ヒ ラ ヤ マ ニ ュ ー 12 ス HIRAYAMA News December,2011 Vol.5 Thinking Future Together... 製造業派遣の原則禁止「削除」へ 人材業界に次代の胎動 改正労働者派遣法案について、 政府・民主党の「修正案」骨子が固まり、 公式の政党間協議の場に浮上しました。 10月中旬までに民主、自民、公明の実務者らが水面下で詰めの調整(成立に向けた落とし所)を模索していま したが、その動きが臨時国会中盤で表面化した格好です。修正案のポイントは「製造業派遣と登録型 派遣の原則禁止の削除」です。率直に言って、政府が規制色の強い法案を事実上2年近くも掲げていた ことによる労働現場への混乱と余波は小さくありません。そうした一方で、民間の人材サービス関連 4団体が次代を見据えた横断的な連携に向けた動きを加速させています。 改 正労働者派遣法案に大きな展開がありました。昨春の 法案提出から実質的な審議に入れない状態が続いて 来年7月、 「人材サービス産業協議会」設立へ 民間の人材サービス関連4団体が、横断的な連携組織とな いましたが、政府・民主党が「大幅な修正」を前提に自民、 る「人材サービス産業協議会」 (仮称)の設立に動き出しまし 修正案の要所は、製造業派遣と登録型派遣の原則禁止を 立をめざします。4団体は全国求人情報協会、日本人材紹介 公明と活発化させていた調整内容が概ね整いました。 「削除」するなど、規制色を緩和させたことにあります。会期 延長が見込まれる臨時国会ですが、来春の解散総選挙をにら んだ動きと、民主、自民それぞれの党内分裂が激化しており、 年内成立は微妙です。ただし、成立、または継続審議のいか た。12月に協議会設立準備委員会を開設し、来年7月の設 事業協会、日本人材派遣協会、日本生産技能労務協会です。 求人広告、 派遣、 請負、 人材紹介などの人材サービス産業が「共 通のテーブル」を持ち、今年6月以降、研究会「人材サービ ス産業の近未来を考える会」を設け、その機能や役割につい んにかかわらず、政府が「原則禁止の看板を下ろした」とい て調査していました。 抑制の流れに「転調」をもたらします。 で、 より多くの就業機会を生み出すことに努める」と強調。 (1) 衆院選のマニフェストにも掲げた改正案の看板である「3つ 取り組み推進のため、 「人材サービス産業協議会」 (仮称)を 対象から削除しました。いずれにも「在り方を検討事項とす トナーシップを推進するーーとの共同宣言を発表しました。 から出ている「骨抜き批判」を少しでもかわそうとする文言 WIN-WIN-WIN 平山の 「現場改善コンサルティング」 の輪 う事実は大きく、派遣だけでなく企業による外部人材の活用 では、修正案の概要と課題を整理します。民主党が09年 の原則禁止」のうち、製造業派遣と登録型派遣について禁止 る」と付記していますが、それは党内や労働団体の一部など であり、さほど意味はありません。 修正部分で注意が必要なのは、 「日雇い派遣」の取り扱い です。原則禁止は変わりませんが、政府案で禁止期間として いた「2カ月以内」から「30日以内」に緩和しました。一方で、 11月下旬の記者会見で4団体は「複雑性を増す労働市場 社会からの期待に応えるため5つのテーマに取り組む(2) 設置する(3)労働市場へのさらなる貢献のため、官民パー 創業から半世紀の専門メーカーで「改善」をお手伝い 東京都内に本社を置く、スクリーン印刷用インキ製造の 禁止の例外として「雇用機会の確保が特に困難な場合等を政 専門メーカーA社は、創業から50年以上を数える品質重 いさの残る表現になっていることです。 工場で、弊社コンサルタントとA社従業員がともに課題を 働政策審議会の協議を注視しなければなりません。 作業工程の柱となる配合、ロール、充填(てん) 、出荷、 令で追加」と付記しているため、 「等」の解釈を含めてあいま 視のメーカーです。このうち、埼玉県内にある2カ所の製造 現時点では、明確でない部分もあり、今後の国会審議や労 共有して生産性アップに取り組みました。 派遣先企業が懸念する「みなし規定」は先送り 検査の5グループについて、それぞれのリードタイムの短 このほかの修正部分では、期間制限違反など違法派遣が あった場合、派遣先が派遣労働者に労働契約を申し込んだも のとみなす規定がありましたが、ここは削除や緩和ではなく、 縮や仕掛削減を重視。いずれの工場でも改善の成果をあげ ることに成功しました。 主な改善点をグループ別にみると①原材料準備から攪拌 「法の施行から3年経過後」という猶予期間を設けました。い (かくはん)までの「配合」時間を3割短縮②ロールの洗浄 した。専門家の間でも派遣法の枠を超えた法律問題として 「労 出荷件数を年間ベースでゼロ化⑤検査時間の3割削減―― わゆる「みなし規定」は、派遣先にとって重要な懸念項目で 働契約の自由に反する」との批判が強かったもので、修正案 では踏み込んだ議論を先送りした形です。 時間を2時間以内に圧縮③充填作業時間を1割カット④誤 に結び付けることができました。 取材・文責 株式会社アドバンスニュース 株式会社 平山 東京本社:〒108-0075 東京都港区港南 1-8-40 品川プレイス 6 階 TEL:03-5783-3571(代)
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