2005年の世界携帯電話端末市場の結果を発表

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参考資料
【本社発プレスリリース】
本資料は、ガートナーが発信したプレスリリースを一部編集して、和訳したものです。
本資料の原文を含めガートナーの発信したリリースはすべて以下でご覧いただけます。
http://www.gartner.com/press_releases/pr2006.html
平成18年3月2日
ガートナー ジャパン株式会社
広報室
ガートナー、2005年の世界携帯電話端末市場の結果を発表
上位6社が前年比21%の成長率を牽引
英国エガム発 - 2月28日 - ガートナーは本日、2005年 (暦年) の携帯電話端末の世界
における対エンドユーザー販売台数が前年比 (2004年比、以下同) 21%増の合計8億1,660
万台となったことを発表しました。小規模ベンダーのシェアが後退した一方で、上位6社が販
売台数およびシェアを伸ばしたことが市場全体の高い成長率につながった、とガートナーは
分析しています。
2005年における世界携帯電話市場の販売台数のうち、上位6社が占める割合は79.4%に
上りました。6社とも2005年を通じてシェアを堅調に伸ばしており、上位6社のマーケット・シェ
アは2005年第1四半期の78%から第4四半期には84%にまで増加しています。
ガートナーの携帯電話端末担当主席アナリスト、カロリーナ・ミラネシ (Carolina Milanesi、
英国在) は次のように述べています。「ローエンド・セグメントにおいて低価格化へのプレッシ
ャーが増大する一方で、ハイエンド・セグメントではデザインとテクノロジの開発競争が活発化
しています。規模の経済を追求すること、あるいはニッチ市場向けに適切なビジネス展開を行
うことのいずれかを選択しない限り、端末ベンダーが市場で生き残るのは難しいでしょう」
2005年第4四半期、世界携帯電話市場は販売台数2億3,500万台超と堅調に推移し、ガー
トナーが四半期ベースで携帯電話市場の調査を開始した2001年以来、四半期の販売台数と
して最高を記録しました。
「新興市場における携帯電話端末および携帯電話料金の低価格化により、継続的な成長が
予想以上に強いことから、依然として業界全体は高い実績を記録しています。また西欧や北
米などの成熟市場では、よりデザイン性の高い端末がユーザーの買い換え需要を牽引して
います」(前出ミラネシ)
表1 世界携帯電話端末対エンドユーザー販売台数:2005年第4四半期
2005年第4四半期
【参考】2004年第4四半期
ベンダー
販売台数 (千台)
シェア (%) 販売台数 (千台) シェア (%)
ノキア
82,218.3
35.0
64,387.3
33.0
モトローラ
41,884.0
17.8
31,744.3
16.3
サムスン
28,385.4
12.1
23,883.7
12.2
LG
16,875.0
7.2
13,340.5
6.8
ソニー・エリクソン
16,118.7
6.9
12,335.8
6.3
ベンキュー・モバイル
11,101.7
4.7
12,821.0
6.5
その他
38,546.6
16.3
36,807.9
18.9
合計
235,129.7
100.0
195,320.5
100.0
注1:iDEN方式端末を含む。
注2:ODMベンダーからOEMベンダーに対する出荷、CDMA方式ワイヤレス・ローカル・ループ
(WLL) 端末およびPHS方式は含まない。
出典:ガートナー データクエスト (2006年2月)
ノキアは世界携帯電話市場のリーダーとしての地位を保ち、2005年の販売台数において
市場全体の32.5%を占めました。市場シェアでは、欧州およびアジアで第2位のベンダーの2
倍以上、東欧、中東、アフリカに至っては3倍以上という圧倒的なシェアを保持しています。業
績が低迷した2004年を乗り越え、6680やスタイリッシュな8800端末などの市場展開を成功へ
と 導 く こ と で ノ キ ア は 再 び 勢 い を 取 り 戻 し、W-CDMA (Wideband Code Division Multiple
Access) 分野においてもN70などの端末によって市場をリードしています。「ノキアの実績を
分かりやすく説明すると、2005年第4四半期において全世界の携帯電話ユーザーの3分の1
以上がノキアの端末を購入したことになります」(前出ミラネシ)
2005年第4四半期の販売台数が4,200万台に迫る勢いのモトローラは、西欧だけでなく全
世界レベルでも業界第2位のポジションを維持しています。モトローラは北米において人気ブ
ランドとしての地位を保っており、アジア太平洋地域でもサムスンに代わり第2位のベンダー
になっています。2005年、モトローラは「薄型」機種で他のベンダーを圧倒し、上位ベンダーの
中で最も高い成長率で市場シェアを伸ばしました。
2005年第4四半期、サムスンは第3位にとどまり、販売実績は2,840万台でした。市場シェ
アは前年比0.1%の微増で12.7%と横ばいに推移し、モトローラとの差が広がる結果になって
います。この結果には、市場シェアよりも利益の確保を重視し、新興市場における低価格化
競争に参加しないという同社の判断が反映されています。
表にはありませんが、国内ベンダーでは、第4四半期についてはパナソニック モバイルコミ
ュニケーションズ (第8位、以下パナソニック)、日本電気 (第9位)、三洋電機 (第10位) が、
2005年通年についてはパナソニック (第8位)、三洋電機 (第10位) が、それぞれ上位にランク
インしています。「2004年と比較して順位に大きな変動はありませんが、2004年には上位国
内ベンダーのシェアが2%台であったのに対し、2005年は1%台前半まで低下しています。そ
の背景として、国内市場の世界市場に占める比率が低下したこと、国内市場においてシェア
の分散化が進んだこと、および国内ベンダーの多くが世界市場における潮流、すなわち規模
の経済あるいは適切なニッチ市場ビジネスの展開に適応しきれなかったこと、といった点を指
摘することができます」(光山 奈保子、モバイル/ワイヤレス担当主席アナリスト、日本在)
2
表2 世界携帯電話端末対エンドユーザー販売台数:2005年
2005年
【参考】2004年
ベンダー
販売台数 (千台)
シェア (%)
販売台数 (千台) シェア (%)
ノキア
265,614.8
32.5
207,231.3
30.7
モトローラ
144,920.4
17.7
104,124.2
15.4
サムスン
103,753.6
12.7
85,238.4
12.6
LG
54,924.6
6.7
42,276.8
6.3
ソニー・エリクソン
51,773.8
6.3
42,031.7
6.2
シーメンス
28,590.6
3.5
48,455.8
7.2
その他
166,985.1
20.6
144,643.7
21.6
合計
816,562.9
100.0
674,001.9
100.0
注1:iDEN方式端末を含む。
注2:ODMベンダーからOEMベンダーに対する出荷、CDMA方式WLL端末およびPHS方式は含
まない。
注3:シーメンスは、第1~第3四半期の合計。第4四半期についてはベンキュー・モバイルとして別
扱いとしている。
出典:ガートナー データクエスト (2006年2月)
地域別市場動向
西欧での携帯電話端末販売台数は、2005年第4四半期に4,910万台、2005年通年では1
億6,400万台でした。西欧市場での販売は、クリスマス商戦の売り上げおよびトレンディな新
機種へのアップグレード需要が牽引力となっています。「第4四半期のトレンドはファッション性
の一言に尽き、モトローラのピンクRAZR V3やシーメンスのCL75 Poppyなどがユーザーを強
く引き付けました。英国など一部の国では、ピンクのRAZR V3が欲しいがために、現在の加
入契約がまだ有効であるにもかかわらず新たな加入契約を結ぶユーザーさえいます」(前出ミ
ラネシ)
中欧・中東・アフリカ (CEMEA) では、サウジアラビアや南アフリカなどの比較的成熟した市
場において既存ユーザーによるトレンディな端末への買い換えが進みました。その結果、新
規契約者による端末の新規購入と合わせて、2005年の販売実績は1億5,350万台に達しまし
た。ガートナーでは、2006年の同市場は主にアフリカにおける新規契約の増加が大きな成長
要因になり、東欧および中東における買い換え需要の増加によってさらに成長が促進される
と分析しています。
2005年第4四半期、北米市場は4,130万台という記録的な販売実績を挙げ、2005年全体
の販売台数は1億4,840万台に達しています。ガートナーの携帯電話端末担当主席アナリスト、
ヒューズ・ド・ラ・ヴェルニュ (Hugues De La Vergne、米国在) は次のように述べています。
「依然としてユーザーはカメラ付き携帯電話への買い換えを進めているほか、モトローラ
RAZR V3に代表されるユニークな端末デザインが買い換え需要を牽引しています。北米市
場では、プリペイド式携帯電話の分野も堅調に伸びています」
中南米における2005年の販売台数は1億200万台近くに上り、前年比40%増という伸びを
記録しています。ただし、ガートナーの携帯電話端末担当アナリスト、トゥオン・ニューエン
(Tuong Nguyen、米国在) によれば、「過去数四半期に見られたような爆発的な成長は現在
鈍化傾向にあります。このためガートナーでは、2006年の成長率が前年比で1桁台後半に落
ち着くことになると予測しています」
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アジア太平洋地域での携帯電話端末販売台数は、2005年第4四半期が5,640万台、2005
年全体では2億400万台でした。中国とインドをはじめとする主要な市場がこの地域での成長
を牽引しています。ガートナーの携帯電話端末担当主席アナリスト、アン・リヤン (Ann Liang、
台 湾 在 ) は 次 の よ う に 述 べ て い ま す 。 「 中 国 で は GSM (Global System for Mobile
Communications) 端末の販売が市場の成長を支えました。また、インドでは、11月と12月に
過去最高の新規契約数を記録したことが、携帯電話端末販売の拡大に結び付きました」
日本における携帯電話端末販売台数は、2005年第4四半期が1,170万台、2005年通年で
は約4,500万台でした。日本市場では、音楽再生機能が特に若年層の買い換え需要を刺激
しています。
2006年第1四半期の結果をミラネシは次のように予測しています。「例年、第1四半期は、
第4四半期における販売集中の反動で販売台数が対前期マイナスとなりますが、アジア太平
洋における旧正月、西欧と北米における長期的なクリスマス/新年の販促活動、新興市場に
おける継続的な成長などから、2006年第1四半期における販売台数はそれほど大きく落ち込
まないと考えられます。1~2月の暫定データに基づき、ガートナーでは、2006年第1四半期は
前年同期 (2005年第1四半期) と同様の傾向で推移し、記録的な成長率の2005年第4四半
期と比較すると5~8%程度の減少になると予想しています」
な お 、 本 リ リ ー ス に 関 す る 詳 し い 調 査 内 容 は 「 Market Share: Mobile Terminals,
Worldwide, 4Q05 and 2005」(http://www.gartner.com/) でご覧いただけます。
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