エグゼクティブ・サマリ オブジェクト・キャッシングとは

テクノロジー概要:オブジェクト・キャッシング
エグゼクティブ・サマリ
IT 組織は、Blue Coat ProxySG アプライアンスに搭載の MACH5 テクノロジーの WAN 最適化を実装することで、インター
ネット・ゲートウェイの近くや支店/拠点、データ・センタ、さらには個別のエンド・ポイントに至るまで、分散型環境の
あらゆるユーザーに対するビジネス・アプリケーションの配信を加速化しながら保護します。さらに、MACH5 WAN 最適
化フレームワークに不可欠なオブジェクト・キャッシング機能をネットワーク全体に実装することにより、ユーザーのパ
フォーマンスを向上させながらコストも削減でき、生産性向上と利益増大を実現します。
オブジェクト・キャッシングとは
オブジェクト・キャッシングとは、アプリケーション・オブジェクトをローカル・キャッシュに保存することで、要求があるたびにオリジン・
サーバーから取得することなく、オブジェクトを利用できるようにする機能です。キャッシング機能でのオブジェクトとは、名前を指定する
ことで要求できるデータの集合体です。オブジェクトの例としては、ドキュメントやビデオ、Web ページ上のイメージが挙げられます。要求
されたオブジェクトが、ProxySG アプライアンスのキャッシュにすでに保存されている場合、実際のオブジェクトが格納されているサーバー
から直接取得する代わりに、キャッシュ(オブジェクト・ストアとも呼ばれる)からオブジェクトを取得して、ユーザーに提供します。オブジェ
クト・キャッシングでは、アプリケーション間でさまざまな要求やユーザーにわたってオブジェクトを共有できるため、コンテンツを取得す
るための帯域幅とともに、ユーザー要求に起因する通信遅延を減らすことができます。
ネットワークにオブジェクト・キャッシングを導入すべき理由
オブジェクト・キャッシングは、頻繁にアクセスするオブジェクトをキャッシュに保存することで、変更のないコンテンツを繰り返し取得す
る必要性をなくし、帯域幅使用率を削減しながら、コンテンツの取得スピードを向上させます。同一オブジェクトの複製を繰り返し取得して、
WAN の帯域幅を無駄に使用する必要はもうありません。オブジェクトがキャッシュに保存されている場合、WAN を経由するトラフィックは、
アクセス権のチェック(必要な場合)と保存されているオブジェクトの複製が最新の状態にあることを確認するための照合チェックに限定され
ます。そのため、コンテンツがロードされるまでの待ち時間がなくなり、ユーザーからの要求は大幅に加速化され、ユーザー体験と生産性も
向上できます。
オブジェクト・キャッシングは、大容量のファイル、圧縮されたファイル、あるいは暗号化されたファイルを扱う場合に、ファイル・コンテンツの
容量やそのランダムな特性による影響を受けない唯一の WAN 最適化メカニズムです。これは、圧縮された Zip ファイル、圧縮された画像、Acrobat
形式のファイル、ビデオ・ファイルやオーディオ・ファイルなどのマルチメディア・コンテンツについても同様です。さらに、完全に自動化された
透過的な機能であるため、既存のファイル・サービス、Web サイト、ビデオ配信システムなどの設定変更の必要なく利用できます。
オブジェクト・キャッシングの仕組み
オブジェクト・キャッシングでは、要求された各アプリケーション・オブジェクトの複製がローカル・キャッシュに保存され、その後同一オ
ブジェクトが要求されたときには、キャッシュから直接提供されます。ProxySG アプライアンスのオブジェクト・キャッシングは、オブジェ
クトを即座に取得できるようにユーザーの近くのキャッシュに保存するという点で、Web ブラウザのキャッシュと似た仕組みを持ちます。し
かし、Web ブラウザの場合は、キャッシュに保存されたオブジェクトは特定の PC のユーザーにのみ提供されますが、オブジェクト・キャッ
シングでは、アプライアンスがネットワーク内のすべてのユーザーが利用できる共有キャッシュとして機能する点で異なります。さらに、ブ
ルーコート・アプライアンスのオブジェクト・キャッシングは、多くの異なるアプリケーションやプロトコルからオブジェクトをキャッシュ
に保存できるという特長があります。
オブジェクト・キャッシングを利用するうえで最大の懸
念となるのは、最新のデータが提供されているのかとい
うことです。管理者は、レスポンス・タイムの短縮を実
現できますが、コンテンツが最新の状態でなければ別の
問題が浮上することになります。CIFS、FTP、MMS、
RTSP をはじめとするプロトコルに対しては、ユーザー
にコンテンツが配信される前に、毎回サーバーとの照合
を行うことで、コンテンツの鮮度が高い状態にあるのか
どうかを確認します。HTTP および HTTPS コンテンツ
に対しては、アダブティブ・リフレッシュと呼ばれる固
有のアルゴリズムを使用して、鮮度を保証します。
アダプティブ・リフレッシュ
アダブティブ・リフレッシュとは、最新状態にないコンテンツの配信を防ぐために ProxySG アプライアンスで採用している特許取得済みの
アルゴリズムです。サーバーのコンテンツは更新されるため、プロキシでは、一時的に保存されたコンテンツが最新の状態に保たれるように
テクノロジー概要:オブジェクト・キャッシング
する必要があります。従来、プロキシからエンド・ユーザーに確実に最新のコンテンツを配信するために、オリジン・サーバーへ「リフレッ
シュ・チェック」が送信されていました。しかし、コンテンツをすばやく提供するには、このコンテンツに対してリフレッシュ動作の実行を
ユーザーが要求するまでプロキシ側が待つという状況は避けなければなりません。ユーザーからのコンテンツ要求を受けてからリフレッ
シュ・チェックを行うのであれば、ユーザーは、そもそもの遅れの原因となった情報のやり取りによる影響を受けるため、レスポンス・タイ
ムはほとんど改善されません。
オブジェクトをすばやく正確に配信する最良の方法は、リフレッシュ動作と実際のエンド・ユーザー要求とを切り離す方法です。多くのベン
ダが製品にキャッシング機能を搭載しているとうたっていますが、実際には、最新ではないデータが提供されることになるパッシブ・キャッ
シングを採用しているケースが一般的です。MACH5 テクノロジーでは、アダブティブ・リフレッシュによるアクティブ・キャッシングを採
用し、更新の必要性に基づいたオブジェクトのリフレッシュ動作を選択的に実行します。このリフレッシュ動作は、レスポンス・タイムに影
響しないよう、実際のユーザー要求とは非同期で実行されます。
どのオブジェクトをいつリフレッシュするかを決めるためには、オブジェクトの挙動を把握する必要があります。オブジェクトの変更頻度は、
個々に異なります。頻繁に変更されるオブジェクトから、ほとんど変更されないオブジェクトまで、その頻度は多岐にわたります。MACH5 の
アダブティブ・リフレッシュ・アルゴリズムは、キャッシュに保存された Web オブジェクトごとに「変更モデル」を構築する業界唯一のテクノ
ロジーです。また、オブジェクトの要求履歴に基づいて「使用モデル」も構築します。このアルゴリズムによる計算と、その他独自の情報を使用
して、オブジェクトごとに最適なリフレッシュ・パターンを導き出します(アルゴリズムによって算出された値は、モデルの継続的な変動に対し
て常に適用される)。
アダブティブ・リフレッシュ・アルゴリズムを採用する ProxySG アプライアンスは、オリジン・サーバーとの鮮度チェックを自動的に実行
して、古いコンテンツが新しいコンテンツで更新されていることを確認します。たとえば、アプライアンスにアクセスするユーザーの間で、
www.nbcnews.com ホーム・ページのオブジェクトが頻繁に要求される場合、アプライアンスは、
「トップ・ストーリー」など頻繁に変更され
るオブジェクトを頻繁に更新しますが、NBC の会社ロゴのようなほとんど変更されないオブジェクトはそれほど頻繁に更新しません。その
結果、遅れを最小限に抑えながら、最新のコンテンツをエンド・ユーザーに配信します。
業務によっては、特定の Web サイトやオブジェクトをユーザーに配信する前に、必ず鮮度を照合しなければならないことがあります。ある
いは、管理者が、特定のオブジェクトの鮮度をチェックする頻度を個別に設定する場合もあります。アプライアンスでは、デフォルト動作と
して、ヒューリスティックスを使用してオブジェクトの鮮度チェック頻度を決定しますが、キャッシュに保存されたオブジェクトをビジネ
ス・モデルに沿って処理できるよう、アプライアンスを設定できるオプションも多数提供されています。
ブルーコート・アプライアンスの特長
オブジェクト・キャッシング
WAN 最適化ソリューションの一環として、オブジェクト・キャッシングを提供しているベンダは、ブルーコートをはじめとする数社に限られて
います。その中で、ブルーコートのオブジェクト・キャッシングほどユーザーの待ち時間を短縮できる WAN 最適化テクノロジーはありません。
アダプティブ・リフレッシュ
特許取得済みの MACH5 アダブティブ・リフレッシュ・アルゴリズムは、キャッシュに保存された Web オブジェクトごとに「変更モデ
ル」を構築する業界唯一のテクノロジーです。
オブジェクト・パイプライン処理
ブルーコート・アプライアンスのオブジェクト・キャッシングは、オブジェクトが従来の直列ではなく、並列で取得される HTTP/HTTPS
プロトコル最適化(パイプライン処理)と組み合わせることで、初回要求における遅延を 50%削減できるという大きな効果をもたらします。
オブジェクトが一旦キャッシュに保存されると、この遅延は 90%まで削減されます。
SSL 最適化
ブルーコートの MACH5 ソリューションは、オブジェクト・キャッシングによって、内部および外部の SSL アプリケーションを加速化お
よび最適化できる唯一のソリューションです。セキュアな(HTTPS) Web アプリケーションの利用がますます増える中、SSL 最適化は、
あらゆる組織の WAN 最適化プロジェクトにとって必要不可欠な機能となっています。
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