Jリーグ川崎フロンターレに見る 「地域密着型プロスポーツ」の形

Jリーグ川崎フロンターレに見る
「地域密着型プロスポーツ」の形
大久保ゼミ10期
小沢 庸子
川崎市について
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1924年7月1日市制施行
1972年より政令指定都市(現在7区)
人口約138万人(2008.5現在)
東京都と横浜市に挟まれた細長い市
東側(南部)臨海部は工業地帯として有名
西側(北部)は住宅地としての発展が顕著で、
緑が多く、多摩川梨の産地
川崎とスポーツ
• フロンターレ以前のプロスポーツ
(プロ野球)
1954年 高橋ユニオンズ・・・2年で大映と
合併・移転
1955年 大洋ホエールズ
(現・横浜ベイスターズ)
1978年 ロッテオリオンズ
(現・千葉ロッテマリーンズ)
・・・いずれも本拠地移転
(Jリーグ)
ヴェルディ川崎・・・2001年東京へ移転
• 現在の川崎のスポーツ
「ホームタウンスポーツ」
まちづくりに寄与するスポーツ活動
「川崎市ホームタウンスポーツ推進パート
ナー制度」
2004年創設(7団体1個人)
Jリーグの概要
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1993年に10クラブでスタート
1999年には1・2部制を導入(J1:16/J2:10)
2008年は2クラブ新加盟で33クラブ(J1:18/J2:15)
J2入会を目指すクラブで、一定の基準を満たしたものを
「Jリーグ準加盟クラブ」として
認定
川崎フロンターレの概要
• 1992年JFL(ジャパンフットボールリーグ)加盟
• 1997年「川崎フロンターレ」としてプロ化
• 2000年J1昇格も最下位、1年でJ2降格
同年ヤマザキナビスコカップ準優勝
• 2005年J1再昇格でリーグ8位、2006年2位
• 2007年リーグ5位、ナビスコカップ準優勝
クラブエンブレム
マスコット「ふろん太」
フロンターレの戦略①
(まずは知名度UP)
• 商店街、青年会議所、商工会
議所などへの働きかけ
(サポートショップ制度)
• 行政への協力要請
(市の施設整備、転入者向け
広報活動等)
• 地元幼稚園・保育園・小・中学
校への普及活動
(授業としてのコーチ派遣、
「サッカーニュース」配布等)
フロンターレの戦略②
(集客)
• 家族連れをターゲット「レジャー」
としてのサッカー観戦
(安い子供用シーズンチケット)
• 独自のプロモーション活動
(手垢の付いた企画でサポーター
との一体感を出す)
• 選手の社会貢献活動・市民イベン
トへの参加
(選手の契約に参加義務を含む)
フロンターレの戦略③
(客の固定)
• ファンクラブ・シーズンチケットでの他レジャーとの差別化
• アウェイゲームへの動員
(「等々力へ行く習慣」から「サッカーを観る」習慣へ)
• 「川崎市民のフロンターレ」という意識付け
(応援に川崎らしさ、フロンターレによる街の活性化)
戦略の結果(観客数ほか)
• 2007年の1試合平均観客動員数17338人
(J2の期間でも観客数は増加)
• 平均観客動員数に対するシーズンチケット率55%
• ファンクラブのリピート率80%以上
(同規模のJリーグクラブの中ではトップクラス)
• サポーターの交通費・所要時間が安くて短い
(地元密着・行きやすさ)
1試合あたり観客動員数の変化
1試 合 平 均 動 員 数
20000
15000
10000
5000
0
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
年度
平均交通費=310円
(2007年度リーグ最低)
平均所要時間=38分
(同2位)
ちなみに最高は鹿島
(2140円・109分)
今後に向けての課題
(チーム強化以外)
• サポーターの増加を目指す
(市内北部地域・小杉近辺再開発地域)
• サポーターの定着のためのハード面強化
(スタジアムなどの施設改修)
行政・クラブ・地域が三位一体
となって取り組んでいくこと
(ただし行政を動かすには行政を
ある程度納得させる実績が必要)
まとめ
• スポーツ観戦の「労働者の娯楽」から「レジャー」への転換
(「工場の街」から「愛の街」へ)
• 「クラブ」「行政」「地域」がベクトルを合わせる
(クラブの存在が市民にプラス)
• ホームタウン地域の特性分析は必須
(地形・交通・人口推移など)
• 器やクラブ自体の規模相応の経営
(無理にビッグクラブ化は望まない)
参考資料
• 週刊サッカーマガジン(ベースボールマガジン社)
• 週刊サッカーダイジェスト
(日本スポーツ企画出版社)
• サッカー新聞エルゴラッソ(㈱スクワッド)
• 川崎市WEBSITE
• JリーグオフィシャルWEBSITE
• 川崎フロンターレオフィシャルWEBSITE
• Jリーグ選手協会オフィシャルWEBSITE
• 2007 Jリーグスタジアム観戦者調査報告書
(社団法人日本プロサッカーリーグ)
• 神主さんがなぜプロサッカーチームの経営をするのか
(池田弘/東洋経済新報社)
他
ご静聴ありがとうございました