普通保険の分損てん補の方法についてH21.2(H27.7一部変更)

普通保険の分損てん補の方法について
漁船保険は、漁船損害等補償法を根拠法として、漁船につき不慮の事故による損害の復旧を容易にすることにより、漁業
経営が困難となることを防止し、もって漁業経営の安定に資することを目的とする制度保険です。普通保険の分損てん補の
具体的な方法については、次の要領により取り扱われますのでご留意願います。なお、内容についてご不明な点やその他
の事故等については所属の漁協にお問い合わせ下さい。
平成21年4月1日以降の事故から適用
【共通事項】
項目・品名
てん補の要領
不慮の事故とは、予見することのできない偶然に発生した出来事を意味し、漁船保険の損害
不慮の事故による損害
てん補の基本となります。
自然損耗とは、損害の発生過程に事故の存在がなく、漁船の使用により必然的に生じる損耗
を意味し、船主の一般管理費をもって充当すべき損害であるため、てん補の対象となりませ
ん。しかしながら、漁船保険では、自然損耗を一次原因として生じた二次的な損害について
自然損耗による損害
は、自然損耗の存在する部分を除き、不慮の事故としててん補の対象となります。自然損耗に
よる損害とは、腐食、磨耗、磨滅、材質劣化及び経年疲労等による損害があり、これらを一般
的に経年損耗と呼んでおります。
免責には、法定免責・相対免責・小損害の免責があり、保険金の全部又は一部がてん補され
免責
ない場合があります。詳しくは「普通損害保険等の契約に関するご案内」等にてご確認くださ
い。
第三者の不法行為、又は製 衝突、放火、盗難等の第三者の不法行為、又は製造者及び修繕者の過失によって生じた損
造者及び修繕者の過失に 害については、それらの者に対して損害賠償請求をする必要があります。損害賠償請求を
よる損害
怠ったと認められる場合には、保険金が支払われないことがあります。
原則として損傷直後の損害を認定します。船主の管理上、使用上の問題並びに修繕業者の
損害拡大における減額てん
責任により損害が拡大したと考えられる場合には、不慮の事故による損害にあたらないので、
補
損害拡大部分についてはてん補の対象となりません。
船体、機関等について不慮の事故によって生じた損害。電気設備、電波設備等が13原因に
分損の対象
よって生じた損害が対象となりますが、てん補にあたっては条件等がありますので、詳しくは
「普通損害保険等の契約に関するご案内」等にてご確認ください。
腐食、磨耗、磨滅等の自然損耗による損害。自然損耗の存在する部分の損害。暴露部に設置
された防水仕様でない機器の損害。船体の固定位置から取り外された機器類、設備及び装備
品の損害。消防設備、帆、索の損害。海びょう、双眼鏡、寝具、カーテン、ビニールタンク等の
分損の対象とならない主な
属具や備品で船体の固定位置に備え付けられていないものの損害。移動物・私物・漁具の損
もの
害。燃料、潤滑油、クーラント、油圧機器の作動油、冷凍装置の冷媒及びグリス等の機器を機
能させるための資材の損害。外板腐食やプロペラの腐食等のような自然損耗の存在する部分
の損害はてん補の対象となりません。
自然損耗の存在する部分
(消耗品等)
バルブ類、弁座、ガイド、リング類、ボルト・ナット・スプリング類、ノズルチップ、燃料ポンプ、メタ
ル・ベアリング、摩擦板、ユニバーサルジョイントのピン及びコマ、ダンパー、着火プラグ、ゴム
カップリング、計器類、冷却水ポンプ、ドッククラッチ、ドライブコーン、座金、割ピン、保護亜
鉛、可変ピッチプロペラ用変節コマ、プロペラ軸受等の自然損耗、Vベルト、電球、蛍光管、グ
ローランプ、チェーン、ヒューズ、ボリューム、マグネトロン、バネ、ブラシ、バッテリーターミナ
ル、タイヤ(ゴム製ローラー)、ゴムホース、油圧用高圧ホース等の消耗性の高いものは原則と
しててん補の対象となりません。
損傷箇所を事故発生直前の状態に復旧させるために必要であった最低額の費用を対象にし
分損てん補の対象となる損 ており、具体的には当該損傷箇所を機能(強度)的に復旧させる費用(経年損耗相当額は控
害額
除します)をいいます。また、当該費用については、漁船修繕専門業者等の意見を参考に作
成された基準を用いて算定されます。
故品価値相当額の控除
付帯工事費
修繕により取換えられる故品が交換価値を有する場合には、修繕費から故品価値相当額を差
引いた額がてん補の対象となります。
損傷箇所を修繕するために必要な取り外し及びその部分の復旧に要した費用はてん補の対
象となります。
1
項目・品名
てん補の要領
保険事故に係る損傷箇所の修繕が上架又は入きょを必要とする場合に限りてん補の対象とな
りますが、修繕の際に定期検査、中間検査、上架若しくは入きょを必要とする通常修繕又は上
上下架料
架若しくは入きょしなければ工事が困難な通常修繕を実施したときは、上架又は入きょ費用の
半額がてん補の対象となります。滞架・滞きょ費用がある場合も同様とします。
船底防汚塗装の有効期間内に保険事故が発生し、当該箇所の修繕のため上架又は入きょし
船底防汚塗装
たことによりその効力が著しく減少した場合に限りてん補の対象となります。
修繕と法定検査・通常整備 保険事故による損傷箇所の修繕に際し、法定検査や通常整備を同時に実施したときは、当該
の同時実施
整備と重複する部分については、半額がてん補の対象となります。
法定検査や通常整備等の際に確認された損傷箇所の修繕については、当初予定していた整
法定検査・通常整備等によ
備工事部分の工事費はてん補の対象となりませんが、追加で必要となった工事部分の工事費
る発見事故
はてん補の対象となります。
修繕業者が修繕部品等の仕入れに際し送料を負担した証票を添付することによりてん補の対
送料
象となります。
自力航行が不可能な状態で近隣に修繕可能業者がない場合には、修繕回航見積額と比較し
出張費用
安価な方がてん補の対象となります。
メーカー等の定価のあるものは、定価以内であればてん補することができます。定価を超える
額の請求は認められません。定価のないものは、社会通念上常識的なマージン又は管理費相
マージン及び管理費
当額(電話等の打合せや梱包、バラシ及び運搬等の人件費やクレーン使用料等の実際に要し
た費用)をてん補します。
【船体関係】
項目・品名
平成21年4月1日以降の事故から適用
てん補の要領
折損した場合の多くは経年的に使用されたことにより発生したものと考えられることからてん補
鉄鋼製舵軸の折損
の対象となりませんが、折損した舵軸を一次原因とし、二次的な損害として発生した舵板作製
費用及び舵の取付費用についてはてん補の対象となります。
折損や亀裂が生じた場合の多くは経年的に使用されたことにより発生したものと考えられること
シューピースの折損
からてん補の対象となりませんが、二次的に発生した損害についてはてん補の対象となりま
す。
船底外板に他物との接触痕がなく、船底の骨材に亀裂、折損あるいは二次接着の剥離といっ
た損傷が発生している場合には、骨材の強度不足、構造不良あるいは経年疲労が原因として
FRP製漁船の船体亀裂
考えられることからてん補の対象となりませんが、二次的に発生した船底外板の亀裂等の修繕
についてはてん補の対象となります。
他物との接触を示す擦過傷等がない外板の剥離事故は、FRP資材の積層の方法等に起因し
FRP製漁船の船体剥離
経年的に使用されたことにより剥離を起こしたものと考えられるのでてん補の対象となりません
が、二次的に発生した損害についてはてん補の対象となります。
プレジャーボートタイプの漁 船体のFRP修繕に当たって、メーカー等で修繕した場合に、美観を重視した仕上げ等により、
船
その修繕費が高額となった場合には、修繕費の一部をてん補できないことがあります。
腐食による強度不足により折損した場合にはてん補の対象となりませんが、他物との接触によ
木製舵の折損
り折損した場合はてん補の対象となります。
スレ材(台ズリ)、防舷材、係留中の立及び木製マスト等の単独損傷については、経年損耗に
経年損耗性の高い部材
よる損害はてん補の対象となりませんが、不慮の事故による損害はてん補の対象となります。
操舵機台座・油圧シリン
舵機室は水分の多い場所であることから腐食、錆などが発生し易く、腐食等の経年損耗による
ダー等
損害はてん補の対象となりませんが、不慮の事故による損害はてん補の対象となります。
事故前に機能を十分に有していた部材を保険工事の付帯工事として取外し復旧を行った場
付帯工事(腐食)
合、取外すことによって再使用できなくなった部材については、その新替え費用がてん補の対
象となります。
単独損傷については、腐食や熱疲労が原因と考えられるため、原則としててん補の対象となり
トモ出し排気管
ません。
2
【機関関係】
項目・品名
シリンダヘッド
ピストンの亀裂等
シリンダライナ上部顎部の
亀裂
シリンダブロック
タービンケーシングの亀裂
排気マニホールドの亀裂
熱交換器類のケースの亀裂
排気ベンド(排気タワミ管)
消音器(サイレンサ)
ピストンリング(オイルリング)
シリンダヘッド仕組品
スチールプレート・シンター
プレート
ダンパー
平成21年4月1日以降の事故から適用
てん補の要領
歪による単独損傷については、経年損耗による損傷であることからてん補の対象となりません
が、吹き抜けによる損傷、スピゴット部、弁間及び吸気孔の亀裂については、経年損耗等によ
る損傷を除きてん補の対象となります。
リング溝の磨耗、リング溝の磨耗拡大により亀裂が発生した場合については、経年損耗による
損傷であることからてん補の対象となりませんが、頂面、背面及びスカート部の亀裂について
は、経年損耗等による損傷を除きてん補の対象となります。
不慮性が確認できる場合にはてん補の対象となります。
上面の歪、ライナ嵌合部等の水漏れ時の修正費及び交換費用については、経年損耗による
損傷であることからてん補の対象となりませんが、ライナ嵌合部の亀裂による損傷については、
経年損耗等による損傷を除きてん補の対象となります。
経年損耗に起因した損傷が多く発生する部品であるため、損傷部を切断し腐蝕や鋳巣及び偏
肉等がなければてん補の対象となります。
経年損耗に起因した損傷が多く発生する部品であるため、無冷却の排気マニホールドを除き、
損傷部を切断し腐蝕や鋳巣及び偏肉等がなければてん補の対象となります。
経年損耗に起因した損傷が多く発生する部品であるため、船体振動による亀裂損傷、コア、
チューブとケースが一体型の場合のコア、チューブの損傷による交換はてん補の対象となりま
せんが、ケースが外力により損傷した場合には、ケース相当額がてん補の対象となります。
無冷却であり、熱疲労により変形・亀裂するものなので、原則としててん補の対象となりませ
ん。
錆や振動等で損傷する経年損耗性の高い部材なので、原則としててん補の対象となりませ
ん。
消耗品であるため原則としててん補の対象となりませんが、ピストン及びライナと共に損傷した
場合にはてん補の対象となります。ただし、ピストンリングが一次原因の場合並びに損傷がな
いにもかかわらずピストン仕組で交換した場合にはリング相当額を控除します。
吸気弁、排気弁、弁座、ガイド等は消耗品であるため、これらを除いててん補の対象となりま
す。
磨耗により磨滅し易い部品であることから、使用年数が5年以上の場合には、磨耗の少ない片
方のみがてん補の対象となります。てん絡等により急激な焼付けを起こしたことが確認できる場
合であって、使用年数が約10年以内で十分に使用可能な状態であった場合には、両プレート
がてん補の対象となります。
※てん絡とは、漁具等がプロペラ、プロペラ軸にまきつくことをいいます。
シリコン製、ゴム製、金属製共に、機関をトルク変動から守る装置であり、経年損耗性の高い部
品であることから原則としててん補の対象となりません。
ゴムカップリング
緩衝材であり劣化することから原則としててん補の対象となりません。
損傷気筒以外の気筒の工
賃・消耗品
原則として損傷気筒のみがてん補の対象となります。
原則としててん補の対象外ですが、新替え後間もない時期に発生したことが確認できる場合に
はてん補の対象となります。ただし、消耗品が一次原因である場合には当該消耗品はてん補
の対象となりません。
消耗品類の単独損傷、消耗 消耗品類はいずれ交換が必要になるものです。消耗品類の単独損傷は経年損耗であることか
品類のみの交換工事費
ら、消耗品類及び消耗品類の交換工事費はてん補の対象となりません。
事故により損傷した部分の復旧に必要なものについては、てん補の対象となりますが、長年整
消耗品(パッキン・ガスケッ
備を怠っている場合には、船主工事と併行部分の1/2がてん補の対象となります。ただし、交
ト・シール・オーリング類)
換が必要な程度劣化している場合にはてん補の対象となりません。
小型高速機関については原則としててん補の対象となりませんが、その他の漁船において
消耗品(メタル)
は、使用期間がロッドメタル2年、メインメタル4年以内のものについてはてん補の対象となりま
す。
原則としててん補の対象となりませんが、ケースなどの破損と共に損傷した場合にはてん補の
消耗品(シム)
対象となります。
消耗品(ボルト・ナット・スプ
原則としててん補の対象となりません。
リング)
消耗品てん補の基本
3
項目・品名
てん補の要領
消耗品(ボールベアリング・ 原則としててん補の対象となりません。ただし、マリンギアの軸受けについては、使用期間が中
コロ軸受け)
小型4年程度、大型5年程度のものについてはてん補の対象となります。
仕組品の損傷原因が内部にあって修繕ができる場合には、原因部分相当額及び消耗品相当
額を控除します。仕組品で新替えした場合には、復旧見積査定額と仕組品価格から原因部分
相当額及び消耗品相当額を控除した額と比較し、安価な方がてん補の対象となります。仕組
品価格のみの設定で、修繕ができない場合には、仕組品価格から原因部分相当額及び消耗
品相当額を控除した額がてん補の対象となります。損傷原因が仕組品の外部にあって修繕が
機関仕組品(船外機以外の
できる場合には、消耗品相当額を控除します。仕組品で新替えした場合には、復旧見積査定
シリンダヘッドを除く)
額と仕組品価格から消耗品相当額を控除した額とを比較し、安価な方がてん補の対象となりま
す。修繕ができない場合には、仕組品価格から消耗品相当額を控除した額がてん補の対象と
なります。仕組品に経年損耗や腐蝕がある場合には、これらも控除します。該当する主な機器
は、過給機、船外機シリンダ部、船外機ロアー部、船内外機ドライブ部、船外機の組立型クラン
ク軸、燃料噴射ポンプ等があります。
海水ポンプ、清水ポンプ、潤滑油ポンプなどのポンプ類の単独損害は、経年的な損耗が原因
と考えられるので、原則としててん補の対象となりませんが、他に原因があり、二次的に損傷し
機関ポンプ類
たことが確認できる場合には、消耗性が高いベアリング、インペラ、ケース、蓋、シール等を除
いた損傷部分がてん補の対象となります。
適正な額がてん補の対象となります。中古機関履歴書と請求内訳明細書の提出が必要になり
中古機関への換装
ます。
生産中止機関及び部品
最終販売価格がてん補の対象となります。
機関陸揚げに係る上下架
料
作業能率アップ又は合理的な理由により、上下架が必要であったことが確認できる場合にはて
ん補の対象となります。
アッパー部、ロアー部、スイベルフォーク部が腐蝕により強度不足となり損傷した場合にはてん
船内外機
補の対象となりませんが、二次的な損害についてはてん補の対象となります。
船外機・船内外機ギアの磨 段付磨耗、磨滅損傷は経年的又は性質損害と考えられるので原則としててん補の対象となり
耗
ません。
定価が10万円を超えるプロペラが損傷した場合には、修正費用の範囲内でてん補します。修
プロペラ
正が不可能な場合には、漁船保険組合が指定するプロペラ修繕専門業者の証明書の添付が
必要になります。
不慮の事故により翼根部が使用後約3年を超えて折損した場合にはてん補の対象となります。
プロペラの亀裂・折損
0.7R付近の応力腐蝕による割れ及び折損についてはてん補の対象となりません。
船内外機・船外機のプロペ
プロペラに外傷がない場合にはてん補の対象となりません。
ラブッシュの剥離(スリップ)
プロペラにキャビテーショ
曲損等の修繕可能なプロペラが経年損耗等により修繕不能と認定された場合には、曲損等修
ン・腐食等経年損耗と曲損 理費の範囲内でてん補します。経年損耗等と修繕不可能な曲損等がある場合には、経年損耗
等の損傷が混在する場合 相当額を控除した額がてん補の対象となります。
磨耗、腐蝕、キャビテーション等の経年損耗が原因で強度不足となり折損や曲損した場合には
プロペラ軸
てん補の対象となりませんが、不慮的な原因により損傷した場合には、経年損耗相当額を控除
した額がてん補の対象となります。
砲金製船尾管の中間パイプとのつなぎ部分の溶接部等が、電蝕や磨耗で外れた場合には、
船尾管
経年的な損傷部分相当額を控除した額がてん補の対象となります。
磨耗は経年的な損害でありてん補の対象となりませんが、使用期間が短い場合にはてん補の
軸受け(支面材)
対象となります。
シールリングとダイヤフラムは損耗性が高いため、不慮性が確認できる場合に限り、ゴム製品で
シールスタン
あるダイヤフラムを除いたシールリングがてん補の対象となります。
カップリング
プロペラ軸との揉まれによる内部テーパー部の損傷によりプロペラ軸とカップリングを共に交換
した場合には、どちらか片方がてん補の対象となります。カップリングのみを交換した場合に
は、ナット、キーはてん補の対象となりませんが、カップリングの修正費用相当額がてん補の対
象となります。
排気トモ出し管の冷却水等
船体の構造上予見できる事故であるため、適切な事故防止策を講じていない場合には、保険
逆流によるウォーターハン
金の全額若しくは一部を支払わない場合があります。
マー事故
4
【設備関係】
項目・品名
設備類のてん補の基本
仕組品
中古機器・中古部品
発電機
ポータブル発電機関
平成27年7月1日以降の事故から適用
てん補の要領
13原因(沈没、座礁、衝突、火災、銃砲弾の命中、爆発、高圧ガスの噴出、盗難、異常な浸
水、異常な風浪、だ捕、抑留、落雷)により損傷したことが立証された場合に限りてん補の対象
となります。
一次原因相当額、消耗部品相当額を差引いた額がてん補の対象となります。
復旧する中古品が、新替え見積額(定価)と比較し十分に安価である場合を除き、中古品取得
の経過とその請求内訳明細書の提出が必要になります。
発電機軸は13原因にかかわらず一般分損の対象となります。発電機単独損傷の場合には、一
次原因相当額を控除した額がてん補の対象となります。
閉囲された場所に固定され13原因等により損傷した場合にてん補の対象となります。
バッテリー、省エネ安定器、パネル型LED集魚灯等の経年損耗性の高い電気機器であって
も、13原因により生じた損害はてん補の対象となりますが、一次原因部品並びに経年損耗度
の高いターミナルやボリューム等は原則としててん補の対象となりません。
電気モーターが組込まれた モーターが組込まれた機器の損害については、モーター等の電気部分は13原因、それ以外
機器
の部分は一般分損のてん補の対象となります。
経年損耗性の高い電気機
器
ローター及びアーマチュアは摺動部分の損害であり、その単独スリップ焼付き損傷事故は、基
本的に性質損害であることから原則としててん補の対象となりませんが、使用機齢が短く、また
電磁クラッチ
アーマチュア摺動面の外周及び内周の段付き溝が顕著でない場合に限り、ローター若しくは
アーマチュアのいずれかを除いた額がてん補の対象となります。
エアークラッチエレメント単独のスリップ焼付き損傷事故は、基本的に性質損害であることから
エアークラッチ・ドーナツ
原則としててん補の対象となりませんが、使用機齢が短く、ゴム表面の経年損耗がなく、また
カップリング
シューの厚さが十分残っている場合にはてん補の対象となります。
漁労油圧機器(ポンプ・
一次原因(経年損耗部分・消耗部品)部品相当額を控除し、二次的に損傷を受けた部品の復
モーター等)の単独損傷
旧費用がてん補の対象となります。
製造中止(部品供給不能) 損傷機器(損傷部品)の最終販売価格による修繕見積額と同等機種による新替え額を比較
漁労機器
し、安価な方がてん補の対象となります。
キー溝とキーの接続部の磨耗損傷は、経年的性質損害であるためてん補の対象となりません
油圧ポンプ等の軸キー溝損
が、それらの影響により発生した軸の損傷(折損や折損同等のクラック発生等)や油圧機器内
害
部の損傷は二次的損害としててん補の対象となります。
巻胴と側板の接合部に生じる円周上の亀裂は経年的性質損害としててん補の対象となりませ
んが、側板の中心部より放射線状に生じた亀裂はてん補の対象となります。ウィンチの動力を
トロールウィンチ
嵌脱及び伝達するドッククラッチ、チェーン及びスプロケットの損傷並びにギア歯面の磨耗等は
原則としててん補の対象となりません。
ゴムタイヤは経年損耗度の高い部品であるため原則としててん補の対象となりません。揚網機
揚網機
のウォームホイール及びウォームギアの単独損傷は片側のギアを除いた額がてん補の対象と
なります。
揚網ローラー軸
折損した場合の多くは経年的に使用されたことにより発生したものと考えられることからてん補
の対象となりませんが、二次的な損害として発生したものについてはてん補の対象となります。
漁労機器減速機
ウォームギア・ウォームホイール・遊星歯車等の損害てん補については、経年損耗度を勘案し
基本的には一次原因となったギアを差引き、二次的損害を被ったギアの損害がてん補の対象
となります。
注1 このてん補の要領は、平成21年4月1日現在(平成27年7月1日一部変更)の取り扱いを取りまとめたものです。将来、
法律等の内容改正や解釈が変わること等で、てん補方法等が変更されることがありますので予めご了承願います。
5