Vo1. 23

Quality of Life
Vol. 23 summer 2009
白根敏光
のはトイレ休憩と給油のみ。アメリカドルがタイミング良く下がっていて、
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僕の愛車・サーフ(日本輸入車)をディーゼル満タン(70L)にしても$35、
カナダの半分ですむ。こちらのハイウェイは日本のようなサービスエリ
アはないが、レストエリアと呼ばれるトイレと休める場所が 150 マイル位
毎にある。おにぎりを食べながら、広がる地平線にかかる一本道をた
だひたすら走る時間が流れていく。
「今年の夏は西海岸を南に突っ走るってのはどう?」
ヨメ:「私、ロスに行きたい!」
こんな感じで『アメリカ西海岸の旅』が決まった。
ようやくカリフォルニア州へ入り、サクラメントを過ぎると標識にロスの名
前が出てきた。
インターステイト(州間高速道路)5号線
ロサンゼルス
今回の旅の計画は、南にロスまで一気に走り、少しずつ北上しながら
バンクーバーまで戻ってくるという計画(って、おおざっぱな…)。出発日
である金曜の夜、仕事を夜 10 時に切り上げ家に戻り 3 時間ほど仮眠。
その間にヨメはおにぎりを 20 個とおかずを用意。午前 2 時半、ロスに向
け、いざ出発!これは渋滞を避けるためとロス・ロングビーチで毎月第
三日曜日の朝 6 時半にオープンするフリーマーケットに間に合わせるた
めだ。最近のヨメはアンティークに凝っており、ファイヤーキングをはじ
めオールドアメリカンの雑貨など(僕はガラクタと呼んでいる)を集めて
いる。そのお宝探しもこの旅の目的のひとつである。
グーグルマップで見ると、バンクーバーからロスまでなんと 2,000km、
20 時間とある。・・・本当か?それ。そんな想像もできない距離に胸は
高まる。リッチモンドからハイウェイ 99 号線を南へ、国境を越えれば、I
-5 と呼ばれるインターステイト(州間高速道路)5 号線に変わる。あとは
この道をただひたすら走るのみ。ワシントン州・シアトルを通り、タコマ、
オレゴン州・ポートランド、セイラム、、、聞き覚えのある名前を標識でみ
ながら自分の過去の記憶を連想する(勿論、オレゴンに入ったら古谷
一行を思い出した-笑)。僕らは 2~4 時間交代で運転し続け、止まる
ロスに着いたのは翌日の夜中 2 時、、、なんと 2,000kmを 23 時間半で
走りきる(常時 120km走行)。特にサクラメントを過ぎてからの 8 時間が
キツく異常に長く感じた。ふと気付くとリッチモンドからロスまで、給油を
除けば止まる必要すらなく、料金所もなく一本道でつながっているとい
うことにアメリカの大きさを感じる。しかも無料。朝一番でマーケットに行
かないと意味がないということで、直接マーケットの駐車場に車を停め、
一瞬にして深い眠りにつく。
朝、目覚めると周りは車で埋め尽くされ、早速ヨメはマーケットに行って
いた(写真)。このロングビーチ・フリーマーケットは入場料は$5。様々
なアンティークが売られ、金額は地元のスリフトストアよりはやや高めだ
が一ヶ所にまとまっているため、時間のない旅行者や一気にまとめ買
いしたい人にはとても便利。おそらくアンティークショップのオーナーで
あろう日本人が大きな家具を買いまくっていた。日本円が強く、日本の
マーケットからすると格安なので良いビジネスであろう。ヨメはローカル
としてのプライドか、多少の割高感をぬぐえず、いくつかの小物を買っ
てマーケットを後にする。
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Vol. 23 summer 2009
った。キリン・一番絞り 24 缶が$13!カナダではたった 6 缶の金額に相
当する。
ロス滞在中は、メジャーな観光スポットをまわる。ベニス・ビーチ、マン
ハッタン・ビーチ、サンタモニカなどの海岸沿いから、ゲッティセンター、
UCLA、プレティ・ウーマンで舞台にもなった高級ブランドが立ち並ぶロ
デオドライブ、ビバリーヒルズに立ち並ぶ豪邸、映画スターが赤絨毯の
上で撮影されるのを良く見るハリウッド、チャイニーズシアター、そして
ダウタウンなどを見てまわりました。食事はローカルのファーストフード
ロス滞在は初日の車中泊を入れると 4 泊、ホテルはホリデイ・インで朝
食付き$39 とリーズナブル。ロスはご存知の通り、人口 390 万人、全米
に始まり、イーストインディアンから地元の黒人系アメリカン行きつけの
ソウルフードまで。すべて美味しかった。
で 2 番目の規模でハリウッド、ビバリーヒルズやアナハイムのディズニ
ーランドが有名で野球はドジャースとエンジェルス、バスケットはレイカ
やはりカリフォルニアのビーチと言えば、ヤシの木が連なる海岸線の歩
ーズの本拠地でもある。他にも色々とあるが、とにかく大きい。ここも移
道に金髪の女性が黄色のタンクトップにウォークマンを聞きながらロー
民が多く、メキシコをはじめとするヒスパニック系移民が人口の半分以
ラースケートというイメージがあったが(古い?)、そんな人は一人もい
上を占める。白人は 3 割、アジア系、黒人系と続き、日本人も多く住ん
ない。僕らが気に入ったビーチのひとつはベニスビーチ。海岸線沿いに
でいるという。街のつくりとしては、ダウンタウンはあるものの、特徴の
店が立ち並び、多くの人が散歩やスケボー(#1、#2)、サーフィンを楽
ある街同士が少し離れて全体的に大きくまとまっている感じで、街から
しんでいる。海岸線に落ちる夕日がとても綺麗で、夕日が沈むまでパ
街への移動にはフリーウェイが必須。少なくとも 4、5 車線からなる高速
ーカッションを狂ったように叩くヒッピーなおじさんを発見(写真右下)。
道路だ。カナダに比べると皆スピードを出しているのだが、運転技術は
僕らは彼をミスター・パーカッションと名づけたが彼の背中にかかって
高くマナーは良い。クラクションを鳴らしている人は少なく、僕にとっては
いるサインには、”What are you looking at ? Motherf○c△er!!”と書かれ
運転しやすく、特にフリーウェイの運転は楽しかった。ラッシュ時にはこ
ていた(笑)。
の 6 車線がビッシリと車で埋まるサンディエゴ・フリーウェイ 405(写真左
下)。
来る前に多くの日本人の友人に薦められたのが、ロスの南にあるトー
ランスという街。ここには日本のお店が集まるエリアが 3 ヶ所あり、そこ
のひとつであるミツワ・マーケットプレイスに行く。やはり疲れた時には
日本食。中にある店舗は、とんかつ屋の「かつ華」(写真右上)、山頭火
らーめん、イタリアントマトなどがあり、本当の日本食を味わうことがで
き、海外暮らしの日本人にはありがたい。マーケットでは日本酒、ビー
ル、焼酎を僕らの燃料として買い込む(※ちなみにカナダへの持込み
は一人につきボトル 1 本もしくはビール 24 缶でそれ以上は税金がかか
る。アメリカ滞在時間が 24 時間以内の場合は不可)。これがまた安か
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あっという間のロス滞在を楽しみ、海岸線を走るパシフィックコースト・
の街として知られている。もうひとつの橋・ゴールデンゲート・ブリッジ
ハイウェイに乗り、第 2 の目的地・サンフランシスコへと向かう。
(写真左下)、特に北側のある小高い丘からの景色は絶景。霧が街を
覆っていたかと思うと 30 分も経てば、霧が晴れ、左手にはアル・カポネ
サンフランシスコ
が投獄されていたという監獄島(ツアーもある)と呼ばれるアルカトラズ
島、正面にはダウンタンが広がる。この橋はバンクーバーのライオンズ
時間があれば、ロスからサンフランシスコ(以下、サンフラン)までの移
ゲート・ブリッジと設計者が同じ人だという。
動は海岸線のパシフィックコースト・ハイウェイがお薦め(移動:約 8 時
間、距離:約 700km)。ロスよりも波が高いのか多くのサーファーが集
まっており、中でもサンタ・クルーズはとても綺麗な町で、サーファーに
とっては住みたい街のひとつだろう。
ここでは、テレグラフヒルの頂上にあるコイトタワー、勾配 40 度の曲が
りくねった坂道・ロンバードストリート、北米最大のチャイナタウン、フィッ
シャーマンズ・ワーフ、ユニオン・スクエア、ジャパンタウン、ダウンタウ
ダウンタウンより西のウォールナット・クリークという町に宿泊。朝の異
常なまでの渋滞を避けるため、ゆっくりと朝 10 時にダウンタウンへ向け
出発。サンフラン周辺もロス同様フリーウェイがいくつもある。たまに分
かりづらいサインがあり、急な 5 車線変更を強いられたりと、地理に不
慣れな旅行者にはカーナビがあると助かる。サンフランのダウンタウン
ンなどの観光スポットをまわりました。サンフランは交通手段が行き届
いておりバス、ケーブルカー、電車など車がなくても移動ができる。なか
でもサンフランといったら良く飛び乗るシーンを見かけるケーブルカー
(1 日券$11)。坂の多いこの街で気軽に乗り降りできるケーブルカー
はとても便利でした(写真下)。
に入るにはベイブリッジもしくはゴールデンゲート・ブリッジのいずれか
の橋を渡らならなければならず、通行料は有料(片道のみ$4~6)にな
る。
運転手は皆きさくな人達ばかりで、常に何かしらジョークを飛ばしてい
る。このケーブルカーはなんと築 180 年!
ベイブリッジを走ると例外にもれず霧がかかっており(写真左上)、橋を
降りると同時に目の前に青空とサンフランの街が広がる(写真右上)。
町並みは建物が白ベースで古く歴史を感じさせる。人口は約 78 万人、
野球はジャイアンツ、アメフトはフォーティナイナーズの本拠地で霧と坂
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夜、街を歩いていると道端に人が集まっている。TVの取材にカメラマン、
州税 7%)、それがここでは全くない。オーラが見えるほど燃え上がるヨ
パパラッチまでいる。見に行ってみるとシャーリーズ・セロン(写真下)と
メを横に過去の辛い買い物体験が蘇る。しかし、今回は僕もその買物
他の俳優(僕は二人とも知らなかったのですが)がいました。どうやらチ
退屈症候群の対処法をあみ出していた。それは、①本持参、②自分の
ャリティーイベントで来ていたようです。
モノも買う…。
とあるお店で働いているお姉さんが僕を見て笑って言った。
「一冊で足りるの?」
まるで水を得た魚のようなヨメと、鎖で繋がれ引っ張られる犬の僕、、、。
リストアップしている買物先を効率良くこなしていき、ヨメは第 6 感をフル
に使っているようだ。それでも時間が押していたが、予想外なところで
ポートランド空港の近くにある巨大ショッピングモール(写真右下)を発
街にかかる橋、交通手段、規模など、どことなくバンクーバーに似てい
る感じがしました。ディナーはフィッシャーマンズ・ワーフの一角にある
小さなレストランで。これが僕にとって、この旅のベストメニュー。これが
うまいのなんのって(写真下:ムール貝のマリナラソース・スバゲティ)。
見。ここでほとんど希望のものが手に入った。やはり、まとめ買いは巨
大ショッピングモールに限る。家具まで買った。この街では観光はして
ないがコンパクトで移動がし易く、雰囲気はシアトルに似ている。しかも
街中に走っている電車は区間によって無料で乗ることが出来る。
翌日も案の定、ヨメの交渉に破れ、午前中は軽く買い物、そしてようやく
ポートランドを発つ。今回は我ながら良い買い物ができた。帰りはスム
朝から晩まで遊びまくってサンフランを後にする。
ーズに渋滞なしでシアトルを抜け夜には我が家に戻る。
ポートランド
日数:9 日間、合計走行距離:4,275km、訪問都市:ロサンゼルス、サン
サンフランから北へ約 10 時間(約 1,000km)走り続け、ド田舎の風景に
飽きたところに出てくる街・オレゴン州のポートランド。ここにこの旅のメ
インイベントが待ち構えていた。それは、僕の天敵、「ショッピング」であ
る。ヨメはこの旅、いや、この日のために、この夏なるべく買い物しない
よう我慢していたほどだ。そのエネルギーと、そして沸き上がるアドレナ
リンが、まるで 100m走前の陸上トラックに立つ選手のようにさえ見え
フランシスコ、ポートランド。旅は人を大きくさせる、、、なんて言うが、今
回もかなり面白い経験となり視野が広がり、様々な『気付き』があった。
旅から帰ると日常生活を客観視できて、リセットできるし、エネルギーも
沸く。こういう旅は半年に一度はしたいものだ。
家に戻った矢先にヨメが言う。「ねぇねぇ、明日もアメリカに行こうよ♪」
「…・・。」 終始無言。
る・・・。なぜここで買い物なのかというと、実はオレゴン州は無税。何を
買っても値札の金額。消費税を頭で計算する必要もなくシンプル。ちな
みに僕達が住んでいるバンクーバーは消費税が 12%(連邦消費税 5%、
CA$1=82.62 円(ヤフー9/27 現在)
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