15 12 ウヨロ環境トラスト主催の講演会 857 野生サケの保全を考える 8 ウヨロ川遡上サケの産卵と捕食行動を報告 ウヨロ環境トラスト主催の講演会﹁野生サケ の保全を考える﹂が9月 日、萩野公民館で開 かれました。自然ウォッチングセンターの島田 明英代表が﹁ウヨロ川の3年間のサケ調査結果 から分かったこと﹂を報告し、北大大学院水産 科学研究院の帰山雅秀教授が﹁野生サケの重要 性と保全について﹂講演しました。 サケのふ化放流事業でサケ漁の資源を守って いるウヨロ川では、3年前から同トラストによ る野生サケの産卵行動やホッチャレの利用調査 が続けられてきました。島田さんは﹁野生サケ は湧き水によって水温が高くなる川床を選んで 産卵している﹂と ヵ所︵昨年 月︶にのぼる 産卵床の数の推移を報告、産卵を終えたホッチ ャレの数や野鳥や動物が冬越しのための捕食行 動を写真、ビデオの記録で明らかにしました。 帰山教授は﹁知床のカ ラフトマスや道内のシロ ザケは環境変化によって 回遊コースが変化してい るようだ﹂と説明した上 で、﹁道内のサケは 月 から 月に川へ戻るふ 化・放流した前期群のサ ケが大半を占めているが、 年明け前後に川に戻る在 来の野生サケの存在が遺 伝子的に重要になってく る﹂と、野生サケ保全の 重要性を語っていました。 9 源泉かけながしの湯でモニターの健康検査、温泉マイスター養成も 源泉かけながし宣言で温泉の里としてアピールしている虎杖 浜温泉を健康づくりに役立てようと、白老観光協会主催の温泉 モニター入浴講座と温泉入浴マイスター育成講座が、9月26日 から始まりました。 温泉博士として知られる札幌国際大学の松田忠徳教授を講師 に、2講座が開設されました。温泉モニターに応募した町民ら 14人を対象に、11月まで3回の温泉学講座を開き、ホテルいず みとアヨロ温泉(虎杖浜)、富士の湯温泉ホテルと若湯温泉 (竹浦)の4施設を週に2、3回入浴し、9月、11月、1月に血液検査を受けて、源泉かけながしの温泉入浴によ る効果が検証されます。初講座で松田教授は「寝たきりで長生きするよりは、源泉かけ流しの虎杖浜温泉を活用し て、日本一健康な町の宣言を」と呼びかけました。 一方、マイスター養成講座は旅館・ホテルなど温泉施設の関係者ら10人が受講、11月まで5回の講座が開かれ、 終了後に検定試験を行い、合格者にしらおい温泉入浴マイスターの称号と認定書が贈られます。 26日午後の初講座で、松田教授は「水道水で薄めない源泉かけながしのお湯を提供する虎杖浜温泉は、免疫力が 高まる質の高い優良な温泉で、きわめて貴重です」と説明しながら、「源泉のお湯でゆっくり体を温めることで病 気への免疫力を高めることができます」と、予防医学的な効能を語っていました。 ロンドン五輪柔道銅メダリスト上野順恵選手が講演 白老ロータリークラブの公開例会が9月17日、しらおい経済センターで開かれ、ロンドンオリンピック女子柔道 63㎏級で銅メダルを獲得した上野順恵(よしえ)選手=三井住友海上火災保険所=による「オリンピック報告会」 が行われました。 旭川市生まれ、父の道場で3歳から柔道を始め、旭川南高校卒業。今年8月のロンドンオリンピックでは銅メダ ルに輝きました。「白老の子どもたちにあきらめない心を伝えて」との講演依頼を快諾した上野選手は、大きなメ ダルを胸に下げて会場入りし、少年・少女や町民ら200人の大きな拍手に迎えられました。 初体験のロンドン五輪を振り返り、「優勝を逃したのは悔し かったが、やり切った満足感もあります」ときっぱり。準々決 勝で敗れた直後、アテネと北京五輪のゴールドメダリストだっ た姉・雅恵さんから「メダルを取るのと取らないでは大違い」 と励まされ、「敗者復活戦は諦めない気持ちで望めた」と銅メ ダル獲得への心の軌跡を語りました。 「体が小さくけがをするので、柔道には向かないと、親は諦 めていました」が、持ち前の負けず嫌いを練習のエネルギーに して、「反骨精神で自らを叱咤激励してきた」と語りました。 2012年11月号 26
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