が、人間の生き方に関するどのような問題点を含んで
のように作られ、どのように私たちの日常行動や考え
いるのかについて考える。究極に、景観や場所がわれ
方と関係しているのかが理解できる。受講生が自分自
われの生活のコンテクストとなり、アイデンティティ
身で現実の生活環境を見て、ほんものの(authentic)
の形成と密接につながっていることを明らかにした
生活の仕方を考えることができるようになることを目
い。
授業内容は以下のとおり。
標とする。現代の景観づくり、場所づくりや、消費に
基礎をおく都市社会・文化について考える諸学問に関
1はじめに:概念とキーワード(2回)、2都市再開
する横断的な知識を提供する。
発による景観(2回)、3場所のマクドナルド化と均
●授業内容・授業計画
質化(2回)、4ディズニー景観と場所のディズニー
化(2回)、5ショッピングモールの景観(2回)、
1970年代ごろから、都市空間に新しいコンセプトやデ
ザインに基づいて建設された建築物、街区、商業・観
6アメリカ村・堀江界隈の形成、7ツーリズム景観
光施設などが現われ、日常生活の様相が変化してきた。
(2回)、8弾力ある都市空間の創造、9まとめ:ほん
この傾向は北米で最初に現れた。モダン/ポストモ
−90−
ものの「場所」の創造と生活の仕方再考。
地域と文化
講義ではビジュアルな教材を使用することに努め
している。
る。
●教 材
●評価方法
参考書:レ ル フ、 高 野・ 阿 部・ 石 山 訳『 場 所 の 現 象
2回のレポートによる。出席点を加味する。
学』、ちくま学芸文庫、1999.ボードリヤー
●受講生へのコメント
ル、今村・塚原訳『消費社会の神話』、紀伊
この科目は、単に科学的知識や技術を教えることを
國 屋 書 店、1995. リ ッ ツ ア、 山 本・ 坂 田 訳
目標とするものではない。現代都市に生きる人々が、
『消費社会の魔術的体系』、明石書店、2009.
どのように日常生活を過ごしたらよいのかについて、
ほか。毎回授業時に参考資料を配布する。
ゆっくり思考したいと望んでいる受講者の参加を期待
西洋の文化
(前期 木・2 全)
2単位
European Culture
非常勤 米岡 大輔
⑷ 帝国と学校⑴:ロシア(第7,
8回)
●科目の主題
学校はその国の歴史や文化を如実に反映したものの
一つである。本講義では、主に近代西洋諸国における
学校教育の成り立ちとその在り方を学習する。その
際、典型的な近代国家とされる英・仏・独に加え、ロ
シア・ハプスブルク・オスマン各帝国の「学校」にも
注目する。各国における学校教育の特色を説明するこ
とで、近代西洋における国家、学校、社会の複合的な
⑸ 帝国と学校⑵:ハプスブルク帝国(第9,10回)
⑹ 帝国と学校⑶:オスマン帝国とバルカン諸地域
(第11−13回)
⑺ 近代以降の西洋世界と学校(第14,15回)
●評価方法
出席点(20%)と期末試験(80%)で評価する。
●受講生へのコメント
世界史の基本的な知識を前提とするが、それがなく
関わりを浮き彫りにしていく。
ても理解できるように努める。細かい歴史的事象(事
●授業の到達目標
授業では各国における学校教育の共通点や相違点を
件・年号・人物名等)を覚えることより、大きな歴史
学ぶことで、近代西洋の全体像を理解することを目標
的な流れを理解してほしい。授業では必ず、講義内
とする。さらに西欧にとどまらず、東欧にまで視野を
容に関する質問・疑問について確認する。可能なかぎ
広げることで、西洋世界そのものに対する歴史的な見
り、視覚教材を用いる予定。
方を深めてほしい。
●教 材
テキストは用いない。毎回、授業内容を簡潔にまと
●授業内容・授業計画
⑴ 「西洋」とは(第1回)
めたレジュメを配布予定。個別の参考文献は授業中に
⑵ 近代以前の西洋における学校(第2,
3回)
指示する。
⑶ 近代国家における学校(第4−6回)
アジアの文化
(前期 月・3 全)
2単位
Culture in Asia
文学研究科 中川 眞
割を果たせるのかという、社会包摂的な実践活動につ
●科目の主題
アジアにおけるアーツマネジメントの実態や思想に
いての理解を深める。また、マネジメントの対象であ
ついて学ぶ。
る民族文化についても詳述し、アジア文化の特質の理
●授業の到達目標
解にも努める。
アジアのなかでも、主として東南アジア、日本にお
●授業内容・授業計画
けるアーツマネジメントを、具体例を通して学び、ア
⑴ イントロダクション
ジア型アーツマネジメントの特色を理解する。欧米の
⑵∼⑹ 東南アジア(タイ、インドネシア、ベトナ
中産階級の価値観や美意識を前提とした施設利用中
ムなど)におけるアーツマネジメント各論
心のマネジメントではなく、自然災害や紛争、貧困と
⑺∼⒀ 日本における社会的排除の強い地域、施設
いった問題に直面する地において、アートがマネジメ
等におけるアーツマネジメント
ントを通してコミュニティ構築や再生にどのような役
⒁ 東日本大震災とアーツマネジメント
−91−
地域と文化
される講義なので、生半可な気持ちで受講すると挫折
⒂ まとめ
する可能性があるので、注意されたい。
●評価方法
第2回の講義時に「私のなかのアジア文化」という
また、レポート等でインターネット検索の文章をそ
テーマでレポート(800字程度)を提出することが受
のまま用いるという例が近年散見されるが、それに対
講の条件である。この場合の「アジア」には日本は含
しては極めて厳しい態度で臨む。
まない。事前に調べる必要はなく、あなたの体験に即
「アジア」
「社会的包摂」
「社会正義」などに関心の
ある学生には受講を勧める。収益中心のマネジメント
した感想文を自由に書いてほしい。
最終試験はレポート提出によるが、途中で小レポー
について知りたい学生には不向きである。
●教 材
トの課題も出る。
中川眞『アートの力』和泉書院、2013
●受講生へのコメント
「評価方法」の項で書いたように、多くの課題が出
アジアの地域と文化 演習
(前期 月・2 全)
2単位
Seminar: Regional and Cultural Studies of Asia
文学研究科 中川 眞
●授業内容・授業計画
●科目の主題
インドネシアのガムラン音楽の実習により、地域の
(1)ガムランの手ほどき
文化を肌で感じる。
(2∼6)ランチャラン形式の演奏法習得
●授業の到達目標
(7)ガムランコンサートの鑑賞(随時)
ガムラン音楽の基礎からはじめ、いくつかの楽器の
(8∼12)ラドラン形式の演奏法習得
演奏法を習得し、最終的には3∼4曲を合奏できるよ
(13∼14)演奏の仕上げ
うになるのが目標である。その過程で、音楽は楽譜に
(15)まとめ(ミニ・コンサート)
ではなく身体にある、ということを実感するだろう。
授業は基本的に実習形式であり、初歩からの演奏の
そういった音楽的身体を体験することによって、音楽
手ほどきを行う。音楽経験の有無は問わない。
に対するこれまでの先入観は打ち砕かれていくことを
●評価方法
期待する。また授業の成果として最終授業日に公開の
演奏の習得レベルをチェックする。学期末の終了時
に実技習得の見極めチェックを行う。
ミニ・コンサートを行う
●受講生へのコメント
楽器の数に制約があるため、受講生の数を17名に制
限する。受講希望多数の場合は選抜する。ガムランは
コミュニティ重視の音楽であり、他者への関心と寛容
性を心がけてもらいたい。もちろん、出席重視。
●教 材
授業中に配布する。
(平成24年度授業の成果公開)
日本事情ⅠA
(前期 火・2 全)
2単位
Current Japanese Culture and Society ⅠA
非常勤 山東 功
を通じて、日本に関する基礎知識を身につける。
●科目の主題
「日本事情IA」は留学生に対して現代日本の事情
●授業内容・授業計画
を紹介・解説する科目である。なお、本科目受講者は
日本事情について紹介されたさまざまな文章の読解
留学生を対象にしているため、日本の学生は単位取得
を通じて、日本に関する基礎知識を身につける。な
できないので注意すること。
お、期間中に学内教員による2回の特別講義が設けら
●授業の到達目標
れているので、必ず出席すること。
日本事情について紹介されたさまざまな文章の読解
−92−
① ガイダンス・授業科目「日本事情」について
地域と文化
②∼⑫ 日本事情概説 日本語・日本文学、日本文
化、 日 本 史、 日 本( 大 阪 )
の地理、日本の政治・経済
●受講生へのコメント
問題意識を明確にしたレポートを特に評価するが、
授業中の積極的な参加・質問等についても重視する。
⑬・⑭ 特別講義(2回 日程については後日連絡)
⑮ まとめ
●教 材
プリントを配布する。
●評価方法
レポート40% 平常点(出席・コメント)60%
日本事情ⅠB
(後期 火・2 全)
2単位
Current Japanese Culture and Society ⅠB
非常勤 山東 功
① ガイダンス・授業科目「日本事情」について
●科目の主題
「日本事情IB」は留学生に対して現代日本の事情
を紹介・解説する科目である。なお、本科目受講者は
②∼④ 日本事情概説 住宅、買い物、食生活
⑤∼⑫ 学生スピーチ 交 通 事 情、 四 季、 年 中 行
留学生を対象にしているため、日本の学生は単位取得
事、 祭 り、 教 育( 大 学 )、
できないので注意すること。
大衆娯楽、家族、宗教
⑬・⑭ 特別講義(2回 日程については後日連絡)
●授業の到達目標
日常生活の中で疑問に思ったことについて、スピー
チや学生同士の討論などを通して、納得のいく答えが
⑮ まとめ
●評価方法
レポート40% 平常点(出席・コメント)60%
見つけられるようにする。
●受講生へのコメント
●授業内容・授業計画
「日本事情」の諸事項について、自分の力で調べ、
問題意識を明確にしたレポートを特に評価するが、
自分の言葉で説明できるようにする。なお、期間中に
授業中の積極的な参加・質問等についても重視する。
学内教員による2回の特別講義が設けられているの
●教 材
プリントを配布する。
で、必ず出席すること。
日本事情ⅡA
(前期 水・2 全)
2単位
Current Japanese Culture and Society ⅡA
文学研究科 増田 聡
われが聞き流す「あたりまえ」の音楽や音楽環境が、
●科目の主題
現代日本および諸外国のポピュラー音楽文化や都市
異なる社会の耳にとってどのように聞こえているかを
の音楽環境の諸相について検討する。留学生が参加す
探るべく、留学生と日本人学生との意見交換を行いな
る授業という特性を生かし、受講者間の討議を交えな
がら授業は進行する。よって、下記の授業計画は大ま
がら授業は進行する。
かな方向性を示すものであり、受講生の関心に応じて
●授業の到達目標
内容は適宜変更される。
比較文化論的な観点から現代日本および諸外国の音
授業はゼミ形式を主軸に、ときおり講義を交えるか
文化・大衆文化を検討する批判的視座を獲得するこ
たちで行われる。数回のレポート提出を経た後、受講
と。および映像・音楽をもちいた効果的なプレゼン
生は、日本の(あるいは自国の、または他国の)音楽
テーション技術を修得すること。
文化について、PCやiPod等のIT機器を使用しつつ
●授業内容・授業計画
映像や音楽を交えたプレゼンテーションを、最低一人
カラオケ、携帯オーディオプレイヤー、多彩なCM
あたり一回は必ず行うことになる。そのため、受講に
音楽、携帯電話着信音楽、Jポップ、レンタルCD
際しては基礎的な情報処理技能(ウェブ閲覧、音楽・
店、音楽配信、YouTubeなど、現在の日本の都市空間
動画の提示、プレゼンテーション資料作成など)を身
やメディア空間で目に(耳に)することができる音楽
につけていることが前提となる。発表準備はかなりの
環境は、あるものは海外から由来し、あるものは日本
負担となるので、覚悟して受講すること。日本や諸外
で生まれたものであるが、さまざまな歴史的・社会的
国のポピュラー音楽文化についての比較文化論的な知
な文脈を経て現在あるような姿へと至っている。われ
見を深めようと考える学生の受講を期待する。
−93−
地域と文化
(1)イントロダクションと授業方針の決定
入れ、日本人学生を選抜して受講生の上限を20名程度
(2∼5)Jポップ、歌謡曲における「日本的イメー
とする予定。受講生の選抜方法などは初回の授業で指
示するので必ず出席すること。初回の授業に欠席した
ジ」の諸相
(6∼9)日本の都市音楽環境・音楽メディア環境に
学生の受講は認めない。また、出席と討議への参加度
を非常に重視するので積極的な授業参加が望まれる。
ついて
(10∼15)諸外国の都市音楽環境・音楽メディア環境
について
●教 材
・烏賀陽弘道『Jポップとは何か』
(岩波新書)
●評価方法
入手の上通読しておくこと。また、次の参考文献も
発表内容を中心に、出席点、討議への参加度、毎回
課されるミニレポート、および最終レポートを総合し
て評価する予定だが、受講者数によっては変更する可
能性がある。
読んでおくのが望ましい。
・輪島裕介『創られた「日本の心」神話̶「演歌」を
めぐる戦後大衆音楽史』
(光文社新書)
・津田大介+牧村憲一『未来型サバイバル音楽論̶U
●受講生へのコメント
STREAM、Twitterは何を変えたのか』(中公新
留学生特例科目のため、留学生は優先的に全員受け
日本事情ⅡB
書ラクレ)
(後期 水・4 全)
2単位
Current Japanese Culture and Society ⅡB
非常勤 鈴木 伸太郎
い。これらのことを事例を挙げながら説明していく。
●科目の主題
この講義は主に留学生向けに日本の経済や社会の最
受講する諸君がどのように日本社会についての情報を
近の変化に着目しながら説明するものであるが、日本
自分で調べ、自分で考えていったらいいか、基本にな
で生まれ育った人たちが聴いても参考になる内容にな
ることを語っていきたい(4回分)。
るようにしていきたい。必ずしも日本の「特殊な事
日本のマスメディアの「決まり文句」のひとつであ
情」ではなく、マスメディアのあり方や、政府の財政
る「円高は日本にとって好ましくない」について考え
事情や、少子高齢化など、世界の他の国々にも共通す
ていく。貿易構造や経常黒字について説明する。日本
る課題の中で、日本はどのような「解」を出そうとし
は諸外国と比較して貿易依存度は意外に高くなく、ま
ているのか、どの程度までそれが成功と言えるのか、
た工業製品は消費財よりも中間財・資本財に強みを発
などについて理解を深めることが目的である。言い換
揮する。地味な分野なため、メディアや一般市民に認
えるなら、21世紀初頭の世界におけるひとつの社会と
識が浸透していない事情を説明する(2回分)。
日本の財政事情に関しても、政府の債務の大きさば
しての日本社会がテーマである。
かりが強調される傾向があるが、政府も民間も豊富な
●授業の到達目標
21世紀初頭の世界において、特に先進国型の経済社
金融資産を持っているという事実がある。こうした財
会を達成した国の社会では、どのようなことが課題と
政状況の判断の違いが経済政策の違いになって表れて
なるのかについて、マスメディアのあり方や、政府の
くる。消費税の増税が政治の争点となったが、所得税
財政事情や、少子高齢化問題などの点から、大きな図
や法人税との関係を視野にいれつつこの問題について
式の中で捉える能力が身につくこと。受講生の現在の
説明する(4回分)。
生活空間である日本社会の理解を通して、世界の国々
東日本大震災以降、原子力発電所の問題が政治の焦
(あるいは受講生の出身国)の社会の理解が深まるよ
点となった。日本のエネルギー問題について議論の対
うになること。
象になっている事柄を解説しつつ、将来の展望を探っ
●授業内容・授業計画
てみる(2回分)。
まず、メディアリテラシーの基本事項を説明しつ
少子高齢化の進展によって、医療の問題、それから
つ、日本のマスメディアの問題をとりあげる。イン
年金の問題なども不安視されている。避けて通れない
ターネットの普及のインパクトとともにマスメディア
社会変化に直面する中で、社会保障制度をいかに充実
の在り方が問い直されている日本の現状、日本特有の
させていくかが大きな課題となっている。諸外国と比
制度である閉鎖的記者クラブ制度によって、官庁の発
べて教育や医療に振り向ける公共投資が少ないこと、
表がそのまま報道されやすい体質等を説明する。し
年金制度について誤解が広がっていることなど、問題
たがって日本のマスメディアは報道の自由を標榜しつ
点を解説しつつ将来を考えてみる手がかりにしていき
つ、意外に権力からの情報操作に弱く、一般国民は必
たい(3回分)。
ずしもバランスよく正確な情報が得られるわけではな
−94−
地域と文化
●評価方法
文学と芸術
●受講生へのコメント
レポート(やや長文・5000字程度)の評価が主体で
受講生は留学生であることを想定しているが、留学
ある。ただし、毎回の授業で作文という形で各自の意
生以外の学生の履修も認める。
見を書いてもらうことを(受講人数によってはディス
●教 材
カッションなども)課題にする予定なので、課題への
教科書は指定しない。参考書は随時紹介し、必要な
取り組み状況が良好であれば、プラスの方向で評価に
資料は授業において配布する。
加える予定である。
日本の古典文学
(前期② 火・1 全)
2単位
Introduction to the Classics of Japanese Literature
文学研究科 小林 直樹
鎌倉時代成立の『長谷雄草子』の二作品を取り上げ
●科目の主題
人間が、長い時間の経過によっても侵食されること
る。それぞれ吉備真備、紀長谷雄という実在の人物に
のない、不易の側面を有していることは言うまでもな
まつわる伝記的物語。詞書(文章の部分)を読んだ後
い。古の書物をひもとけば、古人の喜び、悲しみ、悩
に、それに該当する絵画部分を鑑賞し、物語を総合的
む姿が現前して、我々の共感を誘い、また数々の智慧
に味わう。予定している授業の概略は以下の通り。
ガイダンス(1回)『
、長谷雄草子』
(6回程度)『
、吉
の言葉が発せられて、我々の心をとらえる。時代を超
えて読みつがれる古典というものは、こうした点に
備大臣入唐絵巻』(7回程度)。
よって支えられている面が大きいと言えよう。
●授業の到達目標
けれども、その一方で、人間の営みの中には、時代
前近代の日本人が遺した文章と絵画から、我々とは
と共に変化し、あるいは失われて、後代の人間の常識
異なる彼らの発想や思惟、世界観を読み取り、現代の
や感覚では、もはや捉えがたくなってしまうような部
「常識」を相対化する視点を養う。その上で、現代人
分が存在することも否定できない。古典を読む際、こ
が古典を読む意義を理解することを目標とする。
の点はいくらかの障害となって前方に立ちふさがるこ
●評価方法
ともあろう。が、我々が少し努力して古人の側に身を
試験による。ただし、授業中に書いてもらうコミュ
添わせるなら、そこに、日頃何らの疑念も抱かずに当
ニケーションカードの内容も加味する。
然視してきた「常識」を相対化し、くつがえす新鮮な
●受講生へのコメント
視点が潜んでいるのを発見することも稀ではないので
物語や歴史好きな人向き。授業中はテキストとスク
リーンに写される絵画世界にひたすら没頭してほし
ある。
何百年という時を超えて、古典の世界に飛び込み、
い。
しばし古人と哀歓を共にし、また大いに彼らに学びた
●教 材
いと思う。
教科書:プリントを配布。
●授業内容・授業計画
参考書:宮 本 常 一『 絵 巻 物 に 見 る 日 本 庶 民 生 活 誌 』
本年度は、平安時代成立の『吉備大臣入唐絵巻』と
東洋の文学
(中公新書)他
(前期 木・2 全)
2単位
Oliental Literature
非常勤 福田 知可志
●授業内容・授業計画
●科目の主題と目標
本年度は明代に編まれた、神仙が登場し魔術を駆使
最初に中国における古典小説の歴史および『封神演
する神魔小説の一つである『封神演義』を読む。近年
義』についておおまかな概説を行う。次に原文を読解
日本でも漫画化され人気を博し、また光栄からゲーム
するが、中国でテレビドラマ化された『封神演義』の
も出ており(同社は完訳も刊行している)、若年層を
構成に従って、全百回のうち二十回までを読む。各授
中心に広く読まれるようになった。本授業では、
『封神
業の後半でドラマを鑑賞し、原文をどのように演出し
演義』の原文に触れ、映像化された資料を鑑賞しなが
ているのかを確認する。
ら、
『封神演義』及び中国の古典小説に対する理解を深
① 『封神演義』について/中国小説史上の位置づ
けなど概説中心
めることを目標とする。
−95−
文学と芸術
② 第1∼3回 紂王 女媧を怒らす
格とする)及び授業中で課されるレポートを平常点と
③ 第3・4回 狐狸精 妲己に憑依す
して三割、期末試験を七割とし、総合して評価を決定
④ 第15回 姜子牙 崑崙山より下山す
する。
⑤ 第7・16回 妲己と姜皇后の確執
●受講生へのコメント
原文を扱うため、本来は漢文の基礎学力を身につけ
⑥ 第7・8回 妲己 姜皇后を謀殺す
⑦ 第6・8・9回 商容丞相 紂王を諌めて自殺す
ていることが望ましいが、映像を用いてストーリーを
⑧ 第5・16・17回 姜子牙 琵琶精を焼殺す
確認していくので、漢文初学者や『封神演義』を初め
⑨ 第10・11回 西伯侯 雷震子を授かる
て読む者も身構える必要はない。
『封神演義』の魅力と
⑩ 第11・12回 紂王 西伯侯を幽閉す
その面白さを味わって欲しい。
⑪ 第18回 姜子牙 紂王を諌め磻渓に隠遁す
●教 材
授業時に作成した資料を配布する。
⑫ 第12回 哪吒 龍王の太子を殴殺す
参考書:魯迅著・中島長文訳注『中国小説史略』
(平
⑬ 第13・14・19回 哪吒 蓮の花より再生す
凡社、一九九七年)
⑭ 第19回 伯邑考 妲己と再会す
二階堂善弘著『封神演義の世界』(大修館書
⑮ 第19・20回 伯邑考の死と西伯侯の帰還
店、一九九八年)
●評価方法
出席点(三分の一欠席、すなわち五回欠席者は不合
日本の詩歌
訳本:『封神演義:完訳』
(光栄、一九九五年)
(前期 火・3 全)
2単位
Japanese Poetry
文学研究科 村田 正博
●評価方法
●科目の主題
毎回の授業に関する意見・感想(特製出席カードを
詩歌は人間を救えるか?
人間を人間としてあらしめる最も根幹をなすものが
配布・回収)と期末のレポート(授業の趣意に沿っ
コトバであり、そのコトバを手段として人間存在の根
て、諸君が見つけた詩歌作品をめぐる思索を披瀝する
源に迫ろうとするのが詩歌である―、にもかかわら
こと)による。
ず、われわれは、詩歌を、不当に軽く見てはいないで
評価の比重は、前者50%、後者50%。
●受講生へのコメント
あろうか?
詩歌に対する認識を改め、その意義について思索を
教えるとは、夢を語ること、
深める。
学ぶとは、誠実を胸に刻むこと。
●授業の到達目標
これは、フランスの詩人、アラゴンのことば。
近現代の詩歌を対象として、詩歌がわれわれに何を
提言しようとしてきたのか、それを読み解くことを通
して、われわれはどのように生きてゆけばよいのであ
詩は、知識の量の問題というより、知恵の質に関わ
るもの。
したがって、通常の評価にはなじまない面がある
が、夢を語り、誠実を胸に刻む時間が実現されるよ
ろうか?
そんな思案を心の一角に持つことができる―、この
う、担当者も精一杯の努力を約束するので、受講の諸
授業の到達目標は、じつは皆さんの将来に託するとこ
君のうるわしい協力を期待する。
ろが大きい。
●教 材
プリント配布。
●授業内容・授業計画
1. 詩とはなにか?
(4∼5回)
参考書:茨 木 の り 子『 詩 の こ こ ろ を 読 む 』
(岩波
2. 詩のことば、日常のことば
(4∼5回)
ジュニア新書 ― ジュニア用とあなどること
3. 新しい時代を拓いた詩
(4∼5回)
なかれ!)
4. 詩人が追放されない国をめざして (最 終 回)
宗 左近『あなたにあいたくて生まれてきた
5. まとめ・レポート受取
詩』(新潮社)
(最 終 回)
(授業回数は、おおよその目安である。1のなかで
宗 左近『詩(うた)のささげもの』(新潮
2や3の内容にもふれるといったことも、テーマの
社)
性格上、おそらくあるだろう。諒とされたい。
)
正津 勉『詩人の愛』(河出書房新社)
−96−
文学と芸術
日本の近代文学
(後期 木・2 全)
2単位
Japanese Modern Literature
文学研究科 奥野 久美子
2∼5 徳冨蘆花「不如帰」
●科目の主題
日本の近代文学作品を精読する。趣味の読書とは異
6∼9 菊池寛「真珠夫人」
なり、大学で文学を学ぶとはどういうことか、その意
10∼13 三島由紀夫「美徳のよろめき」
味と面白さの一端を知ることを主題とする。今期は
14∼15 まとめ
明治、大正、昭和の各時代のベストセラーにおける女
性の描かれ方に注目して作品を読む。どんな文学作品
●評価方法
授業中に数回提出する小レポート、授業内で行うテ
も、良くも悪くも時代の制約を免れない。いわば時代
スト、および出席状況による。
を映す鏡であり、文学作品から当時の社会を知ること
●受講生へのコメント
もできる。大衆の支持を得たベストセラーならなおさ
作品の下読みなど予習が必要な講義である。作品は
らである。本授業で扱う作品から近代日本女性史を垣
全て中・長篇のため、授業で配るプリントは作品のご
間見てほしい。
く一部のみの抄録である。全て文庫本で出ている作品
●授業の到達目標
なので、作品全文については各自で読んでおくこと。
時代背景や作家自身のあり方なども考慮しつつ、注
●教 材
釈的に読みをすすめてゆく。文学研究の目的とは何か
教科書:プリントを配布する。
を学び、また鑑賞とは異なる文学研究の方法を学び、
参考書:徳冨蘆花「不如帰」
(岩波文庫ほか)
その一端を身につけることを目標とする。さらに、扱
菊池寛「真珠夫人」
(文春文庫ほか)
う作品を資料として社会や歴史をも考える。
三島由紀夫「美徳のよろめき」
(新潮文庫ほ
●授業内容・授業計画
か)
1 ガイダンス
西洋美術の流れ
(後期 水・4 全)
2単位
History of Western Art
非常勤 石黒 義昭
ポイントなどによって、作品を見てもらう。
●科目の主題
絵画、彫刻、建築などの美術作品には、人々が世界
をどのように認識してきたかということ、つまり人間
③ 重要な事柄について説明する。
④ 興味深い質問等があれば、次回の講義で紹介す
る。
の「ものの見方」が刻み込まれている。
この講義では、古代ギリシアからバロックにいたる
【授業計画】
代表的な作品について美学・芸術学の観点(哲学的立
第1回 導入・説明(参考文献の紹介など)
場)および美術史学の観点(実証的立場)から考察
第2回∼第4回 古代ギリシア
し、
「人間は美術とどのように係わってきたか」問うて
第5回∼第6回 古代ローマ
いく。
第7回∼第8回 中世
造形芸術だけではなく、時間の許すかぎり、音楽や
第9回∼第12回 ルネサンス
文学の作品もとりあげ、ヨーロッパの人たちが、どの
第13回∼第14回 バロック
ような価値観を形成してきたのか、総合的に考えてい
第15回 まとめ
(状況によって変更される可能性あり)
きたい。
●評価方法
●授業の到達目標
西洋美術史の展開とその背景をおおよそ理解したう
えで、芸術作品を人間存在の記録として読み解く態度
学期末の定期試験(100%)とする。
●受講生へのコメント
特別な知識は前提としないが、ヨーロッパの歴史を
を身につけること。
ある程度理解していることが望ましい。
●授業内容・授業計画
美学や美術史学は、個々人の経験をもとにして成り
【授業内容】
① 従来型の講義形式でおこなう。
立っている。実際に作品にふれなければ、概説を聴い
② テーマをしめしたうえで、DVD教材やパワー
ても、あまり意味がない。受講生は、展覧会や音楽会
−97−
文学と芸術
などに足をはこび、さまざまな作品に接してほしい。
●教 材
特定の教科書は使用しない。視聴覚教材をつかうと
きは教室の明かりを消すので、手許を照らすライトな
どを持参したほうがよい。
音楽の諸相
(前期 水・4 全)
2単位
Aspects of Musics
文学研究科 増田 聡
(15)MTV以後の音楽/映像文化の諸相とインター
●科目の主題
英米圏を中心とした20世紀のポピュラー音楽史を講
じる。19世紀末に出現し、20世紀前半に欧米から世界
ネット
順序は入れ替わったり、二つの主題を一つのコマで
中へと普及していったレコードやラジオといった音響
行う場合もある。
複製メディアは、それまでの音楽文化の姿を大きく変
●評価方法
えることになった。さまざまな民族や都市文化の美学
学期末試験の点数のみにより評価する。出席はとら
を反映した多様なポピュラー音楽が市場に出回り、音
ないので、授業内容に強く関心を持つ学生の履修を要
楽産業は巨大なビジネスになっていく。本講義では、
望する。
とりわけ20世紀の音楽産業の発展に最大の影響をもた
●受講生へのコメント
らした英米のポピュラー音楽史を、技術、経済、思
例年受講希望者が極めて多く、履修の可否は抽選と
想、政治、民族性、美学などの観点から、視聴覚資料
なる可能性が高い。また、単位取得の困難さが苛烈を
に基づいて概観していく。
極める授業であるので、授業内容に関心が持てない学
●授業の到達目標
生は必ずや履修登録を後悔するだろうことを覚悟せ
20世紀英米ポピュラー音楽史について概括的な知見
よ。単に時間割を埋めるための履修登録は講義内容に
を獲得し、それを社会史的・文化史的な背景と関連づ
関心をもつ学生にとって迷惑となるので厳禁とする。
けて理解できるようになること。
初回授業に欠席した学生の受講は認めない。視聴覚資
●授業内容・授業計画
料を多用するので、授業中の私語には厳しく対処す
(1)ポピュラー音楽形成の社会的背景
る。また、YouTube等を利用して授業外での積極的な
(2∼4)初期音楽産業、ジャズ、ブルース(アメリ
自学自習が必須となることも留意のこと。
●教 材
カ黒人音楽文化の浮上と複製メディアの役割)
(5)ロックンロールの誕生(ユースカルチャーと音
授業内容と関連する、あるいは発展的な内容を含む
参考書として下記を挙げる。購入の必要はないが、授
楽産業)
(6)公民権運動とフォークロック、ビートルズ
業期間内に通読しておくことが望ましい。
(7)60年代ソウル
・増田聡・谷口文和『音楽未来形――デジタル時代の
音楽文化のゆくえ』
(洋泉社)
(8)英国へのアメリカ黒人音楽の影響
・大和田俊之『アメリカ音楽史―ミンストレル・ショ
(9)サイケデリック文化とロック
ウ、ブルースからヒップホップまで』(講談社選書
(10)70年代ロックの拡大と展開
メチエ)
(11)パンク・ロック
・長谷川町蔵+大和田俊之『文化系のためのヒップ
(12)70年代黒人音楽の発展(ディスク文化の浮上)
ホップ入門』
(アルテスパブリッシング)
(13)80年代のMTV文化とヒップホップ
(14)90年代以降のテクノ/クラブカルチャーの展開
視覚文化の世界
(前期 木・4 全)
2単位
The World of Visual Culture
非常勤講師 横田 洋
の芸術ジャンルとして確立し、現在に至っている。一
●科目の主題
近現代を代表する視覚文化の一大ジャンルである映
つのジャンルとして確立することができた映画の独自
画の歴史を概観する。19世紀末に誕生した映画は一つ
性を自明のものと捉えずに、演劇や見世物などを中心
−98−
文学と芸術
とした周辺の文化との関係性、さらにそれらをとりま
8 戦前の日本映画
く環境や歴史の中で映画という文化現象を捉える。
9 アヴァンギャルド映画
●授業の到達目標
10 日本映画の黄金期
視覚文化の重要性や様々な問題点を理解する。特に
11 ハリウッド映画の黄金期
映画史における基本的事項を理解し、歴史的な視野の
12 ヌーヴェル・ヴァーグ
もとで映画という文化を考える。また演劇や美術、見
13 アジアの映画
世物といった映画周辺の文化をそれぞれの分野で専門
14 現代の映画
的に学ぶための基礎的な知識や考え方も身に付ける。
15 まとめ
●授業内容・授業計画
●評価方法
1 イントロダクション―映画と視覚文化
複数回の小テスト(50)・期末テスト(50)の合計
2 前近代の視覚文化
で評価する。
3 近代の視覚文化
●受講生へのコメント
4 初期映画
授業で紹介する映画作品については授業時間中には
5 映画と演劇
観賞しないので、必要な作品は各自で観賞する。
6 映画と見世物
●教 材
7 古典的ハリウッド映画
プリント等を適宜配布。
文学と芸術へのいざない・演習
(前期 火・4 全)
2単位
Seminar: Introduction to the Literature and Art
文学研究科 高梨 友宏
課題を遂行しつつ、自らの見解を深め、更新す
●科目の主題
る。
芸術ないし芸術作品に関する共通理解を、美学・芸
術学関係の文献の読習、発表、受講者相互のディス
3)二巡目降の発表者は、更新された見解について
発表し、ディスカッションを深める。
カッションを通じて深めること。
【授業のスケジュール】
●授業の到達目標
芸術諸ジャンルや時代を特に限定することなく広く
①:イントロダクション:手順の説明、発表順の決
定、自己紹介等。
芸術現象一般について、その本質、機能、魅力、意義
等について、受講者とともに考察する。この演習を通
②:講師による発表の例示、受講者各人のテーマの
開陳。
じて、芸術ないし芸術作品への理解を深め、併せて、
プレゼンテーション能力、ディスカッション能力を養
③∼⑭:受講者による発表演習(1回につき2−3
名)。
う。
⑮:総括
●授業内容・授業計画
授業は主として、受講者の「発表」によって構成さ
れる。発表に際して受講者は以下に挙げる1)∼3)
●評価方法
毎回の授業への積極的な参加態度、各自の課題への
の手順に則ることとする(ただし手順を変更する場合
取り組みなどに基づいて評価する(期末試験は行わな
もありうる)。すなわち、
い)。
1)発表に際して、受講者は、関心を持つ作品(あ
●受講生へのコメント
るいは芸術家)を挙げる(パソコン、CD、D
・受講者数は15名までとする。
VD、書画カメラ、その他による作品提示)。
・受講者それぞれが授業を推進する役目を果たすこ
2)なぜその作品(あるいは芸術家)に関心がある
とになる(講師はできる限り多言を慎みたい)。
のか、なぜそれが好きなのか等について、それ
発表の際のみならず、他者の発表を聞く場合にも、
ぞれの見解を開陳してもらう。それぞれの意見
積極的な発言を期待する。したがって、評価に際
表明に対して、他の受講者および講師から質疑
しては、出席および自主的な発言を重視する。
を差し向け、ディスカッションを展開する。講
師は必要に応じて、美学・芸術学上の見解を紹
介し、適当な文献の読習を指示するなど、ある
程度の考察の方向を示す。受講者はそれぞれの
−99−
●教 材
適宜指示する。また必要に応じてコピー等を配布す
る。
現代の自然科学
数学の考え方 2
(後期 月・3 全文・H(人))
2単位
Concepts of Mathematics 2
特任 釜江 哲朗
[平成24年度以前に「数学の歩み」の単位を修得した者は、この科目は履修できない。
]
●授業内容・授業計画
●科目の主題と目標
数学は科学の言葉であり、現在の科学文明の礎をな
ユークリッドから現代に至る数学の中から、幾つか
している。数ある学問の中で一番役に立っているのは
の話題をオムニバス形式で取り上げる。話題間に緩や
数学であると言っても過言ではない。しかし数学に
かな関連がある場合もあるが、基本的に各話題は独立
は、役に立つという実益の面だけでなく、美意識に訴
し1∼3回で読みきりとする。
える芸術的な面があり、一つの文化をなしている。多
●評価方法
授業中に行う何回かの試験で評価する。
くの数学者は、実益の面より、むしろ美意識に動かさ
れて数学を作って来たと思われる。また歴史は、美意
●受講生へのコメント
数学の予備知識としては、大学への文系志望者が学
識を動機として作られた美しい数学が、時代を経て役
習する高校までの数学を仮定する。更に、数学への興
に立つことを証明している。
この講義では、数学の面白さ、美しさ、文化として
の数学を伝えたい。そこから、数学の考え方が学び取
味と論理的思考力のあることが不可欠である。
●教 材
教科書は用いない。授業中に配付するプリント等を
れればと思う。
用いる。参考書は講義のなかで紹介する。
数学の考え方 2
(前期② 月・1 全)
2単位
Concepts of Mathematics 2
理学研究科 高橋 太
●授業内容・授業計画
●科目の主題と目標
数学は科学の言葉であり、現在の科学文明の礎をな
ユークリッドから現代に至る数学の中から、幾つか
している。数ある学問の中で一番役に立っているのは
の話題をオムニバス形式で取り上げる。話題間に緩や
数学であると言っても過言ではない。しかし数学に
かな関連がある場合もあるが、基本的に各話題は独立
は、役に立つという実益の面だけでなく、美意識に訴
し1∼3回で読みきりとする。
える芸術的な面があり、一つの文化をなしている。多
●評価方法
授業中に行う何回かの試験で評価する。
くの数学者は、実益の面より、むしろ美意識に動かさ
れて数学を作って来たと思われる。また歴史は、美意
●受講生へのコメント
数学の予備知識としては、大学への文系志望者が学
識を動機として作られた美しい数学が、時代を経て役
習する高校までの数学を仮定する。更に、数学への興
に立つことを証明している。
この講義では、数学の面白さ、美しさ、文化として
の数学を伝えたい。そこから、数学の考え方が学び取
味と論理的思考力のあることが不可欠である。
●教 材
教科書は用いない。授業中に配付するプリント等を
れればと思う。
用いる。参考書は講義のなかで紹介する。
ニュートンからアインシュタインへ
(前期 木・2 全文、H
(人)
、M
(看)
)
2単位
History of Physical Concept from Newton to Einstein
非常勤 内藤 清一
ように講義する。
●科目の主題
古典物理学から相対性理論や量子力学に代表される
●授業の到達目標
現代物理学に至る歴史的過程において、種々の自然現
この“文科系学生の為の講義”を通して、次のよう
象を理解するために先人達に依って工夫、発見された
な「21世紀的認識」を獲得出来るようになる事を(講
種々の物理的思考法を、出来るだけ易しく理解できる
義者の)“大きな目標”とする:「
“絶対的真理”が
−100−
現代の自然科学
(我々の人類世界を含む)全宇宙を支配している」と
を準教科書として採用し、以下の項目より適宜説明す
云う基本的認識は、
“21世紀に生きる文科系若者達に
る。
とっても、欠かすことが出来なくなってくる”であろ
1)月はなぜ地球に落ちてこないか。地球の重さはど
う。
「 ああ言えば、こうも言える」との従来の学問で
うしてはかるか。 2)光が波であるとはどういう意
は、最早21世紀の諸問題に対処できず、21世紀を救う
味か。3)エネルギーの旅 4)電気振動 5)原子
ことは出来ない。
論の発展 6)原子内部の構造 7)量子の概念と物
●授業内容・授業計画
理学の将来
特に、力学的現象を中心に、ビデオ教材を利用しな
●評価方法
出席率、中間試験及びレポートなど。
がら授業を進める。
1)ニュートンの法則 2)リンゴと月 3)調和振
●受講生へのコメント
動 4)宇宙の航行 5)エネルギーの保存 6)運
講義内容が広範囲にわたるので欠席しないように心
動量の保存 7)角運動量 8)四つの力 9)落体
がける。また、講義項目は講義の進捗状況により変わ
の法則 10)慣性 11)円運動 12)ミリカンの実験
ることがある。数式は若干使用する。
13)ケプラーの法則 14)波動 15)温度と気体の法
●教 材
則 16)曲がった空間とブラック・ホール
教科書 朝永振一郎“物理学読本”
(みすず書房)
更に、
“ 物理学読本”(朝永振一郎編、みすず書房)
ミクロとマクロの世界
(後期 火・3 全文・H(人)・M(看))
2単位
Microscopic and Macroscopic Worlds
特 任 牲川 章
るという視点から解説する。磁石、超低温での
●科目の主題
超伝導現象などをとりあげる。
自然界の理解に向けたあくなき挑戦を通じて、一方
2.素粒子物理学
でミクロ世界、他方でマクロ世界の理解が進んでき
た。ミクロ世界に分け入っていくと以下のような階
上述のミクロ世界の物理学をとりあげる。2008
層構造が見えてくる:物質→分子→原子→原子核+
年度ノーベル物理学賞の受賞対象となった南部
電子、原子核→陽子+中性子→クォーク。現在までに
陽一郎(大阪市大名誉教授)、小林−益川の理
クォークは6種類確認されている。電子は、仲間と共
論についても概説する。
3.宇宙物理学
にレプトンと呼ばれるグループを構成しているが、こ
のグループも6種類の粒子から成っている。ここまで
恒星の構造とその一生、137 億年前のビッグバ
が、現在到達しているミクロ世界の最前線である。他
ンに始まる宇宙の進化と現在の宇宙の構造など
について概説する。
方、恒星や宇宙などのマクロ世界に関する関心は太古
の昔から存在した。現在では、星の構造やその進化、
●評価方法
理解度(毎回提出、出席票を兼ねる)、出席状況等
並びに宇宙そのものの進化に関する理解が深まり、こ
れらは上述のミクロ世界の物理学と密接に関係してい
による総合評価。
ることが判明している。
●受講生へのコメント
本科目では、ミクロ世界からマクロ世界に亘る物理
授業中の質問は歓迎する。又、理解度を計るために
学を、その有機的つながりを軸にできるだけ数式を用
毎回配布する用紙に「質問」を書き加えることも歓迎
いずに平易に解説する。
する。尚、上記の授業内容は一部変更することがあ
●授業内容・授業計画
る。
●教 材
以下の順序で進める。
教科書は使用せず、プリントを毎回配布する。参考
1.物性物理学
物質は分子、原子から出来ているシステムであ
書は必要に応じて授業中に指示する。
−101−
現代の自然科学
化学の世界
(前期 月・3 全文・H
(人)
・M
(看)
) 2単位
World of Modern Chemistry
理学研究科 特 任 工位 武治
さ・重要性を知る。講義では、
「日常」を離れて、知的
●科目の主題
私たちの日常の健康に重要な役割を果たす食品や医
薬品は、化学物質からできている。また、PCをはじ
なtripを行う。
●授業内容・授業計画
めとするエレクトロニクス、ニューセラミックス、高
① 化学に強くなる「化学の基礎」
速光通信などに使われている素材は高度な化学技術の
② 生活と化学(水は何色、地球上の水はどこから
来たかなど)
上に成り立っている。無論、私たちの身体はすべて化
③ 環境・気候変動(地球温暖化)
・低炭素社会と
学物質からできており、生命体としての機能は物質の
機能に支えられている。現代社会は、いわば「ユビキ
化学
タス分子」、
「ユビキタス分子科学」に支えられている。
「環境問題では嘘がほんとうにまかり通ってい
るか」
本科目では、化学を専門としない学生に、化学なんて
嫌い・関係ないという学生に化学に興味をもってもら
④ 地磁気の消滅と渡り鳥の謎
うこと、ちょっとした化学の知識と考え方が質の良い
⑤ 生命の化学と分子進化
生活(QOL=Quality of Life)を日常的に送るために
⑥ DNAの分子科学
大変役に立つことを念頭において、どのような化合物
⑦ 近未来の通信・コンピュータ=量子暗号通信・
が何のために、どのように使われているか、その根底
量子コンピュータとはどんなものか?実証実験
にある化学の法則とはどのようなものか、また物質の
は終わり、数年後には実用化の時代が到来?
構造はどのようにして決められるか、さらに加齢によ
⑧ メタ科学と科学リテラシー
るシミに煩わされない人生はどうしたら送れるかなど
各課題を1−2週間で消化する。
●評価方法
を学ぶ。
レポートと平常点を含む総合評価(出席評価を含
●授業の到達目標
講義の進め方は私たちにとって身近な現象を取り上
げ、それらの背後に潜む謎を解き明かすと共に、現代
む)。
●受講生へのコメント
化学に関するどんな疑問・質問にも応えます。
の分子科学の果たしている役割について考え、最終的
に、
「日常的に化学に親しめる」ように講義する。何気
●教 材
教科書の指定はない。教材は担当者が提供する。
ない日常の現象がいかに「非日常的なサイエンス」で
支えられているかを学び、知的な満足・探求の面白
生物学への招待
Introduction to Biology
(前期① 水・3 全文・H
(人)
・M
(看)
)
2単位
(前期② 水・1 全)
2単位
理学研究科 田中 俊雄 他
ても、微生物はあいかわらず私たちにとって未知の存
●科目の主題
地球上に生命が誕生して35億年ほどが経過した。こ
在であり、あるものは私たちの生命を脅かす存在であ
の間、生物は遺伝子DNAを営々と子孫に伝え、そこ
る。多種多様な微生物の姿をとおして、その分類上の
に刻まれた暗号を弛まなく変化させながら進化した。
位置づけや生物界における意義や役割について理解す
本講義では、まず、生命の最も基本的な単位である細
る。
胞(遺伝子・タンパク質)について理解し、肉眼では
[第2ターム]ウミガメやペンギン、アザラシ、イル
見ることのできないミクロの生命体、すなわち微生物
カなどの大型海洋動物と陸上動物の対比を軸に、形
の多様性やヒトとの関わりについて論じる。次いで、
態、生理、回遊、繁殖システムなどマクロな視点か
海洋大型動物を題材として形態や行動、繁殖システム
ら、セキツイ動物の進化について学ぶ。あわせて、迫
などマクロな視点から生物進化を解説する。さらに、
りくる温暖化とその影響についても理解する。
生命の特徴の1つである環境に対する反応について、
[第3ターム]生物は、まわりの環境の情報を捉え、
主に植物を例にとって概説する。
それに適切に反応することによって生命活動を営んで
●授業の到達目標
いる。まず、植物の生命活動に影響する環境要因の種
[第1ターム]ヒトのゲノムが解読された今日におい
類と反応の概要について理解する、次に、各環境シグ
−102−
現代の自然科学
ナルの受容のしくみ、受容されたシグナルの変換・伝
応 3.重力に対する反応 4.水に対する反応 達機構、そして伝達されたシグナルに対する応答や適
5.温度に対する反応
応のメカニズムについて理解する。
[まとめ]担当: 田中俊雄
●授業内容・授業計画
●評価方法
[第1ターム]担当:田中俊雄
タームごとに小テスト、レポート、出席点を併用し
1.細胞(遺伝子、タンパク質)とは何か 2.微生
て行う。
物とは何か 3.微生物の多様性 4.微生物とヒト
●受講生へのコメント
との関わり 5.タームのまとめと小テスト
多様な生物界の構成要素について幅広く扱うが、そ
[第2ターム]担当:松沢慶将
れぞれに対して興味をもって受講してほしい。
1.ハ虫類、鳥類、哺乳類の形態、生理、ならびに生
●教 材
息環境への適応 2.クジラやウミガメの回遊とその
プリント:適宜配布
意義、および定位能力 3.ハ虫類における性決定の
参考書等:田中 担当: 村尾澤夫ら『くらしと微生物』
仕組みと意義 4.タームのまとめと小テスト
(培風館)、保尊 担当: テイツ・ザイガー
[第3ターム]担当:保尊隆享
『植物生理学』
(培風館)
1.環境要因の種類と反応の概要 2.光に対する反
地球の科学
(後期 火・1 全文・H
(人)
・M
(看)
) 2単位
Review of Earth Science
理学研究科 益田 晴恵 他
7 地球の内部構造(以上、井上担当)
●科目の主題
人間の社会活動と関係の深い地震や都市災害、環境
2 地球の中のエネルギー・物質循環と環境
8 水循環と水資源、水質汚濁、地球システムの概
汚染、地下資源など、地球の現在の姿と将来予測を概
念
説する。また、地球の姿を理解してこようとしてきた
科学史を織りまぜながら、最新の地球学の知識に基づ
9 大気圏・水圏の構造とエネルギー循環
いて、地球の歴史を概観し、地球について理解するこ
10 大気と海洋の相互作用(ENSOイベント)
との意義を考える。
11 炭素循環と生物活動、地球温暖化
●授業の到達目標
12 プレートテクトニクスとプルームテクトニクス
13 元素濃縮と地下資源
「環境の世紀」 と言われる21世紀に、私たちは生き
ている。本講義は、私たちが暮らす自然環境が、様々
14 ハビタブルゾーン(宇宙の中の地球)
な自然現象の微妙なバランスの上に保たれていること
15 講義全体のまとめ(以上、益田担当)
を理解し、地球環境問題を考えるきっかけとしたい。
●評価方法
出席点40点、レポート20点、期末試験40点。出席点
また、未来を見通した社会的選択について、自然環境
を基盤として考える素養を育てたい。
には、講義ごとに行う小テストを含む。
●授業内容・授業計画
●受講生へのコメント
これまでに地学の授業を受けたことがないことを前
1 地球の活動と環境変化
1 地震と災害
提に授業を行う。自然環境問題に興味がある人はもち
2 津波と災害
ろん、持たない人にも、
「地球の歴史と現在の姿を知る」
3 日本の平野と活断層
ことの大切さがわかる授業を行いたい。
4 都市地盤の特性
●教 材
講義の資料は準備する。参考書は授業中に指示す
5 火山と災害
6 地下の調査方法
る。
−103−
現代の自然科学
実験で知る自然の世界
(後期 水・3∼4 全文・H
(人)
・M
(看)
)
3単位
Expedition to Science World
理学研究科 飯尾 英夫 他
●科目の主題
通していろいろなものを見ると、日常見る光景
現代における自然科学の発達は著しく、私たちの身
と違った光景が見えます。青空や、液晶モニ
の周りのみならず、社会のあり方にまで大きな影響を
ター、方解石を通してみる二重文字も偏光と関
及ぼしている。本科目は、文科系専攻(H・人間福祉
係しています。偏光板を用いて身の回りの光を
とM・看護学科を含む)の学生を対象に、身近なテー
観察し法則を考えます。
マの自然科学実験を通して自然の世界に親しむ。
9.「医薬品の活性成分−解熱剤からアスピリンの単
●授業の到達目標
離」(舘 祥光)
実験・実習をつうじ幅広く体験し、現代人にとって
身近な化学物質の一つである医薬品を通じて物
必要な自然科学の知識を身につけ、自ら対応できる力
質の性質を理解するとともに、医薬品に含まれ
る物質とその役割について考察する。
をつちかい総合的に判断する力を養う。
10 「地球温暖化・温室効果ガス、二酸化炭素分子の
●授業内容・授業計画
秘密」(工位武治)
第1回目はガイダンスおよび消火訓練を行い、第2
回目からは以下の実験を行う。
( )内は各テーマの担
二酸化炭素は何故に地球温暖化の原因物質なの
当教員を示し、適宜、実験室の技術職員が加わる。
かを分子の世界の言葉で考え、この分子に隠さ
1.
「植物の形態とフラクタル」
(伊東 明、名波 哲)
れた秘密を先端化学によって解き明かす。ま
構内に生育する植物の形態を観察し、さらに樹
た、地球温暖化は日常生活に何をもたらしつつ
あるかを知る。
形形成過程のコンピュータシミュレーションを
11.「生物発光と化学発光」(品田哲郎、飯尾英夫)
行って、植物の形の多様性と生態学的意義を理
生物発光および化学発光は熱を伴わない発光
解する。
(冷光)である。ルミノールと過シュウ酸エス
2.
「DNAとRNAの抽出」
(若林和幸、曽我康一)
生物の設計図である遺伝子の本体は核酸であ
テルを用いて、その発光現象を観察する。
り、DNAとRNAの2つの種類が存在する。
12.
「平面を覆う正多角形のタイルの図形は3種類し
植物組織から変性剤等を用い、DNAとRNA
かない」
(村田惠三)
をそれぞれ分けて抽出し観察する。
正多角形で平面を覆うには、許される多角形
は、3、4、6角形しかなく、それ以外にはな
3.「地球の重力加速度」(石川修六)
ガリレオやニュートンの言うように物体の自由
い。これを利用して水面を覆う多数の6角形
落下が等加速度的かどうかを確かめ、ボルダの
で、自然に微結晶から、大きな結晶に成長する
振り子の周期から重力加速度を求める。
ことを体験する。結晶化とは自己組織化そのも
のである。これと、二酸化炭素排出削減の効果
4.「楽器と声の音波」(小原 顕)
について学ぶ。
電子楽器や自分の声をマイクロホンで電気信号
13.
「シャボン玉の科学」
(田中礼二)
に変え、音を波としてとらえて、音の基本的な
湿度を制御して美しい色と模様のシャボン玉を
性質を理解する。
作り、シャボン膜表面に界面活性剤分子が吸着
5∼6.
「身近な確率の話 ⑴モンテカルロ法、⑵勝
ち負けの流れ」(竹内敦司)
して、不安定な液体膜から安定なナノサイズ1
身の回りのいろいろなところで確率という言葉
次元コロイドの組織体(固体膜)に転移するま
での過程を観察する。
が用いられ、ランダムな現象が数多くある。そ
の中に潜む数学法則を、コンピューターによる
●評価方法
各テーマの評価に、レポート点を加点する。
数値実験を通じて、理解する。
●受講者へのコメント
7.
「空中写真から読み取る活断層」
(升本眞二)
地震をおこす可能性のある地下の活断層は、地
初心者歓迎。白衣貸与。定員48名。第1回目のガイ
表にも地形の違いとして明瞭に現れる。空中写
ダンス(基礎教育実験棟308室集合)時に受講者を決
真を用いて地形を立体的に観察し、活断層がど
める。
『実験で知る自然環境と人間』を修得したものは
のような場所にあり、どのような変位が生じて
本科目を履修することはできない。
いるのかを理解する。
●教 材
実験指導書を配布する
8.
「偏光で見る自然」
(篠田圭司)
身の回りには光があふれていますが、偏光板を
−104−
現代の自然科学
地球学入門
(後期 火・1 全文・H(人))
2単位
Introduction to Geosciences
理学研究科 前島 渉
レート境界における巨大地震の発生機構、内陸
●科目の主題
部における活断層と直下型地震。
(2回)
現在の地球の姿は46億年にわたる地球の生成流転の
4)地球の生成と進化:隕石が語る原始太陽系と地
ほんのつかの間の姿にすぎない。地球の創生以来、幾
多のできごとがあり、地球は変貌をとげてきた。そし
球の創成、地球の大気・水の起源とその変遷、
て現在の豊かな地球がつくりあげられてきた。惑星と
地球になれなかった金星と火星。
(2∼3回)
しての地球から身近な地域まで、さまざまなスケール
5)過去の地球環境を探る:地層に残された過去の
で、かけがえのない地球を見つめなおす。
地球環境変遷の記録、地層から読みとる地球
●授業の到達目標
の変動リズム、地層に記録された年・月・日・
時。
(2回)
人間社会と地球自然とのかかわりが問い直されてい
6)生物の大量絶滅とその背景:古生代/中生代境
るいま、地球についての理解をより深め、われわれ人
界における大量絶滅−プルームの冬−、中生
間が今後地球に対してどうあるべきかを考える。
代/新生代境界における大量絶滅−衝突の冬−
●授業内容・授業計画
(1回)。
まず現在の地球の構成と構造を概観する。とくに、
人間の様々な活動の場である地球表層部の構成と運動
7)地球の年齢を測る:地球の年齢を知るさまざま
について、自然災害との関連を含めて解説する。つい
な試みとその社会背景、放射性同位体による岩
で、太陽系における地球の特異性を理解するために、
石の年代測定。
(1∼2回)
地球環境の生い立ちと変遷を、他の惑星との比較を含
●評価方法
期末試験(50%)、レポート(30%)、出席(20%)
めて解説する。また、地層に残された記録から過去の
地球環境を探る方法とその具体例を紹介し、地球史規
を総合して評価する。
模での環境変動とその背景要因を考える。
●受講生へのコメント
1)地球の構成と構造:地球の内部を探る様々な方
高等学校で地学を履修しなかった学生を念頭におい
法、地震波の伝わり方と地球の内部構造。
(2∼
て講義する。授業内容の講義項目は授業の進捗状況に
3回)
よって変わることがある。
「地球の科学」 の単位取得者
2)地球の表層部:地球表層部の物質と構造、大陸
移動説、海洋底の拡大、プレートテクトニク
は本科目を受講することはできない。
●教 材
授業に必要な資料をプリントとして配付する。参考
ス、プルームテクトニクス。
(3∼4回)
3)日本列島周辺のプレート運動と地震活動:日本
書は必要に応じて授業中に指示する。
列島周辺のプレート配置と運動、沈み込みプ
現代の理学A
(前期 火・2 全文、H
(人)
、M
(看)
)
2単位
Modern Science A
理学研究科 平澤 栄次 他
1講 巨大地震と津波、そのメカニズムと災害(原
●科目の主題
高校で履修した数学・理科の内容では、文系学生が
社会にでるまでに必要な理系の教養として十分とは言
い難い。この講義では、入学生が高校ではよく学べな
口強)4月9日
2講 大阪の都市地盤の成り立ちと災害危険度(原
口強)4月16日
かった数学・理科をもう一度学ぶとともに、その必要
3講 未定(生物特任)4月23日
を理解する。
4講 生物進化:生物の形質の歴史と意味(伊東
明)4月30日
●授業の到達目標
講義終了時には、大学生として社会にでるまでに必
要な教養の理学とは何かを知り、在学中に学ぶ理学の
5講 宇宙の創生と、物質世界の成り立ち(村田)
5月7日
範囲を把握する。
6講 元素の化学Ⅰ(木下勇)5月14日
●授業内容・授業計画
7講 元素の化学Ⅱ(木下勇)5月21日
8講 鳥類の繁殖戦略(堀江明香)5月28日
下記の1講から15講までを授業15回で行う。
−105−
現代の自然科学
自然科学と人間
9講 飲酒の生化学(平澤栄次)6月4日
●評価方法
10講 地球温暖化の化学(中島信昭)6月11日
レポートを提出できる条件は出席回数10回以上とす
11講 放射線による人体への影響(平澤栄次)6月
18日
る。評価はレポートと出席質問票より総合的に行う。
●受講生へのコメント
12講 植物栄養学(平澤栄次)6月25日
授業毎に出席質問票を配布して出席率や質問を集約
13講 初等整数論入門Ⅰ(古澤昌秋)7月2日
する。
14講 初等整数論入門Ⅱ(古澤昌秋)7月9日
●教 材
15講 まとめとレポート作成(平澤栄次)7月23日
必要に応じて資料を配布する。
科学と社会
(前期 水・3 全)
2単位
Science and Society
非常勤 木野 茂
13.薬害を防いだ労働者(ゲスト:北野静雄さん・
●科目の主題
大鵬薬品労組)
この授業では科学と社会のかかわりについて、環境
14.環境問題と専門家の役割
問題をテーマに考える。
15.授業の振り返り
この授業は私(現在、立命館大学)が本学にいたと
きに始めた科目であるが、いつも授業を行う上で重視
●評価方法
レポート評価5、平常評価3、授業への積極度2で
しているのは、①分かりやすく、②興味深く、③楽し
く、④双方向型に(一方的な講義にならないように)、
総合評価する。レポートの課題は授業で扱った範囲内
である。
なら自由で、内容は自力で何かをつかんだと認められ
●授業の到達目標
るものを高く評価する。
科学と社会の関わり方について講義を聞いて学ぶだ
●受講者へのコメント
この授業は、環境問題に関心を持っている人はもち
けでなく、クラスメイトや教員とのコミュニケーショ
ンを通して自分の考えを持つ。
ろん、聞くだけの授業に不満な人、一度ディベートを
●授業内容・授業計画
やってみたい人、風変わりな授業を経験してみたい人
にお勧めである。
1.授業への誘い&福島原発事故
毎回の授業後、感想や意見をメールで出せば、翌週
2.公害の原点:水俣病から学ぶ環境問題とは何
の授業プリントでコメントを付けて返すことにしてい
か?
る。
3.水俣病は今も終わっていない
また環境問題では当事者の方々の話を聞くことが大
4∼5.授業前半:公害と労災職業病(住民と労働
事なので、ゲストを招いたり、ビデオで話を聞く機会
者)
授業後半:グループワーク(ディベート準
も設ける。なお、ゲストの二木さんと北野さんは市大
の卒業生である。授業の順番はゲストの都合で変更す
備)
6.チーム・ディベート大会(原発問題をテーマに
ることもある。
関連科目:
「ドキュメンタリー・環境と生命」
全員参加型の授業)
問い合わせはe-mailで:[email protected]
7.環境公害行政の現場から(ゲスト:二木洋子さ
●教 材
ん・高槻市会議員)
8.薬害エイズは今・・・
(ゲスト:花井十伍さん・
教科書:木野茂編『新版 環境と人間−公害に学ぶ』
(東京教学社)。
薬害HIV被害者)
教室では、毎回、授業用プリントを配布する。
9∼11.ビデオ講義&グループ学習(小出裕章さ
参考文献やビデオは学術情報総合センターに多数揃
ん、アイリーン・スミスさん、原田正純さ
んから学ぶ)
えてもらっているので、自由に利用してほしい。
12.環境問題と差別(受講生による討論劇を予定)
−106−
自然科学と人間
現代科学と人間
(前期 木・4 全)
2単位
Today's Natural Sciences and Human Beings
理学研究科 宮田 真人 他
3.近代科学の研究手法:今日の物質文明の繁栄を
●科目の主題
もたらした近代科学、そこでは物理学における
自然科学の最先端の知識を正確に理解した上で、現
代の人間生活に及ぼす科学的成果の功罪を理解する。
研究手法が原点となっている。自然現象の解
●授業の到達目標
明を目指す際の基本的アプローチは、実験・観
測を詳細に行い、その結果を客観的に整理する
主題を理解した上で、有意義な考察が行えること。
ことにある。特に、多くの物理現象では、法則
●授業内容・授業計画
1.パ ン デ ミ ッ ク( 感 染 症 世 界 流 行 ) へ の 警 鐘:
性が数学的に記述されることが見いだされてき
1970年代、人類は抗生物質やワクチンなどに
た。このような自然現象の法則性とその数学的
よってすべての感染症を制圧したかに見えた
な構造について議論する(小栗 章)
4.化学と持続的未来:持続的未来の為には地球規
が、それは幻想にすぎなかった。今日、インフ
ルエンザ、マイコプラズマ、AIDS、O157、
模での環境に対する視点が必要である。この為
プリオン、など、感染症が話題にあがらない日
に物質を取り扱う科学としてどのような視点を
がめずらしいと言って過言ではない。現代社会
持つことが必要だろうか?歴史的な解決策に学
は発達した医療技術を有している反面で、グ
び、現在の状況を解決し、新しい時代を切り開
ローバリゼーション、高齢化、テロリズムと
く。これを水、環境、エネルギーの観点から論
いった、アウトブレイクを誘発しうる要因も多
じていく(木下 勇)
い。既存の映画を例に用いて、現代社会におけ
●評価方法
質問カード(毎時間提出)
・レポートにより総合的
る感染症を考察する。
(宮田 真人)
2.生命が進化のプロセスで生物時計を持つことの
意味を考えてみる。30∼25億年前に出現したと
に評価する。
●受講生へのコメント
積極的な発言を希望する。
みられている原始的な藍藻にも生物時計があ
り、このことからも生物が生きていく上で時計
●教 材
平澤担当分教科書:平澤栄次「体内時計を調節する
はとても大切なものであることがわかる。また
私たち人間は体内に時計を持っていることを意
技術」(フォレスト出版)
その他は教科書は使わないので、参考図書を各時間
識することはあまりないが、やはり生きていく
上でなくてはならないものである。この時計の
に指示する。また、ビデオを用いる。
しくみとその特性を知ることで、人はより健康
な生活を送ることができる。
(平澤 栄次)
日本の科学技術
Science and Technology of Japan
(後期① 木・4 全)
2単位
(後期② 木・1 全)
2単位
非常勤 大久保 稔
学主導技術
●科目の主題と目標
今日の科学技術の発展は素晴らしい。それは社会や
生活を根本から揺り動かす力強さをもっている。こう
した成果は人類の長い苦闘の末に得られたものである
が、特に産業革命以後に著しい。わが国では戦後、焼
2.⑵ 海外からの我が国への影響
①古代インドの科学思想
般若心経、色即是空
3. ②古代中国の科学思想、技術
陰陽説、5行説、陶磁器、紙、鋳鉄、中
け跡から急速に発展し今日の隆盛を実現した。
本講では、①科学と技術の連関を考察しつつ、②日
世3大発明
4. ③西欧の科学、技術
本の科学技術の発展について述べる。
シ ル ク ロ ー ド 経 由 文 物、 種 子 島 伝 来、
●授業内容・授業計画
シーボルト
1.⑴ 科学と技術の軌跡
5.⑶ 我が国での展開
宗教→哲学→科学 労働→工作→生産手段
科学と技術→科学技術 経験主導技術→科
−107−
①古代から明治維新まで
自然科学と人間
法 隆 寺 建 立、 大 仏 鋳 造、 漆 塗 料、 日 本
●評価方法
刀、吉宗
レポートの出題によって行う。
(60点)
蘭学、文明開化、和魂洋才
出席状況も評価の中に加える。
(40点)
●受講生へのコメント
6. ②我が国での開拓者
1.講義の前に約10分間、小話をする。
伊能忠敬、島津源蔵、島野敬三
2.理系、文系を問わず、科学技術に対する総合的
7. ③戦前から戦後まで
視野、創造的視点が必要になっている。文、理
∼昭和30、傾斜生産
両面に強い関心を持つ諸君を待つ。
8.⑷ 現代の科学技術
3.参考書をざっと読んであらかじめアウトライン
①特徴
をつかんでおいてほしい。
科学と技術の一体化、科学技術立国、量
●教 材
産→高品質
図、表で要点をまとめたプリントを配布する。
9. ②例1 科学主導型技術
参考書は授業中にも指示するが、以下に幾つかしめ
石油化学工業→プラスチック産業
10. ③例2 苦闘と成果
す。
11. ④例3 身近な科学技術
鈴木幸次・馬場政孝:
『科学・技術史概論』(建帛社)
12.⑸ 世界に先行する科学技術
溝口元:
『科学の歴史』
(関東出版社)
13.⑹ 国家プロジェクト 基盤科学技術
湯浅光朝:
『 日 本 の 科 学 技 術( 上、 下 )』
(中央公論
社)
14.⑺ 科学技術の功と罪 イノベーション、未
有沢、他:
『日本産業百年史(上、下)』(日経新書)
来展望
ドキュメンタリー・環境と生命
(後期 水・3 全)
Documentary・Environment and Life
2単位
非常勤 木野 茂
10回目からは、グループ研究の成果をグループ全員
●科目の主題
この授業は環境と生命に関する現代的な課題にどう
でプレゼンテーションし、クラスメイトとQ&Aを行
向き合うかを主題にして、考える力、調べる力、伝え
う。このときの司会進行は受講生に行ってもらう。
る力、ディスカッションする力を身に付けるための総
●評価方法
毎 週 のfacebookへ の 感 想 意 見 5、 番 組 要 約 1、 グ
合教育科目である。
ループ研究2、レポート2の割合で総合評価する。
●授業の到達目標
番組要約は各自1−2回担当する。
授業の前半ではテレビ・ドキュメンタリーを教材に
レポートの課題は、授業期間中に放送されるテレ
し、自分の考えをまとめる力と自分の意見を人に伝え
ビ・ドキュメンタリーの中から一つを選び、その番組
る力をつけることを目指す。
後半では自分たちでテーマを設定してグループ研究
を行い、その成果を教室で発表し、プレゼンテーショ
要約と感想意見をまとめることである。
●受講者へのコメント
ドキュメンタリーの好きな人、環境と生命の問題に
ンとディスカッションの力をつける。
関心を持つ人、聞くだけではなく自分たちも参加でき
●授業内容・授業計画
9回目までの授業では最初に30∼50分程度のテレ
ビ・ドキュメンタリーを鑑賞する。ドキュメンタリー
る授業を求めている人を歓迎する。とくにグループ
ワークをやってみたい人にはお勧めである。
の作品は最近数年間に放映されたものが中心で、内容
毎週のfacebookで最も良かったと思う意見を全員の
は環境と生命に関するもので、テーマは多岐に渡って
投票で選び、1分間スピーチとちょっとしたプレゼン
いる。
トで表彰するアトラクションもある。
facebookの使い方は最初の回で説明する。
授業で取り上げる番組一覧は第1回目の授業で発表
この授業では、何事にも縛られずに自由に学ぶこと
する。教室での鑑賞後は、自分の感想や考えを400字
の楽しさを味わってほしい。
程度にまとめ、facebookでクラスメイトと交換する。
関連科目:
「科学と社会」
また、鑑賞と並行して、ドキュメンタリーのテーマ
問い合わせはe-mailで:[email protected]
ごとにグループ研究を始める。グループは各自の関心
を尊重しながら4−5人程度になるよう調整する。ド
●教 材
キュメンタリーの鑑賞後はグループごとに別れてグ
ループワークを行う。
−108−
毎回、プリントを配布する。
自然科学と人間
森林環境と人間社会
(後期 木・4 全)
2単位
Forest environment and human society
大学教育研究センター 大久保 敦
⑨ 日本の森林
●科目の主題
⑩ 世界の森林
この授業では科学的な視点も含めた多角的視点で森
林環境を観ることを通して、森林環境と人間社会の関
⑪ 人間社会と森林1 日本の森林問題①
わりを学習します。また特に、これまで取り上げられ
⑫ 人間社会と森林2 日本の森林問題②
ることのなかった、地球46億年の歴史の中で森林の生
⑬ 人間社会と森林3 地球規模の森林問題(東南
アジアの熱帯林)
い立ちや森林存在の意義を考えます。
⑭ 人間社会と森林4 地球規模の森林問題(アマ
●授業の到達目標
ゾンの熱帯林)
半期の授業のみでは森林環境問題の全てを網羅する
⑮ まとめ
ことは不可能です。従って、この授業では森林環境問
●評価方法
題を考える「きっかけ作り」を目指します。
具体的には森林環境について
1.毎授業の課題(50%)
① 興味・関心が持てるようになること
2.中間小レポート(10%)
② 多角的視点で観る態度を身につけること
3.最終レポート(40%)
③ 主体的に情報を得る態度を身につけること
1、2、3を総合的に評価(記述内容を重視)
④ 保全の意識を高めること
( )の数字はおおよその評価の割合を示します。
●受講生へのコメント
⑤ 保全につながる態度を身につけること
積極的に授業に参加しようとする人を期待していま
●授業内容・授業計画
① 森と林の違い(森林の基本概念)
す(受身の授業を期待している人には不向き)。授業
② 身の回りの森林環境1(野外観察実習)
の内容は毎回完結していますが、それぞれ関連してい
③ 身の回りの森林環境2(野外観察実習まとめ)
るので授業目標を達成するために、全ての授業に参加
④ 森林の恩恵1
することが理想です。高校時代に生物を履修していな
⑤ 森林の恩恵2(ディベート)
い人を対象に授業内容を設定します。
⑥ 森林の恩恵3(ディベートまとめ)
●教 材
教科書は使用しません。その都度参考図書などを紹
⑦ 森林の生い立ち1 植物分類の基礎(室内観察
介します。
実習)
⑧ 森林の生い立ち2 植物の上陸と森林の出現
21世紀の植物科学と食糧・環境問題
(後期 火・3 全)
2単位
Plant Biology for Addressing Societal Challenges of the 21st Century
理学研究科 飯野 盛利 他
●授業内容・授業計画
●科目の主題
この世紀、人類はかつてない深刻な問題に直面する
ことが予測されている。その一つは、増え続ける人口
を支えるための食糧供給の問題(食糧問題)であり、
もう一つは、人類の活動による環境破壊がもたらす諸
1.食糧・環境問題の現状(飯野盛利 担当、1回
分)
2.生態学から見た環境問題(伊東明 担当、3回
分)
問題(環境問題)である。植物の光合成によって固定
環境問題には様々な側面がある。ここでは、
される光エネルギーは、私たち人間を含めた全ての動
「生態学」の視点から環境問題を考えてみたい。
物の生命活動を支えている。本講義では、食糧・環境
生き物と環境との関わりを研究してきた生態学
問題を植物科学の視点から考える。
には、生物(人間)にとって環境とは何か、環
●授業の到達目標
境が変わると生物にどんな影響が出るか、生物
植物の機能や生態系について理解し、食糧・環境問
の活動が環境にどう影響するか、など、環境問
題の諸相を知り、これらの問題の解決策を探るために
題を考えるときの参考になりそうな概念がたく
自分で考え、行動できるようになることを目標とす
さんある。そこで、⑴共有地の悲劇 ⑵生物多
る。
様性 ⑶森林破壊と地球温暖化、など、具体的な
−109−
自然科学と人間
⑴地球温暖化−国際会議の現場から−(非
トピックスを紹介しながら、関連する生態学の
常勤講師:早川光俊)、⑵菜の花プロジェクト
基本概念について解説し、環境問題に関する情
(非常勤講師・藤井絢子)、⑶バイオエタノール
報や報道を理解する時の助けとしたい。
を中心とする自然エネルギー利用の可能性(植
3.食糧・環境問題に対する植物遺伝学からのアプ
松)、などについて最新の状況を紹介する。
ローチ(植松千代美 担当、3回分)
6.生物の進化および地球環境の変遷と食糧・環境
不可分の関係にある食糧問題と環境問題の現
問題(飯野盛利 担当、1回分)
状を認識することが問題解決の第一歩となる。
植物科学、特に遺伝学の立場からその解決を目
誕生から現在までの生物の進化、およびそれ
指す取り組みとその問題点について以下の点か
と密接に関連する地球環境の変遷について、最
ら解説する。⑴環境問題と食糧問題入門、⑵遺
近の研究成果もふまえて概説する。これらの知
伝子組換え植物とその功罪。
見から現在の食糧・環境問題のもつ意味を探
る。
4.植物園から考える環境問題(伊東・植松 担
●評価方法
当、4回分)
授業で課す小テスト・レポートと期末に実施する試
植物園で実施されている環境問題研究プロ
ジェクト「都市と森の共生をめざして」の成果
験、ならびに出席率によって評価する。
をふまえて森の植物園の役割を考える。⑴なぜ
●受講生へのコメント
今、都市と森の共生か(植松)、⑵森林の二酸
食糧・環境問題は社会的な問題であり、解決策は一
化炭素固定(非常勤講師:小南裕志)、⑶森林
つとは限らない。受講生各自がこれらの問題にどう対
に暮らす動物の多様性(非常勤講師:谷垣岳
処するかを考えるきっかけとなることを期待する。
人)、⑷タンポポの多様性と保全(伊東)、に
●教 材
教科書は使用しない。適宜、プリントを配布し、参
ついて解説する。
考図書を紹介する。
5.地球温暖化防止のために(植松 担当3回分)
植物の機能と人間社会
(後期 月・2 全)
2単位
Plant Function and Human Society
理学研究科 曽我 康一
6.植物ホルモン(サイトカイニン、アブシジン酸、
●科目の主題
エチレン)
植物の持つ機能には、有用で優れたものが多く存在
する。植物の機能を利用したり、植物の機能を模倣し
7.組織培養技術とその利用
たりするためには、まず、植物の持つ機能を理解する
8.遺伝子組換え技術
必要がある。この科目では、はじめに、植物の性質に
9.遺伝子組換え植物の利用
ついて概説し、次に、私たちの生活に植物の機能がど
10.植物工場
のように役立っているのかを具体例を示しながら解説
11.宇宙農業
する。
12.植物を利用した有用物質の生産
●授業の到達目標
13.植物による環境浄化
14.まとめ
植物は忘れられやすい存在である。しかしながら、
15.まとめと試験
人間をはじめとするほとんどの生物は植物に依存して
生きている。この科目を通して植物に興味・関心が
●評価方法
定期試験で評価する。
持てるようになることを目指す。また、人間の生存に
とって植物がいかに重要であるかについて考えるきっ
●受講生へのコメント
高等学校において生物を履修していないことを前提
かけを作ることを目標とする。
●授業内容・授業計画
に授業をおこなう。また、授業毎に質問票を配布・回
1.植物と動物
収し、次回以降の授業時に質問に答える。
2.植物の生殖
●教 材
プリントを適宜配布する。
3.環境シグナルに対する反応とシグナル伝達
4.環境シグナルの受容
参考書:神阪盛一郎、谷本英一 共編「新しい植物科学
−環境と食と農業の基礎」
(培風館)
5.植物ホルモン(オーキシン、ジベレリン)
−110−
自然科学と人間
植物と人間 演習
(前期 集中 全)
2単位
Seminar: Plants and human life
理学研究科 飯野 盛利 他
それらの中からナシ属野生種のコレクションを例に、
●科目の主題
植物は生態系における生産者として、私たち人間を
観察や簡単な実験を通して遺伝的多様性、野生種から
含む、ほぼ全ての生物の生存に必要な有機物とエネル
栽培種への進化、遺伝資源の重要性などを学ぶ。
ギーを作り出している。植物は、私たちの食料として
・有用植物(担当:飯野盛利)
だけではなく、衣料や医薬品の原料として、あるいは
植物園で収集・保存されている熱帯植物には、鑑賞
鑑賞用としても利用されている。このように、私たち
植物として親しまれているもの、食料、香辛料とし
の生活は植物と切っても切れない関係にある。本講義
て、また工業用に利用されているものなどが含まれて
は、理学部附属植物園で収集・保存されている植物を
いる。それらを観察、学習する。また、各自が興味を
活用して、植物と人間の関係について学び、植物につ
もった植物について、図書、インターネット、文献な
いての理解を深めることを目標とする。
どで調べ、それをポスターにまとめることを実習す
●授業の到達目標
る。
植物園内に植栽されている植物の観察を通じて植物
●評価方法
の多様性を体験的に学ぶ。また森林や植物進化の道
各担当教員が提示した課題のレポートをそれぞれ
筋、植物の遺伝資源としての重要性について学び、こ
100点満点で評価し、各課題の評点を平均して科目の
れらを伝える技術を習得する。
評価とする。また、演習科目であることを考慮して、
●授業内容・授業計画
講義時間中における発言などの積極的参加を評価し、
・植物の進化(担当:大久保敦、大教センター)
加点する。
植物と人間の関係を理解する上で、植物の進化の過
●受講生へのコメント
程を把握しておくことは重要です。かつて地球上の陸
授業は夏季休暇中の研修期間に、大阪府交野市にあ
地には植物も動物も存在しない時代があった。植物が
る理学部附属植物園において、集中・オムニバス方式
どのようにして水中から陸上へ進出し、現在のような
で行う。野外での実習が含まれるので、帽子など日除
多様な姿の森林に至ったのか、その歴史を植物園に植
け対策を講じること。
栽されている実際の植物を観察しながらたどる。
●教 材
プリントを適宜配布する。
・遺伝資源と多様性(担当:植松千代美)
植物園には様々なバラ科植物が植栽されているが、
−111−
情報と人間
情報基礎
Introduction to Information Processing
(以下の科目の単位を修得した者は、この科目は履修できない。
)
□平成 17 年度以前の「情報処理Ⅰ」
□平成 17 年度以前の「コンピュータのシステムとその応用」
創造都市研究科
<1部>
クラス
期・曜・時
全
前・月・3-4
村上
全
前・月・3-4
西村(非常勤)
全
前・金・1-2
豊田(非常勤)
全
前・水・1-2
安倍
全
前・金・3-4
永田
全
前・木・3-4
豊田(非常勤)
全
前・金・3-4
米澤
全
前・木・3-4
大西
クラス
期・曜・時
全
後・水・1-2
担当者
担当者
クラス
期・曜・時
全
前・金・1-2
クラス
期・曜・時
全
後・金・1-2
安倍
担当者
ラガワン
担当者
村上
<2部>
クラス
期・曜・時
全
前・金・1-2
担当者
永田
③④ Webページの作成手始め
●科目の主題
日常の行動において行っているさまざまな情報処理
簡単なWebページを作成しながら、ファイルシ
の過程の中で、コンピュータを道具として使いこなす
ステム、ソースファイルの編集、HTMLの基
ことをコンピュータ・リテラシと呼ぶ。研究や学習ば
礎を理解する。
かりでなく、日常生活においてもコンピュータの利
用が不可避になりつつある中で、将来も柔軟にコン
ピュータとかかわっていけるよう、リテラシの奥行
きを深めることを目的とする。いくつかの代表的なア
⑤ 画像と描画ツール
画像ファイルの取り扱いや、画像描画ツールの
考え方を理解する。
⑥⑦ 情報の符号化
プリケーションに慣れ親しむことを交えながら、コ
デジタルとアナログの違い、2進数や16進数の
ンピュータの動作原理についてソフトウェア・ハード
表現、情報符号化の考え方、情報圧縮、文字
ウェアの両面から理解を深める。また情報利用者・情
コードなどを理解する。
報発信者として安全にかつ責任を持ってコンピュータ
⑧ コンピュータの仕組み
を活用できる能力を涵養する。
コンピュータシステムを構成するハードウェア
●授業の到達目標
とソフトウェアについての基礎的な知識を習得
ワードプロセッサ、表計算、プレゼンテーションな
ど、よく用いられるアプリケーションの基本操作を身
につける。インターネット、Webや電子メールなど
の基本的な仕組みを理解し、情報利用者・発信者とし
ての能力を身につける。コンピュータの基本的な仕組
する。
⑨ インターネット通信の仕組み
インターネット通信によって目的のコンピュー
タと情報を交換する仕組みを理解する。
⑩⑪ 洗練されたWebページを目指して
み、コンピュータがさまざまな情報をどのように扱っ
Webページの視覚的構造をスタイルシートに
ているかを理解する。
よって制御する方法を理解する。
⑫ 情報セキュリティ
担当者: 安倍、豊田、永田、村上
通信の秘密と信憑性を確保する技術とその意味
●授業内容・授業計画
について理解する。
⑬ 情報システムの利用と社会的問題
①② コンピュータになじむ
この授業で採用しているシステムに慣れる。ま
た電子メール、Webブラウザ、ワードプロセッ
情報システムの利用につきまとう社会的問題に
ついて、その事象と対処法を理解する。
⑭ 表計算、プレゼンテーションなど
サなどの初歩的なツールに慣れる。
−112−
情報と人間
表計算、プレゼンテーション、あるいはその他
ネット世界での情報収集や情報発信の便利さと
の基礎的内容や発展的内容を取り扱う。
問題点を覚える。併せて、プライバシや著作権
の重要性も理解する。
なお、担当教員によって取り上げる順番や回数配分
⑦⑧ 調べ方−情報検索
を変更することがある。
インターネットでの検索エンジン等を使いなが
●評価方法
ら、基礎的な情報検索手法を学ぶ。併せて、イ
出席、レポート、期末試験により総合的に評価す
ンターネットでのセキュリティについても理解
る。
を深める。
●受講生へのコメント
⑨⑩ 考え方−アルゴリズム
コンピュータに関する予備知識や経験がほとんどな
い学生は、特に前半に授業外でも積極的にコンピュー
コンピュータで考え方を実現するのはプログラ
タに慣れる機会を作り、経験者に追いつく努力をする
ミングであるが、その基本となるアルゴリズム
ことが望ましい。
を疑似言語等を使いながら修得する。論理的な
考え方を身につけることも目的の一つである。
●教 材
⑪⑫ 空間情報の利用
講義メモやWebページなどを活用する。
参考書:
地球上の位置と直接・間接に関連づけられた対
情報処理学会編集ITText一般教育シリーズ「情報と
象物や現象に関する情報である空間情報の取扱
い方法の理解を深める。
コンピューティング」
⑬⑭ 情報セキュリティ
情報処理学会編集ITText一般教育シリーズ「情報と
ここまでに修得した情報検索や学術情報総合セ
社会」
ンターの図書サービス等を使い、文章の組み立
担当者: 大西、西村、米澤、ラガワン
てを考えながら、表作成と文章作成を組み合わ
●授業内容・授業計画
せたレポート作成を修得する。
① コンピュータとその操作の基礎
なお、担当教員によって取り上げる順番や回数配分
② 電子メールとコミュニケーション
電子メールの作成で文書作成の基礎を修得し併
を変更することがあり、演習では各自の習熟度に応じ
せてコミュニケーションの便利さと問題点を覚
ての対応を行います。担当教員はそのクラスの採点責
える。
任者ですが、講義の内容に応じて教材作成担当者など
がその時間の解説・質問などを受け持つ場合もありま
③④ リテラシと情報セキュリティ
コンピュータリテラシ、ネットワークリテラ
す。
シ、メディアリテラシやリテラシのレベル等を
●評価方法
出席、レポート、期末試験により総合的に評価す
学び、併せて情報セキュリティ、プライバシや
る。
知的財産権/著作権などの考え方を知る。
●教 材
⑤⑥ 情報発信−ホームページ作成
Webページを基本的に利用する。
各自のホームページ作成を通して、インター
プログラミング入門
Introduction to Programming
(前期 月・3−4 全)
2単位
(後期 月・3−4 全)
2単位
創造都市研究科 石橋 勇人
●授業内容・授業計画
●科目の主題
各回、原則として1コマを講義、1コマを演習に充
この講義は、いわゆる職業的プログラマを養成する
ためのものではない。プログラミングとは何かを体験
てる。毎回課題を課し、提出を求める。
し、それを通してコンピュータについての理解を深め
⑴ イントロダクション(授業の概要、プログラム
作成から実行までの流れ、など)
ることを目的とする。
⑵ 変数と制御構造
●授業の到達目標
特定の言語(Pythonを用いる予定)を通してプログ
⑶ リストとディクショナリ
ラミングを体験的に学びつつ、どのプログラミング言
⑷ 文字列処理
語にも共通する概念を身につけ、自由にプログラムが
⑸ ファイル入出力と関数
書けるようになることを目指す。
⑹ 中間課題
⑺ オブジェクト指向プログラミング
−113−
情報と人間
⑻ 再帰呼び出し
●評価方法
⑼ GUIプログラミング ⑴
各回の演習課題(中間課題、最終課題を含む)およ
⑽ GUIプログラミング ⑵
び試験によって評価する。
⑾ 正規表現とWebアクセス
●受講生へのコメント
⑿ 最終課題 ⑴
エディタ、Webブラウザ、電子メールなどは自由に
⒀ 最終課題 ⑵
使えることを前提とする。演習を重視した授業を行う
⒁ まとめ、試験
ので、できるだけ欠席しないこと。
※内容や順序は必要に応じて変更する場合がある。
●教 材
Webページなどを使用する。
プログラミング入門
(後期 木・3−4 全)
2単位
Introduction to Programming
創造都市研究科(兼)学術情報総合センター 大西 克実
⑹ メソッド・クラス・オブジェクト指向プログラ
●科目の主題
ミング
この講義はいわゆる職業的プログラマを養成するた
めのものではない。プログラミングとは何かを体験
⑺ データ構造・再帰呼出
し、それを通して、コンピュータについての理解を深
⑻ 整列問題⑴
めることを目的とする。
⑼ 整列問題⑵
●授業の到達目標
⑽ ファイル入出力
⑾ アプレットプログラミング⑴GUI部品
どのプログラミング言語にも共通する概念を体験的
⑿ アプレットプログラミング⑵イベント処理
に学ぶ。さらに、特定の言語(Javaを用いる予定)を
⒀ ネットワーキング
通して、プログラミングを体験的に学び、自由にプロ
グラムが書けるようになることを目指す。
(それぞれが、1回の授業に対応するわけではない)
●授業内容・授業計画
●評価方法
出席とレポート
⑴ プログラム言語の構成・ソースファイルの入
●受講生へのコメント
力・コンパイル、コマンドプロンプト使用法
エディタ、Webブラウザなどは自由に使えること
⑵ Java・形式、コメント・入力の扱い方・変数、
(「情報基礎」程度)を前提とする。演習を重視した授
演算子、型
⑶ 型の変換・制御構造(if, while)
業を行うので、できるだけ欠席しないこと。
⑷ 制御構造(for, continue, break)
・配列・アルゴ
●教 材
Webページなどで提示する。
リズム⑴[数列]
⑸ 参照型の特徴・アルゴリズム⑵[成績処理]
プログラミング入門
Introduction to Programming
(前期 金・3−4 全)
2単位
(後期 金・3−4 全)
2単位
創造都市研究科 松浦 敏雄
⑴ 変数、制御構造などプログラミングの基本概
●科目の主題
この講義では、プログラミングとは何かを体験し、
念、および、順次処理について学ぶ。
それを通じて、コンピュータについての理解を深める
⑵ 条件分岐
ことを目的とする。まず、どのプログラミング言語に
⑶ 繰り返し
も共通する概念を、教育用擬似言語を用いて体験的に
⑷ 実数、配列
学ぶ。さらに、特定の言語(Javaを用いる予定)を通
⑸ 図形描画
して、プログラミングを経験する。
⑹ 中間試験
●授業の到達目標
⑺ Javaによるプログラム開発方法
自らアルゴリズムを考案し、プログラムが書けるよ
⑻ if文、while文
うになることを目指す。
⑼ 二重ループ、変数の有効範囲
●授業内容・授業計画
⑽ 配列、文字列の扱い方
−114−
情報と人間
⑾ オブジェクト指向の考え方
●受講生へのコメント
⑿ メソッドの記述方法、ファイルの扱い方
エディタ、Webブラウザなどは自由に使えることを
⒀ GUIプログラムの作成
前提とする。 「情報基礎」を受講していることが望
⒁ 最終課題のプログラムの作成
ましい。演習を重視した授業を行うので、できるだけ
⒂ 最終課題のプログラムの作成
欠席しないこと。
●評価方法
●教 材
レポートおよび試験により総合的に判断する
配布資料およびWebページなどを利用する。
情報の探索と利用
Information retrieval and it's application
(前期 火・2 全)
2単位
(後期 水・1 全)
2単位
(後期 水・2 全)
2単位
前期 創造都市研究科 吉田 大介
後期 非常勤 米谷 優子
ILL、レファレンスサービス
●科目の主題
・文献情報の探索と文献の入手
大学では自主的に研究や学習を進め、考察を深める
図書、雑誌記事、新聞記事
ことが期待され、その成果として論文・レポートの作
成が必須となっている。論文・レポート作成において
・検索エンジン
は、テーマを絞り込み、そのテーマに即した情報をさ
・各種データベース
まざまな情報源から収集し、読解し、整理し、論理的
10−11 情報の読解
に思考を深め、新たな情報として発信する、情報活用
12−13 論文・レポートの執筆
能力が求められる。本講義では、上のような知的生産
・読んでもらえるレポート・論文
の基礎を身に付けられるよう、論文・レポート作成の
・表・グラフの挿入
・著作権への配慮・引用のルール
プロセスを段階的に取り上げて、各ステップの要点を
14−15 発表
習得できるように、講義と演習によって実践的な力を
・口頭発表・プレゼンテーションソフトによる発
育成する。
表の方法と要点
●授業の到達目標
論文・レポートの作成プロセスを理解し、大学の各
※理解度その他によって、授業計画は変更することが
ある。
専門分野での研究生活を円滑に、より効果的に進める
●評価方法
ための、知的生産に関する基礎力を育成する。
演習課題の提出レポートを対象に評価する(定期試
●授業内容・授業計画
1 授業の概要・計画(概説)
験は実施しない)
2 論文・レポートの要件と作成のステップ
●受講生へのコメント
授業は、講義と実際の演習を組み合わせて進行す
・論文・レポートの意義と要件
る。
・論文・レポート作成のステップ
演習課題の提出が必須となるので、期日を守って提
3 テーマの絞り込み
出すること。電子提出の場合は提出の際のマナー等に
・発想法
も気をつけること。
4−9 情報の収集
●教 材
・学術情報総合センターの使い方
OPAC、閲覧・貸出、外部データベース、
−115−
適宜プリントを配布する。
情報と人間
地図と地理情報
(後期② 火・1 全)
2単位
Maps and Geographic Information
文学研究科 木村 義成
・地理情報を用いた空間分析法
●科目の主題と目標
第9∼11回
地理情報と言えば、何か特殊な分野に聞こえるが、
・危機管理分野(防災、犯罪、感染症、救急医
Google MapやYahoo Mapに代表されるように、地理
療)における地理情報の利用
情報は、誰にとっても身近にアクセスでき、日々の生
第12回
活の中で役立つ情報となっている。近年のIT技術の
・環境分野における地理情報の利用
進展により、地理情報は、GIS(地理情報システ
第13回
ム)で管理・分析できるようになり、GPS(全地球
・マーケティング分野における地理情報の利用
測位システム)で高精度の位置情報を取得できるよう
第14回
になった。カーナビゲーションは、それらの一例であ
・総括、および全体質疑応答
る。
本講義では、地理情報の取得・分析方法を中心に説
●評価方法
講義中の課題やレポート等から総合的に評価する。
明を行う。また、地理情報がどのような分野で、どの
ように活用されているかについて数多く紹介すること
●受講生へのコメント
日常生活で利用されている地理情報の活用事例を中
で、日々の生活の中で、地理情報がどのように役立つ
かを理解してもらう。
心に判り易く説明するので、受講されたい。皆さんの
●授業内容・授業計画
従来の地理という教科に対する考え方が変わると確信
している。
第1∼5回
●教 材
・イントロダクション
講義の中で、定義参考文献を紹介する。なお、自習
・GIS(Geographic Information System)とは?
書としては以下の文献を推薦する。
・GPS(Global Positioning System)とは?
・地理情報の取得方法
岡部篤行著『空間情報科学の挑戦』岩波書店、マー
・地理情報の管理方法
ク・ モ ン モ ニ ア 著『 地 図 は 嘘 つ き で あ る 』 晶 文 社、
・地理情報の表現方法
Paul A. Longley, et al.『Geographic Information
Systems and Science』John Wiley & Sons
第6∼8回
情報化の光と影
(後期 木・2 全)
2単位
Information Age: Its Bright and Dark Sides
文学研究科 小田中 章浩 他
情報システム及び情報ネットワークの進展は、企業
●科目の主題
今日、インターネットを介してウェブやメールで情
経営だけではなく企業関係も変貌させつつあり、それ
報をやり取りすることは、生活に不可欠の行為となっ
は私たちの生活、価値観さえも変えようとしている。
ている。しかし私たちはその背後に存在するさまざま
本講義では、次のような視点で、企業と情報、企業と
な問題について自覚する事が必要である。本科目では
情報システムの関係を論じる。
現代社会の情報化に関連した問題について、経営学、
⑴ 情報化と企業戦略、太田雅晴
経済学、法学、文学、医学という多視点から眺め、そ
⑵ 情報と企業行動、テキ林瑜
の功罪についてともに考えてみたい。
⑶ 情報とグローバル化、高田輝子
●授業の到達目標
経済学研究科・中島義裕(5,
6,
7)
市場は取引を実現させる場所であるが、同時に価格
情報化の功罪について多くの分野にわたって見聞を
広め、自分の考えを表現できるようにする。
を発見する所でもある。この講義では、最初に経済学
●授業内容・授業計画
の基礎を実験経済学の手法を利用して説明する。需
全体ガイダンス(1)
要曲線と供給曲線によって価格が決定されること、こ
各担当教員により授業のガイダンスを行う。
のグラフを利用して税金や独占、生産調整など身近な
経 営 学 研 究 科・ 太 田 雅 晴、 テ キ 林 瑜、 高 田 輝 子
ニュースの背景が理解できることを示す。その上で、
(2,
3,4)
情報の非対称性が価格形成にもたらす影響と、その解
−116−
情報と人間
医学研究科・中村 肇(13,14)
決策について説明する。
人は外界の状況を五感でキャッチし、その情報をう
法学研究科・国友明彦(8,
9)
情報を不当な模倣から守る法が知的財産法である
まく処理しながら生きている。情報化は単にPCを使
が、ここではそのうち最も身近と思われる著作権法を
いこなすことだけではない。医療は個人の情報を扱う
取り上げる。
サービス業であるが、医師と患者の間には、医師が圧
一 知的財産とは何か
倒的に情報を多く持つという「情報の非対称性」が存
二 著作権法入門:著作権を保護する理由、何が著
在している。情報時代の現在、患者も簡単に専門情報
作物か、著作権の成立、著作権(財産権)と著
にアクセスできるようになり、医学知識の情報格差は
作者人格権の違い、著作権(財産権)の効力、
減少しているが、多くの問題点も存在する。このよう
著作隣接権(歌手、俳優などの権利)
な医学医療面の情報化について一緒に考えてみたい。
三 著作物の自由利用:そのうち特に私的利用のた
評価は、レポートで行う。
めの複製(著作権法30条)に重点を置く予定。
レポート作成(15)
文学研究科・小田中章浩(10,11,12)
●評価方法
文学や映画のような虚構の世界では、今日のような
レポート、出席、小テストなど(各講義担当者によ
情報化社会が実現する以前から、人々の情報が管理さ
る)。各担当者が担当1回当たり7.7点で評価したも
れ、自由が奪われる社会の恐怖を描き出してきた。私
のを合計する。
レポートを提出しなかったり小テストを受けない
が担当する講義では、こうした作品の中から『1984
年』
『時計じかけのオレンジ』
『ブレードランナー』と
と、その部分は0点となる。
いった作品を取り上げ、そこに描かれている情報管理
●受講生へのコメント
社会が現在の社会とどのように関わっているかを検討
出席は必須である。
●教 材
する。
必要に応じて掲示、または講義中に配布する。
社会と統計
(後期 金・5 全)
2単位
Social Statistics
経営学研究科 藤井 輝明
なければ、理解できない。授業では統計学のこの二つ
●科目の主題と目標
統計資料の読み方、利用の仕方を、身近な領域を中
の側面を理解できるよう授業をするつもりである。
心に習得する。社会をデータから客観的に観察する態
統計学は、企業や官庁で大学時代に最も学んで欲し
度を身につけ、社会が単純な決定関係にはないことの
い学問の一つに挙げられて久しい。2007年の統計法改
理解を深め、統計的方法の理解の基礎とする。
正によって、統計は社会の情報基盤と位置づけられ、
●授業内容・授業計画
政府だけでなく国民の合理的意思決定の基礎資料たる
人間は「子供」時代には「偶然の遊び」を楽しむ
ことを要請されている。より国民が利用できる統計の
が、
「大人」の人間は統計的思考に慣れていないだけで
提供が模索される一方、国民が統計により経験的合理
なく、生理学的に確率を理解しないようにできている
的に意思決定する力は従来に増してその必要性が高
とさえいわれる。また、自分の思いこみや考え方を覆
まっている。
す事実を突きつけられたときの「意図しないハプニン
① イントロダクション
グの驚き」はどのような人間にとってもさしあたり気
② 代表値と散らばりの尺度
持ちの良いものではない。
「偶然の思考」の学としての
③ 期待値の性質と変数の標準化
統計学は、こうした偶然の中に秩序を見いだす技の体
④ 共分散と相関
系である。
⑤ 相関と回帰
他方、統計とは、政府などが社会の様々な側面を記
⑥ 多変量回帰
録・調査し、公表した、数字の並びという意味でも用
⑦ データの集計
いられる。この意味での統計は、作成の目的、設計、
⑧ 予備日
政府による利用、そして公表された統計が人々によっ
⑨ 統計過程と統計の公共性
て利用される過程も体系的に計画される必要があり、
⑩ 公的統計制度 日本の統計制度改革を中心に
その中に偶然性の処理の手法を含みつつ、社会に対す
⑪ 人口統計 高齢化、少子化、人口移動などの把
る事前の認識、公正な作成方法の評価、統計をめぐる
政府と国民との関係など、社会的側面もあわせて考え
−117−
握
⑫ 労働統計 雇用や賃金の状態
情報と人間
初年次教育
⑬ 家計に関する統計 収入、支出、資産などにつ
を踏みにじる行為を行うことは認められていないか
ら、これらを行うものは参加できない。
いての統計の読み方と加工法
●教 材
⑭ 予備日
教科書は授業中に指示する。
⑮ 期末試験
科目選択などのための事前の参考資料としては、過
●評価方法
期末試験と、中間テスト、レポート等、平常点を総
年度のプリントを担当者のHPにアップロードしてあ
るほか、たとえば以下の文献を参照せよ。
合的に判断する。
① 金子治平・上藤一郎(編)
(2011)「よくわかる
●受講生へのコメント
統計学Ⅰ基礎編 第2版」
(ミネルヴァ書房)
大学で授業をうける権利は他人に対する責任を伴
② 御園謙吉・良永良平(編)
(2011)「よくわかる
う。私語、暴言等の妨害行為、授業中の遊興、交信、
合理的理由のない帽子の着用等他人の学習意欲を減退
統計学Ⅱ経済統計編 第2版」(ミネルヴァ書
させる外部効果のある行為、その他授業参加者の尊厳
房)
初年次セミナー
(前期 1回生のみ)
2単位
First Year Seminar
〔この科目は1回生を対象にした少人数の対話型で行うゼミナール型式の授業である]
大学1回生となった諸君―、諸君は、これから始ま
ず、文字どおり途方に暮れることがあるだろうことも
ろうとする大学生活というものに、きっと、胸をとき
予想される。その状況における真摯な模索こそが、諸
めかせ、夢をふくらませておられることだろう。大学
君が、これまで形成してきた自分というものの殻から
生活をどのようなものとして実現してゆくか―、それ
脱皮して、もうひとふり大きく成長するための、言わ
は、諸君の思索と感性とによって、自由にデザイン
ば生みの苦しみというものであって、諸君の可能性を
し、細心に・大胆に造型してゆけば、よい。型にはめ
本物にするための、だれもが経験する試練なのだ。
存分に苦しみなさい。その試練に耐え抜こうとする
られた無難より、新しい時代を拓こうとする混沌こ
意志があれば、道は開けるだろう。と同時に、学びの
そ、若い諸君には、ふさわしい。
しかし、それは、我流を通すということでは、必ず
道における少しばかりの先達として、この大学では
しも、ない。我流を通すことで新しい時代を拓いた、
「初年次セミナー」と名づけられた、これから大学で
いわゆる天才と称される人々がいたことは、たぶん、
学ぶにあたってまず身につけておくのが望ましい、言
確かである。しかし、天才は、大学で学んでなれるも
わば学び・考えるためのマナーについて、諸君ととも
のではなく、大学もまた、天才を輩出することを任務
に思索する時間を、以下のように用意している。もち
とは考えていない。
ろん、こういう趣旨だから、講義を聴くだけというの
大学は、学ぶこと・感じること・思索することを通
ではなく、少人数のクラス編成でactive learning をめ
して、諸君の中に潜んでいる可能性をそれぞれに発見
ざす時間であり、諸君がそれぞれの道程を拓いてゆく
するための場であり、その可能性を人類の幸福のため
ための底力を養成する、その介添えをすることができ
に発揮する、その方策をともにさぐろうとするところ
ればとの大学の念願をかたちにしたものである。
である。大学に入られた諸君の前に、共通教育科目・
これら「初年次セミナー」では、通常の授業では必
専門教育科目、さらに大学院前期博士課程・後期博士
ずしもあらわではない、大学教員の、諸君と同様に迷
課程が用意されているのは、その目的の実現のために
い・苦しみ、それを克服しようとする姿にふれること
ほかならない。
もあるだろうし、同輩の人々の、同じ弱さや卓抜する
共通教育では、幅広い教養を身につけることによ
力量に安堵したり発憤させられたりすることもあるだ
り、多様な分野と関わりを持つことができる間口の広
ろう。その経験は、諸君がこれから大学生活を豊かな
さを―、専門教育では、選び取った専門分野に関する
ものとして実現してゆかれる際の、よき手引きとなる
深い理解を―、大学院においては、当該の専門分野の
ものであることを願って、今年度は、5名の教員によ
研究者・専門家の養成を―、それぞれの目的としてい
る、5コマの「初年次セミナー」をもって、諸君との
る。その、まさしく入り口に、諸君は、いま立ってい
道交(感応道交、心ばかりか魂まで結ばれること)を
るわけである。
はかろうと目論んでいる。
果敢に・柔軟に、諸君がそれぞれの道程を進んで行
くならば、必ずや、諸君は、みずから望む以上の可能
性を諸君の中に見出されることであろう。だが、同時
に、自分の立っている位置や向かうべき方向がわから
−118−
初年次教育
◎「初年次セミナー」
●受講者へのコメント
(前期 火・4)
1.毎回の授業で報告や意見交換を行い、1人1人
大学教育研究センター 飯吉 弘子
が「考える」プロセスに教員もじっくりつきあ
●科目の主題
いながら個別指導を行うため、受講生は15名程
本授業では、
「 大学生としての基本的な学びの姿勢」
度までとする。
を身につけることを目指している。レポート作成の一
2.自分で考え・探っていくという作業は、途中の
連の流れやプロセスに沿って、高校までの学びのあり
プロセスは苦しい反面、それが最終的に形に
方とは異なる「大学での学び方」の基本を理解し身に
なっていくと楽しい作業でもある。途中で投げ
つけることを目指す。すなわちレポート作成のプロセ
出さず最後までがんばって取り組んで楽しさを
スの中で、
「 自ら」調べ・
「自ら」考え、考えたことを
実感してほしい。
他者に伝わるように表現することを経験する中で、と
3.全学共通のセミナーなので、様々な学部・分野
くに「自分で考える」ことの重要性に気付いてもらい
の仲間とのコミュニケーションを存分に図り、
たいと考えている。また、
「自分とは異なる考えを持つ
多様な考え方やアプローチがあることを実感し
他者とそれらを共有する経験」も重視して授業を進め
てほしい。
る。
●教材
●科目の到達目標
必要に応じて、授業中に資料等を紹介する。
この授業の最終的な目標は、第1に「自ら課題を探
◎初年次セミナー
し考える力や姿勢の基本を身につける」、第2に「資
(前期 火・4 1回生のみ) 2単位
料・文献の調べ方やレポート作成の基本を学ぶ」、第
3に「プレゼンテーションと意見交換の基本を学ぶ」
大学教育研究センター 西垣 順子
●科目の主題
である。
「人は社会の中でどのように成長するのか」また
「大学生として自ら学び考えること」を学んでほし
は「社会はどのように変化していきうるのか」という
い!
テーマのもとに、レポートを作成することを通じて、
●授業内容・授業計画
大学での学びを拡充させるための基本的な認識とスキ
具体的には、以下のプロセスを個人のペースにあわ
せて進めるが、授業進行の目安は以下の通りである。
ルを身につけることを目指します。
●授業の到達目標
1∼2回:ガイダンスとテーマ選定
① 自らの興味関心を、学問的に探究しうる「問
3∼5回:文献検索、 資料収集、 テーマ・仮説の決
い」に変換し、資料を収集分析、批判的に検討
定
するなどして、その問いへの自分なりの答えを
6∼8回:資料読解、 アウトライン決定、 レポート
探究できること
執筆と第1次提出
② 自ら立てた問いの意義と回答について、他の受
9∼12回:資料読解、 アウトライン調整、 レポート
講生と共有し、議論ができること
執筆と第2次提出・発表準備
③ 他の受講生の立てた問いを共有し、議論に建設
13∼15回:発表と相互評価、最終レポート提出
的に参加できること
毎回、各自の進行状況報告を行い、クラス全体で問
●授業内容・授業計画
題の共有化・意見交換を行う。
この授業では、上述の目標のために、頭と心と体を
各プロセスの進め方の説明、学術情報総合センター
総動員して学習する経験を積んでもらいます。そのた
の活用法ガイダンス、レポート執筆の個別指導も行う
めに、知的障碍者のスポーツの祭典であるスペシャル
が、大前提となるのは、授業時間内外における受講生
オリンピックスの日常プログラム(大阪工業大学で日
個々人の自発的かつ積極的な取り組みや学びである。
曜日に開催)に3回以上参加し、1冊以上の文献資料
●評価方法
を読んでレポートを作成する「活動参加組」と、活動
授業への参加度合、プロセスへの真剣な取り組み、
には参加せずに、3冊以上の文献資料を読み込んで
レポート・発表等を総合評価する。最終レポートや発
レポートを作成する「学習重点組」に受講生をわけま
表の評価はもとより、作業プロセスの記録・授業内提
す。どちらの組を選んでもらっても結構です。
出物や資料、レポート作成の途中成果物(第1次草
第1週 ガイダンス
稿・第2次草稿ほか)等を全てファイリング保存し
第2−4週 主に「大学の役割」に関する検討会
て、最終レポートと共に提出してもらい、それらの全
第5−6週 問題設定の絞り込み
体の評価を行う。
第7−8週 レポートの書き方
成績評価の割合は、授業への参加度合20%、提出
第9−10週 プレゼンテーションの方法
課題20%、最終発表の相互評価20%、最終レポート
第11−14週 発表会と相互評価
30%、途中資料・プロセス10%とする。
第15週 総合的討論
−119−
初年次教育
●授業内容・授業計画
●評価方法
次の諸点を授業内容とする。各課題において具体的
レポート課題、プレゼンテーション、授業での発言
状況をもとに評価します。比率は3:3:4です。
な内容を選定する際には、受講生自らが各自の興味に
●受講生へのコメント
従って決定する。各課題のあとには全員がすべての参
受講生数は15名程度以下に制限します。
加者の前でプレゼンテーションを行い、発表内容につ
教員が教えることよりも、受講生の皆さんが行動し
いて討論を行う。
たり考えたりすることが多い授業です。それがなけれ
1)大学・研究機関・企業等のホームページを訪問
ば授業が成り立ちませんので、積極的に参加してくだ
し、どのような内容の情報発信がなされている
さい。なお、問いを設定する際には「何か面白そう」
かを調べる。
2)様々な情報検索エンジンを実際に使ってみて、
というだけではなく、
「自分にとって大事な問い」を探
その利点・問題点をまとめる。
すようにしてください。
次の2つは、単位認定に値するレポートを作るため
3)電子図書館など、インターネット上にある様々
の必要条件になりますので、そのつもりで履修登録を
な学習・研究資源を調べ、実際に使用してみ
してください。
る。
4)インターネット上の百科事典であるWikipediaの
① 遅刻や欠席をせずに授業に参加すること
未編集項目の一つを選び、文献調査・編集作業
② 自習時間を授業に出席する時間(1週間あたり
を行い、新たな項目としてインターネット上に
90分)より多く確保する。
公開する。
●教 材
セミナーでは、実際にインターネットに接続した環
授業中に、適宜参考資料を配布する。
境でディスカッションやプレゼンテーションを行うの
◎初年次セミナー
(前期 火・5 1回生のみ) 2単位
理学研究科 高橋 太
で、学術情報センター9階「情報処理演習室」を使用
する。
●評価方法
●科目の主題
平常点(課題への取り組み・授業参加度)
(20%)、
「『学び』のためのインターネット」
大学での『学び』を効率的に行っていくためには、
発表・討論への参加度(50%)、課題レポート(30%)
旧来の書籍・論文等の紙ベース資料のほかに、イン
を総合的に評価する。
ターネットを用いた資料検索・収集・利用技術が必要
●受講生へのコメント
受講生は12名程度とする。インターネットの先は、
不可欠である。レポートや論文作成・研究情報の収集
といった場面でもインターネットがもたらす膨大な情
もちろん【外】の世界なので、学生らしい節度ある行
報は大いに参考になるであろう。しかし、最新の検索
動がとれる人だけが受講して欲しい。担当者自身、コ
技術を有する検索エンジンによる資料収集は、ともす
ンピュータには全く詳しくなく、受講生諸君と共に学
れば学習者を情報の海の中に投げ込み、コピーペース
んでいけることを楽しみにしている。
トで見栄えの良いレポートを作成することで満足させ
●教 材
教科書は使用しない。参考文献などは、授業中に適
てしまいがちである。現代は、個々の学習者が、より
注意深く情報の真偽を確かめ、主体的に情報を取捨選
宜挙げる。
択していく必要に迫られている時代だといえる。
◎初年次セミナー
このセミナーでは、実際にインターネットを利用し
(前期 木・2 全) 2単位
て情報検索・収集を行い、
「インターネットで学ぶ」技
大学教育研究センター 大久保 敦
術を学習するとともに、インターネットによる『学
●科目の主題
身近な自然(キャンパス内の植物)を対象とした
び』の様々な問題点を参加する諸君とともに議論し、
「どのようにインターネットを創造的な『学び』に活
フィールドワークを通して、大学での学び方を学びま
用できるか」を考えて行きたい。
す。
●授業の到達目標
●授業の到達目標
インターネットの世界にある種々の情報を検索・入
手するだけでなく、
「学び」の目標に合わせてより的確
① 大学で学ぶための基本的な方法を身につけるこ
と
な情報源を取捨選択できるようになることがこの授業
② 映像と音声を用いて効果的に自分の考えを第三
の最大の到達目標である。また、得られた情報に対し
者に伝える方法(ビデオ番組作成)の基礎を身
て自分の意見や見解を付け加えて、批判的な取り扱い
につけること
③ グループでの作業を通して仲間と協力して円滑
ができるようになることも目標の一つである。
にチームワークを行えるようになること
−120−
初年次教育
である。
●授業内容・授業計画
●授業内容・授業計画
① オリエンテーション
本セミナーでは、個人またはグループで各種active
② 身近(キャンパス近辺)な自然に親しむ
③ 調査地域の分担、調査方法の基礎
learning課題に取り組む。課題への取組を通じて、何
④ プレ・プレゼンテーション
が問題の本質であるのかを見極めながら(思考する)、
⑤ プレ・プレゼンテーション
受 講 生 同 士 で 創 造 的 な 討 論 を 行 い( 聴 く・ 話 す )、
⑥ 効果的なプレゼンテーションの方法1
800∼2000字程度のレポートをまとめ(書く)、書いた
ものを相互評価・自己評価し(読む)、自分の知的ス
(④、⑤のプレ・プレゼンテーションをもとに)
キルの強みを把握し、弱みのカバーを目指す。
⑦ 効果的なプレゼンテーション方法2
⑧ 調査
第1回:ガイダンス+導入課題
⑨ 調査
第2∼3回:基礎演習1(ショートプレゼンテー
⑩ 調査
ションを通じて、今の自分にできることを
⑪ 調査
知り、もっと伸ばしたいことを把握、整理
⑫ プレゼンテーション準備
する)
第4∼9回:基礎演習2(ミニレポート作成を通じ
⑬ リハーサル
て、テーマに関して突き詰めて考え、調
⑭ 最終プレゼンテーション
べ、表すための基礎を学ぶ)
⑮ まとめ(最終レポート作成)
第10∼14回:基礎演習3(企画書作成を通じて、解
●評価方法
くべき課題を発見し、解決するための現実
平常点(授業参加度(20%))、小レポート・中間
的具体策を提案する)
発表(30%)及び最終レポート・発表(50%)を総合
第15回:まとめと総合自己評価
的に評価します。
なお、本セミナーは、単なるレポートの書き方講座
( )の数字はおおよその評価の割合を示します。
や、発表・討論スキルアップ講座ではない。なぜレ
●受講生へのコメント
受講生は15名までとします。フィールドワークや植
ポートを表すのか、なぜ発表や討論を行うのか、そも
物、また映像や音声などのマルチメディアでのプレゼ
そもなぜものを考えるのかを含め、これから社会に出
ンテーションに興味があり、積極的に授業に参加しよ
て行く大人として必要な力とは何かを、さまざまな
うとする人を期待しています(受身の授業を期待して
バックグラウンドをもつ他の受講生とともに、各受講
いる人には不向きです)。
生「自らが」「自分なりに」発見するための科目であ
●教 材
る。
教科書は使用しません。その都度参考図書などを紹
●評価方法
⑴ 平常点(参画への意思・態度・行動、各種課
介します。
題・宿題・報告書等の内容、授業目標達成に
◎初年次セミナー
(前期 木・3 1回生のみ) 2単位
かかる具体的な問題解決とその結果に対する適
大学教育研究センター 渡邊 席子
切な自己評価、時間・期限を順守できていたか
本セミナーは、高校性から大学生へ、やがては社会
⑵ 各種課題に関する学生同士の相互評価:20点満
等)
:80点満点
●科目の主題
人になるために必要な基礎力を、それぞれの受講生が
点
自分に合った形で学びとることを目指す1回生向けの
→合計100点満点
●受講生へのコメント
少人数演習科目である。
なお、本セミナーはactive learning形式(学生によ
・受講希望者は、初回のガイダンスに必ず出席するこ
と。
る討論、発表、グループワーク等を伴う形式)を採用
している。受講生には、積極的にセミナーに参画する
・受講人数の上限を12名とする。
ことを通じて、大人の知的思考方法・知的表現方法・
・全15回のうち、13回以上のセミナーへの誠実な参画
礼節ある討論への参画姿勢を自ら学びとっていただき
たい。
が単位認定の最低ラインである。
・セミナーの進行に付随して課題・宿題を提示し、そ
●授業の到達目標
れらを解いていることを前提に毎回のセミナーを進
本セミナーの到達目標は、①誰かに答えを教えても
行する。
らうのではなく、大学および社会で自ら学び行動する
・本セミナーは3つのユニットから成っている。特に
ために必要な思考力の基礎を確立すること、②知的な
重要な回に遅刻・欠席したり、重要な課題を提出し
コミュニケーションに必要な4つの力(読む力・書く
なかった場合、以降のセミナーに参画できないこと
力・聴く力・話す力)の基礎を確立すること、の2点
がある。
−121−
初年次教育
・誰かに答えを教えてもらう受け身の姿勢ではなく、
「自ら学び、身に付け、掴みとる」意思を持つとと
もに、極度に失敗を恐れることなく試行錯誤してみ
る積極性を有する学生、ないしは、現時点の自分の
力量に不足を感じ、もっと学ぶ力を伸ばしたい/積
極性を持ちたいとの強い意志のある学生の受講を希
望する。
●教 材
・教材はセミナー中に適宜配布される。なお、教材と
なりうる素材を受講生自身が調査の上、集めて持ち
寄る場合もある。
−122−