ぱどっく> 第38回 サラブレッドの比重

.物質の比重
査した研究によると 、
ウエルシュマウンテン・シエ ツ
比重という単語はよく目にする 。 これは 、 ある物
卜ランドなどのサラブレ ッ ド以外の馬たちでは体重に
質の密度(単位体積あたりの質量)と 、 基準となる
占める骨格筋の重さの割合は 42% であ っ たのに対
標準物質の密度との比率のことをいう 。 普通は標準
0
物質として 4 C の水が用いられる 。 つまり 、 比重が
0
し 、 サラブレ ッ ドでは 52% であ っ たという 。 測定さ
れたサラブレ ッ ドの年齢やトレーニンク状態は不明
1 ということは 、 閉じ体積であれば 、 4 C の水と同
であるが 、 明らかにサラブレ ッ ドの骨格筋の割合は
じ重さであることを意味する 。 比重が 1 よりも大き
高 L 、 。 新生子馬においては 、 サラブレ ッ ドの骨格筋
ければ、その物質は水に沈む 。 比重の重い金属とし
の重量比は 36% だ っ たので 、 成長とともに筋肉が発
ては金が知られており、純金の比重は 19 . 8 である 。
達してい く ことがわかる 。
これは、純金は水の 19 . 8 倍重いことを示している 。
.サラブレッドの比重
人間の比重については 、 0.923 ~ 1.002 あるいは
JRA 競走馬総合研究所が調べた成績によると 、 サ
ラブレッドの成馬は子馬に比べて、四肢の上部の筋
肉、
たとえば前駆の筋肉でいうと広背筋・僧帽筋・
1.003 などといわれており 、 データの出典によ っ て多
上腕頭筋など 、 後駆でいうと中啓筋・大腿二頭筋・
少の違いがあるようである 。 一方、サラブレ ッ ドの
半腿半膜様筋などが発達していたことがわか っ ている
比重を求めた JRA 競走馬総合研究所の成績による
( 図1) 。 サラブレ ッ ドは長い肢の先端の方をできるだけ
と、
その比重は 0 . 95 であ っ たという 。 いうまでもな
軽く し、 肢を実質的に動かす上部の大きな筋肉を周
く水の比重 1 よりも小さいので、普通であればサラ
いることで速く走るわけなので、成長に伴 って観察され
ブレ ッ ドは水に浮くことになる 。
た筋肉の発達変化はリーズナフルな変化といえよう 。
比重 0 . 95 の物体力、>k に浮いている時 、 水に沈んで
馬の体の重心位置は 、 横から見ると体のほぼ真ん
いる部分の体積は全体の 95% である 。 つまり 、 浮い
中 、 解剖学的にいえば 、 第 12 肋骨の後縁あたりに
ている部分の体積は 5 % ということになる 。 サラブ
ある ( 図 2 ) 。 馬術関係の成書などに 、 馬の重心位置
レ ッ ドの体全体の密度が均ーであるとすると(均一
は腹帯のあたり ( 第 4~6 肋骨あたり ) であると書いて
ではないカず )、 体重 500kg の馬の 5% は 25kg である 。
あるのを見かけることもあるが 、 これは明らかな間
サラブレ ッ ドの頭の重さは 20kg 強なので 、 頭 1 つ分く
遣いである 。 サラブレ ッ ドの骨格筋はよく発達して
らいは浮かぶ計算になる 。
おり 、 特に後肢の筋肉量は多く 、
.サラブレッドの体の構成
方、
サラブレ ッ ドに限らず 、 動物の体はいろいろなも
のから構成されている 。 すなわち 、 筋肉・骨・内臓
などである 。 馬の体の骨格筋や骨などの構成比を調
そのため重 \'\ 0
-
胸部は横から見ると大きいので、 相当重いので
はないかと感じられる 。
し かし 、 大きく見える胸部
は 、 内部の大部分を占めるのは肺である 。 肺はスポ
ンジ状で大変軽 L 、 。
したが っ て 、 全体として見ると
胸部の重さは相対的には軽くなるというわけである 。
第 4
12 図
肋 2
骨
のウ
後マ
縁の
に重
あ心
るの
。位
およそ
企図 1
サラ フレ γ ド は成長とと も に 、 前 駆では広背筋 ・ 僧帽筋・上腕頭 筋
な ど 、 後駆 で は中 殿筋 ・ 大腿 ニ頚筋 ・ 半腿半膜様筋 などか発 達していた。
4・ 樹園 田町- 輔 副 , .刊 から事 I 1純