第3章 動詞と動詞句 3.1節∼3.20節 【後藤高史】

《サブゼミナール》
Randolf Quirk & Sidney Greenbaum (1973)
A University Grammar of English. Longman
第3章 動詞と動詞句
第3章 動詞と動詞句 3.1節∼3.20節 【後藤高史】
3・1
動詞の型
①語彙的
walk, write, play, beauty
etc
②助動詞 ⅰ 第一次助動詞 do, have, be
ⅱ 法助動詞 can, may, shall, will, could, might, should, would,
must, ought to, used to, need, dare
3・2
動詞の形態と動詞句
①基本形(V)
call, drink, put
②−s形(V−s) calls, drinks, puts
③過去(V−ed1) called, drank, put
④−ing 分詞(V−ing)
calling, drinking, putting
⑤−ed 分詞(V−ed2)
called, drunk, put
3・3
語彙的動詞の形態論
call…語彙的動詞の規則形(③と⑤が同じ),drink…語彙的動詞の不規則形(③と⑤が違う)
※ 法助動詞の場合、屈折が不備
put…変化なし
3・4
規則的な語彙動詞 (基本形を知れば、他の形が予想できる)
call, calling, calls, called
3・5
−ing 形と−s 形
①−ing 形→基本形に足す
ex. sleep→sleeping
②−s 形
ⅰ有声または無声の歯擦音で終わる場合 (iz): 基本形が−e で終わっていない限り、−es と綴ら
れる。
ex.
pass→passes, buzz→buzzes, budge→budges
ⅱそれ以外の有声音で終わる場合 (z) −s と綴られる
ex.
call→calls
ⅲそれ以外の無声音で終わる場合 (s) −s と綴られる
ex.
lock→locks
3・6
規則動詞の過去形と過去分詞の3つの異なった形
ⅰ.
/ɪd/:
/d/や/t/で終わる基本形のあと. ex. pad→padded
ⅱ.
/d/:
/d/以外の有声音で終わる基本形のあと. ex. mow→mowed
ⅲ.
/t/:
/t/以外の無声音で終わる基本形のあと. ex.
3・7
pass→passed
子音の繰り返し
ⅰ. 繰り返しあり→基本形の末尾の子音の先行する母音が強勢を有し、かつ単一の文字で
綴られている場合. ex. permit
permitting
permitted
ⅱ繰り返しなし→母音に強勢がないか、または2つの文字で綴られている場合
ex.
enter entering entered
例外 ⅰ g→gg
humbug
Chap3-1
c→ck→繰り返しあり
humbugging humbugged, traffic
trafficking
trafficked
池上嘉彦(訳)(1977)『現代英語文法 大学編』紀伊國屋書店
《サブゼミナール》
Randolf Quirk & Sidney Greenbaum (1973)
A University Grammar of English. Longman
第3章 動詞と動詞句
ⅱ イギリス英語とアメリカ英語の違い
l→ll
m→mm
p→pp
travel travelling travelled 英
travel traveling
traveled 米
program programming
programmed 英
program programing
programed 米
worship
worshipping
worshipped 英
worship
worshiping
worshiped 米
3・8
−y の取り扱い
ⅰ 子音+y
carry
carries
carried
carrying
例外(母音のあとでも y→i) lay→laid
pay→paid
ⅱ −ie で終わる場合→y に置き換え lie→lying
3・9 −e の消去 → −ing と−ed の前
shave
shaving
shaved
例外 −ee、−ye、−oe、−ge で終わる場合は落ちない
agree
3・10
agreeing
agreed
不規則動詞
不規則動詞は、規則動詞とは違って、屈折語尾を持たない、基本形の母音が変わる、いくつかの異なる
形態を持っている、などの特徴がある。このようなことをもとに、分類を行う。
第1類 過去形と過去分詞が同じ。接尾辞が用いられるが音声化の有無はまちまち。
全ての部分を通じて母音は同一。 burn→burnt
第2類
第3類
第4類
第5類
第6類
bend→bent
1類とほぼ同じだが、基本形の母音が変化。 deal→dealt
原型、過去形、過去分詞が全て同じ。 cut
put
hit
2類とほぼ同じだが、接尾辞がつかない。 win→won
過去形か規則的、過去分詞が不規則。 show
have→had
buy→bought
sell→sold
cost
dig→dug
showed
shown
原型、過去形、過去分詞が全て異なり、過去分詞の語尾は−(e)n。さらに、過去分詞は、
1) 過去形と同一母音を持つ、 2)原型と同一母音を持つ、 3) 3つが全て異なる、4) 3つが
全て同一母音を持つ、 過去形と過去分詞が異なる母音を持つ、などの特徴がある。
break
broke
broken
blow
blew
blown
drive
drove
driven
beat
beat
beaten
第7類 過去形、過去分詞ともに不規則で、常に何らかの母音変化がある。
begin
3・18
began
begun
助動詞について
助動詞には、全て、短縮されない否定形と、短縮された否定形がある。イギリス英語の have は助動詞とし
てよく用いられている。これに対し、アメリカ英語は do による構文を好む。また、法助動詞においても、イ
ギリス英語は、used he do という独特の形をとる。dare や need は、法助動詞としても語彙的動詞としても用
いられるが、助動詞とては、アメリカ英語の方が多く用いられている。
Chap3-2
池上嘉彦(訳)(1977)『現代英語文法 大学編』紀伊國屋書店
《サブゼミナール》
Randolf Quirk & Sidney Greenbaum (1973)
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第3章 動詞と動詞句
第3章 動詞と動詞句
3.21節∼3.44節 【佐藤和貴】
時制・相・法
時間は普遍的な非言語概念であって、過去、現在、未来という三つの区分がある。時制というのは、動詞の形
態と我々の時間の観念の間の対応というふうに解せられる。相は動詞によって表される行為がどのような様態で
経験されたり捉えられたりするか(完了したものや進行中など)ということに関係する。一方、法は動詞の表す行
為を確実さ、義務、必然性、可能性などの状況と関係づける。これら三つの範疇はお互い同士かなり重なり合っ
ており、とりわけ現在、および過去時の表現は相と切り離しては考えられず、未来時の表現は法と密接に結びつ
いている。
3.21 法助動詞
非否定形
否定形
縮約された否定形
can
can not
can’t
could
could not
couldn’t
may
may not
mayn’t(イギリス英語)
might
might not
mightn’t
shall
shall not
shan’t(イギリス英語)
should
should not
shouldn’t
will
will not
won’t
would
would not
wouldn’t
must
must not
mustn’t
ought to
ought not to
oughtn’t to
used to
used not to
usedn’t to(didn’t used to)
need
need not
needn’t
dare
dare not
daren’t
3.22 周辺的な法助動詞
dare と need は構文上法助動詞(to なし不定詞を伴い、-s の屈折形はない)としても、語彙的動詞(to 不定詞を伴
い、-s の屈折形をとる)としても用いられる。法助動詞としての構文は非断定的なコンテクスト、つまり主として否
定文と疑問文に限られる。一方、語彙的動詞としての構文はどのような場所にも用いることが可能であり、そのほ
うが普通である。
3.23 定動詞句と非定動詞句
動詞の変化形は定動詞句と非定動詞句の中で機能するが、この二種類は次のように区別される。
定動詞句
・ 時制上の区別がある。 例:He studies(studied) English.
・ 節の動詞要素として現れる。
・ 直説法、命令法、接続法の法がある。
非定動詞句
・ 不定詞(to~) 例:(to)call
Chap3-3
池上嘉彦(訳)(1977)『現代英語文法 大学編』紀伊國屋書店
Randolf Quirk & Sidney Greenbaum (1973)
《サブゼミナール》
A University Grammar of English. Longman
第3章 動詞と動詞句
・ -ing 分詞
・ -ed 分詞
例:calling
例:called
3.27 時制と相
単純形
複合形
現在時制
write
am writing(進行相) 現在
過去時制
wrote
was writing(進行相) 過去
have written(完了相) (現在)完了
had written(完了相) 過去完了
have been writing(完了進行相) (現在)完了
had been writing(完了進行相) 過去完了
3.28 現在時制
現在時制は三つの基本的な型を区別する必要がある。
(1)無時間性: 単純な現在形で表され、習慣的行為や普遍的な陳述に使われる。
例:I always write with a special pen when I sign my name.(私は名前をサインする時
にはいつも特別のペンで書く。)The sun sets in the west.(太陽は西に沈む)
(2)制限的現在: 現在進行形によって表され、行為が進行中で継続期間が限られていること、さらには行為
に継続性がないような動詞についても未完了を表すことができる。習慣的行為についても
用いられ、いらだたしさのような感情的色彩を与える。
例:I am writing on this occasion with a special pen since I have mislaid my ordinary one.(私はいつものペ
ンを置き忘れたので今は特別なペンで書いている。)The bus is stopping(バスが止まりかけている。)
He’s always writing with a special pen just because he likes to be different.(彼は人と違って見られたい
という理由だけでいつも特別なペンで書いている。)
(3)瞬間的現在: 単純形または進行形によって表される。スポーツ実況などでは単純形が使われるのが普通
であり、ある種の遂行的宣言では単純形が義務的に用いられる。
例:Watch carefully now. First, I write with my ordinary pen; now, I write with a special pen.(よく見てくださ
い。まず私のいつものペンで書きます。今度は特別なペンで書きます。)Moore passes to Charlton.(モ
アがチャールトンにパスする。)I name this ship Snaefell.(この船をスニーフェル号と命名します。)
3.29 過去時制
過去時制は次のように捉えられる。
・ ある特定の時点で起こったものとしての単純過去
例:I wrote my letter of 16 June 1972 with a special pen.
(私は 1972 年 6 月 16 日の手紙を特別なペンで書いた。)
・ ある期間にわたって起こったもので、それが現在まで及んでいるものである現在完了
例:I have written with a special pen since 1972.(私は 1972 年以来ずっと特別なペンを使っている。)
・ ある期間にわたって起こったもので、過去だけに関係して完了したものである単純過去
例:I wrote with a special pen from 1969 to 1972.
(私は 1969 年から 1972 年まで特別なペンを使って書いた。)
・ ある期間にわたって起こったもので、過去だけに関係してまだ完了していない過去進行
Chap3-4
池上嘉彦(訳)(1977)『現代英語文法 大学編』紀伊國屋書店
《サブゼミナール》
Randolf Quirk & Sidney Greenbaum (1973)
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第3章 動詞と動詞句
例:I was writing poetry with a special pen.(私は詩を特別なペンで書いていた。)
3.30 過去時制と完了形
完了相の選択は出来事がどのような時間に起こったかということ、ひいては時間を指示するさまざまな表現と関
係を有する。それゆえ、これらとの関連で考察する方が便利である。次にあげる例がよく使われる副詞である。
・ 単純な過去形に伴う副詞類(今となっては過去となってしまった期間)
I worked yesterday(昨日)/ throughout January(一月中)/on Tuesday.(火曜日に)
・ 現在完了に伴う副詞類(過去に始まって現在まで続く期間)
I have worked since last January(この前の一月から)/up to now(今まで)/lately(最近)/already.(すでに)
・ 単純過去または現在完了に伴う副詞類
I worked today(今日)/have worked this month(今月)/for an hour.(一時間)
また、完了形は記憶の及ぶ一番早い時期から現在に至る時間の範囲と関係しうるということで一種の不定の感
じを伴っており、そのため、談話の話題を導入するのに適した言語表現である。話題が絞られていくにつれ、確
定的な感じが高まり、それが名詞句の中で表示されるだけでなく、単純過去形によっても示される。
例:Did you know that John has painted a portrait of Mary?
(ジョンがメアリの肖像画を描いたことを知っていましたか)
Did you know that John painted this portrait of Mary?
(ジョンがメアリのこの肖像画を描いたことを知っていましたか)
3.33 過去と進行形
現在形の場合と同様に、過去形で用いられた進行形は行為の限られた継続を表す。したがって、それは他の出
来事がその中で起こっていると考えられる時間帯を示すのに便利である。また、明らかに一時的な習慣や未完
了の行為なども表すことができる。
例:While I was writing, the phone rang.(私が書いている最中に電話がなった。)
At that time, we were bathing everyday.(その頃、私たちは毎日水浴していた。)
The girl was drowning in the lake.(その少女は湖で溺れかけた。)
3.34 現在完了進行形
現在完了進行形は限られた継続性(あるいは未完了)と現時点での関連性の両方を表すことができる。ごく最近
なされてその影響がまだあきらかに残っているような行為をしばしば表す。この場合 just という副詞を伴う。
例:He has been eating my chocolates.(彼は私のチョコレートを食べ続けている。)
Oh look! It has just been raining.(ほら、ごらんなさい。ついさっきも雨が降っていましたよ。)
3.35 動詞の意味と進行形
進行形は動的な動詞についてのみ用いられ、これらは五つの部類に分けられる。行為動詞と過程動詞は進行
相の形をとり、進行中の未完了の出来事を表すのに用いられる。身体的感覚を表す動詞は単純形でも進行形
でも用いられ、意味の違いはほとんどない。推移的な出来事を表す動詞は進行形でも用いられるが、単純相の
場合と比べると意味上の変化がある。進行形になると、始動、つまり推移の開始のみが意味される。瞬間的動詞
は期間という意味合いはほとんど含まず、そのため進行相になると反復という意味合いが強く現れる。
(1)行為動詞: 例:abandon, ask, beg, call, drink, eat, help, learn, listen, look at, play, rain, say,
slice, throw, whisper, work, write, etc.
Chap3-5
池上嘉彦(訳)(1977)『現代英語文法 大学編』紀伊國屋書店
Randolf Quirk & Sidney Greenbaum (1973)
《サブゼミナール》
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第3章 動詞と動詞句
(2)過程動詞: 例:change, deteriorate, grow, mature, slow down, widen, etc.
(3)身体的感覚を表す動詞:
(4)推移的な感覚を表す動詞:
例:ache, feel, hurt, itch, etc.
例:arrive, die, fall, land, leave, lose, etc.
(5)瞬間的動詞: 例:hit, jump, kick, nod, tap, etc
一方、状態的動詞は進行形をとらず、活動的でない知覚や認識を表す動詞と関係を表す動詞の二つの部類に
分けられる。活動的でない知覚や認識を表す動詞のうちあるものは受容的な主語以外のものをとることがあり
(例:I am thinking of you all the time.)、その場合は行為動詞の部類に属する。
(1)活動的でない知覚や認識を表す動詞: 例:abhor, adore, astonish, believe, desire, detest, dislike,
doubt, feel, forgive, guess, hate, hear, imagine, impress, intend, know, like, love, mean, mind,
perceive, please, prefer, presuppose, realize, recall, recognize, regard, remember, satisfy, see,
smell, suppose, taste, think, understand, want, wish, etc.
(2)関係を表す動詞: 例:apply to(everyone), be, belong to, concern, consist of, contain, cost, depend on,
deserve, equal, fit, have, include, involve, lack, matter, need, owe, own, possess,
remain (a bachelor), require, resemble, seem, sound, suffice, tend, etc.
3.36 未来時制
英語には現在と過去についての時間と時制の関係に対応するような形での明確な未来時制というのはない。
未来時と法と相はたがいに密接に関連しており、未来時には法動詞または準助動詞を用いて、もしくは単純な
現在形が進行形をもって表現される。
3.37 Will と shall
無色で中立的な未来を表す。will はすべての人称において、shall は一人称のみ、とりわけイギリス英語で
用いられる。
例:I will/shall arrive tomorrow.(私は明日到着します。)
3.38 Be going to
現在のことの未来における完成を表し、現在の意図から生じる未来のこと、現在の原因から生じる未来のこ
とを二つの意味を持つ。
例: When are you going to get married?(あなたはいつ結婚しますか。)
She’s going to have a baby.(彼女は赤ちゃんができることになっている。)
3.39 現在進行形
規定の取り決め、計画、プログラムなどの現在時において予想されるものを指す。 arrive, come, go, land,
start, stop などの二つの状態や地点の間の移行を表す動的な推移動詞がしばしば使われる。
例:The plane is taking off at 5.20.(飛行機は 5 時 20 分に離陸する予定である。)
3.40 単純現在
非常に確実で顕著な未来の様相を表す。また、変えられない出来事、つまり規定のことについても用いられ
る。条件(if, unless など)や時間(as soon as, before, when など)を表す従属節でも規則的に用いられる。
例:What time is the football match?(フットボールの試合はいつですか。)
What will you say if I marry my boss? (もし私が主任と結婚するとしたら、あなたはなんと言いますか。)
Chap3-6
池上嘉彦(訳)(1977)『現代英語文法 大学編』紀伊國屋書店
Randolf Quirk & Sidney Greenbaum (1973)
《サブゼミナール》
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第3章 動詞と動詞句
3.41 Will/shall+進行形
意志や固執などの意味合い(will や shall、be going to はそのようにとられることがある)はこの結合を使うこと
によって避けることができる。この複合的な構文は単に助動詞を使っただけの構文より如才なさや深い気持
ちが込められていることを伝えるのに用いる。
例:He’ll be doing his best.(彼は最善をつくすことだろう。)
When will you be putting on another performance? (いつもう一度公園をやることになるでしょうか。)
3.42 Be to+不定詞
取り決めや命令、または偶発的未来を表す。
例:
There’s to be an investigation.(調査があります。)
You are to be back by 10 o’clock.(十時までに戻ってらっしゃい。)
If he is to succeed, he must work harder.
(もし成功するとしたら、彼はもっと一生懸命に働かなければならない。)
3.43 Be about to+不定詞
近い未来、つまり、さし迫った実現を表す。
例:The taxi is here and we are about to leave.(タクシーが着いて、私たちは立ち去るところです。)
未来表現のうちあるいくつかのものは過去時制の形でも使われ、過去時における論点から
見た未来の時間を表すことがある。
3.44 過去から見た未来
(1) would を伴う助動詞構文(まれに文語の物語風の文体)
例:The time was not far off when he would regret his decision.
(彼が自らの決定を後悔する時も遠くはなかった。)
(2) Be going to(実現されなかった意図)
例:You were going to give me your address.(あなたは私に住所を教えてくれるとのことだった。)
(3) 過去進行形
例:I was meeting him in Bordeaux the next day.(私は翌日ボルドーで彼と会うことになっていた。)
(4) be to(∼と運命づけられていた・∼と取り決められていた)
例:He was later to regret his decision.(彼はあとで後悔する運命だった。)
(5) be about to(∼しようとして)
例:He was about to hit me.(彼は私を殴ろうとするところだった。)
3.45 法
英語で法が接続法で表されるのは極めて限られた場合(例:So be it then!それではそうすることにしよう)だけ
であり、過去時制で表されることが多い。とりわけ多いのは法助動詞による場合である。
例:If you taught me, I would lean quickly.(もしあなたが教えてくれたら、私はもっと早く習えるだろうに。)
It is strange that he should have left so early.(彼があんなに早く立ち去ったのは奇妙だ。)
Chap3-7
池上嘉彦(訳)(1977)『現代英語文法 大学編』紀伊國屋書店
《サブゼミナール》
Randolf Quirk & Sidney Greenbaum (1973)
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第3章 動詞と動詞句
3.46 接続法
接続法には三つの範疇が区別される。
(1)命令的接続法(mandative subjunctive)
that 節に導かれる節で用いられ、基本形(Ⅴ)の形に限られる。定動詞が三人称単数現在の場合は主語との
間に普通の直説法 で見られるような一致を欠くこととなり、現在時制と過去時制の区別もなくなる。主語が推薦、
決心、要求などの表現(damand, require, move, insist, suggest, ask, etc)を含む場合に、従属節において動詞の
種類には関係なく用いられる。
例:It is necessary that every member inform himself of these rules.
(すべてのメンバーがこれらの規則を承知していることが必要だ。)
It is necessary that every member should inform himself of these rules.(同上)
It is necessary for every member to inform himself of these rules.(同上)
(2)定型的接続法(formulaic subjunctive)
基本形(Ⅴ)からなるが、全体として記憶しなければならないようなある種の定型的表現で節の形としてのみ用
いられる。
例:God save the Queen!(女王陛下万歳)
Heaven forbid that…(…とはとんでもないことだ。)
(3)接続法
were は仮想という意味で、条件や譲歩の節、wish のような希求動詞の後の従属節で用いられる。あまり形式ば
らない文体では was を使うのが普通である。
例:If she were(was) to do something like that,…(もし彼女がそのようなことをしたいならば…)
Chap3-8
池上嘉彦(訳)(1977)『現代英語文法 大学編』紀伊國屋書店
《サブゼミナール》
Randolf Quirk & Sidney Greenbaum (1973)
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第3章 動詞と動詞句
第3章 動詞と動詞句
3.45節∼3.55節 【下川康太郎】
3.46 法∼接続法
接続法には、三つの範疇で区別される。
a, 命令的基本形(mondative subjunctive)
¾
主節(it is necessry)が推薦、決心、要求なら従属節の v の種類は関係なくなる。
It is necessary that every member inform himself of these rules.
<すべてのメンバーがこれらの規則を承知しているのことが必要だ。>
It is ... every member should inform...
It is necessary for every member to inform ...
¾
that 節の中では、基本形の v になる。定動詞が3人称単数なら、主語との一致を欠くことになり、現在
時制と過去時制の区別もない。
¾
一番目はアメリカ英語に見られ形式的で、二、三番目はは口語的である。
b、定型的接続法(formulated subjunctive)
¾
基本形vからなるが、定型的表現に形としてだけ使われる。
Come what may , we will go ahead. <何が起ころうとも、われわれは進んでいく>
c、接続法
If she were{was} to do something like that ... <もしも彼女がかりにそういうことをするのなら...>
¾
この用法の were はかそうという意味で、条件や譲歩節で用いられる。
I wish I were{was} dead. <私は死にたい>
¾
また、were は wish のような希求動詞の従属節で使われる。
*as it were <いわば>、if I were you <もしあなただったら>の場合も were が普通である。
3.47 法的な過去時制
We were catching the 8o'clock train and it is nearly 8 o'clock already.
<私たちは8時の列車に乗るはずだったが、もうほとんど8じ近くだ。>
¾
be 以外のすべての動詞に関して非現実的な条件を表す場合は、過去時制によって伝えられる。上の
例は、8時に乗ると決めていたという内容が潜在的に存在する。
法助動詞の用法
can/could
can
(1)能力=be able to,be capable to,know how to <できる>
How can speak English but he can't write it very well.<彼は英語を話せるが、余り上手に書けない>
(2)許可=be allowed to, be permitted to, may<してもよい>
Can I smoke in here? <この中では煙草をすってもよいのですが>
(3)理論的可能性 (may=実際的可能性と対立)
Anybody can make mistake.<誰だって誤りをしうる>
Could
(1)過去能力
I never could play the banjo.<私はバンジョーを全然弾けなかった>
Chap3-9
池上嘉彦(訳)(1977)『現代英語文法 大学編』紀伊國屋書店
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第3章 動詞と動詞句
(2)現在または過去の時制
Could I smoke in here ?<この中で煙草をすってもよいのでしょうか>
(3)現在の可能性 (理論的、実際的)
We could go to the concert. <演奏会へは行けるのだろうか>(実際的)
THe road could be blocked. <道路は封鎖できるだろう>(理論的)
(4)非現実の条件に基づいた可能性や能力
If we had more money,we could buy a car. <もっとお金があったなら、車が買えるのに>
注[a]能力は意欲という意味を伴うことがある。(特に会話)
Can/could you do me a favor? <お願いがあるのですが>
[b]過去の許可は could で表されることがある。
Children could'nt make a noise because of the neighbors.
<近所の人がいるため、子供たちは騒いではいけなっかたのです>
許可と可能性の can/could の過去は、could have+V-ed で使うのが普通である。
Tonight you can dance if you wish but you could have danced last night equally.
<もししたければ今夜ダンスをしてもよろしいが、昨晩だってダンスをすることができたのですよ>
[c]I can hear footsteps. <足音が聞こえる>
特定の知覚動詞を伴うと、can+V は、be+V-ing と同じ意味になる。
may/might
may
(1)許可<してもいよい>=be allowed to
You may borrow my car if you like<もしよかったら私の車を借りてもよいのですよ>
ただし、この場合、may は can よりも形式的な言い方。
You {musn't,not alolowed to,may not} borrow my car.
may not よりも musn't のほうが強い禁止となる。
(2)可能性(実際的なもの)
The road may be blocked.<道路封鎖ということはありうる>
=It is possible that the road is blocked.
It is possible to block the road. <道路封鎖をすることは可能だ>
この場合、それほどふつうではない意味となる。
Might
(1)許可(稀)
Might I smoke in here? <この名 k でタバコをすってもよいのですか>
(2)可能性
①理論的
What you say might be true. <あなたのいうことは本当かもしれない>
②実際的
We might go to the concert. <私たちはコンサートへ行くのかもしれない>
注 [a] ay と might は平叙文から疑問文、否定文に移ると意味が変わる。
[b] ay は願望を表すため、ふつう肯定文である。これを準接続法と呼ぶ。
May he never set foot in this house again.<彼がこの家に二度と足を踏み入れませんように>
Chap3-10
池上嘉彦(訳)(1977)『現代英語文法 大学編』紀伊國屋書店
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第3章 動詞と動詞句
shall/should
shall
(1) 2,3人称の話者の意思∼この用法は限られている。
He shall get his money.
<彼にお金をやろう>
You shall do exactly as you wish.
<あなたの望む問う通りにさせよう>
(2) 話者の意思(1人称のみ)
I shan't be long.
<長く手間はとらない>
(3) ① 固執(限定されている)
You shall do as I say.
<私の言う通りにしなさい>
He shall be punished.
<彼は罰せられなくてはならない>
② 法律的または準法律的命令
The vendor shall maintain the equipment in good repair.
<売り手をよく装置を手に入れした状態に保たねばならない>
¾
(1)(2)(3)で多く使われるのは(1)(2)である。イギリス英語では意思の shall の用法は限られている。
しかし、一人称の疑問文は例外である
Shall/*Will I come at once. <すぐ参りましょうか>
¾
一人称複数では・・・shallは指示を含み、willは意思を含まない未来を表す(アメリカ英語)
What shall/will we drink? <何を飲みましょうか/飲むのでしょうか>
Will I/weは頼りのない途方にくれた状態を表す。
How will I get there?<どうすればそこへいけるのでしょうか>
What will I do?<どうしよう>
¾
この用法はアメリカ英語に多いが、(sholdの方が普通)イギリス英語にもある。そして、be going toでも
表される。
What are we going to do? <私たちはどうすればよいのか>
should
(1) 義務と論理的必然性=ought to <べきである、はずである>
You should do as he says.<彼のいうとおりにすべきだ>
They shuld be home by now.<もう家についているはずだ>
(2) ある種の表現(I am surprising that・・・<とは驚いた>)の後での「推定的」用法
I am sorry that this should have happened. <こんなことがおこったことは残念だ>
(3) 主節で条件の帰結を表す用法 (一人称だけで、イギリス英語に多い)=would
We should/would love to go abroad、if we had the chance.
<もし機会があったなら、外国へ行きたい>
(4) かなり形式ばった現実的な条件
If you should change your mind、please let us know.
<もしも決心を変えるようなことがあったなら、知らせてください>
will/would
will
(1) 意思、丁寧な依頼に用いる
He'll help you if you ask.<彼は頼めば助けてくれるだろう>
Chap3-11
池上嘉彦(訳)(1977)『現代英語文法 大学編』紀伊國屋書店
Randolf Quirk & Sidney Greenbaum (1973)
《サブゼミナール》
A University Grammar of English. Longman
第3章 動詞と動詞句
Will you(please、kindly、etc)open the window?<(どうか)窓をあけてくださいませんか>
(2) 意図、通常'llに縮約、主に一人称
We won't stay longer than two hours.<二時間以上はとどまりません>
(3) 固執 強制があるため、'llの縮約形はない
He will do it、what ever you say.
=He insists on doing that・・・<あなたがなんといおうと、彼にはそうさせます>
Cf.
He shall do it whayever you say.
=I insist on his doing it・・・<あなたがなんと言おうと、彼にはそうさせます>
(4) 予言('llに縮約するのが普通)
(a) 特定の予言
The game will/must/should be finished by now.
<ゲームはもう終わっているだろう、にちがいないはずだ>
(b) 超時間的予言
Oil will float/floats on water.<油は水の上に浮く>
(c) 習慣的予言
He'll(always)talk for hours if you give him the chance.
<彼は機会を与えてやれば、(いつでも)何時間でも話すだろう>
*論理的必然性や習慣的現在を表す意味は、他の表現と似た意味と比べる。
Would
(1) 意思
Would you excuse me?<失礼してもよろしいでしょうか>
(2) 固執
It’s your own foult;you would take the baby with you.
<あなたが悪いのよ。あなたが赤ん坊をつれて行くってきかないからよ>
(3) 過去における特徴的な行為(相と同じ効果を持つことが多い)
Every morning he would go for a long walk.<彼は毎朝、散歩に長い時間出るのが常であった>
* 習慣的なもの
John would make a miss of it.<ジョンはいつもへまをやったものだ>
* 典型的なもの
(4) 条件説で帰結を表すもの
He would smoke too much,if I did not stop him.
<私がやめさせなければ、彼はたばこを吸いすぎるだろう>
(5) 漠然性
That would be his mother.<それはたぶん彼女のお母さんだろう>
[注]選択を含んだ意思はwould rather/soonerを用いる
Would you like tea or would you rather have coffee?
<お茶にしますか、それともコーヒーがよろしいですか>
I think I’d rather have a tea.<お茶の方にしたいと思います>
* sooner を使うのは形式ばらない言い方。
Must
Chap3-12
池上嘉彦(訳)(1977)『現代英語文法 大学編』紀伊國屋書店
Randolf Quirk & Sidney Greenbaum (1973)
《サブゼミナール》
A University Grammar of English. Longman
第3章 動詞と動詞句
(1) 現在時制での義務または強制 =be obliged to,have(got)to
You must be back by 10o’clock.<10時までに戻ってこなくてはいけません>
¾
否定形には二つ種類がある
1. not obliged to<するに及ばない>needn’t,don’t have to
You needn’t/don’t have to/are not obliged to be back by 10o’clock.
<あなたは十時までに戻ってくるに及びません>
2. be obliged to<しなくてはならない>musn’t
Yesterday you said you had to/must be back 10o’clock.
<昨日、あなたは十時までに戻ってこなくてはならないといいました>
(2) (論理的)必然性
There must be a mistake. <間違いがあるにちがいない>
¾
否定や疑問文では can が代わりに用いられる。
There cannot be a mistake.<間違いなどあるはずがない>
¾
Must は表面的には疑問文ではあるが、答えをすでに予想された文で使われる。
Musn’t there be another reason for his behavior.
<彼の振る舞には別な理由があるのではなかろうか>
Ought to
義務、論理的必然性」または期待
You ought to start at once.
They ought to be here by now.
<すぐ出発すべきだ>(期待)
<もうここについていいはずだ>
[注] ought to と should は義務、論理的必然性を表すが、must や have to ほど絶対的な調子ではない。
ought to は倒置による疑問文ではぎこちなく感じられ、should のほうが好まれる。ought to よりさらに
調子の弱いものは had/’d better/best(プラス to なし不定詞)である。
A: Must you go? <もういかなくてはならないのですか>
B: Well,I don’t hav to,but I think I’d better (go).
<いや、行かなくてはならないというわけではないが、行ったほうがいいと思う>
3.54 法助動詞の時制
¾
¾
現在形と過去形を相応した形で持っている法助動詞は一部だけである。
現在
過去
can
could
may
could(might)
shall
should
will/’ll
would/’d
must
(had to)
―
used to
ought to
−
need
−
dare
dared
許可の意味の may の通常の過去形は could である。
Today,we can/may stay the whole afternoon. <今日は午後ずっといられます>
Yesterday,we could only stay for a few minutes. <昨日はほんの数分しかいられませんでした>
Chap3-13
池上嘉彦(訳)(1977)『現代英語文法 大学編』紀伊國屋書店
《サブゼミナール》
Randolf Quirk & Sidney Greenbaum (1973)
A University Grammar of English. Longman
第3章 動詞と動詞句
¾
must,ought to,need には披伝達部の中で用いられる以外は過去形で使われない。ただし、must と have
to の過去形として、had to がつかわれる。
He must/has to leave by now.<彼はもう行かなくてはならない>
He *must/had to leave in a hurry yesterday.<彼は昨日、急いで立ち去らねばならなかった>
¾
被伝達部では must は過去形として使われる。
Yesterday you said that you must be back by 10o’clock.
<昨日あなたは、十時までに戻らなくてはならないといいました>
¾
上で述べたことをまとめると以下のようになる。
Yeasterday the children *must/*ought to/*needn’t/?daren’t dared not/daren’t/didn’t dare go out
and play.<昨日は子供たちはあえて外に出て遊ぼうとはしなかった>
He said the children must/ought to/need’t/daren’t/dared not didn’t dare go out and play.
<彼は子供たちは外へ出て遊ばなくてはならない(遊ぶべきだ、遊ぶに及ばない、
遊ぶ勇気はなかった)と言っている>
3.55法助動詞と相
¾
能力や許可を表す法助動詞、shall や will が意思を表す場合、ふつう完了相と進行相になることはで
きない。しかし、それ以外の法的な意味はこれらの相でも自由に使える。
1. 可能性
He may have missed the train.
<彼は列車にのりおくれたかもしれない>
He may have been visiting his mother.
<彼は母親を訪ねていたかもしれない>
He can’t be swimming all day.
<彼は一日中泳いでるわけはない>
<彼は働いていたはずがない>
He can’t have been working.
2. 必然性
He must have left his umbrella on the bus. <彼はかさをバスに忘れてきたに違いない>
I must be dreaming.
<私は夢を見ているにちがいない>
You must have been sitting in the sun.
<あなたは日なたに座っていたに違いない>
3. 予言
The guests will have arrived by now.
<お客はもう到着しているだろう>
John will still be reading his paper.
<ジョンはまだかれの発表をまだやっている最中だろう>
Chap3-14
池上嘉彦(訳)(1977)『現代英語文法 大学編』紀伊國屋書店