社会学科 - 明治学院大学 教養教育センター

キリスト教の基礎 担当者一覧(社会学科)
※授業計画は多少変更される場合もあります。入学後必ず大学ホームページ上のシラバスを確認してください。
今村 正夫(イマムラ
マサオ)
春学期
授業概要
講義は1)旧約聖書、2)新約聖書、3)聖書の思想の3つのセクションから成り立っています。1)で
は「歴史」「民族」「神」に焦点を当て、主に「一神教」と「多神教」との関連から旧約聖書を取り上げ
ます。2)では「歴史」「普遍性」「キリスト教信仰」に焦点を当て、社会や世界に対する影響との関連
から新約聖書を取り上げます。3)では聖書の「人物」「聖書解釈」「課題」に焦点を当て、聖書の思
想を取り上げます。
学習目標
聖書の基本的な内容と思想、その課題を客観的に学び、マクロ的なキリスト教の学習を目指します。
また、その学習を通して大学創設の趣旨を学び、本学での学業の意志、世界観、人間観、社会に
旅立つ備えとしての思想を養うことを目標にします。
授業計画
【第1回】オリエンテーション、レポートの書き方、聖書について
【第2回】旧約聖書1: 構成について
【第3回】旧約聖書2: 歴史と民族について
【第4回】旧約聖書3: 主な思想について
【第5回】旧約聖書4: 宗教の類型:一神教と多神教
【第6回】レポート課題および自主学習の説明
【第7回】新約聖書1: 構成について
【第8回】新約聖書2: 歴史と普遍性について
【第9回】新約聖書3: 主な思想について
【第 10 回】新約聖書4: 成立と発展、キリスト教信仰について
【第 11 回】聖書の思想1: 旧約聖書の人物より
【第 12 回】聖書の思想2: 新約聖書の人物より
【第 13 回】聖書の思想3: 聖書解釈の課題(1)
【第 14 回】聖書の思想4: 聖書解釈の課題(2)
【第 15 回】講義のまとめ、定期試験対策
授業に関する注意事項
毎回授業にてリーディング用の講義資料を配布します。『聖書』を毎回持参し、ノートを心掛けてく
ださい。
教科書
『新共同訳聖書』(旧約聖書と新約聖書の両方があるもの)
参考書
詳細は授業にて。
成績評価の基準
レポート40%、授業参加40%、出席状況・授業態度20%とし、それらを総合して評価します。詳細
は第 1 回の授業でお知らせします。
秋学期
授業概要
講義はキリスト教の1)現代の宗教、2)人物と神学、3)倫理と課題の3つのセクションから成り立って
います。1)では現代キリスト教とその他の主な宗教との比較を取り上げます。2)では古代、中世、
近代、現代のそれぞれからキリスト教の代表的な人物とその神学を取り上げます。3)ではキリスト教
の倫理、キリスト教世界観への批判、キリスト教の課題を取り上げます。
学習目標
キリスト教の信仰、神学、倫理を学び、マクロの観点でのキリスト教思想の学習を目指します。また、
それを通じて大学創設の趣旨を理解し、世界観、人間観、社会に旅立つ備えとしての思想を養うこ
とを目標とします。
授業計画
【第1回】オリエンテーション、レポートの書き方、宗教比較
【第2回】現代の宗教1: ユダヤ教、イスラームについて
【第3回】現代の宗教2: 仏教、神道、原始宗教について
【第4回】現代の宗教3: 新宗教について
【第5回】現代の宗教4: 現代キリスト教の動向と特徴について
【第6回】レポート課題および自主学習の説明
【第7回】人物と神学1: 古代、中世より
【第8回】人物と神学2: 宗教改革、その余波より
【第9回】人物と神学3: 近代、現代より
【第 10 回】人物と神学4: 日本より
【第 11 回】倫理と課題1: キリスト教世界観への批判について
【第 12 回】倫理と課題2: 正戦論によせて
【第 13 回】倫理と課題3: 自然環境によせて
【第 14 回】倫理と課題4: 資本主義経済によせて
【第 15 回】講義のまとめ、定期試験対策
授業に関する注意事項
毎回授業にてリーディング用の講義資料を配布します。『聖書』を毎回持参し、ノートを心掛けてく
ださい。
教科書
『新共同訳聖書』(旧約聖書と新約聖書の両方があるもの)
参考書
詳細は授業にて。
成績評価の基準
レポート40%、授業参加40%、出席状況・授業態度20%とし、それらを総合して評価します。詳細
は第 1 回の授業でお知らせします。
工藤 宜延(クドウ
ヨシノブ)
春学期
授業概要
春学期はキリスト教に初めて触れた学生に焦点を当て、キリスト教全般の基礎的理解に努める。特
に旧約聖書の読み方(その背景をなすユダヤの民の自然観・神観・歴史など)と新約聖書(当時の
ユダヤの時代背景・イエスの根本思想・福音書の記述内容など)を中心に学習する。あわせて、ユ
ダヤ人の始祖ともいうべきアブラハムから枝分かれしたイスラム教世界の理解をも、まさに今日的な
緊急問題として見て行くことにする。
学習目標
キリスト教の学習を進めていく中で、自己の世界観を広める
他文化との接触に際しての自己のありかたを考えてみる
本をきちんと読んでいくこと・自らの考えを表現することをこころがける(新たな自己発見の旅)
授業計画
【第1回】この授業へのガイダンス(1 年間の方針・コメントなど)
【第2回】旧約聖書というものの基礎理解・世界の中のユダヤの民
【第3回】創世記(神・世界・人間)
【第4回】ユダヤ人の始祖たち(アブラハムの系譜)
【第5回】モーセ(人と思想)
【第6回】映画『十戒』鑑賞(前編)
【第7回】映画『十戒』鑑賞(後編)
【第8回】新約聖書というものの基礎的理解
【第9回】イエスの生涯と思想①
【第 10 回 イエスの生涯と思想②
【第 11 回】イスラム教の歴史と思想
【第 12 回】パレスチナ紛争
【第 13 回】日本のキリスト教の歴史
【第 14 回】明治のキリスト者(内村鑑三ほか)
【第 15 回】平常試験と春学期の振り返り
授業に関する注意事項
授業にたいするマナー(そのつどこちらから示唆)を守る。
春学期に 1 回はチャペル・アワーに出席し、レポート提出をすること。
教科書
工藤宜延著『キリスト教の基礎』(出帆舎)
補助資料としてプリントを随時配布する。
参考書
新共同訳『聖書』(日本聖書協会発行)
成績評価の基準
授業への参加姿勢はもとより、レポート(チャペル・アワー、映画鑑賞後のレポートなど)の評価2
0%、小テスト10%、学期末の筆記試験の成績70%による総合評価
秋学期
授業概要
秋学期の授業は、春学期の知見を踏まえ、さらに踏み込んだ展開をおこなう。初期のキリスト教会
成立後、いかなる理由でイエスとその集団の教えは世界的な伝播をなし、ヨーロッパ地域での権威
を確立して行ったのかを、まず扱う。そして裏付けに映画『クオ・ヴァディス』を鑑賞する。そしてアウ
グスティヌス、パスカル、ニーチェなどの思想家を取り上げる。
学習目標
われわれの足もと(日本人と日本文化)をもういちど見つめてみる。
他文化との接触に際しての自己のありかたを再考する。
文章による自己表現を高める。
授業計画
【第1回】秋学期の方針・映画『シンドラーのリスト』(部分)
【第2回】キリスト教の歴史①(原始キリスト教の成立、そのローマ世界への浸透、カトリック教会の成
立)
【第3回】キリスト教の歴史②(宗教改革)
【第4回】映画鑑賞『クオ・ヴァディス』①
【第5回】映画鑑賞『クオ・ヴァディス』②
【第6回】キリスト教の歴史③(西洋近代化とキリスト教、M.ウェーバーの資本主義成立論)
【第7回】イギリス・アメリカとキリスト教①
【第8回】イギリス・アメリカとキリスト教②
【第9回】アウグスティヌス・人と思想
【第 10 回】アウグスティヌスの『告白』を読む
【第 11 回】パスカル・人と思想
【第 12 回】20 世紀の思想家たち(精神分析・マルクス主義など)
【第 13 回】ニーチェ・人と思想
【第 14 回】日本人と宗教心
【第 15 回】平常試験と 1 年間の振り返り
授業に関する注意事項
チャペル・アワーに出席し、レポートを提出すること(1 回)
授業のマナーを守ること。
教科書
工藤宜延著『キリスト教の基礎』(出帆舎)
補助資料として随時プリントを配布
参考書
新共同訳『聖書』(日本聖書協会発行)
その都度の指示をする
成績評価の基準
授業への参加姿勢(出席回数も重視)はもとより、レポート(チャペル・レポート、映画鑑賞後のレポ
ートなど)の評価20%、小テスト10%、学期末の筆記試験の成績70%による評価。
下村 優(シモムラ
マサル)
春学期
授業概要
1年かけて「愛の書簡」「喜びの書簡」と呼ばれる「フィリピの信徒への手紙」を読みすすめながら、
旧約・新約聖書を読む際の基本的な知識をできるだけわかりやすく教会暦を反映しながら紹介し、
聖書を読む際の基礎力を養う。
学習目標
「フィリピの信徒への手紙」の内容理解。聖書に関する基本的知識の取得。十字架の逆説、関係性
("Do for Others”)、現代社会とキリスト教の課題等の探求。
テキスト「フィリピの信徒への手紙」(新共同訳 P.361-367)
授業計画
テキスト「フィリピの信徒への手紙」(新共同訳 P.361-367)
【第1回】オリエンテーション。フィリピ書について。(旧約聖書・新約聖書の構成と開き方)
【第2回】フィリピ1章1ー2節(他者への祈り)(十字架と復活・イースター)
【第3回】フィリピ1章3ー6節(喜びをもって祈る)(祈り、教会)
【第4回】フィリピ1章7ー8節(キリスト・イエスの愛の心)(福音書1)
【第5回】振り返り
【第6回】フィリピ1章9ー11節(愛がゆたかに)(福音書2)
【第7回】フィリピ1章12ー14節(苦難と福音)(聖霊降臨・ペンテコステ)
【第8回】フィリピ1章15ー17節(愛と喜び)(福音書3)
【第9回】フィリピ1章18ー19節(救い)(福音書4)
【第 10 回】フィリピ1章20ー21節(生きるとは)(パウロ書簡1)
【第 11 回】フィリピ1章22ー26節(信仰を深め喜びを)(パウロ書簡2)
【第 12 回】フィリピ1章27ー30節(生活)(パウロ書簡3)
【第 13 回】フィリピ2章1ー2節(思いを一つに)(黙示録)
【第 14 回】フィリピ2章3ー5節(他者)
【第 15 回】振り返り
授業に関する注意事項
聖書にはじめて触れる学生を前提に、できるだけわかりやすく説明します。
新共同訳聖書を購入いただくか、チャペルで限定数無料で配布されるギデオン協会「新約聖書」
の入手をお勧め致します。
平日お昼のチャペルアワー、および教会での日曜礼拝に参加されることをお勧めします。
(講師は「単立 明治学院教会」の牧師。毎週日曜午前10時から横浜キャンパス内チャペルで礼拝
を守っています)
予定は前後する可能性があります。
教科書
教科書の指定はありませんが、授業では日本聖書協会「新共同訳聖書」を毎回使います。プロジェ
クターを使って、本文を表示しながら授業を進めます。
参考書
「フィリピの信徒への手紙」に関する説教集や註解書は下記関連 URL を参照ください。
授業サイト http://www1.meijigakuin.ac.jp/~simomura/
「単立 明治学院教会」サイト http://www.meigaku-kyokai.com
成績評価の基準
授業への参加度(含リアクションペーパー)50%、レポートあるいはプレゼンテーション50%。
秋学期
授業概要
1年かけて「愛の書簡」「喜びの書簡」と呼ばれる「フィリピの信徒への手紙」を読みすす
めながら、旧約・新約聖書を読む際の基本的な知識をできるだけわかりやすく教会暦を反映
しながら紹介し、聖書を読む際の基礎力を養う。
学習目標
「フィリピの信徒への手紙」の内容理解。聖書に関する基本的知識の取得。十字架の逆説、
関係性("Do for Others”)、現代社会とキリスト教の課題等の探求。
授業計画
テキスト「フィリピの信徒への手紙」(新共同訳 P.361-367)
【第1回】フィリピ2章6ー11節(従順)(旧約聖書の構成と概要)
【第2回】フィリピ2章12ー14(なおさら従順で)(旧約聖書時代史1)
【第3回】フィリピ2章15ー18(喜びなさい)(旧約聖書時代史2)
【第4回】フィリピ2章19ー24節(テモテ)(預言書:イザヤ書)
【第5回】フィリピ2章25ー3章1節(エパフロディト)(旧約文学)
【第6回】振り返り、聖書日課。(ルターの宗教改革)
【第7回】フィリピ3章2ー11節(信仰による義)(教会史概要)
【第8回】フィリピ3章12ー16節(ひたすら走る)(収穫と分かち合い)
【第9回】フィリピ3章17ー4章1節(再臨の待望)(アドベント、ヘボンと明治学院)
【第 10 回】フィリピ4章2ー7節(二人の婦人)(教会の多様性と対話)
【第 11 回】フィリピ4章8ー9節(平和の神)(受難物語)
【第 12 回】フィリピ4章10ー14節(苦しみを共にする)(苦難と復活)
【第 13 回】フィリピ4章15ー20節(贈り物)(クリスマスの意味)
【第 14 回】フィリピ4章21ー23節(結びの言葉)改めて全体を読む。
【第 15 回】振り返りと補足("Do for Others”)
授業に関する注意事項
聖書にはじめて触れる学生を前提に、できるだけわかりやすく説明します。
新共同訳聖書を購入いただくか、チャペルで限定数無料で配布されるギデオン協会「新約聖書」
の入手をお勧め致します。
平日お昼のチャペルアワー、および教会での日曜礼拝に参加されることをお勧めします。
(講師は「単立 明治学院教会」の牧師。毎週日曜午前10時から横浜キャンパス内チャペルで礼拝
を守っています)
予定は前後する可能性があります。
教科書
教科書の指定はありませんが、授業では日本聖書協会「新共同訳聖書」を毎回使います。プロジェ
クターを使って、本文を表示しながら授業を進めます。
参考書
「フィリピの信徒への手紙」に関する説教集や註解書は下記関連 URL を参照ください。
授業サイト http://www1.meijigakuin.ac.jp/~simomura/
「単立 明治学院教会」サイト http://www.meigaku-kyokai.com
成績評価の基準
授業への参加度(含リアクションペーパー)50%、レポートあるいはプレゼンテーション50%。
徐正敏(ソ・ジョンミン)
春学期
授業概要
本講義では、聖書の核心内容、キリスト教のベースになるヘブライズム、ヘレニズム、その結果とし
ての西欧キリスト教文明を理解しながら、それが日本と韓国の近代史においてどのような影響を及
ぼしたかについて講述します。
学習目標
1.キリスト教の聖書の核心的内容について理解する。
2.世界文明とキリスト教の関係について探求する。
3.キリスト教思想の形成と展開について理解する。
4.キリスト教と近代文明、日韓近代史とキリスト教との関係について理解する。
授業計画
【第1回】キリスト教はどんな宗教であるか?
【第2回】キリスト教の歴史観、世界観
【第3回】イスラエルの歴史とヘブライズム-旧約聖書の世界
【第4回】イエスの時代と生涯-新約聖書の世界
【第5回】ヘレニズムとその哲学の特徴
【第6回】キリスト教思想の形成と西欧文明
【第7回】宗教改革と近代西欧文明
【第8回】日本のキリスト教の接触史
【第9回】日本近代史とキリスト教の関係
【第 10 回】韓国のキリスト教の接触史
【第 11 回】韓国の民族独立運動とキリスト教の役割
【第 12 回】日韓キリスト教関係史概要
【第 13 回】「キリスト教主義」に対する理解
【第 14 回】「状況神学」に対する理解
【第 15 回】「アジア神学」の必要性
授業に関する注意事項
毎週の講義テーマについて予習して、なるべく質問を準備して、授業に参加するようにお願いしま
す。
教科書
なし
参考書
徐正敏『日韓キリスト教関係史論選』(大阪:かんよう出版、2013)
徐正敏『韓国キリスト教史概論-その出会いと葛藤』(大阪:かんよう出版、2012)
徐正敏『日韓キリスト教関係史研究』(東京:日本キリスト教団出版局、2009)
徐正敏『韓国カトリック史概論- その対立と克服』(大阪:かんよう出版、2015、近刊)
成績評価の基準
授業への参加度 30%、授業期間中のレポートとクイズ、あるいはコメント 70%
秋学期
授業概要
本講義では、キリスト教の世界宣教と他の宗教との関係、そして日本と韓国の社会との関係、時代
的な課題について講術します。
学習目標
1.キリスト教と現代社会の関係について探求する。
2.キリスト教の近現代の歴史と他宗教、他思想との関係について理解する。
3.キリスト教と政治、イデオロギーとの関係、具体的には日本、あるいは韓国社会との関係と課題
について理解する。
授業計画
【第1回】キリスト教の宣教歴史はどのように展開されたか?
【第2回】キリスト教と帝国主義との関係
【第3回】政治と宗教、キリスト教と国家の関係
【第4回】キリスト教の福音と他の宗教、文化との関係
【第5回】「創造論」と「進化論」、キリスト教と科学との関係
【第6回】キリスト教の宣教方法論の種類と葛藤
【第7回】近代日本のキリスト教に対する政策-「脱亜入欧」、「和魂洋才」
【第8回】近代韓国キリスト教受容-「近代化」の希望
【第9回】日本の朝鮮に対する植民地統治とキリスト教との関係
【第 10 回】戦後日本キリスト教の「戦責告白」と「社会参与」
【第 11 回】韓国キリスト教の「民主化運動」と「統一運動」
【第 12 回】韓国キリスト教の多数派と「資本主義」
【第 13 回】キリスト教と人権、平和運動
【第 14 回】「キリスト教主義」教育の歴史と現在
【第 15 回】キリスト教の未来の課題
授業に関する注意事項
毎週の講義テーマについて予習して、なるべく質問を準備して、授業に参加するようにお願いしま
す。
教科書
なし
参考書
徐正敏『日韓キリスト教関係史論選』(大阪:かんよう出版、2013)
徐正敏『韓国キリスト教史概論-その出会いと葛藤』(大阪:かんよう出版、2012)
徐正敏『日韓キリスト教関係史研究』(東京:日本キリスト教団出版局、2009)
徐正敏『韓国カトリック史概論- その対立と克服』(大阪:かんよう出版、2015、近刊)
成績評価の基準
授業への参加度 30%、授業期間中のレポートとクイズ、あるいはコメント 70%
豊川 慎(トヨカワ
シン)
春学期
授業概要
講義前半部において、キリスト教の「基礎」である「聖書」(旧約・新約聖書)をもとに、キリスト教の神
観・人間観・世界観・歴史観などに関して講義し、講義後半では、キリスト教教理と思想の歴史的展
開を軸に、古代から中世そして宗教改革へと至るキリスト教の歴史とその社会・文化思想について
講義する。
学習目標
本講義では聖書の時代から 17 世紀イングランド・ピューリタニズムの時代までのキリスト教の歴史と
思想を概観することによって、キリスト教の教理に関する基本的な知識の理解とともに、キリスト教が
歴史的に果たしてきた社会的・文化的意義について幅広く理解することを学修目標とする。
授業計画
【第1回】イントロダクション
【第2回】旧約聖書の思想(1)
【第3回】旧約聖書の思想(2)
【第4回】旧約聖書の思想(3)
【第5回】新約聖書の思想(1)
【第6回】新約聖書の思想(2)
【第7回】新約聖書の思想(3)
【第8回】古代キリスト教思想(1)
【第9回】古代キリスト教思想(2)
【第 10 回】中世キリスト教思想(1)
【第 11 回】中世キリスト教思想(2)
【第 12 回】宗教改革の思想(1)
【第 13 回】宗教改革の思想(2)
【第 14 回】宗教改革の思想(3)
【第 15 回】まとめ
授業に関する注意事項
授業出席を重視し、単位修得には 3 分の 2 以上の出席を必要とします。
教科書
教科書は使用しません。授業ごとに配布するレジメに沿って講義します。
参考書
参考書については授業時に指示します。
成績評価の基準
リアクション・ペーパーによる授業への参加度(40%)、期末レポート(60%)
秋学期
授業概要
初めに、日本のキリスト教の歴史を概観し、信教の自由や戦争罪責の問題など日本におけるキリス
ト教倫理の課題を明らかにする。その後、聖書における平和の概念や平和主義や正戦論などにつ
いて講義し、キリスト教における戦争と平和の問題を考える。また、「赦し」と「和解」というキリスト教的
概念に注目して平和を実現する道を探求する。講義後半では「人権とキリスト教」という問題につい
て現代の具体的な諸課題を取り上げながらキリスト教倫理思想の観点から講義することにしたい。
学習目標
キリスト教を含む「宗教」は時に暴力と憎しみの連鎖の原因と言われることもある。過去の宗教戦争
から現代における宗教原理主義の問題などなど。では 21 世紀において、キリスト教は愛と和解を特
徴とする平和と共生の文化をはたして創り出すことができるのだろうか。このような問題意識のもと、
本講義では「平和」と「人権」という 21 世紀の大きな課題をキリスト教倫理思想の観点から考え理解
を深めることを学修目標とする。
授業計画
【第1回】イントロダクション
【第2回】日本のキリスト教の歴史(1)
【第3回】日本のキリスト教の歴史(2)
【第4回】日本のキリスト教の歴史(3)
【第5回】戦争と平和(1)
【第6回】戦争と平和(2)
【第7回】赦しと和解(1)
【第8回】赦しと和解(2)
【第9回】人権とキリスト教(1)
【第 10 回】人権とキリスト教(2)
【第 11 回】人権とキリスト教(3)
【第 12 回】キリスト教における「愛」の思想-クリスマスの真の意味
【第 13 回】人権とキリスト教(4)
【第 14 回】人権とキリスト教(5)
【第 15 回】まとめ
授業に関する注意事項
授業出席を重視し、単位修得には 3 分の 2 以上の出席を必要とします。
教科書
教科書は使用しません。授業ごとに配布するレジメに沿って講義します。
参考書
明治学院大学キリスト教研究所編『人権とキリスト教』(教文館、1993 年)
他の参考図書については授業時に指示します。
成績評価の基準
リアクション・ペーパーによる平常点(40%)、期末レポート(60%)
山吉 智久(ヤマヨシ トモヒサ)
春学期
授業概要
聖書における代表的な物語を読み,そこで展開されている思想史的,宗教史的問題を知ることで,
聖書が西欧キリスト教の社会や文化形成に与えた影響,延いては今日のわれわれにも与える意義
について学ぶ.
学習目標
自ら主体的に考えて問題を発見し,解決の糸口を探し出す文章読解の力、またそれを説得的な言
葉で表現する力を身につける.
授業計画
【第1回】ガイダンス
【第2回】わたしたちの身の回りにあるキリスト教文化
【第3回】様々なキリスト教のシンボル
【第4回】旧約聖書の構成と内容
【第5回】天地創造(創世記 1 章)
【第6回】エデンの園(創世記 2-3 章)
【第7回】カインとアベル(創世記 4 章)
【第8回】洪水物語・バベルの塔(創世記 6-11 章)
【第9回】映画に描かれた創世記
【第 10 回】族長時代(創世記 12-50 章)
【第 11 回】出エジプト(出エジプト記)
【第 12 回】レポート課題の説明
【第 13 回】映画に描かれた出エジプト
【第 14 回】王国の歴史
【第 15 回】まとめ
授業に関する注意事項
私語を慎むこと.
教科書
聖書(旧約聖書と新約聖書)
参考書
配布資料
成績評価の基準
授業への積極的な参加 30%
読書レポート 10%
期末レポート 60%
秋学期
授業概要
聖書における代表的な物語を読み,そこで展開されている思想史的,宗教史的問題を知ることで,
聖書が西欧キリスト教の社会や文化形成に与えた影響,延いては今日のわれわれにも与える意義
について学ぶ.
学習目標
自ら主体的に考えて問題を発見し,解決の糸口を探し出す文章読解の力、またそれを説得的な言
葉で表現する力を身につける.
授業計画
【第1回】ガイダンス
【第2回】預言者の活動とその特質
【第3回】因果応報の原理とその破れ(ヨブ記とコヘレトの言葉)
【第4回】新約聖書の構成と内容 / 共観福音書と二資料説
【第5回】イエス時代の背景(ローマ帝国とユダヤ教)
【第6回】イエスの生涯
【第7回】譬え話を読む
【第8回】奇跡物語を考える
【第9回】史的イエス探究の課題と意義
【第 10 回】映画でみるイエス
【第 11 回】原始キリスト教の発生と展開
【第 12 回】レポート課題の説明
【第 13 回】パウロの生涯と思想
【第 14 回】映画でみるキリスト教
【第 15 回】まとめ
授業に関する注意事項
私語を慎むこと.
教科書
聖書(旧約聖書と新約聖書)
参考書
配布資料
成績評価の基準
授業への積極的な参加 30%
読書レポート 10%
期末レポート 60%
横山 正美(ヨコヤマ
マサミ)
春学期
授業概要
宗教的言説の領域に足を踏み入れる準備として最初に宗教的文書や宗教的世界の位置づけを行
う。続いて、現代における生命をめぐる諸問題を取り上げる。戦争や殺人をはじめ生命を軽視する
多くの問題があるが、生命に対する聖書の捉え方を掘り起こすことで、生きるに値する命と値しない
命を振り分ける現代の生政治からの出口を探る。授業は講義形式で行い、ビデオなども使用。授
業内での発表なし。郊外実習なし。毎回、授業の感想・意見・質問などを記入できる出席カードを
兼ねたリアクションペーパーを配布する。
学習目標
(1)宗教的世界へアプローチする際に注意すべき問題の理解。
(2)聖書やキリスト教の死生観の理解。
(3)生命を損傷する力やそのメカニズムの理解。
(4)隣接する諸科学の研究成果との対話の仕方。
(5)思考放棄や思考停止に抗する論理的な思考の習得。
授業計画
【第1回】オリエンテーション、宗教の位置づけ
【第2回】聖書における人間創造の物語
【第3回】楽園追放物語の読み解き
【第4回】ビデオ「天地創造」
【第5回】「イサクの奉献」物語--神と人間との間における贈与
【第6回】聖書の死生観--聖書は生命や身体をどのように捉えているか
【第7回】なぜ人を殺してはいけないのか?
--十戒の「汝殺すなかれ」について
【第8回】キリスト教は命の始まりと終わりをどう考えるか
--中絶と脳死・臓器移植
【第9回】聖書の病い観--優生思想と障害学の視点
【第 10 回】パーソン論とスピリチュアリティ
【第 11 回】生政治と生権力
【第 12 回】生きるに値する命と値しない命--尊厳概念の検討
【第 13 回】命をめぐる正義
【第 14 回】日雇い労働者の譬え話
【第 15 回】まとめ
授業に関する注意事項
(1)成績評価とは関係ありませんが、学内のチャペル礼拝への出席をお勧めします。
(2)私語など授業の妨げとなる行為は厳しく対処されます。
教科書
教科書は使用しない。毎回プリントを配布する。
参考書
『聖書・新共同訳』(日本聖書協会)、『旧約・新約聖書大事典』(教文館)、
橋爪大三郎『これから読む聖書 創世記』(春秋社)、
関根清三『倫理の探求--聖書からのアプローチ』(中央公論社)、
近藤均他編『新版生命倫理事典』(太陽出版)、
大澤真幸『「正義」を考える』(NHK 出版)、小松美彦『生権力の歴史』(青土社)
成績評価の基準
授業への参加度(出席状況、予習復習など)30%、定期試験 70%
秋学期
授業概要
最初に「出血症の女性」の物語を手がかりにして、エンパワメントの視点から神やイエスの働きの捉
えなおしを試みる。その後、キリスト教の中心である十字架の出来事をナルシシズムの克服や神の
赦しの問題として捉え、暴力や虐待、犯罪被害者に対して神の赦しが何をどのように迫るのかを考
察し、キリスト教の現代的な意味を明確にする。授業は講義形式で行い、ビデオなども使用。授業
内での発表なし。校外実習なし。毎回、授業の感想・意見・質問などを記入できる出席カードを兼
ねたリアクションペーパーを配布する。
学習目標
(1)神やイエスの働きが人間をエンパワメントする働きであることの理解。
(2)ナルシシズム的信仰の問題点とその克服の道筋の理解。
(3)キリスト教の根幹である十字架の意味の理解。
(4)神の赦しの現代的な意味の理解。
授業計画
【第1回】「出血症の女性の物語」(1)--イエスのエンパワメント的働き
【第2回】「出血症の女性の物語」(2)--暴力被害からの回復
【第3回】「出血症の女性の物語」(3)--秩序形成と暴力発現のメカニズム
【第4回】イエスにおける対話--徴税人ザアカイとの対話
【第5回】ナルシシズム的信仰の克服(1)--ボンヘッファーの「無宗教的キリスト教」
【第6回】ナルシシズム的信仰の克服(2)--全能感願望と去勢。大人になるとはどういうことか。
【第7回】ナルシシズム的信仰の克服(3)--隣人愛と社会倫理
【第8回】イエスの十字架(1)--贖罪論的十字架理解(尾崎豊のケース)
【第9回】イエスの十字架(2)--原始キリスト教会の贖罪論
【第 10 回】イエスの十字架(3)--赦しの問題に関連した DVD の視聴
【第 11 回】イエスの十字架(4)--パウロの十字架理解(1)
【第 12 回】イエスの十字架(5)--パウロの十字架理解(2)
【第 13 回】イエスの十字架(6)--応答能力の形成としての赦し
【第 14 回】イエスの十字架(7)--赦しの贈与
【第 15 回】まとめ
授業に関する注意事項
(1)成績評価とは関係ありませんが、学内のチャペル礼拝への出席をお勧めします。
(2)私語など授業の妨げとなる行為は厳しく対処されます。
教科書
教科書は使用しない。毎回プリントを配布する。
参考書
『聖書・新共同訳』(日本聖書協会)、
栗林輝夫『日本民話の神学』(新教出版社)、
大貫隆『イエスという経験』(新教出版社)、
大貫隆『イエスの時』(岩波書店)、
森岡正博『宗教なき時代を生きるために』(法蔵館)、
水島広子『トラウマの現実に向き合う』(岩崎学術出版社)
成績評価の基準
授業への参加度(出席状況、予習復習など)30%、定期試験 70%
渡辺 祐子(ワタナベ
ユウコ)
春学期
授業概要
キリスト教国ではない日本で生活する限り、キリスト教を学ぶ必然性などないように思えるかもしれな
い。しかし国境を越えた人の移動がここまで盛んになっている今、この社会はすでに日本人だけと
つきあっていればいい社会ではなくなっている。キリスト教を知ることは、他者と多文化を理解し、異
なる価値観、異なる世界観を持つ人たちと共に生きるすべを学ぶことである。授業を通してそのた
めの基本的な知見を養ってゆく。
学習目標
聖書やキリスト教の基本的教理やキリスト教が人類史に及ぼしてきた影響を、講義と映像資料を通
して学び取る。
授業計画
【第1回】オリエンテーション キリスト教を学ぶ意味
【第2回】キリスト教の基礎の基礎
【第3回】キリスト教は欧米の宗教か?
【第4回】創世記を読む1
【第5回】創世記を読む2
【第6回】出エジプトの歴史1
【第7回】出エジプトの歴史2
【第8回】映画『プリンス・オブ・エジプト』
【第9回】士師の時代
【第 10 回】イスラエル王の誕生
【第 11 回】サムエル記を読む ダビデ物語1
【第 12 回】サムエル記を読む ダビデ物語2
【第 13 回】映画『告発のとき』1
【第 14 回】映画『告発のとき』2
【第 15 回】まとめ
授業に関する注意事項
出席と授業態度を重視し、しばしば受講生を指名します。居眠り、内職も慎むように。私語に対して
は非常に厳しく対処します。
教科書
教科書は指定せず、レジュメを配布します。
参考書
授業内で指示します。
成績評価の基準
出席と授業態度 30 パーセント、リアクションペーパーと中間レポート 30 パーセント、筆記試験 40 パ
ーセント
秋学期
授業概要
キリスト教国ではない日本で生活する限り、キリスト教を学ぶ必然性などないように思えるかもしれな
い。しかし国境を越えた人の移動がここまで盛んになっている今、この社会はすでに日本人だけと
つきあっていればいい社会ではなくなっている。キリスト教を知ることは、他者と多文化を理解し、異
なる価値観、異なる世界観を持つ人たちと共に生きるすべを学ぶことである。授業を通してそのた
めの基本的な知見を養ってゆく。
学習目標
聖書やキリスト教の基本的教理やキリスト教が人類史に及ぼしてきた影響を、講義と映像資料を通
して学び取る。
授業計画
【第1回】春学期のおさらい
【第2回】福音書を読む イエスの誕生 クリスマスってなんだろう?
【第3回】福音書を読む イエスの生涯
【第4回】福音書を読む イエスのたとえ話
【第5回】福音書を読む イエスの死とキリスト教の誕生
【第6回】イエスに倣おうとした人々 映画『グローリー 明日への行進』1
【第7回】イエスに倣おうとした人々 映画『グローリー 明日への行進』2
【第8回】キリスト教史1 カトリック世界の成立
【第9回】キリスト教史2 宗教改革
【第 10 回】キリスト教史3 キリスト教、日本へ
【第 11 回】キリスト教史5 プロテスタントの日本宣教 明治学院史のはじまり
【第 12 回】キリスト教史6 戦時下のキリスト教から何を学ぶか?
【第 13 回】戦時下の抵抗 映画『白バラの祈り』1
【第 14 回】戦時下の抵抗 映画『白バラの祈り』2
【第 15 回】まとめ
授業に関する注意事項
出席と授業態度を重視し、しばしば受講生を指名します。居眠り、内職も慎むように。私語に対して
は非常に厳しく対処します。
教科書
教科書は指定せず、レジュメを配布します。
参考書
授業内で指示します。
成績評価の基準
出席と授業態度 30 パーセント、リアクションペーパーと中間レポート 30 パーセント、筆記試験 40 パ
ーセント